JPH10292597A - 建築躯体における耐震性鋼製壁下地装置 - Google Patents

建築躯体における耐震性鋼製壁下地装置

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JPH10292597A
JPH10292597A JP11528597A JP11528597A JPH10292597A JP H10292597 A JPH10292597 A JP H10292597A JP 11528597 A JP11528597 A JP 11528597A JP 11528597 A JP11528597 A JP 11528597A JP H10292597 A JPH10292597 A JP H10292597A
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JP
Japan
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base
wall
screw
cross
guide rail
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JP11528597A
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Inventor
Shuichi Koseki
修一 古関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 躯体壁の前面で水平方向にスライド可能なフ
カシ壁を構成し、地震発生時でも躯体壁と独自にスライ
ドして亀裂、崩壊等も生じないようにする。 【解決手段】 躯体壁W前面の上下で敷設した床面ラン
ナー体2、天井面ランナー体5相互間で水平方向へのス
ライドを可能にして所定間隔毎に立設したスタット材1
と、このスタット材1相互間に横架する横胴縁材6と、
これらのスタット材1、横胴縁材6相互をほぼ直交状に
して交差接合させる交差接合体10と、この交差接合体
10を躯体壁W前面に水平方向へのスライドを可能にし
て連繋支持するスライド機構20とを備えて成る。スラ
イド機構20は、躯体壁W面に水平方向に沿って敷設固
定したスライドガイドレール21と、交差接合体10に
進退自在にネジ止めした連結ネジ23と、スライドガイ
ドレール21内にスライド自在に保持してあり、連結ネ
ジ23の進入によって連結ネジ23を空転可能にして連
繋させる連繋手段30を備えている連繋駒体31とから
成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば階段室、エレ
ベーターホール、廊下等においての躯体面から所定の間
隔を隔てて構築されるいわゆるフカシ壁と称される壁を
構成するに際し、地震等によっても亀裂、崩壊その他が
生じないように耐震性があり、安全でもある建築躯体に
おける耐震性鋼製壁下地装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から例えば階段室等においての壁を
構成するに際し、構築された躯体面から所定の間隔が設
定されるものとされるいわゆるフカシ壁は、躯体前面で
所定間隔毎に立設される軽量溝形鋼製のスタット材と、
このスタット材相互間で横架固定される横胴縁材とを格
子状に枠組みしてジョイント材を介して躯体前面で固定
すると共に、これらのスタット材、横胴縁材等の前面に
配装固定した壁下地となる石膏ボード材の如き仕上げボ
ード材表面にクロス材等の表装材を貼着することで構成
されているものである。
【0003】このようなフカシ壁構造のものによると躯
体表面を覆うことになるからビル等の内装・化粧処理と
して極めて好適なものとできるのである。ところが地震
発生時では、躯体固有の振動係数等とフカシ壁固有の振
動係数等とが異なっており、また近時の高層建築物にお
いて採用されている地震対策上の躯体の柔構造の故に躯
体そのものの安全性が確保されても、フカシ壁自体はこ
れに亀裂が生じたり、崩壊したりすることがあった。
【0004】かかる点を解消すべくスタット材、横胴縁
材等を半ば宙吊り状に構成するように、例えば躯体面に
固定連繋する揺動アーム材をネジ止め支承して成るクリ
ップ具をジョイント材として使用し、躯体面に固定した
クリップ具をスタット材に固定することで、スタット
材、横胴縁材、仕上げボード材等を揺動自在に連繋支持
することによって耐震性を有するものとすることが提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがこの従来の揺
動式耐震手段によると、スタット材、横胴縁材、仕上げ
ボード材全体を揺動すなわち上下方向、水平方向のいず
れへもスライドさせるから構築に際しては、仕上げボー
ド材等の上下側方、水平側方のいずれにも適当間隔のク
リアランスを設定しておかなければならないものであ
る。またこの揺動アーム材をネジ止め支承して成るクリ
ップ具は複数にして躯体面とスタット材との間に介装さ
れるから、夫々のクリップ具においては躯体面に固定さ
れる揺動アーム材がクリップ具本体に対して同一角度で
初期設定されていなければスタット材、横胴縁材、仕上
げボード材等の全体の均一的な揺動が困難であり、その
ための複数のクリップ具夫々における同一角度の初期設
定の調整は極めて面倒でもあった。
【0006】そこで本発明は叙上のような従来存した諸
事情に鑑み創出されたもので、例えば階段室、エレベー
ターホール、廊下等においての躯体壁前面に構築される
いわゆるフカシ壁の構成に際し、躯体壁に対してその前
面で水平方向へのスライドを可能なものとして支持配装
することで例えば地震発生時でも躯体壁とは独自にスラ
イドして亀裂、崩壊等も生じないようにした耐震性を備
えたものとし、また支持柱となるスタット材と横棧とな
る横胴縁材との接合をも可能にして躯体壁面との間隔も
調整設定でき、現場作業も容易で簡単迅速に施工でき、
作業能率の向上も図り得る建築躯体における耐震性鋼製
壁下地装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明にあっては、躯体壁W前面における床F面
上に敷設される床面ランナー体2、同じく天井C面下に
敷設される天井面ランナー体5相互間で水平方向へのス
ライドを可能にして所定間隔毎に立設されるスタット材
1と、このスタット材1相互間に横架される横胴縁材6
