JPH1030526A - 高圧サプライポンプ - Google Patents

高圧サプライポンプ

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JPH1030526A
JPH1030526A JP18312096A JP18312096A JPH1030526A JP H1030526 A JPH1030526 A JP H1030526A JP 18312096 A JP18312096 A JP 18312096A JP 18312096 A JP18312096 A JP 18312096A JP H1030526 A JPH1030526 A JP H1030526A
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tappet
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pressure supply
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禎次 稲熊
Hiroshi Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン側のオイル供給量の制御を行うこと
なしに、タペット室へのオイル過剰供給にともなう液圧
縮を防止する高圧サプライポンプを提供する。 【解決手段】 エンジンのヘッドカバー100に形成さ
れる油路71、油通路101から油路72に供給される
オイルは、一部がスリーブ40の油通孔aを経由してス
リーブ40の内壁とタペット41の外壁との間の隙間に
供給され、残部が逃がし空間としての大径周溝73を経
由し、タペット室78に入ることなしに、低圧側に排出
される。このため、タペット室78へのオイル過剰供給
を防止することができる。またエンジン側からのオイル
供給量のコンピュータ制御を行うことなしに、機械的な
構成の変更のみで、高圧サプライポンプ10のタペット
潤滑を円滑に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、内燃機関(以下「内燃機
関」をエンジンという)に用いられる高圧サプライポン
プに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高圧サプライポンプを用いたエン
ジンの燃料供給システムを図7に示す。燃料タンク20
1には燃料ポンプ202が収容されており、燃料ポンプ
202により数100kPaに燃料が加圧されてから燃
料フィルタ203の吸入ポート204に圧送される。燃
料フィルタ203の吐出ポート205は高圧サプライポ
ンプ206の吸入ポート207に接続されている。ピス
トン211の往復運動による駆動力は、コネクティング
ロッド212、クランク軸213、ベルト214から成
る連結機構によりカムシャフト210に伝達され、高圧
サプライポンプ206のカムシャフト210を回転させ
る。高圧サプライポンプ206内に収容されカムシャフ
ト210と一体に回転するポンプ駆動用カムは、高圧サ
プライポンプ206のプランジャを往復動させる。吸入
ポート207から吸入された燃料は高圧サプライポンプ
206により数MPaから数10MPaの高圧に加圧さ
れてデリバリバルブから吐出ポート208を介してコモ
ンレール209に吐出される。コモンレール209に蓄
圧された高圧燃料は、分岐通路215を介してエンジン
各気筒に設けられたインジュクタ217に供給される。
そしてインジェクタ217から高圧燃料が直接気筒内の
燃焼室216に噴射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の高圧サプライポンプ206の場合、ハウジング
223内にカムシャフト210およびポンプ駆動用のポ
ンプカムが内蔵されているため、ポンプカムおよびこれ
を覆うハウジング223の一部、ポンプカムの軸受けと
なる図示しないベアリング、オイルシール等の部材によ
り高圧サプライポンプ206が大型化および重量アップ
する。また、部品点数が増加するとともにハウジング2
23、カムシャフト210およびカムシャフト210の
関連部品を高精度に加工する必要があるため、製造工数
が増加するとともに製造コストがアップするという問題
がある。さらにエンジン側においても、ポンプ固定用フ
ランジおよび固定ステーの設置が必要であるので、加工
工数が増大するという問題がある。
【0004】この問題を解決するため、エンジンヘッド
の吸気弁または排気弁を駆動するエンジンカムシャフト
から機械的かつ直接的に駆動力を受ける高圧サプライポ
ンプが本出願人により提案されている。この種の高圧サ
