JP4098781B2 - 透明加温器具 - Google Patents

透明加温器具 Download PDF

Info

Publication number
JP4098781B2
JP4098781B2 JP2005014966A JP2005014966A JP4098781B2 JP 4098781 B2 JP4098781 B2 JP 4098781B2 JP 2005014966 A JP2005014966 A JP 2005014966A JP 2005014966 A JP2005014966 A JP 2005014966A JP 4098781 B2 JP4098781 B2 JP 4098781B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent
thin film
heat
plate
generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005014966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005202414A (ja
Inventor
保 井上
Original Assignee
株式会社北里サプライ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社北里サプライ filed Critical 株式会社北里サプライ
Priority to JP2005014966A priority Critical patent/JP4098781B2/ja
Publication of JP2005202414A publication Critical patent/JP2005202414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4098781B2 publication Critical patent/JP4098781B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Description

本発明は、上面に載置される観察対象物を加温するための透明加温器具に関する。
透明加温器具を通電し、高温に加熱させたとき、通電線を電極に固着するために用いられた導電性接着剤が溶融する場合がある。
本発明の目的は、透明加温器具を通電し、高温に加熱させたとき、通電線を電極に固着するために用いられた導電性接着剤が溶融することがない透明加温器具を提供する。
本発明の透明加温器具は、耐熱性透明板と、該透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、該発熱用電極のそれぞれに固着された通電線とを有する透明発熱用プレートを備える透明加温器具であって、前記透明発熱用プレートは、通電による加温可能領域と通電による加温不能領域を有し、前記一対の発熱用電極のそれぞれは、一端が前記加温可能領域に位置し、他端が前記加温不能領域に位置し、前記通電線は、前記加温不能領域に位置する部分において前記電極と固着されているものである。
そして、前記通電線は、前記電極の他端付近と固着されていることが好ましい。また、前記透明発熱用プレートは、例えば、発熱用透明導電性薄膜形成部と、発熱用透明導電性薄膜非形成部を有し、該発熱用透明導電性薄膜形成部により加温可能領域が形成され、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部により加温不能領域が形成されている。また、前記透明発熱用プレートは、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜を有していることが好ましい。
この透明加温器具では、透明加温器具を通電し、加熱させても、通電線と電極と固着部分は直接発熱せず、伝熱による加温のみであるため、発熱領域に比べて温度が低く、通電線を電極に固着するために用いられた導電性接着剤が溶融することがない。
図1および図2に示す本発明の透明加温器具について説明する。
図1は、本発明の高温用透明加温器具の平面図であり、図2は、図1のF−F線断面図である。
この高温用透明加温器具は、耐熱性透明板5と、透明板5の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極125,126と、発熱用電極125,126のそれぞれに固着された通電線127,128とを有する透明発熱用プレート122を備える。透明発熱用プレート122は、通電による加温可能領域123と通電による加温不能領域124を有し、一対の発熱用電極125,126のそれぞれは、一端が加温可能領域123に位置し、他端125a,126aが加温不能領域124に位置し、通電線127,128は、加温不能領域に位置する部分(125a,126a部分)において電極125,126と固着されている。
このため、透明加温器具を通電し、加熱させても、通電線127,128と電極125,126と固着部分は直接発熱せず、伝熱による加温のみであるため、発熱領域に比べて温度が低く、通電線127,128を電極125,126に固着するために用いられた導電性接着剤が溶融することがない。
また、高温用透明加温器具120では、図1に示すように、透明発熱用プレート122は、通電による加温可能領域123と通電による加温不能領域124を有し、一対の発熱用電極125,126のそれぞれは、加温可能領域123に位置する部分と加温不能領域124に位置する部分125a,126aを有し、通電線127,128は、加温不能領域に位置する部分(125a,126a部分)において電極125,126と固着されている。
この透明加温器具120の基本構成は、後述する顕微鏡用透明加温器具1と同じであり、相違は、透明板5として耐熱性のものを用いている点と、透明発熱用プレート122が通電による加温不能領域124を有し、一対の発熱用電極125,126のそれぞれは、通電線127,128と加温不能領域に位置する部分(125a,126a部分)において接続されている点のみである。
