JPH0814133A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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JPH0814133A
JPH0814133A JP14997794A JP14997794A JPH0814133A JP H0814133 A JPH0814133 A JP H0814133A JP 14997794 A JP14997794 A JP 14997794A JP 14997794 A JP14997794 A JP 14997794A JP H0814133 A JPH0814133 A JP H0814133A
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JP
Japan
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cam ring
housing
fuel
cam
fuel injection
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JP14997794A
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Inventor
Masahito Tsuzuki
雅人 都築
Toshio Fujimura
俊夫 藤村
Toshikazu Watanabe
寿和 渡邉
Shigeyuki Kondo
重行 近藤
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M41/00Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor
    • F02M41/08Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined
    • F02M41/14Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined rotary distributor supporting pump pistons
    • F02M41/1405Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined rotary distributor supporting pump pistons pistons being disposed radially with respect to rotation axis
    • F02M41/1411Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined rotary distributor supporting pump pistons pistons being disposed radially with respect to rotation axis characterised by means for varying fuel delivery or injection timing
    • F02M41/1416Devices specially adapted for angular adjustment of annular cam
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
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    • F02M41/08Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined
    • F02M41/14Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined rotary distributor supporting pump pistons
    • F02M41/1405Fuel-injection apparatus with two or more injectors fed from a common pressure-source sequentially by means of a distributor the distributor and pumping elements being combined rotary distributor supporting pump pistons pistons being disposed radially with respect to rotation axis
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はタイマ装置を内蔵した燃料噴射ポン
プに関し、カムリングとポンプハウジングとの間におけ
るガタ及び油膜切れの発生を防止することを目的とす
る。 【構成】 内周面にカム山110a〜110fを有するカムリン
グ110 と、ディーゼルエンジンの回転に同期して回転す
ることによりカム山110a〜110fに沿って径方向に往復動
するプランジャ96a 〜96d を内包するロータ90と、ディ
ーゼルエンジンの運転条件に応じカムリング110 を周方
向に回動するタイマピストン131,132 と、カムリング11
0 を摺動可能に保持するハウジング11とを具備し、前記
プランジャ96a 〜96d のカム山110a〜110fに沿った径方
向の往復動とロータ90の回転とにより、ディーゼルエン
ジンの各気筒に燃料の分配供給を行う燃料噴射ポンプに
おいて、前記ハウジング11のカムリング110 と対向する
部位に低熱膨張率を有するストラット材150 を配設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料噴射ポンプに係り、
特にタイマ装置を内蔵した燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ディーゼルエンジンに燃料を
