JPH10301032A - 顕微鏡用透明加温器具および観察用透明加温器具 - Google Patents

顕微鏡用透明加温器具および観察用透明加温器具

Info

Publication number
JPH10301032A
JPH10301032A JP9127896A JP12789697A JPH10301032A JP H10301032 A JPH10301032 A JP H10301032A JP 9127896 A JP9127896 A JP 9127896A JP 12789697 A JP12789697 A JP 12789697A JP H10301032 A JPH10301032 A JP H10301032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent
thin film
plate
conductive thin
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9127896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3659445B2 (ja
Inventor
Tamotsu Inoue
保 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitazato Supply KK
Original Assignee
Kitazato Supply KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitazato Supply KK filed Critical Kitazato Supply KK
Priority to JP12789697A priority Critical patent/JP3659445B2/ja
Priority to EP98107797A priority patent/EP0875779B1/en
Priority to US09/069,175 priority patent/US5973301A/en
Priority to DE69841634T priority patent/DE69841634D1/de
Publication of JPH10301032A publication Critical patent/JPH10301032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3659445B2 publication Critical patent/JP3659445B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/24Base structure
    • G02B21/30Base structure with heating device

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顕微鏡用透明加温プレートを十分に薄くで
き、中央に開口部を有しなくても、倒立顕微鏡のステー
ジに固定した場合に倍率レンズの回転に障害となること
がなく、かつ、十分な強度を有することができる顕微鏡
用透明加温器具を提供する。 【解決手段】 顕微鏡用透明加温器具1は、透明発熱用
プレート2と、透明発熱用プレート2を収納する環状ハ
ウジング3を備える。透明発熱用プレート2は、透明板
5と、透明板5の一方の面に形成された発熱用透明導電
性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合
う一対の発熱用電極10a,10bと、導電性薄膜7を
被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜(透明硬化薄
膜)8を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上面に載置される
観察対象物、培養容器などを加温するための顕微鏡用透
明加温器具もしくは観察用透明加温器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家畜の改良、増殖などの目的
で人工授精が行われている。また、不妊症対策などの目
的より、人類にも人工授精が行われて来ている。このよ
うな人工授精に際して、予め輸送される精子の活力や性
状を顕微鏡で検査してその適性を確認する必要がある。
そして、動物の種類によっても異なるが、一般的に精子
は、37〜38℃にて至適活性を有するため、検査もこ
の温度にて行うことが好ましい。このような目的より、
例えば、特開昭62−135803号公報に示すような
顕微鏡観察用加温装置を本発明者は提案している。この
加温装置は、ヒーターステージと、その加温手段を有し
ている。そして、ヒーターステージは、上下の透明なガ
ラス板の間に透明な導電膜を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、倒立顕微鏡
が普及して来ている。倒立顕微鏡では、レンズ部分がス
テージの下方に設けられているため、ステージの中央が
貫通口となっていることが好ましい。このように貫通口
があることにより、倒立顕微鏡の倍率レンズの確認が容
易となる。このため、顕微鏡透明加温プレートのほぼ中
央にも貫通口を設けることが必要となっていた。しか
し、本発明者が検討したところ、プレートの厚さが十分
に薄くできれば、このような開口を設ける必要がないこ
とがわかった。しかし、プレートを薄くすると強度面で
の問題も生じる。そこで、本発明の第1の目的は、加温
プレートを十分に薄くでき、中央に開口部を有しなくて
も、倒立顕微鏡のステージに固定した場合に倍率レンズ
の回転に障害となることがなく、かつ、十分な強度を有
することができる顕微鏡用透明加温器具を提供する。
【0004】また、上述のように、倒立顕微鏡が普及し
て来ている。倒立顕微鏡では、レンズ部分がステージの
下方に設けられている。そして、このステージに取り付
けられる透明加温器具は、通電のためのコードを備えて
いる。通常コードは、透明加温器具の枠状のハウジング
の下面より、下方に延びている。このため、倒立顕微鏡
の倍率レンズの操作中に、倍率レンズにコードがからむ
ことがあった。そこで、本発明の第2の目的は、透明加
温器具のコードが、顕微鏡の倍率レンズなどにからまな
いようにすることができる透明加温器具を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るものは、透明板と、透明板の一方の面に形成された発
熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触
し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用透明導電
性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを
有する透明発熱用プレートを備える顕微鏡用透明加温器
具である。そして、前記透明板は、該透明板の他方の面
に形成された非発熱用透明導電性薄膜と、該非発熱用透
明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明
導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透
明薄膜を有していることが好ましい。そして、前記非発
熱用透明導電性薄膜は、前記透明板の他方の面のほぼ全
体を被覆するものであることが好ましい。
【0006】また、上記第1の目的を達成するものは、
紫外線透過性透明板と、透明板の一方の面に形成された
発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接
触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記紫外線透過性
透明板の前記発熱用透明導電性薄膜形成面に形成された
発熱用透明導電性薄膜非形成部と、前記発熱用透明導電
性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを
有する透明発熱用プレートを備える顕微鏡用透明加温器
具である。
【0007】そして、前記透明板は、該透明板の他方の
面に形成された非発熱用透明導電性薄膜と、該紫外線透
過性透明板の前記非発熱用透明導電性薄膜形成面であっ
て、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部に対応する位置
に形成され非発熱用透明導電性薄膜非形成部と、該非発
熱用透明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱
用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第
二の透明薄膜を有していることが好ましい。さらに、前
記第二の透明薄膜は、前記非発熱用透明導電性薄膜非形
成部を実質的に被覆していないものであってもよい。ま
た、前記第二の透明薄膜は、実質的に紫外線透過性を有
するとともに、前記非発熱用透明導電性薄膜非形成部を
被覆しているものであってもよい。
【0008】そして、前記透明薄膜は、前記電極を被覆
していてもよい。また、前記電極が設けられた透明板の
周縁部には、全周にわたり発熱用透明導電性薄膜が設け
られていない部分を有し、さらに、前記電極も前記透明
板の周縁より若干内側に設けられていることが好まし
い。さらに、前記透明発熱用プレートの厚さは、1mm
以下であることが好ましい。
【0009】上記第二の目的を達成するものは、透明板
と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄
膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対
の発熱用電極と、前記発熱用電極のそれぞれに固着され
た導電線とを有する透明発熱用プレートと、該透明発熱
プレートの周縁部を保持するハウジングとを備える透明
加温器具であって、該ハウジングは、前記導電線をハウ
ジングの外部に導出するための開口部を有し、前記透明
加温器具は、該開口部より導出される導電線を任意の形
状に保持できる形状付け用部材を有している顕微鏡用透
明加温器具である。
【0010】そして、前記形状付け用部材は、例えば、
前記開口部付近より外方に延びる塑性変形可能な金属線
もしくは金属板である。また、前記形状付け用部材は、
例えば、前記開口部より導出された通電線に巻き付けら
れた塑性変形可能な金属線もしくは金属板である。
【0011】また、上記目的を達成するものは、透明板
と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄
膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対
の発熱用電極と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する
実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを有する透明発熱用
プレートを備える観察用透明加温器具である。
【0012】また、透明加温器具としては、耐熱性透明
板と、該透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電
性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う
一対の発熱用電極と、該発熱用電極のそれぞれに固着さ
れた通電線とを有する透明発熱用プレートを備える透明
加温器具であって、前記透明発熱用プレートは、通電に
よる加温可能領域と通電による加温不能領域を有し、前
記一対の発熱用電極のそれぞれは、一端が前記加温可能
領域に位置し、他端が前記加温不能領域に位置し、前記
通電線は、前記加温不能領域に位置する部分において前
記電極と固着されているものであってもよい。そして、
前記通電線は、前記電極の他端付近と固着されているこ
とが好ましい。また、前記透明発熱用プレートは、例え
ば、発熱用透明導電性薄膜形成部と、発熱用透明導電性
薄膜非形成部を有し、該発熱用透明導電性薄膜形成部に
より加温可能領域が形成され、前記発熱用透明導電性薄
膜非形成部により加温不能領域が形成されている。ま
た、前記透明発熱用プレートは、前記発熱用透明導電性
薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜を有し
ていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】そこで、本発明の顕微鏡用透明加
温器具について、図面を用いて説明する。本発明の透明
加温器具を顕微鏡用透明加温器具に応用した実施例を用
いて説明する。顕微鏡用透明加温器具は、言い換えれ
ば、顕微鏡用試料支持板である。図1は、本発明の一実
施例の顕微鏡用透明加温器具の斜視図であり、図2は、
本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温器具の正面図であ
り、図3は、図2のA−A線断面図である。図4は、本
発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図であ
り、図5は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器
具の断面図である。
【0014】この実施例の顕微鏡用透明加温器具1は、
図1および図2に示すように、透明発熱用プレート2
と、この透明発熱用プレート2を収納する環状ハウジン
グ3とを備えている。透明発熱用プレート2は、透明板
5と、透明板5の一方の面に形成された発熱用透明導電
性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合
う一対の発熱用電極10a,10bと、発熱用透明導電
性薄膜7を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜8
を有している。そして、顕微鏡用透明加温器具1は、透
明発熱用プレート2の裏面に固定された温度センサ14
を備えている。
【0015】この実施例では、透明板5は、円形であ
り、透明板5の一方の面、言い換えれば、透明板5の裏
面の周縁部を除く全面に、図3に示すように、発熱用透
明導電性薄膜7が設けられている。透明板5には、その
円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の1の長さ
の円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが設けら
れている。透明板5には、全周のほぼ4分の1の長さの
円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが存在しな
い部分が形成されている。また、温度センサ14は、こ
の電極10a,10bが存在しない部分に対応する位置
に取り付けられている。
【0016】透明板5としては、ガラス板、合成樹脂製
板であり、透明かつ絶縁性板状物が使用される。合成樹
脂板としては、透明性と絶縁性を有するものであれば特
に制限はないが、アクリル板、ポリカーボネート板、ス
チレン板などの透明性の高いものが好ましく、さらに、
硬質のものが好適である。なお、透明板5としては、透
