JPH10299059A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体上半身の大きさや上体姿勢が異なる場合
でも安定して着座／非着座を検知する。 【解決手段】 便座２の側方であって着座した人体３の
左右の脇に設けられ、操作ボタン１Ｂなどが配置される
袖部１Ａに反射式光センサ５を設けて、反射式光センサ
５からの照射光６Ａを、人体３の腰側面から太股側面の
照射領域３Ｂ内に設けられた照射スポット３Ａに向けて
照射する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、衛生洗浄装置に関
し、特に光センサを用いて便座への着座／非着座を検知
することにより、非着座時の吐水動作などの不要動作を
中止し、あるいはこれら動作を指示する操作の受付を禁
止する衛生洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、人体の局部に水または温水を吐
水することにより、局部を洗浄する衛生洗浄装置では、
光センサなどを用いて便座への着座／非着座を検知し、
その検知結果に基づいて、非着座時の吐水動作などの不
要動作を中止し、あるいはこれら動作を指示する操作の
受付を禁止するものとなっている。従来、反射式光セン
サを用いて便座への着座／非着座を検知する衛生洗浄装
置として、図４に示すような構成が提案されている（例
えば、実開平４−５３８６９号／実公平７−４８１６０
号公報など参照）。

【０００３】この場合、図４（ａ）に示すように、反射
式光センサ５を、衛生洗浄装置の本体１の上端角部１Ｒ
に設けて、図４（ｂ）に示すように、人体３の後方から
背中に向けて斜め上方に照射光６Ａを照射し、その反射
光を受光することにより、便座２への着座／非着座を検
知するようにしたものである。これにより、便座蓋２Ａ
および便座２が開かれている状態であっても、反射式光
センサ５からの照射光６Ａが、便座蓋２Ａ’または便座
２’に遮断されなくなり、例えば小便時などの着座誤検
知を回避するものとなっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の衛生洗浄装置では、本体１の上端角部１Ｒか
ら人体３の背中に向けて斜め上方に照射光６Ａを照射す
ることから、前屈みの姿勢をとった場合、あるいは背の
低い子供や高齢者などが上体を前または左右に移動させ
た場合など、人体上半身の大きさや上体姿勢によって
は、反射式光センサ５からの照射光６Ａが、人体３の上
方を通過してしまい、着座しているにもかかわらず、非
着座と検知する場合がある問題点があった。例えば、成
人であっても、トイレ室内で新聞や本を読む場合には、
自然と前屈みの姿勢をとる。また、背の低い子供や高齢
者などが上体を前または左右に移動させる場合もある。

【０００５】このように、人体上半身の大きさや上体姿
勢によって、着座している人の背中位置も大きく変化す
る。したがって、この背中からの反射光により着座／非
着座を検知する構成によれば、着座しているにもかかわ
らず、非着座と検知する場合があるという問題点があっ
た。本発明はこのような課題を解決するためのものであ
り、人体上半身の大きさや上体姿勢が異なる場合でも、
安定して着座／非着座を検知できる衛生洗浄装置を提供
することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による衛生洗浄装置は、着座した人体
の腰側面から太股側面にわたる所定照射領域内に設けら
れた照射スポットに向けて照射光を照射する発光部と、
この照射光の照射により人体で反射した反射光を受光す
る受光部とからなる反射式光センサを備えるものであ
る。したがって、反射式光センサの発光部から、着座し
た人体の腰側面から太股側面にわたる所定照射領域内に
設けられた照射スポットに向けて照射光が照射されると
ともに、この照射光の照射により人体で反射した反射光
が受光部で受光され、この反射光の受光に応じた検出出
力に基づいて着座／非着座が検知される。

【０００７】また、反射式光センサを、便座の側方であ
って着座した人体の左または右の脇に位置する袖部に設
けたものである。したがって、着座した人体の左または
右の脇に位置する袖部から、着座した人体の腰側面から
太股側面にわたる所定照射領域内に設けられた照射スポ
ットに向けて照射光が照射される。また、反射式光セン
サを、便座を開閉自在に支持するヒンジおよび便座蓋を
開閉自在に支持するヒンジより前方の位置に設けたもの
である。したがって、便座および便座蓋の各ヒンジより
前方の位置から人体に向けて照射光が照射される。ま
た、反射式光センサから、その配置水平面より斜め上方
に照射光を照射するようにしたものである。したがっ
て、反射式光センサの配置水平面より斜め上方に照射光
が照射される。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図１は本発明の一実施の形態である衛生
洗浄装置の上面外観図であり、同図において、１は衛生
洗浄装置の本体、２は便座、２Ａは便座蓋、３は便座２
に着座した状態を示す人体、４は本体１に便座２および
便座蓋２Ａを開閉自在に支持するヒンジである。１Ａは
便座２の側方であって着座した人体３の左または右の脇
に設けられ、操作ボタン１Ｂなどが配置される袖部、５
は袖部１Ａであってヒンジ４より前方の位置に設けられ
た反射式光センサである。

【０００９】人体３において、３Ａは反射式光センサ５
から窓１Ｃを介して照射された照射光６Ａが照射される
照射スポットであり、この照射スポット３Ａは、人体３
の腰側面から太股側面にわたる照射領域３Ｂ内に設けら
れている。照射スポット３Ａで反射された反射光６Ｂ
は、照射光６Ａとは逆方向に窓１Ｃを透過して反射式光
センサ５で受光される。なお、窓１Ｃには、照射光６Ａ
および反射光６Ｂを透過し、反射光６Ｂの光波長以外は
透過しにくいフィルタ効果のあるカバーが設けられてい
る。

【００１０】図２は、袖部の詳細を示す上面図であり、
前述の説明（図１参照）と同じ部分には同一符号を付し
てある。反射式光センサ５において、５Ａは赤外光を発
光する赤外ＬＥＤなどの発光素子からなり照射光６Ａを
照射する発光部、５Ｂは赤外光を受光する赤外ダイオー
ドなどの受光素子からなり人体３からの反射光６Ｂを受
光する受光部である。

【００１１】この場合、反射式光センサ５からの照射光
６Ａは、図１に示したように、人体３の腰側面から太股
側面の照射領域３Ｂ内に設けられた照射スポット３Ａに
向けて照射される。ここで、人体３の腰側面から太股側
面は、便座２に着座した場合のいずれの着座状態におい
ても、その位置がほとんど変化しない箇所である。図３
は、各種着座状態と照射スポットの関係を示す説明図で
ある。

【００１２】図３（ａ）は、標準的な正位置に着座した
状態を示しており、この場合、照射スポット３Ａは、腰
側面と太股側面のほぼ中間に位置している。また図３
（ｂ）は、標準的な正位置より便座蓋２Ａ方向すなわち
後方に着座した状態を示しており、この場合、照射スポ
ット３Ａは太股側面に位置している。また図３（ｃ）
は、標準的な正位置より便座蓋２Ａと逆方向すなわち前
方に着座した状態を示しており、この場合、照射スポッ
ト３Ａは腰側面に位置している。

【００１３】一方、図３（ｄ）は、上体を便座蓋２Ａ方
向にのけぞった状態を示しており、この場合でも上体の
移動と比較して、人体３の腰側面および太股側面の位置
はほとんど移動せず、照射スポット３Ａは腰側面と太股
側面のほぼ中間に位置している。また図３（ｅ）は、上
体を前屈みした状態を示しており、この場合でも上体の
移動と比較して、人体３の腰側面および太股側面の位置
はほとんど移動せず、照射スポット３Ａは腰側面と太股
側面のほぼ中間に位置している。

【００１４】したがって、図３（ａ）〜（ｅ）の着座状
態や、上体を左右移動させた場合のいずれの着座状態に
おいても、照射スポット３Ａが確実に人体３に存在する
ことになり、この照射スポット３Ａで反射された反射光
６Ｂが反射式光センサ５により受光される。これによ
り、人体上半身の大きさや上体姿勢が異なる場合でも、
安定して着座／非着座を検知できる。

【００１５】また、反射式光センサ５を、便座２側方に
設けられ、操作ボタン１Ｂなどを配置する袖部１Ａに配
置したので、便座２に着座した場合のいずれの状態にお
いても、その位置がほとんど変化しない腰側面から太股
側面にわたる照射領域３Ｂ内に、高出力を要することな
く効率よく照射光６Ａを照射できる。また、反射式光セ
ンサ５を配置するための特別な支持部材が不要となると
ともに、吐水領域からある程度の距離を持って配置で
き、湿気による誤動作や腐食などを抑制できる。

