JPH1029441A - シフトノブの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 押釦のガタ付きを防止する。 【解決手段】 ノブ本体１は、ディテントロッドを操作
する押釦５と、該押釦５を出没自在に挿入した押釦配設
部材４とを有する。押釦５は、周部に、ガイド凸部５ｃ
を形成し、押釦配設部材４は、前記筒部４ｄの内壁に、
前記ガイド凸部５ｃが係合する第１幅部４ｇ１と第４幅
部４ｇ４とを有するガイド溝４ｇを形成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
たシフトレバーのシフトノブに、嵌入する押釦を押圧操
作を良好にしたシフトノブの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、この種の技術としては、例え
ば実開平２−１４００６５号公報に開示された技術があ
る。該従来の技術は、押釦のガタ付きをなくし、かつ操
作性を良好にするためにスチールボール、スプリング、
及び摺動部材を配設している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たシフトノブは、ディテント釦に、スチールボール、ス
プリング、及び摺動部材等の別部材を設けたので、部品
点数、及び組付け工数が増加し、コストアップするとい
う問題点がある。

【０００４】本発明は、ノブ本体に嵌着した筒状部材の
筒部に、ガイド溝を形成し、かつ該ガイド溝に係合する
ガイド凸部を押釦に形成して押釦の操作性を向上させる
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１の発明
は、前述した従来の技術の問題点を解消すべく発明した
ものであり、ディテントロッドを操作する押釦と、該押
釦を出没自在に挿入した押釦配設部材と、該押釦配設部
材を有するノブ本体とでなるシフトノブの構造におい
て、前記押釦は、周部に、ガイド凸部を形成し、押釦配
設部材は、前記筒部の内壁に、前記ガイド凸部が係合
し、かつ第１幅部と第４幅部とを有するガイド溝を形成
したことでなる。

【０００６】また、請求項２の発明は、ガイド凸部が、
前記第１幅部に嵌合する頭部と、前記第４幅部が嵌合す
る棒状部とを形成したことでなる。

【０００７】また、請求項３の発明は、前記ガイド溝
が、前記第１幅部と前記第４幅部との間に、第２幅部、
及び第３幅部を形成すると共に、前記第１幅部の幅（ｂ
１）と、前記第２溝部の幅（ｂ２）と、前記第３幅部の
幅（ｂ３）と、前記第４幅部の幅（ｂ４）との関係がｂ
１＞ｂ２＞ｂ３＞ｂ４としたことでなる。

【０００８】また、請求項４の発明は、前記ガイド溝
が、前記第１幅部と前記第２幅部との間に傾斜面、前記
第３幅部と前記第４幅部との間に傾斜面を形成したこと
でなる。

【０００９】また、請求項５の発明は、前記ガイド凸部
が、前記押釦の上面、及び両側面に形成したことでな
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】まず、図１、乃至図８に基づき本
発明の実施形態を詳述する。１は、シフトレバーノブの
ノブ本体であり、内部側の骨格２と、外部側の表皮部材
３とを一体に成形してなる。該ノブ本体１は、押釦配設
部材４と、該押釦配設部材４に係合する押釦５、スイッ
チ６、ディテントロッド７、及び連結部材８とを備えて
いる。

【００１１】骨格２は、把手部２ａと、ディテントロッ
ド７を挿設する中空棒状部２ｂとを硬質樹脂で形成して
なる。該骨格２は、図１に示すように中心部にディテン
トロッド７を挿入する軸穴２ｃ、押釦配設部材４を嵌着
する設置孔２ｄとを穿設している。

【００１２】前記軸穴２ｃは、図１に示すように前記設
置孔２ｄの押釦設置部２ｅに連続している。設置孔２ｄ
は、図３及び図４に示すように押釦５が設置される前記
押釦設置部２ｅと、スイッチ６が配置されるスイッチ設
置部２ｆとでなる。設置孔２ｄは、図４に示す前記押釦
配設部材４の係止爪４ａ、及び係止片４ｃが係合する係
止部２ｇ，２ｈを、内壁に複数形成している。該設置孔
２ｄは、押釦配設部材４の外周に形成したガイド部４ｂ
が嵌入する案内溝２ｍを有する。

【００１３】押釦設置部２ｅは、軸穴２ａに通じる横穴
である。該押釦設置部２ｅ内には、図３に示すように前
述した係止部２ｇ及び案内溝２ｍと、ばね９の一端を支
持する支持突起２ｋとがある。スイッチ設置部２ｆに
は、図６に示すスイッチ６の端子６ａに接続する導線
（図示せず）が圧嵌する保持溝２ｊを形成している。前
記係止部２ｇは、例えば係止爪４ａが係合する孔を有す
る弾性舌片でなる。前記係止部２ｈは、例えば係止片４
ｃの孔４ｈが係合する爪でなる。前記保持溝２ｊは、導
線の端部が圧入固定する溝や突起でなる。前記支持突起
２ｋは、押釦設置部２ｅの奥壁中央に形成される。

【００１４】表皮部材３は、例えば塩化ビニール樹脂や
発泡樹脂等でなり、骨格２に導線を設置してから、該骨
格２の把手部２ａの周囲と、中空棒状部２ｂを被包した
状態に設ける。表皮部材３は、把手部２ａ全体を被包す
る把手被包部３ａと、中空棒状部２ｂを被包する導線被
包部３ｂとでなる。

【００１５】把手被包部３ａの表皮部材３は、運転手が
ノブ本体１を握ったときの感触を良好にするためのもの
である。導線被包部３ｂは、把手被包部３ａと一体に、
かつ同時に金型成形して形成される。該導線被包部３ｂ
は、導線を中空棒状部２ｂに固定する固定部材と、導線
の絶縁部材の役目を兼備している。

【００１６】スイッチ６及び前記押釦５を嵌入する押釦
配設部材４は、係止爪４ａ、及び係止爪４ａを図３に示
す係止部２ｇ，２ｈに係合することで骨格２に固定され
る。該押釦配設部材４は、設置孔２ｄに嵌合する略蓋状
の部材で、かつ図６に示すように押釦５を配設するため
の第１筒部４ｄと、スイッチ６を設置するための第２筒
部４ｅを一体に形成している。

【００１７】第１筒部４ｄ内には、図１、及び図６に示
すように裏側から押釦５が挿入して、操作部５ｂを第１
筒部４ｄから突出して配置される。該第１筒部４ｄの前
側の開口端部の近傍には、押釦５のストッパ５ａが衝当
する脱落防止部４ｆを形成している。また、第１筒部４
ｄの内壁には、図６に示すように押釦５を押圧操作した
とき、該押釦５が真っすぐに没入するようにさせるガイ
ド凸部５ｃに係合するガイド溝４ｇを形成している。
尚、ストッパ５ａとガイド凸部５ｃ、及び脱落防止部４
ｆとガイド溝４ｇは、兼用させてもよい。

【００１８】押釦配設部材４の第２筒部４ｅは、図６に
示すようにスイッチ６のケース体の役目を有するもので
ある。第２筒部４ｅには、裏面側からスイッチノブ６
ｂ、及び可動接片６ｃを介してコイルスプリング６ｄを
挿入し、極盤６ｅで閉塞している。第２筒部４ｅは、図
７に示すように前面側がスイッチノブ６ｂの形状に合致
する円形で、裏面側は断面が四角形の筒状になってい
る。該第２筒部４ｅの周囲には、板ばね（図示せず）に
付勢されたロックピン（図示せず）を保持する支持板
（図示せず）を配設している。

【００１９】前記脱落防止部４ｆは、図６及び図７に示
すように、第１筒部４ｄの前面側開口端の近傍に形成し
た段差状のものである。該脱落防止部４ｆには、ばね９
に付勢された押釦５のストッパ５ａが圧接する。ガイド
溝４ｇは、ガイド凸部５ｃが係合するもので、図７に示
すように第１筒部４ｄの内壁に複数形成される。ガイド
溝４ｇは、例えば第１筒部４ｄ内の内天井面と、左右側
壁面の三箇所に形成する。

【００２０】前記押釦５は、中空棒状部２ｂに挿設され
たディテントロッドを移動させ、ノブ本体１を揺動操作
可能にさせる操作部材である。該押釦５は、図１及び図
２に示すように該押釦５を付勢するばね９の端部が遊嵌
する支持穴５ｄを穿設している。また押釦５は、図１に
示すように支持穴５ｄの近傍の下面に、ディテントロッ
ド７の連結部材８が圧接する斜面５ｅを形成している。
該押釦５は、図８に示すように上面、及び両側面にガイ
ド凸部５ｃを形成している。

【００２１】該押釦５は、押圧操作していないとき、ば
ね９に押圧され、図２に示すようにガイド凸部５ｃの頭
部５ｆが第２幅部４ｇ２に嵌合し、棒状部５ｇが第４幅
部４ｇ４に嵌合するように形成し、かつ押釦５を押圧操
作したとき頭部５ｆが第１幅部４ｇ１に遊嵌し、棒状に
５ｇが幅部４ｇ３に遊嵌するように形成する。

【００２２】図２は、ガイド溝４ｇとガイド凸部５ｃと
の関係を示す図面である。ガイド凸部５ｃは、頭部５ｆ
と棒状部５ｇとでなるＴ字状の凸部であり、押釦５が第
１筒部４ｄ内に没入する箇所の周部に突出形成される。
ガイド溝４ｇは、第１幅部４ｇ１、第２幅部４ｇ２と、
第３幅部４ｇ３と、第４幅部４ｇ４と、第１幅部４ｇ１
と第２幅部４ｇ２との間に形成した傾斜面４ｇ５と、第
２幅部４ｇ２と第３幅部４ｇ３との間に形成した段差面
４ｇ６と、第３幅部４ｇ３と第４幅部４ｇ４との間に形
成した傾斜面４ｇ７と、押釦配設部材４の表面近傍に形
成した奥端面４ｇ８とでなる。

【００２３】次にガイド溝４ｇとガイド凸部５ｃとの寸
法関係を詳述する。頭部５ｆの幅をａ１、棒状部５ｇの
幅をａ２、第１幅部４ｇ１の幅をｂ１、第２幅部４ｇ２
の幅をｂ２、第３幅部４ｇ３の幅をｂ３、第４幅部４ｇ
４の幅をｂ４とすると、 ａ１＞ａ２ ｂ１＞ｂ２＞ｂ３＞ｂ４ ｂ１＞ｂ２＞ａ１＞ｂ３＞ｂ４＞ａ２ の不等式が成立する。頭部５ｆの幅ａ１は第２幅部４ｇ
２の幅ｂ２とほぼ同一としてガタ付きがないようにす
る。棒状部５ｇの幅ａ２は、第４幅部４ｇ４の幅ｂ４と
ほぼ同一としてガタ付がないようにする。

【００２４】スイッチ６は、例えばプッシュロックスイ
ッチでなるオーバードライブ用操作スイッチ、又はハザ
ードスイッチ等である。該スイッチ６は、スイッチノブ
６ｂ、可動接片６ｃと、コイルスプリング６ｄと、を介
して、固定接点板６ｆ及び端子６ａを有する極盤６ｅを
第２筒部の周部にネジ止めすることで前記押釦配設部材
４に組付けられ、かつ構成される。

【００２５】本発明の実施形態は、以上のような構成で
あり、その作用を詳述する。押釦配設部材４及び押釦５
をノブ本体１に組付けるときは、まず押釦配設部材４の
裏面側からスイッチ６の各部材を挿着し、かつ前記押釦
５を押釦配設部材４の第１筒部４ｄの裏面側から挿入す
る。ばね９の一端を押釦５の支持穴５ｄに挿入し、かつ
前記スイッチ６及び押釦５を組付けた押釦配設部材４を
設置孔２ｄに嵌着させる。

【００２６】前記ばね９の一端は、支持突起２ｋに嵌合
する。押釦配設部材４は、係止爪４ａ及び係止片４ｃが
各係止部２ｇ，２ｈに係合して固定される。スイッチ６
の端子６ａは、導線に圧入されて、自動的にワンタッチ
で接続され、半田付け等の作業が不要となる。

【００２７】押釦配設部材４は、設置孔２ｄの蓋部材
と、押釦５の支持部材と、スイッチ６のケース体の役目
を有するので、部品点数及び組付け工数を削減できる。
また、押釦配設部材４は、ノブ本体１に挿着すること
で、押釦５と、スイッチ６とを該ノブ本体１に組付ける
ことができ、組付け工数を削減できる。

【００２８】押釦５は、周囲に形成したストッパ５ａが
脱落防止部４ｆに衝当するので、押釦配設部材４から脱
落することを防止できる。このため、該押釦５をノブ本
体１に組付けるとき、脱落することがなく組付け作業が
し易い。

【００２９】また、押釦５は、押圧操作したとき、該押
釦５の周囲に、第１筒部４ｄを形成し、かつガイド溝４
ｇに係合するガイド凸部５ｃを形成したので、設置孔２
ｄ内に真っすぐに没入して回動することがなく、操作感
を良好にすることができる。

【００３０】また、押釦配設部材４を金型成形すると
き、ガイド溝４ｇが第１幅部４ｇ１、第２幅部４ｇ２、
第３幅部４ｇ３、及び第４幅部４ｒ４を有するので、樹
脂成形後金型ピンを容易に抜き取ることができ、樹脂成
形がし易く、かつ該ガイド溝４ｇの寸法を高精度に仕上
げることができる。これにより、ガタ付きのない押釦５
を提供することができる。また、ガイド溝４ｇに傾斜面
４ｇ５、傾斜面４ｇ７を形成したことで、押釦５を押圧
操作したとき、引っ掛かり感を解消することができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、次のような効果がある。 （１）本発明の請求項１の発明は、ディテントロッドを
操作する押釦と、該押釦を出没自在に挿入した押釦配設
部材と、該押釦配設部材を有するノブ本体とでなるシフ
トノブの構造において、前記押釦は、周部に、ガイド凸
部を形成し、押釦配設部材は、前記筒部の内壁に、前記
ガイド凸部が係合し、かつ第１幅部と第４幅部とを有す
るガイド溝を形成したことで、該ガイド溝とガイド凸部
とのガタ付きを解消し、押釦の操作感を良好にすること
ができる。

【００３２】（２）本発明の請求項２の発明は、前記ガ
イド凸部が、前記第１幅部に嵌合する頭部と、前記第４
幅部が嵌合する棒状部とを形成したことで、更にガイド
溝とガイド凸部とのガタ付きを解消し、押釦の操作感を
良好にすることができる。

【００３３】（３）本発明の請求項３の発明は、前記ガ
イド溝が、前記第１幅部と前記第４幅部との間に、第２
幅部、及び第３幅部を形成すると共に、前記第１幅部の
幅（ｂ１）と、前記第２溝部の幅（ｂ２）と、前記第３
幅部の幅（ｂ３）と、前記第４幅部の幅（ｂ４）との関
係がｂ１＞ｂ２＞ｂ３＞ｂ４としたことで、樹脂で金型
成形するときガイド溝の寸法を高精度に仕上げることが
でき、押釦のガタ付きを解消することができる。

【００３４】（４）本発明の請求項４の発明は、前記ガ
イド溝が、前記第１幅部と前記第２幅部との間に傾斜
面、前記第３幅部と前記第４幅部との間に傾斜面を形成
したことで、押釦を押圧操作したとき、引っ掛かり感を
解消すると共に、前記ガイド溝を金型成形するとき、該
ガイド溝を成形する金型ピンを抜き取り易くして、高精
度に寸法仕上げすることが可能となる。

【００３５】（５）本発明の請求項５の発明は、前記ガ
イド凸部が、前記押釦の上面、及び両側面に形成したこ
とで、該押釦のガタ付きを解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す図面で、ノブ本体の要
部中央縦断面図である。

【図２】本発明の実施形態を示す図面で、押釦のガイド
と押釦配設部材のガイド溝との関係を示す説明図であ
る。

【図３】本発明の実施形態を示す図面で、骨格の正面図
である。

【図４】本発明の実施形態を示す図面で、一部断面を有
する骨格の側面図である。

【図５】本発明の実施形態を示す図面で、押釦とスイッ
チとを組付けた押釦配設部材の拡大側面図である。

【図６】本発明の実施形態を示す図面で、押釦とスイッ
チとを組付けた押釦配設部材の中央拡大断面図である。

【図７】本発明の実施形態を示す図面で、スイッチを組
付けた押釦配設部材の背面図である。

【図８】本発明の実施形態を示す図面で、押釦の拡大正
面図である。

【符号の説明】

１ ノブ本体 ２ 骨格 ３ 表皮部材 ４ 押釦配設部材 ４ｄ 第１筒部 ４ｅ 第２筒部 ４ｇ ガイド溝 ４ｇ１ 第１幅部 ４ｇ２ 第２幅部 ４ｇ３ 第３幅部 ４ｇ４ 第４幅部 ４ｇ５ 傾斜面 ４ｇ６ 段差面 ４ｇ７ 傾斜面 ５ 押釦 ５ａ ストッパ ５ｃ ガイド凸部 ５ｆ 頭部 ５ｇ 棒状部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディテントロッドを操作する押釦（５）
   と、該押釦（５）を出没自在に挿入した押釦配設部材
   （４）と、該押釦配設部材（４）を有するノブ本体
   （１）とでなるシフトノブの構造において、 前記押釦（５）は、周部に、ガイド凸部（５ｃ）を形成
   し、 押釦配設部材（４）は、前記筒部（４ｄ）の内壁に、前
   記ガイド凸部（５ｃ）が係合し、かつ第１幅部（４ｇ
   １）と第４幅部（４ｇ４）とを有するガイド溝（４ｇ）
   を形成したことを特徴とするシフトノブの構造。
2. 【請求項２】 前記請求項１の発明において、 前記ガイド凸部（５ｃ）は、前記第１幅部（４ｇ１）に
   嵌合する頭部（５ｆ）と、前記第４幅部（４ｇ４）が嵌
   合する棒状部（５ｇ）とでなることを特徴とするシフト
   ノブの構造。
3. 【請求項３】 前記請求項１、又は２の発明において、 前記ガイド溝（４ｇ）は、前記第１幅部（４ｇ１）と前
   記第４幅部（４ｇ４）との間に、第２幅部（４ｇ２）、
   及び第３幅部（４ｇ３）を形成すると共に、 前記第１幅部（４ｇ１）の幅（ｂ１）と、前記第２溝部
   （４ｇ２）の幅（ｂ２）と、前記第３幅部（４ｇ３）の
   幅（ｂ３）と、前記第４幅部（４ｇ４）の幅（ｂ４）と
   の関係がｂ１＞ｂ２＞ｂ３＞ｂ４でなることを特徴とす
   るシフトノブの構造。
4. 【請求項４】 前記請求項３の発明において、 前記ガイド溝（４ｇ）は、前記第１幅部（４ｇ１）と前
   記第２幅部（４ｇ２）との間に傾斜面（４ｇ５）、前記
   第３幅部（４ｇ３）と前記第４幅部（４ｇ４）との間に
   傾斜面（４ｇ７）を形成したことを特徴とするシフトノ
   ブの構造。
5. 【請求項５】 前記請求項１、又は２の発明において、 前記ガイド凸部（４ｃ）は、前記押釦（５）の上面、及
   び両側面に形成したことを特徴とするシフトノブの構
   造。