圧送する燃料噴射ポンプに関する技術が種々提案されて
おり、その一つとして特開昭62−288362号公報
に開示される如きインナカム式燃料噴射ポンプが知られ
ている。
【0003】同公報に開示されたインナカム式燃料噴射
ポンプは、ポンプハウジングの内部に回動変位可能に保
持されると共にその内周面にカム山が形成されたカムリ
ングと、ディーゼルエンジンの回転に同期して回転する
ロータと、このロータ内に形成されたプランジャ室内に
配設され上記カム山に沿ってプランジャ室内を径方向に
往復動するプランジャと、ディーゼルエンジンの運転条
件に応じてカムリングを周方向に回動させることにより
燃料噴射タイミング時期を制御するタイマ装置等を具備
した構成とされている。
【0004】そして、前記プランジャがカム山に沿って
プランジャ室内で往復動することにより燃料を高圧化
し、この高圧燃料をロータが回転することによりディー
ゼルエンジンの各気筒に分配供給する構成とされてい
る。
【0005】また、タイマ装置は、ポンプハウジングの
内部に回動変位可能に保持されたカムリングと、このカ
ムリングを周方向に回動変位させるタイマピストンと、
このタイマピストンの移動(駆動)を制御するタイミン
グコントロールバルブ(TCV)等により構成されてい
る。
【0006】そして、TCVの開閉動作をデューティ制
御することにより、タイマピストンを介してカムリング
を周方向に移動し、これによりカム山の位置を移動させ
ることにより燃料噴射タイミング時期を制御する構成と
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、タイマ
装置を内蔵した燃料噴射ポンプでは、燃料噴射タイミン
グ時期を制御するためにポンプハウジングの内部でカム
リングを周方向に回動変位させる必要がある。このた
め、カムリングの外周面とポンプハウジングの内周面と
の間には所定のクリアランスが設けられており、このク
リアランス内には潤滑油として機能する燃料が介在する
よう構成されている。
【0008】しかるに、単にカムリングの外周面とポン
プハウジングの内周面との間に形成されるクリアランス
に潤滑油となる燃料を介在させただけの構成では、カム
リング外周とハウジング内周に摩耗が生じたり、ひどく
なると焼着くおそれがあった。
【0009】カムリングはプランジャがカム山に乗り上
げる際に周方向の反作用を受ける。この力はロッドを介
しタイマピストンが受けるが、ロッドという一点での支
持であることと、タイマピストンの固定が機械的なもの
でなく油圧によるものであることから、カムリングは周
方向及び径方向に振動する。前記クリアランスが適正で
あれば、この振動による不具合は生じないが、ハウジン
グの熱膨張によりクリアランスが拡大するとクリアラン
ス内の油膜の保持が困難となり、前記振動によりキャビ
テーションが生じ、このキャビテーションによる気泡に
より油膜切れが生じてしまう。また、振幅が大となり振
動エネルギーが大きくなることも油膜切れの要因とな
る。
【0010】一方、プランジャがカム山に乗り上げる
際、径方向の反作用によりカムリングのカム山部分は径
方向に突出するよう変形する。この変形によって変形部
外周とハウジング内周が直接接触してしまう。前述した
摩耗や焼着きは以上の要因によってカムリング外周とハ
ウジング内周が直接接触することにより生じる。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、カムリング外周とハウジング内周の摩耗及び焼着
きの発生を防止した燃料噴射ポンプを提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は下記の手段
を講じることにより解決することができる。
【0013】請求項1の発明では、内周面にカム山を有
するカムリングと、内燃機関の回転に同期して回転する
ことによりカム山に沿って径方向に往復動するプランジ
ャを内包するロータと、前記内燃機関の運転条件に応じ
カムリングを周方向に回動するタイマピストンと、前記
カムリングを摺動可能に保持するハウジングとを具備
し、前記プランジャのカム山に沿った径方向の往復動と
前記ロータの回転とにより、前記内燃機関の各気筒に燃
料の分配供給を行う燃料噴射ポンプにおいて、前記ハウ
ジングのカムリングと対向する部位に低熱膨張率を有す
るストラット材を配設したことを特徴とするものであ
る。
【0014】また、請求項2の発明では、内周面にカム
山を有するカムリングと、内燃機関の回転に同期して回
転することによりカム山に沿って径方向に往復動するプ
ランジャを内包するロータと、前記内燃機関の運転条件
に応じカムリングを周方向に回動するタイマピストン
と、前記カムリングを摺動可能に保持するハウジングと
を具備し、前記プランジャのカム山に沿った径方向の往
復動と前記ロータの回転とにより、前記内燃機関の各気
筒に燃料の分配供給を行う燃料噴射ポンプにおいて、前
記カムリングの外周面と、この外周面と対向するハウジ
ングの内周面との間に、滑り部材を配設したことを特徴
とするものである。
【0015】また、請求項2の発明において、前記滑り
部材をベアリングにより構成してもよい。
【0016】また、請求項2の発明において、前記滑り
部材を低摩擦係数の弾性体により構成してもよい。
【0017】更に、請求項5の発明では、内周面にカム
山を有するカムリングと、内燃機関の回転に同期して回
転することによりカム山に沿って径方向に往復動するプ
ランジャを内包するロータと、前記内燃機関の運転条件
に応じカムリングを周方向に回動するタイマピストン
と、前記カムリングを摺動可能に保持するハウジングと
を具備し、前記プランジャのカム山に沿った径方向の往
復動と前記ロータの回転とにより、前記内燃機関の各気
筒に燃料の分配供給を行う燃料噴射ポンプにおいて、前
記カム山の背面近傍におけるカムリングの外周とハウジ
ング内周との間のクリアランスを、他の部位におけるカ
ムリングの外周とハウジング内周との間のクリアランス
に比較して大きくしたことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】上記の各手段は次のように作用する。