明性が高いこと、熱伝導率があまり高くないことより、
ガラス板が好適である。ガラスとしては、ソーダライム
シリケートガラス、アルミノシリケートガラス、硼珪酸
塩ガラス、リチウムアルミノシリケートガラスなどのア
ルカリ含有ガラス、低アルカリ含有ガラス、無アルカリ
含有ガラス、石英ガラスなどが用いられる。透明板5と
しては厚さが、0.8mm以下、特には、0.2〜0.
6mmのものを用いることが好ましい。透明発熱用プレ
ート2としては、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜
0.6mmとすることが好ましい。透明板5の形状は、
上述した円形のものに限られない。なお、円形とは、真
円形、楕円形、長方円形などを含むものである。四角
形、六角形などの多角形であってもよい。また、電極1
0a,10bの大きさは、透明板5の全周の4分の1よ
り大きくても、逆に小さくてもよい。
【0017】発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄
膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通
電により発熱する性質を有するものが使用される。具体
的には、酸化スズ、SiO2−インジウム合金、酸化イ
ンジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化イン
ジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に
使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の
内面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸
着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法な
どの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学
蒸着法(CVD法)、デッピング法などを利用すること
ができる。
【0018】電極10a,10bとしては、銅、銀など
の導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透
明板5の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属
を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、
加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD
法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたも
のにより形成されている。そして、電極10a,10b
のそれぞれには導電線12a,12bが、接続されてお
り、これら導電線12a,12bおよび温度センサ14
は、使用時には、後述する温度制御器31と電気的に接
続される。
【0019】透明板5は、その周縁部の全周にわたり発
熱用透明導電性薄膜7が設けられていない部分を有して
いる。電極10a,10bも透明発熱用プレート2の周
縁より離間した内側、言い換えれば、透明板5の周縁部
より所定距離内側となる位置に設けられている。このよ
うに、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜
7が、透明板5の周縁より内側となるように、言い換え
れば、透明板5の周縁部の全周にわたり発熱用透明導電
性薄膜および電極の両者が存在しない部分が形成されて
いるため、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性
薄膜7より生じた電磁波が、透明板5の上方に飛ぶこと
を抑制する。これにより、電極10a,10bおよび発
熱用透明導電性薄膜7より、もし電磁波(ノイズ)が発
生しても、透明板5の上に載置される観察対象物に影響
を与えることを防止する。透明板5の端部と発熱用透明
導電性薄膜7および電極10a,10bの端部との距離
は、0.5〜10mm程度が好ましい。特に、1〜5m
mが好ましい。
【0020】そして、透明板5の底面には、発熱用透明
導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を有してい
る。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するものにより
形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極
10a,10bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導
電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆
している。透明板5の底面がこのような透明硬化薄膜に
より保護されるため、傷が付きにくいとともに、透明発
熱用プレート2が、例えば、1mm以下という薄いもの
であっても、十分な強度を有する。
【0021】透明薄膜8としては、透明硬化薄膜が用い
られている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム
(ZrO2)膜、アルミナ(Al23)膜、酸化珪素
(SiO2)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複
合物を主成分とするものが好適である。特に、酸化ジル
コニウム(ZrO2)膜、アルミナ(Al23)膜、酸
化珪素(SiO2)膜のそれぞれの単体物より形成され
ていることが好ましい。また、シリコン系ハードコート
剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハードコー
ト剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が
加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架橋体を
形成することを利用するものである。形成される薄膜
は、酸化珪素(SiO2)の編み目構造の一部に有機基
(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エチル
基)が取り込まれた形のものとなる。
【0022】透明硬化薄膜8は、上記のような材料を用
いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング
法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分
解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さ
らには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー
法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化
させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズ
マ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8と
しては、厚さが0.01〜100μm程度であることが
好ましい。
【0023】透明硬化薄膜としては、具体的には、以下
のような方法により形成することができる。例えば、透
明導電性薄膜7を形成したガラス板に、SiO2、Zr
2、もしくはAl23を、300゜C、アルゴン雰囲気
中、真空度=5.0×10-1Pa、印加高周波電力50
0Wの条件下で、スパッタリングすることにより、Si
2、ZrO2、もしくはAl23からなる透明硬化薄膜
を形成することができる。また、テトラエトキシシラン
重合体、ポリシルセスキオキサン等のオルガノアルコキ
シシランの加水分解縮合物のを所定量エタノールなどの
有機溶媒に溶解した溶液を、透明導電性薄膜7を形成し
たガラス板に、スプレー法、ロール法、スピンナー法な
どにより、厚さ約0.1〜10μm程度に塗布し、約5
0゜Cで10分間乾燥させた後、約350〜450゜Cで
所定時間焼成することにより、多少の有機基を含むもの
の、実質的にSiOの架橋硬化膜を形成することができ
る。
【0024】透明硬化薄膜は、上記のような実質的に無
機材料からなるものが好ましいが、透明樹脂により形成
してもよい。透明硬化性樹脂としては、メラミン系樹
脂、グアナミン系樹脂、アミノ樹脂、硬化型アクリル樹
脂、イソシアネート硬化型アクリル樹脂、熱硬化性スチ
レン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂など
が使用できる。
【0025】ハウジング3は、図1、図2および図3に
示すように、中央に設けられた開口21と、この開口2
1を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置
部22と、電極10a,10bおよび温度センサ14と
接続された接続線を通すための開口部18を有してい
る。温度センサ14は、透明発熱用プレート2の底面に
接触するように設けられている。なお、センサ14は、
透明発熱用プレート2内に設けてもよい。さらには、温
度センサ14は、透明発熱用プレート2の表面に設けて
もよい。温度センサ14としては、温度検知可能なもの
であれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが
好適である。
【0026】電極10a,10bに接続された導電線1
2a,12bおよび温度センサ14に接続された信号線
は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3
の小口18より外部に延びている。そして、このコード
16の端部には、コネクタ25が取り付けられている。
このコネクタ25は、後述する温度制御器との接続端子
を形成している。
【0027】そして、この実施例の顕微鏡用透明加温器
具は、上記のようにハウジング3が、導電線12a,1
2bをハウジング3の外部に導出するための開口部18
を有し、開口部18より導出される導電線12a,12
bを任意の形状に保持できる形状付け用部材20を有し
ている。具体的には、開口部18内に一端が設けられ外
方に延びるチューブ19を備え、このチューブ19内に
導電線12a,12bを含むコード16が貫通してい
る。そして、このチューブ19内には、一端がハウジン
グ3の開口部18内に固定もしくは離脱防止用の係止部
20aを備え、コード16と平行に延びる金属線20
(例えば、針金)が収納されている。金属線20として
は、手で曲げることができる程度の易塑性変形性を有す
るものが用いられている。金属線は、一本でも複数本設
けてもよい。一本の場合には、例えば、線径が、2〜7
mm程度の針金が公的であり、複数本設ける場合には、
1〜5mm程度の針金が好適に使用される。なお、形状
付け用部材は、金属線に限られるものではなく、上記チ
ューブ19内に収納可能な程度の幅の金属板を用いても
よい。さらに、形状付け用部材は、上述のような形態の
ものに限定されるものではない。例えば、上記のような
チューブを用いる場合には、チューブの外面もしくはコ
ード16の外面(チューブとコード16の間となる)に
塑性変形可能な金属線もしくは金属板を巻き付けたもの
であってもよい。また、チューブを用いない場合には、
コード16の外面に塑性変形可能な金属線もしくは金属
板を巻き付けたものであってもよい。金属線もしくは金
属板の形成材料としては、ステンレス、銅などが使用さ
れる。
【0028】そして、この顕微鏡用透明加温器具1は、
顕微鏡ステージに組み込まれて使用される。顕微鏡用透
明加温器具1と温度制御器31により、温度制御装置が
構成されている。図11は、本発明の透明加温装置に使
用される温度制御器のブロック図である。温度制御器3
1は、図11に示すように、透明加温器具(顕微鏡用試
料支持板)1のコネクター25と接続可能なコネクター
32と、透明加温器具1の温度センサ14により検知さ
れたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコン
バーター33と、このコンバーター33からの信号が入
力される温度制御部35と、温度制御部35より出力さ
れる透明発熱用プレート2の実測温度を表示する測定温
度表示部36と、設定温度を入力する設定温度入力部3
7と、設定温度入力部より入力された設定温度を表示す
る設定温度表示部39とを有している。そして、温度制
御部35は、温度制御器31のコネクター32および透
明加温器具1のコネクター25を介して、発熱用透明導
電性薄膜7と接触する電極10a,10bと電気的に接
続されており、発熱用透明導電性薄膜7の温度調整機能
を有している。そして、設定温度入力部37は、入力ス
イッチ37aを、また、測定温度表示部36は、表示窓
36aを、設定温度表示部39も表示窓39aを備えて
いる。温度制御部35は、設定温度と測定温度とを比較
する比較機能と、この比較機能による比較結果に基づ
き、発熱用透明導電性薄膜への電力供給状態を調整する
温度調整機能(言い換えれば、電力供給調整機能)を有
している。温度調整機能(電力供給調整機能)として
は、印加電圧を調整する機能、負荷電流を調整する機
能、通電のON/OFF状態を調整する機能などのいず
れでもよい。
【0029】温度制御部は、具体的には、検知された測
定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度よ
り低い場合には、通電をONし、逆に、検知された測定
温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より
高い場合には、通電をOFFするように制御する。ま
た、温度制御は、ON/OFF制御でない場合には、検
知された測定温度が、設定温度入力部により入力された
設定温度より低い場合には、電圧または電流を高くする
ように制御し、逆に、検知された測定温度が、設定温度
入力部により入力された設定温度より高い場合には、電
圧また電流を低くするか、一時的に通電を中止し、測定
温度が設定温度と等しい場合には、与えている電圧また
電流を維持することにより行われる。
【0030】次に、図4に示す実施例の顕微鏡用透明加
温器具40について説明する。この実施例の透明加温器
具40の基本構成は、図1ないし図3に示した透明加温
器具1と同じである。相違は、透明発熱用プレート42
の構造である。この透明加温器具40では、透明発熱用
プレート42の透明薄膜48は、透明樹脂フィルムによ
り形成されている。透明樹脂フィルムとしては、膜厚が
0.05〜0.2mm程度のものが用いられる。透明樹
脂フィルムとしては、実質的に絶縁性を有するものによ
り形成されている。具体的には、ポリエステルフィルム
(具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム)、ポリカーボネートフィルム、ポリオレフィンフィ
ルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム)、ポリビニリデンフィルム(具体的には、ポ
リフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルムなどが使用できる。強度および膜厚の均一性より、
樹脂フィルムは、延伸されていることが好ましい。延伸
樹脂フィルムとしては、一軸延伸フィルムでも、二軸延
伸フィルムでもよいが、強度の点より、二軸延伸フィル
ムが特に好適である。
【0031】そして、この透明薄膜48を形成する透明
樹脂フィルムは、透明板5の底面に形成された発熱用透
明導電性薄膜7の全体を被覆している。この実施例で
は、透明薄膜48は、電極10a,10bの全体を被包
し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていな
い透明板5の周縁部も被覆している。透明薄膜48は、
透明板5の底面に、接着剤により固着されている。作図
上、図4の接着剤層49が厚いが、透明薄膜48を透明
板5の底面に接着できればよく、実際には薄い層とな
る。接着剤としては、実質的に絶縁性を有するものが用
いられる。接着剤しては、ホットメルト系接着剤、RT
Vシリコン系接着剤、LTVシリコン系接着剤などが使
用できる。この実施例の透明加温器具40におけるその
他の構造は、上述した透明加温器具1と同じである。こ
の透明加温器具40に用いられている透明発熱用プレー
ト42としても、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜
0.6mmとすることが好ましい。
【0032】次に、図5に示す実施例の顕微鏡用透明加
温器具50について説明する。この実施例の透明加温器
具50の基本構成は、図1ないし図3に示した透明加温
器具1と同じである。相違は、透明発熱用プレート52
の構造である。この透明発熱用プレート52では、透明
板5は、透明板5の他方の面(表面、発熱用透明導電性
薄膜7が形成されていない面)に形成された非発熱用透
明導電性薄膜9と、非発熱用透明導電性薄膜9と接触す
るアース線19と、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆す
る実質的に絶縁性を有する第二の透明薄膜11が形成さ
れている。
【0033】非発熱用透明導電性薄膜9は、発熱用透明
導電性薄膜7の周縁に対応する部分を越え、透明板5の
全面を被覆している。透明板5の全面を被覆している。
また、非発熱用透明導電性薄膜9としては、上述した発
熱用透明導電性薄膜と同じものであってもい。しかし、
非発熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させるこ
とを目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜
より抵抗値がより低いものであってもよい。非発熱用透
明導電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化ス
ズ、SiO2−インジウム合金、酸化インジウム、スズ
またはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチ
モンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導
電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の表面に形成する
方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜
法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CV
D法)、デッピング法などにより行うことができる。そ
して、非発熱用透明導電性薄膜9には、アース線19が
接続されている。透明板5の表面(上面)に当接し、非
発熱用透明導電性薄膜9に到達した電磁波はアース線に
流れ消失する。
【0034】さらに、透明板5には、非発熱用透明導電
性薄膜9を被覆する第二の透明薄膜11が形成されてい
る。透明薄膜としては、上述した透明加温器具1におい
て用いた透明硬化薄膜膜8と同じものが好適に利用でき
る。具体的には、透明薄膜11としては、透明硬化薄膜
が用いられている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコ
ニウム(ZrO2)膜、アルミナ(Al23)膜、酸化
珪素(SiO2)膜、炭化チタン膜などいずれかもしく
は複合物を主成分とするものが好適である。特に、好ま
しくは、酸化ジルコニウム(ZrO2)膜、アルミナ
(Al23)膜、酸化珪素(SiO2)膜のそれぞれの
単体物より形成されていることが好ましい。
【0035】また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれ
るものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オ
ルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱により
シラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成するこ
とを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素
(SiO2)の編み目構造の一部に有機基(例えば、ア
ルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込
まれた形のものとなる。 透明硬化薄膜11は、上記の
ような材料を用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空
製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法
(CVD法)、さらには、デッピング法、コート法(例
えば、スプレー法、ロール法、スピンナー法)により付
着させた後硬化させることにより形成される。硬化は、
加熱法、プラズマ法、常温放置などにより行われる。透
明硬化薄膜8としては、厚さが0.01〜100μm程
度であることが好ましい。
【0036】なお、透明硬化膜薄膜11と、第二の透明
硬化薄膜11は、形成材料が異なっていてもよい。例え
ば、透明硬化膜薄膜8を、SiO2、ZrO2、もしくは
Al23のいずれかにより形成し、第二の透明硬化薄膜
11は、透明硬化膜薄膜8の形成用いられた以外のも
の、さらには、上述のシリコン系ハードコート剤により
形成してもよい。第二の透明硬化薄膜11としては、厚
さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
このような透明硬化薄膜11を設けても、透明発熱用プ
レート52の肉厚はそれほど増加することはない。透明
板5は、表裏両面が透明硬化薄膜により保護されるた
め、傷が付きにくく、透明発熱用プレート52の強度も
高い。この透明加温器具50に用いられている透明発熱
用プレート52としても、厚さが、1mm以下、特に、
0.2〜0.6mmとすることが好ましい。また、この
ように、透明板5の表面側にも透明硬化薄膜を設ける場
合には、透明板5として、より薄いもの、例えば、上述
した透明加温器具1に用いられた透明板5より薄いもの
を用いることもできる。
【0037】この実施例の透明加温器具におけるその他
の構造は、上述した透明加温器具1と同じである。次
に、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具60に
ついて説明する。図6は、本発明の他の実施例の顕微鏡
用透明加温器具の正面図であり、図7は、図6のB−B
線断面図である。図8は、本発明の他の実施例の顕微鏡
用透明加温器具の断面図であり、図9および図10は、
本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図で
ある。
【0038】この実施例の顕微鏡用透明加温器具60
は、紫外線透過性透明板65と、透明板65の一方の面
に形成された発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導
電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10
a,10bと、紫外線透過性透明板65の発熱用透明導
電性薄膜形成面に形成された発熱用透明導電性薄膜非形
成部7aと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的
に絶縁性を有する透明薄膜8とを有する透明発熱用プレ
ート62を備えている。顕微鏡用透明加温器具60は、
透明発熱用プレート62と、この透明発熱用プレートを
収納する環状ハウジング3と、透明発熱用プレート62
の裏面に固定された温度センサ14を備えている。
【0039】この実施例では、紫外線透過性透明板65
は、円形であり、紫外線透過性透明板65の一方の面、
言い換えれば、透明板65の裏面の周縁部と中央部を除
く全面に発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。紫
外線透過性透明板65には、その円形形状に対応するよ
うに、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2
つの電極10a,10bが設けられている。紫外線透過
性透明板65には、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で
向かい合う2つの電極10a,10bが存在しない部分
が形成されている。また、温度センサ14は、この電極
10a,10bが存在しない部分に対応する位置に取り
付けられている。
【0040】紫外線透過性透明板65としては、紫外線
透過性を有するガラス板、合成樹脂製板であり、透明か
つ絶縁性板状物が使用される。具体的には、石英ガラス
が好適である。透明板65としては厚さが、0,8mm
以下、特には、0.2〜0.6mmのものを用いること
が好ましい。透明発熱用プレート62としては、厚さ
が、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすること
が好ましい。透明板65の形状は、上述した円形のもの
に限られない。なお、円形とは、真円形、楕円形、長方
円形などを含むものである。四角形、六角形などの多角
形であってもよい。また、電極10a,10bの大きさ
は、透明板65の全周の4分の1より大きくても、逆に
小さくてもよい。
【0041】発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄
膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通
電により発熱する性質を有するものが使用される。具体
的には、酸化スズ、SiO2−インジウム合金、酸化イ
ンジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化イン
ジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に
使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を紫外線透過
性透明板65の内面に形成する方法としては、蒸着法
(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分
解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法な
どにより行うことができる。
【0042】電極10a,10bとしては、銅、銀など
の導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透
明板65の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属
を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、
加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD
法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたも
のにより形成されている。そして、電極10a,10b
のそれぞれには導電線12a,12bが、接続されてお
り、これら導電線12a,12bおよび温度センサ14
は、使用時には、温度制御器と電気的に接続される。
【0043】紫外線透過性透明板65は、使用時に顕微
鏡の倍率レンズが位置する部分、具体的には、この実施
例では、透明板65の中央部に発熱用透明導電性薄膜非
形成部7aが設けられている。このように、使用時に顕
微鏡の倍率レンズが位置する部分となる中央部を、発熱
用透明導電性薄膜非形成部7aとすることにより、蛍光
顕微鏡を用いても、発熱用透明導電性薄膜が存在しない
ため、発熱用透明導電性薄膜に起因する紫外線の吸収も
しくは散乱がない。発熱用透明導電性薄膜非形成部7a
は、例えば、非形成部7aとなる部分をマスキングした
状態にて、上述のような発熱用透明導電性薄膜を作製す
ることにより、また、非形成部7a部分を含むように発
熱用透明導電性薄膜を形成した後、非形成部7aとなる
部分の導電性薄膜を機械的もしくは化学的方法により除
去することにより形成することができる。上述したマス
キング法によることが好ましい。
【0044】また、透明板65の周縁部の全周にわたり
発熱用透明導電性薄膜7が設けられていない部分も形成
されている。電極10a,10bも透明発熱用プレート
62の周縁より離間した内側、言い換えれば、紫外線透
過性透明板65の周縁部より所定距離内側となる位置に
設けられている。このように、電極10a,10bおよ
び発熱用透明導電性薄膜が、透明板65の周縁より内側
となるように、言い換えれば、透明板65の周縁部の全
周にわたり発熱用透明導電性薄膜および電極の両者が存
在しない部分が形成されているため、電極10a,10
bおよび発熱用透明導電性薄膜より生じた電磁波が、紫
外線透過性透明板65の上方に飛ぶことを抑制する。こ
れにより、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性
薄膜より、もし電磁波(ノイズ)が発生しても、紫外線
透過性透明板65の上に載置される観察対象物に影響を
与えることを防止する。紫外線透過性透明板65の端部
と発熱用透明導電性薄膜7および電極10a,10bの
端部との距離は、0.5〜10mm程度が好ましい。特
に、1〜5mmが好ましい。
【0045】そして、紫外線透過性透明板65の底面に
は、発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜
8を有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有す
るものにより形成されている。この実施例では、透明薄
膜8は、電極10a,10bの全体を被包し、さらに、
発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない紫外線透過
性透明板65の周縁部も被覆している。透明薄膜8とし
ては、上述した透明加温器具1において用いたものが好
適に使用できる。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニ
ウム(ZrO2)膜、アルミナ(Al23)膜、酸化珪
