JP3675606B2 - 発光組成物及びそれを用いた蛍光ランプ - Google Patents
発光組成物及びそれを用いた蛍光ランプ Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、可視域に発光する蛍光体と、紫外線を放射する蛍光体からなる塗布組成物と、それを具備する蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般照明に使用する蛍光ランプは、基本的に白色系の発光を示し、通常、蛍光ランプは可視域の発光を利用するが、特殊な蛍光ランプには太陽光に発光帯がほぼ近似しているものがある。太陽光には、ほぼ白色の可視光と紫外線、及び赤外線を含んでいる。そこで、太陽光をターゲットとする蛍光ランプには分光分布が太陽光にほぼ近いことが要求される。
【0003】
地下街、大規模なビルディング等、今日の社会生活の場には、太陽光から完全に遮断された空間があり、そのような場所において、従事する労働者、あるいはそのような場所で生育している植物等には、一般照明用の蛍光ランプから得られない紫外線或いは赤外線を含んでいる蛍光ランプが有用である。特に紫外線は生体に吸収され複雑なメカニズムによる生理作用があり重要である。
【0004】
蛍光ランプにおいて上述したような紫外域、可視域、赤外域に発光帯を有するものを実現するには、紫外域に放射する紫外線放射蛍光体、可視域に発光する白色系の蛍光体、及び赤外域に放射する赤外線放射蛍光体を適当に組み合わせて太陽光に近似した発光スペクトルを得る必要がある。この場合、蛍光ランプの放電空間中で発生する紫外線はこれら3種の蛍光体を励起するために利用され、そのため可視域での発光は低下し、すなわちランプ光束は低下する。
【0005】
蛍光ランプに紫外線あるいは赤外線を放射するという機能を付与することにより、ランプ本来の照明機能が低下することは望ましいことではない。そこで、このような機能性蛍光ランプであってもランプ光束はできるだけ高いものが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、可視域に発光する蛍光体と紫外域に放射する蛍光体からなる塗布組成物を最適化することにより蛍光ランプから出力される可視光と紫外線放射量を大きくすることができる高効率の蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は課題を解決するために鋭意検討した結果、塗布組成物中の可視域に発光する蛍光体及び紫外域に発光する蛍光体の粒径を最適化することで課題を解決できることを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の塗布組成物は、主発光波長が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を少なくとも含む発光組成物において、可視発光蛍光体の平均粒径は2〜5μmの範囲であり、紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmであることを特徴とする。
【0009】
紫外線放射蛍光体の発光組成物全体に対する割合は、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0010】
可視発光蛍光体は(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、及びY2O3:Euの群から選ばれる少なくとも2種の混合物であり、その混合物の発光色度は白色域にあることが好ましい。
【0011】
紫外線放射蛍光体は、BaSi2O5:Pb、SrB4O7:Eu、YPO4:Ce、及びMgAl11O19:Ceの群から選ばれる少なくとも1種の蛍光体であることが好ましい。
【0012】
本発明は可視発光蛍光体と紫外線放射蛍光体の両方を備える発光組成物及びそれを用いた蛍光ランプに関するが、可視発光蛍光体及び紫外線放射蛍光体以外にも、赤外線放射蛍光体を併用することも可能であり、これを混合しても本発明の特徴はそのまま保存される。赤外線放射蛍光体としてLiAlO2:Feが好ましく使用することができる。
【0013】
また、本発明の蛍光ランプは、主発光波長が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を含む発光組成物を塗布した蛍光ランプにおいて、該可視発光蛍光体の平均粒径は2〜6μmの範囲であり、該紫外放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲であり、塗布組成物の塗布量は2〜4mg/cm2の範囲であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
<塗布組成物>
本発明において塗布組成物は、主として蛍光体(紫外線放射蛍光体、可視発光蛍光体、及び赤外線放射蛍光体)のことを指すが、蛍光体のみならず、増量剤あるいは結着剤等も含んでもよい。
【0015】
<可視発光蛍光体>
可視発光蛍光体は蛍光ランプに使用されている蛍光体であるならば基本的に使用することが可能である。たとえば、(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Sr5(PO4)3Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、Y2O3:Eu、Y(PV)O4:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,Mn、Sr10(PO4)6FCl:Sb,Mn、(SrMg)2P2O7:Eu、Sr2P2O7:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO4、(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu、Sr4Al14O25:Eu、Zn2SiO4:Mn等がある。
【0016】
