JPH10298553A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶表示素子

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JPH10298553A
JPH10298553A JP9108907A JP10890797A JPH10298553A JP H10298553 A JPH10298553 A JP H10298553A JP 9108907 A JP9108907 A JP 9108907A JP 10890797 A JP10890797 A JP 10890797A JP H10298553 A JPH10298553 A JP H10298553A
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JP
Japan
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group
liquid crystal
halogen atom
carbon atoms
alkyl
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JP9108907A
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English (en)
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Masaharu Kaneko
雅晴 金子
Hideki Sato
秀樹 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯情報端末等に好適な、耐光安定性に優れ
たゲストホスト型液晶組成物および液晶表示素子を提供
する。 【解決手段】 (A)群で示されるジスアゾ系二色性色
素、(B)群で示されるアントラキノン系二色性色素、
(C)群で示されるトリスアゾ系二色性色素、(D)群
で示されるアントラキノン系色素の各群から、少なくと
も1種ずつ選ばれた二色性色素を含有するゲストホスト
型液晶組成物、および該液晶組成物を用いた液晶表示素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子等に用い
られる液晶表示素子に使用する液晶組成物およびこれら
液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタなどを用いたアクティ
ブマトリックス駆動による液晶表示素子において、液晶
材料はフレーム周波数間の蓄積電荷を保持しなければな
らない。そのため液晶材料にはフレーム周波数間の蓄積
電荷の保持能力の高い、すなわち電圧保持率の高い材料
を用いることが必須となっている。これら液晶表示素子
の大半はバックライトを用いる透過型素子である。しか
し近年開発が盛んな携帯情報端末(PDA)は限られた
バッテリーで長時間駆動をする必要があり、部材には消
費電力の少ないものが求められている。表示素子に関し
ても同様で、バックライトを用いない低消費電力型の反
射型素子が好適であり、中でもホスト液晶材料に二色性
色素を添加したゲストホスト液晶組成物を用いた反射型
液晶表示素子は、光の利用効率が高いことから有力であ
る。
【0003】これらの液晶材料として最近は、従来のシ
アノ基を含む液晶材料の代りに、イオン性不純物を含み
にくい、トリフルオロメチル基などのフルオロメチル基
やトリフルオロメトキシ基などのフルオロメトキシ基等
フッ素原子を含む置換基、あるいはフッ素原子を有する
フッ素系液晶材料が用いられるようになってきた。しか
しながらこれらの液晶材料に二色性色素を添加すると、
しばしばホスト液晶のもつ電圧保持特性を大きく損い、
特にキセノンランプ等を光源とする光照射試験後の電圧
保持率の低下が大きい場合があり、ゲストホスト液晶組
成物を用いたアクティブマトリックス駆動液晶表示素子
の実用化は困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の難点
のない、特に光照射後においても電圧保持率の高いカラ
ー液晶組成物および液晶表示素子を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光照射によ
りゲストホスト液晶組成物の電圧保持率が低下するとい
う問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の分子構造
を有する二色性色素とフッ素系液晶材料とを組み合わせ
ることにより、ゲストホスト液晶組成物の電圧保持率
が、キセノンランプ等を光源とする光照射試験の前後に
おいても良好であるということを見出し、本発明に至っ
たものである。すなわち本発明はホスト液晶材料並びに
下記の(A)群、(B)群、(C)群及び(D)群で示
される二色性色素を各々の群から少なくとも一種ずつ含
むことを特徴とする液晶組成物およびこれら液晶組成物
を少なくとも一方が透明な電極基板間に挟持することを
特徴とした液晶表示素子に存する。
【0006】(A)群 下記一般式〔I〕で表わされるアゾ系二色性色素。
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素原子;炭素数1〜10のアルキル基あるいはアルコキ
シ基;炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;ハロゲ
ン原子;もしくはこれらのアルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子あるいはアルコキシアルキル基で置換され
ていてもよいシクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル
基あるいはシクロヘキシルメチル基を表わす。) (B)群 下記一般式〔II〕で表わされるアントラキノン系二色性