素(SiO2)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは
複合物を主成分とするものが好適である。特に、好まし
くは、酸化ジルコニウム(ZrO2)膜、アルミナ(A
23)膜、酸化珪素(SiO2)膜のそれぞれの単体
物より形成されていることが好ましい。
【0046】また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれ
るものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オ
ルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱により
シラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成するこ
とを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素
(SiO2)の編み目構造の一部に有機基(例えば、ア
ルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込
まれた形のものとなる。紫外線透過性透明板65の底面
がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が
付きにくいとともに、透明発熱用プレート62が、例え
ば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度
を有する。
【0047】透明硬化薄膜8は、上記のような材料を用
いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング
法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分
解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さ
らには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー
法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化
させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズ
マ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8と
しては、厚さが0.01〜100μm程度であることが
好ましい。この実施例では、透明硬化薄膜8は、透明板
65の発熱用透明導電性薄膜非形成部7a部分を被覆し
ないものとなっている。このようにすることにより、透
明硬化薄膜8に起因する紫外線の吸収、散乱を防止でき
る。しかし、透明硬化薄膜8として、紫外線透過性の高
いもの、言い換えれば、紫外線透過性透明硬化薄膜を用
いる場合には、図8に示すように、透明硬化薄膜8が、
透明板65の発熱用透明導電性薄膜非形成部7a部分も
被覆するものとしてもよい。このようにすることによ
り、透明加温プレートの中央部での物性の低下がなくな
る。紫外線透過性透明硬化薄膜は、例えば、酸化珪素
(SiO2)のみにより薄膜を形成することにより作製
できる。
【0048】ハウジング3は、図1、図2および図3に
示すように、中央に設けられた開口21と、この開口2
1を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置
部22と、電極10a,10bおよび温度センサ14と
接続された接続線を通すための開口部18を有してい
る。温度センサ14は、透明発熱用プレート62の底面
に接触するように設けられている。なお、センサ14
は、透明発熱用プレート62内に設けてもよい。さらに
は、温度センサ14は、透明発熱用プレートの表面に設
けてもよい。温度センサ14としては、温度検知可能な
ものであれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタな
どが好適である。電極10a,10bに接続された導電
線12a,12bおよび温度センサ14に接続された信
号線は束ねられて1本のコード16となって、ハウジン
グ3の小口18より外部に延びている。そして、このコ
ード16の端部には、コネクタ25が取り付けられてい
る。このコネクタ25は、後述する温度制御器との接続
端子を形成している。
【0049】そして、この実施例の顕微鏡用透明加温器
具は、上記のようにハウジング3が、導電線12a,1
2bをハウジング3の外部に導出するための開口部18
を有し、開口部18より導出される導電線12a,12
bを任意の形状に保持できる形状付け用部材20を有し
ている。具体的には、開口部18内に一端が設けられ外
方に延びるチューブ19を備え、このチューブ19内に
導電線12a,12bを含むコードが貫通している。そ
して、このチューブ19内には、一端がハウジング3の
開口部18内に固定もしくは離脱防止用の係止部20a
を備え、コードと平行に延びる金属線20(例えば、針
金)が収納されている。金属線20としては、手で曲げ
ることができる程度の易塑性変形性を有するものが用い
られている。この実施例の透明加温器具におけるその他
の構造は、上述した透明加温器具1と同じである。そし
て、この顕微鏡用透明加温器具1は、顕微鏡ステージに
組み込まれて使用される。顕微鏡用透明加温器具1と上
述した温度制御器31により、温度制御装置が構成され
る。
【0050】次に、図9に示す実施例の顕微鏡用透明加
温器具90について説明する。この実施例の透明加温器
具90の基本構成は、図6および図7に示した透明加温
器具60と同じである。相違は、透明発熱用プレート9
2の構造である。この透明発熱用プレート92では、紫
外線透過性透明板65は、透明板65の他方の面(表
面、発熱用透明導電性薄膜が形成されていない面)に形
成された非発熱用透明導電性薄膜11と、透明板65の
非発熱用透明導電性薄膜形成面であって、発熱用透明導
電性薄膜非形成部7aに対応する位置に形成され非発熱
用透明導電性薄膜非形成部9aと、非発熱用透明導電性
薄膜9と接触するアース線19と、非発熱用透明導電性
薄膜9を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄
膜11を有している。
【0051】非発熱用透明導電性薄膜9は、紫外線透過
性透明板65の中央部を除く全面を被覆している。ま
た、非発熱用透明導電性薄膜としては、上述した発熱用
透明導電性薄膜と同じものであってもい。しかし、非発
熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させることを
目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜より
抵抗値がより低いものであってもよい。非発熱用透明導
電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化スズ、
SiO2−インジウム合金、酸化インジウム、スズまた
はアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモン
をドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性
金属薄膜(ITO膜)を紫外線透過性透明板65の表面
に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着
法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法など
の真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸
着法(CVD法)、デッピング法などにより行うことが
できる。
【0052】また、紫外線透過性透明板65は、使用時
に顕微鏡の倍率レンズが位置する部分、具体的には、発
熱用透明導電性薄膜非形成部7aに対応する位置に、非
発熱用透明導電性薄膜非形成部9aが設けられている。
このように、使用時に顕微鏡の倍率レンズが位置する部
分となる発熱用透明導電性薄膜非形成部7aに対応する
位置(中央部)を、導電性薄膜非形成部9aとすること
により、蛍光顕微鏡を用いても、発熱用透明導電性薄膜
が存在しないため、発熱用透明導電性薄膜に起因する紫
外線の吸収もしくは散乱がない。発熱用透明導電性薄膜
非形成部9aは、例えば、非形成部9aとなる部分をマ
スキングした状態にて、上述のような発熱用透明導電性
薄膜を作製することにより、また、非形成部9a部分を
含むように発熱用透明導電性薄膜を形成した後、非形成
部9aとなる部分の導電性薄膜を機械的もしくは化学的
方法により除去することにより形成することができる。
上述したマスキング法によることが好ましい。そして、
非発熱用透明導電性薄膜9には、アース線19が接続さ
れている。透明板65の表面(上面)に当接し、非発熱
用透明導電性薄膜9に到達した電磁波はアース線に流れ
消失する。
【0053】さらに、紫外線透過性透明板65には、非
発熱用透明導電性薄膜9を被覆する第二の透明薄膜11
が形成されている。透明薄膜としては、上述した透明加
温器具1もしくは透明加温器具60において説明した透
明硬化薄膜膜8と同じものが好適に利用できる。具体的
には、透明薄膜11としては、透明硬化薄膜が用いられ
ている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(Z
rO2)膜、アルミナ(Al23)膜、酸化珪素(Si
2)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を
主成分とするものが好適である。特に、好ましくは、酸
化ジルコニウム(ZrO2)膜、アルミナ(Al23
膜、酸化珪素(SiO2)膜のそれぞれの単体物より形
成されていることが好ましい。また、シリコン系ハード
コート剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハー
ドコート剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮
合物が加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架
橋体を形成することを利用するものである。形成される
薄膜は、酸化珪素(SiO2)の編み目構造の一部に有
機基(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エ
チル基)が取り込まれた形のものとなる。
【0054】透明硬化薄膜11は、上記のような材料を
用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水
分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、
さらには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー
法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化
させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズ
マ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8と
しては、厚さが0.01〜100μm程度であることが
好ましい。
【0055】なお、透明硬化膜薄膜11と、第二の透明
硬化薄膜11は、形成材料が異なっていてもよい。例え
ば、透明硬化膜薄膜8を、SiO2、ZrO2、もしくは
Al23のいずれかにより形成し、第二の透明硬化薄膜
11は、透明硬化膜薄膜8の形成用いられた以外のも
の、さらには、上述のシリコン系ハードコート剤により
形成してもよい。第二の透明硬化薄膜118としては、
厚さが0.01〜100μm程度であることが好まし
い。このような透明硬化薄膜11を設けても、透明発熱
用プレート52の肉厚はそれほど増加することはない。
透明板65は、表裏両面ともに透明硬化薄膜により保護
されるため、傷が付きにくくなるとともに、透明発熱用
プレート52の強度がより高いものとなる。この透明加
温器具50に用いられている透明発熱用プレート52と
しても、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6m
mとすることが好ましい。また、このように、透明板6
5の表面側にも透明硬化薄膜を設ける場合には、透明板
65として、より薄いもの、例えば、上述した透明加温
器具1に用いられた透明板65より薄いものを用いるこ
ともできる。
【0056】この実施例では、透明硬化薄膜11は、透
明板65の非発熱用透明導電性薄膜非形成部9a部分を
被覆しないものとなっている。このようにすることによ
り、透明硬化薄膜11に起因する紫外線の吸収、散乱を
防止できる。しかし、図10に示すように、透明硬化薄
膜8、11として、紫外線透過性の高いもの、言い換え
れば、紫外線透過性透明硬化薄膜を用いる場合には、透
明硬化薄膜11が、透明板65の発熱用透明導電性薄膜
非形成部7a、11a部分も被覆するものとしてもよ
い。このようにすることにより、透明加温プレートの中
央部での物性の低下がなくなる。紫外線透過性透明硬化
薄膜は、例えば、酸化珪素(SiO2)のみにより薄膜
を形成することにより作成できる。この実施例の透明加
温器具におけるその他の構造は、上述した透明加温器具
60と同じである。
【0057】なお、上述した実施例のものは、顕微鏡用
透明加温器具であるが、顕微鏡ではなく、肉眼により観
察するための観察用透明加温器具とすることもできる。
構成はすべて同じである。観察用透明加温器具として
は、動物、植物などの細胞、微生物(細菌、酵母、カ
ビ)、樹脂のガラス転移点、軟化点もしくは融点などが
考えられる。
【0058】次に、図12ないし図14の本発明の顕微
鏡用透明加温器具について説明する。図12は、本発明
の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図であり、
図13は、図12のC−C線断面図であり、図14は、
図12のD−D線断面図である。図15は、本発明の他
の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。この
実施例の顕微鏡用透明加温器具100は、図12および
図13に示すように、透明発熱用プレート102と、こ
の透明発熱用プレート102を収納する環状ハウジング
3とを備えている。ハウジング3は、透明発熱用プレー
ト102の周縁部を保持している。
【0059】具体的には、図12ないし図14に示すよ
うに、この実施例の透明発熱用プレート102は、透明
板5と、この透明板5の一方の面(裏面)に形成された
第1の発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄
膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10
bと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的に絶縁
性を有する第1の透明薄膜8を有し、さらに、透明板5
の他方の面(表面)に形成された第2の発熱用透明導電