【0019】請求項1の発明によれば、ハウジングのカ
ムリングと対向する部位に低熱膨張率を有するストラッ
ト材を配設したことにより、ストラット材は低熱膨張率
であるため、燃料噴射ポンプが発生する熱によりハウジ
ングの温度が上昇してもハウジングの熱膨張はストラッ
ト材により抑制される。よって、高熱時におけるハウジ
ングとカムリングとの間のクリアランスは所定間隔に維
持され、ハウジングとカムリングとの間における振動に
よるキャビテーションの発生、及び油膜切れの発生を防
止することができる。
【0020】また、請求項2の発明によれば、カムリン
グの外周面と、この外周面と対向するハウジングの内周
面との間に滑り部材を配設したことにより、カムリング
とハウジングとの間には滑り部材が介在することとな
り、間隙を設けることなくハウジング内でカムリングを
回動させることが可能となる。よって、熱や外力の印加
によりカムリング或いはハウジングに変形が生じても、
カムリングとハウジングの間に滑り部材が介在すること
により、カムリングの回動は滑り部材により維持され、
カムリングとハウジングの直接接触を防止することがで
きる。
【0021】また、請求項3の発明によれば、滑り部材
をベアリングで構成することにより、請求項2の発明に
よる作用に加え、カムリングの回動抵抗を低減すること
ができる。
【0022】また、請求項4の発明によれば、滑り部材
を低摩擦係数の弾性体で構成することにより、請求項2
の発明による作用に加え、カムリングとハウジング間で
発生する振動を吸収することができ、騒音発生が防止で
きる。
【0023】更に、請求項5の発明によれば、カムリン
グとハウジング間の摩耗の発生を防止することができ
る。即ち、カム山の形成部位はプランジャがカム山に乗
り上げる際にその反力として径方向に反力を受け、これ
によりカムリングのカム山の形成部位はハウジングの内
面に向け突出するよう変形する。
【0024】しかるに、カム山の背面におけるカムリン
グの外周とハウジング内周との間のクリアランスを、他
の部位におけるカムリングの外周とハウジング内周との
間のクリアランスに比較して大きくすることにより、上
記のようにカムリングのカム山形成部位に変形が生じて
も、カムリングとハウジングとの間のクリアランスは維
持され、よってカムリングとハウジング間の摩耗の発生
を防止することができる。また、カム山の形成部位以外
の部位は適正な狭いクリアランスとされているため、カ
ムリングとハウジング間にガタが発生するようなことは
ない。
【0025】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0026】図1は、本発明の第1実施例である燃料噴
射ポンプ10の全体構成を示す断面図である。
【0027】同図においてハウジング11は、燃料噴射
ポンプ10の本体であり、その内部には、燃料噴射ポン
プ10の各機能部品を収納し、かつ燃料が充填されるカ
ム室12を備えている。
【0028】また、ハウジング11には、オーバーフロ
ーバルブ20、スピルバルブ30、燃料還流バルブ4
0、アキュムレータ50、及びコンスタントプレッシャ
バルブ60等が配設されている。但し、より詳しくはハ
ウジング11は3つの部分から構成されている。即ち、
カムリング及び駆動軸を内装する本体部と、シリンダを
内装する分配ヘッド部と、回転センサを内装するカバー
部とにより構成されている。
【0029】オーバーフローバルブ20はカム室12の
所定位置に連通しており、カム室12内が過剰圧力とな
るのを防止するために配設されたバルブである。このオ
ーバーフローバルブ20は、ボール弁22及びスプリン
グ24からなる逆止弁を備えており、カム室12内に燃
料が過剰供給された場合にその過剰分を燃料タンク(図
示せず)に還流させる。
【0030】スピルバルブ30は、電磁コイル31の発
する電磁力により弁体32を開閉させる電磁弁であり、
後述する燃料還流バルブ40及び燃料吸入ギャラリ17
と、後述する燃料漏出通路(スピル通路)103との導
通を制御する。
【0031】このスピルバルブ30の弁体32は、スプ
リング33によって上方に向けて付勢されると共に、そ
の上端は電磁コイル31の発する電磁力を伝達するアー
マチャ34及びスプリング35に付勢されるストッパ3
6に規制されている。
【0032】一方、弁体32とその弁座37は、弁体3
2が弁座37に着座している場合、即ちスピルバルブ3
0が閉弁している場合には、弁体32の側面にのみ油圧
が作用し、また、弁体32が弁座37から離座している
場合、すなわちスピルバルブ30が開弁している場合に
は、弁体32の先端部にも油圧が作用するように構成さ
れている。この、スピルバルブ30が閉弁している場合
には、加圧された燃料の溢流(スピル)は停止され、よ
って燃料噴射ポンプ10で加圧された燃料はディーゼル
エンジンに圧送される。また、スピルバルブ30が開弁
している場合には、加圧された燃料は後述するようにカ
ム室12或いは燃料吸入ギャラリ17に溢流(スピル)
され、よって燃料のディーゼルエンジンへの圧送が停止
される構成とされている。
【0033】上記スピルバルブ30の動作について説明
する。電磁コイル31への通電が開始され電磁コイル3
1が電磁力を発生すると、この電磁力によりアーマチャ
34は稼働して弁体32を押圧する。よって、弁体32
にはアーマチャ34の押圧力及びスプリング35の付勢
力が共に閉弁方向に作用し、その結果スプリング33の
付勢力に抗して弁体32が変位してスピルバルブ30が
閉弁状態となる。
【0034】一方、電磁コイル31への通電が停止され
ることによりアーマチャ34の押圧力が消滅すると、ス
プリング33の付勢力がスプリング35の付勢力に抗し
て弁体32を開弁方向に変位せしめ、スピルバルブ30
が開弁状態となる。
【0035】尚、上記開弁の際、弁体32の先端には弁
体32を開弁方向に押圧する油圧(燃料圧)が作用する
ためスピルバルブ30の開弁応答性は良好であり、よっ
て燃料噴射の停止時期を高精度に決めることができる。
【0036】燃料還流バルブ40は、スピルバルブ30
の開弁時において燃料漏出通路103からスピルされた