色素。
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R3 、R4 、R5 及びR6 はそれ
ぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;炭素数1〜12
のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数
2〜12のアルコキシアルキル基;もしくはこれらのハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基あるいはアルコ
キシアルキル基を置換基として有してもよいシクロヘキ
シル基を示す。) (C)群 下記一般式〔III 〕で表わされるアゾ系二色性色素。
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R7 は水素原子;炭素数1〜10
のアルキル基、アルコキシ基あるいはフッ化アルキル
基;炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;ハロゲン
原子;もしくはこれらのアルキル基、アルコキシ基、フ
ッ化アルキル基、ハロゲン原子あるいはアルコキシアル
キル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、フェ
ニル基、ベンジル基あるいはシクロヘキシルメチル基を
表わし、R8 及びR9 はそれぞれ独立に水素原子;炭素
数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数2〜
12のアルコキシアルキル基;ハロゲン原子;もしくは
アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基ある
いはハロゲン原子で置換されていてもよいシクロヘキシ
ルメチル基あるいはベンジル基を表わす。) (D)群 下記一般式〔IV〕で表わされるアントラキノン系二色性
色素。
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R10及びR11はそれぞれ独立に水
素原子;ハロゲン原子;炭素数1〜10のアルキル基あ
るいはアルコキシ基;炭素数2〜12のアルコキシアル
キル基;もしくはこれらのハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基あるいはアルコキシアルキル基を有しても
良いシクロヘキシル基あるいはフェニル基を示し、
【0015】
【化10】
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の液晶組成物はブラック、
ダークブルー、ブラウン等の色相を有するものであり、
本発明で用いられる色素は上記のような各群で示されて
いる二色性色素の組み合わせにより効果を奏するもの
で、各群の色素はそれぞれ公知である。前記一般式
〔I〕で示される色素は例えば特開昭58−13876
7号公報に、一般式〔IV〕で示される色素は例えば特開
昭59−4650号公報に各々記載されている。また、
前記一般式〔III 〕で示される色素は特開昭63−30
1850号公報等に記載されているほか、日本感光色素
(株)により市販されてもいる。
【0017】次に、このような本発明で用いられる色素
について詳細に説明する。すなわち、前記一般式〔I〕
におけるR1 及びR2 としてはそれぞれ独立に水素原
子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル
基などの直鎖状又は分枝状のC1 〜C10のアルキル基;
メトキシメチル基、ブトキシメチル基、エトキシエチル
基、ブトキシエチル基等の直鎖状又は分枝状のC2 〜C
12のアルコキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、オクトキシ
基等の直鎖状又は分枝状のC1 〜C10のアルコキシ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;こ
れらのアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子あるい
はアルコキシアルキル基で置換されていてもよいシクロ
ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基あるいはシクロヘ
キシルメチル基を示し、好ましくは水素原子;アルキル
基;アルコキシアルキル基;アルコキシ基、更に好まし
くは、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基である。
【0018】前記一般式〔II〕におけるR3 、R4 、R
5 及びR6 としてはそれぞれ、独立に、水素原子;フッ
素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基等の直鎖
状もしくは分枝状のC1 〜C12のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキ
シ基、オクトキシ基等の直鎖状もしくは分枝状のC1
12のアルコキシ基;メトキシメチル基、ブトキシメチ
ル基、メトキシプロピル基、エトキシエチル基、ブトキ
シエチル基等のC2 〜C12のアルコキシアルキル基;こ
れらのハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はア
ルコキシアルキル基で置換されてもよいシクロヘキシル
基を示す。R3 、R4 、R5 及びR6 として好ましいの
は、それぞれ独立に水素原子;メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、ノニル基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分枝状
のC1 〜C12のアルキル基である。
【0019】前記一般式〔III 〕におけるR7 としては
水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
ドデシル基等のC1 〜C10の直鎖状又は分岐状のアルキ
ル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基、ペントキシ基、オクトキシ基等のC1 〜C10の直
鎖状又は分岐状のアルコキシ基;ノナフルオロエチル
基、ペンタフルオロメチル基等のフッ素原子で置換され
たC1 〜C10のフッ化アルキル基;メトキシメチル基、
ブトキシメチル基、メトキシプロピル基、エトキシエチ
ル基、ブトキシエチル基等のC2 〜C12の直鎖状又は分
岐状のアルコキシアルキル基;フッ素原子、塩素原子、
臭素原子等のハロゲン原子;又はこれらのアルキル基、
アルコキシ基、アルコキシアルキル基、フッ化アルキル
基、あるいはハロゲン原子で置換されていてもよいシク
ロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基あるいはシクロ
ヘキシルメチル基を表わし、好ましくは水素原子;メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基等の直
鎖状もしくは分枝状のC1 〜C10のアルキル基である。
8 及びR9 はそれぞれ独立に水素原子;メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基等の直鎖状又は
分岐状のC1 〜C 10のアルキル基;メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、オク
トキシ基等の直鎖状又は分岐状のC1 〜C10のアルコキ
シ基;メトキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシ
プロピル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基等の
直鎖状又は分岐状のC2 〜C12のアルコキシアルキル
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子;もしくはこれらのアルキル基、アルコキシアルキル
基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてい
てもよいシクロヘキシルメチル基あるいはベンジル基を
表わす。中でもR8 及びR 9 として好ましいのは、それ
ぞれ独立に水素原子;メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、
ノニル基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分枝状のC1
〜C10のアルキル基;メトキシメチル基、ブトキシメチ
ル基、メトキシプロピル基、エトキシエチル基、ブトキ
シエチル基等のC2 〜C12のアルコキシアルキル基であ
る。
【0020】前記一般式〔IV〕におけるR10及びR11
しては、それぞれ、水素原子;メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、ノニル基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分枝状
のC1 〜C10のアルキル基;メトキシメチル基、ブトキ
シメチル基、メトキシプロピル基、エトキシエチル基、
ブトキシエチル基等の直鎖状又は分岐状のC2 〜C12
アルコキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、オクトキシ基等
の直鎖状もしくは分枝状のC1 〜C10のアルコキシ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;こ
れらのハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はア
ルコキシアルキル基で置換されてもよいシクロヘキシル
基あるいはフェニル基を示す。
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】R10はメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニ
ル基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分枝状のC1 〜C
10のアルキル基が好ましく、
【0024】
【化13】
【0025】R10はメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニ
ル基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分枝状のC1 〜C
10のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基が好まし
い。R11としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル
基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分枝状のC1 〜C10
のアルキル基で置換されたフェニル基が好ましい。本発
明で使用できる色素の例を下記の第1表にまとめて示す
が、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】本発明に用いるホスト液晶材料としては、
特に限定はないが、好ましくは下記に構造式で示される
ようなフッ素原子か、あるいはトリフルオロメチル基な
どのフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基などの
