JPH10298549A - 発光組成物及びそれを用いた蛍光ランプ - Google Patents

発光組成物及びそれを用いた蛍光ランプ

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JPH10298549A
JPH10298549A JP10994897A JP10994897A JPH10298549A JP H10298549 A JPH10298549 A JP H10298549A JP 10994897 A JP10994897 A JP 10994897A JP 10994897 A JP10994897 A JP 10994897A JP H10298549 A JPH10298549 A JP H10298549A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視域〜紫外域に発光する蛍光ランプの効率
を向上する事を目的とする。 【構成】 主発光波長が可視域にある可視発光蛍光体と
主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を少なくと
も含む発光組成物において、該可視発光蛍光体の平均粒
径は2〜5μmの範囲であり、該紫外線放射蛍光体の平
均粒径は1.5〜3.5μmであることを特徴とする発
光組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視域に発光する蛍光
体と、紫外線を放射する蛍光体からなる塗布組成物と、
それを具備する蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般照明に使用する蛍光ランプは、基本
的に白色系の発光を示し、通常、蛍光ランプは可視域の
発光を利用するが、特殊な蛍光ランプには太陽光に発光
帯がほぼ近似しているものがある。太陽光には、ほぼ白
色の可視光と紫外線、及び赤外線を含んでいる。そこ
で、太陽光をターゲットとする蛍光ランプには分光分布
が太陽光にほぼ近いことが要求される。
【0003】地下街、大規模なビルディング等、今日の
社会生活の場には、太陽光から完全に遮断された空間が
あり、そのような場所において、従事する労働者、ある
いはそのような場所で生育している植物等には、一般照
明用の蛍光ランプから得られない紫外線或いは赤外線を
含んでいる蛍光ランプが有用である。特に紫外線は生体
に吸収され複雑なメカニズムによる生理作用があり重要
である。
【0004】蛍光ランプにおいて上述したような紫外
域、可視域、赤外域に発光帯を有するものを実現するに
は、紫外域に放射する紫外線放射蛍光体、可視域に発光
する白色系の蛍光体、及び赤外域に放射する赤外線放射
蛍光体を適当に組み合わせて太陽光に近似した発光スペ
クトルを得る必要がある。この場合、蛍光ランプの放電
空間中で発生する紫外線はこれら3種の蛍光体を励起す
るために利用され、そのため可視域での発光は低下し、
すなわちランプ光束は低下する。
【0005】蛍光ランプに紫外線あるいは赤外線を放射
するという機能を付与することにより、ランプ本来の照
明機能が低下することは望ましいことではない。そこ
で、このような機能性蛍光ランプであってもランプ光束
はできるだけ高いものが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するために成されたものであり、その目的は、可
視域に発光する蛍光体と紫外域に放射する蛍光体からな
る塗布組成物を最適化することにより蛍光ランプから出
力される可視光と紫外線放射量を大きくすることができ
る高効率の蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は課題を解決す
るために鋭意検討した結果、塗布組成物中の可視域に発
光する蛍光体及び紫外域に発光する蛍光体の粒径を最適
化することで課題を解決できることを見いだし本発明を
完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明の塗布組成物は、主発光
波長が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外
域にある紫外線放射蛍光体を少なくとも含む発光組成物
において、可視発光蛍光体の平均粒径は2〜5μmの範
囲であり、紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.
5μmであることを特徴とする。
【0009】紫外線放射蛍光体の発光組成物全体に対す
る割合は、1〜20重量%の範囲であることが好まし
い。
【0010】可視発光蛍光体は(SrCaBaMg)5
(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、
LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,T
b、及びY2O3:Euの群から選ばれる少なくとも2種
の混合物であり、その混合物の発光色度は白色域にある
ことが好ましい。
【0011】紫外線放射蛍光体は、BaSi2O5:P
b、SrB4O7:Eu、YPO4:Ce、及びMgAl1
1O19:Ceの群から選ばれる少なくとも1種の蛍光体
であることが好ましい。
【0012】本発明は可視発光蛍光体と紫外線放射蛍光
体の両方を備える発光組成物及びそれを用いた蛍光ラン
プに関するが、可視発光蛍光体及び紫外線放射蛍光体以
外にも、赤外線放射蛍光体を併用することも可能であ
り、これを混合しても本発明の特徴はそのまま保存され
る。赤外線放射蛍光体としてLiAlO2:Feが好ま
しく使用することができる。
【0013】また、本発明の蛍光ランプは、主発光波長
が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外域に
ある紫外線放射蛍光体を含む発光組成物を塗布した蛍光
ランプにおいて、該可視発光蛍光体の平均粒径は2〜6
μmの範囲であり、該紫外放射蛍光体の平均粒径は1.