性薄膜27と、この第2の発熱用透明導電性薄膜27と
接触し向かい合う一対の第2の発熱用電極30a,30
bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆する実質的に絶
縁性を有する第2の透明薄膜28を有している。
【0060】このため、透明加温プレートの形状が、円
形であっても、また、透明加温プレートの中央部が発熱
用透明導電性薄膜非形成部となっていても、さらには、
貫通口が設けられていても、プレートの形態に影響され
る事なく、観察に使用される透明加温プレートの中央付
近をほぼ均一な温度に加温することができる。なお、透
明発熱用プレート102の形態は、このようなものに限
られるものではない。例えば、図15に示すように、透
明発熱用プレートは、透明板5と、この透明板5の一方
の面に形成された第1の発熱用透明導電性薄膜7と、発
熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用
電極10a,10bと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆
する実質的に絶縁性を有する第1の透明薄膜8を有し、
さらに、透明板5の第1の透明薄膜8を被覆する第2の
発熱用透明導電性薄膜27と、この第2の発熱用透明導
電性薄膜27と接触し向かい合う一対の発熱用電極30
a,30bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆する実
質的に絶縁性を有する第2の透明薄膜28を有するもの
であってもよい。
【0061】この顕微鏡用透明加温器具100の基本構
成は、上述した顕微鏡用透明加温器具1と同じであり、
相違は、透明板の表面側に第2の発熱用透明導電性薄膜
27と、この第2の発熱用透明導電性薄膜27と接触し
向かい合う一対の発熱用電極30a,30bと、発熱用
透明導電性薄膜27を被覆する実質的に絶縁性を有する
第2の透明薄膜28を有している点である。同一部分に
ついて、同じ符号を付し、上述の説明を参照する。そし
て、顕微鏡用透明加温器具100は、透明発熱用プレー
ト102の裏面に固定された温度センサ14を備えてい
る。そして、向かい合う一対の第2の発熱用電極30
a,30bの中心線は、図12に示すように、向かい合
うの透明板用電極10a,10bの中心線とほぼ直交す
るように設けられている。
【0062】この実施例では、透明板5は、円形であ
り、裏面の周縁部を除くほぼ全面に発熱用透明導電性薄
膜7が設けられている。透明板5には、その円形形状に
対応するように、全周のほぼ4分の1より若干短い長さ
の円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが設けら
れている。また、透明板5には、全周のほぼ4分の1の
長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが存
在しない部分が形成されている。また、温度センサ14
は、この電極が存在しない部分に取り付けられている。
また、透明板5の表面にも、表面の周縁部を除くほぼ全
面に発熱用透明導電性薄膜7が設けられており、さら
に、その円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の
1より若干短い長さの円弧で向かい合う2つの電極30
a,30bが設けられている。透明板5の表面側にも、
全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電
極が存在しない部分が形成されている。
【0063】図12に示すように、透明板5に設けた電
極10a,10bと電極30a,30bが実質的に重な
らないように両電極は形成されている。これにより、電
極10a,10bの中心線は、電極30a,30bの中
心線とプレート中央部にてほぼ直交している。ほぼ直交
するとは、90°で直交するものに限られず、80〜1
10°程度で交差するものを含んでいる。
【0064】透明板の形状は、上述した円形のものに限
られない。なお、円形とは、真円形、楕円形、長方円形
などを含むものである。四角形、六角形などの多角形で
あってもよい。また、電極の形状は、設けられた電極1
0a,10b、30a,30bのすべてが同じ大きさで
あることが好ましいが、これに限らず、例えば、透明板
5の裏面側に設けられる電極10a,10bを全周の4
分の1より大きく(具体的には、全周の3分の1)形成
し、第2の電極30a,30bを全周の4分の1より小
さく(具体的には、全周の6分の1)してもよい。設け
られた電極10a,10b、30a,30bにより、透
明発熱用プレートの全周が包囲されるものに限られず、
例えば、透明板5に設けられる電極10a,10bを全
周の5分の1程度とし、第2透明板の電極30a,30
bも全周の5分の1程度とし、かつ両電極の中心線がほ
ぼ直交するように形成してもよい。これにより、透明発
熱用プレートの周縁部に加温されない部分が形成される
が、透明発熱用プレートの中央部分は良好な加温状態を
得ることができる。また、電極10a,10bと電極3
0a,30bは、相互に通電しないので、端部部分が重
なるように配置してもよい。さらに、電極10a,10
bと電極30a,30bの形態は、上述した円弧状のも
のに限られず、例えば、図16に示すように、直線状も
のとしてもよい。この場合においても、電極10a,1
0bと電極30a,30bは、相互に通電しないので、
端部部分が重なるように配置してもよく、また、逆に、
電極10a,10bと電極30a,30bの端部部分が
重ならないように配置してもよく。
【0065】透明板5は、その周縁部の全周にわたり発
熱用透明導電性薄膜7,27が設けられていない部分を
有している。電極10a,10b、および電極30a,
30bも透明発熱用プレート2の周縁より離間した内
側、言い換えれば、透明板5の周縁部より所定距離内側
となる位置に設けられている。このように、発熱用透明
導電性薄膜7、27、電極10a,10b、30a,3
0bが、透明板5の周縁より内側となるように、言い換
えれば、透明板5の周縁部の全周にわたり発熱用透明導
電性薄膜および電極の両者が存在しない部分が形成され
ているため、電極および発熱用透明導電性薄膜より生じ
た電磁波が、透明板5の上方に飛ぶことを抑制する。こ
れにより、電極および発熱用透明導電性薄膜より、もし
電磁波(ノイズ)が発生しても、透明板5の上に載置さ
れる観察対象物に影響を与えることを防止する。透明板
5の端部と発熱用透明導電性薄膜7、27および電極1
0a,10bの端部との距離は、0.5〜10mm程度
が好ましい。特に、1〜5mmが好ましい。
【0066】そして、透明板5は、裏面側に形成された
発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8お
よび表面側に形成された発熱用透明導電性薄膜27の全
体を被覆する透明薄膜28を有している。透明薄膜8,
28は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されて
いる。この実施例では、透明薄膜8は、電極10a,1
0bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7
が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。
透明板5の裏面(底面)がこのような透明硬化薄膜によ
り保護されるため、傷が付きにくい。同様に、この実施
例では、透明薄膜28は、電極30a,30bの全体を
被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜27が形成され
ていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の
表面(上面)もこのような透明硬化薄膜により保護され
るため、傷が付きにくい。また、透明薄膜を有すること
により、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下
という薄いものであっても、十分な強度を有する。ま
た、透明薄膜としては、上述した透明硬化薄膜が好適で
ある。
【0067】また、透明板として、紫外線透過性のもの
を用いて、図6から図10に示し、上述した実施例のよ
うに、透明板5の中央部(透明発熱用プレート102の
中央部)に発熱用透明導電性薄膜7、27が設けられて
いない部分(発熱用透明導電性薄膜非形成部)を設けた
ものとしてもよい。この場合、発熱用透明導電性薄膜非
形成部には、上述したように、透明薄膜(特に、透明硬
化薄膜)も設けないものとするか、透明薄膜(特に、透
明硬化薄膜)を紫外線透過性材料により形成することが
好ましい。透明板、発熱用透明導電性薄膜、発熱用電
極、透明薄膜(透明硬化薄膜)、ハウジング、センサな
どとしては、上述したものと同じである。
【0068】次に、図17および図18の本発明の顕微
鏡用透明加温器具について説明する。図17は、本発明
の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図であり、
図18は、図17のE−E線断面図である。この実施例
の顕微鏡用透明加温器具110は、図17および図18
に示すように、透明発熱用プレート102と、この透明
発熱用プレート102を収納する環状ハウジング3とを
備えている。この顕微鏡用透明加温器具110は、図1
2ないし図14に示し、上述した顕微鏡用透明加温器具
100と同じであり、相違は、透明板が多角形(四角
形、特に正方形)となっており、かつ、中央部に円形の
貫通口111が設けられている点のみである。また、こ
の実施例の顕微鏡用透明加温器具110においても、基
本構成は、上述した顕微鏡用透明加温器具1とも同じで
ある。よって、同一部分は、同じ符号を付し、上述の説
明を参照する。
【0069】この顕微鏡用透明加温器具110の透明発
熱用プレート112においても、透明発熱用プレート1
12は、透明板5と、この透明板5に形成された第1の
発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と
接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、
第2の発熱用透明導電性薄膜27と、この第2の発熱用
透明導電性薄膜27と接触し向かい合う一対の発熱用電
極30a,30bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆
する実質的に絶縁性を有する第2の透明薄膜28を有し
ている。そして、向かい合う一対の第2の発熱用電極3
0a,30bの中心線は、図17に示すように、向かい
合うの透明板用電極10a,10bの中心線とほぼ直交
するように設けられている。
【0070】図17に示すように、透明板5に設けた電
極10a,10bと電極30a,30bが実質的に重な
らないように両電極は形成されている。これにより、電
極10a,10bの中心線は、電極30a,30bの中
心線とプレート中央部にてほぼ直交している。ほぼ直交
するとは、90°で直交するものに限られず、80〜1
10°程度で交差するものを含んでいる。このため、透
明加温プレート112の中央部に貫通口111が形成さ
れていてもこれに影響される事なく、観察に使用される
透明加温プレートの中央付近をほぼ均一な温度に加温す
ることができる。
【0071】透明板5としては、正方形のものが用いら
れているが、これに限られるものではなく、長方形であ
ってもよい。また、透明板の中央の貫通口の大きさは、
5〜30mm程度のものが好適である。そして、貫通口
111の内表面では、透明板5に形成された発熱用透明
導電性薄膜7の端面および発熱用透明導電性薄膜27
は、透明薄膜(透明硬化薄膜)8,28により、被覆さ
れている。さらに、透明板5の貫通口の内側面も透明薄
膜により、(図示するものでは、透明薄膜8,28がそ
れぞれ半分ずつ)被覆されており、透明薄膜(透明硬化
薄膜)8,28は、透明板5の貫通口の内周面の中央付
近にて接合した状態となっている。発熱用透明導電性薄
膜の端面が透明薄膜により被覆されているので、発熱用
透明導電性薄膜より生じた電磁波が、透明板5の上方に
飛ぶことを抑制する。また、透明加温プレートの中央部
の貫通口の周縁部を補強している。透明板、発熱用透明
導電性薄膜、発熱用電極、透明薄膜(透明硬化薄膜)、
ハウジング、センサなどとしては、上述したものと同じ
である。
【0072】次に、図19および図20に示す本発明の
透明加温器具について説明する。図19は、本発明の高
温用透明加温器具の平面図であり、図20は、図19の
F−F線断面図である。この高温用透明加温器具は、耐
熱性透明板5と、透明板5の一方の面に形成された発熱
用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触
し向かい合う一対の発熱用電極125,126と、発熱
用電極125,126のそれぞれに固着された通電線1
27,128とを有する透明発熱用プレート122を備
える。透明発熱用プレート122は、通電による加温可
能領域123と通電による加温不能領域124を有し、
一対の発熱用電極125,126のそれぞれは、一端が
前記加温可能領域123に位置し、他端125a,12
6aが加温不能領域124に位置し、通電線127,1
28は、加温不能領域に位置する部分(125a,12
6a部分)において電極125,126と固着されてい
る。
【0073】このため、透明加温器具を通電し、加熱さ
せても、通電線127,128と電極125,126と
固着部分は直接発熱せず、伝熱による加温のみであるた
め、発熱領域に比べて温度が低く、通電線127,12
8を電極125,126に固着するために用いられた導
電性接着剤が溶融することがない。この透明加温器具1
20の基本構成は、上述した顕微鏡用透明加温器具1と
同じであり、相違は、透明板5として耐熱性のものを用
いている点と、透明発熱用プレート122が通電による
加温不能領域124を有し、一対の発熱用電極125,
126のそれぞれは、通電線127,128と加温不能
領域に位置する部分(125a,126a部分)におい
て接続されている点のみである。この実施例の透明加温
器具120では、透明発熱用プレート122は、発熱用
透明導電性薄膜形成部123と、発熱用透明導電性薄膜
非形成部124を有し、発熱用透明導電性薄膜形成部に
より加温可能領域が形成され、発熱用透明導電性薄膜非
形成部により加温不能領域が形成されている。
【0074】透明板5の一方の面(下面、裏面)の中央
部にのみ発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。そ
して、電極125,126が発熱用透明導電性薄膜7の
周縁部に設けられている。また、電極125,126
は、透明板5の発熱用透明導電性薄膜非形成部124内
に延び、透明板5の周縁部に至る延長部125a,12
6aを有している。そして、延長部125a,126a
の端部付近に、通電線127,128が導電性接着剤に
より固定されている。なお、このような形態のものに限
られるものではない。例えば、透明発熱用プレートは、
透明板の一方の面のほぼ全面に発熱用透明導電性薄膜が
設け、かつ、電極125,126がプレートの端部より
所定距離中央に寄った位置に設け、さらに、電極の他端
部125a,126aがプレートの周縁部付近に位置す
るようにしたものでもよい。つまり、図19において、
