JPH10291427A - 四輪駆動車の駆動装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動装置

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JPH10291427A
JPH10291427A JP10416297A JP10416297A JPH10291427A JP H10291427 A JPH10291427 A JP H10291427A JP 10416297 A JP10416297 A JP 10416297A JP 10416297 A JP10416297 A JP 10416297A JP H10291427 A JPH10291427 A JP H10291427A
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JP
Japan
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lubricating oil
outer peripheral
peripheral surface
ring
ring gear
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Application number
JP10416297A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Iida
康之 飯田
Ikutomo Tsuchiya
郁智 土屋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH10291427A publication Critical patent/JPH10291427A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0493Gearings with spur or bevel gears

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 かさ状歯車の歯に潤滑油を好適に供給できる
四輪駆動車の駆動装置を得る。 【解決手段】 トランスアクスル102に取り付けられ
るトランスファ104内に両端部において回転可能に支
持されたリングギヤマウントケース150の拡径部26
2のテーパ状の外周面260に付着してそのリングギヤ
マウントケース150の回転に伴って発生する遠心力に
したがって上記外周面260の最大外径部に向かって移
動する潤滑油が、上記拡径部262の外周面260に周
方向に連ねて設けられたリング状突起270によってせ
き止められてそのリング状突起270の近傍に蓄積さ
れ、上記遠心力にしたがって外周側へ向かって飛散させ
られることにより、上記リング状突起270の半径方向
外側に設けられたリングギヤ148の歯にその内端26
6側から潤滑油を迅速に供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの出力を前輪
および後輪の車軸にそれぞれ伝達する四輪駆動車の駆動
装置の潤滑に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの出力を前輪および後輪の車軸
にそれぞれ伝達する四輪駆動車の駆動装置が従来より知
られている。例えば、図11に示す装置はその一例であ
り、トヨタ自動車株式会社サービス部より1990年8
月31日に発行された「トヨタスターレット新型車解説
書」に記載されたものと同様のものである。図11に示
す駆動装置10は、トランスアクスル12およびトラン
スファ14を含んでいる。トランスアクスル12は、図
示しない横置きエンジンに連結される入力軸16とその
入力軸16と平行な出力軸18とを有する平行2軸式の
手動変速装置20と、出力軸18の回転力の一部を左右
の車軸22および24を介して左右の前輪へ伝達する前
輪デファレンシャルギヤ装置26とをトランスアクスル
ケース28内に収容して図示しないエンジンブロックに
連結される。
【0003】上記トランスファ14は、横置きエンジン
の出力を後輪に伝達するものであり、一端部が手動変速
装置20の出力軸18に作動的に連結されるとともに拡