5〜3.5μmの範囲であり、塗布組成物の塗布量は2
〜4mg/cm2の範囲であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
<塗布組成物>本発明において塗布組成物は、主として
蛍光体(紫外線放射蛍光体、可視発光蛍光体、及び赤外
線放射蛍光体)のことを指すが、蛍光体のみならず、増
量剤あるいは結着剤等も含んでもよい。
【0015】<可視発光蛍光体>可視発光蛍光体は蛍光
ランプに使用されている蛍光体であるならば基本的に使
用することが可能である。たとえば、(SrCaBaM
g)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:E
u、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Sr5(PO
4)3Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11
O19:Ce,Tb、Y2O3:Eu、Y(PV)O4:E
u、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca10(P
O4)6FCl:Sb,Mn、Sr10(PO4)6FCl:
Sb,Mn、(SrMg)2P2O7:Eu、Sr2P2O
7:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO4、
(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu、Sr4Al14O2
5:Eu、Zn2SiO4:Mn等がある。
【0016】可視発光蛍光体の中でも特に白色域に発光
する蛍光体、あるいはそれぞれの発光を混色することで
白色域に発光する蛍光体の組み合わせであることが実用
上要求される。たとえば白色系の蛍光体として、単品で
はCa10(PO4)6FCl:Sb,Mn蛍光体を使用す
ることができる。また、青色発光蛍光体と、緑色発光蛍
光体、及び赤色発光蛍光体を組み合わせることで白色系
に発光する三波長蛍光体が好ましく使用することができ
る。この三波長蛍光体は、青色発光蛍光体として(Sr
CaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、及びBaMg2
Al16O27:Eu、緑色発光蛍光体として、LaPO
4:Ce,Tb、及びMgAl11O19:Ce,Tb、赤
色発光蛍光体としてY2O3:Euが好ましく使用するこ
とができる。
【0017】可視発光蛍光体の平均粒径は2〜5μmの
範囲であることが好ましい。それはこの範囲より小さい
と通常の蛍光ランプの塗布量である2〜4mg/cm2
の範囲に塗布する場合、蛍光ランプの光束が低下するか
らである。逆に、この範囲より蛍光体塗布量が多い場合
もランプ光束は低下するからである。ここで平均粒径D
aは、空気透過法により比表面積を測定し、一次粒子の
粒径の平均値を求めたものであり、フィッシャーサブシ
ーブサイザー(F.S.S.S.)を用いて測定した値である。
【0018】<紫外線放射蛍光体>紫外線放射蛍光体
は、主発光波長が380nm以下である蛍光ランプに使
用されている蛍光体であるならば基本的に使用すること
が可能である。例えば、BaSi2O5:Pb、SrB4
O7:Eu、 YPO4:Ce、MgAl11O19:Ce、
(CaZn)3(PO4)2:Tl、LaPO4:Ce等が
ある。
【0019】本発明において、上記した紫外線放射蛍光
体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲であることが
要求され、これは本発明の特に重要な構成である。これ
は紫外線放射蛍光体単独でなく、可視発光蛍光体と混合
した塗布組成物を塗布した蛍光ランプにおける最適な紫
外線放射蛍光体の平均粒径である。
【0020】<SrB4O7:Eu蛍光体>紫外線放射蛍
光体としてSrB4O7:Eu蛍光体を選択し、可視発光
蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:
Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光
体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部
混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択
し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放
射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになる
ように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特に
UVA出力について測定した相対値を図1にまとめた。
図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場
合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μ
m、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表してい
る。また(b)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体
に対する割合が20重量%である場合、(c)は、Sr
B4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量
%である場合、(d)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全
蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域
の紫外線の相対放射出力である。
【0021】図1より、SrB4O7:Eu蛍光体のみを
塗布した蛍光ランプの場合、SrB4O7:Eu蛍光体の
平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大
きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径
が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対
して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線
(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合である
が、SrB4O7:Eu蛍光体の平均粒径は2.0〜3.