プライポンプにおいては、エンジンヘッドの吸気弁およ
び排気弁を駆動するカムシャフトのカム山からタペット
が直接的かつ機械的に駆動力伝達を受ける構成であるた
め、エンジンヘッドにタペットガイドと呼ばれるスリー
ブを介してポンプシリンダが取り付けられている。
【0005】通常の運転時、エンジンヘッドに形成され
るオイル供給孔からタペットにオイルが供給され、タペ
ットとスリーブとの間の隙間にオイルを供給し、往復動
するタペットを潤滑する。タペット室は、エンジンヘッ
ドに形成されたエア通路及びこのエア通路とタペット室
とを連通するスリーブに形成されたエア孔と連通し、こ
れらの空気孔を通してエア抜きを行う構成になってい
る。
【0006】エンジンの極低温始動時、低温のオイルの
性状が高粘性であることから、エンジンのオイル供給孔
から供給されるオイルがスリーブとエンジンヘッドとの
間の隙間及びスリーブ空気孔を通ってタペット室に入る
と、オイルの供給にともないタペット室のオイル量が増
大し、タペット室がオイルで充満しスリーブ空気孔を塞
ぐので、タペット室から外部にオイルが排出され難いと
いう問題がある。この場合、タペット室にオイルが充満
すると、タペットによる加圧圧送時にタペット室の液圧
縮が発生し、ポンププランジャの駆動を妨げる力が発生
する。
【0007】エンジンヘッドのオイル供給孔からタペッ
トとスリーブとの隙間に供給されるオイル量はタペット
の潤滑に必要な量だけあれば足り過剰量を必要としな
い。過剰量のオイルが供給されると、上記のような液圧
縮による問題が生ずる。エンジン側のオイル供給量を制
御するとすれば、複雑な制御となり高価な電子制御シス
テムとなる。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、エンジン側のオイル供給量の制御を行うことなし
に、機械的な構成の変更のみで、高圧サプライポンプの
タペット潤滑を円滑に行い、タペット室へのオイル過剰
供給にともなう液圧縮を防止する高圧サプライポンプを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の請求項1記載の高圧サプライポンプによる
と、エンジンのハウジングに形成されるオイル供給孔に
供給されるオイルは、一部がスリーブの油通孔を経由し
てスリーブの内壁とタペットの外壁との間の隙間に供給
され、残部が逃がし空間を経由し、タペット室に入るこ
となしに、低圧側に排出される。このため、タペット室
へのオイル過剰供給にともない収容孔内壁とシリンダ外
壁との間の隙間をとおってタペット室内にオイルが流入
することを防止でき、液圧縮を防止することができる。
またエンジン側からのオイル供給量のコンピュータ制御
を行うことなしに、機械的な構成の変更のみで、高圧サ
プライポンプのタペット潤滑を円滑に行うことができ
る。しかも、タペット室内のオイルをエンジンのハウジ
ング内部にエア孔、エア通路を通して逃がすことができ
るのでハウジング外部にオイルが洩れ出ることがない。
【0010】請求項2または3記載の高圧サプライポン
プによると逃がし空間を容易に製造可能となる。請求項
4記載の高圧サプライポンプによるとエア通路を容易に
製造可能となる。請求項5記載の高圧サプライポンプに
よると逃がし空間およびエア通路を容易に製造可能であ
るとともにエア及び逃がし空間の通路面積を確保するこ
とが容易である。しかも逃がし空間の通路面積が大きい
のでタペット室内へのオイルの流入をより防止できる。
【0011】さらに、請求項6または7記載の高圧サプ
ライポンプによると、エンジンのハウジングであるシリ
ンダヘッドカバー又はシリンダヘッドに高圧サプライポ
ンプを収容し、バルブカムシャフトに取付けたポンプカ
ムによりプランジャを駆動することにより、高圧サプラ
イポンプ駆動用の専用カムシャフトが不要になる。この
ため、エンジンハウジング外に露出する高圧サプライポ
ンプの体格が小さくなリ搭載スペースの自由度が向上す
るとともに部品点数が減少し、さらに高圧サプライポン
プのハウジングの加工が容易になることにより製造工程
が短縮しかつ製造コストが低下するという効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づいて
説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例の高圧サプライポン
プを図1〜図5に示す。本発明の高圧サプライポンプを
用いたエンジンの燃料供給システムを図2に示す。燃料
タンク201には燃料ポンプ202が収容されており、
燃料ポンプ202により数100kPaに燃料が加圧さ
れてから燃料フィルタ203の吸入ポート204に圧送
される。燃料フィルタ203の吐出ポート205は高圧