この実施例の透明加温器具120では、透明発熱用プレート122は、発熱用透明導電性薄膜形成部123と、発熱用透明導電性薄膜非形成部124を有し、発熱用透明導電性薄膜形成部により加温可能領域が形成され、発熱用透明導電性薄膜非形成部により加温不能領域が形成されている。
透明板5の一方の面(下面、裏面)の中央部にのみ発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。そして、電極125,126が発熱用透明導電性薄膜7の周縁部に設けられている。また、電極125,126は、透明板5の発熱用透明導電性薄膜非形成部124内に延び、透明板5の周縁部に至る延長部125a,126aを有している。そして、延長部125a,126aの端部付近に、通電線127,128が導電性接着剤により固定されている。
なお、このような形態のものに限られるものではない。例えば、透明発熱用プレートは、透明板の一方の面のほぼ全面に発熱用透明導電性薄膜が設け、かつ、電極125,126がプレートの端部より所定距離中央に寄った位置に設け、さらに、電極の他端部125a,126aがプレートの周縁部付近に位置するようにしたものでもよい。つまり、図1において、電極125,126の形態は同じとし、発熱用透明導電性薄膜を透明板のほぼ全面に設けてもよい。このように全面に設けても、実質的に加温されるのは向かい合う電極125,126間(加温可能領域)であり、加温不能領域に位置する電極の他端部125a,126aの端部は加温されない。
耐熱性透明板としては、耐熱性ガラス板、耐熱性透明樹脂板が使用できる。耐熱性ガラス板としては、石英ガラスなどのシリカガラス板、高ケイ酸ガラス板、硼珪酸塩ガラス板などが使用できる。透明板5としては厚さが、0.3〜5mm程度のものが使用される。
透明板5の形状は、図示する四角形のものに限定されるものではなく、円形、(真円形、楕円形、長方円形)、六角形などの多角形であってもよい。
発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通電により発熱する性質を有するものが使用される。具体的には、酸化スズ、SiO−インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の内面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などを利用することができる。特に、この透明器具では、 80℃以上に加熱可能であることが好ましく、特に、100℃以上、さらには、200℃以上の高温に加熱可能であることが好ましい。このため導電性金属薄膜は上述した透明加温器具1より高抵抗となっている。このような高抵抗(高発熱性)導電性金属薄膜は、抵抗値が高い導電性金属を用いること、もしくは、各種添加剤を加えて薄膜の抵抗値を高くすること、導電性金属薄膜を極めて薄いものとすることなどにより作製できる。
電極125,126としては、銅、銀などの導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透明板5の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたものにより形成されている。そして、電極125,126のそれぞれには導電線127,128が、接続されており、これら導電線127,128および温度センサ14は、使用時には、上述した後述する温度制御器31と電気的に接続される。
そして、透明板5の底面には、少なくとも発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極125,126の全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の底面がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくいとともに、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度を有する。
透明薄膜8としては、透明硬化薄膜、特に、耐熱性透明硬化薄膜が用いられている。耐熱性透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。
透明硬化薄膜としては、具体的には、以下のような方法により形成することができる。例えば、透明導電性薄膜7を形成したガラス板に、SiO、ZrO、もしくはAlを、300℃、アルゴン雰囲気中、真空度=5.0×10−1Pa、印加高周波電力500Wの条件下で、スパッタリングすることにより、SiO、ZrO、もしくはAlからなる透明硬化薄膜を形成することができる。
ハウジング3は、図1および図2に示すように、中央に設けられた開口と、この開口を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置部と、導電線127,128および温度センサ14と接続された接続線を通すための開口部を有している。
温度センサ14は、透明発熱用プレート122の底面に接触するように設けられている。なお、温度センサ14は、透明発熱用プレートの内部に設けてもよい。さらには、温度センサ14は、透明発熱用プレート2の表面に設けてもよい。温度センサ14としては、温度検知可能なものであれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが好適である。
電極125,126に接続された導電線127,128および温度センサ14に接続された信号線は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3の小口18より外部に延びている。そして、このコード16の端部には、コネクタ(図示せず)が取り付けられている。このコネクタは、後述する温度制御器との接続端子を形成している。
また、ハウジング3の透明発熱用プレート載置部と透明発熱用プレート122間には、円盤状の断熱材134が設けられており、また、透明発熱用プレートの側面とハウジング3の内面間には、リング状の断熱材135が設けられている。これら断熱材により、透明発熱用プレートの熱のハウジング3への伝達を少なくしている。断熱材としては、グラスウール、炭素繊維、石綿などで形成されたものが使用できる。