0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さく
てもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向であ
る。このようにSrB4O7:Eu蛍光体を単独に塗布し
た蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0022】<BaSi2O5:Pb蛍光体>紫外線放射
蛍光体としてBaSi2O5:Pb蛍光体を選択し、可視
発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3C
l:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb
蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重
量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を
選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外
線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gに
なるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、
特にUVA出力について測定した相対値を図2にまとめ
た。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%
の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.
5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表し
ている。また(b)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全
蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)
は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合
が10重量%である場合、(d)は、BaSi2O5:P
b蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合
のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0023】図2より、BaSi2O5:Pb蛍光体のみ
を塗布した蛍光ランプの場合、BaSi2O5:Pb蛍光
体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっと
も大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均
粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μm
に対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲
線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であ
るが、BaSi2O5:Pb蛍光体の平均粒径は2.0〜
3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小
さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向
である。このようにBaSi2O5:Pb蛍光体を単独に
塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0024】<YPO4:Ce蛍光体>紫外線放射蛍光
体としてYPO4:Ce蛍光体を選択し、可視発光蛍光
体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu
蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を
30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合
した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、
40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍
光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるよう
に塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUV
A出力について測定した相対値を図3にまとめた。図中
(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合に
ついて同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、
3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。
また(b)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対す
る割合が20重量%である場合、(c)は、YPO4:
Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である
場合、(d)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対
する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の
相対放射出力である。
【0025】図3より、YPO4:Ce蛍光体のみを塗
布した蛍光ランプの場合、YPO4:Ce蛍光体の平均
粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きく
なり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が
1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対し
て84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線
(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合である
が、YPO4:Ce蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0
μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくて
もまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向であ
る。このようにYPO4:Ce蛍光体を単独に塗布した
蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0026】<MgAl11O19:Ce蛍光体>紫外線放
射蛍光体としてMgAl11O19:Ce蛍光体を選択し、
可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)
3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,T
b蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40
重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体
を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫
外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5g
になるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製
し、特にUVA出力について測定した相対値を図4にま
とめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体10
0%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、
2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を
表している。また(b)は、BaSi2O5:Pb蛍光体
の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、
(c)は、MgAl11O19:Ce蛍光体の全蛍光体に対
する割合が10重量%である場合、(d)は、MgAl
11O19:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%
である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力であ
る。
【0027】図4より、MgAl11O19:Ce蛍光体の
みを塗布した蛍光ランプの場合、MgAl11O19:Ce
蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はも
っとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。
平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5
μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対
し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場
合であるが、MgAl11O19:Ce蛍光体の平均粒径は
2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均
粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は
低下傾向である。このようにMgAl11O19:Ce蛍光
体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示
している。
【0028】紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体を混合
した塗布組成物を使用した蛍光ランプにおいて、UVA
放射出力については紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.