電極125,126の形態は同じとし、発熱用透明導電
性薄膜を透明板のほぼ全面に設けてもよい。このように
全面に設けても、実質的に加温されるのは向かい合う電
極125,126間(加温可能領域)であり、加温不能
領域に位置する電極の他端部125a,126aの端部
は加温されない。
【0075】耐熱性透明板としては、耐熱性ガラス板、
耐熱性透明樹脂板が使用できる。耐熱性ガラス板として
は、石英ガラスなどのシリカガラス板、高ケイ酸ガラス
板、硼珪酸塩ガラス板などが使用できる。透明板5とし
ては厚さが、0.3〜5mm程度のものが使用される。
透明板5の形状は、図示する四角形のものに限定される
ものではなく、円形、(真円形、楕円形、長方円形)、
六角形などの多角形であってもよい。発熱用透明導電性
薄膜7は、導電性金属薄膜により形成されており、導電
性金属薄膜としては、通電により発熱する性質を有する
ものが使用される。具体的には、酸化スズ、SiO2
インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモ
ンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープし
た酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜
(ITO膜)を透明板5の内面に形成する方法として
は、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング
法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分
解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デ
ッピング法などを利用することができる。特に、この透
明器具では、80゜C以上に加熱可能であることが好ま
しく、特に、100゜C以上、さらには、200゜C以上
の高温に加熱可能であることが好ましい。このため導電
性金属薄膜は上述した透明加温器具1より高抵抗となっ
ている。このような高抵抗(高発熱性)導電性金属薄膜
は、抵抗値が高い導電性金属を用いること、もしくは、
各種添加剤を加えて薄膜の抵抗値を高くすること、導電
性金属薄膜を極めて薄いものとすることなどにより作製
できる。
【0076】電極125,126としては、銅、銀など
の導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透
明板5の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属
を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、
加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD
法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたも
のにより形成されている。そして、電極125,126
のそれぞれには導電線127,128が、接続されてお
り、これら導電線127,128および温度センサ14
は、使用時には、上述した後述する温度制御器31と電
気的に接続される。
【0077】そして、透明板5の底面には、少なくとも
発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を
有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するも
のにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8
は、電極125,126の全体を被包し、さらに、発熱
用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁
部も被覆している。透明板5の底面がこのような透明硬
化薄膜により保護されるため、傷が付きにくいととも
に、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下とい
う薄いものであっても、十分な強度を有する。
【0078】透明薄膜8としては、透明硬化薄膜、特
に、耐熱性透明硬化薄膜が用いられている。耐熱性透明
硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)膜、
アルミナ(Al23)膜、酸化珪素(SiO2)膜、炭
化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とする
ものが好適である。特に、酸化ジルコニウム(Zr
2)膜、アルミナ(Al23)膜、酸化珪素(Si
2)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが
好ましい。透明硬化薄膜としては、具体的には、以下の
ような方法により形成することができる。例えば、透明
導電性薄膜7を形成したガラス板に、SiO2、Zr
2、もしくはAl23を、300゜C、アルゴン雰囲気
中、真空度=5.0×10-1Pa、印加高周波電力50
0Wの条件下で、スパッタリングすることにより、Si
2、ZrO2、もしくはAl23からなる透明硬化薄膜
を形成することができる。
【0079】ハウジング3は、図19および図20に示
すように、中央に設けられた開口と、この開口を取り囲
むように設けられた透明発熱用プレート載置部と、導電
線127,128および温度センサ14と接続された接
続線を通すための開口部を有している。温度センサ14
は、透明発熱用プレート122の底面に接触するように
設けられている。なお、温度センサ14は、透明発熱用
プレートの内部に設けてもよい。さらには、温度センサ
14は、透明発熱用プレート2の表面に設けてもよい。
温度センサ14としては、温度検知可能なものであれば
特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが好適であ
る。
【0080】電極125,126に接続された導電線1
27,128および温度センサ14に接続された信号線
は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3
の小口18より外部に延びている。そして、このコード
16の端部には、コネクタ(図示せず)が取り付けられ
ている。このコネクタは、後述する温度制御器との接続
端子を形成している。また、ハウジング3の透明発熱用
プレート載置部と透明発熱用プレート122間には、円
盤状の断熱材134が設けられており、また、透明発熱
用プレートの側面とハウジング3の内面間には、リング
状の断熱材135が設けられている。これら断熱材によ
り、透明発熱用プレートの熱のハウジング3への伝達を
少なくしている。断熱材としては、グラスウール、炭素
繊維、石綿などで形成されたものが使用できる。
【0081】さらに、ハウジング3としては、ある程度
の耐熱性を有するもので形成されている。具体的には、
耐熱性樹脂もしくは金属により形成されている。そし
て、この加温器具では、透明板が発熱することにより、
ハウジング3内の空間も加熱され、空間内の空気が膨張
し内圧が上昇する。ハウジング3には、この内圧上昇を
逃がすための開口137a,137bが形成されてい
る。開口137a,137bは、ハウジング3の側面に
設けられており、ハウジング3の内面、透明板5、段悦
材134,135により形成される環状空間を外部と連
通させている。
【0082】また、透明発熱用プレート122として
は、図21に示すように、透明板5の他方の面(表面、
発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない面)に形成
された非発熱用透明導電性薄膜9と、非発熱用透明導電
性薄膜9と接触するアース線19と、非発熱用透明導電
性薄膜9を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明
薄膜11が形成されたものとしてもよい。非発熱用透明
導電性薄膜9は、発熱用透明導電性薄膜7の周縁に対応
する部分を越え、透明板5の全面を被覆している。ま
た、非発熱用透明導電性薄膜9としては、上述した発熱
用透明導電性薄膜と同じものであってもい。しかし、非
発熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させること
を目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜よ
り抵抗値がより低いものであってもよい。非発熱用透明
導電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化ス
ズ、SiO2−インジウム合金、酸化インジウム、スズ
またはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチ
モンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導
電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の表面に形成する
方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜
法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CV
D法)、デッピング法などにより行うことができる。
【0083】そして、非発熱用透明導電性薄膜9には、
アース線19が接続されている。透明板5の表面(上
面)に当接し、非発熱用透明導電性薄膜9に到達した電
磁波はアース線に流れ消失する。さらに、透明板5に
は、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する第二の透明薄
膜11が形成されている。透明薄膜としては、上述した
透明加温器具1において用いた透明硬化薄膜膜8と同じ
ものが好適に利用できる。 このような透明硬化薄膜1
1を設けることにより、透明板5は、表裏両面が透明硬
化薄膜により保護されるため、傷が付きにくく、透明発
熱用プレートの強度も高くなる。
【0084】
【発明の効果】本発明の顕微鏡用透明加温器具は、透明
板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性
薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一
対の発熱用電極と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆す
る実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを有する透明発熱
用プレートを備えている。このため、加温プレートを十
分に薄くでき、中央に開口部を有しなくても、倒立顕微
鏡のステージに固定した場合に倍率レンズの回転に障害
となることがなく、かつ、透明薄膜を有するため十分な
強度も有する。
【0085】また、本発明の顕微鏡用透明加温器具は、
紫外線透過性透明板と、透明板の一方の面に形成された
発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接
触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記紫外線透過性
透明板の前記発熱用透明導電性薄膜形成面に形成された
発熱用透明導電性薄膜非形成部と、前記発熱用透明導電
性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを
有する透明発熱用プレートを備えている。このため、加
温プレートを十分に薄くでき、中央に開口部を有しなく
ても、倒立顕微鏡のステージに固定した場合に倍率レン
ズの回転に障害となることがなく、かつ、透明薄膜を有
するため十分な強度も有する。さらに、蛍光顕微鏡に用
いても、紫外線の吸収もしくは反射が少ないため、観察
を容易かつ確実なものとできる。
【0086】また、本発明の顕微鏡用透明加温器具は、
透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導
電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合
う一対の発熱用電極と、前記発熱用電極のそれぞれに固
着された導電線とを有する透明発熱用プレートと、該透
明発熱プレートの周縁部を保持するハウジングとを備え
る透明加温器具であって、該ハウジングは、前記導電線
をハウジングの外部に導出するための開口部を有し、前
記透明加温器具は、該開口部より導出される導電線を任
意の形状に保持できる形状付け用部材を有している。こ
のため、透明加温器具のコードを顕微鏡の倍率レンズな
どにからまないような任意の形状とすることおよびその
状態の保持ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温
器具の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温
器具の正面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加
温器具の断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加
温器具の断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加
温器具の正面図である。
【図7】図7は、図6のB−B線断面図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加
温器具の断面図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加
温器具の断面図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透
明加温器具の断面図である。
【図11】図11は、本発明の透明加温装置に使用され
る温度制御器の一例のブロック図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透
明加温器具の平面図である。
【図13】図13は、図12のC−C線断面図である。
【図14】図14は、図12のD−D線断面図である。
【図15】図15は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透
明加温器具の断面図である。
【図16】図16は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透
明加温器具の平面図である。
【図17】図17は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透
明加温器具の平面図である。
【図18】図18は、図17のE−E線断面図である。
【図19】図19は、本発明の高温用透明加温器具の平
面図である。
【図20】図20は、図19のF−F線断面図である。
【図21】図21は、本発明のたの実施例の高温用透明
加温器具の断面図である。
【符号の説明】
1 顕微鏡用透明加温器具 2 透明発熱用プレート 3 環状ハウジング 5 透明板 7 発熱用透明導電性薄膜 8 透明薄膜 10a,10b 発熱用電極

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明板と、透明板の一方の面に形成され
    た発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と
    接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用透明
    導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜
    とを有する透明発熱用プレートを備えることを特徴とす
    る顕微鏡用透明加温器具。
  2. 【請求項2】 前記透明板は、該透明板の他方の面に形
    成された非発熱用透明導電性薄膜と、該非発熱用透明導
    電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明導電
    性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄
    膜を有している請求項1に記載の顕微鏡用透明加温器
    具。
  3. 【請求項3】 前記非発熱用透明導電性薄膜は、前記透
    明板の他方の面のほぼ全体を被覆するものである請求項
    1または2に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  4. 【請求項4】 紫外線透過性透明板と、透明板の一方の
    面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明
    導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前
    記紫外線透過性透明板の前記発熱用透明導電性薄膜形成
    面に形成された発熱用透明導電性薄膜非形成部と、前記
    発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有す
    る透明薄膜とを有する透明発熱用プレートを備えること
    を特徴とする顕微鏡用透明加温器具。
  5. 【請求項5】 前記透明板は、該透明板の他方の面に形
    成された非発熱用透明導電性薄膜と、該紫外線透過性透
    明板の前記非発熱用透明導電性薄膜形成面であって、前
    記発熱用透明導電性薄膜非形成部に対応する位置に形成
    され非発熱用透明導電性薄膜非形成部と、該非発熱用透
    明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明
    導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透
    明薄膜を有している請求項4に記載の顕微鏡用透明加温
    器具。
  6. 【請求項6】 前記第二の透明薄膜は、前記非発熱用透
    明導電性薄膜非形成部を実質的に被覆していない請求項
    4または5に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  7. 【請求項7】 前記第二の透明薄膜は、実質的に紫外線
    透過性を有するとともに、前記非発熱用透明導電性薄膜
    非形成部を被覆している請求項4または5に記載の顕微
    鏡用透明加温器具。
  8. 【請求項8】 前記透明薄膜は、前記電極を被覆してい
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の顕微鏡用透明加
    温器具。
  9. 【請求項9】 前記電極が設けられた透明板の周縁部に
    は、全周にわたり発熱用透明導電性薄膜が設けられてい
    ない部分を有し、さらに、前記電極も前記透明板の周縁
    より若干内側に設けられている請求項1ないし8のいず
    れかに記載の顕微鏡用透明加温器具。
  10. 【請求項10】 前記透明発熱用プレートの厚さは、1
    mm以下である請求項1ないし9のいずれかに記載の顕
    微鏡用透明加温器具。
  11. 【請求項11】 透明板と、透明板の一方の面に形成さ
    れた発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜
    と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用電
    極のそれぞれに固着された導電線とを有する透明発熱用
    プレートと、該透明発熱プレートの周縁部を保持するハ
    ウジングとを備える透明加温器具であって、該ハウジン
    グは、前記導電線をハウジングの外部に導出するための
    開口部を有し、前記透明加温器具は、該開口部より導出
    される導電線を任意の形状に保持できる形状付け用部材
    を有していることを特徴とする顕微鏡用透明加温器具。
  12. 【請求項12】 前記形状付け用部材は、前記開口部付
    近より外方に延びる塑性変形可能な金属線もしくは金属
    板である請求項11に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  13. 【請求項13】 前記形状付け用部材は、前記開口部よ
    り導出された通電線に巻き付けられた塑性変形可能な金
    属線もしくは金属板である請求項11に記載の顕微鏡用
    透明加温器具。
  14. 【請求項14】 透明板と、透明板の一方の面に形成さ
    れた発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜
    と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用透
    明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄
    膜とを有する透明発熱用プレートを備えることを特徴と
    する観察用透明加温器具。
JP12789697A 1997-04-30 1997-04-30 顕微鏡用透明加温器具 Expired - Fee Related JP3659445B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12789697A JP3659445B2 (ja) 1997-04-30 1997-04-30 顕微鏡用透明加温器具
EP98107797A EP0875779B1 (en) 1997-04-30 1998-04-29 Transparent heating instrument for use in microscope and transparent heating instrument for examining object
US09/069,175 US5973301A (en) 1997-04-30 1998-04-29 Transparent heating instrument for use in microscope and transparent heating instrument for examining object
DE69841634T DE69841634D1 (de) 1997-04-30 1998-04-29 Transparantes Heizungsgerät für die Verwendung in einem Mikroskop und transparantes Heizungsgerätfür die Untersuchung eines Gegenstandes