さらに、ハウジング3としては、ある程度の耐熱性を有するもので形成されている。具体的には、耐熱性樹脂もしくは金属により形成されている。そして、この加温器具では、透明板が発熱することにより、ハウジング3内の空間も加熱され、空間内の空気が膨張し内圧が上昇する。ハウジング3には、この内圧上昇を逃がすための開口137a,137bが形成されている。開口137a,137bは、ハウジング3の側面に設けられており、ハウジング3の内面、透明板5、断熱材134,135により形成される環状空間を外部と連通させている。
また、透明発熱用プレート122としては、図3に示すように、透明板5の他方の面(表面、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない面)に形成された非発熱用透明導電性薄膜9と、非発熱用透明導電性薄膜9と接触するアース線19と、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄膜11が形成されたものとしてもよい。
非発熱用透明導電性薄膜9は、発熱用透明導電性薄膜7の周縁に対応する部分を越え、透明板5の全面を被覆している。また、非発熱用透明導電性薄膜9としては、上述した発熱用透明導電性薄膜と同じものであってもよい。しかし、非発熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させることを目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜より抵抗値がより低いものであってもよい。
非発熱用透明導電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化スズ、SiO−インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の表面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより行うことができる。
そして、非発熱用透明導電性薄膜9には、アース線19が接続されている。透明板5の表面(上面)に当接し、非発熱用透明導電性薄膜9に到達した電磁波はアース線に流れ消失する。
さらに、透明板5には、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する第二の透明薄膜11が形成されている。透明薄膜としては、上述した透明加温器具1において用いた透明硬化薄膜8と同じものが好適に利用できる。
このような透明硬化薄膜11を設けることにより、透明板5は、表裏両面が透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくく、透明発熱用プレートの強度も高くなる。
図4は、顕微鏡用透明加温器具1の斜視図であり、図5は、顕微鏡用透明加温器具の正面図であり、図6は、図5のA−A線断面図である。
顕微鏡用透明加温器具1は、図4および図5に示すように、透明発熱用プレート2と、この透明発熱用プレート2を収納する環状ハウジング3とを備えている。
透明発熱用プレート2は、透明板5と、透明板5の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜8を有している。
そして、顕微鏡用透明加温器具1は、透明発熱用プレート2の裏面に固定された温度センサ14を備えている。
この実施例では、透明板5は、円形であり、透明板5の一方の面、言い換えれば、透明板5の裏面の周縁部を除く全面に、図6に示すように、発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。透明板5には、その円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが設けられている。透明板5には、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが存在しない部分が形成されている。また、温度センサ14は、この電極10a,10bが存在しない部分に対応する位置に取り付けられている。
透明板5としては、ガラス板、合成樹脂製板であり、透明かつ絶縁性板状物が使用される。合成樹脂板としては、透明性と絶縁性を有するものであれば特に制限はないが、アクリル板、ポリカーボネート板、スチレン板などの透明性の高いものが好ましく、さらに、硬質のものが好適である。なお、透明板5としては、透明性が高いこと、熱伝導率があまり高くないことより、ガラス板が好適である。ガラスとしては、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、硼珪酸塩ガラス、リチウムアルミノシリケートガラスなどのアルカリ含有ガラス、低アルカリ含有ガラス、無アルカリ含有ガラス、石英ガラスなどが用いられる。透明板5としては厚さが、0.8mm以下、特には、0.2〜0.6mmのものを用いることが好ましい。透明発熱用プレート2としては、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすることが好ましい。
透明板5の形状は、上述した円形のものに限られない。なお、円形とは、真円形、楕円形、長方円形などを含むものである。四角形、六角形などの多角形であってもよい。また、電極10a,10bの大きさは、透明板5の全周の4分の1より大きくても、逆に小さくてもよい。
発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通電により発熱する性質を有するものが使用される。具体的には、酸化スズ、SiO−インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の内面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などを利用することができる。
電極10a,10bとしては、銅、銀などの導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透明板5の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたものにより形成されている。そして、電極10a,10bのそれぞれには導電線12a,12bが、接続されており、これら導電線12a,12bおよび温度センサ14は、使用時には、後述する温度制御器31と電気的に接続される。
