JPH10298508A - エポキシ接着フィルムの製造方法 - Google Patents

エポキシ接着フィルムの製造方法

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JPH10298508A
JPH10298508A JP9104074A JP10407497A JPH10298508A JP H10298508 A JPH10298508 A JP H10298508A JP 9104074 A JP9104074 A JP 9104074A JP 10407497 A JP10407497 A JP 10407497A JP H10298508 A JPH10298508 A JP H10298508A
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epoxy
adhesive film
epoxy resin
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isocyanate
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JP9104074A
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Hiroshi Shimizu
浩 清水
Nobuyuki Ogawa
信之 小川
Katsuji Shibata
勝司 柴田
Hiromi Takahashi
広美 高橋
Ayako Matsuo
亜矢子 松尾
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/386Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by the use of an organic polymeric bonding layer, e.g. adhesive
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
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    • H05K3/4676Single layer compositions

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  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐薬品性、接着性、剛性、並びに低熱
膨張性に優れたフィルム形成能を有する層間絶縁材料で
あって、電子機器に用いられる多層プリント配線板に用
いられる、エポキシ接着フィルムの製造方法を提供する
こと。 【解決手段】二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フ
ェノール類を、触媒の存在下に、溶媒中で加熱して重合
させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透クロマトグ
ラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子
量が50,000以上の高分子量エポキシ重合体に、2
個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート類の
イソシアネート基をマスクしたマスクイソシアネート類
と、多官能エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材を配
合した後、支持体フィルムの片面または両面に塗布し、
溶媒を乾燥除去すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に使用さ
れる多層プリント配線板に用いられる、耐熱性、耐薬品
性、接着性、剛性、並びに低熱膨張性に優れた層間絶縁
材料であるエポキシ接着フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子機器に用いられる多層プリ
ント配線板に用いられる層間絶縁材料は、熱硬化性樹脂
をガラス布基材に含浸した熱硬化性樹脂プリプレグであ
る。近年、多層プリント配線板の薄型化、高密度化に伴
い、層間を極めて薄くするため、ガラス布等の基材を用
いない層間絶縁材料が必要となった。
【0003】基材を用いない層間絶縁材料としては、ゴ
ムやアクリルで変性したり、熱可塑性樹脂を用い、必要
であれば無機充填材を配合してフィルム状にしたもの
や、プリプレグ用樹脂に無機充填材を配合し、支持体に
塗布したものがある。
【0004】しかしながら、ゴムやアクリルで変性した
り、熱可塑性樹脂を用いたものは、耐熱性、耐薬品性、
接着性が劣り、多層プリント配線板に用いられる層間絶
縁材料として不十分な特性であった。また、プリプレグ
用樹脂を支持体に塗布したものは、樹脂が低分子量であ
るため、割れが発生し、極めて取扱いが困難なものであ
った。
【0005】高分子量エポキシ重合体に関しては、例え
ば、米国特許第3,277,048号明細書に、二官能
エポキシ樹脂と臭素化ビスフェノールまたは塩素化ビス
フェノールとを反応させて得た分子量30,000以上
の熱可塑性樹脂を配合して、機械的性質の良好な難燃性
エポキシ樹脂硬化物を得ることが記載され、実施例で得
られた重合体の分子量は61,000、得られたシート
の厚さは1.125inch(約3mm)との記載があ
る。
【0006】比較的低分子量の二官能エポキシ樹脂と二
官能フェノール類を原料として高分子量エポキシ重合体
を製造する方法は、一般に、二段法と呼ばれ、例えば、
米国特許第2,615,008号公報明細書に、重合触
媒に水酸化ナトリウムを用い、無溶媒下、150〜20
0℃で反応させることにより、エポキシ当量が5,60
0の高分子量エポキシ重合体が得られると記載されてい
る。
【0007】米国特許第3,306,872号明細書に
は、溶媒として、メチルエチルケトンあるいはエチレン
グリコールモノメチルエーテルを用いており、溶媒の固
形分濃度が20〜60%、触媒にアルカリ金属またはベ
ンジルトリメチルアンモニウムの、水酸化物またはフェ
ノラートを用い、重合反応温度を75〜150℃とし、
生成した高分子量エポキシ重合体の重量平均分子量が粘
度法による測定で50,000〜100,000として
いる。
【0008】また、特開昭54−52200号公報に、
溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテルを用
いて、平均分子量45,500の高分子量エポキシ重合
体を得たことが記載され、特開昭60−118757号
公報に、溶媒としてメチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルを用
いて、平均分子量が最大31,000の高分子量エポキ
シ重合体を得たことが記載され、特開昭60−1443
23号公報に、溶媒としてメチルエチルケトンを用い、
平均分子量53,200の高分子量エポキシ重合体を得
たことが記載され、特開昭60−144324号公報
に、溶媒としてメチルエチルケトンを用い、平均分子量
66,000の高分子量エポキシ重合体を得たことが記
載されている。この4件は、いずれもゲル浸透クロマト
グラフィーによって平均分子量を測定している。
【0009】高分子量エポキシ重合体を用いて、エポキ
シ樹脂シートを製造する方法については、特開昭51−
87560号公報に開示されているように、直鎖状高分
子量エポキシ重合体と低分子量エポキシ樹脂を加熱溶融
し、有機カルボン酸塩を混合して、厚さが0.3〜0.
5mmのシートを製造する方法が知られている。このと
き得られたシートは、引張り強度が約10MPa、伸び
が350〜870%であり、直鎖状高分子量エポキシ重
合体の分子量は30,000〜250,000とされて
いる。
【0010】イソシアネート類を高分子中の水酸基と反
応させて、熱硬化性を付与する方法としては、1947
年のオットー・バイエルによる文献(O.Bayer:Das Di-i
socyanat-Polyadditionsverfahren:Angewandte Chemi
e,A59,257,1947 )に詳細に記載されている。また、イ
ソシアネート類をエポキシ樹脂に配合して、硬化物を得
る方法が、米国特許第2,594,979号に記載され
ている。
【0011】イソシアネート類を架橋剤として、高分子
量エポキシ重合体の架橋を行う方法としては、特開昭5
5−40752号公報に記載されているように、平均分
子量50,000〜150,000のフェノキシ樹脂の
メチルエチルケトン溶液(固形分濃度35%)に、ポリ
イソシアネート類を配合することが知られている。特開
昭54−117597号公報、特公平1−19816号
公報、及び特開平2−147618号公報には、エポキ
シ樹脂や高分子量のフェノキシ樹脂、あるいはそれらの
混合物に、不飽和イソシアネート類あるいはマスクイソ
シアネート類を用いる方法が開示されている。
【0012】特公平1−19806号公報には、フェノ
キシ樹脂を不飽和イソシアネート類で変性することによ
りフィルム形成能を持たせ、硬化フィルムが得られるこ
とが開示されている。
【0013】イソシアネート類の活性なイソシアネート
基を、マスク(ブロック)することによって、室温で不
活性化する方法は、前出の1947年のオットー・バイ
エルによる文献に詳細に記載されている。
【0014】二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類
を、エポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/
1.1となるように配合し、触媒の存在下に、溶媒中で
加熱して重合させて得たフィルム形成能を有するゲル浸
透クロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算
重量平均分子量が50,000以上の高分子量エポキシ
重合体と、その製造方法は、特開平4−120124号
公報、特開平4−120125号公報、特開平5−93
041号公報、並びに特開平5−93042号公報によ
り開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術のうち米国
特許第3,277,048号明細書に記載された、二官
能エポキシ樹脂と臭素化ビスフェノールまたは塩素化ビ
スフェノールとを反応させて得た分子量30,000以
上の熱可塑性樹脂を配合して、機械的性質の良好な難燃
性エポキシ樹脂硬化物を得る方法は、合成時に溶媒を使
用しておらず、この方法では、十分な強度のフィルム形
成能を有するまでに直鎖状に高分子量化した高分子量エ
ポキシ重合体が得られず、実施例で得られた重合体の分
子量を61,000としているが、測定方法が記載され
ておらず、数値に再現性がない。
【0016】二段法と呼ばれる、例えば、米国特許第
2,615,008号公報明細書には、合成に溶媒を用
いておらず、重合体の平均分子量は約11,000位で
あると推定される。この方法では、十分な強度のフィル
ム形成能を有するまでに直鎖状に高分子量化した高分子
量エポキシ重合体が得られないものである。
【0017】米国特許第3,306,872号明細書に
記載の、生成した高分子量エポキシ重合体の重量平均分
子量を測定する粘度法は、算出時に用いるパラメータの
設定によって算出値が大きく左右され、正確な測定法で
なく、再現性がない。
【0018】また、特開昭54−52200号公報、特
開昭60−118757号公報、特開平60−1443
23号公報、及び特開昭60−144324号公報に記
載された平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーに
よって測定しているが、測定条件と算出方法が記載され
ておらず、再現性がない。
【0019】高分子量エポキシ重合体を用いてエポキシ
樹脂シートを製造する、特開昭51−87560号公報
に開示された方法は、高分子量エポキシ重合体の合成方
法が開示されておらず、また、分子量の測定方法も明ら
かでない。
【0020】特公平1−19806号公報には、フェノ
キシ樹脂を不飽和イソシアネート類で変性することによ
りフィルム形成能を持たせ、硬化フィルムが得られるこ
とが開示されているが、実施例中で使用されているフェ
ノキシ樹脂がメチルエチケトンに容解していることか
ら、ここでいうフェノキシ樹脂には、フィルム形成能が
なく、この方法においても、十分な強度のフィルム形成
能を有するまでに直鎖状に高分子量化した高分子量エポ
キシ重合体が得られないものである。
【0021】ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法
によるスチレン換算重量平均分子量が50,000以上
の高分子量エポキシ重合体と、その製造方法は、特開平
4−120124号公報、特開平4−120125号公
報、特開平5−93041号公報、並びに特開平5−9
3042号公報により開示されているが、この方法によ
り得られる高分子量エポキシ重合体は、熱可塑性であ
り、十分な強度は有するが、耐熱性、耐薬品性が低いと
いう課題があった。
【0022】本発明は、耐熱性、耐薬品性、接着性、剛
性、並びに低熱膨張性に優れたフィルム形成能を有する
層間絶縁材料であって、電子機器に使用される多層プリ
ント配線板に用いられる、エポキシ接着フィルムの製造
方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ接着フ
ィルムの製造方法は、ハロゲン化二官能エポキシ樹脂と
二官能フェノール類を、エポキシ基/フェノール水酸基
=1/0.9〜1/1.1となるように配合し、触媒の
存在下に、溶媒中で加熱して重合させて得たフィルム形
成能を有するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法
によるスチレン換算重量平均分子量が100,000以
上の高分子量エポキシ重合体に、2個以上のイソシアネ
ート基を有するイソシアネート類のイソシアネート基を
マスクしたマスクイソシアネート類と、多官能エポキシ
樹脂と、硬化剤と、無機充填材を配合した後、支持体フ
ィルムの片面または両面に塗布し、溶媒を乾燥除去する
ことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に用いる二官能エポキシ樹
脂には、分子内に2個のエポキシ基を有する化合物なら
ばどのようなものでも使用することができ、例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、二官能フェノ
ール類のジグリシジルエーテル化物、あるいは二官能ア
ルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらの
ハロゲン化物、水素添加物等がある。これらの化合物は
2種類以上を併用することができる。
【0025】また、ハロゲン化二官能フェノール類に
は、分子内に2個のフェノール性水酸基を有する化合物
ならばどのようなものでも使用でき、例えば、単環二官
能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カ
テコール、多環二官能フェノールであるビスフェノール
A、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビフェ
ノール類及びこれらのアルキル置換体等のハロゲン化物
がある。これらの化合物は2種類以上を併用できる。
【0026】二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フ
ェノール類の当量比は、エポキシ基/フェノール性水酸
基=1/0.9〜1/1.1の範囲とする。この当量比
において、エポキシ基1当量に対して、フェノール性水
酸基が0.9当量未満の場合には、直鎖状に高分子量化
せず、副反応が起きて架橋し、溶媒に溶けなくなり、
1.1当量を越えると、高分子量化が進まない。
【0027】二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フ
ェノール類の重合触媒としては、エポキシ基とフェノー
ル性水酸基との反応を促進させる触媒能を有するもの、
例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、
イミダゾール類、有機りん化合物、第二級アミン、第三
級アミン、第四級アンモニウム塩等が使用できる。中で
もアルカリ金属化合物が、最も好ましい触媒であり、ナ
トリウム、リチウム、カリウムの水酸化物、ハロゲン化
物、有機酸塩、アルコラート、フェノラート、水素化
物、ホウ水素化物、アミド等がある。これらの触媒は併
用することができる。触媒の配合量は、一般に、エポキ
シ樹脂1モルに対し、0.0001〜0.2モル程度で
ある。0.0001モル未満では、高分子量化反応が著
しく遅く、0.2モルを越えると、直鎖状に高分子量化
しない。
【0028】本発明に用いるアミド系溶媒には、二官能
エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フェノール類を溶解す
ることができるもの、例えば、ホルムアミド、N−メチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセ
トアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿
素、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、カルバミ
ド酸エステルなどが使用できる。これらの溶媒は、併用
することもでき、さらに他のケトン系溶媒、あるいはエ
ーテル系溶媒等と併用することができる。
【0029】溶媒を用いた重合反応の際の固形分濃度
は、10〜50重量%の範囲であることが好ましく、1
0重量%未満であると塗布する際の溶液粘度が著しく低
くなり、塗布することができなくなる。50重量%を越
えると副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しにくくな
る。この副反応が多くなる傾向は、固形分濃度が大きい
程起こり易く、40重量%以下が好ましく、30重量%
以下であることがさらに好ましい。また、重合反応温度
は、60〜150℃であることが好ましく、60℃未満
では高分子量化反応が著しく遅く、150℃を越えると
副反応が多くなり直鎖状に高分子量化し難い。得られた
高分子量エポキシ重合対のスチレン換算重量平均分子量
が、100,000以上であることが好ましく、また、
高分子量エポキシ重合対の稀薄溶液の還元粘度は、0.
70dl/g以上であればさらに好ましい。0.70d
l/g未満であると、フィルム形成能が低下する。
【0030】本発明に用いるイソシアネート類は、分子
内に2個のイソシアネート基を有するもの、例えばジイ
ソシアネート類には、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレン
ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、ジフェニルプロパンジイソシアネート、ビフェニル
ジイソシアネート、及びこれらの異性体、アルキル置換
体、ハロゲン化物、ベンゼン環への水素添加物等が使用
できる。さらに、3個のイソシアネート基を有するトリ
イソシアネート類、4個のイソシアネート基を有するテ
トライソシアネート類等を使用することもでき、これら
を併用することもできる。
【0031】イソシアネート類を架橋剤として使用する
と、アルコール性水酸基との反応性が非常に高いので室
温で架橋反応が進行し、エポキシ樹脂溶液のゲル化が起
こる場合がある。本発明では、このイソシアネート基を
マスク(ブロック)して用いる。このイソシアネートの
マスク(ブロック)剤には、イソシアネート基と反応す
る活性水素を有する化合物、例えば、ケトンオキシム
類、アルコール類、フェノール類及びアミン類等があ
る。
【0032】ケトンオキシム類としては、アセトンオキ
シム、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチル
ケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等があり、
アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等の
単官能アルコール類、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール等の二官能アルコール
類等があり、フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、ブチル
フェノール、フェニルフェノール、ナフトール等の単官
能フェノール類、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテ
コール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノール、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホン等の二官
能フェノール類とその異性体及びハロゲン化物、ピロガ
ロール、ヒドロキシヒドロキノン、フロログルシン、フ
ェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェ
ノールAノボラック、ナフトールノボラック、レゾール
等の多官能フェノール類等があり、アミン類としては、
n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチル
アミン、イソブチルアミン、ベンジルアミン、トリエチ
レンジアミン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ニ
トロイミダゾール、カプロラクタム、ブチロラクタム、
及びこれらの異性体、アルキル置換体、ハロゲン化物、
塩酸基、カルボン酸塩等がある。このマスク(ブロッ
ク)剤は、数種類を併用して用いることができる。
【0033】このマスク(ブロック)剤は、イソシアネ
ート類のイソシアネート基1.0当量に対し、マスク
(ブロック)剤の活性水素が0.5〜3.0当量となる
ように用いることが好ましい。0.5当量未満である
と、マスク(ブロック)が不完全となり、高分子量エポ
キシ重合体がゲル化する可能性が高くなり、3.0当量
を越えると、マスク(ブロック)剤が過剰となり、形成
したフィルムにマスク(ブロック)剤が残り、耐熱性や
耐薬品性を低下させる。
【0034】また、このイソシアネート類は、アセチル
アセトンで溶解して用いることができ、室温でイソシア
ネート類を不活性にする作用があり、ワニスの保存安定
性を高めることができる。さらに、イソシアネート類を
アセチルアセトンで溶解したものを室温〜130℃の範
囲で加熱して10分〜10時間攪拌して用いると、ワニ
スの保存安定性をさらに高めることができる。また、乾
燥したときに揮発し易く、フィルム上に残存する割合が
少ない。アセチルアセトンに溶解したイソシアネート類
の濃度は、10〜90重量%の範囲が望ましい。10重
量%未満であると、アセチルアセトンの使用量が多く経
済的ではなく、90重量%を越えると、イソシアネート
類を不活性にする効果が小さくなる。高分子量エポキシ
重合体に対するイソシアネート類あるいはアセチルアセ
トンで溶解したイソシアネート類の配合量は、高分子量
エポキシ重合体のアルコール性水酸基当量1に対し、イ
ソシアネート基当量0.1〜2当量の範囲であることが
好ましく、0.1当量未満であると、架橋し難く、2当
量を越えると、フィルム中にイソシアネートが残り、耐
熱性、耐薬品性を低下させる。
【0035】本発明で用いる多官能エポキシ樹脂には、
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型
エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン
型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシ
アヌレート型エポキシ樹脂、二官能フェノール類のジグ
リシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシ
ジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添
加物等が使用できる。これらの化合物は、複数種類併用
することができ、二官能エポキシ樹脂以外の成分を不純
物として含むこともできる。この多官能エポキシ樹脂の
高分子量エポキシ重合体に対する配合量は、高分子量エ
ポキシ重合体100重量部に対して、1〜200重量部
の範囲とする。1重量部未満では、接着性が著しく低下
し、200重量部を超えると、半硬化状のエポキシ接着
フィルムに割れが発生しやすくなり、取り扱い性が著し
く低下するため好ましくない。
【0036】この多官能エポキシ樹脂の硬化剤には、代
表的なものとして、多官能フェノール、アミン類、イミ
ダゾール化合物、酸無水物等が使用できる。多官能フェ
ノールには、単環二官能フェノールであるヒドロキノ
ン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノー
ルであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタ
レンジオール類、ビスフェノール類及びこれらのハロゲ
ン化物、アルキル置換体、さらに、これらのフェノール
類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂、
レゾール樹脂等が使用でき、アミン類には、脂肪族の1
級アミン、2級アミン、3級アミン、芳香族の1級アミ
ン、2級アミン、3級アミン、グアニジン類、尿素誘導
体等、具体的には、トリエチレンテトラミン、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシ
アンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメ
チル尿素等が使用でき、イミダゾール化合物には、アル
キル置換イミダゾール、ベンズイミダゾール等が使用で
き、酸無水物には、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、ピロメリット酸二無水物、ベイゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物等が使用できる。また、必要に応
じて硬化促進剤を用い、例えば、三級アミン、イミダゾ
ール、四級アンモニウム塩等を使用する。
【0037】硬化剤の配合量は、多官能エポキシ樹脂を
100重量部に対して、1〜70重量部使用する。1重
量部未満であると、多官能エポキシ樹脂が硬化しないた
め、ガラス転移温度(Tg)が著しく低下し、70重量
部を超えると、硬化剤が過剰となり、耐熱性を低下させ
るため好ましくない。
【0038】無機充填材は、通常の樹脂に用いられ、な
お且つ樹脂よりも弾性率が高く、電気絶縁性のものであ
れば使用することができ、例えば、水酸化マグネシウ
ム、タルク、アルミナ、マグネシア、ガラス、シリカ、
二酸化チタン、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、クレイ、窒化けい素、炭化けい
素、硼酸アルミニウム、合成雲母等の粉末状の充填材
や、ガラス、アスベスト、ロックウール、アラミド等の
短繊維状の充填材や、炭化けい素、アルミナ、硼酸アル
ミニウム等のウィスカ等が使用できる。無機充填材の配
合量は、充填材入り樹脂中の20〜60体積%使用する
ことが好ましい。充填材が20体積%未満では、フィル
ムの高剛性、低熱膨張の効果が小さく、60体積%を超
えると、フィルムの取扱い性低下や接着力を低下させ
る。
【0039】さらに、必要に応じて、難燃剤を配合する
こともでき、難燃剤には、テトラブロモビスフェノール
A、デカブロモジフェニルエーテル、臭素化エポキシ樹
脂、臭素化フェノール樹脂等の臭素化合物が使用でき
る。
【0040】これらの高分子量エポキシ重合体、マスク
イソシアネート類またはアセチルアセトンに溶解したイ
ソシアネート類、多官能エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促
進剤、及び無機充填材を、ワニスがゲル化しないように
混合する。このワニスを塗布する支持フィルムには、上
記ワニスに用いるアミド系溶媒に溶解しないもの、例え
ば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が使用で
き、さらに、この支持フィルムに代えて、銅箔を用い、
塗布する面を粗化面とすることもできる。このワニスを
塗布した後に行う乾燥は、その温度を、使用するワニス
の組成あるいは支持フィルムの分解温度よりも低い温度
で行う。
【0041】
【実施例】
実施例1 二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:172)を用い、ハロゲン化二
官能フェノール類として、テトラブロモビスフェノール
A(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノ
ール性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒
として水酸化リチウムをエポキシ樹脂1モルに対して
0.065モルの存在下に、溶媒としてN,N−ジメチ
ルアセトアミドを用い、溶液の固形分濃度が30重量%
となるように配合を調整し、その粘度は3,500mP
a・sであり、120℃で10時間、その溶媒中で加熱
して重合させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量
平均分子量が300,000の高分子量エポキシ重合体
を得、この還元粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド
中30℃で1.12dl/gであった。この高分子量エ
ポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート基を有する
イソシアネート類として、イソホロンジイソシアネート
を用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、マス
ク剤として、フェノールノボラック樹脂を2.5当量用
い、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1当
量に対し、イソシアネート基0.5当量となるように配
合した。高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、
多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量部、硬
化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量:1
06)を20重量部配合した。さらに、無機充填材とし
て、平均粒径1.5μmのアルミナを30体積%になる
ように配合し、室温で機械的に90分攪拌し、ワニスを
得た。このワニスを、厚さ50μmのポリプロピレンフ
ィルムの片面に塗布し、乾燥器中で、100℃、0.5
hrの条件で乾燥し、厚さ55μmの半硬化状のエポキ
シ接着フィルムを得た。
【0042】実施例2 二官能エポキシ樹脂として、臭素化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エポキシ当量:400)を用い、ハロゲ
ン化二官能フェノール類として、テトラブロモビスフェ
ノールA(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/
フェノール性水酸基=1/1.0となるように配合し、
触媒として水酸化ナトリウムをエポキシ樹脂1モルに対
して0.065モルの存在下に、溶媒としてN,N−ジ
メチルアセトアミドを用い、溶液の固形分濃度が30重
量%となるように配合を調整し、その粘度は320mP
a・sであり、120℃で10時間、その溶媒中で加熱
して重合させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量
平均分子量が133,000の高分子量エポキシ重合体
を得、この還元粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド
中30℃で1.32dl/gであった。この高分子量エ
ポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート基を有する
イソシアネート類として、イソホロンジイソシアネート
を用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、マス
ク剤として、メチルエチルケトンオキシムを1.0当量
用い、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1
当量に対し、イソシアネート基0.5当量となるように
配合した。高分子量エポキシ重合体100重量部に対
し、多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量
部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当
量:106)を20重量部配合した。さらに、無機充填
材として、平均粒径2.5μmのシリカを30体積%に
なるように配合し、室温で機械的に90分攪拌し、ワニ
スを得た。このワニスを、厚さ50μmのポリプロピレ
ンフィルムの片面に塗布し、乾燥器中で、100℃、
0.5hrの条件で乾燥し、厚さ52μmの半硬化状の
エポキシ接着フィルムを得た。
【0043】実施例3 二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:172)を用い、ハロゲン化二
官能フェノール類として、テトラブロモビスフェノール
A(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノ
ール性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒
として水酸化リチウムをエポキシ樹脂1モルに対して
0.065モルの存在下に、溶媒としてN−メチルピロ
リドンを用い、溶液の固形分濃度が30重量%となるよ
うに配合を調整し、その粘度は3,500mPa・sで
あり、120℃で10時間、その溶媒中で加熱して重合
させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透クロマトグ
ラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子
量が300,000の高分子量エポキシ重合体を得、こ
の還元粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド中30℃
で1.12dl/gであった。この高分子量エポキシ重
合体に、2個以上のイソシアネート基を有するイソシア
ネート類として、イソホロンジイソシアネートを用い、
そのイソシアネート基1.0当量に対し、マスク剤とし
て、フェノールを1.0当量用い、高分子量エポキシ重
合体のアルコール性水酸基1当量に対し、イソシアネー
ト基0.5当量となるように配合した。高分子量エポキ
シ重合体100重量部に対し、多官能エポキシ樹脂とし
て、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当
量:195)を30重量部、硬化剤としてフェノールノ
ボラック樹脂(水酸基当量:106)を20重量部配合
した。さらに、無機充填材として、平均粒径2μmのク
レイを30体積%になるように配合し、室温で機械的に
90分攪拌し、ワニスを得た。このワニスを、厚さ50
μmのポリプロピレンフィルムの片面に塗布し、乾燥器
中で、100℃、0.5hrの条件で乾燥し、厚さ48
μmの半硬化状のエポキシ接着フィルムを得た。
【0044】実施例4 二官能エポキシ樹脂として、臭素化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エポキシ当量:400)を用い、ハロゲ
ン化二官能フェノール類として、テトラブロモビスフェ
ノールA(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/
フェノール性水酸基=1/1.02となるように配合
し、触媒として水酸化ナトリウムをエポキシ樹脂1モル
に対して0.065モルの存在下に、溶媒としてN,N
−ジメチルアセトアミドを用い、溶液の固形分濃度が3
0重量%となるように配合を調整し、その粘度は350
mPa・sであり、120℃で10時間、その溶媒中で
加熱して重合させて得たフィルム形成能を有するゲル浸
透クロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算
重量平均分子量が155,000の高分子量エポキシ重
合体を得、この還元粘度は、N,N−ジメチルアセトア
ミド中30℃で1.22dl/gであった。この高分子
量エポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート類として、トリレンジイソシアネー
トを用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、マ
スク剤として、フェノールノボラック樹脂を2.5当量
用い、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1
当量に対し、イソシアネート基0.5当量となるように
配合した。高分子量エポキシ重合体100重量部に対
し、多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量
部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当
量:106)を20重量部配合した。さらに、無機充填
材として、平均粒径5μmの合成雲母を30体積%にな
るように配合し、室温で機械的に90分攪拌し、ワニス
を得た。このワニスを、厚さ50μmのポリプロピレン
フィルムの片面に塗布し、乾燥器中で、100℃、0.
5hrの条件で乾燥し、厚さ51μmの半硬化状のエポ
キシ接着フィルムを得た。
【0045】実施例5 二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:172)を用い、ハロゲン化二
官能フェノール類として、テトラブロモビスフェノール
A(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノ
ール性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒
として水酸化リチウムをエポキシ樹脂1モルに対して
0.065モルの存在下に、溶媒としてN,N−ジメチ
ルアセトアミドを用い、溶液の固形分濃度が30重量%
となるように配合を調整し、その粘度は3,500mP
a・sであり、120℃で10時間、その溶媒中で加熱
して重合させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量
平均分子量が300,000の高分子量エポキシ重合体
を得、この還元粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド
中30℃で1.12dl/gであった。この高分子量エ
ポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート基を有する
イソシアネート類として、イソホロンジイソシアネート
を用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、マス
ク剤として、フェノールノボラック樹脂を2.5当量用
い、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1当
量に対し、イソシアネート基0.5当量となるように配
合した。高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、
多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量部、硬
化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量:1
06)を20重量部配合した。さらに、無機充填材とし
て、針状の直径1μm、長さ20μmの硼酸アルミニウ
ムウィスカを30体積%になるように配合し、室温で機
械的に90分攪拌し、ワニスを得た。このワニスを、厚
さ50μmのポリプロピレンフィルムの片面に塗布し、
乾燥器中で、100℃、0.5hrの条件で乾燥し、厚
さ54μmの半硬化状のエポキシ接着フィルムを得た。
【0046】比較例1 二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:172)を用い、ハロゲン化二
官能フェノール類として、テトラブロモビスフェノール
A(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノ
ール性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒
として水酸化リチウムをエポキシ樹脂1モルに対して
0.065モルの存在下に、溶媒としてN−メチルピロ
リドンを用い、溶液の固形分濃度が30重量%となるよ
うに配合を調整し、その粘度は3,500mPa・sで
あり、120℃で10時間、その溶媒中で加熱して重合
させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透クロマトグ
ラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子
量が300,000の高分子量エポキシ重合体を得、こ
の還元粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド中30℃
で1.12dl/gであった。この高分子量エポキシ重
合体に、2個以上のイソシアネート基を有するイソシア
ネート類として、イソホロンジイソシアネートを用い、
そのイソシアネート基1.0当量に対し、マスク剤とし
て、フェノールノボラック樹脂を2.5当量用い、高分
子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1当量に対
し、イソシアネート基0.5当量となるように配合し
た。高分子量エポキシ重合体100重量部に対し、多官
能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量部、硬化剤
としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量:10
6)を20重量部配合し、ワニスを得た。このワニス
を、厚さ50μmのポリプロピレンフィルムの片面に塗
布し、乾燥器中で、100℃、0.5hrの条件で乾燥
し、厚さ45μmの半硬化状のエポキシ接着フィルムを
得た。
【0047】比較例2 高分子量エポキシ重合体に、フェノキシ樹脂であるYP
50(東都化成株式会社製、商品名、平均分子量:6
8,000)を用い、2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート類として、イソホロンジイソシアネ
ートを用い、そのイソシアネート基1.0当量に対し、
マスク剤として、メチルエチルケトンオキシムを1.0
当量用い、高分子量エポキシ重合体のアルコール製水酸
基1当量に対し、イソシアネート基0.5当量となるよ
うに配合した。高分子量エポキシ重合体100重量部に
対し、多官能エポキシ樹脂として、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195)を30重量
部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当
量:106)を20重量部配合した。さらに、無機充填
材として、平均粒径2μmのクレイを30体積%になる
ように配合し、室温で機械的に90分攪拌し、ワニスを
得た。このワニスを、厚さ50μmのポリプロピレンフ
ィルムの片面に塗布し、乾燥器中で、100℃、0.5
hrの条件で乾燥し、厚さ43μmの半硬化状のエポキ
シ接着フィルムを得た。しかし、この接着フィルムは、
脆く、取扱いが困難で、評価を行うことができなかっ
た。
【0048】比較例3 プリプレグ用のエポキシ樹脂ワニスに、無機充填材とし
て平均粒径2μmのクレイを30体積%になるように配
合し、室温で機械的に90分攪拌し、ワニスを得た。こ
のワニスを、厚さ50μmのポリプロピレンフィルムの
片面に塗布し、乾燥器中で、100℃、0.5hrの条
件で乾燥し、厚さ41μmの半硬化状のエポキシ接着フ
ィルムを得た。しかし、この接着フィルムは、脆く、支
持フィルムから剥がす際に割れてしまい、取扱いが困難
で、評価を行うことができなかった。
【0049】比較例4 二官能エポキシ樹脂として、臭素化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エポキシ当量:400)を用い、二官能
フェノール類として、テトラブロモビスフェノールA
(水酸基当量:272)を用い、エポキシ基/フェノー
ル性水酸基=1/1.02となるように配合し、触媒と
して水酸化リチウムをエポキシ樹脂1モルに対して0.
065モルの存在下に、溶媒としてN,N−ジメチルア
セトアミドを用い、溶液の固形分濃度が30重量%とな
るように配合を調整し、その粘度は350mPa・sで
あり、120℃で10時間、その溶媒中で加熱して重合
させて得たフィルム形成能を有するゲル浸透クロマトグ
ラフィー(GPC)法によるスチレン換算重量平均分子
量が155,000の高分子量エポキシ重合体を得、こ
の還元粘度は、N,N−ジメチルアセトアミド中30℃
で1.22dl/gであった。この高分子量エポキシ重
合体に、2個以上のイソシアネート基を有するイソシア
ネート類として、イソホロンジイソシアネートを単独で
用い、高分子量エポキシ重合体のアルコール性水酸基1
当量に対し、イソシアネート基0.5当量となるように
配合した。しかし、配合攪拌中にゲルしてしまい、ワニ
ス化することはできなかった。
【0050】(試験方法)実施例、比較例の中での測定
方法、及び接着フィルムの特性、並びにワニスの保存安
定性を、以下の方法で試験を行った。 ・粘度 EMD型粘度計(株式会社東京計器社製)を用い、25
℃で測定した。 ・ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によるスチ
レン換算重量平均分子量 ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に使用したカラ
ムは、TSKgelG6000+G5000+G400
0+G3000+G2000である。溶離液には、N,
N−ジメチルアセトアミドを使用し、試料濃度を2重量
%とした。分子量の異なるスチレンを用いて分子量と溶
出時間の関係を求めた後、試料の溶出時間を測定し、分
子量を推定して、スチレン換算重量平均分子量とした。 ・還元粘度 高分子量エポキシ重合体を、ウベローデ粘度計を用いて
測定した。 ・引張り強度及び伸び 引張り強度及び伸びは、株式会社東洋ボールドウィン社
製のテンシロンを用い、フィルム試料のサイズを50m
m×10mm、引張り速度を5mm/minとした。 ・接着力 半硬化状のエポキシ接着フィルムの両面に、18μmの
銅箔であるTSA−18(古河サーキットフォイル株式
会社製、商品名)とを重ね、170℃、2MPa、30
分の条件で加熱加圧して積層一体化し、銅箔を10mm
幅で90°方向に引っ張り、引き剥がし強度を測定し
た。 ・耐熱性 接着力測定した銅箔と積層一体化した試料を、25mm
×25mmに切断し、260℃のはんだ浴に浮かべ、1
80s間異常が無いか時間を測定した。 ・Tg 硬化した試料フィルムのガラス転移点(Tg)は、示差
走査熱量計910(デュポン社製、商品名)を用いた。 ・引張弾性率 硬化した試料フィルムのガラス状領域(E1)、ゴム状
領域(E2)の引張弾性率は、DVE−4型レオスペク
トラー(レオロジー社製、商品名)を用いた。 ・熱膨張係数 硬化した試料フィルムのガラス状領域(α1)、ゴム状
領域(α2)の熱膨張係数は、熱機械分析装置TMA4
000(マックサイエンス社製、商品名)を用いた。 ・耐薬品性 硬化した試料フィルムを、メチルエチルケトン、N,N
−ジメチルアセトアミド、トルエン、アセトン、塩化メ
チレン、10%塩酸、10%水酸化ナトリウムのそれぞ
れに、30分間浸漬し、表面を目視で観察し、膨潤、溶
解のないものを良好と判断した。 ・ワニスの保存安定性 ワニスの状態で、室温に7日間放置し、攪拌して、目視
で観察し、ゲル化していないものを良好と判断した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によっ
て、接着性、耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ、剛性、低
熱膨張性に優れたエポキシ接着フィルムの製造方法を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 広美 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 松尾 亜矢子 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能フ
    ェノール類を、二官能エポキシ樹脂とハロゲン化二官能
    フェノール類の配合比がエポキシ基/フェノール水酸基
    =1/0.9〜1/1.1となるようにし、触媒の存在
    下に、溶媒中で加熱して重合させて得たフィルム形成能
    を有するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によ
    るスチレン換算重量平均分子量が100,000以上の
    高分子量エポキシ重合体に、2個以上のイソシアネート
    基を有するイソシアネート類のイソシアネート基をマス
    ク(ブロック)したマスクイソシアネート類と、多官能
    エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材を配合した後、
    支持体フィルムの片面または両面に塗布し、溶媒を乾燥
    除去することを特徴とするエポキシ接着フィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】重合反応溶媒が、アミド系溶媒であること
    を特徴とする請求項1に記載のエポキシ接着フィルムの
    製造方法。
  3. 【請求項3】高分子量エポキシ重合体の還元粘度が、
    0.70dl/g以上であることを特徴とする請求項1
    または2に記載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】ハロゲン化二官能エポキシ樹脂が、臭素化
    ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とす
    る請求項1〜3のうちいずれかに記載のエポキシ接着フ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】ハロゲン化二官能フェノール類が、臭素化
    ビスフェノールAであることを特徴とする請求項1〜4
    のうちいずれかに記載のエポキシ接着フィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】マスクイソシアネート類が、イソシアネー
    ト基をアルコール類でマスク(ブロック)したものであ
    ることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載
    のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】マスクイソシアネート類が、イソシアネー
    ト基をアミン類でマスク(ブロック)したものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載のエ
    ポキシ接着フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】マスクイソシアネート類が、イソシアネー
    ト基をフェノール類でマスク(ブロック)したものであ
    ることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載
    のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】マスクイソシアネート類が、イソシアネー
    ト基をケトンオキシム類でマスク(ブロック)したもの
    であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに
    記載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】マスクイソシアネート類に代えて、アセ
    チルアセトンに溶解させたイソシアネート類を加熱した
    ものを用いることを特徴とする請求項1〜5のうちいず
    れかに記載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】無機充填材を、20〜60体積%配合す
    ることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれかに記
    載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】無機充填材が、水酸化マグネシウム、タ
    ルク、アルミナ、マグネシア、ガラス、シリカ、二酸化
    チタン、チタン酸カリウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸
    カルシウム、クレイ、窒化けい素、炭化けい素、硼酸ア
    ルミニウム、合成雲母の粉末状物から選ばれたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜11のうちいずれかに記
    載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】支持体フィルムが銅箔であり、塗布面が
    銅箔の粗化面のみであることを特徴とする請求項1〜1
    2のうちいずれかに記載のエポキシ接着フィルムの製造
    方法。
JP9104074A 1997-04-22 1997-04-22 エポキシ接着フィルムの製造方法 Pending JPH10298508A (ja)

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