径部29の外径が最大である位置の近傍の外周上に同心
に且つ一体的に設けられたかさ状の歯車であるリングギ
ヤ30が取り付けられたリングギヤマウントケース32
と、車両前方側の端部に上記リングギヤ30と噛み合う
ピニオンギヤ34が形成され且つ車両後方側の端部に図
示しないプロペラシャフトとの連結部36が形成された
ピニオンギヤ部材38と、上記リングギヤマウントケー
ス32およびピニオンギヤ部材38を共に収容してそれ
らを中心軸まわりの回転可能に支持するとともに上記ト
ランスアクスルケース28に連結されるトランスファケ
ース40とを備えたものであり、さらに上記一方の車軸
が、上記リングギヤマウントケース32を同心に貫通さ
せられた状態で配置されたものである。
【0004】ところで、上記リングギヤ30と上記ピニ
オンギヤ34とは所謂ハイポイドギヤであり、それらの
噛合い部分には十分な耐摩耗性を有する添加剤を含む潤
滑油が供給される必要がある。そこで、上記トランスフ
ァケース40内には、車両静止状態において上記リング
ギヤ30および上記ピニオンギヤ34の下方に位置する
歯が浸される程度の量の上記潤滑油が封入されており、
リングギヤ30やピニオンギヤ34の回転に伴ってそれ
らの下方に位置する歯により潤滑油が掻き上げられるこ
とによってリングギヤ30とピニオンギヤ34との噛合
い部分が潤滑される。また、上記リングギヤ30やピニ
オンギヤ34によって掻き上げられて上記リングギヤマ
ウントケース32の外周面に付着した潤滑油は、リング
ギヤマウントケース32の回転に伴って発生する遠心力
によってリングマウントケース32の外周面上および上
記リングギヤ30の内周面を経てリングギヤ30の歯の
内端44に向かって移動させられるので、上記リングギ
ヤ30の歯にその内端44側からも潤滑油が供給される
ことになる。
【0005】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、すぐ歯かさ歯
車、はすばかさ歯車等のかさ歯車やハイポイドギヤ等の
ような基準ピッチ面が円すい形とされた歯車であるかさ
状歯車において、噛み合わされる相手となる歯車よりも
基準ピッチ円が大きいもの、例えば上記リングギヤ30
のようなかさ状歯車は、歯すじの方向が半径方向により
近づけられることから、回転に伴って発生する遠心力に
よって潤滑油が歯溝に沿って外側へ流れ出てしまいやす
いので、歯面の潤滑が十分に成されないという恐れがあ
った。特に、上記リングギヤ30のようなハイポイドギ
ヤや曲がり歯かさ歯車等においては、図12に示すよう
に車両前進状態において歯すじが凸となる向きに回転さ
せられる場合は、潤滑油が歯すじに沿ってより逃げやす
くなる。また、上記リングギヤマウントケース32の外
周面に付着した潤滑油が上記移動経路を経て上記リング
ギヤ30の歯の内端44側に到達するまでには相当の時
間を要するので、上記リングギヤ30の歯の内端44側
から遠心力にしたがって成される潤滑油の供給も十分で
ない場合があるという恐れがあった。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであり、その目的とするところは、上記かさ状歯
車の歯に潤滑油を好適に供給できる四輪駆動車の駆動装
置を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、トランスアクスルに
取り付けられるトランスファ内に両端部において回転可
能に支持されるとともに中間部にテーパ状の外周面を有
する拡径部を備えた回転軸体と、該回転軸体の前記拡径
部の最大外径部の外周上に同心に且つ一体的に設けら
れ、前記回転軸体の回転に伴って前記トランスファ内に
封入された潤滑油を掻き上げるかさ状歯車とを含む四輪
駆動車の駆動装置において、前記回転軸体の拡径部の外
周面に周方向に連ねて設けられ、該外周面に付着して該
回転軸体の回転に伴って発生する遠心力にしたがって該
外周面の最大外径部に向かって移動する潤滑油を、該遠
心力にしたがって外周側へ向かって飛散させることによ
り前記かさ状歯車の歯を潤滑する潤滑油飛散突起を含む
ようにされる。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、上記回転軸体の回転
に伴って発生する遠心力にしたがって上記外周面の最大
外径部に向かって移動し、上記潤滑油飛散突起にせき止
められてその近傍に蓄積される潤滑油を外周側へ飛散さ
せることができるので、例えば前記リングギヤマウント
ケース32の外周面および上記リングギヤ30の内周面
とから成る前述の移動経路を経なければ上記リングギヤ
30の歯の内端44側から潤滑油が供給されない従来の
駆動装置10に比して潤滑油の供給が一層迅速に行える
ようになり、上記かさ状歯車の歯をより好適に潤滑でき
る。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、上記潤滑油飛散
突起が、上記拡径部の外周面に周方向に直角な形状が一
定となるようにすなわち高さおよび幅が一定となるよう
に設けられたリング状突起とされる。このようにすれ
ば、上記リング状突起の近傍において潤滑油が飛散させ
られる条件が周方向に均等になるので、上記かさ状歯車
の各歯が均等に潤滑されやすくなるとともに上記リング
状突起が補強部材として機能するために上記回転軸体の
剛性を高めることができる利点がある。
【0010】また、好適には、上記トランスファがその
内部に、上記回転軸体の外周面であって上記潤滑油飛散
突起が設けられた位置よりも外径が小さい部分の上方に
おいて上記かさ状歯車によって掻き上げられる潤滑油の
流れを遮ることにより上記潤滑油飛散突起が設けられた
位置よりも外径が小さい部分の外周面上に潤滑油を落下
させる潤滑油落下部材を含むようにされる。このように
すれば、上記かさ状歯車によって掻き上げられた潤滑油
は、上記潤滑油落下部材によって上記潤滑油飛散突起が
設けられた位置よりも外径が小さい部分の外周面の上方
において流れが遮られて下方に落とされるようになるこ
とから、オイルポンプ等の装置を用いることなく上記潤
滑油飛散突起が設けられた位置よりも外径が小さい部分
の外周面上に潤滑油を容易に供給でき、上記回転軸体の
回転に伴って生じる遠心力によって上記潤滑油飛散突起
上にも潤滑油を容易に供給することができることになる
ので、上記かさ状歯車の歯をより好適に潤滑できる利点
がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は本実施例の駆動装置1
00の図4に示すI−I視断面図であり、図2は上記駆
動装置100のトランスファ104を拡大して示す図で
ある。また、図3は、車両前方から見たトランスファケ
ース134およびトランスファケースカバー136を示
し、図4は、車両左側から見たトランスファケース13
4、トランスファケースカバー136およびエクステン
ションハウジング130を示すものである。また、図5
は、図2におけるJ−J視断面図であり、軸受キャップ
190およびトランスファケース134のみを示したも
のである。
【0012】本実施例の駆動装置100は、図1に示す
ように、トランスアクスル102と、トランスファ10
4とを含んでおり、原動機たる横置きエンジンの出力を
前輪および後輪の車軸にそれぞれ伝達するものである。
【0013】上記トランスアクスル102は、上記横置
きエンジンに図示しないクラッチを介して作動的に連結
される入力軸106とその入力軸106と平行な出力軸
108とを有する平行2軸式の手動変速装置110と、
上記出力軸108の回転力の一部を左右の車軸112お
よび114を介して左右の前輪へ伝達する差動装置たる
前輪デファレンシャルギヤ装置116とをトランスアク
スルケース118内に収容し、図2にも示すようにその
トランスアクスル118の組合せ面120において上記
横置きエンジンのエンジンブロック122に連結され
る。
【0014】上記トランスファ104は、上記横置きエ
ンジンの出力を後輪に伝達するものであり、トランス
アクスルケース118の組合せ面126に密着させられ
る組合せ面128を備えて上記トランスアクスル102
の車両右方側に接続されるとともに、車両後方側に車両
前後方向に延びる貫通穴を有する長手状のエクステンシ
ョンハウジング130が取り付けられ、且つ車両前方側
へ開く開口部132を有するトランスファケース134
と、そのトランスファケース134の開口部132の
周囲に形成された組合せ面138に密着させられること
によりその開口部132を塞ぐトランスファケースカバ
ー136と、一方の端部140および他方の端部14
2においてころがり軸受144および146を介して上
記トランスファケース134に回転可能に支持された概
して円筒状の回転軸体としてのリングギヤマウントケー
ス150と、このリングギヤマウントケース150の軸
方向の中間部外周にボルトにより固定された所謂ハイポ
イドギヤであるリングギヤ148とを含む第1ギヤ部材
152と、車両前方側の一方の端部に上記リングギヤ
148と噛み合わされるピニオンギヤ154が形成され
るとともに、車両後方側の他方の端部156が、図示し
ないプロペラシャフトと連結させられる継手部材158
とスプライン嵌合させられた第2ギヤ部材160とを含
むものである。
【0015】上記第2ギヤ部材160は、車両前方側す
なわちリングギヤ148側の端部の2箇所において2つ
のころがり軸受164および166を介して回転可能に
支持されて上記トランスファケース134内に装着され
るとともに、車両後方側の端部156が継手部材158
およびすべり軸受168を介して上記エクステンション
ハウジング130に支持されている。なお、上記ころが
り軸受144、146、164および166は、外輪と
それ以外の部分とが分離可能な円すいころ軸受である。
【0016】前記右前輪の車軸114は、その右前輪側
の端部172が車軸用軸受たるころがり軸受174を介
して上記トランスファケース134に回転可能な状態で
支持されるとともに、前記トランスアクスル102側の
端部176が車軸用軸受たるころがり軸受178を介し
て前記前輪デファレンシャルギヤ装置116のデファレ
ンシャルケース186(図1参照)の車両右側に一体的
に設けられた円筒状部材188の内周面に相対回転可能
に支持されている。
【0017】上記リングギヤマウントケース150の他
方の端部142は、前記ころがり軸受146が嵌め着け
られている位置よりも先端側の外周面において、上記円
筒状部材188の先端部の内周面とスプライン嵌合させ
られている。このスプライン嵌合により、前記横置きエ
ンジンの出力が、上記前輪デファレンシャルギヤ装置1
16のデファレンシャルケース186、第1ギヤ部材1
52、第2ギヤ部材160、継手部材158、図示しな
いプロペラシャフト、前輪と後輪との回転数の違いを許
容する差動装置としての図示しないビスカスカップリン
グ、図示しない後輪デファレンシャルギヤ装置等を介し
て後輪にも伝達される。
【0018】上記リングギヤマウントケース150の一
方の端部140に嵌め着けられたころがり軸受144
は、上記トランスファケース134に上記開口部132
を通して車両前方側から取り付けられる固定部材すなわ
ち軸受キャップ190とトランスファケース134との
間に挟持されている。上記トランスファケース134に
ころがり軸受144に向かって形成された円環状の受面
194と上記ころがり軸受144の外輪との間の受面1
94側にリング状のスペーサ196が、ころがり軸受1
44側にシム198がそれぞれ嵌め入れられている。上
記リングギヤマウントケース150の他方の端部142
に嵌め着けられたころがり軸受146は、上記トランス
ファケース134の前記トランスアクスル102側に設
けられた段付穴200内に、リング状のシム202とと
もに嵌め入れられている。上記スペーサ196、シム1
98、202の厚さを設定することにより、上記2つの
ころがり軸受144および146の予圧が適正に調整さ
れる。
【0019】上記軸受キャップ190は、図5に示すよ
うに、前記組合せ面138と平行に上記トランスファケ
ース134の内部に形成された取付面208に2本のボ
ルト210によって取り付けられるとともに、上記ころ
がり軸受144の外周面と略同じ曲率の円筒状の内周面
の一部を形成する凹曲面212が形成されたものであ
る。上記トランスファケース134には、上記凹曲面2
12と対を成し、凹曲面212とともに上記ころがり軸
受144の外周面と略同じ曲率の円筒の内周面を構成す
る凹曲面214が形成されている。これらの凹曲面21
2および214により構成される円筒の内周面によっ
て、上記ころがり軸受144が上記軸受キャップ190
が上記トランスファケース134に取り付けられること
によりトランスファケース134に強固に固定される。
【0020】上記スペーサ196は、図6の(a)正面
図、(b)左側面図、(c)右側面図および(d)背面
図に詳しく示すように、軸心を挟んで位置する2つの部
位であって相背反する端面に半径方向の切欠溝220お
よび222が形成されるとともに、外周面の2箇所に位
置決め用の突起224および226がそれぞれ形成され
たものであり、図7にも示すように、上記突起224お
よび226が、軸受キャップ190の取付面208側に
形成された切欠230および232にそれぞれ嵌め入れ
られた状態で、上記軸受キャップ190の凹曲面212
とトランスファケース134の凹曲面214との間に嵌
め入れられている。上記スペーサ196およびシム19
8の外径は、上記ころがり軸受144の外径よりもわず
かに小さくされており、ころがり軸受144が軸受キャ
ップ190とトランスファケース134との間で挟まれ
て強固に固定されることがスペーサ196およびシム1
98によって妨げられることはない。上記切欠溝220
は、図7のK−K視断面図である図8にも示すように、
上記凹曲面214とトランスファケース134に形成さ
れた平坦部236(図2および図5参照)とにおいてそ
れぞれ開口する貫通穴238とスペーサ196の内周側
の空間とが、切欠溝220を通って連通可能となる位置
に形成されている。
【0021】上記トランスファケース134の内部に
は、リングギヤ148とピニオンギヤ154との噛み合
い部分、前記ころがり軸受142、144、164、1
66、前記すべり軸受168等を潤滑するための潤滑油
が、車両静止状態におけるその潤滑油の油面の高さが、
図5に二点鎖線で示した位置となるように封入されてい
る。なお、上記潤滑油が上記トランスファケース134
の外部に漏れ出ることを防止するため、図2に示すよう
に、オイルシール242、244および246がトラン
スファケース134に取り付けられている。また、オイ
ルシール248および249によって前記トランスアク
スルケース118と上記トランスファケース134との
内部に封入される潤滑油が互いに混ざり合うことがない
ようにされている。上記トランスファケース134に封
入される潤滑油が、ハイポイドギヤである上記リングギ
ヤ148とピニオンギヤ154とを好適に潤滑するよう
適合されているのに対して、トランスアクスルケース1
18に封入される潤滑油はトランスアクスル102に適
合されたものが使用されるため、これら種類が異なる2
種類の潤滑油が互いに混ざり合わないようにするためで
ある。
【0022】上記オイルシール242、244、24
6、248および249は、その摩擦部分に油膜を形成
する必要があるため、上記上記リングギヤ148等と同
様に潤滑油が供給される必要がある。上記オイルシール
242、244、246は、上記第1ギヤ部材152や
第2ギヤ部材160が回転すれば、それらの全体に潤滑
油が十分に行き渡りやすい位置に配設されている。ま
た、上記オイルシール249は、上記トランスアクスル
ケース118内に封入された潤滑油が行き渡りやすい位
置に配設されている。しかし、オイルシール248に潤
滑油が十分に供給されるためには、前記リングギヤマウ
ントケース150の内周面と前記車軸114の外周面と
の間の円筒状の薄い隙間により形成される経路を潤滑油
が通る必要がある。
【0023】そこで、上記リングギヤマウントケース1
50の他方の端部142側の内周面には、他方の端部1
42の先端側に向かうほど内径が大きくなるテーパ面2
52と潤滑面をオイルシール248へ向かって移動させ
るためのそのテーパ面252に形成された雌ねじ(ねじ
溝が浅いため図示されない)とが設けられている。この
テーパ面252および雌ねじによって、前記第1ギヤ部
材152が高速で回転させられるほど、リングギヤマウ
ントケース150と上記車軸114との間の隙間を通し
て、潤滑油が上記オイルシール248に容易に供給され
るようになっている。本実施例の第1ギヤ部材152
は、車両前進状態において図5に矢印で示した向きに回
転するので、上記リングギヤマウントケース150の内
周面に形成される雌ねじは左ねじである。
【0024】上記トランスファケース134に封入され
る潤滑油は、車両前進状態では上記第1ギヤ部材152
により図5の矢印の方向に掻き上げられ、その一部がリ
ブ254に遮られてリブ254の下方に位置する上記平
坦部236にも潤滑油が到達して、その一部が上記平坦
部236に開口する前記貫通穴238、前記スペーサ1
96の切欠溝220、上記スペーサ196の内周側の空
間等から成る経路を通って、上記リングギヤマウントケ
ース150の内部に供給される。したがって、車両の前
進走行により、上記リングギヤマウントケース150内
には所定量の潤滑油が常時貯留される。つまり、車両前
進状態が継続されるほど、上記リングギヤマウントケー
ス150内に潤滑油が供給されるので、リングギヤマウ
ントケース150と上記車軸114との間の隙間を通し
て、潤滑油が上記オイルシール248に十分に供給され
るようになっている。
【0025】上記リングギヤマウントケース150に
は、図9にも拡大して示すように、その中間部に軸心方
向の中央程大径となるテーパ状の外周面260を有する
拡径部262が設けられており、前記リングギヤ148
はその拡径部262の外周部にボルト264により固定
されている。また、上記拡径部262のテーパ状の外周
面260の軸方向の位置が上記リングギヤ148の歯の
内端266と略等しい位置には、潤滑油飛散突起として
機能するリング状突起270が周方向に形成されてい
る。
【0026】上記リング状突起270は、上記リングギ
ヤマウントケース150の回転に伴って発生する遠心力
にしたがって上記拡径部262のテーパ状の外周面26
0上を長手方向の中央側すなわち上記拡径部262の最
大外径部側へ移動し、上記リング状突起270にせき止
められてその近傍に蓄積される潤滑油を外周側へ飛散さ
せるために設けられたものである。上記リング状突起2
70の半径方向の高さは、軸方向の幅や上記リングギヤ
マウントケース150の回転速度や潤滑油の粘性等を考
慮して決定される。
【0027】上記トランスファケース134の内部は、
図9におけるL−L視断面図である図10にも示すよう
に、上記拡径部262のテーパ状の外周面260の上記
リング状突起270が設けられた位置よりも外径が小さ
い部分の上方に潤滑油落下部材272が一体的に形成さ
れており、その潤滑油落下部材272の存在により上記
リングギヤ148によって掻き上げられた潤滑油の流れ
が遮られるので、図10に矢印で示したように、潤滑油
が上記リングギヤマウントケース150の外周面の上記
リング状突起270が設けられた位置よりも前記他方の
端部142側の外径が小さい部分に落下しそこへ好適に
導かれることになる。このようにして導かれた潤滑油
は、上記リングギヤマウントケース150の回転に伴っ
て発生する遠心力にしたがって上記テーパ状の外周面2
60上を上記リング状突起270に向かって流れること
になるので、上記リング状突起270上に、延いては上
記リングギヤ140の歯に潤滑を好適に供給できること
になる。
【0028】このように、本実施例のトランスファ10
4においては、上記リングギヤマウントケース150の
回転に伴って発生する遠心力にしたがって上記リングギ
ヤマウントケース150の拡径部262の最大外径部に
向かって移動し、上記リング状突起270にせき止めら
れてその近傍に蓄積される潤滑油を外周側へ飛散させる
ことができるので、例えば前記リングギヤマウントケー
ス32の外周面および前記リングギヤ30の内周面とか
ら成る前述の移動経路を経なければ上記リングギヤ30
の歯の内端44側から潤滑油が供給されない従来の駆動
装置10に比して潤滑油の供給が一層迅速に行えるよう
になり、上記リングギヤ148の歯をより好適に潤滑で
きる。
【0029】また、上記リング状突起270が、上記拡
径部262のテーパ状の外周面260に周方向に直角な
形状が一定となるようにすなわち高さおよび幅が一定と
なるように設けられたリング状の突起とされているの
で、上記リング状突起270の近傍において潤滑油が飛
散させられる条件が周方向に均等になるので、上記リン
グギヤ148の各歯が均等に潤滑されやすくなるととも
に上記リング状突起270が補強部材として機能するた
めに上記リングギヤマウントケース150の剛性を高め
ることができる利点がある。
【0030】また、上記トランスファ104がその内部
に、上記リングギヤマウントケース150の外周面であ
って上記リング状突起270が設けられた位置よりも外
径が小さい部分の上方において上記リングギヤ148に
よって掻き上げられる潤滑油の流れを遮ることによりそ
の上記リング状突起270が設けられた位置よりも外径
が小さい部分の外周面上に潤滑油を落下させる潤滑油落
下部材272を含むようにされているので、上記リング
ギヤ148によって掻き上げられた潤滑油は、上記潤滑
油落下部材272によって上記リングギヤマウントケー
ス150の上記リング状突起270が設けられた位置よ
りも外径が小さい部分の外周面すなわち上記リング状突
起270よりも前記他方の端部142側の外周面の上方
において流れが遮られて下方に落とされるようになるこ
とから、オイルポンプ等の装置を用いることなく上記リ
ング状突起270より外径が小さい部分の外周面上に潤
滑油を容易に供給でき、上記リングギヤマウントケース
150の回転に伴って生じる遠心力によって上記リング
状突起270上にも潤滑油を容易に供給することができ
ることになるので、上記リングギヤ148の歯をより好
適に潤滑できる利点がある。
【0031】なお、上記リング状突起270は周方向に
直角な形状が一定のリング状とされていたが、上記リン
グ状突起270が周方向の1つ以上の箇所で切断される
ことによって形成される複数個の周方向に直列に連なる
突起を潤滑油飛散突起として用いてもよい。例えば、潤
滑油飛散突起を含む前記リングギヤマウントケース15
0の外形が軸心を含む平面で二分割される鋳型によって
成形される場合は、その鋳型の合わせ面上に上記リング
状突起270のような軸方向の幅が小さい潤滑油飛散突
起が存在すれば、その位置において潤滑油飛散突起に所
謂バリや巣ができやすくなるため、上記鋳型の合わせ面
に位置する二箇所において上記リング状突起270が切
断されることによって残る二個の周方向に直列に連なる
突起が潤滑油飛散突起として用いられてもよい。
【0032】また、上記リング状突起270のような潤
滑油飛散突起は、本実施例の上記リングギヤ148のよ
うなハイポイドギヤだけではなく、内端が半径方向の内
側に面している歯車、例えば曲がり歯かさ歯車やすぐ歯
かさ歯車のような他のかさ状歯車に適用してもよい。
【0033】その他、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の駆動装置を示す断面図であ
る。
【図2】図1の駆動装置のトランスファを拡大して示す
図4のI−I視断面図である。
【図3】上記トランスファの車両前方視を示す図であ
る。
【図4】上記トランスファの車両左側方視を示す図であ
る。
【図5】図2のJ−J視断面図である。
【図6】図2に示したスペーサの形状を示す図である。
【図7】上記スペーサが上記トランスファのトランスフ
ァケースに取り付けられた状況を車両左側方視として示
す図である。
【図8】図7のK−K視断面図である。
【図9】図2のリングギヤマウントケースを含む部分を
拡大して示す図である。
【図10】図9のL−L視断面図である。
【図11】従来の駆動装置の一例を示す断面図である。
【図12】ハイポイドギヤや曲がり歯かさ歯車等の歯す
じの概略の形状を示す図である。
【符合の説明】
100:駆動装置 102:トランスアクスル 104:トランスファ 140、142:端部 148:リングギヤ(かさ状歯車) 150:リングギヤマウントケース(回転軸体) 260:外周面 262:拡径部 270:リング状突起(潤滑油飛散突起)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスアクスルに取り付けられるトラ
    ンスファ内に両端部において回転可能に支持されるとと
    もに中間部にテーパ状の外周面を有する拡径部を備えた
    回転軸体と、該回転軸体の前記拡径部の最大外径部の外
    周上に同心に且つ一体的に設けられ、前記回転軸体の回
    転に伴って前記トランスファ内に封入された潤滑油を掻
    き上げるかさ状歯車とを含む四輪駆動車の駆動装置にお
    いて、 前記回転軸体の拡径部の外周面に周方向に連ねて設けら
    れ、該外周面に付着して該回転軸体の回転に伴って発生
    する遠心力にしたがって該外周面の最大外径部に向かっ
    て移動する潤滑油を、該遠心力にしたがって外周側へ向
    かって飛散させることにより前記かさ状歯車の歯を潤滑
    する潤滑油飛散突起を含むことを特徴とする四輪駆動車
    の駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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