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12789697A JP3659445B2 (ja) 1997-04-30 1997-04-30 顕微鏡用透明加温器具

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005014966A Division JP4098781B2 (ja) 2005-01-24 2005-01-24 透明加温器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10301032A true JPH10301032A (ja) 1998-11-13
JP3659445B2 JP3659445B2 (ja) 2005-06-15

Family

ID=14971351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12789697A Expired - Fee Related JP3659445B2 (ja) 1997-04-30 1997-04-30 顕微鏡用透明加温器具

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5973301A (ja)
EP (1) EP0875779B1 (ja)
JP (1) JP3659445B2 (ja)
DE (1) DE69841634D1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006035800A1 (ja) * 2004-09-30 2008-05-15 アークレイ株式会社 薄膜ヒータおよび分析用具
JP2017090917A (ja) * 2015-11-13 2017-05-25 億觀生物科技股▲ふん▼有限公司Aidmics Biotechnology Co., Ltd. 顕微鏡ユニット及び顕微鏡装置

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6555365B2 (en) * 2000-12-07 2003-04-29 Biocrystal, Ltd. Microincubator comprising a cell culture apparatus and a transparent heater
US7301125B2 (en) * 2001-05-31 2007-11-27 Ric Investments, Llc Heater for optical gas sensor
US6888101B2 (en) * 2001-05-31 2005-05-03 Respironics, Inc. Heater for optical gas sensors, gas sensors including the heater, and methods
US6940947B1 (en) 2002-09-05 2005-09-06 Varian Medical Systems Technologies, Inc. Integrated bearing assembly
US9301343B2 (en) * 2008-02-19 2016-03-29 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Window-glass heating device
US9668301B2 (en) * 2015-07-03 2017-05-30 Ndt Engineering & Aerospace Co., Ltd. Wet-use plane heater using PTC constant heater-ink polymer
DE102017211723B4 (de) 2017-07-10 2024-02-29 Franz Binder Gmbh + Co. Elektrische Bauelemente Kg Verfahren zur Herstellung eines Heizelements
CN107690206B (zh) * 2017-08-21 2021-05-04 宁波柔碳电子科技有限公司 一种加热电极结构和加热装置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3833451A (en) * 1972-07-03 1974-09-03 Ppg Industries Inc A laminated electroconductive window
US4361751A (en) * 1980-07-24 1982-11-30 Ppg Industries, Inc. Electroconductive window having improved bus bar
US4582099A (en) * 1983-12-21 1986-04-15 Westinghouse Electric Corp. Waste slurry liquid removal system
JPS62135803A (ja) * 1985-12-09 1987-06-18 Inoue Tamotsu 顕微鏡観察用加温装置
US4844985A (en) * 1986-10-06 1989-07-04 Ford Motor Company Electrically heated transparent glass article and method of making
JPS63208819A (ja) * 1987-02-26 1988-08-30 Toyoda Gosei Co Ltd スライドガラス
US4970376A (en) * 1987-12-22 1990-11-13 Gte Products Corporation Glass transparent heater
US4820902A (en) * 1987-12-28 1989-04-11 Ppg Industries, Inc. Bus bar arrangement for an electrically heated transparency
US4957358A (en) * 1988-01-19 1990-09-18 Canon Kabushiki Kaisha Antifogging film and optical element using the same
US4918288A (en) * 1988-11-04 1990-04-17 Ppg Industries, Inc. Electrical lead arrangement for a heatable transparency
JPH03101894A (ja) * 1989-09-13 1991-04-26 Mitsubishi Electric Corp 水泳用プール水浄化装置
US5411792A (en) * 1992-02-27 1995-05-02 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Transparent conductive substrate
US5448037A (en) * 1992-08-03 1995-09-05 Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. Transparent panel heater and method for manufacturing same
TW250618B (ja) * 1993-01-27 1995-07-01 Mitsui Toatsu Chemicals
US5458986A (en) * 1993-12-16 1995-10-17 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Thin film of MgIn2 O4 for use as an electrode in a ferro-electric device
JP2835422B2 (ja) * 1994-04-30 1998-12-14 株式会社北里サプライ 顕微鏡用透明加温プレートおよび顕微鏡用透明加温装置
JPH08108080A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Hideji Tsuchiya 交流ノイズ発生防止型透明恒温装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006035800A1 (ja) * 2004-09-30 2008-05-15 アークレイ株式会社 薄膜ヒータおよび分析用具
JP4621846B2 (ja) * 2004-09-30 2011-01-26 アークレイ株式会社 分析用具
JP2017090917A (ja) * 2015-11-13 2017-05-25 億觀生物科技股▲ふん▼有限公司Aidmics Biotechnology Co., Ltd. 顕微鏡ユニット及び顕微鏡装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69841634D1 (de) 2010-06-10
JP3659445B2 (ja) 2005-06-15
EP0875779A1 (en) 1998-11-04
EP0875779B1 (en) 2010-04-28
US5973301A (en) 1999-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10301032A (ja) 顕微鏡用透明加温器具および観察用透明加温器具
JPH1195124A (ja) 顕微鏡用透明加温プレートおよび顕微鏡用透明加温装置
KR100988646B1 (ko) 도전성 투명박막을 갖는 시각 보조 장치
US4970376A (en) Glass transparent heater
JP4098781B2 (ja) 透明加温器具
CN101573156A (zh) 包含至少一种热电材料的细胞裂解或电穿孔设备
CN101566759B (zh) 液晶显示屏
CN110016436A (zh) 一种电环境生物培养系统
JPH04326309A (ja) 光コネクタ
CN104291263A (zh) 一种金刚石桥膜结构微型红外光源芯片及制备方法
CN101372736B (zh) 坩埚加热装置和包括该坩埚加热装置的淀积装置
CN213991067U (zh) 加热结构和激光雷达装置
TW594210B (en) A method for manufacturing a flexible panel for FPD
CN101636005A (zh) 面热源
JP2020060639A (ja) レンズユニットおよびカメラモジュール
JP2004206069A (ja) 顕微鏡観察用加温装置
KR20190101680A (ko) 무기물 증착용 시트 타입 히터 및 무기물 증착용 진공 증착원 장치
WO2001004684A1 (fr) Element chauffant pour microscope
CN101636004B (zh) 面热源
KR100830237B1 (ko) 대면적 기판 처리 시스템의 서셉터 구조물
CN111447696A (zh) 一种原子气室加热装置
CN101636007A (zh) 面热源
KR101010646B1 (ko) 히터블록
TWI725186B (zh) 可適性背光模組及用於產生可適性背光模組的方法及系統
WO2020206653A1 (zh) 用于电热用品的发热件及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040421

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080325

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090325

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090325

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100325

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100325

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110325

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110325

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120325

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120325

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130325

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140325

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees