JPH10297935A - 建材用黒色結晶化ガラス - Google Patents
建材用黒色結晶化ガラスInfo
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- JPH10297935A JPH10297935A JP9124797A JP12479797A JPH10297935A JP H10297935 A JPH10297935 A JP H10297935A JP 9124797 A JP9124797 A JP 9124797A JP 12479797 A JP12479797 A JP 12479797A JP H10297935 A JPH10297935 A JP H10297935A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C10/00—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
- C03C10/0036—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents
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- Glass Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 焼成時間が短くても結晶成長し、充分な結晶
量の得られる建材用黒色結晶化ガラスを提供する。 【解決手段】 重量%でSiO2 45〜75%、Al
2 O3 1〜15%、CaO 6〜20%、Na2 O
0〜13%、K2 O 0〜5%、Na2 O+K2O 1
〜15%、BaO 0〜18%、ZnO 0〜18%、
BaO+ZnO4〜25%、NiO 0.05〜5%、
CoO 0.01〜5%の組成を有し、主結晶としてβ
−ウオラストナイトを析出してなる。さらに(SiO2
+Al2O3 )/CaOが重量比で3.0〜5.4の範
囲にあることを特徴とする。
量の得られる建材用黒色結晶化ガラスを提供する。 【解決手段】 重量%でSiO2 45〜75%、Al
2 O3 1〜15%、CaO 6〜20%、Na2 O
0〜13%、K2 O 0〜5%、Na2 O+K2O 1
〜15%、BaO 0〜18%、ZnO 0〜18%、
BaO+ZnO4〜25%、NiO 0.05〜5%、
CoO 0.01〜5%の組成を有し、主結晶としてβ
−ウオラストナイトを析出してなる。さらに(SiO2
+Al2O3 )/CaOが重量比で3.0〜5.4の範
囲にあることを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材用黒色結晶化ガラ
スに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の建材用黒色結晶化ガラスは、Si
O2 −Al2 O3 −CaO系の結晶化ガラスで、主結晶
としてβ−ウオラストナイト(CaO・SiO2 )を析
出し、黒色を安定して得るために、価数変動の起こらな
いNiO−CoO系の着色剤を使用していた。この代表
例として特開平6−56471号の黒色天然大理石様結
晶化ガラスがある。 【0003】この黒色天然大理石様結晶化ガラスは、化
学耐久性や機械的強度等の特性に優れ、しかも美しい外
観を呈することが大きな特徴である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来、建材用結晶化ガ
ラスは、通常、トンネル窯を使用して焼成される。トン
ネル窯を使用する場合、その昇温速度は60℃/hr程
度であるため、焼成には30〜60時間を要する。 【0005】近年、焼成時間を短縮してコストダウンを
図るために、昇温速度が速くできるローラーハースキル
ン等の焼成炉を使用することが検討されている。しか
し、ローラーハースキルンで焼成すると、上記した黒色
天然大理石様結晶化ガラスは、速い昇温速度に結晶成長
が伴わず、建材として必要な機械的強度を満足する充分
な結晶量が得られないという問題を有している。 【0006】本発明の目的は、焼成時間が短くても結晶
成長し、充分な結晶量の得られる建材用黒色結晶化ガラ
スを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の実験
を行った結果、SiO2 −Al2 O3 −CaO系でNi
O−CoO系の着色剤を使用した黒色結晶化ガラスにお
いて、ガラス骨格形成酸化物であるSiO2 やAl2 O
3 の含有量と、β−ウオラストナイトの結晶構成成分で
あるCaOの含有量の比をある一定の範囲に限定するこ
とによって、昇温速度が早くても充分な結晶量が得られ
ることを見いだし、本発明として提案するものである。 【0008】即ち、本発明の建材用黒色結晶化ガラス
は、重量%でSiO2 45〜75%、Al2 O3 1
〜15%、CaO 6〜20%、Na2 O 0〜13
%、K2O 0〜5%、Na2 O+K2 O 1〜15
%、BaO 0〜18%、ZnO0〜18%、BaO+
ZnO 4〜25%、NiO 0.05〜5%、CoO
0.01〜5%の組成を有し、主結晶としてβ−ウオラ
ストナイトを析出してなる建材用黒色結晶化ガラスにお
いて、(SiO2 +Al2 O3 )/CaOが重量比で
3.0〜5.4の範囲にあることを特徴とする。 【0009】 【作用】本発明の建材用黒色結晶化ガラスは、焼成工程
における昇温速度が速くても、充分な結晶量が得られる
ため、建材として充分な機械的強度が得られる。 【0010】以下に本発明の組成範囲を上記のように限
定した理由を述べる。 【0011】SiO2 はβーウオラストナイトの構成成
分であり、その含有量は45〜75%、好ましくは50
〜70%である。SiO2 が45%より少ないと失透が
著しくなるとともに流動性が悪くなり、75%より多い
と結晶化熱処理時にガラスの粘度が高くなって流動性が
悪くなる。 【0012】Al2 O3 はガラスを安定させる成分であ
り、その含有量は1〜15%、好ましくは2〜10%で
ある。Al2 O3 が1%より少ないと結晶化速度が速く
なりすぎて流動性が悪くなり、15%より多いと溶解性
が低下するとともにβーウオラストナイトが析出しなく
なる。 【0013】CaOはβ−ウオラストナイト結晶の構成
成分であり、その含有量は6〜20%、好ましくは8〜
18%である。CaOが6%より少ないとβ−ウオラス
トナイトが析出し難くなって、機械的強度や化学耐久性
が低下し、建材として実用に耐えなくなる。また、20
%より多いと結晶化度が高くなりすぎて黒色が得難くな
るとともに、流動性が悪くなる。 【0014】ガラス形成酸化物であるSiO2 とAl2
O3 に対するCaOの比は、結晶析出量及び結晶成長速
度を決定するものであり、(SiO2 +Al2 O3 )/
CaOは、重量比で3.0〜5.4である。この比が
3.0より小さいと結晶化度が高くなりすぎて黒色が得
難くなるとともに、流動性が悪くなる。また5.4より
大きいと昇温速度が速いローラーハースキルン等で焼成
した場合に、β−ウオラストナイトの結晶成長が伴わ
ず、その結果、析出量が少なくなって機械的強度や化学
耐久性が低下し、建材として実用に耐えなくなる。 【0015】Na2 OとK2 Oはフラックス剤であり、
その含有量は0〜13%及び0〜5%、好ましくは1〜
10%及び0〜4%であり、合量で1〜15%、好まし
くは1〜10%である。これらの成分が合量で1%より
少ないと流動性が悪くなる。またNa2 Oが13%より
多い場合、K2 Oが5%より多い場合、或いはこれらの
成分の合量が15%より多い場合は異種結晶が析出して
平面板に反りが生じる。 【0016】BaOとZnOは流動性を向上させる成分
であり、その含有量はそれぞれ0〜18%、好ましくは
それぞれ0〜10%であり、合量で4〜25%、好まし
くは5〜20%である。これらの成分が合量で4%より
少ないと流動性が悪くなり、また各成分がそれぞれ18
%より多い場合や、合量で25%を越える場合はβ−ウ
オラストナイトが析出し難くなる。 【0017】NiOとCoOは共存することによって結
晶化ガラスを黒色に着色する成分であり、その含有量は
NiO 0.05〜5%、CoO 0.01〜5%であ
る。NiOが0.05%より、CoOが0.01%より
少ないと十分な黒色が得られない。一方、NiOが5%
より多いと失透が著しくなり、またCoOが5%より多
いと黒色以外の色調(青色)になってしまう。 【0018】また、上記成分の他にもB2 O3 、TiO
2 、SrO、Li2 O等のようなガラスの溶解性や流動
性を向上させる成分や、黒色の色調を微妙に調節するM
nO2 、Cr2 O3 、CuO等の着色酸化物を合計1
0.0%まで、As2 O3 、Sb2 O3 等の清澄剤を
1.0%まで添加可能である。また多量に含有させると
色調の安定性を低下させるFe2 O3 の含有量は1%以
下に制限する必要がある。 【0019】次に、本発明の建材用黒色結晶化ガラスの
好適な製造方法を説明する。 【0020】まず、先記した組成になるように調合した
ガラス原料を溶融し、ガラス化した後、水砕等の方法に
より、ガラス小体を作製する。次いで耐火性の型枠内に
該ガラス小体を集積し、熱処理すると、各ガラス小体が
融着一体化するとともに、各ガラス小体の表面から内部
に向かって針状のβ−ウオラストナイトが析出し、結晶
化が完了する。この様にして得られた結晶化ガラスの表
面を研磨すると、ガラス小体の形状に起因した天然大理
石模様を呈する結晶化ガラスを得ることが出来る。 【0021】 【実施例】以下、本発明の建材用黒色結晶化ガラスを実
施例に基づいて説明する。 【0022】表1及び表2は、本発明の実施例(試料N
o.1〜6)及び比較例(試料No.7、8)を示して
いる。 【0023】 【表1】 【0024】 【表2】【0025】表の各試料は次のようにして調整した。 【0026】表に示す組成になるように調合したバッチ
原料を白金坩堝に入れて電気炉中で1400〜1600
℃で5〜20時間溶融した。この溶融ガラスを水中に投
入して水砕した後、乾燥、分級し、粒径1〜5mmのガ
ラス小体を得た。次いでこのガラス小体を、内壁に離型
材としてアルミナ粉を塗布した耐火性の型枠内に集積
し、これを焼成炉の中にいれて、240℃/時の速度で
昇温し、1000〜1100℃で2時間保持することに
よって、各ガラス小体を融着一体化させるとともに結晶
化させ、試料を得た。得られた試料は全て黒色を呈して
おり、また各試料の析出結晶をX線回折により定性した
ところ、全ての試料において主結晶としてβ−ウオラス
トナイトが析出していた。 【0027】次に得られた試料について、結晶量、曲げ
強度及び明度(L値)を測定した。その結果を表に示
す。ちなみに、建材として問題なく使用できる曲げ強度
は、350kgf/cm2 以上で、黒色と認められる明
度は25以下である。なお比較例No.7は、従来の黒
色結晶化ガラス(特開平6−56471号の試料No.
1)に相当するものであり、昇温速度が60℃/hrで
は、結晶量が2050cps、曲げ強度が390kgf
/cm2 、明度が21.5の結晶化ガラスとなる。 【0028】表から明らかなように比較例であるNo.
7の試料は、結晶量が1230cpsと少ないため、曲
げ強度が300kgf/cm2 と低くなってしまい、建
材として実用に耐えなくなる。また試料No.8は、結
晶量が多すぎるために明度が28.5と高くなり、黒色
にならない。一方、本発明の実施例であるNo.1〜6
の各試料は、結晶量が1740〜2400cps、曲げ
強度が380〜440kgf/cm2 、明度が19.1
〜22.0であり、従来の黒色結晶化ガラスと同等以上
の特性を有していた。 【0029】また、実施例の各試料の表面を研磨したと
ころ、何れも少量で美しい黒色の天然大理石調の模様が
現れた。 【0030】なお結晶量はX線回折法を用い、結晶ピー
クの高さで評価した。曲げ強度は50×250×17m
mの試料を用いて4点荷重法により測定した。明度(L
値)は色差計を用いて測定した。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の建材用黒
色結晶化ガラスは、美しい黒色の天然大理石模様を得る
ことが可能である。しかも昇温速度が大きくても充分に
結晶が析出するため、ローラーハースキルンを使用して
焼成しても機械的強度が高い結晶化ガラスが得られる。
それゆえ生産性が高く、建築材料として好適である。
スに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の建材用黒色結晶化ガラスは、Si
O2 −Al2 O3 −CaO系の結晶化ガラスで、主結晶
としてβ−ウオラストナイト(CaO・SiO2 )を析
出し、黒色を安定して得るために、価数変動の起こらな
いNiO−CoO系の着色剤を使用していた。この代表
例として特開平6−56471号の黒色天然大理石様結
晶化ガラスがある。 【0003】この黒色天然大理石様結晶化ガラスは、化
学耐久性や機械的強度等の特性に優れ、しかも美しい外
観を呈することが大きな特徴である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来、建材用結晶化ガ
ラスは、通常、トンネル窯を使用して焼成される。トン
ネル窯を使用する場合、その昇温速度は60℃/hr程
度であるため、焼成には30〜60時間を要する。 【0005】近年、焼成時間を短縮してコストダウンを
図るために、昇温速度が速くできるローラーハースキル
ン等の焼成炉を使用することが検討されている。しか
し、ローラーハースキルンで焼成すると、上記した黒色
天然大理石様結晶化ガラスは、速い昇温速度に結晶成長
が伴わず、建材として必要な機械的強度を満足する充分
な結晶量が得られないという問題を有している。 【0006】本発明の目的は、焼成時間が短くても結晶
成長し、充分な結晶量の得られる建材用黒色結晶化ガラ
スを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の実験
を行った結果、SiO2 −Al2 O3 −CaO系でNi
O−CoO系の着色剤を使用した黒色結晶化ガラスにお
いて、ガラス骨格形成酸化物であるSiO2 やAl2 O
3 の含有量と、β−ウオラストナイトの結晶構成成分で
あるCaOの含有量の比をある一定の範囲に限定するこ
とによって、昇温速度が早くても充分な結晶量が得られ
ることを見いだし、本発明として提案するものである。 【0008】即ち、本発明の建材用黒色結晶化ガラス
は、重量%でSiO2 45〜75%、Al2 O3 1
〜15%、CaO 6〜20%、Na2 O 0〜13
%、K2O 0〜5%、Na2 O+K2 O 1〜15
%、BaO 0〜18%、ZnO0〜18%、BaO+
ZnO 4〜25%、NiO 0.05〜5%、CoO
0.01〜5%の組成を有し、主結晶としてβ−ウオラ
ストナイトを析出してなる建材用黒色結晶化ガラスにお
いて、(SiO2 +Al2 O3 )/CaOが重量比で
3.0〜5.4の範囲にあることを特徴とする。 【0009】 【作用】本発明の建材用黒色結晶化ガラスは、焼成工程
における昇温速度が速くても、充分な結晶量が得られる
ため、建材として充分な機械的強度が得られる。 【0010】以下に本発明の組成範囲を上記のように限
定した理由を述べる。 【0011】SiO2 はβーウオラストナイトの構成成
分であり、その含有量は45〜75%、好ましくは50
〜70%である。SiO2 が45%より少ないと失透が
著しくなるとともに流動性が悪くなり、75%より多い
と結晶化熱処理時にガラスの粘度が高くなって流動性が
悪くなる。 【0012】Al2 O3 はガラスを安定させる成分であ
り、その含有量は1〜15%、好ましくは2〜10%で
ある。Al2 O3 が1%より少ないと結晶化速度が速く
なりすぎて流動性が悪くなり、15%より多いと溶解性
が低下するとともにβーウオラストナイトが析出しなく
なる。 【0013】CaOはβ−ウオラストナイト結晶の構成
成分であり、その含有量は6〜20%、好ましくは8〜
18%である。CaOが6%より少ないとβ−ウオラス
トナイトが析出し難くなって、機械的強度や化学耐久性
が低下し、建材として実用に耐えなくなる。また、20
%より多いと結晶化度が高くなりすぎて黒色が得難くな
るとともに、流動性が悪くなる。 【0014】ガラス形成酸化物であるSiO2 とAl2
O3 に対するCaOの比は、結晶析出量及び結晶成長速
度を決定するものであり、(SiO2 +Al2 O3 )/
CaOは、重量比で3.0〜5.4である。この比が
3.0より小さいと結晶化度が高くなりすぎて黒色が得
難くなるとともに、流動性が悪くなる。また5.4より
大きいと昇温速度が速いローラーハースキルン等で焼成
した場合に、β−ウオラストナイトの結晶成長が伴わ
ず、その結果、析出量が少なくなって機械的強度や化学
耐久性が低下し、建材として実用に耐えなくなる。 【0015】Na2 OとK2 Oはフラックス剤であり、
その含有量は0〜13%及び0〜5%、好ましくは1〜
10%及び0〜4%であり、合量で1〜15%、好まし
くは1〜10%である。これらの成分が合量で1%より
少ないと流動性が悪くなる。またNa2 Oが13%より
多い場合、K2 Oが5%より多い場合、或いはこれらの
成分の合量が15%より多い場合は異種結晶が析出して
平面板に反りが生じる。 【0016】BaOとZnOは流動性を向上させる成分
であり、その含有量はそれぞれ0〜18%、好ましくは
それぞれ0〜10%であり、合量で4〜25%、好まし
くは5〜20%である。これらの成分が合量で4%より
少ないと流動性が悪くなり、また各成分がそれぞれ18
%より多い場合や、合量で25%を越える場合はβ−ウ
オラストナイトが析出し難くなる。 【0017】NiOとCoOは共存することによって結
晶化ガラスを黒色に着色する成分であり、その含有量は
NiO 0.05〜5%、CoO 0.01〜5%であ
る。NiOが0.05%より、CoOが0.01%より
少ないと十分な黒色が得られない。一方、NiOが5%
より多いと失透が著しくなり、またCoOが5%より多
いと黒色以外の色調(青色)になってしまう。 【0018】また、上記成分の他にもB2 O3 、TiO
2 、SrO、Li2 O等のようなガラスの溶解性や流動
性を向上させる成分や、黒色の色調を微妙に調節するM
nO2 、Cr2 O3 、CuO等の着色酸化物を合計1
0.0%まで、As2 O3 、Sb2 O3 等の清澄剤を
1.0%まで添加可能である。また多量に含有させると
色調の安定性を低下させるFe2 O3 の含有量は1%以
下に制限する必要がある。 【0019】次に、本発明の建材用黒色結晶化ガラスの
好適な製造方法を説明する。 【0020】まず、先記した組成になるように調合した
ガラス原料を溶融し、ガラス化した後、水砕等の方法に
より、ガラス小体を作製する。次いで耐火性の型枠内に
該ガラス小体を集積し、熱処理すると、各ガラス小体が
融着一体化するとともに、各ガラス小体の表面から内部
に向かって針状のβ−ウオラストナイトが析出し、結晶
化が完了する。この様にして得られた結晶化ガラスの表
面を研磨すると、ガラス小体の形状に起因した天然大理
石模様を呈する結晶化ガラスを得ることが出来る。 【0021】 【実施例】以下、本発明の建材用黒色結晶化ガラスを実
施例に基づいて説明する。 【0022】表1及び表2は、本発明の実施例(試料N
o.1〜6)及び比較例(試料No.7、8)を示して
いる。 【0023】 【表1】 【0024】 【表2】【0025】表の各試料は次のようにして調整した。 【0026】表に示す組成になるように調合したバッチ
原料を白金坩堝に入れて電気炉中で1400〜1600
℃で5〜20時間溶融した。この溶融ガラスを水中に投
入して水砕した後、乾燥、分級し、粒径1〜5mmのガ
ラス小体を得た。次いでこのガラス小体を、内壁に離型
材としてアルミナ粉を塗布した耐火性の型枠内に集積
し、これを焼成炉の中にいれて、240℃/時の速度で
昇温し、1000〜1100℃で2時間保持することに
よって、各ガラス小体を融着一体化させるとともに結晶
化させ、試料を得た。得られた試料は全て黒色を呈して
おり、また各試料の析出結晶をX線回折により定性した
ところ、全ての試料において主結晶としてβ−ウオラス
トナイトが析出していた。 【0027】次に得られた試料について、結晶量、曲げ
強度及び明度(L値)を測定した。その結果を表に示
す。ちなみに、建材として問題なく使用できる曲げ強度
は、350kgf/cm2 以上で、黒色と認められる明
度は25以下である。なお比較例No.7は、従来の黒
色結晶化ガラス(特開平6−56471号の試料No.
1)に相当するものであり、昇温速度が60℃/hrで
は、結晶量が2050cps、曲げ強度が390kgf
/cm2 、明度が21.5の結晶化ガラスとなる。 【0028】表から明らかなように比較例であるNo.
7の試料は、結晶量が1230cpsと少ないため、曲
げ強度が300kgf/cm2 と低くなってしまい、建
材として実用に耐えなくなる。また試料No.8は、結
晶量が多すぎるために明度が28.5と高くなり、黒色
にならない。一方、本発明の実施例であるNo.1〜6
の各試料は、結晶量が1740〜2400cps、曲げ
強度が380〜440kgf/cm2 、明度が19.1
〜22.0であり、従来の黒色結晶化ガラスと同等以上
の特性を有していた。 【0029】また、実施例の各試料の表面を研磨したと
ころ、何れも少量で美しい黒色の天然大理石調の模様が
現れた。 【0030】なお結晶量はX線回折法を用い、結晶ピー
クの高さで評価した。曲げ強度は50×250×17m
mの試料を用いて4点荷重法により測定した。明度(L
値)は色差計を用いて測定した。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の建材用黒
色結晶化ガラスは、美しい黒色の天然大理石模様を得る
ことが可能である。しかも昇温速度が大きくても充分に
結晶が析出するため、ローラーハースキルンを使用して
焼成しても機械的強度が高い結晶化ガラスが得られる。
それゆえ生産性が高く、建築材料として好適である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1 重量%でSiO2 45〜75%、Al
2 O3 1〜15%、CaO 6〜20%、Na2 O
0〜13%、K2 O 0〜5%、Na2 O+K2 O 1
〜15%、BaO 0〜18%、ZnO 0〜18%、
BaO+ZnO 4〜25%、NiO 0.05〜5
%、CoO 0.01〜5%の組成を有し、主結晶とし
てβ−ウオラストナイトを析出してなる建材用黒色結晶
化ガラスにおいて、(SiO2 +Al2 O3 )/CaO
が重量比で3.0〜5.4の範囲にあることを特徴とす
る建材用黒色結晶化ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9124797A JPH10297935A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 建材用黒色結晶化ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9124797A JPH10297935A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 建材用黒色結晶化ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10297935A true JPH10297935A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14894370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9124797A Pending JPH10297935A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 建材用黒色結晶化ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10297935A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009028561A1 (ja) * | 2007-08-28 | 2009-03-05 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | 天然大理石様結晶化ガラス、天然大理石様結晶化ガラス物品及びその製造方法 |
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- 1997-04-28 JP JP9124797A patent/JPH10297935A/ja active Pending
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