JPH10298137A - エステル化合物の製造方法 - Google Patents

エステル化合物の製造方法

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JPH10298137A
JPH10298137A JP11306897A JP11306897A JPH10298137A JP H10298137 A JPH10298137 A JP H10298137A JP 11306897 A JP11306897 A JP 11306897A JP 11306897 A JP11306897 A JP 11306897A JP H10298137 A JPH10298137 A JP H10298137A
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aliphatic
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伸 中村
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 脂肪族若しくは芳香族のモノ、ジ若しく
はトリカルボン酸又は無機酸或いはそれらのハロゲン化
物(A)と、脂肪族アルコール又はアルキル置換フェノ
ール(B)とを、(B)を(A)に対して化学当量ない
しそれ以下の量で反応させ、次いで得られる反応混合物
を過剰量の(B)より低い沸点を有する脂肪族アルコー
ル、フェノール又はアルキル置換フェノール(C)と反
応させて混合エステル化合物を得ることを特徴とするエ
ステル化合物の製造方法を提供する。 【効果】 耐熱性や他の物性に悪影響を及ぼす脂肪族ア
ルコール又はアルキル置換フェノールの含有量の少ない
エステル化合物を得ることができる。また、本発明によ
れば、精製工程のような後処理工程を簡略化できるの
で、製造時間の短縮及びコストダウンを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステル化合物の
製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、耐熱性や
他の物性に悪影響を及ぼす脂肪族アルコール又はアルキ
ル置換フェノールの含有量の少ないエステル化合物の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エステル化合物は、各種樹脂の可塑剤、
難燃剤又は樹脂改質剤、或いは潤滑剤、安定剤等の添加
剤として使用されている。一方、近年では自動車産業、
エレクトロニクス等の技術革新に伴い、樹脂に要求され
る性能も高度化の一途をたどっている。このような背景
から、樹脂添加剤としてのエステル化合物も基本性能の
大幅な向上、またこのような性能を有するエステル化合
物の新しい製造方法の開発が産業界から要望されてい
る。
【0003】エステル化合物は、一般に有機酸若しくは
無機酸又はそれらのハロゲン化物とアルコール類又はフ
ェノール類(以下、ヒドロキシ化合物と称す)とを、触
媒の存在下又は非存在下で反応させて製造される。通
常、前記反応では、有機酸若しくは無機酸又はそれらの
ハロゲン化物の使用量に対して化学当量より過剰のヒド
ロキシ化合物を用い、反応後残存するヒドロキシ化合物
を蒸留或いは洗浄等により除去する方法が採られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような製造方法では、過剰に用いたヒドロキシ化合物を
蒸留や洗浄等の方法により完全に除去できない場合があ
った。このエステル化合物中に残存するヒドロキシ化合
物は、製品純度を低下させるだけでなく、耐熱性を低下
させ、また樹脂に配合した場合には、樹脂の耐候性、耐
熱性、臭気、絶縁性、耐汚染性、毒性等に悪影響を及ぼ
すので好ましくない。
【0005】逆に有機酸若しくは無機酸又はそれらのハ
ロゲン化物の使用量に対して化学当量より少ないヒドロ
キシ化合物を用いて反応させた場合には、酸成分が残存
しエステル化合物の酸価が高くなり、配合した樹脂に悪
影響を及ぼすので好ましくない。このような酸価の上昇
を防ぐためにはアルカリによる中和や、エポキシ化合物
と反応させて酸価を下げる方法が採られる。しかし、前
記反応で生成するアルカリ金属塩やエーテル化合物が前
記のような悪影響を及ぼす原因となるので好ましくな
い。
【0006】本発明は、耐熱性や他の物性に悪影響を及
ぼす脂肪族アルコール又はアルキル置換フェノールの含
有量の少ないエステル化合物の製造方法を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、脂肪族若しくは芳香族のモノ、ジ若しくはトリカル
ボン酸又は無機酸或いはそれらのハロゲン化物(A)
と、脂肪族アルコール又はアルキル置換フェノール
(B)とを、(B)を(A)に対して化学当量ないしそ
れ以下の量で反応させ(主反応とする)、次いで得られ
る反応混合物を過剰量の(B)より低い沸点を有する脂
肪族アルコール、フェノール又はアルキル置換フェノー
ル(C)と反応させて(補完反応とする)混合エステル
化合物を得ることを特徴とするエステル化合物の製造方
法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な反応工程
を説明する。まず、主反応では、脂肪族若しくは芳香族
のモノ、ジ若しくはトリカルボン酸又は無機酸或いはそ
れらのハロゲン化物(A)と、脂肪族アルコール又はア
ルキル置換フェノール(B)とを、(B)を(A)に対
して化学当量ないしそれ以下の量で反応させ、エステル
化合物を生成する。
【0009】(B)は、(A)に対する化学当量を1と
して0.8〜1.0、好ましくは0.9〜1.0であ
る。(B)が(A)に対する化学当量を1として0.8
より小さい場合、(A)の酸成分がエステル化合物中に
残存し、次の補完反応で(C)に起因するエステル化合
物が多く残存し過ぎるので好ましくなく、1.0より大
きい場合、(B)がエステル化合物中に残存するので好
ましくない。
【0010】主反応は触媒の存在下で行うことが好まし
い。触媒としては、塩化マグネシウム、塩化アルミニウ
ム、四塩化チタン、硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸等
が挙げられる。その添加量は、塩化マグネシウムの場
合、(A)1モルに対して3〜10ミリモル、好ましく
は5〜8ミリモルである。また、硫酸の場合、(A)1
モルに対して5〜20ミリモル、好ましくは10〜20
ミリモルである。また、主反応は有機溶媒の存在下で行
ってもよい。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、o-ジクロルベンゼン、o-クロルトルエン、ヘ
キサン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン等が挙げら
れる。
【0011】主反応の温度条件は30〜160℃、好ま
しくは100〜160℃である。30℃より低い温度で
は、反応が遅く効率が悪いので好ましくなく、160℃
より高い温度では、蒸気加熱が行いにくい上に、着色、
分解等の問題が発生しやすいので好ましくない。また、
圧力条件は常圧〜1Torr、好ましくは常圧〜10T
orrである。更に、(A)にハロゲン化物を用いた場
合に副生するハロゲン化水素は、公知の手段により回収
することができる。また、反応に要する時間は温度、圧
力等の諸条件により異なるが、良好な品質を有する生成
物を得るには、2〜12時間である。
【0012】次いで主反応で得られた反応混合物を、過
剰量の(B)より低い沸点を有する脂肪族アルコール、
フェノール又はアルキル置換フェノール(C)と反応さ
せて混合エステル化合物を得る。(C)は、主反応にお
いて反応混合物中に残留する(A)をエステル化し得る
量であればよい。具体的には、(C)は、(A)に対す
る化学当量を1として0.01〜0.2、好ましくは
0.01〜0.1である。
【0013】この補完反応の温度条件及び圧力条件は主
反応と同様である。主反応と補完反応は共にエステル化
反応であり、主反応の後、反応混合物中の触媒及び有機
溶媒を除去することなく、連続的に補完反応を行うこと
ができる。得られた反応混合物は、反応器から排出さ
れ、酸又はアルカリ洗浄による触媒の除去工程、及び水
蒸気蒸留による(C)の除去工程を経て、製品化するこ
とができる。水蒸気蒸留の場合、温度条件は約100〜
160℃、圧力条件は約常圧〜5Torrである。
【0014】本発明の主反応に用いられる(A)は、通
常エステル化合物の製造に用いられる脂肪族若しくは芳
香族のモノ、ジ若しくはトリカルボン酸又は無機酸或い
はそれらのハロゲン化物が挙げられる。
【0015】脂肪族若しくは芳香族のモノ、ジ若しくは
トリカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等
の脂肪族飽和モノカルボン酸;しゅう酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ジカル
ボン酸;アクリル酸、プロピオル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、オレイン酸、エライジン酸
等の脂肪族不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸、メサコン酸等の脂肪族不飽和ジカル
ボン酸;トリカルバリル酸のような脂肪族トリカルボン
酸;
【0016】安息香酸、ナフトエ酸、トルイル酸、ヒド
ロアトロパ酸、アトロパ酸、けい皮酸等の芳香族モノカ
ルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸;ベンゼントリカルボン酸、トリメ
リト酸等の芳香族トリカルボン酸が挙げられる。また前
記カルボン酸のハロゲン化物、特に塩化物も同様に用い
ることができる。
【0017】また、無機酸としてはリン酸が好ましく、
具体的にはリン酸、亜リン酸等が挙げられ、そのハロゲ
ン化物としては、三塩化リン、オキシ塩化リン、五塩化
リン等の塩化物が挙げられる。
【0018】上記(A)の中で、酢酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、イソ
フタル酸及びトリメリト酸のような脂肪族若しくは芳香
族のモノ、ジ若しくはトリカルボン酸或いはそれらのハ
ロゲン化物;リン酸、亜リン酸、三塩化リン、オキシ塩
化リン及び五塩化リンのような無機酸或いはそれらのハ
ロゲン化物が好ましい。
【0019】本発明の主反応に用いられる(B)は、通
常エステル化合物の製造に用いられる化合物が挙げら
れ、具体的には、炭素数7以上(好ましくは7〜18)
の脂肪族アルコール、及び1つ以上のアルキル基を有す
る炭素数9以上(好ましくは9〜24)のアルキル置換
フェノールが挙げられる。
【0020】より具体的には、ヘプチルアルコール、オ
クチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコー
ル、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール(ラウ
リルアルコール)、トリデシルアルコール、テトラデシ
ルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシル
アルコール(セチルアルコール)、ヘプタデシルアルコ
ール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコー
ル、イコシルアルコール、ヘニコシルアルコール、ドコ
シルアルコール、トリコシルアルコール、テトラコシル
アルコール、ペンタコシルアルコール、ヘキサコシルア
ルコール、ヘプタコシルアルコール、オクタコシルアル
コール等の脂肪族飽和アルコール;オレイルアルコール
(cis-9-オクタデセニルアルコール)のような脂肪族不
飽和アルコール;
【0021】n-プロピルフェノール、iso-プロピルフェ
ノール、n-ブチルフェノール、iso-ブチルフェノール、
sec-ブチルフェノール、 tert-ブチルフェノール、n-ペ
ンチルフェノール、iso-ペンチルフェノール、 tert-ペ
ンチルフェノール、neo-ペンチルフェノール、ヘキシル
フェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、デシルフェノール、ウンデシル
フェノール、ドデシルフェノール、トリデシルフェノー
ル、テトラデシルフェノール、ペンタデシルフェノー
ル、ヘキサデシルフェノール、ヘプタデシルフェノー
ル、オクタデシルフェノール、ノナデシルフェノール、
イコシルフェノール;
【0022】ジ−n-プロピルフェノール、ジ−iso-プロ
ピルフェノール、ジ−n-ブチルフェノール、ジ−iso-ブ
チルフェノール、ジ−sec-ブチルフェノール、ジ− ter
t-ブチルフェノール、ジ−n-ペンチルフェノール、ジ−
iso-ペンチルフェノール、ジ− tert-ペンチルフェノー
ル、ジ−neo-ペンチルフェノール、ジヘキシルフェノー
ル、ジヘプチルフェノール、ジオクチルフェノール、ジ
ノニルフェノール、ジデシルフェノール等のアルキル置
換フェノールが挙げられる。
【0023】上記(B)の中で、ドデシルアルコール、
トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキ
サデシルアルコール及びオレイルアルコールのような脂
肪族アルコール;iso-プロピルフェノール、オクチルフ
ェノール、ノニルフェノール及びジノニルフェノールの
ようなアルキル置換フェノールが好ましい。
【0024】本発明の補完反応に用いられる(C)は、
主反応に用いられる(B)より低い沸点を有する炭素数
1〜6の脂肪族アルコール、フェノール、又は1つ以上
のアルキル基を有する炭素数7〜9のアルキル置換フェ
ノールから適宜選択される。
【0025】具体的には、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n-プロピルアルコール、iso-プロピルアルコ
ール、n-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコール、se
c-ブチルアルコール、 tert-ブチルアルコール、n-ペン
チルアルコール、iso-ペンチルアルコール、 tert-ペン
チルアルコール、neo-ペンチルアルコール、ヘキシルア
ルコール等の脂肪族アルコール;フェノール;メチルフ
ェノール、ジメチルフェノール、トリメチルフェノー
ル、エチルフェノール、n-プロピルフェノール、iso-プ
ロピルフェノール等のアルキル置換フェノールが挙げら
れる。
【0026】また、主反応での(A)と(B)との組み
合わせ、及び補完反応で用いる(C)との組み合わせ
は、上記化合物の組み合わせのいずれであってもよい
が、特に下記の組み合わせが好ましい。 ・ノニルフェノールとオキシ塩化リン、及びフェノール ・無水フタル酸とステアリルアルコール、及びブチルア
ルコール ・アジピン酸とステアリルアルコール、及びブチルアル
コール ・セバシン酸とトリデシルアルコール、及びブチルアル
コール ・オキシ塩化リンとオレイルアルコール、及びn-プロピ
ルアルコール
【0027】
【実施例】以下、本発明を詳しく述べるが、本発明の適
用範囲はこれに限定されるものではない。
【0028】(実施例1)トリスノニルフェニルホスフ
ェートの合成 撹拌装置、温度計、塩酸回収装置を連結したジムロート
コンデンサーを備えた4つ口フラスコに、塩化マグネシ
ウム0.8g(8ミリモル)、ノニルフェノール64
3.5g(2.925モル)、オキシ塩化リン151.
2g(0.985モル)を入れ、撹拌しながら3時間か
けて160℃まで加熱した。この時発生する塩酸は塩酸
回収装置に回収した。この間の塩酸の回収量は100g
であった。その後、フラスコ内を徐々に真空にし、16
0℃のまま20Torrで反応が完結するまで4時間熟
成を行った。
【0029】反応終了後、室温まで冷却した後フェノー
ル0.3g(0.003モル)を添加し再度160℃ま
で加熱、20Torrで2時間熟成を行った。その後、
酸洗浄により残存触媒成分を除去した後、140℃、2
0Torrの条件下での水蒸気蒸留により過剰分のフェ
ノールを除去し、トリスノニルフェニルホスフェート6
77gを得た。得られたトリスノニルフェニルホスフェ
ートの物性を表1に示した。
【0030】(実施例2)ジステアリルフタレートの合
成 撹拌装置、温度計、リービッヒコンデンサーを備えたフ
ラスコに無水フタル酸148g(1モル)、ステアリル
アルコール528.5g(1.95モル)、98%硫酸
1.5g(15ミリモル)、トルエン700gを仕込
み、撹拌しながら2時間かけて130℃まで昇温した。
このとき反応により生成した水、トルエンはリービッヒ
コンデンサーにて回収し、回収したトルエンは追加ロー
トにて反応容器内に返しながら反応を行った。そのとき
回収した水は17.1g、反応溶液の酸価は7.2 KOH
mg/g であった。その後ブチルアルコール50gを追加
しながらブチルアルコールと生成水と同伴して留出する
トルエンを回収する操作を同温度で1時間かけて行っ
た。その後の反応溶液量は950.3gで、酸価は2.
5 KOH mg/g であった。
【0031】上記のように作成した反応溶液から触媒と
して用いた硫酸の除去を行うため、湯500g、ソーダ
灰5gで中和した後湯洗いを行ったところ反応溶液の量
は958.7g、酸価は0.02 KOH mg/g であった。
この反応溶液には反応で残留しているブチルアルコール
を含有しているので次に水蒸気蒸留にてブチルアルコー
ル成分の除去を行った。このときの水蒸気蒸留の条件は
120℃、50Torrで1時間で、製品の得量は63
8.5gであった。このように得られたジステアリルフ
タレートの物性を表1に示した。
【0032】(実施例3)ジステアリルアジペートの合
成 撹拌装置、温度計、リービッヒコンデンサーを備えたフ
ラスコにアジピン酸146g(1モル)、ステアリルア
ルコール528.5g(1.95モル)、98%硫酸
1.5g(15ミリモル)、トルエン700gを仕込
み、撹拌しながら2時間かけて150℃まで昇温した。
このとき留出する生成水、トルエンはリービッヒコンデ
ンサーにて回収した。回収したトルエンは追加ロートを
用い反応容器内に返しながら反応を行った。このとき回
収した水は34g、反応溶液の酸価は6.4 KOH mg/g
であった。その後ブチルアルコール50gを追加しなが
ら、ブチルアルコールと生成水を回収する操作を同温度
で2時間かけて行った。その後の反応溶液量は865.
3gで、酸価は1.8 KOH mg/g であった。
【0033】上記のように作成した反応溶液から触媒と
して使用した硫酸の除去を行うため、湯500g、ソー
ダ灰5gで中和した後、湯洗いを行った。ここでの反応
溶液の量は866.3gで、酸価は0.01 KOH mg/g
であった。この反応溶液には反応時に使用した過剰ブチ
ルアルコールが残留しているため、次に水蒸気蒸留にて
ブチルアルコールの除去を行った。このときの水蒸気蒸
留の条件は120℃、50Torrで1時間で、製品の
得量は621.5gであった。このようにして得られた
ジステアリルアジペートの物性を表1に示した。
【0034】(比較例)(実施例1に対する比較) 撹拌装置、温度計、塩酸回収装置を連結したジムロート
コンデンサーを備えた4つ口フラスコに、塩化マグネシ
ウム0.8g(8ミリモル)、ノニルフェノール66
9.6g(3.044モル)、オキシ塩化リン151.
2g(0.985モル)を入れ、撹拌しながら3時間か
けて160℃まで加熱した。この時発生する塩酸は塩酸
回収装置に回収した。この間の塩酸の回収量は101.
3gであった。その後フラスコ内を徐々に真空にし、1
60℃のまま20Torrで反応が完結するまで4時間
熟成を行った。
【0035】その後、酸洗浄により残存触媒成分を除去
した後、140℃、20Torrの条件下での水蒸気蒸
留によりノニルフェノールの除去操作を行い、トリスノ
ニルフェニルホスフェート683gを得た。得られたト
リスノニルフェニルホスフェートの物性を表1に示し
た。
【0036】
【表1】
【0037】表1中、臭気は、ポリフェニレンエーテル
樹脂100重量部に実施例1〜3及び比較例で得られた
エステル化合物をそれぞれ10重量部配合し、UL−9
4の試験法に準じた厚さ1/16インチの試験片を作成
し、試験片を120℃で48時間放置後の臭気を測定
し、臭気が強いものを×、臭気がないか少ないものを○
として評価した。また、この時の試験片の表面を目視観
察し、表面の汚染(ブリード)が認められるものを×、
試験前と変化がないものを○として評価した。更に、示
差熱減量はオープンセル窒素雰囲気下、昇温速度10℃
/分で300℃での減量%を測定した。
【0038】
【発明の効果】本発明は、脂肪族若しくは芳香族のモ
ノ、ジ若しくはトリカルボン酸又は無機酸或いはそれら
のハロゲン化物(A)と、脂肪族アルコール又はアルキ
ル置換フェノール(B)とを、(B)を(A)に対して
化学当量ないしそれ以下の量で反応させ、次いで得られ
る反応混合物を過剰量の(B)より低い沸点を有する脂
肪族アルコール、フェノール又はアルキル置換フェノー
ル(C)と反応させて混合エステル化合物を得ることを
特徴とする。したがって、特に(B)として高分子量の
脂肪族アルコール又は高分子量のアルキル置換フェノー
ルを用いる場合において、耐熱性や他の物性に悪影響を
及ぼす脂肪族アルコール又はアルキル置換フェノールの
含有量の少ないエステル化合物を得ることができる。ま
た、本発明によれば、精製工程のような後処理工程を簡
略化できるので、製造時間の短縮及びコストダウンを実
現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/145 C07C 69/145 69/157 69/157 69/44 69/44 69/48 69/48 69/50 69/50 69/60 69/60 69/76 69/76 Z 69/767 69/767 69/773 69/773 69/80 69/80 A 69/83 69/83 C07F 9/09 C07F 9/09 Z 9/142 9/142 9/143 9/143 9/145 9/145

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族若しくは芳香族のモノ、ジ若しく
    はトリカルボン酸又は無機酸或いはそれらのハロゲン化
    物(A)と、脂肪族アルコール又はアルキル置換フェノ
    ール(B)とを、(B)を(A)に対して化学当量ない
    しそれ以下の量で反応させ、次いで得られる反応混合物
    を過剰量の(B)より低い沸点を有する脂肪族アルコー
    ル、フェノール又はアルキル置換フェノール(C)と反
    応させて混合エステル化合物を得ることを特徴とするエ
    ステル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 (B)が、(A)に対する化学当量を1
    として0.8〜1.0である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 無機酸が、リン酸である請求項1又は2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 (A)が、酢酸、アジピン酸、アゼライ
    ン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル
    酸又はトリメリト酸のような脂肪族若しくは芳香族のモ
    ノ、ジ若しくはトリカルボン酸或いはそれらのハロゲン
    化物;リン酸、亜リン酸、三塩化リン、オキシ塩化リン
    又は五塩化リンのような無機酸或いはそれらのハロゲン
    化物である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 (B)が、炭素数7〜18の脂肪族アル
    コール、又は1つ以上のアルキル基を有する炭素数9〜
    24のアルキル置換フェノールである請求項1〜4のい
    ずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 (B)が、ドデシルアルコール、トリデ
    シルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシ
    ルアルコール又はオレイルアルコールのような脂肪族ア
    ルコール;iso-プロピルフェノール、オクチルフェノー
    ル、ノニルフェノール又はジノニルフェノールのような
    アルキル置換フェノールである請求項1〜5のいずれか
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 (C)が、炭素数1〜6の脂肪族アルコ
    ール、フェノール、又は1つ以上のアルキル基を有する
    炭素数7〜9のアルキル置換フェノールである請求項1
    〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 (C)が、メチルアルコール、エチルア
    ルコール、n-プロピルアルコール、iso-プロピルアルコ
    ール、n-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコール、se
    c-ブチルアルコール又は tert-ブチルアルコールのよう
    な脂肪族アルコール;フェノール;メチルフェノール、
    ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、エチルフ
    ェノール、n-プロピルフェノール又はiso-プロピルフェ
    ノールのようなアルキル置換フェノールである請求項1
    〜7のいずれかに記載の方法。
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CN102826998A (zh) * 2012-05-23 2012-12-19 四川西普化工股份有限公司 一种负载型杂多酸催化合成壬二酸二异辛酯的方法

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