と、これらのスタット材1、横胴縁材6相互をほぼ直交
状にして交差接合させる交差接合体10と、この交差接
合体10を躯体壁W前面に水平方向へのスライドを可能
にして連繋支持するスライド機構20とを備えて成るも
のである。床面ランナー体2は、床F面上に固定される
下部固定ランナー部3と、この下部固定ランナー部3上
にスライド自在にして載置され、スタット材1の下端を
連結する上部スライドランナー部4とから成るものとで
きる。交差接合体10は、ベース部材11と、このベー
ス部材11に固定されていて、スタット材1を嵌め入れ
る断面でほぼ溝形状を呈し、嵌め入れたスタット材1外
側面に当接される折曲自在なスタット材抱持片14を開
口縁に有するスタット材固定部材13と、このスタット
材固定部材13に対してほぼ直交した状態でベース部材
11に固定されていて、横胴縁材6を嵌め入れる断面で
ほぼ溝形状を呈し、嵌め入れた横胴縁材6外側面に当接
される折曲自在な横胴縁材抱持片16を開口縁に有する
横胴縁材固定部材15とを備えて成るものとできる。ス
ライド機構20は、躯体壁W面に水平方向に沿って敷設
固定されたスライドガイドレール21と、交差接合体1
0におけるベース部材11に進退自在にネジ止めされる
連結ネジ23と、スライドガイドレール21内にスライ
ド自在に保持されていて、連結ネジ23の進入によって
連結ネジ23を空転可能にして連繋させる連繋手段3
0,40,50,60を備えている連繋駒体31,4
1,51,61とから成るものとできる。このスライド
機構20における第1の連繋駒体31は、スライドガイ
ドレール21内に空転することなく挿入配置される基体
32にスライドガイドレール21の開口から外部に突出
する連繋筒33を固定し、この連繋筒33の筒壁内方に
突出した相互に対向する対状の係合部34を配置して成
るものとし、一方、連繋筒33内に挿入される連結ネジ
23には周方向に沿った係合溝35を適数にして凹設形
成してあるものとし、係合部34を係合溝35に合致さ
せて係合することで第1の連繋手段30を形成してある
ものとできる。このときの係合部34は、連繋筒33の
筒壁を連繋筒33内方に斜めに切り起こし舌片状に形成
してあるものとでき、また連繋筒33の筒壁に相互に対
向するよう切欠形成したスリット37に合致された係合
溝35に挿入されるか、予め挿入されているか、連繋筒
33に一体形成してあるかしている係合ピン36として
あるものとできる。同じく第2の連繋駒体41は、スラ
イドガイドレール21内に空転することなく挿入配置さ
れ、スライドガイドレール21の開口から突出される上
部開口部内側面にメネジが形成されている基体42と、
この基体42内に収納固定されていて、基体42の開口
部側で小径になっている錘型の拡開体43とから成るも
のとし、一方、連結ネジ23先端には拡開体43先端外
径にほぼ対応する内径の拡開穴45と適数の拡開スリッ
ト46とを設けてあることで第2の連繋手段40を形成
しているものとできる。同じく第3の連繋駒体51は、
スライドガイドレール21内に空転することなく挿入配
置され、底部が湾曲し、先端開口部内側面にメネジが形
成されている基体52と、この基体52内で基体52の
底部内側面に離反可能に接合配装されていて、底部が湾
曲し、基体52の開口部側で小径になっている錘型の湾
曲拡開体53とから成るものとし、一方、連結ネジ23
先端には湾曲拡開体53先端外径にほぼ対応する内径の
拡開穴54と適数の拡開スリット55とを設けてあるこ
とで第3の連繋手段50を形成しているものとできる。
同じく第4の連繋駒体61は、スライドガイドレール2
1内に空転することなく挿入配置され、大径で適数のス
リット63が形成されている下部開口部がスライドガイ
ドレール21の奥底壁側に位置し、小径な上部開口部内
側面にメネジが形成されているほぼラッパ状を呈する基
体62と、この基体62の周側部内側面に離反可能にし
て基体62内に配装されている錘型の拡開体64とから
成るものとし、一方、連結ネジ23先端には拡開体64
先端外径にほぼ対応する内径の拡開穴65と適数の拡開
スリット66とを設けてあることで第4の連繋手段60
を形成しているものとできる。
【0008】以上のように構成された本発明に係る建築
躯体における耐震性鋼製壁下地装置にあって、躯体壁W
前面に配置構築されるスタット材1、横胴縁材6、交差
接合体10等から成る鋼製壁下地構造部分は、躯体壁W
面に固定のスライドガイドレール21内にスライド自在
に挿入した連繋駒体31,41,51,61に連結ネジ
23を介して交差接合体10を連繋して成るスライド機
構20によって躯体壁Wに対して水平方向でスライドさ
れ、例えば地震発生時に躯体壁Wとは独自に揺れさせら
れる。またスタット材1、横胴縁材6、交差接合体10
等から成る鋼製壁下地構造部分は、床面ランナー体2に
おいての下部固定ランナー部3上でスライドする上部ス
ライドランナー部4にスタット材1が連結されているこ
とでそのスライドを円滑に行なわせる。交差接合体10
は、所定間隔毎に立設されているスタット材1相互間に
横胴縁材6を横架状に交差支持させ、このときスタット
材固定部材13におけるスタット材抱持片14、横胴縁
材固定部材15における横胴縁材抱持片16夫々の折曲
でスタット材1、横胴縁材6夫々をしっかり固定させ
る。またこの交差接合体10に進退自在にネジ止めされ
たスライド機構20における連結ネジ23の回転は、こ
の連結ネジ23先端がスライドガイドレール21内に挿
入配置の連繋駒体31,41,51,61に空転可能に
して連繋されていることで、交差接合体10を躯体壁W
に対して進退させ、躯体壁Wとの間隔を調整設定させ
る。スライド機構20における第1の連繋手段30にお
いて、第1の連繋駒体31の連繋筒33の係合部34は
この連繋筒33内に挿入される連結ネジ23の係合溝3
5を係合させることで、連結ネジ23自体を第1の連繋
駒体31との連繋を維持したままで空転可能なものとさ
せ、交差接合体10にネジ入れた連結ネジ23の回転で
交差接合体10を前後に進退させる。このとき連繋筒3
3内に斜めに切り起こした舌片状の係合部34は連結ネ
ジ23が挿入されるのみで係合溝35に係合させられる
ことにより、連結ネジ23を第1の連繋駒体31に空転
自在にして係合させる。また連繋筒33に形成のスリッ
ト37と、このスリット37に合致された係合溝35と
の両者に挿入される係合ピン36による係合部34によ
っても、連結ネジ23を第1の連繋駒体31に空転自在
にして係合させる。そしてまた係合ピン36が連繋筒3
3のスリット37に予め挿入され、あるいは一体化され
ていることで連結ネジ23の連繋筒33内への挿入のみ
によって、係合溝35に係合ピン36を係合させる。同
じく第2の連繋手段40において、第2の連繋駒体41
の基体42にネジ入れられた連結ネジ23先端はその拡
開穴45が拡開体43に被さって拡開スリット46によ
って拡開させられ、連結ネジ23の捩じ込み回転の続行
で拡開状となって基体42のメネジを破壊させる。その
結果、連結ネジ23自体は第2の連繋駒体41との連繋
を維持したままで空転可能なものとさせられ、交差接合
体10にネジ入れた連結ネジ23の回転で交差接合体1
0を前後に進退させる。また第3の連繋手段50におい
て、第3の連繋駒体51の基体52にネジ入れられた連
結ネジ23先端はその拡開穴54が湾曲拡開体53に被
さって拡開スリット55によって拡開させられながら基
体52内側面に沿って窄まることで湾曲拡開体53を銜
え込ませ、更に連結ネジ23の捩じ込み回転の続行で基
体52のメネジを破壊させる。その結果、連結ネジ23
自体は第3の連繋駒体51との銜え込み連繋を維持した
ままで空転可能なものとさせられ、交差接合体10にネ
ジ入れた連結ネジ23の回転で交差接合体10を前後に
進退させる。第4の連繋手段60において、第4の連繋
駒体61の基体62にネジ入れられた連結ネジ23先端
はその拡開穴65が拡開体64に被さって拡開スリット
66によって拡開させられながら基体62内側面に沿っ
て一層拡開させられ、更に連結ネジ23の捩じ込み回転
の続行で基体62のメネジを破壊させる。その結果、連
結ネジ23自体は第4の連繋駒体61との連繋を維持し
たままで空転可能なものとさせられ、交差接合体10に
ネジ入れた連結ネジ23の回転で交差接合体10を前後
に進退させる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するに、図において示される符号1は構
築された建築躯体においての例えば階段室、エレベータ
ーホール、廊下等の躯体壁Wの前面にいわゆるフカシ壁
を構成する場合に支持柱となるスタット材である。この
スタット材1は床F面上に敷設固定される床面ランナー
体2と天井C面に敷設固定される天井面ランナー体5と
の間で鉛直方向に沿って、また鉛直方向での若干の隙間
すなわち天井面ランナー体5との間で所定の隙間が設定
された状態で所定間隔毎に立設配装されている。このス
タット材1自体は例えば基本的には断面でほぼ偏平な角
C字形の軽量溝形鋼材によって形成されており、図示例
にあっては奥底壁の両側部に内方に出張っている傾斜段
部を有しているものとしてあるも、このスタット材1自
体の形状、構造はこの図示例に限定されるものではな
い。
【0010】床面ランナー体2は、床F面に直接に固定
される下部固定ランナー部3と、この下部固定ランナー
部3上にスライド自在に載置され、スタット材1を固定
連結する上部スライドランナー部4とのいわゆる2階建
構造となっているものとしてある。この床面ランナー体
2においての下部固定ランナー部3は図1、図2に示す
ように、上部が開放状の断面でほぼ溝形状に形成されて
いると共に両側壁は上縁で折り返し状になっている二重
片構造のものとすることで、上縁で接触載置される上部
スライドランナー部4のスライド作用が円滑になるよう
に配慮してある。また上部スライドランナー部4は断面
でほぼH字形に形成され、これの下部空隙が下部固定ラ
ンナー部3を跨ぐようにすることで下部固定ランナー部
3上に載置され、上部空隙内にスタット材1の下端縁部
が嵌め入れられて例えばビス止めされるものとしてあ
る。
【0011】更には図9に示される他の例における床面
ランナー体2は、上部が開放状の断面でほぼ溝形状に形
成されていると共に奥底壁のほぼ中央部が内方に山形状
に隆起している下部固定ランナー部3と、この下部固定
ランナー部3内に嵌め入れられ、下部固定ランナー部3
における隆起部分上に載置されることでスライドされる
ようにした上部が開放状の断面でほぼ溝形状の上部スラ
イドランナー部4とから成るものとしてある。この図9
に示される下部固定ランナー部3にあっては、左右の側
壁の一部が適宜間隔毎に所定幅員で外方に切り倒されて
床F面に当接されるものとし、この当接部のビス止め等
によって床F面に固定されるものとしてある。
【0012】天井面ランナー体5は、下部が開放状の断
面でほぼ溝形状に形成されており、スタット材1の上部
縁がこの天井面ランナー体5内における上下方向、水平
方向等のいずれへもスライド可能にして嵌め入れられる
ものとなっている。
【0013】またこのようにして上下における床面ラン
ナー体2、天井面ランナー体5相互間で立設支持される
スタット材1には、このスタット材1に対してほぼ直交
させて横棧となる横胴縁材6が後述の交差接合体10を
介して交差接合されるようになっている。この横胴縁材
6は例えば基本的には断面でほぼ偏平な角C字形の軽量
溝形鋼材によって形成されており、図示例にあっては前
記スタット材1とほぼ同様な断面形状で形成されたもの
としてあるも、スタット材1と横胴縁材6とは異なる断
面構造のものとされていても差し支えないものである。
【0014】交差接合体10は、適宜間隔毎に立設配装
されるスタット材1相互間に横架される横胴縁材6をス
タット材1に交差状に接合固定して支持させると共に躯
体壁Wに対して所定の間隔を設定して、またこれらのス
タット材1、横胴縁材6更には後述の仕上げボード材7
等を躯体壁W面に沿ってのスライドを可能なものとさせ
て躯体壁Wに支持させるものである。そのためこの交差
接合体10は図1、図2に示すように、ベース部材11
と、このベース部材11に固定されていて、スタット材
1を嵌め入れる断面でほぼ溝形状を呈し、嵌め入れたス
タット材1外側面に当接される折曲自在なスタット材抱
持片14を開口縁に有するスタット材固定部材13と、
このスタット材固定部材13に対してほぼ直交した状態
でベース部材11に固定されていて、横胴縁材6を嵌め
入れる断面でほぼ溝形状を呈し、嵌め入れた横胴縁材6
外側面に当接される折曲自在な横胴縁材抱持片16を開
口縁に有する横胴縁材固定部材15とを備えて成るもの
である。
【0015】ベース部材11は、所定肉厚のプレート材
によってスタット材1の幅員に比し大きい幅員を有する
ほぼ矩形状に形成されており、スタット材固定部材13
が上下方向に沿って固定される部分の側方に横胴縁材固
定部材15が水平方向に沿って固定される部分を有する
ものとなっている。そしてスタット材1の両側に横胴縁
材6が交差接合される部位で使用される場合にはベース
部材11の左右夫々に横胴縁材固定部材15が固定され
るものとされ、スタット材1のいずれか一方の側方にの
み横胴縁材6が交差接合される部位で使用される場合に
はベース部材11のいずれか一方のみに横胴縁材固定部
材15が固定されるものとなっていれば足りるものであ
る。
【0016】スタット材固定部材13は、スタット材1
の外法幅員にほぼ対応する内法幅員とスタット材1の深
さにほぼ対応する深さとを有する断面でほぼ溝形状を呈
しており、左右側壁の両側においての開口縁である基部
位置に必要があればスリット(図示を省略)が開穿され
ているほぼ台形状のスタット材抱持片14を連設してあ
るものである。このスタット材固定部材13は、スタッ
ト材1を例えばその開口側から装着することで嵌め合わ
せるようにすると共にスタット材抱持片14をスタット
材1における奥底壁の傾斜段部外側面に沿うように折曲
することでスタット材1に固定されるものである。
【0017】また横胴縁材固定部材15は、横胴縁材6
の外法幅員にほぼ対応する内法幅員と横胴縁材6の深さ
にほぼ対応する深さとを有する断面でほぼ溝形状を呈し
ており、左右側壁の両側においての開口縁である基部位
置に必要があればスリット(図示を省略)が開穿されて
いるほぼ台形状の横胴縁材抱持片16を連設してあるも
のである。この横胴縁材固定部材15は、横胴縁材6を
例えばその開口側から装着することで嵌め入れるように
すると共に横胴縁材抱持片16を横胴縁材6における奥
底壁の傾斜段部外側面に沿うように折曲することで横胴
縁材6を固定させるものである。
【0018】なお本実施の形態、図示例にあっての横胴
縁材6はスタット材1とほぼ同構造のものとして構成さ
れた場合のものとして説明されるも、両者夫々が異なる
構造、形状等となる場合にはそれらに対応したものとし
てスタット材固定部材13、横胴縁材固定部材15夫々
が構成されるのは勿論である。
【0019】そしてこのようにして構成された交差接合
体10はスライド機構20を介して躯体壁W面にスライ
ド可能なものとして連結支持されるものとなっている。
すなわちこのスライド機構20は図1、図2に示すよう
に、その概略は躯体壁W面に水平方向に沿って敷設固定
されたスライドガイドレール21と、交差接合体10に
おけるベース部材11に進退自在にネジ止めされる連結
ネジ23と、スライドガイドレール21内にスライド自
在に保持されていて、連結ネジ23の進入によって連結
ネジ23を空転可能にして連繋させる連繋手段30,4
0,50,60を備えている連繋駒体31,41,5
1,61とから成るものである。
【0020】スライドガイドレール21は、図示のよう
に内部に収納配置した連繋駒体31,41,51,61
を脱落させることなくスライドさせるように開口縁に縁
片を有する断面でほぼ角C字溝形を呈する軽量リップ溝
形鋼材によって形成されており、スタット材1と横胴縁
材6とが交差接合される高さ位置に対応した躯体壁W面
に開口縁を前側方に向けた状態で固定されている。また
このスライドガイドレール21には連繋駒体31,4
1,51,61を内部に直接に挿入させる挿入口22が
開口形成されており(図1参照)、この挿入口22はス
ライドガイドレール21における上側壁及び縁片の一部
を切除することで例えば交差接合体10との接合部位近
傍に位置させて適等間隔毎に開口されている。そしてこ
の挿入口22から挿入された連繋駒体31,41,5
1,61は挿入後にスライド移動されて連結ネジ23と
の連結位置に位置決めされるものとしてある。
【0021】連結ネジ23は、交差接合体10における
ベース部材11にこれの前方から捩じ込まれ、連繋駒体
31,41,51,61との空転する連繋状態にしてお
いて連結ネジ23自体の回転によって躯体壁W面前方で
交差接合体10自体の前後位置を調整させるものとして
あり(例えば図4(B)、図5(B)参照)、そのため
にベース部材11にはメネジ孔12が例えば左右で対称
的にして開穿形成されている。
【0022】連繋駒体31,41,51,61は、連繋
手段30,40,50,60の構造、形状、方式等の相
違によって各種のものが用意されており、連結ネジ23
が捩じ込まれるときにはこの連繋駒体31,41,5
1,61はスライドガイドレール21内の所定位置で空
転されることがないように例えばスライドガイドレール
21の開口縁部内、スライドガイドレール21自体の内
部等で面一当接状態で係合していることにより位置決め
されている。そしてネジ止め連繋が完了した状態では、
連結ネジ23自体は回転されても連結ネジ23自体を進
退させたり、スライドガイドレール21から抜去させた
りすることなく連繋駒体31,41,51,61とは空
転する状態で連繋され、スライドガイドレール21に沿
って連繋駒体31,41,51,61と共にスライドす
るものとなっている。
【0023】図1、図2、図4に示される第1の連繋駒
体31は、スライドガイドレール21内に挿入されてス
ライドガイドレール21の内側面に沿う断面形状を有す
る基体32にスライドガイドレール21の開口から外部
に突出する連繋筒33を固定し、この連繋筒33の筒壁
内方に突出した相互に対向し、連繋筒33の奥部に至る
に伴ない次第に狭い幅となした対状となるように、筒壁
を内方に斜めに切り起こして舌片状に形成した係合部3
4を配置して成るものである。一方、連繋筒33内に挿
入される連結ネジ23には、例えば先端側が軸芯に対し
てほぼ直交し、後端側が次第に浅くなる断面でほぼレ字
形を呈するようにして、周方向に沿った係合溝35を適
数にして凹設形成してあることで第1の連繋手段30を
形成しているものである。この第1の連繋手段30にお
いて、連結ネジ23が第1の連繋駒体31の連繋筒33
内に挿入されて(図4(A)参照)連結ネジ23先端部
分が係合部34自体の弾撥性に抗して乗り越えると係合
溝35が係合部34に係合し、連結ネジ23自体の空転
が許容されて抜脱が阻止された状態で連結ネジ23が第
1の連繋駒体31に連繋されるのである(図4(B)参
照)。
【0024】また図5においては他の構造のものとした
係合部34の例が示されている。すなわちこの係合部3
4は、連繋筒33の筒壁に相互に対向するよう切欠形成
したスリット37に合致された係合溝35に挿入される
か、予め挿入されているか、連繋筒33に一体形成して
あるかしている係合ピン36としてあるものである。こ
の係合ピン36自体は、例えばスリット37、係合溝3
5両者に合致して挿入されるようにした門形に形成され
ており、具体的には一対の脚部相互が内方に弾撥付勢さ
れているほぼΩ字形のものとしてある。そして連結ネジ
23が第1の連繋駒体31の連繋筒33内に挿入されて
(図5(A)参照)係合溝35がスリット37に合致し
たところで係合ピン36を弾撥力に抗して強制挿入する
ことで連結ネジ23自体の空転が許容されて抜脱が阻止
された状態で連結ネジ23が第1の連繋駒体31に連繋
されるのである(図5(B)参照)。
【0025】またこのときの係合ピン36は、連繋筒3
3のスリット37に予め挿入しておくこともでき、更に
は連繋筒33に一体形成、例えば連繋筒33の筒壁の一
部をスリット状に内方に切り伏せることで形成すること
もでき、こうすることで先細にした連結ネジ23先端を
連繋筒33内に挿入することで係合溝35を係合ピン3
6に係合できるのである。
【0026】図6に示される第2の連繋駒体41は、ス
ライドガイドレール21の開口縁部から上部開口部が突
出される断面でほぼ錘体状溝形を呈し、開口部内側面に
メネジが形成されている基体42と、この基体42内に
収納固定されていて、基体42の開口部側で小径になっ
ている載頭円錘型の拡開体43と、更には基体42の開
口部外方に配装してスライドガイドレール21の開口縁
部に空転することなく嵌め合わされるネジ振れ止めリン
グ44とから成るものとしてある。一方、連結ネジ23
先端には拡開体43先端外径にほぼ対応する内径の拡開
穴45と適数の拡開スリット46とを設けてあることで
第2の連繋手段40を形成しているのである。この第2
の連繋手段40において、連結ネジ23が連繋駒体41
の基体42の開口部内側面のメネジに噛み合って捩じ込
まれるものとなり(図6(A参照)、そして連結ネジ2
3先端が拡開体43先端に当たり始めると拡開スリット
46によって放射状に拡開されながら基体42内側面に
沿って内部に進入し、その奥部まで進入してそれが阻止
されても捩じ込みが続行されるに伴ない連結ネジ23の
オネジが基体42のメネジを破壊して空転されるものと
なる。こうすることで連結ネジ23先端が拡開体43を
拡開して銜え込むことになり、その結果、連結ネジ23
自体の空転が許容されて抜脱が阻止された状態で連結ネ
ジ23が第2の連繋駒体41に連繋されるのである(図
6(B)参照)。
【0027】図7に示される第3の連繋駒体51は、底
部が湾曲し、先端開口部が窄まっていてスライドガイド
レール21の開口から先端開口部が突出されてスライド
ガイドレール21内に配装される断面でほぼ湾曲錘体状
溝形を呈し、開口部内側面にメネジが形成されている基
体52と、この基体52の底部内側面に離反可能にして
例えば接着剤によって接合されることで基体52内に配
装されていて、底部が湾曲し、基体52の開口部側で小
径になっている載頭円錘型の湾曲拡開体53と、基体5
2のスライドガイドレール21内での空転を阻止するよ
うスライドガイドレール21の開口縁部に空転すること
なく嵌め合わされる係合体56とから成るものとしてあ
る。一方、連結ネジ23先端には湾曲拡開体53先端外
径にほぼ対応する内径の拡開穴54と適数の拡開スリッ
ト55とを設けてあることで第3の連繋手段50を形成
しているのである。この第3の連繋手段50において、
連結ネジ23が連繋駒体51の基体52の開口部内側面
のメネジに噛み合って捩じ込まれるものとなり(図7
(A)参照)、そして連結ネジ23先端が湾曲拡開体5
3先端に当たり始めると拡開スリット55によって放射
状に拡開されながら基体52内側面に沿って内部に進入
し、湾曲拡開体53外側面と基体52内側面との間隙に
沿って基体52の底部まで進入して湾曲拡開体53を基
体52から強制的に剥離して離反させると共にこの湾曲
拡開体53を抱持するようになる。そして連結ネジ23
の捩じ込みが続行されるに伴ない連結ネジ23のオネジ
が基体52のメネジを破壊して連結ネジ23自体が空転
されるものとなると、連結ネジ23先端が湾曲拡開体5
3を拡開して銜え込むことになり、その結果、湾曲拡開
体53を抱持した連結ネジ23はその空転が許容された
状態で抜脱が阻止されて連結ネジ23が第3の連繋駒体
51に連繋されるのである(図7(B)参照)。
【0028】図8に示される第4の連繋駒体61は、ス
ライドガイドレール21の開口から小径な上部開口部が
突出され、大径で適数のスリット63が形成されている
下部開口部がスライドガイドレール21の奥底壁側に位
置するほぼラッパ状を呈し、開口部内側面にメネジが形
成されている基体62と、この基体62の周側部内側面
に離反可能にして例えば接着剤によって接合されること
で基体62内に配装されていて、基体62の開口部側で
小径になっている円錘型の拡開体64と、基体62のス
ライドガイドレール21内での空転を阻止するようスラ
イドガイドレール21の開口縁部に空転することなく嵌
め合わされる係合体67とから成るものとしてある。一
方、連結ネジ23先端には拡開体64先端外径にほぼ対
応する内径の拡開穴65と適数の拡開スリット66とを
設けてあることで第4の連繋手段60を形成しているの
である。この第4の連繋手段60において、連結ネジ2
3が連繋駒体61の基体62の開口部内側面のメネジに
噛み合って捩じ込まれる(図8(A)参照)と共に連繋
駒体61自体をスライドガイドレール21の奥底壁側に
押圧して下部開口部を拡開させるのである。こうして基
体62の下部開口部がスライドガイドレール21の左右
側壁内側面に当接して十分に拡開されると同時に連結ネ
ジ23先端が拡開体64先端に当たり始めてこの拡開体
64を基体62から離反させるのである。そして連結ネ
ジ23先端は拡開スリット66によって放射状に拡開さ
れながら拡開体64に沿って内部に進入し、その奥部ま
で進入してそれが阻止されても捩じ込みが続行されるに
伴ない連結ネジ23のオネジが基体62のメネジを破壊
して空転されるものとなる。こうすることで連結ネジ2
3先端が拡開体64を拡開して銜え込むことになり、そ
の結果、連結ネジ23自体の空転が許容されて抜脱が阻
止された状態で連結ネジ23が第4の連繋駒体61に連
繋されるのである(図8(B)参照)。
【0029】また交差接合体10を介して格子状に構枠
されたスタット材1と横胴縁材6との室内側表面には石
膏ボード材の如き仕上げボード材7が釘止め、ビス止め
等によって貼着されるのであり(図2参照)、更には図
3に示すように相互に隣接される仕上げボード材7相互
間には夫々の仕上げボード材7相互間に空隙を形成し、
またその空隙を表面から覆うエキスパンションスタット
材70が設けられている。このエキスパンションスタッ
ト材70は、相互に隣接する仕上げボード材7相互間の
空隙を表面側から覆う覆い片71に、相互に隣接するい
ずれか一方の仕上げボード材7の側縁部の内側面に固定
されるスタット材1の側壁部を嵌め入れ連結する支持部
73を有する連結片72を立脚状に設けて全体断面がほ
ぼT字形を呈するように形成したものである。覆い片7
1の幅員は仕上げボード材7相互間の間隙幅員に比し大
きくしてあり、仕上げボード材7夫々がスライドして
も、スタット材1を連結している支持部73を介して支
持される一方の仕上げボード材7に対して他方の仕上げ
ボード材7との間隙を十分に覆うものとしてある。また
支持部73はスタット材1の開口部における開口縁面に
当接する開口当接部と、奥底壁における傾斜段部面に当
接する傾斜した奥底当接部とから先窄まり状に形成され
ており、スタット材1の側壁部をしっかりと銜え込み状
に嵌め入れるものとしてある。
【0030】次に以上のように構成されている本発明に
係る耐震性鋼製壁下地装置の組み立てを説明すると、図
1、図2に示すように例えば階段室等において構築され
た躯体壁Wの前面での床F面上に床面ランナー体2を、
また天井C面下に天井面ランナー体5を夫々敷設固定す
ると共にこれらの上下の床面ランナー体2、天井面ラン
ナー体5間に所定間隔毎にスタット材1を立設し、この
スタット材1相互間には交差接合体10を介して横胴縁
材6を架装する。このときスタット材1の下端は床面ラ
ンナー体2における上部スライドランナー部4に固定は
しても、上端は天井面ランナー体5には固定せずに若干
の間隙を設定して天井面ランナー体5内に嵌め入れてお
く。また交差接合体10にあってはそのスタット材固定
部材13をスタット材1に嵌め合わせるように装着して
そのスタット材抱持片14にて固定支持させ、横胴縁材
固定部材15に横胴縁材6を嵌め入れ装着してその横胴
縁材抱持片16にて横胴縁材6を固定支持するのであ
る。
【0031】一方、交差接合体10位置に対応した高さ
位置で躯体壁W面にスライドガイドレール21を敷設固
定し、またこのスライドガイドレール21に開口形成し
てある挿入口22から夫々の連繋手段30,40,5
0,60となる連繋駒体31,41,51,61のいず
れかを挿入して交差接合体10位置に対応させておくの
である。
【0032】次いで交差接合体10の前方から捩じ込ん
だ連結ネジ23を連繋駒体31,41,51,61内に
挿入、捩じ込み、連結ネジ23の先端を連繋駒体31,
41,51,61内で係合、拡開等によって連繋駒体3
1,41,51,61に空転可能な状態で連繋するので
ある。そこでこの連結ネジ23自体を回転させることに
より躯体壁Wないしはスライドガイドレール21に対し
て交差接合体10を進退させるものとなして躯体壁Wに
対して位置決めされるスタット材1、横胴縁材6等の支
持間隔を調整するのである。
【0033】こうして構成された鋼製壁下地構造によっ
て、スタット材1、横胴縁材6等の表面に仕上げボード
材7を取り付け、更には表装材を貼着することでいわゆ
るフカシ壁とするのである。
【0034】なお図10においては間仕切り壁を構成す
る場合を示しており、床F面、天井C面夫々に固定した
床面ランナー体2、天井面ランナー体5相互間で立設さ
れた前後のスタット材1相互を、このスタット材1夫々
においての開口部にある縁片に噛み合う取付溝9を有す
る連結盤8によって連結するのである。また隣接するス
タット材1相互間では、交差接合体10を介して横胴縁
材6を交差接合するのである。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
これがため例えば階段室、エレベーターホール、廊下等
においての躯体壁W前面にいわゆるフカシ壁を構成する
に際し、躯体壁Wに対してその前面で水平方向へのスラ
イドを可能なものとして支持構成することができ、例え
ば地震発生時でも躯体壁Wとは独自にスライドすること
で亀裂、崩壊等も生じないようにした耐震性を備えたも
のとすることができるのである。また支持柱となるスタ
ット材1と横棧となる横胴縁材6とは交差接合体10に
よってほぼ直交状態でしっかりと接合され、しかも接合
したままで躯体壁Wとの間隔も自在に調整設定でき、更
には現場作業も容易で簡単迅速に施工でき、作業能率の
向上も図り得るのである。
【0036】すなわちこれは本発明において、躯体壁W
前面における床F面上に敷設される床面ランナー体2、
同じく天井C面下に敷設される天井面ランナー体5相互
間で水平方向へのスライドを可能にして所定間隔毎に立
設されるスタット材1と、このスタット材1相互間に横
架される横胴縁材6と、これらのスタット材1、横胴縁
材6相互をほぼ直交状にして交差接合させる交差接合体
10と、この交差接合体10を躯体壁W前面に水平方向
へのスライドを可能にして連繋支持するスライド機構2
0とを備えて成るものとしたからであり、これによっ
て、躯体壁Wとの独自なスライド、鋼製壁下地構造全体
のスライド等を可能にし、また躯体壁Wとの自在な間隔
調整、現場作業の簡素化等を図ることができるのであ
る。
【0037】また躯体壁W前面には、スタット材1、横
胴縁材6、交差接合体10等から成る鋼製壁下地構造部
分及びこれの表面に配装の仕上げボード材7更には表装
材が構築されるものとなり、しかもスタット材1は床面
ランナー体2においての下部固定ランナー部3上でスラ
イドする上部スライドランナー部4にが連結されている
から、例えば地震発生時の揺れによって上部スライドラ
ンナー部4が下部固定ランナー部3上で荷重を支持した
状態で円滑にスライドし、スライド機構20による躯体
壁W前面に対するスライドを可能にする連繋と相俟ち躯
体壁Wとは独自にスライドするのである。そのためにス
タット材1、横胴縁材6等の表面に配装される仕上げボ
ード材7等に亀裂を生じさせたり、崩壊させたりするこ
とがないのである。
【0038】交差接合体10はベース部材11、スタッ
ト材固定部材13、横胴縁材固定部材15を備えてお
り、またスタット材固定部材13におけるスタット材抱
持片14、横胴縁材固定部材15における横胴縁材抱持
片16夫々は折曲自在にしてあるから、スタット材固定
部材13、横胴縁材固定部材15夫々に嵌め入れたスタ
ット材1、横胴縁材6に対して折曲することでスタット
材1、横胴縁材6夫々をしっかり固定できるものであ
る。すなわち所定間隔毎に上下の床面ランナー体2、天
井面ランナー体5間で立設されているスタット材1相互
間に横胴縁材6を交差接合体10を介して横架状に交差
支持でき、例えば地震時における衝撃等によってもそれ
らの連結状態が解除されず、しっかり支持しているので
ある。
【0039】またこの交差接合体10にはスライド機構
20における連結ネジ23を進退自在にネジ止めしてあ
り、しかもこの連結ネジ23先端は連繋駒体31,4
1,51,61との空転を可能として連繋してあるか
ら、連結ネジ23自体の回転は躯体壁W面に対する交差
接合体10の前進あるいは後退を可能にさせ、躯体壁W
面との間隔を調整してスタット材1、横胴縁材6を設置
固定することができる。
【0040】更にスライド機構20における第1の連繋
手段30は、スライドガイドレール21内に挿入される
第1の連繋駒体31においての基体32に固定された連
繋筒33の係合部34と、連繋筒33内に挿入される連
結ネジ23に凹設形成した係合溝35との係合によるも
のとしてあるから、連結ネジ23は空転状態で第1の連
繋駒体31に連繋されるのであり、しかも連結ネジ23
の連繋筒33内への挿入、係合部34との強制的な係合
によって簡単に連繋できるものである。
【0041】また舌片状の係合部34、あるいは係合ピ
ン36が連繋筒33のスリット37に予め挿入され、あ
るいは一体化されている係合部34において、連結ネジ
23を連繋筒33内に強制的にでも挿入するのみで連結
ネジ23の係合溝35を係合部34に簡単に係合でき、
現場作業を一層簡素化し、作業能率を向上できるのであ
る。
【0042】第2の連繋手段40は、スライドガイドレ
ール21内に挿入配置される第2の連繋駒体41の基体
42に収納固定した錘型の拡開体43に、連結ネジ23
を基体42の上部開口部のメネジに捩じ込むことで連結
ネジ23先端の拡開穴45を拡開させながら被せるよう
にし、また連結ネジ23の捩じ込み回転の続行で基体4
2のメネジを破壊させるようにしてあるから、連結ネジ
23の捩じ込みによって第2の連繋駒体41に空転状態
で連繋することができるのである。しかも一旦連繋後は
連結ネジ23の先端が拡開するから連結ネジ23の回転
によっても第2の連繋駒体41から抜脱されないもので
ある。
【0043】第3の連繋手段50は、スライドガイドレ
ール21内に挿入配置される第3の連繋駒体51の底部
湾曲の基体52に離反可能に接合してある底部湾曲の錘
型の湾曲拡開体53に、連結ネジ23を基体52の上部
開口部のメネジに捩じ込むことで連結ネジ23先端の拡
開穴54を一旦は拡開させながら、しかも基体52、湾
曲拡開体53夫々の湾曲した底部に沿って窄めるものと
なって湾曲拡開体53を基体52から離反して銜え込む
ものとし、また連結ネジ23の捩じ込み回転の続行で基
体52のメネジを破壊させるようにしてあるから、連結
ネジ23の捩じ込みによって第3の連繋駒体51に空転
状態で連繋することができるのである。しかも一旦連繋
後は連結ネジ23の先端が湾曲拡開体53を膨らみ状に
銜え込んだものとするから連結ネジ23の回転によって
も第3の連繋駒体51から抜脱されないものである。
【0044】第4の連繋手段60は、スライドガイドレ
ール21内に挿入配置される第4の連繋駒体61の基体
62内に配装した錘型の拡開体64に、連結ネジ23を
基体62の上部開口部のメネジに捩じ込むことで連結ネ
ジ23先端の拡開穴65を放射状に一層拡開させながら
被せるようにし、また連結ネジ23の捩じ込み回転の続
行で基体62のメネジを破壊させるようにしてあるか
ら、連結ネジ23の捩じ込みによって第4の連繋駒体6
1に空転状態で連繋することができるのである。しかも
一旦連繋後は連結ネジ23の先端が大きく拡開している
から連結ネジ23の回転によっても第4の連繋駒体61
から抜脱されないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である第1の連繋手段に
おける要部を分解した全体の概略斜視図である。
【図2】同じくフカシ壁の組立時における一部省略側断
面図である。
【図3】同じく組立時における隣接する仕上げボード材
夫々の接合部分における断面斜視図である。
【図4】同じく第1の連繋手段を示し、その(A)は連
繋前の要部側断面図、その(B)は連繋状態の要部側断
面図である。
【図5】同じく第1の連繋手段の他の構造例を示し、そ
の(A)は連繋前の要部側断面図、その(B)は連繋状
態の要部側断面図、その(C)は要部斜視図である。
【図6】同じく他の実施の形態である第2の連繋手段を
示し、その(A)は連繋前の要部側断面図、その(B)
は連繋状態の要部側断面図である。
【図7】同じく他の実施の形態である第3の連繋手段を
示し、その(A)は連繋前の要部側断面図、その(B)
は連繋状態の要部側断面図である。
【図8】同じく他の実施の形態である第4の連繋手段を
示し、その(A)は連繋前の要部側断面図、その(B)
は連繋状態の要部側断面図である。
【図9】同じく床面ランナー体の他の例を示すもので、
その(A)は斜視図、その(B)は断面図である。
【図10】同じく間仕切り壁とする場合の要部の断面斜
視図である。
【符号の説明】
C…天井 F…床 W…躯体壁 1…スタット材 2…床面ランナ
ー体 3…下部固定ランナー部 4…上部スライ
ドランナー部 5…天井面ランナー体 6…横胴縁材 7…仕上げボード材 8…連結盤 9…取付溝 10…交差接合体 11…ベース部
材 12…メネジ孔 13…スタット
材固定部材 14…スタット材抱持片 15…横胴縁材
固定部材 16…横胴縁材抱持片 20…スライド機構 21…スライド
ガイドレール 22…挿入口 23…連結ネジ 30…第1の連繋手段 31…第1の連
繋駒体 32…基体 33…連繋筒 34…係合部 35…係合溝 36…係合ピン 37…スリット 40…第2の連繋手段 41…第2の連
繋駒体 42…基体 43…拡開体 44…ネジ振れ止めリング 45…拡開穴 46…拡開スリット 50…第3の連繋手段 51…第3の連
繋駒体 52…基体 53…湾曲拡開
体 54…拡開穴 55…拡開スリ
ット 56…係合体 60…第4の連繋手段 61…第4の連
繋駒体 62…基体 63…スリット 64…拡開体 65…拡開穴 66…拡開スリット 67…係合体 70…エキスパンションスタット材 71…覆い片 72…連結片 73…支持部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体壁前面における床面上に敷設される
    床面ランナー体、同じく天井面下に敷設される天井面ラ
    ンナー体相互間で水平方向へのスライドを可能にして所
    定間隔毎に立設されるスタット材と、このスタット材相
    互間に横架される横胴縁材と、これらのスタット材、横
    胴縁材相互をほぼ直交状にして交差接合させる交差接合
    体と、この交差接合体を躯体壁前面に水平方向へのスラ
    イドを可能にして連繋支持するスライド機構とを備えて
    成ることを特徴とする建築躯体における耐震性鋼製壁下
    地装置。
  2. 【請求項2】 床面ランナー体は、床面上に固定される
    下部固定ランナー部と、この下部固定ランナー部上にス
    ライド自在にして載置され、スタット材の下端を連結す
    る上部スライドランナー部とから成る請求項1記載の建
    築躯体における耐震性鋼製壁下地装置。
  3. 【請求項3】 交差接合体は、ベース部材と、このベー
    ス部材に固定されていて、スタット材を嵌め入れる断面
    でほぼ溝形状を呈し、嵌め入れたスタット材外側面に当
    接される折曲自在なスタット材抱持片を開口縁に有する
    スタット材固定部材と、このスタット材固定部材に対し
    てほぼ直交した状態でベース部材に固定されていて、横
    胴縁材を嵌め入れる断面でほぼ溝形状を呈し、嵌め入れ
    た横胴縁材外側面に当接される折曲自在な横胴縁材抱持
    片を開口縁に有する横胴縁材固定部材とを備えて成る請
    求項1または2記載の建築躯体における耐震性鋼製壁下
    地装置。
  4. 【請求項4】 スライド機構は、躯体壁面に水平方向に
    沿って敷設固定されたスライドガイドレールと、交差接
    合体におけるベース部材に進退自在にネジ止めされる連
    結ネジと、スライドガイドレール内にスライド自在に保
    持されていて、連結ネジの進入によって連結ネジを空転
    可能にして連繋させる連繋手段を備えている連繋駒体と
    から成る請求項1乃至3のいずれか記載の建築躯体にお
    ける耐震性鋼製壁下地装置。
  5. 【請求項5】 第1の連繋駒体は、スライドガイドレー
    ル内に空転することなく挿入配置される基体にスライド
    ガイドレールの開口から外部に突出する連繋筒を固定
    し、この連繋筒の筒壁内方に突出した相互に対向する対
    状の係合部を配置して成るものとし、一方、連繋筒内に
    挿入される連結ネジには周方向に沿った係合溝を適数に
    して凹設形成してあるものとし、係合部を係合溝に合致
    させて係合することで第1の連繋手段を形成してある請
    求項4記載の建築躯体における耐震性鋼製壁下地装置。
  6. 【請求項6】 係合部は、連繋筒の筒壁を連繋筒内方に
    斜めに切り起こし舌片状に形成してある請求項5記載の
    建築躯体における耐震性鋼製壁下地装置。
  7. 【請求項7】 係合部は、連繋筒の筒壁に相互に対向す
    るよう切欠形成したスリットに合致された係合溝に挿入
    されるか、予め挿入されているか、連繋筒に一体形成し
    てあるかしている係合ピンとしてある請求項5記載の建
    築躯体における耐震性鋼製壁下地装置。
  8. 【請求項8】 第2の連繋駒体は、スライドガイドレー
    ル内に空転することなく挿入配置され、スライドガイド
    レールの開口から突出される上部開口部内側面にメネジ
    が形成されている基体と、この基体内に収納固定されて
    いて、基体の開口部側で小径になっている錘型の拡開体
    とから成るものとし、一方、連結ネジ先端には拡開体先
    端外径にほぼ対応する内径の拡開穴と適数の拡開スリッ
    トとを設けてあることで第2の連繋手段を形成してある
    請求項4記載の建築躯体における耐震性鋼製壁下地装
    置。
  9. 【請求項9】 第3の連繋駒体は、スライドガイドレー
    ル内に空転することなく挿入配置され、底部が湾曲し、
    先端開口部内側面にメネジが形成されている基体と、こ
    の基体内で基体の底部内側面に離反可能に接合配装され
    ていて、底部が湾曲し、基体の開口部側で小径になって
    いる錘型の湾曲拡開体とから成るものとし、一方、連結
    ネジ先端には湾曲拡開体先端外径にほぼ対応する内径の
    拡開穴と適数の拡開スリットとを設けてあることで第3
    の連繋手段を形成してある請求項4記載の建築躯体にお
    ける耐震性鋼製壁下地装置。
  10. 【請求項10】 第4の連繋駒体は、スライドガイドレ
    ール内に空転することなく挿入配置され、大径で適数の
    スリットが形成されている下部開口部がスライドガイド
    レールの奥底壁側に位置し、小径な上部開口部内側面に
    メネジが形成されているほぼラッパ状を呈する基体と、
    この基体の周側部内側面に離反可能にして基体内に配装
    されている錘型の拡開体とから成るものとし、一方、連
    結ネジ先端には拡開体先端外径にほぼ対応する内径の拡
    開穴と適数の拡開スリットとを設けてあることで第4の
    連繋手段を形成してある請求項4記載の建築躯体におけ
    る耐震性鋼製壁下地装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001200623A (ja) * 1999-11-10 2001-07-27 Asahi Kasei Corp 化粧板の取付構造
KR200455886Y1 (ko) 2009-05-27 2011-09-30 우진내외장건설(주) 조립식 칸막이의 상하부 고정부재
WO2017077548A1 (en) * 2015-11-02 2017-05-11 Saint-Gobain Placo Earthquake resistant construction element

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