サプライポンプ206の吸入口12に接続されている。
【0013】ピストン211の往復運動による駆動力
は、コネクティングロッド212、クランク軸213、
図示しないベルトから成る連結機構によりバルブカムシ
ャフトとしてのポンプカム111に伝達され、図1に示
す高圧サプライポンプ10のプランジャ43を往復動さ
せる。吸入口12から吸入された燃料は高圧サプライポ
ンプ10により数MPaから数10MPaの高圧に加圧
されてデリバリバルブ30からコモンレール209に吐
出される。コモンレール209に蓄圧された高圧燃料
は、分岐通路215を介してエンジン各気筒に設けられ
たインジュクタ217に供給される。そしてインジェク
タ217から高圧燃料が直接気筒内の燃焼室216に噴
射される。
【0014】コモンレール209にはその内部の燃料の
圧力を検出するための圧力センサ220が配設されてお
り、圧力センサ220により検出された圧力信号が電子
制御ユニット221に入力される。電子制御ユニット2
21は、圧力センサ220により検出された圧力信号、
および、エンジンの回転数や負荷等のエンジン運転状態
等に応じて燃料噴射圧が最適値になるように電磁弁20
の通電時期を制御することによりコモンレール209へ
吐出される燃料量を制御している。また、電子制御ユニ
ット221はエンジンの回転数や負荷状態等のエンジン
の運転状態に応じて燃料噴射時期および噴射期間を制御
するためにインジェクタ217に制御信号を出力してい
る。
【0015】図1に示すように、高圧サプライポンプ1
0は、吸入通路12aの形成された吸入口12と電磁弁
20とデリバリバルブ30とを収容しているシリンダ1
1の上部をエンジンハウジングの一部であるヘッドカバ
ー100外に露出し、図3に示すボルト112によりヘ
ッドカバー100に固定されている。ヘッドカバー10
0に収容されている高圧サプライポンプ10のその他の
部分は、円筒状のスリーブ40に囲われてヘッドカバー
100のスリーブ収容孔76に収容されている。スリー
ブ40はスクリュウねじ60によりシリンダ11に固定
されているが、本発明では、スクリュウねじ60に代え
てピンを用いることは可能である。ポンプカム111
は、吸気弁36または排気弁37を開閉駆動するバルブ
カムシャフトに取付けられ、高圧サプライポンプ10を
駆動する。
【0016】プランジャ43を往復動可能に支持するシ
リンダ11の内壁11aには、円環状の燃料溜まり11
bおよび11cが形成されている。燃料溜まり11bは
リターン通路17を介して吸入通路12aと連通し、燃
料溜まり11cは、図4に示すように、リターン通路5
1に連通している。図1に示すように、吸入口12には
吸入通路12aが形成されており、燃料ポンプ202か
ら燃料が供給される。吸入通路12aは燃料通路13と
連通し、リターン通路17を介して燃料溜まり11bと
連通している。
【0017】電磁弁20はシリンダ11に鉛直下向きに
嵌挿されており、電磁弁20の内部には燃料の供給通路
の形成されたバルブボディ22が嵌挿されている。弁体
23は、弁座21に対して当接および離間可能にバルブ
ボディ22に配設されている。バルブボディ22の−Z
軸方向端面はプレート24と、プレート24の−Z軸方
向端面はワッシャ25と、そしてワッシャ25の−Z軸
方向端面はシリンダ11と面接触している。電磁弁20
周囲のシリンダ11の内壁には環状の燃料ギャラリ14
が形成され、この燃料ギャラリ14は燃料通路13およ
び連通路26と連通している。
【0018】デリバリバルブ30はシリンダ11とねじ
結合で固定し、吐出弁体31は、圧縮コイルスプリング
32により弁座33に付勢されている。燃料加圧室16
内の圧力が所定圧以上になると、圧縮コイルスプリング
32の付勢力に抗して吐出弁体31がリフトし、吐出通
路15と吐出口34とが連通する。デリバリバルブ30
は図示しない燃料鋼管により図示しないコモンレールと
接続されている。
【0019】タペット41は有底円筒状に形成され、ポ
ンプカム111に底面41aを当接している。タペット
41はスリーブ40の内壁40bに摺動可能に支持され
ている。スリーブ40の内壁40bとタペット41の外
壁との間には円筒状の油溜まり42が形成されており、
ヘッドカバー100に形成された油通路101、スリー
ブ40に形成された油通孔40aを介して潤滑油が供給
され、タペット41の往復動によるスリーブ40との焼
付きを防止している。タペット41は、図1に示すプラ
ンジャ43の下死点位置においてもピン61に係止しな
いが、ヘッドカバー100への組付け時、ピン61によ
り落下を防止される。
【0020】プランジャ43は、摺動孔11aを形成す
るシリンダ11の内壁に軸方向に摺動可能に支持されて