透明板5は、その周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜7が設けられていない部分を有している。電極10a,10bも透明発熱用プレート2の周縁より離間した内側、言い換えれば、透明板5の周縁部より所定距離内側となる位置に設けられている。このように、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜7が、透明板5の周縁より内側となるように、言い換えれば、透明板5の周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜および電極の両者が存在しない部分が形成されているため、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜7より生じた電磁波が、透明板5の上方に飛ぶことを抑制する。これにより、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜7より、もし電磁波(ノイズ)が発生しても、透明板5の上に載置される観察対象物に影響を与えることを防止する。透明板5の端部と発熱用透明導電性薄膜7および電極10a,10bの端部との距離は、0.5〜10mm程度が好ましい。特に、1〜5mmが好ましい。
そして、透明板5の底面には、発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極10a,10bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の底面がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくいとともに、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度を有する。
透明薄膜8としては、透明硬化薄膜が用いられている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。 また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成することを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素(SiO)の編み目構造の一部に有機基(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込まれた形のものとなる。
透明硬化薄膜8は、上記のような材料を用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さらには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズマ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
透明硬化薄膜としては、具体的には、以下のような方法により形成することができる。例えば、透明導電性薄膜7を形成したガラス板に、SiO、ZrO、もしくはAlを、300℃、アルゴン雰囲気中、真空度=5.0×10−1Pa、印加高周波電力500Wの条件下で、スパッタリングすることにより、SiO、ZrO、もしくはAlからなる透明硬化薄膜を形成することができる。また、テトラエトキシシラン重合体、ポリシルセスキオキサン等のオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物のを所定量エタノールなどの有機溶媒に溶解した溶液を、透明導電性薄膜7を形成したガラス板に、スプレー法、ロール法、スピンナー法などにより、厚さ約0.1〜10μm程度に塗布し、約50℃で10分間乾燥させた後、約350〜450℃で所定時間焼成することにより、多少の有機基を含むものの、実質的にSiOの架橋硬化膜を形成することができる。
透明硬化薄膜は、上記のような実質的に無機材料からなるものが好ましいが、透明樹脂により形成してもよい。透明硬化性樹脂としては、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、アミノ樹脂、硬化型アクリル樹脂、イソシアネート硬化型アクリル樹脂、熱硬化性スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが使用できる。
ハウジング3は、図4、図5および図6に示すように、中央に設けられた開口21と、この開口21を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置部22と、電極10a,10bおよび温度センサ14と接続された接続線を通すための開口部18を有している。
温度センサ14は、透明発熱用プレート2の底面に接触するように設けられている。なお、センサ14は、透明発熱用プレート2内に設けてもよい。さらには、温度センサ14は、透明発熱用プレート2の表面に設けてもよい。温度センサ14としては、温度検知可能なものであれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが好適である。
電極10a,10bに接続された導電線12a,12bおよび温度センサ14に接続された信号線は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3の小口18より外部に延びている。そして、このコード16の端部には、コネクタ25が取り付けられている。このコネクタ25は、後述する温度制御器との接続端子を形成している。
