JPH10298840A - フロッキーヤーンおよび繊維構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性に富み伸縮性があり、後加工性と風合の
よい、しかも、花糸としての短繊維の接着強度が強くか
つ耐摩耗性の優れたフロッキーヤーン、およびそのフロ
ッキーヤーン編織物等の繊維構造物を提供する。 【解決手段】基材糸に接着剤を介して単繊維を植毛して
なるフロッキーヤーンであって、その基材糸に、周囲に
カバリングヤーンを備えた伸縮性複合糸を用いてなるフ
ロッキーヤーンであり、伸縮性複合糸としては弾性糸を
芯糸とする芯鞘型複合糸が用いられ、また接着剤として
はガラス転移点が３５℃以下の水系エマルジョン系接着
剤が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フロッキーヤーン
およびそれを用いた繊維構造物に関し、更に詳しくはセ
ーターやジャケット等の衣料あるいはカーテン、チェア
等のインテリア等に使われる、風合いの優れたフロッキ
ーヤーンおよびそれを用いた織物、編物および紐類など
の製品等の繊維構造物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、基材糸に短繊維を植毛したフロッ
キーヤーンは公知である。このフロッキーヤーンは花糸
である短繊維が基材糸に対して接着剤で固定されている
ので、撚糸モールに比べて短繊維の毛抜けが格段に少な
いことが大きな特徴であるが、反面、接着剤を使用する
ためにフロッキーヤーンとして糸条自体が硬くなり、柔
らかい感触を損なう欠点があった。

【０００３】また、フロッキーヤーンは花糸である短繊
維が基材糸を中心に放射状に略垂直に高密度にしっかり
接着植毛されており、耐久性が高く高品位なモールヤー
ンである反面、織り加工や編み加工時に、フロッキーヤ
ーンが織り機や編み機の糸道ガイドやシャトルなどに擦
れたときに花糸がなびきにくく、摩擦抵抗が高くなり、
糸切れ発生など織り加工性、編み立て性等を損なうこと
があった。そこで通常は、高次加工技術での各種工夫が
必要であった。

【０００４】さらに、従来のフロッキーヤーンは、接着
剤で花糸を固定しているとはいえ、基材糸表面が平滑な
ので、爪などで強くしごけば花糸と接着剤が一体となり
筒状に基材糸から抜ける、あるいは表面をしごけば糸剥
がれを生じることがあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明者は、カバリン
グヤーンのような伸縮性のある弾性糸等を基材糸に用い
ることにより、従来の単調な表現しか出来なかったフロ
ッキーヤーンやモールヤーンの問題点を解決できること
を見いだし、本発明に到達した。

【０００６】本発明の目的は、柔軟性に富み伸縮性があ
り、後加工性と風合のよい、しかも、花糸としての短繊
維の接着強度が強く、かつ耐摩耗性の優れたフロッキー
ヤーン、および編織物等の繊維構造物を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するもので、本発明のフロッキーヤーンは、基材糸に接
着剤を介して単繊維を植毛してなるフロッキーヤーンに
おいて、該基材糸として、周囲にカバリングヤーンを備
えた伸縮性複合糸を用いてなることを特徴とするフロッ
キーヤーンである。本発明においては、上記伸縮性複合
糸が弾性糸を芯糸とする芯鞘型複合糸であること、前記
接着剤がガラス転移点が３５℃以下の水系エマルジョン
系接着剤であること、および前記フロッキーヤーンを乾
熱処理または／湿熱処理してなるフロッキーヤーンを好
ましい実施態様として含むものである。