5〜3.5μmの範囲が好ましく、2〜3μmの範囲が
最適であることがわかる。これは可視発光蛍光体単独で
使用する場合、あるいは紫外線放射蛍光体を単独で使用
する場合には明らかではなかったが、可視発光と紫外線
の両方を必要とするような用途に初めて有用となる。
【0029】紫外線放射蛍光体の発光組成物全体に対す
る割合は、1〜20重量%の範囲であることが好まし
い。それはこの範囲より紫外線放射蛍光体が少ないと、
紫外線の放射強度が足りず、単なる可視発光の白色系の
蛍光ランプとなるためであり、本発明の対象外となるた
めであり、逆に、この範囲より紫外線放射蛍光体が多く
なると、蛍光ランプのランプ光束が大幅に低下し、本来
の照明用としての機能が低下するからである。
【0030】
【実施例】実施例で本発明の製造方法を詳説するが、以
下に示す実施例は本発明を具体化する一例を示すもので
あり、本発明を拘束するものではない。
【0031】<SrB4O7:Eu蛍光体使用> 前記紫外線放射蛍光体としてSrB4O7:Euを選択
し、可視発光蛍光体として、平均粒径4.5μmの(S
rCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、平均粒径
3.5μmのLaPO4:Ce,Tb、平均粒径3.5
μmのY2O3:Euを30:30:40の重量比で混合
した平均粒径3.8μmの三波長混合蛍光体を使用する
例を基に以下に説明する。
【0032】SrB4O7:Eu蛍光体は、目的組成の
化学両論比に原料を混合し、900℃で5時間焼成し、
分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μ
mの蛍光体を得た。
【0033】得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそ
れを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入
れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜
5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.
5μm、及び3.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体を得
た。
【0034】[実施例1]で得られた三波長混合蛍光
体を80重量%とで得られた平均粒径1.5μmのS
rB4O7:Eu蛍光体20重量%を混合し塗布組成物を
得た。次に、この塗布組成物15gと1%ニトロセルロ
ース・酢酸ブチル溶液20gに懸濁して蛍光体塗布スラ
リーを調製した。
【0035】得られた塗布スラリーをFL40ss管の
内面に塗布し温風により乾燥し、電気炉で450℃で1
5分間ベークした。塗布前後の重量差を測定することで
塗布組成物の塗布量は3.5gであった。ここで3.5
gから逸脱する場合は、塗布スラリー中に仕込む塗布組
成物の量を調整することで3.5g付近に調節すること
ができる。得られた塗布ガラス管に口金を取り付けて、
排気し、水銀及び希ガスを封入して本発明の蛍光ランプ
を得た。
【0036】[実施例2、3]で得られた蛍光体とし
て、平均粒径が2.5μm及び3.5μmのSrB4O
7:Eu蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、
塗布組成物を調製し、同様にして実施例2及び実施例3
の蛍光ランプを作製した。
【0037】[比較例1]平均粒径が4.5μmのBa
Si2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様に
して、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作
製した。
【0038】<BaSi2O5:Pb蛍光体使用>BaS
i2O5:Pb蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を
混合し、1000℃で5時間焼成し、分散処理をすると
いう通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得
た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁
させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体
とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕
し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及
び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0039】[実施例4、5、6]平均粒径が1.5μ
m、2.5μm及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍
光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物
を調製し、同様にしてそれぞれ実施例4、5、6の蛍光
ランプを作製した。
【0040】[比較例2]平均粒径が4.5μmのBa
Si2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様に
して、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作
製した。
【0041】<YPO4:Ce蛍光体使用>YPO4:C
e蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1
250℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の
方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた
平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の
水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重
量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥
することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μm
のBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0042】[実施例7、8、9]平均粒径が1.5μ
m、2.5μm及び3.5μmのYPO4:Ce蛍光体
を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調
製し、同様にしてそれぞれ実施例7、8、9の蛍光ラン
プを作製した。
【0043】[比較例3]平均粒径が4.5μmのYP
O4:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にし
て、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製
した。
【0044】<MgAl11O19:Ce蛍光体使用>Mg
Al11O19:Ce蛍光体は、目的組成の化学両論比に原
料を混合し、1400℃で5時間焼成し、分散処理をす