そして、顕微鏡用透明加温器具は、上記のようにハウジング3が、導電線12a,12bをハウジング3の外部に導出するための開口部18を有し、開口部18より導出される導電線12a,12bを任意の形状に保持できる形状付け用部材20を有している。具体的には、開口部18内に一端が設けられ外方に延びるチューブ19を備え、このチューブ19内に導電線12a,12bを含むコード16が貫通している。そして、このチューブ19内には、一端がハウジング3の開口部18内に固定もしくは離脱防止用の係止部20aを備え、コード16と平行に延びる金属線20(例えば、針金)が収納されている。金属線20としては、手で曲げることができる程度の易塑性変形性を有するものが用いられている。金属線は、一本でも複数本設けてもよい。一本の場合には、例えば、線径が、2〜7mm程度の針金が好適であり、複数本設ける場合には、1〜5mm程度の針金が好適に使用される。なお、形状付け用部材は、金属線に限られるものではなく、上記チューブ19内に収納可能な程度の幅の金属板を用いてもよい。さらに、形状付け用部材は、上述のような形態のものに限定されるものではない。例えば、上記のようなチューブを用いる場合には、チューブの外面もしくはコード16の外面(チューブとコード16の間となる)に塑性変形可能な金属線もしくは金属板を巻き付けたものであってもよい。また、チューブを用いない場合には、コード16の外面に塑性変形可能な金属線もしくは金属板を巻き付けたものであってもよい。金属線もしくは金属板の形成材料としては、ステンレス、銅などが使用される。
そして、この顕微鏡用透明加温器具1は、顕微鏡ステージに組み込まれて使用される。顕微鏡用透明加温器具1と温度制御器31により、温度制御装置が構成されている。図7は、本発明の透明加温装置に使用される温度制御器のブロック図である。温度制御器31は、図7に示すように、透明加温器具(顕微鏡用試料支持板)1のコネクター25と接続可能なコネクター32と、透明加温器具1の温度センサ14により検知されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバーター33と、このコンバーター33からの信号が入力される温度制御部35と、温度制御部35より出力される透明発熱用プレート2の実測温度を表示する測定温度表示部36と、設定温度を入力する設定温度入力部37と、設定温度入力部より入力された設定温度を表示する設定温度表示部39とを有している。そして、温度制御部35は、温度制御器31のコネクター32および透明加温器具1のコネクター25を介して、発熱用透明導電性薄膜7と接触する電極10a,10bと電気的に接続されており、発熱用透明導電性薄膜7の温度調整機能を有している。そして、設定温度入力部37は、入力スイッチ37aを、また、測定温度表示部36は、表示窓36aを、設定温度表示部39も表示窓39aを備えている。温度制御部35は、設定温度と測定温度とを比較する比較機能と、この比較機能による比較結果に基づき、発熱用透明導電性薄膜への電力供給状態を調整する温度調整機能(言い換えれば、電力供給調整機能)を有している。温度調整機能(電力供給調整機能)としては、印加電圧を調整する機能、負荷電流を調整する機能、通電のON/OFF状態を調整する機能などのいずれでもよい。
温度制御部は、具体的には、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より低い場合には、通電をONし、逆に、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より高い場合には、通電をOFFするように制御する。また、温度制御は、ON/OFF制御でない場合には、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より低い場合には、電圧または電流を高くするように制御し、逆に、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より高い場合には、電圧また電流を低くするか、一時的に通電を中止し、測定温度が設定温度と等しい場合には、与えている電圧また電流を維持することにより行われる。
図1は、本発明の高温用透明加温器具の平面図である。 図2は、図1のF−F線断面図である。 図3は、参考例の高温用透明加温器具の断面図である。 図4は、参考例の顕微鏡用透明加温器具の斜視図である。 図5は、参考例の一実施例の顕微鏡用透明加温器具の正面図である。 図6は、図5のA−A線断面図である。 図7は、本発明の透明加温装置に使用される温度制御器の一例のブロック図である。
符号の説明
120 透明加温器具
5 耐熱性透明板
7 発熱用透明導電性薄膜
125,126 発熱用電極
127,128 通電線

Claims (6)

  1. 耐熱性透明板と、該耐熱性透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、該発熱用電極のそれぞれに固着された通電線とを有する透明発熱用プレートを備える透明加温器具であって、前記透明発熱用プレートは、通電による加温可能領域と通電による加温不能領域を有し、前記一対の発熱用電極のそれぞれは、一端が前記加温可能領域に位置し、他端が前記加温不能領域に位置し、前記通電線は、前記加温不能領域に位置する部分において前記電極と固着されていることを特徴とする透明加温器具。
  2. 耐熱性透明板と、該耐熱性透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、該発熱用電極のそれぞれに固着された通電線とを有する透明発熱用プレートを備える透明加温器具であって、前記透明発熱用プレートは、通電による加温可能領域と通電による加温不能領域を有し、前記一対の発熱用電極のそれぞれは、前記加温可能領域に位置する部分と前記加温不能領域に位置する部分を有し、前記通電線は、前記加温不能領域に位置する部分において前記電極と固着されていることを特徴とする透明加温器具。
  3. 前記通電線は、前記電極の他端付近と固着されている請求項1に記載の透明加温器具。
  4. 前記透明発熱用プレートは、発熱用透明導電性薄膜形成部と、発熱用透明導電性薄膜非形成部を有し、該発熱用透明導電性薄膜形成部により加温可能領域が形成され、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部により加温不能領域が形成されているものである請求項1ないし3のいずれかに記載の透明加温器具。
  5. 前記透明発熱用プレートは、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜を有している請求項1ないし4のいずれかに記載の透明加温器具。