フルオロメトキシ基等フッ素原子を含む置換基をもつ液
晶化合物を主成分とする、フッ素系液晶材料組成物が挙
げられる。尚、下記の液晶化合物は主として誘電異方性
が正であるが、誘電異方性が負の公知の液晶も、これら
誘電異方性が正の液晶と混合して、全体として正の液晶
材料にして用いることができる。
【0030】
【化14】
【0031】(式中R′、X′はそれぞれ単独してアル
キル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルキ
ルフェニル基、アルコキシアルキルフェニル基、アルコ
キシフェニル基、アルキルシクロヘキシル基、アルコキ
シアルキルシクロヘキシル基、アルコキシシクロヘキシ
ル基、アルキルシクロヘキシルフェニル基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基などのフルオロメチル基、ト
リフルオロメトキシ基などのフルオロメトキシ基、アル
キルフェニルアルキル基、アルコキシアルキルフェニル
アルキル基、アルキルシクロヘキシルアルキル基、アル
コキシアルコキシシクロヘキシルアルキル基、アルコキ
シフェニルアルキル基、アルキルシクロヘキシルフェニ
ルアルキル基を示し、さらに上記各基のアルキル鎖、ア
ルコキシ鎖中に光学活性中心を有しても良い。又、
R′、X′中のフェニル基又はフェノキシ基は、フッ素
原子、塩素原子などのハロゲン原子でさらに置換されて
いても良い。又各式中のフェニル基は1個又は2個のフ
ッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子でさらに置換され
ていても良い。)
【0032】更に上記の液晶化合物はコレステリルノナ
ノエートのような光学活性物質、紫外線吸収剤、酸化防
止剤などの添加物を含有しても良い。本発明の液晶組成
物は、前記(A)群、(B)群、(C)群および(D)
群の各々の群から選ばれる少なくとも一種ずつの色素を
上記の液晶化合物に公知の方法に従って溶解させること
により、容易に調整することができる。
【0033】(A)群、(B)群、(C)群および
(D)群で表わされる各色素群の使用量は、得ようとす
る色相によって適宜選択されるが、ブラック、ブラウ
ン、ダークブルー等の色相を有する組成物を得るために
は、ホスト液晶材料に対して(A)群色素0.02〜
3.1重量%、(B)群色素0.01〜2.3重量%、
(C)群色素0.01〜1.9重量%、(D)群色素
0.05〜8.9重量%使用することが好ましく、二色
性色素の全使用量はホスト液晶材料に対して0.1〜1
5重量%、好ましくは0.5〜6重量%である。
【0034】このように調整された液晶組成物を、少な
くとも一方が透明な1対の電極基板間に挟持させること
により、例えば、「液晶デバイスハンドブック、日本学
術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社発行、第3
15頁から第329頁」等に記載されているHeilm
eier型ゲストホスト、相転移型ゲストホストや「液
晶デバイスハンドブック、日本学術振興会第142委員
会編、日刊工業新聞社発行、第367頁から第370
頁」等に記載されている高分子分散型ゲストホストなど
のゲストホスト効果を応用した各種表示素子を構成する
ことができる。
【0035】このように、本発明では液晶表示素子のモ
ードは種々のものが使用可能であるが、ネマチック液晶
組成物中に光学活性物質を加えることにより得られる相
転移モードでは、通常用いられる偏光板が不要となる為
表示が明るく、反射型液晶表示素子として特に好まし
い。本発明の液晶表示素子の一例として、図1及び図2
にアクティブ駆動方式の相転移モードゲストホスト型液
晶表示素子の略示的断面図を示す。図1は液晶表示素子
の電圧無印加状態を表わし、図2は電圧印加状態を表わ
す。図中、1は入射光、2は透明ガラス板、3は透明電
極、4はアクティブ素子、5は配向膜、6は液晶化合
物、7は二色性色素を示す。
【0036】電圧無印加時(図1)では、液晶化合物6
はコレステリック相を示す。二色性色素7も液晶化合物
6と共にコレステリック構造を示すので、入射光1は自
然光であっても、偏光板を用いることなく色素7に吸収
される。電圧を印加すると(図2)、液晶化合物6と二
色性色素7は電界方向に配列するため、光は透過する。
このように、液晶表示素子では電界の有無によって、光
の透過、吸収を制御することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、その要旨を越えない限り以下に限定されるもの
ではない。 〔実施例1〕下記の二色性色素を商品名ZLI−479
2(E.MERCK社製)として市販されているNp型
フッ素系化合物を主成分とする液晶混合物100gに溶
解させて液晶組成物−Iを調製した。
【0038】この液晶組成物−Iをポリイミド系樹脂を
塗布硬化後、ラビングしてホモジニアス配向処理された
透明電極付きガラス板からなり、その配向処理面を対向
させるように構成されたギャップ6μmのセルに封入し
液晶表示素子を作成した。このセルを25℃下で電圧5
V、ON時間60μsec、フレーム周波数3Hz(保
持時間167msec)のパルス信号を印加し電圧保持
率を測定した。更に、このセルの表面に透過限界波長が
380nmであるトリアセチルセルロース製シャープカ
ットフィルターを配し、キセノンフェードメーターによ
る光照射試験(照射強度320W/m2 )を行った後に
電圧保持率を測定した。測定結果を第2表に示す。
【0039】〔実施例2〕下記の二色性色素を商品名Z
LI−4792(E.MERCK社製)として市販され
ているフッ素系化合物を主成分とする液晶混合物100
gに溶解させて液晶組成物−IIを調製した。 一般式〔II〕で示される色素混合物 0.75g
【0040】(R3 〜R6 はそれぞれ独立に−H又は−
4 9 (t)であり、混合物中の各化合物の重量比率