【０００８】更に本発明においては、上記のいずれかの
フロッキーヤーンを少なくとも一部分に用いて織物、編
物および紐類などの繊維構造物を製造することができ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】まず、本発明のフロッキーヤーン
を図面に基いて説明する。図１は、本発明のフロッキー
ヤーンを例示する横断面図であり、図２は、本発明のフ
ロッキーヤーンを例示する側断面図である。また、図３
は、従来のフロッキーヤーンの横断面図である。図３に
示されるように、従来のフッロキーヤーンにおいては、
基材糸１の周囲に接着剤２が施され、その接着剤２の層
に短繊維３が植毛されている。これに対し、本発明のフ
ロッキーヤーンでは、図１および図２に示されるよう
に、基材糸４に接着剤２が施され短繊維３が植毛されて
いるという点では従来のフロッキーヤーンと同じである
が、基材糸４が芯糸５とその芯糸５の回りを取り巻く鞘
糸６とで基本的に構成されている伸縮性複合糸である
点、および接着剤が鞘糸６部内部にまで及んでいるがな
お伸縮性を保持している点で全く画期的なものである。
本発明では、このような伸縮性複合糸の芯糸５に弾性糸
を用い、伸縮性を付与することが特に好ましい実施態様
の一つとして包含される。

【００１０】本発明においては、例えばカーテン、チェ
ア等のインテリア、カーシート、衣料などに使われる、
視覚的あるいは触感的に独特な風合いをもつ意匠性の高
いフロッキーヤーンが得られ、特に従来の単調な表現し
かできなかったフロッキーヤーンやモールヤーンの問題
点を解決した。すなわち、基材糸の芯糸にポリウレタン
等の弾性糸を用いたことにより、従来のナイロンやポリ
エステル基材糸の場合より、糸条自体を格段に柔らかく
することができ、しかも、鞘糸であるカバリングヤーン
の働きにより芯糸である弾性糸の引張強度を向上させる
ことができる。また、好ましく用いられるウーリーナイ
ロンなどのカバリングヤーンは元々屈曲しており、ポリ
ウレタン等の弾性糸の柔らかさを有意に損ねるものでは
ない。このカバリングヤーンはＳ撚りでもＺ撚りでも構
わず、Ｓ／Ｚ双方使ってもよい。

【００１１】またフロッキーヤーンへの柔軟性付与につ
いては、本発明で用いられる接着剤は柔らかいほどよ
く、好ましくはガラス転移点が＋３５℃以下の接着剤が
用いられる。ガラス転移点の測定は、測定器としてセイ
コー電子工業株式会社のＤＳＣ２２０Ｃを用い、示差走
査熱量測定法によりガラス転移開始温度とガラス転移終
了温度を測定し、次式により中間ガラス転移温度を算出
しガラス転移点とする。

【００１２】中間ガラス転移温度＝（ガラス転移開始温
度＋ガラス転移終了温度）÷２ また本発明においては、このように基材糸にポリウレタ
ン等の弾性糸を用いたことで、フロッキーヤーン自体の
伸度が改善される。すなわちポリウレタン等弾性糸の伸
縮性もある程度残っているので、ションヘル、レピア等
の織り機、横編み、丸編み（ゾッキ）等の編み機などで
後加工するとき、フロッキーヤーンと装置のガイド類の
間で生じる摩擦抵抗（滑りの悪さ）に起因する張力変動
を吸収する働きを果たし、糸条へのショックが軽減され
る。これにより、糸切れ、織り斑および編み斑が軽減さ
れ、後加工性が改善される。

【００１３】本発明においはさらに、上記で得られたフ
ロッキーヤーンに乾熱あるいは湿熱処理を施すことによ
り、伸度と伸縮性を大幅に向上（改善）し、上記の織り
加工性、編み立て性をさらに格段に改善させることがで
きる。これは、加熱により接着剤が柔らかくなり、伸長
されていた弾性糸の伸縮性が糸を縮ませ糸全体に捲縮が
かかった状態で固定されるためである。湿熱処理は通常
の染色工程で付与することができる。

【００１４】本発明において乾熱付与条件としては、８
０℃×１０分以上、１５０℃であれば１５秒以上、ま
た、湿熱付与条件としては５０℃×１０分以上、８０℃
以上であれば３０秒〜１分間、１４０℃であれば５秒程
度、通常８０℃×３０分間（レーヨンの反応型染色条件
の一例）で十分である。