可視発光蛍光体の中でも特に白色域に発光する蛍光体、あるいはそれぞれの発光を混色することで白色域に発光する蛍光体の組み合わせであることが実用上要求される。たとえば白色系の蛍光体として、単品ではCa10(PO4)6FCl:Sb,Mn蛍光体を使用することができる。また、青色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体、及び赤色発光蛍光体を組み合わせることで白色系に発光する三波長蛍光体が好ましく使用することができる。この三波長蛍光体は、青色発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、及びBaMg2Al16O27:Eu、緑色発光蛍光体として、LaPO4:Ce,Tb、及びMgAl11O19:Ce,Tb、赤色発光蛍光体としてY2O3:Euが好ましく使用することができる。
【0017】
可視発光蛍光体の平均粒径は2〜5μmの範囲であることが好ましい。それはこの範囲より小さいと通常の蛍光ランプの塗布量である2〜4mg/cm2の範囲に塗布する場合、蛍光ランプの光束が低下するからである。逆に、この範囲より蛍光体塗布量が多い場合もランプ光束は低下するからである。ここで平均粒径Daは、空気透過法により比表面積を測定し、一次粒子の粒径の平均値を求めたものであり、フィッシャーサブシーブサイザー(F.S.S.S.)を用いて測定した値である。
【0018】
<紫外線放射蛍光体>
紫外線放射蛍光体は、主発光波長が380nm以下である蛍光ランプに使用されている蛍光体であるならば基本的に使用することが可能である。例えば、BaSi2O5:Pb、SrB4O7:Eu、 YPO4:Ce、MgAl11O19:Ce、(CaZn)3(PO4)2:Tl、LaPO4:Ce等がある。
【0019】
本発明において、上記した紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲であることが要求され、これは本発明の特に重要な構成である。これは紫外線放射蛍光体単独でなく、可視発光蛍光体と混合した塗布組成物を塗布した蛍光ランプにおける最適な紫外線放射蛍光体の平均粒径である。
【0020】
<SrB4O7:Eu蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてSrB4O7:Eu蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図1にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0021】
図1より、SrB4O7:Eu蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、SrB4O7:Eu蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、SrB4O7:Eu蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにSrB4O7:Eu蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0022】
<BaSi2O5:Pb蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてBaSi2O5:Pb蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図2にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0023】
図2より、BaSi2O5:Pb蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、BaSi2O5:Pb蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、BaSi2O5:Pb蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにBaSi2O5:Pb蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0024】
<YPO4:Ce蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてYPO4:Ce蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図3にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0025】
図3より、YPO4:Ce蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、YPO4:Ce蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、YPO4:Ce蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにYPO4:Ce蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0026】
<MgAl11O19:Ce蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてMgAl11O19:Ce蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図4にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、MgAl11O19:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、MgAl11O19:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0027】
図4より、MgAl11O19:Ce蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、MgAl11O19:Ce蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、MgAl11O19:Ce蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにMgAl11O19:Ce蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0028】
紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体を混合した塗布組成物を使用した蛍光ランプにおいて、UVA放射出力については紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲が好ましく、2〜3μmの範囲が最適であることがわかる。これは可視発光蛍光体単独で使用する場合、あるいは紫外線放射蛍光体を単独で使用する場合には明らかではなかったが、可視発光と紫外線の両方を必要とするような用途に初めて有用となる。
【0029】
紫外線放射蛍光体の発光組成物全体に対する割合は、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。それはこの範囲より紫外線放射蛍光体が少ないと、紫外線の放射強度が足りず、単なる可視発光の白色系の蛍光ランプとなるためであり、本発明の対象外となるためであり、逆に、この範囲より紫外線放射蛍光体が多くなると、蛍光ランプのランプ光束が大幅に低下し、本来の照明用としての機能が低下するからである。
【0030】
【実施例】
実施例で本発明の製造方法を詳説するが、以下に示す実施例は本発明を具体化する一例を示すものであり、本発明を拘束するものではない。
【0031】
<SrB4O7:Eu蛍光体使用>
▲1▼前記紫外線放射蛍光体としてSrB4O7:Euを選択し、可視発光蛍光体として、平均粒径4.5μmの(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、平均粒径3.5μmのLaPO4:Ce,Tb、平均粒径3.5μmのY2O3:Euを30:30:40の重量比で混合した平均粒径3.8μmの三波長混合蛍光体を使用する例を基に以下に説明する。
【0032】
▲2▼SrB4O7:Eu蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、900℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。
【0033】
得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体を得た。
【0034】
[実施例1]
▲1▼で得られた三波長混合蛍光体を80重量%と▲2▼で得られた平均粒径1.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体20重量%を混合し塗布組成物を得た。次に、この塗布組成物15gと1%ニトロセルロース・酢酸ブチル溶液20gに懸濁して蛍光体塗布スラリーを調製した。
【0035】
得られた塗布スラリーをFL40ss管の内面に塗布し温風により乾燥し、電気炉で450℃で15分間ベークした。塗布前後の重量差を測定することで塗布組成物の塗布量は3.5gであった。ここで3.5gから逸脱する場合は、塗布スラリー中に仕込む塗布組成物の量を調整することで3.5g付近に調節することができる。得られた塗布ガラス管に口金を取り付けて、排気し、水銀及び希ガスを封入して本発明の蛍光ランプを得た。
【0036】
[実施例2、3]
▲2▼で得られた蛍光体として、平均粒径が2.5μm及び3.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして実施例2及び実施例3の蛍光ランプを作製した。
【0037】
[比較例1]
平均粒径が4.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0038】
<BaSi2O5:Pb蛍光体使用>
BaSi2O5:Pb蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1000℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0039】
[実施例4、5、6]
平均粒径が1.5μm、2.5μm及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例4、5、6の蛍光ランプを作製した。
【0040】
[比較例2]
平均粒径が4.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0041】
<YPO4:Ce蛍光体使用>
YPO4:Ce蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1250℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0042】
[実施例7、8、9]
平均粒径が1.5μm、2.5μm及び3.5μmのYPO4:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例7、8、9の蛍光ランプを作製した。
【0043】
[比較例3]
平均粒径が4.5μmのYPO4:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0044】
<MgAl11O19:Ce蛍光体使用>
MgAl11O19:Ce蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1400℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0045】
[実施例10、11、12]
平均粒径が1.5μm、2.5μm及び3.5μmのMgAl11O19:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例10、11、12の蛍光ランプを作製した。
【0046】
[比較例4]
平均粒径が4.5μmのMgAl11O19:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0047】
これら本発明の実施例及び比較例の蛍光ランプについて、UVAの放射出力の相対値を、それぞれ図1〜図4の曲線(b)にプロットした。図上のそれぞれの実験点が各実施例及び比較例に一致する。ここで、UVAの相対出力は、平均粒径が4.5μmの紫外線放射蛍光体単品をほぼ3.5g塗布したそれぞれの蛍光ランプのUVA出力を100%とした値である。
【0048】
[実施例13]