いる。スプリングシート44は圧縮コイルスプリング4
5により図1の−Z軸方向に付勢され、タペット41の
内底面に当接している。プランジャ43のヘッド部43
aは、タペット41の内底面とスプリングシート44と
の間に挟持され、スプリングシート44により図1の−
Z軸方向に付勢されている。プランジャ43の図1の+
Z軸方向の端面と、シリンダ11の内壁と、電磁弁20
の端面とにより燃料加圧室16が形成されている。
【0021】そして、スリーブ40とタペット41との
間に潤滑のためのオイルを供給する通路は次のように構
成されている。このオイルを供給する通路は、ヘッドカ
バー100に形成される油路71、油通路101、油路
72、および大径周溝73と、スリーブ40に形成され
る円錐面40bと油通孔40aと、タペット41の外周
に形成される油溜まり42とからなる。
【0022】ヘッドカバー100の油路71の一端71
aは、油通路101に連通し、エンジン側が高圧側とな
っている。油通路101の一端はヘッドカバー100の
上面にて圧入された部材により閉塞され、他端は閉塞端
となっている。この閉塞端側に連通する油路72は、油
通路101とスリーブ40の外周とを連通する。ヘッド
カバー100の内壁に形成されるスリーブ取付孔76に
は、その内径よりも大径に大径周溝73が形成される。
この大径周溝73は、エンジン側からタペット41側へ
のオイルの過剰供給を抑制するためのオイル逃がし空間
の役割を果たすとともに、タペット室78のエアをエア
孔53及びエア通路54を通して外部に逃す役割を果
す。
【0023】エア通路54はスリーブ取付穴(収容孔)
内壁に開口し、エア孔53と連通している。タペット室
78はタペット41とタペット室40bとで形成されて
いる。スリーブ40に形成される油通孔40aは、油路
72と対向する位置に形成される。そして、スリーブ4
0の外壁に形成される円錐面40bは、油路72から大
径周溝73側に排出されるオイルの一部が油路72を経
由してスリーブ40の内壁側に供給されやすいように形
成されている。
【0024】タペット41に内壁40bとの間に形成さ
れる油溜まり42は、軸方向に所定の幅を持つ周溝であ
る。図1に示す状態は、タペット41が下死点にある状
態を示し、この状態で油通孔40aとタペット41の油
溜まり42とは対面する状態にある。タペット41が上
死点にあるときにも同様に、油通孔40aと油溜まり4
2とが対面するように油溜まり42の幅が設定されてい
る。またタペット41の底面41aには内外を連通する
油孔47が形成されている。
【0025】この第1実施例によると、エンジン高圧側
から油路71、油通路101、油路72を通して供給さ
れるオイルは、一部がスリーブ40の円錐面40bと油
通孔40aを通してスリーブ40の内壁とタペット41
との間に供給され、残りは大径周溝73からポンプカム
111の周囲の空間に落下する。スリーブ40の円錐面
40bと油通孔40aを通してタペット41側に供給さ
れるオイルは、潤滑に必要な量だけ供給され、油孔47
からポンプカム111の周囲の空間に排出される。タペ
ット室78に過剰にオイルが充満されることはないた
め、タペット41の往復動時にタペット室78内の充満
オイルによる液圧縮は発生しない。しかもこの実施例で
はエア孔53が通路72の上部に形成されているのでオ
イルはエア孔からタペット室へはより流入しにくい構造
になっている。特に、寒冷地でのエンジン始動時、オイ
ルの粘性が低温高粘性である時、過剰なオイルが供給圧
力によりエア穴53を介してタペット室78に入ること
がないため、上記のような液圧縮にともなう不具合は防
止される。
【0026】またこの実施例では、通常運転時、タペッ
ト41が往復駆動するとき、タペット室78の容積変化
にともないタペット室78の内外がエア孔53ならびに
大径周溝73を通して呼吸作用をともなう構成になって
いる。このため、ヘッドカバー100にエア抜き用孔を
構成する必要はないため、孔加工が不要となり加工作業
が良好となる。
【0027】高圧サプライポンプ10の作動について、
図1および図5に基づいて(1) 燃料の吸入行程、(2) 燃
料の加圧圧送行程に分けて説明する。 (1) 燃料の吸入行程 バルブカムシャフトの回転に伴いポンプカム111が回
転し、タペット41およびスプリングシート44ととも
にプランジャ43が往復動する。プランジャ43が上死
点である+Z軸方向の最大位置に位置すると、図5の
(A)に示す電磁弁20のソレノイド27への通電が遮
断される。すると図示しない圧縮コイルスプリングの付
勢力により弁体23が弁座21から離間し電磁弁20は
開弁状態となる。このとき、プランジャ43が−Z軸方
向に移動することにより、燃料ポンプから吐出された低