  6. 前記通電線と前記電極は、導電性接着剤により固着されている請求項1ないし5のいずれかに記載の透明加温器具。
JP2005014966A 2005-01-24 2005-01-24 透明加温器具 Expired - Fee Related JP4098781B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005014966A JP4098781B2 (ja) 2005-01-24 2005-01-24 透明加温器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005014966A JP4098781B2 (ja) 2005-01-24 2005-01-24 透明加温器具

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12789697A Division JP3659445B2 (ja) 1997-04-30 1997-04-30 顕微鏡用透明加温器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005202414A JP2005202414A (ja) 2005-07-28
JP4098781B2 true JP4098781B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=34824701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005014966A Expired - Fee Related JP4098781B2 (ja) 2005-01-24 2005-01-24 透明加温器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4098781B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0686164U (ja) * 1993-05-07 1994-12-13 二葉計器株式会社 走行モード自動選択機構付タクシーメータ

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4899228B2 (ja) * 2006-10-06 2012-03-21 独立行政法人産業技術総合研究所 二酸化バナジウム系薄膜の製法及び製品
KR100955540B1 (ko) * 2008-04-16 2010-04-30 임기주 발열 판재 및 그 제조방법
KR101006198B1 (ko) 2008-04-16 2011-01-12 ㈜비엔컴 블루투스를 이용한 핸즈프리 시스템
KR101200967B1 (ko) * 2010-09-14 2012-11-13 이원배 세라믹글래스를 이용한 면상발열체
KR20120071960A (ko) 2010-12-23 2012-07-03 삼성모바일디스플레이주식회사 광학 접촉 결합을 이용한 금속 및 글라스 접합 방법, 이를 이용한 표시 장치의 제조 방법, 및 상기 제조 방법에 의해 만들어진 표시 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0686164U (ja) * 1993-05-07 1994-12-13 二葉計器株式会社 走行モード自動選択機構付タクシーメータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005202414A (ja) 2005-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4098781B2 (ja) 透明加温器具
CN202907797U (zh) 一种电子吸烟装置
JP3929068B2 (ja) 大領域の薄膜を有する抵抗発熱体
US20050087525A1 (en) Quartz heater
CN109846093A (zh) 低温烘烤烟具
KR101575181B1 (ko) 자켓 히터
JPH1195124A (ja) 顕微鏡用透明加温プレートおよび顕微鏡用透明加温装置
JP3659445B2 (ja) 顕微鏡用透明加温器具
EP1774571B1 (en) In-line heater for use in semiconductor wet chemical processing and method of manufacturing the same
KR101439989B1 (ko) 배관용 히터 및 배관히터용 전자파 차폐장치
GB2569996A (en) Heated vacuum system
WO2017117873A1 (zh) 一种双面高导热能力的厚膜发热元件
KR102183876B1 (ko) 면상발열체 및 이를 채용한 차량용 온열시트
WO2023155507A1 (zh) 加热器及雾化装置
KR20100032237A (ko) 발열 판재 및 그 제조방법
KR20200137427A (ko) 에어로졸 발생장치의 히터 구조
US20040094533A1 (en) Heating plate assembly for a cooking appliance
KR102112022B1 (ko) 시즈히터를 발열체로 구비하는 열처리 오븐의 발열체 제어장치
JP2006526875A (ja) 層加熱板素子
US20030072352A1 (en) Temperature sensor with a sensor element and use thereof
JP2023529879A (ja) 発熱部品及びエアロゾル形成装置
JP2017188403A (ja) ヒータ
JP4947712B2 (ja) 面状ヒータ
JP2004362824A (ja) 電熱ヒーター
JP2000321149A (ja) 温度検出ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140321

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees