JPH10298463A - インクジェット記録用インクおよびその記録方法 - Google Patents
インクジェット記録用インクおよびその記録方法Info
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- JPH10298463A JPH10298463A JP10993597A JP10993597A JPH10298463A JP H10298463 A JPH10298463 A JP H10298463A JP 10993597 A JP10993597 A JP 10993597A JP 10993597 A JP10993597 A JP 10993597A JP H10298463 A JPH10298463 A JP H10298463A
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Abstract
の性能を満足させるインクおよびそれを用いたインクジ
ェット記録方法の提供。 【解決手段】 耐水性に優れるカルボキシル基を有する
所定のフタロシアニン系の色材と、C.I.AcidB
lue9、C.I.DirectBlue199、C.
I.DirectBlue86から選択される少なくと
も一種の色材とを併用し、インクジェット記録インクに
要求される発色性や吐出安定性等を改良した。
Description
式の記録装置に用いるインクジェット用インク及び該イ
ンクジェット用インクを用いるインクジェット記録方法
に関する。
ル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるい
は溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録
を行うものである。インクを吐出する方法については、
静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわゆる電
荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを
吐出させる、いわゆるドロップオンデマンド方式(圧力
パルス方式)、高熱により気泡を形成、成長させること
により生じる圧力を利用してインクを吐出させる、いわ
ゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案されて
おり、これらの方式により、極めて高精細の画像を得る
ことができる。
インクとしては、各種の水溶性の染料を水と水溶性有機
溶媒からなる液状媒体に溶解させた水性染料インク、各
種の顔料を水と水溶性有機溶媒からなる液状媒体に分散
させた水性顔料インク、油溶性染料を有機溶媒に溶解さ
せた油性染料インク等が知られている。これらインクの
中でも、水性染料を溶解した水性インクは、主溶媒が水
であるため、安全性に優れており、さらに、染料を用い
るため、カラー画像の発色性が良く高品位な印字画像が
得られ、インクの保存安定性にも優れるため、インクジ
ェット記録用インクの主流となっている。しかしなが
ら、着色剤として水溶性染料を用いた水性インクの場合
は、印字画像の耐水性が悪いという問題がある。
するために、種々の研究開発がなされている。例えば、
特開平2−296878号公報、特開平2−25587
6号公報には、インク中にポリアミンを含有させ、耐水
性を向上させる方法が提案されている。しかし、このよ
うなインクの場合には、ポリアミンとの相互作用によ
り、染料の溶解安定性が低下し易く、またポリアミンの
経時による反応のため粘度が上昇し易いため、目詰ま
り、インクの吐出安定性の悪化のような信頼性の低下等
が起こりやすいという問題があり、インクジェット記録
用インクとして満足できるものではない。
開平6−93196号公報等には、それぞれ一般式 I、
一般式IIで示されるカルボキシル基を有する色材によっ
て耐水性を向上させる方法が提案されている。しかし、
これらの色材を配合したインクの場合には、耐水性には
優れているが、普通紙、特に紙の表面pHが酸性領域に
ある酸性紙に記録した場合、本来の鮮やかな色調とは異
なったくすんだ色調となり、画像濃度も低い記録画像に
なってしまうという問題がある。
めに、一般のインクでは、pH緩衝剤を添加するのが有
効であるが、インクジェット記録用インクの場合、pH
緩衝剤としてリン酸二水素カリウムや四ほう酸ナトリウ
ム等の無機塩を添加したのでは、目詰まり、インクの吐
出安定性の悪化を招くという問題がある。また、酸性紙
上での色相を改善する方法として、特開平2−2337
81号公報には、インク中にpka>4.3以上のカル
ボン酸塩を含有させる方法が提案されている。しかし、
特開平2−233781号公報に記載のpka>4.3
以上のカルボン酸塩を一般式1または一般式2で示され
るカルボキシル基を有する色材と併用した場合には、こ
れら塩と該色材との相互作用により、該色材の溶解安定
性が低下し、該色材が析出してしまい、目詰まり、イン
クの吐出安定性の悪化を招き、さらには印字した際、画
像の乱れや印字濃度の低下の原因となってしまうという
問題がある。また、これらの塩は一般に臭気を有してお
り、実用に適さない。
に、インクジェット記録用の水性染料インクにおいて
は、耐水性に優れるとともに、インクジェット記録イン
クに要求される発色性や吐出安定性等、種々の性能を満
足させるインクジェット用インクは未だ得られていない
のが現状である。
における諸問題を解決し、インクジェット記録インクに
要求される種々の性能を満足させるインク、すなわち、
耐水性に優れ、普通紙上、特に酸性紙上における色相が
良好で、臭気がなく、画像濃度が高く、インクの目詰ま
りがなく吐出安定性に優れ、長期放置後の吐出回復性に
も優れ、記録ヘッドなどのインクと接触する部剤を腐食
劣化させることなく、高い信頼性を有するインクジェッ
ト記録用インクを提供することである。また、本発明の
もう一つの目的は、該インクジェット記録用インクを用
いたインクジェット記録方法を提供することである。
検討を重ねた結果、一般式 Iおよび/または一般式IIで
示される色材と、C.I.AcidBlue9、C.
I.DirectBlue199、C.I.Direc
tBlue86から選択される少なくとも一種の色材と
を併用することにより、一般式 Iおよび/または一般式
IIで示される色材による耐水性が維持されるとともに、
発色性や吐出安定性等、従来、耐水性とは相容れなかっ
た性能が発揮されることを見出し本発明を完成した。
機溶剤とを含有してなるインクジェット用記録インクに
おいて、一般式 Iおよび/または一般式IIで示される色
材と、C.I.AcidBlue9、C.I.Dire
ctBlue199、C.I.DirectBlue8
6から選択される少なくとも一種の色材とを含有してな
ることを特徴とするインクジェット記録用インクであ
る。
X−NR3 −G)q (Pcは、金属を含むフタロシアニン核を示し、R1 、
R2 、R3 はそれぞれ独立にH、アルキル基、置換アル
キル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル
基、置換アラルキル基を示し、Lは2価の有機結合基を
示し、Xはカルボニル基、又は下記の式(1)〜(3)
で表される基を示す。式(1)〜(3)中の、ZはNR
4 R5 、SR6 、OR6 を示し、Yは、H、Cl、Z、
SR7 、OR7 を示し、Eは、Cl、CNを示す。
R4 、R5 、R6 、R7 は、それぞれ独立に、H、アル
キル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基、置換アラルキル基、または、R4 、
R5 が結合されたN原子とともに5又は6員環を形成す
る基を示す。
から選択された1又は2個の基により置換された有機基
を示し、(t+q)は3〜4で、qは1以上である。一
般式1で示される色材は1個以上の−COOM基と、1
個以上の−SO3 M基を有し、−COSM基と−COO
M基の和が−SO3 M基と同数以上である。またM1、
M2 は対イオンを表し、各々アルカリ金属、アンモニウ
ム及びアミン類の中から選ばれる塩基である。)
示し、R1 は、H、アルキル基、置換アルキル基、アル
ケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラ
ルキル基を示し、R2 は、H、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン基、アミノ基、置換アミノ基を示し、(t
+q)は3〜4で、qは1以上である。またM3 、M 4
は対イオンを表し、各々アルカリ金属、アンモニウム及
びアミン類の中から選ばれる塩基である。)
フィスから吐出させたインク液滴を記録媒体に浸透させ
ることにより記録を行うインクジェット記録方法におい
て、本発明のインクジェット記録用インクを用いること
を特徴とするインクジェット記録方法である。
一般式IIで示される色材と、C.I.AcidBlue
9、C.I.DirectBlue199、C.I.D
irectBlue86から選択される少なくとも一種
の色材との相乗効果により、耐水性に優れ、普通紙上、
特に酸性紙上における色相が良好で、臭気がなく、画像
濃度が高く、インクの目詰まりがなく吐出安定性に優
れ、長期放置後の吐出回復性にも優れ、記録ヘッドなど
のインクと接触する部剤を腐食劣化させることなく、高
い信頼性を有するインクジェット記録用インクを提供さ
れる。また、本発明によれば、該インクジェット記録用
インクを用いることにより、臭気のない状態で長期間に
わたり安定に記録でき、得られる記録像は、普通紙上、
特に酸性紙上における色相が良好で、濃度が高く、高品
質で耐水性に優れるインクジェット記録方法が提供され
る。
インクジェット記録用インクは、水と水溶性有機溶剤と
色材とを含有してなり、該色材として、一般式 Iおよび
/または一般式IIで示される色材と、C.I.Acid
Blue9、C.I.DirectBlue199、
C.I.DirectBlue86から選択される少な
くとも一種の色材とを併用するものである。
般式IIで示される色材(以下、「一般式 Iおよび/また
は一般式IIで示される染料」と称することがある。)
は、カルボキシル基を有するフタロシアニン染料である
が、その遊離酸の水に対する溶解度が比較的低く、さら
にpH<7において、液媒体に対する溶解度が急激に低
下する特徴を有しているため、良好な耐水性を示すもの
である。本発明に用いられる一般式 Iで示される色材は
以下の構造を有する。 一般式 I Pc(SO3 M1 )t (SO2 −NR1 −L−NR2 −
X−NR3 −G)q (Pcは、金属を含むフタロシアニン核を示し、R1 、
R2 、R3 はそれぞれ独立にH、アルキル基、置換アル
キル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル
基、置換アラルキル基を示し、Lは2価の有機結合基を
示し、Xはカルボニル基、又は下記の式(1)〜(3)
で表される基を示す。式(1)〜(3)中の、ZはNR
4 R5 、SR6 、OR6 を示し、Yは、H、Cl、Z、
SR7 、OR7 を示し、Eは、Cl、CNを示す。
R4 、R5 、R6 、R7 は、それぞれ独立に、H、アル
キル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基、置換アラルキル基、または、R4 、
R5 が結合されたN原子とともに5又は6員環を形成す
る基を示す。置換基としては、水酸基、カルボキシル
基、スルホン酸基等をあげることができる。
から選択された1又は2個の基により置換された有機基
を示し、(t+q)は3〜4で、qは1以上である。一
般式Iで示される色材は1個以上の−COOM基と、1
個以上の−SO3 M基を有し、−COSM基と−COO
M基の和が−SO3 M基と同数以上である。またM1、
M2 は対イオンを表し、各々アルカリ金属、アンモニウ
ム及びアミン類の中から選ばれる塩基である。)
アルカリ金属、アンモニウム類及びアミン類の中から選
択される塩基であるが、その具体例としては特に制限は
ないが、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウム
イオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアンモニ
ウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオン等が挙
げられ、対イオンがアンモニウムイオンである場合に
は、紙等の記録媒体上に印字した後、アンモニウムイオ
ンがアンモニアとなって揮発し、一般式 Iおよび/また
は一般式IIで示される色材が遊離酸の形として該記録媒
体上に残るため、耐水性を向上させることができる点で
特に好ましい。Pcは、金属を含むフタロシアニン核で
あるが、該フタロシアニン核に含まれる金属としては、
ニッケル、銅、鉄、チタニウム、バナジウム等が好まし
く、最も好ましいのはCuである。R1 、R2 、R3 は
それぞれ独立にH、アルキル基、置換アルキル基、アル
ケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラ
ルキル基を表し、R4 、R 5 、R6 、R7 は、それぞれ
独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、アリール
基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル
基、または、R4 、R5が結合されたN原子とともに5
又は6員環を形成する基を表すが、その具体例として好
ましいものは、H、炭素数1〜5のアルキル基、−OH
基又は−COOH基で置換された炭素数1〜5の置換ア
ルキル基などである。
材は以下の構造を有する。 一般式II
示し、R1 は、H、アルキル基、置換アルキル基、アル
ケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラ
ルキル基を示し、R2 は、H、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン基、アミノ基、置換アミノ基を示し、(t
+q)は3〜4で、qは1以上である。またM3 、M 4
は対イオンを表し、各々アルカリ金属、アンモニウム及
びアミン類の中から選ばれる塩基である。)置換基とし
ては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等をあげ
ることができる。
アルカリ金属、アンモニウム類及びアミン類の中から選
択される塩基であるが、その具体例としては特に制限は
ないが、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウム
イオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアンモニ
ウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオン等が挙
げられ、これらの中でも耐水性を向上させることができ
る点でアンモニウムイオンが好ましい。Pcは、金属を
含むフタロシアニン核であるが、該フタロシアニン核に
含まれる金属としては、ニッケル、銅、鉄、チタニウ
ム、バナジウム等が好ましく、最も好ましいのはCuで
ある。R1 は、H、アルキル基、置換アルキル基、アル
ケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラ
ルキル基を表し、またR2 は、H、アルキル基、アルコ
キシ基、ハロゲン基、アミノ基、置換アミノ基をその具
体例として好ましいものは、H、炭素数1〜5のアルキ
ル基、−OH基又は−COOH基で置換された炭素数1
〜5の置換アルキル基などである。COOM基は、式中
の2位、3位、5位、6位に存在するのが好ましく、2
位または3位に存在するのがより好ましい。
うち、一般式 IIIで表される構造が特に好ましい。 一般式 III
フタロシアニン核を表し、M5 、M 6 は対イオンを表
す。
い具体例(化合物 I−1〜 I−19)および一般式2で
示される色材の好ましい具体例(化合物II−1〜II−1
1)を示す。なお、本発明は、これらの好ましい具体例
に何ら限定されるものではない。
び/または一般式IIで示される色材は、その遊離酸の水
に対する溶解度が比較的低く、さらにpH<7におい
て、液媒体に対する溶解度が急激に低下する特徴を有し
ているため、良好な耐水性を示すものであるが、インク
ジェット記録用インクが、一般式 Iおよび/または一般
式IIで示される色材のみを含有する場合には、記録媒体
上での急激なpH低下により生じる一般式 Iおよび/ま
たは一般式IIで示される色材の凝集・析出により、普通
紙上、特に酸性紙上における色相が悪くなる傾向もあ
る。また、その遊離酸の水に対する溶解度の低さから、
ノズルの先端での局所的な水分蒸発や、インクカートリ
ッジ中での長期保管などによる水分の減少によって一般
式 Iおよび/または一般式IIで示される色材が析出しや
すくなる。
は一般式IIで示される色材と混合併用される色材は、
C.I.AcidBlue9、C.I.DirectB
lue199、C.I.DirectBlue86から
選択される。その中でも、一般式 Iおよび/または一般
式IIで示される色材と混合併用した場合に耐水性が良好
で、普通紙上、特に酸性紙上における色相の改善、吐出
安定性の改善が顕著である等の点で、C.I.Acid
Blue9が好ましい。
式IIで表される色材のみならず、これとC.I.Aci
dBlue9、C.I.DirectBlue199、
C.I.DirectBlue86から選択される少な
くとも一つの色材(以下「混合併用される色材」又は
「混合併用される染料」と称することがある)とを含有
し併用するので、耐水性を損なうことなく、普通紙上、
特に酸性紙上における色相の改善を可能にし、さらに水
分の減少によって色材濃度が上昇した場合も、色材が析
出することなく、目詰まり、インクの吐出安定性の悪化
を起こすことがない。
一般式 Iおよび/または一般式IIで表される色材に対し
て、混合併用する色材が何らかの相互作用をもたらし、
紙面上におけるpHの急激な低下に対して一般式 Iおよ
び/または一般式IIで表される色材を保護することによ
って、急激な凝集・析出現象を抑制し、緩和していると
推測される。また混合併用する色材自身も良好な色相を
有するため、混合併用することにより、一般式 Iおよび
/または一般式IIで表される色材の色相の悪さを補い、
インク全体としての色相の改善ができるものと推測され
る。また一般式Iおよび/または一般式IIで表される色
材と比べて、混合併用される色材は、比較的溶解度の高
い性質を有するため、水分が減少し、一般式 Iおよび/
または一般式IIで表される色材の不溶化が起こり始めて
も、それを保護し、可溶化するものと推測される。
いては、一般式 Iおよび/または一般式IIで表される色
材と、混合併用される色材との重量比が95:5〜7
0:30の範囲にあることが好ましい。95:5を越え
て一般式 Iおよび/または一般式IIで表される色材の比
率が大きくなると、相乗効果は発現せず、色相の改善は
得られないこともある。一方、70:30未満に一般式
Iおよび/または一般式IIで表される色材の比率が小さ
くなると、印字した際、その画像の耐水性が低下してし
まうことがある。また、本発明のインクジェット記録用
インクにおいては、発色性、画像濃度、また色材の溶解
安定性の点で、全色材の含有量が0.3〜10重量%で
あることが好ましく、1〜8重量%がさらに好ましい。
を示すものであれば特に制限はなく、例えば、多価アル
コール、ポリグリコール、グリコールエーテル、アルコ
ール、アルカノールアミン、その他の極性溶剤等が挙げ
られる。
グリコール及びグリコールエーテルから選択される少な
くとも1種である場合には、インクの保湿性及び色材の
溶解性が良好になり、目詰まり、インクジェット記録用
インクの吐出安定性を維持し、さらに長期の保存に対し
ても色材の凝集・析出を防ぐことができるため、より好
ましく、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール。プロピレングリコール、チオジグリコール
が特に好ましい。また、インクジェット記録用インクの
紙への浸透性及び色材の溶解性の点からは、グリコール
エーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ま
しい。
しては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、グリセリン、チオジグリコール等を好適に用いるこ
とができる。前記グリコールエーテルとしては、例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を好適
に用いることができる。
ール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコ
ール等を好適に用いることができる。前記アルカノール
アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等を好適に用い
ることができる。前記極性溶剤としては、例えば、ピロ
リドン、Nーメチルー2ーピロリドン、トリエタノール
アミン、ジメチルスルオキシド、スルフォラン等を好適
に用いることができる。
1種単独でも使用してもよく、また2種以上を併用して
もよい。また、本発明においては、これらの水溶性有機
溶剤のインクジェット記録用インクにおける含有量が3
〜40重量%であることが好ましい。前記水溶性有機溶
剤の含有量が3重量%未満であるとインクジェット記録
用インクが乾燥しやすくなり、一方40重量%を越える
と紙への定着が悪く、また粘度が高くなり吐出不良を起
こしやすくなる。
水、純水、超純水が好ましく、特に超純水が、多価カチ
オン、微生物等の混入が無く、保管安定性、目詰まりの
点で好ましく用いられる。
その他の成分を含有していても良く、それらの成分は、
特に制限なく目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、20°CにおけるpKaが6.0〜10.0の
範囲であるカルボン酸及び/又はスルホン酸構造を有す
る含窒素化合物、アルカリ金属の水酸化物、水酸化アン
モニウム、常温において固体であり、100〜350°
Cにおいて重量で50%以上気化する水溶性有機化合
物、界面活性剤等の成分を含有していても良い。
pHが8.0〜12.0の範囲にあることが好ましい。
かかる範囲では適度なpHの緩衝作用を発揮し、印字後
の乾燥時の急激なpH低下を緩和し、色相の悪化をさら
に改善することができる。pHが、8.0未満であると
色材が初期段階から析出し易くなることがあり、12.
0を越えるとヘッド材料をはじめインクジェット記録装
置内で常時インクと接触する材料の腐食や溶解、剥離等
の劣化が進み易くなることがある。また、色材の溶解安
定性、他の構成材料の安定性の点で、pHが8.0〜1
0.0の範囲にあることがより好ましく、8.5〜9.
5の範囲にあることがさらに好ましい。
に維持し、かつ色材を安定的に溶解するために、20°
Cにおけるpkaが6.0〜10.0であるカルボン酸
及び/又はスルホン酸構造(これらは塩であってもよ
い)を有する含窒素化合物と、アルカリ金属の水酸化物
(MOHで表され、Mは、Li、Na、Kから選択され
る)若しくは水酸化アンモニウムとを添加することが好
ましい。これらの成分によりpHを調製すれば、特に、
保管安定性、目詰まりの点で有利である。
6.0〜10.0の範囲であるカルボン酸及び/又はス
ルホン酸構造(これらは塩であってもよい)を有する含
窒素化合物としては、カルボキシル基が置換したアルキ
ル基、スルホン酸基が置換したアルキル基を含有する窒
素化合物が挙げられる。また、カルボキシル基やスルホ
ン酸基に加え、さらに水酸基が置換したアルキル基、カ
ルバモイル基が置換したアルキル基等を含有する化合物
が挙げられる。
ては、例えば、カルボキシメチル基、1−カルボキシエ
チル基、2−カルボキシエチル基、1−カルボキシ−n
−プロピル基、2−カルボキシ−n−プロピル基、3−
カルボキシプロピル基、2−カルボキシ−i−プロピル
基、1−カルボキシ−n−ブチル基、4−カルボキシブ
チル基、3−カルボキシ−i−ブチル基、2−メチル−
4−カルボキシブチル基、カルボキシ−t−ブチル基、
5−カルボキシペンチル基等が挙げられる。
は、例えば、前記カルボキシル基が置換したアルキル基
において該カルボキシル基をスルホン酸基で置き換えた
アルキル基等が挙げられる。
カリウムまたはアンモニウム塩の形態でアルキル基に置
換していてもよい。これらの酸性基の好ましい例として
は、カルボキシメチル基、1−カルボキシエチル基、1
−カルボキシ−n−プロピル基、スルホメチル基、1−
スルホエチル基、1−スルホ−n−プロピル基等が挙げ
られる。
えば、メチロール基、2−ヒドロキシエチル基、メチロ
ールメチル基、トリメチロールメチル基、1−ヒドロキ
シ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル
基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−i−
プロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒド
ロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシブチル基、3−
ヒドロキシ−i−ブチル基、2−メチル−3−ヒドロキ
シブチル基、ヒドロキシ−t−ブチル基、4−ヒドロキ
シ−n−ペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基等が挙
げられる。
ては、例えば、前記カルボキシル基が置換したアルキル
基において該カルボキシル基をカルバモイル基で置き換
えたアルキル基等が挙げられ、その好ましい具体例とし
ては、メチロール基、2−ヒドロキシエチル基、トリメ
チロールメチル基、カルバモイルメチル基等が挙げられ
る。
はないが、アセトアミドグリシン、N−2−ヒドロキシ
エチルグリシン、N−カルバモイルメチル−β−アラニ
ン、N−2−ヒドロキシエチル−N−カルバモイルメチ
ルグリシン、N−ヒドロキシメチル−N−カルバモイル
メチル−γ−アミノ酪酸、N−カルボキシメチルイミノ
ジアセトアミド、N−カルバモイルメチルイミノジ酢
酸、N−ヒドロキシプロピルイミノジプロピオン酸、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン等、あ
るいはN−2−ヒドロキシエチル−2−アミノエタンス
ルホン酸、N−3−ヒドロキシプロピル−2−アミノエ
タンスルホン酸、N−カルバモイルメチル−2−アミノ
エタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−アミノエタンスルホン酸、N−2−ヒドロキ
シエチル−N−カルバモイルメチルアミノメタンスルホ
ン酸、N−2−ヒドロキシエチル−N−カルバモイルメ
チル−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス−カ
ルバモイルメチル−2−アミノエタンスルホン酸、N−
2−ヒドロキシエチルイミノジエタンスルホン酸、N−
トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパ
ンスルホン酸、またはこれらのリチウム、ナトリウム、
カリウム又はアンモニウム塩等が挙げられる。
の中でも、インクベヒクルへの溶解性という点で、N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタン
スルホン酸、アセトアミドグリシン、N−カルバモイル
メチルイミノジ酢酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)
メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)グリシンが好ましい。また、
その中でも熱的な安定性という点で、N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸が
より好ましい。
てもよいし、2種以上を併用してもよい。含窒素化合物
のインクジェット記録用インクにおける含有量は、用い
る色材自体の溶解性によって異なり、適宜適切な量が選
択されるが、十分な色材溶解安定化能を発揮し、含窒素
化合物自体も十分に溶解安定化し得るには、0.1〜8
重量%が好ましく、色材の溶解安定化と該含窒素化合物
自体の溶解安定性とのバランスの点で、0.4〜3重量
%がより好ましい。
しては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等が挙げられる。水酸化アンモニウムと
該アルカリ金属の水酸化物の中では、イオン化した場合
の保水性の点で水酸化リチウム、水酸化ナトリウムが特
に好ましい。
物及び水酸化アンモニウムのインクジェット記録用イン
クにおける含有量は、前記含窒素化合物の含有量に依存
し、一概に規定することができないが、インクジェット
記録用インクのpHを8以上に保つためには、0.05
重量%以上が好ましく、ヘッド材料をはじめインクジェ
ット記録装置内で常時インクと接触する材料の腐蝕や溶
解、剥離等の劣化を十分に抑制するためには5重量%以
下が好ましく、具体的には、0.05〜5重量%の範囲
内でインクジェット記録用インクのpHが8〜12の範
囲に調整されるように添加するのが好ましい。
いては、常温において固体であり、100〜350°C
において重量で50%以上が気化する水溶性有機化合物
(以下、「特定の水溶性有機化合物」と称することがあ
る。)を添加するのが好ましい。かかる水溶性有機化合
物を含有してなると、インクを加熱することによりイン
ク液滴を形成するインクジェット記録方法に該インクジ
ェット記録用インクを用いた場合、インク液滴を噴射す
る力が向上し、その結果インク液滴が紙表面上により強
く着弾し、緩く着弾した場合に比べ、インク液滴の紙表
面上における滞留時間が短くなり、従って染料が紙上に
おいて過剰に凝集・析出することなく、発色性の良い画
像を得ることができる。特定の水溶性有機化合物の気化
する割合が高くなるほど、これらの効果は顕著であり、
50%以下では、インク液滴を噴射する力が不十分かつ
不安定となる。
味し、「100〜350°Cにおいて50重量%以上が
気化する」とは、熱重量分析において、20°C/分の
速度で昇温し、100〜350°Cの温度範囲における
重量減少率が50重量%以上であることを意味する。
00〜350°Cにおいて重量で50%以上が気化する
水溶性有機化合物としては、尿素、チオ尿素又はその誘
導体、及びベタインが好適に用いられる。これらの水溶
性有機化合物の場合には、水および水溶性有機溶媒への
溶解安定性が良好のため、保管安定性、目詰まりの点で
有利である。尿素の誘導体としては、例えば、アルキル
尿素類、ジアルキル尿素類、エチレン尿素等が挙げられ
る。前記チオ尿素の誘導体としては、例えば、アルキル
チオ尿素類、ジアルキルチオ尿素類等が挙げられる。
自身が保湿性を有するため、インクジェット記録用イン
クの保湿性の向上を補助する。さらに、これらの特定の
水溶性有機化合物は、色材の溶解性を補助する性質も有
していることから、色材の析出を抑制し、インクジェッ
ト記録用インクの保存安定性にも寄与している。
合物のインクジェット記録用インクにおける含有量は、
インク液滴を噴射する力を十分に向上させ、保湿性を保
ち、前記含窒素化合物、前記アルカリ金属の水酸化物及
び水酸化アンモニウムとの相互作用を十分に保つために
は、0.1重量%以上が好ましく、これらの特定の水溶
性有機化合物の溶解性安定性を十分に得、安定したイン
ク液滴の噴射力を得るためには、15重量%以下が好ま
しく、3〜9重量%がより好ましい。
いては、界面活性剤を添加することが好ましい。かかる
界面活性剤を含有してなると、該界面活性剤がインクジ
ェット記録用インクの紙への浸透性を促進するだけでな
く、色材分子と相互作用を生じることにより、該色材を
安定に溶解させ、その結果、目詰まり、インクジェット
記録用インクの吐出安定性の悪化を防ぎ、さらに長期に
渡る保存に対しても色材の凝集・析出を防ぐことができ
る。また色材分子との相互作用により印字物の発色制御
も良好になる。
ン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界
面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよい。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンドデシルフェニルエーテル、等の、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン/ポリ
オキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコ
ールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレ
ンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等を用いるこ
とができる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩のホルマ
リン縮合物、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸
エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級
アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびスルホン酸
塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸
塩、スルホコハク酸塩、そのエステル塩等を用いること
ができる。
第一、第二又は第三級のアミン塩、第四級アンモニウム
塩等を用いることができる。両性界面活性剤としては、
例えば、ベタイン、スルホベタイン、サルフェートベタ
イン、イミダゾリルベタイン等を用いることができる。
さらに、本発明においては、前記界面活性剤として、リ
オキシエチレンパーフロロアルキルエーテル、パーフロ
ロアルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフロロアルキル
第四級アンモニウム塩等のフッソ系界面活性剤や、シリ
コン系界面活性剤等を用いることができる。
中でも、色材のイオンや、前記各成分のイオンと相互作
用を起こしにくいノニオン界面活性剤が好ましく、熱的
な安定性と純度の点でポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共
重合体がより好ましい。
ンクジェット記録用インクにおける含有量としては、
0.005〜5重量%であることが好ましく、0.01
〜2重量%がより好ましい。
ンクは、必要に応じて、包接化合物、キレート化剤、防
カビ剤、水溶性高分子等を含有していてもよい。包接化
合物としては、例えば、シクロデキストリン、ポリシク
ロデキストリン、大環状アミン類、クラウンエーテル
類、アセトアミド等が挙げられる。キレート化剤として
は、例えば、EDTA(エチレンジアミン−N,N,
N’,N’−4酢酸)、EDMA(エチレンジアミン−
N−モノ酢酸)、NTA(ニトリロ3酢酸)等が挙げら
れる。防カビ剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸
ナトリウム、サリチル酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸
ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム等
が挙げられる。水溶性高分子としては、例えば、アルギ
ン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ
る。
20°Cにおける、導電率σ(S/m)と粘度η(mP
as)の積(σ×η)が0.4〜4.0であることが好
ましい。これらの値がかかる範囲にあると、一般式 Iお
よび/または一般式IIで示される色材と混合併用される
色材とを安定に溶解することができ、目詰まり、インク
ジェット記録用インクの吐出安定性の悪化を防ぎ、長期
に渡る保存に対しても、色材の析出を防ぐことができ
る。
クは、20°Cにおける、表面張力γが20〜40mN
/mであり、かつ粘度ηが1.5〜5.0mPasであ
ることが好ましい。これらの値がかかる範囲にあると、
インクジェット記録用インクの紙への浸透速度を早める
ことができ、その結果、色材が紙上において過剰に凝集
・析出することなく定着することができる。
公知の配合物と同様に製造することができ、以下の本発
明のインクジェット記録方法に好適に用いることができ
る。
クジェット記録方法は、インクとして本発明のインクジ
ェット記録用インクを用いるかぎり特に制限はなく、そ
れ自体公知の記録方式を採用することができる。前記イ
ンクジェット記録方法は、一般に、記録信号に応じてオ
リフィスから吐出させたインク液滴を記録媒体に浸透さ
せることにより記録を行う方法である。
れる記録方式としては、特に制限はないが、例えば、静
電誘引力を利用してインクを吐出させるいわゆる電荷制
御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出
させるいわゆるドロップオンデマンド方式(圧力パルス
方式)、及びインクを加熱した気泡を形成、成長させる
ことにより生じる圧力を利用してインク液滴を形成する
いわゆる熱インクジェット方式などが挙げられる。
でも熱インクジェット方式が好ましい。インク液滴が、
加熱手段からインクジェット記録用インクに熱エネルギ
ーを作用させることにより形成される場合には、吐出安
定性が良好となる。以下、図1〜3を参照しながら、熱
インクジェット方式による本発明のインクジェット記録
方法の好適な一例について説明する。
られる記録ヘッドの概略図であり、図1は、該記録ヘッ
ドの正面図であり、図2は、該記録ヘッドの平面図であ
り、図3は図1及び図2における点線abに沿った該記
録ヘッドの断面図である。なお、図1において、矢印A
方向は、該記録ヘッドの高さ方向を、矢印B方向は、該
記録ヘッドの奥行き方向を、矢印C方向は、該記録ヘッ
ドの長さ方向をそれぞれ示す。
直方体状の本体12を備えている。この本体12には、
高さ方向(矢印A方向)と平行であり、かつ上面12A
から本体12の高さ方向の略中央まで達する第1流路1
4が形成されている。
と平行であり、かつ正面12Bから第1流通路14の手
前まで達する直方体状の切欠き12Cが形成され、切欠
き12Cの奥行き側には、奥行き方向(矢印B方向)と
平行であり、かつ切欠き12Cと第1流通路14とを連
通するための連通路16が形成されている。
方向)と平行であり、切欠き12Cと連続する位置に、
第2流路18が形成されている。この第2流路18の正
面形状は三角形となっており、第2流路18の奥行き方
向の長さは、切欠き12Cの奥行き方向の長さよりも若
干短く形成されている。
方向)と平行とされ、かつ連通路16の正面12C側と
第2流路18の正面12Cとは反対側とを連通する連通
路20が形成されている。
された直方体状のはめ込み部22がはめ込まれ、エポキ
シ樹脂により固定されている。このはめ込み部22に
は、第2流路18の下方、かつはめ込み部22の奥行き
方向の略中央部の位置に直方体状の切欠き22Aが形成
されており、切欠き22A内には図示しないコントロー
ラに接続された加熱手段としての発熱体24が配置され
ている。即ち、この記録ヘッド10においては、加熱手
段としての発熱体24の周囲がポリイミド系樹脂で形成
されている。このように、加熱手段の周囲がポリイミド
系樹脂で形成されていると、該樹脂がインクジェット記
録用インクに含まれる成分に対して、十分な化学耐性を
有するため、該加熱手段の周囲の劣化を抑制することが
できる。ここで、「加熱手段の周囲」とは、発熱体によ
って200°C以上に加熱される部分であって、インク
流路に接する部分をいう。
連通路16及び20、並びに、第2流路18がインク流
路を形成しており、第2流路18の正面12B側が吐出
口26となっている。そして、インク流路を流れるイン
クは、第2流路18の下方に配置された発熱体24に加
熱され、これによりインク液滴が形成されて、吐出口2
6より吐出される。
示しないコントローラから複数のエネルギーパルスが作
用(印加)されることにより行われる。複数のエネルギ
ーパルスの作用を受ける場合には、長期間使用しても、
初期の印字品質を保つことができる。
は、記録を行う記録工程の外、他の工程を含んでいても
良く、例えば、目詰まりを防止する目的のために、記録
を行わないときにインク液滴を予備吐出させる予備吐出
工程を含んでいることが好ましい。
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において「部」は全て「重
量部」を意味し、その計が100重量部である。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.5であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.4であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.2であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは8.9であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.2であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.7であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.0であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.6であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.4であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.2であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.2であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.4であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.6であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.3であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.2であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.1であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.4であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは7.7であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは8.8であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは11.5であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは8.4であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.2であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは8.4であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは8.6であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは7.8であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは8.8であった。
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。調製したイ
ンクのpHは9.4であった。
インクのpH、導電率、粘度、表面張力を測定し、ま
た、各インクを用いて、耐水性、色相、像濃度、目詰ま
り性、長期放置後の吐出回復性についての評価を下記の
基準に従って行った。その結果を表1〜3に示す。
の環境下において、pHメーター(堀場製作所(株)
製)により測定した。 2)導電率:導電率は、20°C、50%RHの環境下
において、導電率計(電気化学計器(株)製)により測
定した。 3)粘度:粘度は、20°C、50%RHの環境下にお
いて、粘度計(レオマット(株)製)により粘度を測定
した。 4)表面張力:表面張力は、20°C、50%RHの環
境下において、表面張力計(協和界面化学(株)製)に
より測定した。
リントヘッド(構成材料がシリコン、ポリイミド、及び
エポキシなどよりなる。吐出口の形状が一辺の長さが6
0μmの三角形のノズルを有するヘッドである。)及
び、それを登載したサーマルインクジェットプリンター
を用いて行った。プリントヘッドの駆動条件は、駆動電
圧30V、発熱抵抗体の抵抗値180Ω、周波数6kH
z、記録信号に対する印字吐出の駆動パルス及び予備吐
出の駆動パルスは下記の条件であった。予備吐出は印字
パルスが1×107 パルスを越えた時点で1×105 パ
ルス行った。
X−L紙(富士ゼロックス(株)製)とゼロックス40
24紙(ゼロックス(株)製)に、ベタ画像を印字し濃
度をマクベス濃度計で測定した。印字終了から24時間
放置後、水に3分間浸漬後それを取り出し、乾燥させた
後、再度濃度を測定し、印字画像の濃度残存率を求め耐
水性の指標とした。 ○・・・ 濃度残存率80%を越える状態 △・・・ 濃度残存率50〜80%である状態 ×・・・ 濃度残存率50%未満である状態
X−L紙(富士ゼロックス(株)製)とゼロックス40
24紙(ゼロックス(株)製)にベタ画像を印字し、そ
の色相を官能評価した。 ○・・・ 鮮やかなシアン色である状態 △・・・ ややくすんだシアン色である状態 ×・・・ くすんだシアン色である状態
X−L紙(富士ゼロックス(株)製)とゼロックス40
24紙(ゼロックス(株)製)に、ベタ画像を印字し濃
度をマクベス濃度計で測定した。 ○・・・ 印字濃度が1.10以上である状態 △・・・ 印字濃度が1.00〜1.09である状態 ×・・・ 印字濃度が0.99以下である状態
C、15%RH、及び30°C、85%RHの雰囲気中
で、所定時間解放放置後、吐出テストを行い、以下の基
準で評価を行った。 ○・・・ 300秒放置で吐出可能である状態 △・・・ 180秒放置で吐出可能である状態 ×・・・ 180秒放置で吐出不可能である状態
し、10°C、15%RH、及び30°C、85%RH
の雰囲気中で2ヵ月放置後、吸引ポンプでの回復操作を
行った後印字させ、正常な印字ができるかを評価した。 ○・・・ 回復操作3回以内で正常印字可能である状態 △・・・ 回復操作4回〜8回で正常印字可能である状
態 ×・・・ 回復操作4回〜8回で正常印字不可能である
状態
合には、耐水性、色相、画像濃度及び耐ノズル目詰まり
性が良好であり、長期放置後の吐出回復性が良好であ
り、記録ヘッド等のインクと接触する部材を腐食劣化さ
せることなく、高い信頼性を得ることができることが明
らかである。
題を解決することができ、耐水性に優れ、普通紙上、特
に酸性紙上における色相が良好で、臭気がなく、画像濃
度が高く、インクの目詰まりがなく吐出安定性に優れ、
長期放置後の吐出回復性にも優れ、記録ヘッド等のイン
クと接触する部材を腐食劣化させることなく、高い信頼
性を有するインクジェット記録用インク、及び該インク
ジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法
を提供することができる。
ト記録装置に用いられる記録ヘッドの一例を説明するた
めの正面図である。
ト記録装置に用いられる記録ヘッドの一例を説明するた
めの平面図である。
ト記録装置に用いられる記録ヘッドの一例であって、図
1及び図2に示す記録ヘッドにおける点線ab(奥行き
方向)に沿って切断したときの断面図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 水と色材と水溶性有機溶剤とを含有して
なるインクジェット用記録インクにおいて、一般式 Iお
よび/または一般式IIで示される色材と、C.I.Ac
idBlue9、C.I.DirectBlue19
9、C.I.DirectBlue86から選択される
少なくとも一種の色材とを含有してなることを特徴とす
るインクジェット記録用インク。 一般式 I Pc(SO3 M1 )t (SO2 −NR1 −L−NR2 −
X−NR3 −G)q (Pcは、金属を含むフタロシアニン核を示し、R1 、
R2 、R3 はそれぞれ独立にH、アルキル基、置換アル
キル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル
基、置換アラルキル基を示し、Lは2価の有機結合基を
示し、Xはカルボニル基、又は下記の式(1)〜(3)
で表される基を示す。式(1)〜(3)中の、ZはNR
4 R5 、SR6 、OR6 を示し、Yは、H、Cl、Z、
SR7 、OR7 を示し、Eは、Cl、CNを示す。
R4 、R5 、R6 、R7 は、それぞれ独立に、H、アル
キル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基、置換アラルキル基、または、R4 、
R5 が結合されたN原子とともに5又は6員環を形成す
る基を示す。 【化1】 Gは−COSM2 基または−COOM2 基から選択され
た1又は2個の基により置換された有機基を示し、(t
+q)は3〜4で、qは1以上である。一般式Iで示さ
れる色材は1個以上の−COOM基と、1個以上の−S
O3 M基を有し、−COSM基と−COOM基の和が−
SO3 M基と同数以上である。またM1、M2 は対イオ
ンを表し、各々アルカリ金属、アンモニウム及びアミン
類の中から選ばれる塩基である。) 一般式II 【化2】 (Pcは、金属を含むフタロシアニン核を示し、R
1 は、H、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル
基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル
基を示し、R2 は、H、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン基、アミノ基、置換アミノ基を示し、(t+q)
は3〜4でqは1以上である。またM3 、M4は対イオ
ンを表し、各々アルカリ金属、アンモニウム及びアミン
類の中から選ばれる塩基である。) - 【請求項2】 前記一般式 Iまたは一般式IIで示される
色材の、M1 、M2 、M 3 及びM4 の少なくとも1つ
が、アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項
1に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項3】 一般式 Iおよび/または一般式IIで示さ
れる色材と、C.I.AcidBlue9、C.I.D
irectBlue199、C.I.DirectBl
ue86から選択される少なくとも1種の色材との重量
比が、95:5〜70:30であることを特徴とする請
求項1または2に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項4】 得られたインクのpHが8.0〜12.
0であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のイン
クジェット記録用インク。 - 【請求項5】 20°CにおけるpKaが6.0〜1
0.0の範囲であるカルボン酸および/またはスルホン
酸構造を有する含窒素化合物と、アルカリ金属の水酸化
物及び水酸化アンモニウムのいずれか一方とを含有して
なることを特徴とする請求項1乃至4に記載のインクジ
ェット記録用インク。 - 【請求項6】 得られたインクの20°Cにおける、導
電率σ(S/m)と粘度η(mPas)の積(σ×η)
が、0.4〜4.0の範囲であることを特徴とする請求
項1乃至5に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項7】 得られたインクの20°Cにおける、表
面張力γが20〜40mN/mであり、粘度ηが1.5
〜5.0mPasであることを特徴とする請求項1乃至
6に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項8】 前記水溶性有機溶剤が、多価アルコー
ル、ポリグリコール及びグリコールエーテルから選択さ
れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃
至7に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項9】 界面活性剤を含有してなることを特徴と
する請求項1乃至8に記載のインクジェット記録用イン
ク。 - 【請求項10】 常温において固体であり、100〜3
50°Cにおいて重量で50%以上気化する水溶性有機
化合物を含有してなることを特徴とする請求項1乃至9
に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項11】 前記の常温において固体であり、10
0〜350°Cにおいて重量で50%以上気化する水溶
性有機化合物のインクジェット記録用インクにおける含
有量が、0.1〜15重量%であることを特徴とする請
求項10に記載のインクジェット記録用インク。 - 【請求項12】 前記の常温において固体であり、10
0〜350°Cにおいて重量で50%以上気化する水溶
性有機化合物が、尿素、チオ尿素及びこれらの誘導体、
並びにベタインから選択される少なくとも1種であるこ
とを特徴とする請求項10または11に記載のインクジ
ェット記録用インク。 - 【請求項13】 インクジェット記録用インクにおける
全色材の含有量が、0.3〜10重量%であることを特
徴とする請求項1乃至12に記載のインクジェット記録
用インク。 - 【請求項14】 記録信号に応じてオリフィスから吐出
させたインク液滴を記録媒体に浸透させることにより記
録を行うインクジェット記録方法において、請求項1乃
至13に記載のインクジェット記録用インクを用いるこ
とを特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項15】 前記インク液滴が、加熱手段からイン
クジェット記録用インクに熱エネルギーを付与すること
により形成されることを特徴とする請求項14に記載の
インクジェット記録方法。 - 【請求項16】 前記加熱手段に複数のエネルギーパル
スを作用させてインクに熱エネルギーを付与することを
特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録方
法。 - 【請求項17】 前記加熱手段の周囲がポリイミド系樹
脂で形成されていることを特徴とする請求項15または
16に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項18】 予備吐出工程と記録工程とを含み、該
記録工程において、記録信号に応じてオリフィスから吐
出させたインク液滴を記録媒体に浸透させることを特徴
とする請求項14乃至17に記載のインクジェット記録
方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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