圧燃料が、吸入通路12a、燃料通路13、燃料ギャラ
リ14、連通路26を介して燃料加圧室16に流入され
る。そしてプランジャ43が下死点である−Z軸方向の
最大位置に位置するとき、燃料加圧室16内には最大量
の低圧燃料が流入する。
【0028】(2) 燃料の加圧圧送行程 図5の(B)に示すように、プランジャ43が+Z軸方
向に移動する行程において、所望の燃料吐出量に対応し
た位置にプランジャ43が到達したとき、電子制御ユニ
ットにより電磁弁20のソレノイド27に通電される。
これにより、図5の(C)に示すように、弁体23は+
Z軸方向に移動し弁座21に当接する。すなわち、電磁
弁20は閉弁状態となる。その後、プランジャ43がさ
らに+Z軸方向に移動すると、燃料加圧室16内の燃料
は高圧となり、吐出通路15、弁座33と吐出弁体31
との隙間、吐出口34を介して高圧燃料がデリバリバル
ブ30から図示しないコモンレールに吐出される。この
とき、燃料加圧室16内の高圧燃料の一部がプランジャ
43とシリンダ11との摺動部に流れ込むことがある。
この流れ込んだ燃料は、図1に示す燃料溜まり11bに
溜まり、リターン通路17を通して吸入通路12aにリ
ターンされる。吸入通路12aには低圧ではあるが燃料
圧力がかかっているため、燃料溜まり11bに溜まって
いる燃料が−Z軸方向に流れ込むことがある。この燃料
は燃料溜まり11cに溜まり、図4に示すリターン通路
51を通ってリターンコネクタ52から最終的には燃料
タンクへリターンされるので、燃料がエンジンオイルに
混入することはない。リターン通路51内の圧力は大気
圧と等しい。
【0029】この第1実施例によると、プランジャ43
の往復動時に必要量のオイルがスリーブ40の内壁とタ
ペット41の外壁との間の隙間に供給され、過剰量のオ
イルは逃がし空間としての大径周73から低圧側へ排出
されるため、タペット室78内への過剰供給が防止され
る。また第1実施例では、ヘッドカバー100に高圧サ
プライポンプ10を収容したことに加え、通常コモンレ
ールはエンジンの燃焼室近傍に配置されるため、高圧サ
プライポンプ10、コモンレール、燃焼室を接続する燃
料鋼管の長さを短縮できる。このため、高圧サプライポ
ンプ10から吐出される燃料の脈動が早期に減衰するこ
とにより、安定した燃料噴射を保持できるという効果が
ある。
【0030】(第2実施例)本発明の第2実施例を図6
に示す。第2実施例による高圧サプライポンプは、エン
ジン側からタペットに供給されるオイルの一部をスリー
ブの外周に形成する小径周溝によりポンプカム側に排出
する構成を作用する。すなわち、第1実施例ではヘッド
カバーに形成する大径周溝によりオイルの一部を逃がし
たが、この第2実施例では、スリーブの外周に形成する
小径周溝によりオイルの一部を逃がす。
【0031】図6に示すようにスリーブ40の外周に小
径周溝49を形成している。この小径周溝49の上端5
0は、エア孔53に連通している。このスリーブ40の
小径周溝49が形成される部分の肉厚は薄肉となってい
る。その他の構成は、実質的に第1実施例に示す構成と
同様であるので、第1実施例すなわち図1に示す符号と
同一構成部分については同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0032】この第2実施例では、必要量のオイルが油
路71、油通路101、油路72および円錐面40bと
油通孔40aを経由してスリーブ40の内壁とタペット
41の外壁との間の隙間に供給される。したがって、タ
ペット室78に過剰量のオイルが供給されることはな
く、タペット往復動時に液圧縮の発生が防止される。ま
た図8に示すように本発明の他の実施例としてシリンダ
とスリーブを一体化した型式やタペットの外壁に油溜ま
りが形成されていない型式においても同様の効果が得ら
れる。
【0033】本発明の他の実施例としては、第1実施例
と第2実施例に示すヘッドカバーまたはスリーブに形成
する周溝に代えて、軸方向に形成する溝に代えてもよ
い。この軸方向に形成する溝は、エンジン側の高圧源に
連通するオイル孔とポンプカムの周囲の空間と連通する
直状溝である。この直状溝は、ヘッドカバーの内壁また
はスリーブの外壁に形成する。これらの実施例の場合、
タペット室に連通するエア孔に前記直状溝が連通しない
ときは、タペット室が別途大気解放となるようにエア孔
をヘッドカバーに形成するのが望ましい。
【0034】また、逃がし空間はオイル供給孔からタペ
ットと内壁との間の隙間までの間に設ければよく、スリ
ーブやシリンダに逃がし穴を形成してもよい。スリーブ
とハウジングの間の空間に限られるものではない。また
エア通路と逃がし通路とが必ずしも連通している必要は
なく、逃がし通路の径方向反対側にエア通路が形成され