るという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を
得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸
濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光
体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉
砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、
及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0045】[実施例10、11、12]平均粒径が
1.5μm、2.5μm及び3.5μmのMgAl11O
19:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、
塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例10、
11、12の蛍光ランプを作製した。
【0046】[比較例4]平均粒径が4.5μmのMg
Al11O19:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様
にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを
作製した。
【0047】これら本発明の実施例及び比較例の蛍光ラ
ンプについて、UVAの放射出力の相対値を、それぞれ
図1〜図4の曲線(b)にプロットした。図上のそれぞ
れの実験点が各実施例及び比較例に一致する。ここで、
UVAの相対出力は、平均粒径が4.5μmの紫外線放
射蛍光体単品をほぼ3.5g塗布したそれぞれの蛍光ラ
ンプのUVA出力を100%とした値である。
【0048】[実施例13]で得られた三波長混合蛍
光体を87重量%とで得られた平均粒径2.5μmの
BaSi2O5:Pb蛍光体13重量%を混合し塗布組成
物を得た。次に、この塗布組成物15gと1%ニトロセ
ルロース・酢酸ブチル溶液20gに懸濁して蛍光体塗布
スラリーを調製し、実施例1と同様にして蛍光ランプを
作製した。得られた蛍光ランプの発光特性について、平
均粒径が4.5μmであるBaSi2O5:Pb蛍光体を
塗布組成物全体の20重量%配合した蛍光ランプ(比較
例2)と同時にまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1より実施例13は、BaSi2O5:P
b蛍光体を減らしたのに関わらずUVAの出力はほぼ同
等である。一方、可視域の発光については向上してい
る。これは可視発光蛍光体の配合量を比較例2に比べて
増やすことができたことによる。比較例2で使用するよ
りも小粒子のBaSi2O5:Pb蛍光体を使用すること
により、塗布組成物中の紫外線放射蛍光体の配合量は削
減でき、その結果、可視発光蛍光体の配合量が相対的に
増加したためである。
【0051】
【発明の効果】以上に述べたように、可視発光蛍光体と
紫外線放射蛍光体を混合した塗布組成物を使用した蛍光
ランプにおいて、該可視発光蛍光体の平均粒径を2〜5
μmの範囲、紫外線放射蛍光体の平均粒径を1.5〜
3.5μmの範囲とすることで、紫外線放射蛍光体の配
合量を減らすことができ、結果として可視発光蛍光体の
配合量が増加でき、ランプの発光効率を向上することが
できる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】SrB4O7:Eu蛍光体を使用した蛍光ランプ
のUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を
示す特性図
【図2】BaSi2O5:Pb蛍光体を使用した蛍光ラン
プのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係
を示す特性図
【図3】YPO4:Ce蛍光体を使用した蛍光ランプの
UVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示
す特性図
【図4】MgAl11O19:Ce蛍光体を使用した蛍光ラ
ンプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関
係を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 11/81 CPW C09K 11/81 CPW H01J 61/42 H01J 61/42 M N 61/44 61/44 N

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主発光波長が可視域にある可視発光蛍光
    体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を少な
    くとも含む発光組成物において、該可視発光蛍光体の平
    均粒径は2〜5μmの範囲であり、該紫外線放射蛍光体
    の平均粒径は1.5〜3.5μmであることを特徴とす
    る発光組成物。
  2. 【請求項2】 前記紫外線放射蛍光体の前記発光組成物
    全体に対する割合は、1〜20重量%の範囲であること
    を特徴とする請求項1に記載の発光組成物。
  3. 【請求項3】 前記可視発光蛍光体は(SrCaBaM
    g)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:E
    u、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,
    Tb、及びY2O3:Euの群から選ばれる少なくとも2
    種の混合物であり、その混合物の発光色度は白色域にあ
    ることを特徴とする請求項1に記載の発光組成物。
  4. 【請求項4】 前記紫外線放射蛍光体は、BaSi2O
    5:Pb、SrB4O7:Eu、YPO4:Ce、及びMg
    Al11O19:Ceの群から選ばれる少なくとも1種の蛍
    光体であることを特徴とする請求項1に記載の発光組成
    物。
  5. 【請求項5】 主発光波長が可視域にある可視発光蛍光
    体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を含む
    発光組成物を塗布した蛍光ランプにおいて、該可視発光
    蛍光体の平均粒径は2〜6μmの範囲であり、該紫外放
    射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲であ
    り、塗布組成物の塗布量は2〜4mg/cm2の範囲で
    あることを特徴とする蛍光ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212553A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Kasei Optonix Co Ltd 真空紫外線用燐酸ランタン蛍光体及び希ガス放電ランプ
JP2012017370A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Nec Lighting Ltd 蛍光体および該蛍光体を備える発光装置

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