【００１５】また本発明においては、カバリングヤーン
に通常使われるウーリーナイロンなど捲縮糸に接着剤が
絡むことにより、花糸の基材糸への食いつき（接着力）
が強くなる。しかしカバリングヤーンは縮れているの
で、接着剤が縮んでも剛性がなく柔らかい状態が保持さ
れる。このように接着剤が絡むことにより、通常のフロ
ッキーヤーンよりさらに花糸が抜けにくくなり、摩擦に
よる糸抜けを改善し編織物生地での大幅な耐摩耗性能の
向上を果たす。

【００１６】本発明において使用される基材糸は、上記
のように伸縮性の複合糸であって、伸縮性のある捲縮糸
であってもよいが、好適には、ポリウレタン等弾性糸を
芯糸とし、ポリアミド、ポリエステルやポリアクリロニ
トリルのような熱可塑性樹脂からなる合成繊維あるいは
レーヨンような再生繊維糸を鞘糸とした芯鞘型複合糸が
用いられる。このような芯鞘型複合糸は、芯鞘糸を引き
そろえ同時仮撚して得ることができる。

【００１７】また、鞘糸としてはそれ自体伸縮性のある
ウーリーナイロン等の捲縮糸を用いることができる。本
発明において、この基材糸の繊度は好ましくは約５０〜
１５００デニールである。

【００１８】本発明で使用される接着剤としては、アク
リル系、ウレタン系、酢酸ビニル系、ＥＶＡ系、ナイロ
ン系などの水系エマルジョンが好ましく、特にガラス転
移点が＋３５℃以下、より好ましくは＋２０℃以下の柔
らかい接着剤を用いることが、糸条の柔軟性向上の点で
好ましい。

【００１９】接着剤の基材糸への付着手段としては、ロ
ーラコートやディップコートが使われる。また接着剤の
基材糸への付着量は、湿潤状態で厚さ５０〜３００ミク
ロン（乾燥時は約１／２で２５〜１５０ミクロン）程度
が好ましく、通常１００ミクロン（乾燥時は約５０ミク
ロン）くらいで実施される。

【００２０】本発明において適用される花糸である短繊
維としては、綿、絹、羊毛のような天然繊維、レーヨン
ような再生繊維、アセテートのような半合成繊維、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルのような
熱可塑性樹脂からなる合成繊維（炭素繊維を含む）、さ
らにはカーボンのような無機繊維であってもよく、要求
される視覚触感に合わせて選択され特に制限はされない
が、特に風合を重視する衣料分野ではアクリル系繊維や
天然繊維が好ましく、また、椅子張りなど産業用用途で
は耐久性などが要求されるためポリアミドやポリエステ
ル繊維が好ましく用いられる。

【００２１】また、本発明では、長さの異なる２種以上
の短繊維を使用することができる。

【００２２】本発明においては、短繊維群はこのように
少なくとも２種類以上の長さの短繊維で構成させること
ができ、この場合それぞれ一定の長さに切り揃えられた
短繊維が、好適にはランダムにお互い近接しながら植毛
されているので、一見した外観は太さが一様なフロッキ
ーヤーンに見える。ところが、ミクロには長い短繊維の
間に短い短繊維が混在して植毛されているので、指先で
触ると長い繊維の毛先がそよぎ易くビロードのような触
感が生じる。短い方の短繊維が長い方の短繊維の間に隠
れてしまい、結果的にフロッキーヤーンの表面に出てい
る繊維の密度が減少することになり、さらに柔らかい感
触が得られるのである。

【００２３】本発明の短繊維の繊度は、好ましくは０．
０１〜２０デニール、より好ましくは０．１〜３デニー
ルである。

【００２４】本発明のフロッキーヤーンは次のようにし
て製造することができる。まず、巻き出しクリールから
引き出された基材糸に、ロールコーターを用いて接着剤
を塗布し、次いで高圧電界中を無数の短繊維が飛翔して
いる植毛室を通過させ、上部電極、下部電極と基材糸の
間に形成される電界により静電植毛がなされる。接着剤
は、上部温風吹出しノズルおよび下部温風吹出しノズル
を備えた乾燥機で乾燥され、接着が完了した後、除毛機
により余分に付着している短繊維が除毛され、さらにワ
インダーによりボビンなどにチーズあるいはコーン巻き
される。なお、植毛室内の長短ミックスされた短繊維群
は、仕切りを設けて短繊維の種類別に区分けして配置し
てよい。