▲1▼で得られた三波長混合蛍光体を87重量%と▲2▼で得られた平均粒径2.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体13重量%を混合し塗布組成物を得た。次に、この塗布組成物15gと1%ニトロセルロース・酢酸ブチル溶液20gに懸濁して蛍光体塗布スラリーを調製し、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。得られた蛍光ランプの発光特性について、平均粒径が4.5μmであるBaSi2O5:Pb蛍光体を塗布組成物全体の20重量%配合した蛍光ランプ(比較例2)と同時にまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1より実施例13は、BaSi2O5:Pb蛍光体を減らしたのに関わらずUVAの出力はほぼ同等である。一方、可視域の発光については向上している。これは可視発光蛍光体の配合量を比較例2に比べて増やすことができたことによる。比較例2で使用するよりも小粒子のBaSi2O5:Pb蛍光体を使用することにより、塗布組成物中の紫外線放射蛍光体の配合量は削減でき、その結果、可視発光蛍光体の配合量が相対的に増加したためである。
【0051】
【発明の効果】
以上に述べたように、可視発光蛍光体と紫外線放射蛍光体を混合した塗布組成物を使用した蛍光ランプにおいて、該可視発光蛍光体の平均粒径を2〜5μmの範囲、紫外線放射蛍光体の平均粒径を1.5〜3.5μmの範囲とすることで、紫外線放射蛍光体の配合量を減らすことができ、結果として可視発光蛍光体の配合量が増加でき、ランプの発光効率を向上することができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】SrB4O7:Eu蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【図2】BaSi2O5:Pb蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【図3】YPO4:Ce蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【図4】MgAl11O19:Ce蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【産業上の利用分野】
本発明は、可視域に発光する蛍光体と、紫外線を放射する蛍光体からなる塗布組成物と、それを具備する蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般照明に使用する蛍光ランプは、基本的に白色系の発光を示し、通常、蛍光ランプは可視域の発光を利用するが、特殊な蛍光ランプには太陽光に発光帯がほぼ近似しているものがある。太陽光には、ほぼ白色の可視光と紫外線、及び赤外線を含んでいる。そこで、太陽光をターゲットとする蛍光ランプには分光分布が太陽光にほぼ近いことが要求される。
【0003】
地下街、大規模なビルディング等、今日の社会生活の場には、太陽光から完全に遮断された空間があり、そのような場所において、従事する労働者、あるいはそのような場所で生育している植物等には、一般照明用の蛍光ランプから得られない紫外線或いは赤外線を含んでいる蛍光ランプが有用である。特に紫外線は生体に吸収され複雑なメカニズムによる生理作用があり重要である。
【0004】
蛍光ランプにおいて上述したような紫外域、可視域、赤外域に発光帯を有するものを実現するには、紫外域に放射する紫外線放射蛍光体、可視域に発光する白色系の蛍光体、及び赤外域に放射する赤外線放射蛍光体を適当に組み合わせて太陽光に近似した発光スペクトルを得る必要がある。この場合、蛍光ランプの放電空間中で発生する紫外線はこれら3種の蛍光体を励起するために利用され、そのため可視域での発光は低下し、すなわちランプ光束は低下する。
【0005】
蛍光ランプに紫外線あるいは赤外線を放射するという機能を付与することにより、ランプ本来の照明機能が低下することは望ましいことではない。そこで、このような機能性蛍光ランプであってもランプ光束はできるだけ高いものが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、可視域に発光する蛍光体と紫外域に放射する蛍光体からなる塗布組成物を最適化することにより蛍光ランプから出力される可視光と紫外線放射量を大きくすることができる高効率の蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は課題を解決するために鋭意検討した結果、塗布組成物中の可視域に発光する蛍光体及び紫外域に発光する蛍光体の粒径を最適化することで課題を解決できることを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の塗布組成物は、主発光波長が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を少なくとも含む発光組成物において、可視発光蛍光体の平均粒径は2〜5μmの範囲であり、紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmであることを特徴とする。
【0009】
紫外線放射蛍光体の発光組成物全体に対する割合は、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0010】
可視発光蛍光体は(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、及びY2O3:Euの群から選ばれる少なくとも2種の混合物であり、その混合物の発光色度は白色域にあることが好ましい。
【0011】
紫外線放射蛍光体は、BaSi2O5:Pb、SrB4O7:Eu、YPO4:Ce、及びMgAl11O19:Ceの群から選ばれる少なくとも1種の蛍光体であることが好ましい。
【0012】
本発明は可視発光蛍光体と紫外線放射蛍光体の両方を備える発光組成物及びそれを用いた蛍光ランプに関するが、可視発光蛍光体及び紫外線放射蛍光体以外にも、赤外線放射蛍光体を併用することも可能であり、これを混合しても本発明の特徴はそのまま保存される。赤外線放射蛍光体としてLiAlO2:Feが好ましく使用することができる。
【0013】
また、本発明の蛍光ランプは、主発光波長が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を含む発光組成物を塗布した蛍光ランプにおいて、該可視発光蛍光体の平均粒径は2〜6μmの範囲であり、該紫外放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲であり、塗布組成物の塗布量は2〜4mg/cm2の範囲であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
<塗布組成物>
本発明において塗布組成物は、主として蛍光体(紫外線放射蛍光体、可視発光蛍光体、及び赤外線放射蛍光体)のことを指すが、蛍光体のみならず、増量剤あるいは結着剤等も含んでもよい。
【0015】
<可視発光蛍光体>
可視発光蛍光体は蛍光ランプに使用されている蛍光体であるならば基本的に使用することが可能である。たとえば、(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、BaMg2Al16O27:Eu,Mn、Sr5(PO4)3Cl:Eu、LaPO4:Ce,Tb、MgAl11O19:Ce,Tb、Y2O3:Eu、Y(PV)O4:Eu、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn、Ca10(PO4)6FCl:Sb,Mn、Sr10(PO4)6FCl:Sb,Mn、(SrMg)2P2O7:Eu、Sr2P2O7:Eu、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWO4、(BaCa)5(PO4)3Cl:Eu、Sr4Al14O25:Eu、Zn2SiO4:Mn等がある。
【0016】
可視発光蛍光体の中でも特に白色域に発光する蛍光体、あるいはそれぞれの発光を混色することで白色域に発光する蛍光体の組み合わせであることが実用上要求される。たとえば白色系の蛍光体として、単品ではCa10(PO4)6FCl:Sb,Mn蛍光体を使用することができる。また、青色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体、及び赤色発光蛍光体を組み合わせることで白色系に発光する三波長蛍光体が好ましく使用することができる。この三波長蛍光体は、青色発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、及びBaMg2Al16O27:Eu、緑色発光蛍光体として、LaPO4:Ce,Tb、及びMgAl11O19:Ce,Tb、赤色発光蛍光体としてY2O3:Euが好ましく使用することができる。
【0017】
可視発光蛍光体の平均粒径は2〜5μmの範囲であることが好ましい。それはこの範囲より小さいと通常の蛍光ランプの塗布量である2〜4mg/cm2の範囲に塗布する場合、蛍光ランプの光束が低下するからである。逆に、この範囲より蛍光体塗布量が多い場合もランプ光束は低下するからである。ここで平均粒径Daは、空気透過法により比表面積を測定し、一次粒子の粒径の平均値を求めたものであり、フィッシャーサブシーブサイザー(F.S.S.S.)を用いて測定した値である。
【0018】
<紫外線放射蛍光体>
紫外線放射蛍光体は、主発光波長が380nm以下である蛍光ランプに使用されている蛍光体であるならば基本的に使用することが可能である。例えば、BaSi2O5:Pb、SrB4O7:Eu、 YPO4:Ce、MgAl11O19:Ce、(CaZn)3(PO4)2:Tl、LaPO4:Ce等がある。
【0019】
本発明において、上記した紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲であることが要求され、これは本発明の特に重要な構成である。これは紫外線放射蛍光体単独でなく、可視発光蛍光体と混合した塗布組成物を塗布した蛍光ランプにおける最適な紫外線放射蛍光体の平均粒径である。
【0020】
<SrB4O7:Eu蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてSrB4O7:Eu蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図1にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、SrB4O7:Eu蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0021】
図1より、SrB4O7:Eu蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、SrB4O7:Eu蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、SrB4O7:Eu蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにSrB4O7:Eu蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0022】
<BaSi2O5:Pb蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてBaSi2O5:Pb蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図2にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0023】
図2より、BaSi2O5:Pb蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、BaSi2O5:Pb蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、BaSi2O5:Pb蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにBaSi2O5:Pb蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0024】
<YPO4:Ce蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてYPO4:Ce蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図3にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、YPO4:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0025】
図3より、YPO4:Ce蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、YPO4:Ce蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、YPO4:Ce蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにYPO4:Ce蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0026】
<MgAl11O19:Ce蛍光体>
紫外線放射蛍光体としてMgAl11O19:Ce蛍光体を選択し、可視発光蛍光体として(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu蛍光体を30重量部、LaPO4:Ce,Tb蛍光体を30重量部、及びY2O3:Eu蛍光体を40重量部混合した平均粒径が3.8μmの混合白色蛍光体を選択し、40W−SSの蛍光ランプ用ガラス管に、紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体の総和がほぼ3.5gになるように塗布して通常の方法で蛍光ランプを作製し、特にUVA出力について測定した相対値を図4にまとめた。図中(a)は、蛍光体中紫外線放射蛍光体100%の場合について同蛍光体の平均粒径が1.5μm、2.5μm、3.5μm、4.5μmの場合の相対値を表している。また(b)は、BaSi2O5:Pb蛍光体の全蛍光体に対する割合が20重量%である場合、(c)は、MgAl11O19:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が10重量%である場合、(d)は、MgAl11O19:Ce蛍光体の全蛍光体に対する割合が5重量%である場合のUVA領域の紫外線の相対放射出力である。
【0027】
図4より、MgAl11O19:Ce蛍光体のみを塗布した蛍光ランプの場合、MgAl11O19:Ce蛍光体の平均粒径が4.5μmがUVAの放射出力はもっとも大きくなり、粒径が小さくなるに従い低下する。平均粒径が1.5μmの蛍光体を使用した場合、4.5μmに対して84%程度の相対出力となる。これに対し、曲線(b)〜(d)は可視発光蛍光体と混合した場合であるが、MgAl11O19:Ce蛍光体の平均粒径は2.0〜3.0μm付近が好ましく、この範囲より平均粒径が小さくてもまたは大きくてもUVAの放射出力は低下傾向である。このようにMgAl11O19:Ce蛍光体を単独に塗布した蛍光ランプとは全く異なる結果を示している。
【0028】
紫外線放射蛍光体と可視発光蛍光体を混合した塗布組成物を使用した蛍光ランプにおいて、UVA放射出力については紫外線放射蛍光体の平均粒径は1.5〜3.5μmの範囲が好ましく、2〜3μmの範囲が最適であることがわかる。これは可視発光蛍光体単独で使用する場合、あるいは紫外線放射蛍光体を単独で使用する場合には明らかではなかったが、可視発光と紫外線の両方を必要とするような用途に初めて有用となる。
【0029】
紫外線放射蛍光体の発光組成物全体に対する割合は、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。それはこの範囲より紫外線放射蛍光体が少ないと、紫外線の放射強度が足りず、単なる可視発光の白色系の蛍光ランプとなるためであり、本発明の対象外となるためであり、逆に、この範囲より紫外線放射蛍光体が多くなると、蛍光ランプのランプ光束が大幅に低下し、本来の照明用としての機能が低下するからである。
【0030】
【実施例】
実施例で本発明の製造方法を詳説するが、以下に示す実施例は本発明を具体化する一例を示すものであり、本発明を拘束するものではない。
【0031】
<SrB4O7:Eu蛍光体使用>
▲1▼前記紫外線放射蛍光体としてSrB4O7:Euを選択し、可視発光蛍光体として、平均粒径4.5μmの(SrCaBaMg)5(PO4)3Cl:Eu、平均粒径3.5μmのLaPO4:Ce,Tb、平均粒径3.5μmのY2O3:Euを30:30:40の重量比で混合した平均粒径3.8μmの三波長混合蛍光体を使用する例を基に以下に説明する。
【0032】
▲2▼SrB4O7:Eu蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、900℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。
【0033】
得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体を得た。
【0034】
[実施例1]
▲1▼で得られた三波長混合蛍光体を80重量%と▲2▼で得られた平均粒径1.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体20重量%を混合し塗布組成物を得た。次に、この塗布組成物15gと1%ニトロセルロース・酢酸ブチル溶液20gに懸濁して蛍光体塗布スラリーを調製した。
【0035】
得られた塗布スラリーをFL40ss管の内面に塗布し温風により乾燥し、電気炉で450℃で15分間ベークした。塗布前後の重量差を測定することで塗布組成物の塗布量は3.5gであった。ここで3.5gから逸脱する場合は、塗布スラリー中に仕込む塗布組成物の量を調整することで3.5g付近に調節することができる。得られた塗布ガラス管に口金を取り付けて、排気し、水銀及び希ガスを封入して本発明の蛍光ランプを得た。
【0036】
[実施例2、3]
▲2▼で得られた蛍光体として、平均粒径が2.5μm及び3.5μmのSrB4O7:Eu蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして実施例2及び実施例3の蛍光ランプを作製した。
【0037】
[比較例1]
平均粒径が4.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0038】
<BaSi2O5:Pb蛍光体使用>
BaSi2O5:Pb蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1000℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0039】
[実施例4、5、6]
平均粒径が1.5μm、2.5μm及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例4、5、6の蛍光ランプを作製した。
【0040】
[比較例2]
平均粒径が4.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0041】
<YPO4:Ce蛍光体使用>
YPO4:Ce蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1250℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0042】
[実施例7、8、9]
平均粒径が1.5μm、2.5μm及び3.5μmのYPO4:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例7、8、9の蛍光ランプを作製した。
【0043】
[比較例3]
平均粒径が4.5μmのYPO4:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0044】
<MgAl11O19:Ce蛍光体使用>
MgAl11O19:Ce蛍光体は、目的組成の化学両論比に原料を混合し、1400℃で5時間焼成し、分散処理をするという通常の方法で、平均粒径4.5μmの蛍光体を得た。得られた平均粒径4.5μmの蛍光体とそれを懸濁させ得る量の水をセラミック製のポットに入れ、蛍光体とほぼ同じ重量のアルミナボールを入れ1〜5時間粉砕し、分離乾燥することで、1.5μm、2.5μm、及び3.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体を得た。
【0045】
[実施例10、11、12]
平均粒径が1.5μm、2.5μm及び3.5μmのMgAl11O19:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にしてそれぞれ実施例10、11、12の蛍光ランプを作製した。
【0046】
[比較例4]
平均粒径が4.5μmのMgAl11O19:Ce蛍光体を使用する以外実施例1と同様にして、塗布組成物を調製し、同様にして蛍光ランプを作製した。
【0047】
これら本発明の実施例及び比較例の蛍光ランプについて、UVAの放射出力の相対値を、それぞれ図1〜図4の曲線(b)にプロットした。図上のそれぞれの実験点が各実施例及び比較例に一致する。ここで、UVAの相対出力は、平均粒径が4.5μmの紫外線放射蛍光体単品をほぼ3.5g塗布したそれぞれの蛍光ランプのUVA出力を100%とした値である。
【0048】
[実施例13]
▲1▼で得られた三波長混合蛍光体を87重量%と▲2▼で得られた平均粒径2.5μmのBaSi2O5:Pb蛍光体13重量%を混合し塗布組成物を得た。次に、この塗布組成物15gと1%ニトロセルロース・酢酸ブチル溶液20gに懸濁して蛍光体塗布スラリーを調製し、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。得られた蛍光ランプの発光特性について、平均粒径が4.5μmであるBaSi2O5:Pb蛍光体を塗布組成物全体の20重量%配合した蛍光ランプ(比較例2)と同時にまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1より実施例13は、BaSi2O5:Pb蛍光体を減らしたのに関わらずUVAの出力はほぼ同等である。一方、可視域の発光については向上している。これは可視発光蛍光体の配合量を比較例2に比べて増やすことができたことによる。比較例2で使用するよりも小粒子のBaSi2O5:Pb蛍光体を使用することにより、塗布組成物中の紫外線放射蛍光体の配合量は削減でき、その結果、可視発光蛍光体の配合量が相対的に増加したためである。
【0051】
【発明の効果】
以上に述べたように、可視発光蛍光体と紫外線放射蛍光体を混合した塗布組成物を使用した蛍光ランプにおいて、該可視発光蛍光体の平均粒径を2〜5μmの範囲、紫外線放射蛍光体の平均粒径を1.5〜3.5μmの範囲とすることで、紫外線放射蛍光体の配合量を減らすことができ、結果として可視発光蛍光体の配合量が増加でき、ランプの発光効率を向上することができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】SrB4O7:Eu蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【図2】BaSi2O5:Pb蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【図3】YPO4:Ce蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
【図4】MgAl11O19:Ce蛍光体を使用した蛍光ランプのUVA領域の紫外線相対放射出力と平均粒径の関係を示す特性図
Claims (2)
- 主発光波長が可視域にある可視発光蛍光体と主発光波長が紫外域にある紫外線放射蛍光体を少なくとも含む発光組成物において、該可視発光蛍光体は、平均粒径が2〜5μmの範囲であり、青色発光蛍光体として(SrCaBaMg) 5 (PO 4 ) 3 Cl:Eu、及びBaMg 2 Al 16 O 27 :Eu、緑色発光蛍光体として、LaPO 4 :Ce,Tb、及びMgAl 11 O 19 :Ce,Tb、赤色発光蛍光体としてY 2 O 3 :Euを組み合わせることで白色系に発光する三波長蛍光体であって、該紫外線放射蛍光体は、主発光波長が380nm以下であり、平均粒径が1.5〜3.5μmの範囲であり、BaSi2O5:Pb、SrB4O7:Eu、YPO4:Ce、及びMgAl11O19:Ceの群から選ばれる少なくとも1種の蛍光体であって、該紫外線放射蛍光体の該発光組成物全体に対する割合は1〜20重量%の範囲であることを特徴とする発光組成物。
- 請求項1に記載の発光組成物を塗布した蛍光ランプであって、塗布量が2〜4mg/cm2の範囲であることを特徴とする蛍光ランプ。
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