JPH1029426A - 車両等のフロントガラス用モールディングの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロントガラスに対する左右両側部と上縁部
とを一つのモールディングによって構成することで、外
観美麗に仕上がることができ、且つコーナー継手を不要
とすることによって、体裁の優れた強固なモールディン
グを得る。 【解決手段】 頭部２と、挿入脚部３とから形成され、
挿入脚部３のガラス側には、上方より上部切取片５、中
央切取片６及び下部切取片７とを各々突設し、フロント
ガラスの上縁部から左右両側部にわたる長さを有する一
様断面のモールディング体を形成する。フロントガラス
の左右両側部に対応する部分では、上部切取片５と下部
切取片７との間にフロントガラスを嵌挿しかつ上部に雨
水受溝を形成するために、中央切取片６を切除する。フ
ロントガラスの上部に対応する部分では、頭部２と中央
切取片６との間にフロントガララスを挿嵌するために、
上部切取片５を切除するとともに、挿入脚部３を、その
中央切取片６の下方の切断部より切除してモールディン
グを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の車輌のフ
ロント部分における車体パネルとガラスとの間に介在す
るモールディングであって、その目的とする所は、一種
類のモールディングを以て左右の側部と上部との両方の
役目を連繋して果たすための車輌等のフロントガラス用
モールディングに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の車輌等におけるフロントの
ガラスに使用するモールディングは、車輌パネルとガラ
スとを接着剤を介在して連接するものでは、車体パネル
の開口縁とガラスとの境界とに生ずる隙間を閉塞する目
的と、外観を綺麗にするためにモールディングを被嵌す
るものである。近年、このモールディングは、フロント
ガラスの左右の側部には、ガラスの嵌着する凹溝と、そ
の凹溝の上部に隣接して雨水が運行中に飛散して運転席
に侵入するのを防止するための雨水受溝を設けたものが
使用されている。然し、この上下二段の溝付のモールデ
ィングは、同じフロントのガラスの上部には使用できな
いため、別個の断面形状を有するモールディングとＬ型
のコーナー継手を用いて連接する構成となっている。そ
して、これ等のフロントガラスのモールディングは、左
右と上部及びコーナー継手部材との三種類の部品によっ
て構成される構造となっている。従って、この種のフロ
ントガラスに使用されるモールディングは、三種類の部
品が必要なため複雑でコスト高となる欠点と、コーナー
継手によって外観が不体裁となると共に、破損しやすい
欠点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このフロントガラスの
モールディングにおいては、ガラスの左右の側部と上方
の上部とが別個の断面形状で形成されたモールディング
を一種類のモールディングを以てガラスの挟持と、雨水
排水溝とができるようにすれば、大変に作業性が良好と
なり、全体が美麗に仕上がるばかりか、且つコーナー継
手が不要とすることによって、体裁の優れた強固なモー
ルディングを得ようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のモールディング
は、上述の問題点を全て解決するために発明したもので
あって、モールディング１の挿入脚部３のガラス側に
は、頭部２の下方に上部切取片５、中央切取片６及び下
部切取片７とを所定間隔を設けて突設させる。該中央切
取片６の下方の該挿入脚部３に切断部８を設ける。フロ
ントの左右の側部１１，１１では、該中央切取片６を切
除した嵌込溝９にガラスの左右端縁を挿嵌させ、フロン
トの上方の上部１２では、該上部切取片５を切除して該
頭部２と中央切取片６との間にガラスの上方端縁を挿嵌
し、且つ中央切取片６の下方の該切断部８より切除する
ことによって、一種類のモールディングを以て、上記目
的の達成を計っている。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面につい
て説明すると、自動車等の各種車輌における車体パネル
１６とフロントのガラス１３との間に嵌装するモールデ
ィング１は、各種合成樹脂等を以て長手方向に成形さ
れ、その表面に露出する部分の開口部の隙間を覆う頭部
２と、隙間に挿着する挿入脚部３とを一体的に成形して
ある。前記挿入脚部３のガラス１３側には、該頭部２の
下部より上部切取片５、中央切取片６及び下部切取片７
を所定間隔を設けて各々突設せしめてある。この頭部２
と上部切取片５との間には雨水を受け流す雨水受溝４を
形成してある。次に、モールディング１は、フロントの
ガラス１３の左右側面１１，１１では、第４図に示す如
く、中央切取片６の基部の切取部１５より切除して下部
嵌込溝９を形成し、その下部嵌込溝９にガラス１３の上
方に位置する上部１２においては、第５図に示す如く、
該上部切取片５の切取部１４より切除して上部嵌込溝１
０を形成する。この該上部嵌込溝１０にガラス１３の上
方端縁を挿嵌するものである符号８は、前記中央切取片
６の下部で該挿入脚部３に設けた切断部であった。この
切断部８の切除により上部１２部分の厚さが適宜調整さ
れるものである。次に、第６図、第７図に示すものは、
従来例を示し、Ｌ型状のコーナー継手１８を以て左右側
部１１，１１及び上部１２の断面形状の異なる二種類の
モールディングによってガラス１３を挟持張設するもの
である。