【００１６】また、反射式光センサ５は、便座２側方に
設けられている袖部１Ａであって、便座２および便座蓋
２Ａを開閉自在に支持するヒンジ４より前方の位置に設
けられている。これにより、便座２または便座蓋２Ａを
開いた（立てた）状態であっても、反射式光センサ５か
らの照射光６Ａが、便座２または便座蓋２Ａに遮断され
ずに、人体３側に照射されるため、小便時や清掃時など
であっても、非着座が確実に検知される。

【００１７】また、反射式光センサ５からの照射光６Ａ
は、反射式光センサ５の配置水平面より上方向、例えば
１５〜４０゜上向きに照射される。したがって、便座２
および便座蓋２Ａを閉じた（倒した）状態であっても、
反射式光センサ５からの照射光６Ａが、便座２や便座蓋
２Ａに反射されないため、使用開始／終了時の非着座が
確実に検知される。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、人体に
照射光を照射する発光部と、この照射光の照射により人
体で反射した反射光を受光する受光部とからなる反射式
光センサを設けて、着座した人体の腰側面から太股側面
にわたる所定照射領域内に設けられた照射スポットに向
けて照射光を照射するようにしたものである。したがっ
て、便座に着座した場合のいずれの状態においても、そ
の位置がほとんど変化しない箇所に照射光が照射される
ものとなり、従来のように、着座した人体の背中に照射
する場合と比較して、人体上半身の大きさや上体姿勢が
異なる場合でも安定して着座／非着座を検知できる。

【００１９】また、反射式光センサを、便座の側方であ
って着座した人体の左または右の脇に位置する袖部に設
けたので、便座に着座した場合のいずれの状態において
も、その位置がほとんど変化しない腰側面から太股側面
にわたる照射領域内に、高出力を要することなく効率よ
く照射光を照射できる。また、反射式光センサを配置す
るための特別な支持部材が不要となるとともに、吐水部
からある程度の距離を持って配置でき、湿気による誤動
作や腐食などを抑制できる。また、反射式光センサを、
便座のヒンジおよび便座蓋のヒンジより前方の位置に設
けたので、便座または便座蓋を開いた状態であっても、
反射式光センサからの照射光が、便座または便座蓋に遮
断されずに人体側に照射されるため、小便時や清掃時な
どであっても、非着座を確実に検知できる。また、反射
式光センサから、その配置水平面より斜め上方に照射光
を照射するようにしたので、便座および便座蓋を閉じた
状態であっても、反射式光センサからの照射光が便座や
便座蓋に反射されないため、使用開始／終了時の非着座
を確実に検知できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施の形態による衛生洗浄装置の
上面外観図である。

【図２】 袖部の詳細を示す上面図である。

【図３】 各種着座状態と照射スポットの関係を示す説
明図である。

【図４】 従来の衛生洗浄装置を示す説明図である。

【符号の説明】

１…本体、１Ａ…袖部、１Ｂ…操作ボタン、１Ｃ…窓、
２…便座、２Ａ…便座蓋、３…人体、３Ａ…照射スポッ
ト、３Ｂ…照射領域、４…ヒンジ、５…反射式光セン
サ、６Ａ…照射光、６Ｂ…反射光。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 晃 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安達 弘之 愛知県春日井市愛知町１番地 愛知電機株 式会社内 (72)発明者 平野 修一 愛知県春日井市愛知町１番地 愛知電機株 式会社内 (72)発明者 仁木 滋 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内 (72)発明者 関澤 恵一 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内 (72)発明者 遠山 美樹 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小 糸工業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光センサの検出出力に基づいて便座への
   着座／非着座を検知する衛生洗浄装置において、 着座した人体の腰側面から太股側面にわたる所定照射領
   域内に設けられた照射スポットに向けて照射光を照射す
   る発光部と、この照射光の照射により人体で反射した反
   射光を受光する受光部とからなる反射式光センサを備え
   ることを特徴とする衛生洗浄装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の衛生洗浄装置において、 反射式光センサは、 便座の側方であって着座した人体の左または右の脇に位
   置する袖部に設けることを特徴とする衛生洗浄装置。
3. 【請求項３】 請求項２記載の衛生洗浄装置において、 反射式光センサは、 便座を開閉自在に支持するヒンジおよび便座蓋を開閉自
   在に支持するヒンジより前方の位置に設けることを特徴
   とする衛生洗浄装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の衛生洗浄装置において、 反射式光センサは、 その配置水平面より斜め上方に照射光を照射することを
   特徴とする衛生洗浄装置。