高圧燃料(スピル燃料)を所定圧に減圧して燃料タンク
に還流させるべく設けられたバルブであり、上述したオ
ーバーフローバルブ20と同様に、ボール弁42、及び
スプリング44からなる逆止弁で構成されている。
【0037】また、アキュムレータ50は、燃料吸入ギ
ャラリ17内における燃料圧力の脈動を吸収すべく配設
されたものである。このアキュムレータ50は、連通路
56を介して燃料吸入ギャラリ17に連通する燃料室5
7の圧力変動に応じて変位するピストン52と、このピ
ストン52を付勢するスプリング54を備えている。
【0038】コンスタントプレッシャバルブ60は、後
述するハウジング11内の燃料流出ポート102と、デ
ィーゼルエンジンの各気筒に設けられた燃料噴射バルブ
(図示せず)との間に設けられるバルブであり、燃料流
出ポート102の内圧が所定圧力を越えて高圧となる
と、燃料噴射バルブに向けてその圧力で燃料を流通さ
せ、かつ燃料流出ポート102の内圧が所定圧力以下と
なっても、燃料噴射バルブ側の圧力を所定圧力に保つ機
能を有している。このコンスタントプレッシャバルブ6
0を設けることにより、圧送時以外において後述するコ
ンスタントプレッシャバルブ60からディーゼルエンジ
ンの燃料噴射バルブまでの管内燃料圧を常に一定の値と
することができる。
【0039】また、ハウジング11のカム室12には、
ディーゼルエンジンのクランクシャフトの1/2の回転
速度で回転する駆動軸70、この駆動軸70の回転力を
駆動源として燃料のフィードを行うベーン式燃料フィー
ドポンプ(以下、単にフィードポンプと称す)80、駆
動軸70と共に回転するロータ90、ロータ90の細径
部が嵌挿されるシリンダ100、及びロータ90の大径
部の外周を取り囲むカムリング110等が組み込まれて
いる。
【0040】駆動軸70は、ハウジング11の端部付近
に配設されるブッシュ13、及びハウジング11内部に
配設されるベアリング14によりハウジング11内に回
転可能に軸承されている。また、ブッシュ13には、摺
動抵抗の軽減を図るべく燃料が潤滑油として供給される
構成とされている。更に、駆動軸70のディーゼルエン
ジンと接続される側の端部にはオイルシール18が配設
されると共に、燃料インレット15とブッシュ13とを
連通すべく油路16が設けられている。
【0041】また、駆動軸70の所定位置には、その外
周上に所定間隔毎に形成された複数の突起121を備え
るパルサ120が配設されており、一方、カムリング1
10には駆動軸70と共に回転するパルサ120の突起
121の近接・離間をパルス信号に変換する回転角セン
サ122が固定されている。このように、回転角センサ
122をカムリング110に固定することにより、後述
するタイマ装置130−の制御動作にかかわりなく、プ
ランジャリフトに対して一定のタイミングでエンジン回
転信号(NE信号)を生成することができる。
【0042】フィードポンプ80は、ハウジング11に
固定される外壁81と、複数のベーン82を備える回転
子83とからなるベーン式ポンプである。すなわち、燃
料インレット15に連通して設けられた吸入口84から
吸い込まれた燃料は、回転子83の回転に伴ってベーン
82により昇圧され、所定位置に設けられた燃料吐出口
85から吐出される。
【0043】ロータ90は、駆動軸70と係合した状態
でシリンダ100のシリンダ孔100a内に回転可能に
液密に軸承されている。従って、シリンダ孔100aは
ロータ90を回転自在に軸承する軸受としても機能す
る。
【0044】ここで、ロータ90は、その大径部にポン
プ室(加圧室)91を、また細径部に燃料吸入口92と
燃料吐出口93とを連通する第1の燃料通路94、及び
燃料吸入口92とポンプ室91とを連通する第2の燃料
通路95を有している。
【0045】また、ポンプ室91には、ロータ90の径
方向に液密に摺動し得る複数のプランジャ(本実施例に
おいては4つ)96a〜96dが挿入されている。又、
上記燃料吐出口93には、軸方向にオフセットした位置
においてロータ90外周を取り巻いて設けられた環状溝
97が連通されている。
【0046】一方、シリンダ100には、燃料吸入ギャ
ラリ17とシリンダ100内周とを連通する燃料供給ポ
ート101と、一端がその外周において上述のコンスタ
ントプレッシャバルブ60に連通すると共に他端がシリ
ンダ100の内周に開口する複数の燃料流出ポート10
2が設けられている。尚、燃料吸入ギャラリ17は、フ
ィードポンプ80の燃料吐出口85に外部配管(図示せ
ず)を介して連通されている。
【0047】ここで、上記の燃料供給ポート101及び
燃料流出ポート102は、それぞれディーゼルエンジン
の各気筒数に対応して複数設けられており、ロータ90
がディーゼルエンジンの回転角に同期して回転する際
に、ディーゼルエンジンの回転角に対応して燃料吸入ギ
ャラリ17をロータ90の燃料吸入口92に連通し、ま
た特定気筒に配設されたコンスタントプレッシャバルブ
60に対して燃料吐出口93を連通させる。
【0048】また、シリンダ100には、前記のように
ロータ90に設けられた環状溝97と、スピルバルブ3
0とを連通する燃料漏出通路(スピル通路)103が設
けられている。ここで、環状溝97は、上述の如くロー
タ90の全周に渡って設けられた溝であるため、環状溝
97とスピルバルブ30とは、ロータ90の回転角に関
わらず常に連通した状態とされている。
【0049】続いて、図1におけるII−II断面に相当す
る図2を参照して、ポンプ室91近傍の構成について説
明する。
【0050】本実施例の燃料噴射ポンプ10は、ロータ
90に挿入された4つのプランジャ96a〜96dを、
カムリング110に設けたカムで駆動することで燃料の
昇圧を図るポンプである。また、本実施例の燃料ポンプ
10は、6気筒式内燃機関に対応したものであり、この
ためカムリング110には、図2に示すように等間隔で
6つのカム山110a〜110fが設けられている。ま
た、4つのプランジャ96a〜96dは、全てのプラン
ジャ96a〜96dに同時にリフトが生ずるようにその
位置が設計されている。つまり、プランジャ96a〜9
6dは、カム山110a〜110fを通過する際にロー