【０００６】

【作用】本発明は上記の如き構成からなり、今この使用
法を説明すると、第１図に示す車体１９の車体パネル１
６との間にモールディング１を接着剤１７を以て接着す
るものであるが、本発明のモールディング１のものは、
ガラス１３の左右側部１１，１１では第４図に示す如
く、ガラス１３の左右端縁をモールディング１に設けた
中央切取片６を切除した下部嵌込溝９に挿嵌する。ま
た、コーナー部分を境とした上部１２の部分では第５図
に示す如く、挿入脚部３の上部切取片５の切除によって
形成された上部嵌込溝１０にガラス１３の上方端縁を挿
嵌すると共に、挿入脚部３の中央切取片６の下方に位置
する該挿入脚部３の切断部８より切除する構成となって
いる。

【０００７】

【発明の効果】上記の如く、本発明のモールディングに
よれば、一種類の断面形状よりなるモールディングを以
てフロントのガラスの左右の雨水受溝付の側面と、上方
の雨水受溝のない上部とを簡単確実に構成してフロント
のガラスを容易に張着できる効果と、従来の様にモール
ディングのコーナー継手部を使用する必要がなく、且つ
一種類のモールディングを屈曲して使用するため表面が
大変に美麗で外観の優れた仕上がりとなる効果がある。
そして、モールディングの挿入脚部のガラス側に突設し
た上部切取片、中央切取片及び下部切取片によっては、
左右の側部に用いる時は、中央切取片の切断部で切除す
れば、ガラスの挿着が容易にできると共に、その上部に
雨水受溝が容易に構成される効果がある。また、前記上
部切取片を切除することによって、フロントの上部には
雨水受溝の存在しないモールディングが極めて容易に構
成される便利な効果がある。更に、前記挿入脚部の中央
切取片の下方位置に設けた切断部によっては、挿入脚部
が短くなって車体パネル部分が薄肉に形成できる効果が
ある。更に、本考案によれば、従来のモールディングの
ように、左右側部と、上部及びコーナー継手部との三種
類を製作する必要がなく、一種類の部品で充分に目的が
達成できるから著しく安価であると共に、品質の優れた
従来のものより多大な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を使用した車体の斜視図である。

【図２】同じくモールディングとガラスとの張着部の切
断斜面図である。

【図３】同じくモールディングの斜面図である。

【図４】同じく側部の断面図である。

【図５】同じく図１のＡ−Ａ線に基づく上部の断面図で
ある。

【図６】従来例のフロントの正面図である。

【図７】従来のフロントガラスのコーナー部分を切除し
た斜面図である。

【符号の説明】

１ モールディング ２ 頭部 ３ 挿入脚部 ４ 雨水受溝 ５ 上部切取片 ６ 中央切取片 ７ 下部切取片 ８ 切断部 ９ 下部嵌込部 １０ 上部嵌込部 １１ 側部 １２ 上部 １４，１５ 切取部

【手続補正書】

【提出日】平成９年５月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】

【書類名】 明細書

【発明の名称】 車両等のフロントガラス用モールディ
ングの製造方法

【特許請求の範囲】

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は自動車等の車両の
フロント部分における車体パネルとフロントガラスとの
間に介装される車両等のフロントガラス用モールディン
グの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図６と図７に示すように、この種
の車両等のフロントガラス１３のモールディングは、車
体パネル１６とフロントガラス１３とを接着剤を以て接
合するものでは、車体パネル１６の開口縁とフロントガ
ラス１３との境界とに生ずる隙間を閉塞する目的と外観
を綺麗にするためにモールディングを被嵌するものであ
る。前記モールディングは、フロントガラス１３の左右
両側部に対応する左右の両側部モールディング１１にお
いては、フロントガラス１３に嵌合する凹溝と、その凹
溝の前側に隣接して雨水受溝を設けたものが使用されて
いる。前記前後二段の溝付の側部モールディングは、同
じフロントガラス１３の上部には使用できないため、別
個の断面形状を有する上部モールディング１２をコーナ
ー継手１８を以て連接する構成となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
ものにおいて、モールディングは、左右の両側部モール
ディング１１と上部モールディング１２及びコーナー継
手１８の三種類で五つの部品によって構成される構造と
なっている。従って、この種のフロントガラス１３に装
着されているモールディングは、三種類で五つの部品１
１，１２，１８が必要なため複雑でコスト高となる欠点
と、コーナー継手１８によって外観が不体裁となると共
に、破損しやすい欠点がある。

【０００４】この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑
み、フロントガラスに対する左右両側部と上縁部とを一
つのモールディングによって構成することで、外観美麗
に仕上がることができ、且つコーナー継手を不要とする
ことによって、体裁の優れた強固なモールディングを得
ようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明の車両等のフロントガラス用モールディン
グの製造方法は、合成樹脂製よりなり、車体パネルの開
口部とフロントガラスとの隙間を覆う頭部と、該頭部の
裏面から下部に垂下する挿入脚部とを備えかつ前記フロ
ントガラスの上縁部から左右両側部にわたる長さを有す
る横断面一定ののモールディング体を成形し、前記フロ
ントガラスの左右両側部に対応する前記モールディング
体の部分では、そのモールディング体の横断面の一部を
長手方向に除去して、前記モールディング体の横断面の
うちのフロントガラスの左右両端面に対する側におい
て、その上部には雨水受溝を有すると共に、下部には前
記フロントガラスの側部が嵌込み可能なガラス嵌込溝を
設ける一方、前記フロントガラスの上部に対応する前記
モールディング体の部分では、前記雨水受溝をなくすた
めに、そのモールディング体の横断面の一部を長手方向
に除去して、前記モールディング体の横断面のうちのフ
ロントガラスの上端面に対する側には、その頭部が前記
フロントガラスの前面に接した状態において、フロント
ガラスの上部が嵌込み可能なガラス嵌込溝を設け、以上
をもってモールディングを製造することを特徴とする。

【０００６】

【作用】前記したように構成される車両等のフロントガ
ラス用モールディングの製造方法によれば、フロントガ
ラスの上縁部から左右両側部にわたる長さを有する横断
面一定のモールディング体を成形し、フロントガラスの
左右両側部に対応するモールディング体の部分では、モ
ールディング体の横断面のうちのフロントガラスの左右
両端面に対する側において、その上部には雨水受溝を有
すると共に、下部にはフロントガラスの側部が嵌込み可
能なガラス嵌込溝を設ける。さらに、フロントガラスの
上部に対応するモールディング体の部分では、そのモー
ルディング体の横断面のうちのフロントガラスの上端面
に対する側には、その頭部が前記フロントガラスの前面
に接した状態において、フロントガラスの上部が嵌込み
可能なガラス嵌込溝を設ける。これによって、フロント
ガラスに対応する左右両側部では雨水受部を有し、フロ
ントガラスに対応する上部では雨水受部がないモールデ
ィングを一つのモールディングによって構成することが
できるとともに、そのモールディングを容易に製造する
ことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１〜図５にしたがって説明する。図１と図２において、
自動車等の各種車両における車体パネル１６とフロント
ガラス１３との間に介装されるモールディング１は、各
種合成樹脂等を以て長手方向に成形され、その表面に露
出する部分の開口部の隙間を覆う頭部２と、隙間に挿着
する挿入脚部３とを一体的に成形してある。前記挿入脚
部３のフロントガラス１３側には、頭部２の下部より上
部切取片５、中央切取片６及び下部切取片７が所定間隔
を設けてそれぞれフロントガラス１３に向けて各々突設
せしめてある。前記頭部２と上部切取片５との間には雨
水を受け流す雨水受溝４を形成してある。

【０００８】前記モールディング１は、フロントガラス
１３の左右両側部に対するモールディング１の左右両側
部１１では、図３と図４に示すように、その横断面にお
いて、雨水受溝４の下部に対し、中央切取片６の基部の
切取部１５より切除されて下部嵌込溝、すなわち、ガラ
ス嵌込溝９が形成されている。また、フロントガラスの
上縁部に対するモールディング１の上縁部１２では、雨
水受溝４をなくすために、図３と図５に示すように、上
部切取片５の基部の切取部１４より切除されて上部嵌込
溝、すなわち、ガラス嵌込溝１０が形成されている。な
お、図５において、符号８は、前記中央切取片６の下部
において挿入脚部３に設けられる切断部であって、この
切断部８の切除によりモールディング１の上縁部１２に
おける高さ寸法が適宜調整されるようになっている。

【０００９】この実施の形態は上述したように構成され
る。したがって、図１に示す車体１９の車体パネル１６
とフロントガラス１３との間に、図４と図５に示すよう
にモールディング１を接着剤１７を以て接着する際、モ
ールディング１の左右両側部１１においては、図２と図
４に示すように、ガラス嵌込溝９にフロントガラス１３
の左右両側部がそれぞれ挿嵌されることで、モールディ
ング１の左右両側部１１には、その横断面の上部に雨水
受溝４が形成される。また、コーナー部分を境としたモ
ールディング１の上部１２においては、図２と図５に示
すように、ガラス嵌込溝１０にフロントガラス１３の上
縁部が挿嵌され、頭部２と中央切取片６との間にフロン
トガラス１３が挾持されることで、雨水受溝４のない上
縁部１２が得られる。すなわち、前記実施例のモールデ
ィング１は、次のようにして製造される。まず、フロン
トガラス１３の上縁部から左右両側部にわたる長さを有
する横断面一定のモールディング体を成形する。このモ
ールディング体は、その横断面において、頭部２と挿入
脚部３とを一体に備える。さらに、挿入脚部３は、フロ
ントガラス１３側においてその上部から下部に向けて上
部切取片５、中央突出片及び下部切取片７をそれぞれ一
体に備えている。前記したように長尺で横断面一定のモ
ールディング体を成形した後、フロントガラス１３の左
右両側部に対応するモールディング体の部分では、図３
と図４に示すように、そのモールディング体の横断面の
一部をなす挿入脚部３の中央切取片６が切取部１５より
長手方向に除去される。これによって、モールディング
体の横断面のうちのフロントガラス１３の左右両端面に
対する側において、その上部には雨水受溝４を有すると
共に、下部には前記フロントガラスの側部が嵌込み可能
なガラス嵌込溝９を設ける。フロントガラス１３の上部
に対応するモールディング体の部分では、図３と図５に
示すように、雨水受溝４をなくすために、そのモールデ
ィング体の横断面の一部をなす挿入脚部３及び挿入脚部
３の上部切取片５が、切断部８及び切取部１４よりそれ
ぞれ長手方向に除去される。これによって、頭部２がフ
ロントガラス１３の前面に接した状態において、フロン
トガラス１３の上部が嵌込み可能なガラス嵌込溝１０を
設ける。以上をもって、前記実施の形態のモールディン
グ１が容易に製造される。

【００１０】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
フロントガラスの左右両側部に対応する部分では雨水受
溝をもち、フロントガラスの上縁部に対応する部分では
雨水受溝のない構造のモールディングを一つのモールデ
ィングによって構成することができるとともに、そのモ
ールディングを容易に製造することができるため、従来
と異なり、コーナー継手部を使用する必要がなく、仕上
がりが大変に美麗であると共に、強固に装着できる効果
がある。しかも、モールディングの横断面形状が不安定
となってバラツク不具合も防止することができ、横断面
形状がきわめて安定した品質良好なモールディングが得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態のモールディングを使用
した車両を示す斜視図である。

【図２】同じくフロントガラスにモールディングが装着
された状態を破断して示す斜視図である。

【図３】同じくモールディングを示す斜視図である。

【図４】同じくモールディングの左右両側部を示す断面
図である。

【図５】同じくモールディングの上縁部を示す断面図で
ある。

【図６】従来のモールディングを使用した車両のフロン
ト部を示す正面図である。

【図７】同じく従来のモールディングがフロントガラス
に装着された状態を破断して示す斜視図である。

【符号の説明】 １ モールディング ２ 頭部 ３ 脚部 ４ 雨水受溝 ５ 上部切取片 ６ 中央切取片 ７ 下部切取片 １１ モールディングの左右両側部 １２ モールディングの上縁部 １３ フロントガラス １６ 車体パネル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製よりなり、車体パネルの開口
   部とフロントのガラスとの隙間を覆う頭部と、該頭部の
   裏面から下部に垂下する挿入脚部とから形成され、前記
   挿入脚部のガラス側には、上方より上部切取片、中央切
   取片及び下部切取片とを所定間隔を設けて各々突設し、
   且つ、該中央切取片の下方の該挿入脚部に切断部を設
   け、フロントの左右側部では、該中央切取片を切除して
   ガラスの左右端縁を該上部切取片と該下部切取片との間
   に挿嵌すると共に、上部に雨水受溝を形成し、フロント
   の上部では、該上部切取片を切除して該頭部と該中央切
   取片との間にガラスの上方端縁を挿嵌すると共に、該中
   央切取片の下方の該切断部より長手方向に切除したこと
   を特徴とする車輌等のフロントガラス用モールディン
   グ。