ていてもよい。このような場合逃がし通路がなければス
リーブ取付穴を周方向に回り込んで反対側のエア通路か
らタペット室内にオイルが流入することが考えられる
が、逃がし通路が形成されていればオイルが逃がされる
のでオイル流入を低減できる。
【0035】本実施例では、吸気弁または排気弁を駆動
するバルブカムシャフトの駆動力を利用して高圧サプラ
イポンプのプランジャによる加圧圧送作用を果たし、し
かもエンジンのヘッドカバーを利用して高圧サプライポ
ンプを取り付ける構成としている。したがって、エンジ
ン側からエンジンと別体の高圧サプライポンプに供給す
るオイル配管構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による高圧サプライポンプ
を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による燃料供給システム図
である。
【図3】本発明の第1実施例による高圧サプライポンプ
を示す平面図である。
【図4】図3に示すIV―IV線断面図である。
【図5】本発明の第1実施例による燃料の吸入および加
圧圧送行程を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施例による高圧サプライポンプ
を示す断面図である。
【図7】従来例による燃料供給システム図である。
【図8】本発明のその他の実施例による高圧サプライポ
ンプを示す断面図である。
【符号の説明】
10 高圧サプライポンプ 11 シリンダ 12a 吸入通路 16 燃料加圧室 20 電磁弁 30 デリバリバルブ 40 スリーブ 40a 油通孔 40b 円錐面 41 タペット 43 プランジャ 45 圧縮コイルスプリング(付勢手段) 47 油孔 53 エア孔 71 油路(オイル供給孔) 72 油路(オイル供給孔) 73 大径周溝(逃がし空間) 74 大径周溝上端 76 スリーブ取付孔 78 タペット室 100 ヘッドカバー(エンジンのハウジング) 111 ポンプカム 1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のカムシャフトに取り付けられ
    たポンプカムにより往復運動するプランジャと、該プラ
    ンジャの往復運動により吸入された燃料を内部の燃料加
    圧室で加圧して吐出するとともに内燃機関のハウジング
    収容孔内壁に外壁で当接して収容されるシリンダと、前
    記プランジャと前記ポンプカムとの間に介在して前記ポ
    ンプカムの駆動力をプランジャに伝達するタペットとを
    備え、前記ハウジングには前記収容孔内壁に開口するオ
    イル供給孔およびエア通路が形成され、前記シリンダは
    前記タペットを往復運動可能に支持する内壁面と、前記
    タペットと前記内壁面で形成されるタペット室と、前記
    タペットの往復運動に伴い前記タペット室のエアをハウ
    ジング外部へ排出するエア孔と、前記オイル供給孔およ
    び前記内壁面と前記タペットとの隙間に連通する油通孔
    と、前記オイル供給孔から供給されるオイルの一部を前
    記隙間に至るまでに逃がす逃がし空間が形成されている
    ことを特徴とする高圧サプライポンプ。
  2. 【請求項2】 前記逃がし空間は前記ハウジング収容孔
    内壁と径方向に段差を有して形成された逃がし空間であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の高圧サプライポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記逃がし空間は前記シリンダの外壁と
    径方向に段差を有して形成された逃がし空間であること
    を特徴とする請求項1に記載の高圧サプライポンプ。
  4. 【請求項4】 前記エア通路は前記シリンダと前記ハウ
    ジングとの間の空間に軸方向に形成されることを特徴と
    する請求項2または3に記載の高圧サプライポンプ。
  5. 【請求項5】 前記エア通路と逃がし通路は単一径の環
    状溝であることを特徴とする請求項3に記載の高圧サプ
    ライポンプ。
  6. 【請求項6】 前記ハウジングはシリンダヘッドカバー
    であることを特徴とする請求項5に記載の高圧サプライ
    ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記ハウジングはシリンダヘッドである
    ことを特徴とする請求項5に記載の高圧サプライポン
    プ。
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