タ90の中心軸に向かって摺動する圧縮行程を行い、カ
ム山110a〜110fを通過した後にロータ90の外
側に向かって摺動する吸引行程を行う。
【0051】また、各プランジャ96a〜96dの外周
側端部には、カムリング110のカム山110a〜11
0fによって与えられるカムリフトを、円滑にプランジ
ャ96a〜96dに伝達すべく、ローラシュー98a〜
98d、及びこのローラシュー98a〜98dに把持さ
れるローラ99a〜99dが配設されている。
【0052】従って、カムリング110の内部でロータ
90が回転すると、ロータ90が一周する間に、各プラ
ンジャ96a〜96dは6回の往復運動を行うこととな
り、その往復運動でポンプ室91内の燃料を加圧するこ
ととすれば、ロータ90が1回転する間に、すなわち内
燃機関が2回転する間に、等回転角毎に6回の燃料昇圧
が図られることとなる。
【0053】この際、図1に示す燃料供給ポート101
と燃料吸入口92とは、プランジャ96a〜96dにカ
ムリフトが与えられていない状況下で連通する構成とさ
れている。また、燃料流出ポート102と燃料吐出口9
3とは、プランジャ96a〜96dにリフトが生ずる直
前に連通する構成とされている。
【0054】従って、ロータ90の回転に伴って、何れ
かの燃料供給ポート101と燃料吸入口92とが連通す
ると、プランジャ96a〜96dにはロータ90の回転
に伴う遠心力とフィードポンプ80から供給される燃料
圧力とが作用し、ポンプ室91に燃料が吸入される。
【0055】そして、その後燃料供給ポート101と燃
料吸入口92との連通が遮断され、次いで燃料流出ポー
ト102と燃料吐出口93とが連通した状態でプランジ
ャ96a〜96dにリフトが生ずると、スピルバルブ3
0が閉弁していることを前提に、コンスタントプレッシ
ャバルブ60に対して高圧の燃料が供給されることにな
る。
【0056】一方、プランジャ96a〜96dによる燃
料の昇圧が行われる際に上述したスピルバルブ30が開
弁していると、ポンプ室91から圧送される燃料はスピ
ルバルブ30を介して燃料吸入ギャラリ17,燃料タン
ク等へ還流し、ディーゼルエンジンの各気筒に向けての
高圧燃料の供給が停止される。
【0057】即ち、スピルバルブ30を開弁状態から閉
弁状態に切り換える時期を制御することで燃料噴射開始
時期を、またスピルバルブ30を開弁する時期を制御す
ることで燃料噴射終了時期を、それぞれ精度よく制御す
ることが可能となる。このように、燃料噴射時期をスピ
ルバルブ30の開閉制御を行うことにより制御すること
により燃料噴射量制御を高精度に行う事が可能となり、
ディーゼルエンジンを運転状態に最も適した状態で稼働
させることが可能となる。
【0058】ところで、スピルバルブ30を用いて高圧
燃料のスピルを行う場合、スピル時における燃料の慣性
効果により、ロータ90内に設けられた第1及び第2の
通路94、95の内圧が負圧化する場合がある。そし
て、これらの通路94、95の内圧が負圧となると、プ
ランジャ96a〜96dのストロークに対する燃料の圧
送量の関係が変化し、燃料噴射量の制御精度の悪化を伴
う。
【0059】本実施例において、スピルバルブ30を介
してスピルされる燃料の一部を燃料吸入ギャラリ17に
還流させ、かつ燃料吸入ギャラリ17に連通してアキュ
ムレータ50を設けているのは、かかる弊害を有効に除
去するためである。
【0060】即ち、本実施例の燃料噴射ポンプ10にお
いては、上記の如き構成を採用していることから、燃料
スピル時における慣性効果により過剰な燃料溢流が行わ
れたとしても、その一部が燃料吸入ギャラリ17の内圧
を昇圧させるべく作用し、更にスピル燃料が還流される
ことによる内圧の脈動はアキュムレータ50によって適
切に吸収されるため、次回の燃料吸入時には十分な量の
燃料を安定して吸入することが可能である。
【0061】また、スピルされる燃料の一部を吸入ギャ
ラリ17に還流させることにより、ポンプ室91内には
フィードポンプ80からの燃料に加えてスピル燃料も供
給されるため、ディーゼルエンジンの高速回転時におい
てもポンプ室91内への燃料供給を確実に行うことがで
きる。
【0062】続いて、タイマ装置130について説明す
る。
【0063】本実施例の燃料噴射ポンプ10は、ハウジ
ング11に対するカムリング110の固定角を可変とす
るタイマ装置130を備えている。すなわち、カムリン
グ110は、ハウジング11に対して回転可能に組み付
けられており、更に図2に示す如く、タイマピストン1
31,132に挟持されるロッド133に固定されてい
る。
【0064】ここで、タイマピストン131、132
は、タイマ装置130を構成するタイマハウジング13
0aの内部に摺動可能に挿入されたピストンである。ま
た、タイマハウジング130a内において、タイマピス
トン131の右側にはフィードポンプ80の燃料吐出口
85に連通する高圧室134が、タイマピストン132
の左側にはフィードポンプ80の燃料吸入口84に連通
する低圧室135がそれぞれ形成されている。
【0065】また、低圧室135には、タイマピストン
132を図2中右方へ付勢するスプリング136が配設
され、高圧室134と低圧室135とは、図1に示す電
磁弁(タイミングコントロールバルブ)140により導
通が制御される外部配管によって連通されている。この
場合、高圧室134と低圧室135との差圧に応じてタ
イマピストン131、132は図中左右に変位し、これ
に伴いタイマピストン131、132に挟持されたロッ
ド133も左右に付勢され、この付勢力によりカムリン
グ110が回転する構成とされている。また、本実施例
においては、タイミングコントロールバルブ140の開
閉弁をデューティー制御することで、カムリング110
を所望の回転角に制御している。
【0066】かかる構成とすることで、ロータ90の回
転角、すなわちディーゼルエンジンの回転角に対するプ
ランジャ96a〜96dのリフト特性を変更することが
可能となり、従って燃料噴射時期制御に関する自由度を
更に拡大することが可能であり、制御性に優れた燃料噴
射ポンプが実現されることになる。
【0067】上記のように、タイマ装置130はハウジ
ング11内でカムリング110をタイミングコントロー
ルバルブ140を用いて回動変位されることにより、プ
ランジャ96a〜96dのリフト特性を変更し、噴射タ
イミング制御を行いうる構成とされている。このため、
カムリング110の外周面と、これと対向するハウジン
グ11の内周面との間には所定のクリアランス(微細に
クリアランスであるため、図には現れず)が設けられて
おり、このクリアランス内にはカム室12より燃料が供
給される構成とされている。このクリアランス内に供給
される燃料は、潤滑油として機能する。
【0068】しかるに、単にカムリング110の外周面
とハウジング11の内周面との間に形成されるクリアラ
ンスに潤滑油となる燃料を介在させただけの構成では、
燃料噴射ポンプ10内に発生する熱やプランジャ96a
〜96dがカム山110a〜110fに乗り上げた時の
反力等によりカムリング110或いはハウジング11に
変形が生じた場合、上記のクリアランスが適正値からず
れてカムリング110とハウジング11が直接接触し、
両者の間で摩耗や焼付きが発生するおそれがあることは
前記した通りである。
【0069】このため、本実施例においてはハウジング
11のカムリング110と対向する部位にストラット材
150(梨地で示す)を配設したことを特徴とするもの
である。このストラット材150は、少なくともハウジ
ング11の材質より機械的強度が高く、かつ低熱膨張率
を有する材質が選定されている。具体的には、ストラッ
ト材150の材質としては、例えばSPC20等の適用
が考えられる。
【0070】また、ストラット材150の配設位置は、
ハウジング11内においてカムリング110の外周面と
対向する部位に選定されている。即ち、ストラット材1
50はカムリング110を囲繞するようにハウジング1
1内に配設されている。尚、本実施例においては、複数
のストラット材150を用い、これをカムリング110
を囲繞するようハウジング11内に列設する構成とされ
ている。
【0071】更に、ストラット材150をハウジング1
1内に埋設するのに、本実施例では予めハウジング11
のストラット材150の配設位置に孔を形成しておき、
この孔にストラット材150を鋳込む方法が取られてい
る。このようにハウジング11に形成されている孔にス
トラット材150を鋳込む方法を用いることにより、比
較的肉厚の薄いハウジング11内に容易にストラット材
150を配設することができる。
【0072】上記のようにハウジング11にストラット
材150を配設することにより、ストラット材150は
低熱膨張率であるため、燃料噴射ポンプ10が発生する
熱によりハウジング11の温度が上昇しても、ハウジン
グ11の熱膨張はストラット材150により抑制され
る。よって、高熱時におけるハウジング11とカムリン
グ110との間のクリアランスは所定間隔に維持するこ
とができる。これにより、ハウジング11とカムリング
110との間で振動が発生することを防止でき、また振
動によるキャビテーションの発生、及び油膜切れの発生
を防止することができる。従って、ストラット材150
を設けることにより、カムリング110は燃料噴射ポン
プ10が熱を有する場合においてもハウジング11内で
確実に回動することができ、燃料噴射時期制御を確実に
行うことができる。
【0073】尚、上記した実施例では複数のストラット
材150をカムリング110を囲繞するようハウジング
11に配設した構成を示したが、ストラット材150を
カムリング110を囲繞するようハウジング11の全周
に渡り形成した構成としてもよい。
【0074】続いて本発明の第2実施例について説明す
る。
【0075】図3は、本発明の第2実施例である燃料噴
射ポンプのタイマ装置の縦断面を示している。尚、図3
において、図1及び図2を用いて説明した第1実施例に
係る燃料噴射ポンプの構成と同一構成については同一符
号を付してその説明を省略する。
【0076】第2実施例に係る燃料噴射ポンプでは、カ
ムリング110の外周面と、この外周面と対向するハウ
ジング11の内周面との間に、滑り部材としてベアリン
グ160を設けたことを特徴とするものである。このベ
アリング160は、例えば図3及び図4に示されるよう
なラジアル玉軸受けが適用されており、外レース161
と内レース162との間に多数のボール163を介装し
た構成とされている。外レース161はハウジング11
の内周に嵌着され、また内レース162はカムリング1
10の外周に嵌着された構成とされている。
【0077】このように、カムリング110とハウジン
グ11との間にベアリング160を配設したことによ
り、第1実施例では形成されていた間隙(この間隙には
潤滑油となる燃料のみが存在する)を設けることなく、
ハウジング11内でカムリング110を回動させること
が可能となる。
【0078】よって、燃料噴射ポンプが稼働することに
より発生する熱や、プランジャ96a〜96dが駆動す
るとこと等により発生する外力の印加により、カムリン
グ110及びハウジング11に変形が生じても、カムリ
ング110とハウジング11との間にはベアリング16
0が介在するため、カムリング110とハウジング11
とが直接接触することはなく焼着き,摩耗が防止でき
る。また、カムリング110のハウジング11内におけ
る回動はベアリング160により維持され、かつ回動抵
抗を低減することができ、よってタイミングコントロー
ルバルブ140の開閉動作により応答性よくカムリング
110を回動させることができる。これにより、タイマ
装置130を用いた燃料噴射時期制御を高精度に行うこ
とが可能となる。
【0079】図5は第2実施例の変形例を示している。
【0080】図3及び図4を用いて説明した上記実施例
では、滑り部材としてラジアル玉軸受けであるベアリン
グ160を用いた例を示した。本変形例では、滑り部材
となるベアリング170としてラジアル円錐ころ軸受け
を用いた事を特徴とする。
【0081】ラジアル円錐ころ軸受けであるベアリング
170は、ラジアル荷重(径方向の荷重)とスラスト荷
重(軸方向の荷重)の双方に対して負荷能力を持つ特性
を有している。このベアリング170は、外レース17
1と内レース172との間に多数のころ173を介装し
た構成とされている。外レース171はハウジング11
の内周に嵌着され、また内レース172はカムリング1
10の外周に嵌着された構成とされている。また、外レ
ース171と内レース172の対向面はテーパ面とされ
ており、よってベアリング170は、ラジアル荷重とス
ラスト荷重の双方に対して負荷能力を持つこととなる。
【0082】このようにベアリング170はスラスト荷
重に対しても負荷能力を持つため、ベアリング170の
側面(スラスト荷重の印加される面)には低摩擦係数の
ワッシャ174(梨地で示す)を介して弾性部材175
が配設されている。よって、ベアリング170にスラス
ト荷重が印加された場合には、このスラスト荷重はワッ
シャ174を介して弾性部材175で緩衝される。
【0083】上記のようにラジアル円錐ころ軸受けであ
るベアリング170を用いることにより、第2実施例と
同様に熱やラジアル方向の外力印加により、カムリング
110及びハウジング11に変形が生じても、カムリン
グ110のハウジング11内における回動はベアリング
170により維持され、ベアリング170の介在により
カムリング110とハウジング11との直接接触がない
ので焼着き,摩耗が防止される。また、カムリング11
0に対してスラスト方向に外力が印加されたとしても、
本実施例の構成ではこのスラスト荷重は弾性部材175
で緩衝されるためカムリング110の円滑な回動を維持
できる。
【0084】続いて本発明の第3実施例について説明す
る。
【0085】図6は本発明の第3実施例である燃料噴射
ポンプのタイマ装置の縦断面を示している。尚、図6に
おいても、図1及び図2を用いて説明した第1実施例に
係る燃料噴射ポンプの構成と同一構成については同一符
号を付してその説明を省略する。
【0086】第3実施例に係る燃料噴射ポンプでは、カ
ムリング110の外周面と、この外周面と対向するハウ
ジング11の内周面との間に、滑り部材として低摩擦係
数の弾性体180を設けたことを特徴とするものであ
る。この弾性体180としては、例えば低摩擦係数を有
しかつ所定の弾性係数を有するエンジニアプラスチック
や、或いは所定の弾性係数を有する多孔性金属に潤滑油
を含浸された構成のもの等の適用が考えられる。
【0087】本実施例のように、カムリング110とハ
ウジング11と間に上記弾性体180を介装する構成と
しても、第2実施例と同様にカムリング110とハウジ
ング11と間に間隙を設けることなく、ハウジング11
内でカムリング110を回動させることが可能となる。
よって、熱や外力の印加によりカムリング110及びハ
ウジング11に変形が生じても、弾性体180が低摩擦
係数であることによりカムリング110のハウジング1
1内における回動は維持される。また、カムリング11
0からハウジング11へ伝達されようとする振動は弾性
体180により吸収され、騒音発生が抑制される。ま
た、カムリング110とハウジング11間の摩耗の発生
を防止することができる。
【0088】続いて本発明の第4実施例について説明す
る。
【0089】図7は本発明の第4実施例である燃料噴射
ポンプのタイマ装置の縦断面を示している。尚、図7に
おいても、図1及び図2を用いて説明した第1実施例に
係る燃料噴射ポンプの構成と同一構成については同一符
号を付してその説明を省略する。
【0090】第4実施例に係る燃料噴射ポンプでは、ハ
ウジング11の内周所定部位に溝部190a〜190f
を形成したことを特徴とするものである。この溝部19
0a〜190fは、本実施例においては断面円柱状の溝
であり、カムリング110に形成されたカム山110a
〜110fの背面と対向する部位に形成されている。
【0091】上記のようにハウジング11の内周面に溝
部190a〜190fを形成することにより、カム山1
10a〜110fの形成位置の背面においては、カムリ
ング110の外周面とハウジング11の内周面との間の
クリアランスは、カム山110a〜110fの形成され
ていない部位におけるクリアランスに比較して大きくな
る。
【0092】次に、上記構成とされた燃料噴射ポンプの
動作について説明する。
【0093】いま、ロータ90の回転によりカムリング
110に形成された所定のカム山110a〜110fに
プランジャ96a〜96dが乗り上げたとする。する
と、カム山110a〜110fの形成部位は、プランジ
ャ96a〜96dがカム山110a〜110fに乗り上
げる際の反力として径方向に反力を受け、これによりカ
ムリング110のカム山110a〜110fの形成部位
はハウジング11の内面に向け突出するよう変形する。
【0094】しかるに、本実施例においては、カム山の
移動範囲を含むカム山110a〜110fの配設位置と
対応するハウジング11の内周面には溝部190a〜1
90fが形成されているため、カムリング110の外周
とハウジング11の内周との間のクリアランスは、他の
部位のクリアランスに比較して大きくなっている。よっ
て、上記のようにカムリング110のカム山110a〜
110fの形成部位に変形が生じても、カムリング11
0とハウジング11とが接触してしまうことはなく、よ
ってカムリング110とハウジング11との間の摩耗の
発生を防止することができる。また、カム山110a〜
110fの形成部位以外の部位は適正な狭いクリアラン
スとされているため、カムリング110とハウジング1
1との間にガタが発生するようなことはなく、キャビテ
ーションの発生及び油膜切れの発生を防止することがで
きる。
【0095】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば下記の種々
の効果を奏するものである。
【0096】請求項1の発明によれば、高熱時において
もハウジングとカムリングとの間のクリアランスは所定
間隔に維持され、ハウジングとカムリングとの間におけ
る振動によるキャビテーションの発生、及び油膜切れの
発生を防止することができる。 また、請求項2の発明
によれば、カムリングとハウジングとの間には滑り部材
が介在するため、間隙を設けることなくハウジング内で
カムリングを回動させることが可能となり、熱や外力の
印加によりカムリング或いはハウジングに変形が生じて
も、カムリングとハウジングとの直接接触による摩耗,