は テトラキス−t−ブチル体 2.2 トリス−t−ブチル体 3.9 ビス−t−ブチル体 4.7 モノ−t−ブチル体 3.0 t−ブチル基を有しないもの 1.0 である。) この液晶組成物−IIを用いて実施例と同様な方法により
液晶表示素子を作製し、実施例と同様な方法により光照
射試験前後の電圧保持率を測定した。結果を第2表に示
す。
【0041】〔比較例1〕商品名ZLI−4792
(E.MERCK社製)として市販されているフッ素系
化合物を主成分とする液晶混合物100gに、下記の二
色性色素を溶解させて液晶組成物−III (一般式〔II〕
に該当する色素を含まない組成)を調製した。 下記構造式〔V〕で示される色素 0.25g
【0042】
【化15】
【0043】この液晶組成物−III を用いて実施例と同
様な方法により液晶表示素子を作製し、実施例1、実施
例2と同様な方法により光照射試験前後の電圧保持率を
測定した。結果を第2表に示す。実施例1、実施例2と
比較して光照射試験後に低い値を示した。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によって、耐光
安定性の優れたゲストホスト液晶組成物によるアクティ
ブマトリックス液晶表示素子が可能となり、耐光性の改
善された表示を得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるゲストホスト型液晶表示素子の
電圧無印加状態の略示的断面図を表す。
【図2】本発明に係わるゲストホスト型液晶素子の、電
圧印加状態の略示的断面図を表す。
【符号の説明】
1 入射光 2 透明ガラス板 3 透明電極 4 アクティブ素子 5 配向膜 6 液晶化合物 7 二色性色素

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二色性色素およびホスト液晶材料を含む
    ゲストホスト型液晶組成物において、下記(A)群、
    (B)群、(C)群及び(D)群で示される二色性色素
    を各々の群から少なくとも一種ずつ含むことを特徴とす
    るゲストホスト型液晶組成物。 (A)群 下記一般式〔I〕で表わされるアゾ系二色性色素。 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子;炭素
    数1〜10のアルキル基あるいはアルコキシ基;炭素数
    2〜12のアルコキシアルキル基;ハロゲン原子;もし
    くはこれらのアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子
    あるいはアルコキシアルキル基で置換されていてもよい
    シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基あるいはシ
    クロヘキシルメチル基を表わす。) (B)群 下記一般式〔II〕で表わされるアントラキノン系二色性
    色素。 【化2】 (式中、R3 、R4 、R5 及びR6 はそれぞれ独立に、
    水素原子;ハロゲン原子;炭素数1〜12のアルキル
    基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数2〜12の
    アルコキシアルキル基;もしくはこれらのハロゲン原
    子、アルキル基、アルコキシ基あるいはアルコキシアル
    キル基を置換基として有してもよいシクロヘキシル基を
    示す。) (C)群 下記一般式〔III 〕で表わされるアゾ系二色性色素。 【化3】 (式中、R7 は水素原子;炭素数1〜10のアルキル
    基、アルコキシ基あるいはフッ化アルキル基;炭素数2
    〜12のアルコキシアルキル基;ハロゲン原子;もしく
    はこれらのアルキル基、アルコキシ基、フッ化アルキル
    基、ハロゲン原子あるいはアルコキシアルキル基で置換
    されていてもよいシクロヘキシル基、フェニル基、ベン
    ジル基あるいはシクロヘキシルメチル基を表わし、R8
    及びR9 はそれぞれ独立に水素原子;炭素数1〜10の
    アルキル基又はアルコキシ基;炭素数2〜12のアルコ
    キシアルキル基;ハロゲン原子;もしくはアルキル基、
    アルコキシアルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン
    原子で置換されていてもよいシクロヘキシルメチル基あ
    るいはベンジル基を表わす。) (D)群 下記一般式〔IV〕で表わされるアントラキノン系二色性
    色素。 【化4】 (式中、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子;ハロ
    ゲン原子;炭素数1〜10のアルキル基あるいはアルコ
    キシ基;炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;もし
    くはこれらのハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基
    あるいはアルコキシアルキル基を有しても良いシクロヘ
    キシル基あるいはフェニル基を示し、 【化5】
  2. 【請求項2】 ホスト液晶材料がフッ素系液晶材料であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の液晶組成物を、少なく
    とも一方が透明な1対の電極基板間に挟持したことを特
    徴とする液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012082400A (ja) * 2010-09-14 2012-04-26 Mitsubishi Chemicals Corp 二色性色素、液晶組成物、及び液晶素子

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