【００２５】本発明において植毛方法はこのように静電
植毛が好ましく用いられるが、静電植毛の条件として
は、電圧は好ましくは１〜５万Ｖ、乾燥温度は好ましく
は７０〜１５０℃、また糸速度３〜１５ｍ／分が好まし
い。植毛の基本原理は、高圧電界中の空間に浮遊する無
数の短繊維が、高圧電界に沿ってアース極である基材糸
に向かって飛翔し、芯糸の断面円周方向から、芯糸外周
面に塗布された接着剤層に突き刺さることにある。

【００２６】本発明のフロッキーヤーンは、それを織物
類の経糸および／または緯糸の全部または部分的に用い
ることができる。同様に、編物類、紐類の全部または一
部に使用することができる。本発明における繊維構造物
としては、このように本発明のフロッキーヤーンで構成
された編織物などの布帛類、紐類などを総称する意味と
して使われる。本発明においては、例えばカーテン、チ
ェア等のインテリア、カーシート、衣料などに使われ
る、視覚的あるいは触感的に独特な風合いをもつ意匠性
の高いフロッキーヤーンが得られ。

【００２７】

【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが本発明は
これに限定されない。

【００２８】（実施例１）上述の製造工程により、次の
構成によりフロッキーヤーンを製造した。

【００２９】 基材糸：芯糸−２１０デニールのポリウレタン弾性糸 鞘糸−２１０デニールのナイロン捲縮糸 花 糸：レーヨン（１デニール×長さ０．８ｍｍ） 接着剤：アクリル系エマルジョン、ガラス転移点：約３℃ 熱処理：なし 得られたフロッキーヤーンは、基材糸にカバリングヤー
ンを備え弾性糸を芯糸とする芯鞘型複合糸を用いたこと
により、後工程での熱処理を施さなくても、糸条として
従来のフロッキーヤーンより柔らかく、織り編み加工に
優れ、また織り編み加工後の生地としての耐摩耗強度も
大幅に改善されたものであった。結果を表１に示す。

【００３０】（実施例２）実施例１と同じ構成、方法で
フロッキーヤーンを得た後、８０℃×３０分の湿熱処理
を施した。得られたフロッキーヤーンは、糸条としても
捲縮が加えられ個性的な風合が得られた。当然、柔らか
さと伸度が大幅に向上でき、後加工性が著しく改善され
ていた。また、織り編み加工生地の耐摩耗強度も実施例
１と同じく改善されたものであった。結果を表１に示
す。

【００３１】（実施例３）実施例１と同じ構成、方法で
フロッキーヤーンを得た後、１００℃×２０分の乾熱処
理を施した。これにより得られたフロッキーヤーンも実
施例２と変わることなく、柔らかさ、伸度、後加工性お
よび織り編み加工生地の耐摩耗強度とも著しく改善され
たものであった。結果を表１に示す。

【００３２】以上、実施例１〜３で得られたフロッキー
ヤーンを用いて織り編み加工した生地は、生地自体とし
ての柔らかさ、および耐摩耗強度に優れたものであっ
た。特に実施例２と３によるものは生地としても伸縮性
が付与されており、織り編み構造からくる伸縮性をさら
に効果的に演出するものであった。

【００３３】（比較例１）従来技術によるフロッキーヤ
ーンを次の構成、方法で製造した。

【００３４】基材糸：３４フィラメント、２１０デニー
ルのナイロン糸 花 糸：ナイロン（１デニール×長さ０．８ｍｍ） 接着剤：アクリル系エマルジョン、ガラス転移点：約３
℃ 熱処理：なし 表１に示したとおり、本発明によるフロッキーヤーンに
比べて、柔らかさ、後加工性、織り生地としての耐摩耗
強度に劣るものであった。

【００３５】（比較例２）実施例１、２、３と同じ基材
糸と花糸を用い、接着剤にガラス転移点（４０℃）の高
い接着剤を用いてフロッキーヤーンを製造し、実施例３
と同じ条件の感熱処理（１００℃×２０分）を施した。
結果は表１に示したとおり、接着剤の固さが悪影響して
柔軟性がなく、したがって後加工性が悪いものしか得ら
れなかった。伸度も低いものであった。

【００３６】

【表１】 ◎：非常によい ○：よい △：普通 ×：悪い ×
×：非常に悪い 耐摩耗強度：テーバ形摩擦試験機を使用しＪＩＳ−Ｌ−
１０９６Ｃ法に準じて測定し、摩耗による変化の程度を
下記の基準で外観評価した。

【００３７】５級：全く認められない ４級：わずかにく認められるが、ほとんど目立たない ３級：わずかであるが明かに認められる ２級：やや著しい １級：かなり著しい

【００３８】

【発明の効果】本発明によれば、従来のフロッキーヤー
ンでは得られなかった柔軟性、伸縮性および花糸である
短繊維の高い接着強度が得られる。

【００３９】特に、基材糸にポリウレタン弾性糸等の伸
縮性複合糸を用いたことにより、従来のナイロンやポリ
エステル基材糸の場合より格段に柔らかいフロッキーヤ
ーンが得られ、かつ、フロッキーヤーン自体の伸度が改
善され、これにより、糸切れ、織り斑および編み斑を軽
減し、後加工性が改善される。

【００４０】本発明においはさらに、上記で得られたフ
ロッキーヤーンに乾熱あるいは湿熱処理を施すことによ
り、伸度と伸縮性を大幅に向上（改善）せしめることが
できる。上記の織り加工性、編み立て性をさらに格段に
改善させることができる。

【００４１】また本発明においては、カバリングヤーン
に通常使われるウーリーナイロンなど捲縮糸に接着剤が
絡むことにより、花糸の基材糸への食いつき（接着力）
が強くなる。このように接着剤が絡むことにより、通常
のフロッキーヤーンよりさらに花糸が抜けにくくなり、
摩擦による糸抜けを改善し編織物生地での大幅な耐摩耗
性能の向上を果たす。

【００４２】本発明のフロッキーヤーンは風合的にも、
非常に変化のある個性的なフロッキーヤーンを得ること
ができる。織物、編物製品も柔らかく伸縮性があり特に
衣料用に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のフロキーヤーンを例示する横断面図
である。

【図２】 本発明のフロキーヤーンを例示する側断面図
である。

【図３】 従来のフロキーヤーンを例示する横断面図で
ある。

【符号の説明】

１・・・・・基材糸 ２・・・・・接着剤 ３・・・・・短繊維 ４・・・・・基材糸 ５・・・・・芯糸 ６・・・・・鞘糸

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材糸に接着剤を介して単繊維を植毛し
   てなるフロッキーヤーンにおいて、該基材糸として、周
   囲にカバリングヤーンを備えた伸縮性複合糸を用いてな
   ることを特徴とするフロッキーヤーン。
2. 【請求項２】 前記伸縮性複合糸が弾性糸を芯糸とする
   芯鞘型複合糸であることを特徴とする請求項１記載のフ
   ロッキーヤーン。
3. 【請求項３】 前記接着剤がガラス転移点が３５℃以下
   の水系エマルジョン系接着剤であることを特徴とする請
   求項１または２記載のフロッキーヤーン。
4. 【請求項４】 請求項１〜３記載のフロッキーヤーンを
   乾熱処理または／湿熱処理してなることを特徴とするフ
   ロッキーヤーン。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載のフロッ
   キーヤーンを少なくとも一部分に用いてなることを特徴
   とする繊維構造物。