焼着きを防止することができる。
【0097】また、請求項3の発明によれば、滑り部材
をベアリングで構成することにより、請求項2の発明に
よる効果に加えてカムリングの回動抵抗を低減すること
ができる。
【0098】また、請求項4の発明によれば、滑り部材
を低摩擦係数の弾性体で構成することにより、請求項2
の発明による効果に加え、カムリングとハウジング間で
発生する振動を吸収することができ、騒音を防止するこ
とができる。
【0099】更に、請求項5の発明によれば、カム山の
背面におけるカムリングの外周とハウジング内周との間
のクリアランスを、他の部位におけるカムリングの外周
とハウジング内周との間のクリアランスに比較して大き
くすることにより、プランジャの動作に伴いカムリング
のカム山形成部位に変形が生じても、カムリングとハウ
ジングとの間のクリアランスは維持され、よってカムリ
ングとハウジング間の摩耗の発生を防止することができ
る。また、カム山の形成部位以外の部位は適正な狭いク
リアランスとされているため、カムリングとハウジング
間にガタが発生するようなことはなく、キャビテーショ
ンの発生及び油膜切れの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の燃料噴射ポンプの全体構
成を表す正面断面図である。
【図2】燃料噴射ポンプのタイマ装置近傍の構成を表す
縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の燃料ポンプに配設される
タイマ装置近傍の構成を表す縦断面図である。
【図4】ベアリングの配設位置近傍を拡大して示す図で
ある。
【図5】第2実施例の変形例で用いるベアリングの配設
位置近傍を拡大して示す図である。
【図6】本発明の第3実施例の燃料ポンプに配設される
タイマ装置近傍の構成を表す縦断面図である。
【図7】本発明の第4実施例の燃料ポンプに配設される
タイマ装置近傍の構成を表す縦断面図である。
【符号の説明】
10 燃料噴射ポンプ 11 ハウジング 12 カム室 17 燃料吸入ギャラリ 20 オーバーフローバルブ 30 スピルバルブ 40 燃料還流バルブ 50 アキュムレータ 60 コンスタントプレッシャバルブ 70 駆動軸 80 フィードポンプ 85 燃料吐出口 90 ロータ 91 ポンプ室 92 燃料吸入口 93 燃料突出口 94 第1の燃料通路 95 第2の燃料通路 96a〜96d プランジャ 97 環状溝 100 シリンダ 101 燃料供給ポート 102 燃料流出ポート 103 燃料スピル通路 110 カムリング 110a〜110f カム山 120 パルサ 122 回転角センサ 130 タイマ装置 131,132 タイマピストン 133 ロッド 140 タイミングコントロールバルブ 150 ストラット材 160,170 ベアリング 180 弾性体 190a〜190f 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 寿和 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 近藤 重行 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面にカム山を有するカムリングと、
    内燃機関の回転に同期して回転することにより該カム山
    に沿って径方向に往復動するプランジャを内包するロー
    タと、該内燃機関の運転条件に応じ該カムリングを周方
    向に回動するタイマピストンと、該カムリングを摺動可
    能に保持するハウジングとを具備し、 前記プランジャのカム山に沿った径方向の往復動と該ロ
    ータの回転とにより、該内燃機関の各気筒に燃料の分配
    供給を行う燃料噴射ポンプにおいて、 該ハウジングの該カムリングと対向する部位に低熱膨張
    率を有するストラット材を配設したことを特徴とする燃
    料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 内周面にカム山を有するカムリングと、
    内燃機関の回転に同期して回転することにより該カム山
    に沿って径方向に往復動するプランジャを内包するロー
    タと、該内燃機関の運転条件に応じ該カムリングを周方
    向に回動するタイマピストンと、該カムリングを摺動可
    能に保持するハウジングとを具備し、 前記プランジャのカム山に沿った径方向の往復動と該ロ
    ータの回転とにより、該内燃機関の各気筒に燃料の分配
    供給を行う燃料噴射ポンプにおいて、 該カムリングの外周面と、該外周面と対向する該ハウジ
    ングの内周面との間に、滑り部材を配設したことを特徴
    とする燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 該滑り部材が、ベアリングであることを
    特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】 該滑り部材が、低摩擦係数の弾性体であ
    ることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 内周面にカム山を有するカムリングと、
    内燃機関の回転に同期して回転することにより該カム山
    に沿って径方向に往復動するプランジャを内包するロー
    タと、該内燃機関の運転条件に応じ該カムリングを周方
    向に回動するタイマピストンと、該カムリングを摺動可
    能に保持するハウジングとを具備し、 前記プランジャのカム山に沿った径方向の往復動と該ロ
    ータの回転とにより、該内燃機関の各気筒に燃料の分配
    供給を行う燃料噴射ポンプにおいて、 該カム山の背面近傍における該カムリングの外周と該ハ
    ウジング内周との間のクリアランスを、他の部位におけ
    る該カムリングの外周と該ハウジング内周との間のクリ
    アランスに比較して大きくしたことを特徴とする燃料噴
    射ポンプ。
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