JPH10289708A - 非水電解質二次電池及びその電極板の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池及びその電極板の製造方法

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JPH10289708A
JPH10289708A JP9094026A JP9402697A JPH10289708A JP H10289708 A JPH10289708 A JP H10289708A JP 9094026 A JP9094026 A JP 9094026A JP 9402697 A JP9402697 A JP 9402697A JP H10289708 A JPH10289708 A JP H10289708A
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Japan
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electrode
electrode plate
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lithium
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Tetsuya Murai
村井  哲也
Hisashi Tsukamoto
寿 塚本
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極体全体にリチウムイオンをできるだけ均
一に拡散させることができて大容量化を可能にする。 【解決手段】 ベースフィルム51に金属リチウム箔5
2を保持させたリチウム箔ラミネートフィルム50を負
極板20に重ね、一対の転写ロール53間に通して加圧
する。加圧後、ベースフィルム51を剥がせば、電極合
剤23の表面に極薄の金属リチウム箔52が転写された
負極板20が製造される。これをセパレータを挟んで正
極板とともに巻回して電極体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電極板の構造を改良
した非水電解質二次電池及びその電極板並びにこれらの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば正極と負極との間で一方が放出し
たリチウムイオンを他方に吸蔵させるという可逆反応に
よって充放電を行う非水電解質二次電池としては、次の
ように製造された構造が公知である。例えば金属アルミ
ニウム箔に遷移金属のリチウム含有酸化物を含んだ電極
合剤を塗布して正極用の電極板を製造し、銅箔に層状構
造の炭素材を含んだ電極合剤を塗布して負極用の電極板
を製造する。そして、これらの正負の両電極板をセパレ
ータを挟んで巻回することで渦巻き状の多層構造となっ
た電極体を製造し、これを非水電解質と共に電池缶に収
容するのである。
【0003】この種の二次電池では、可逆反応に寄与す
るリチウムイオンとは別に、各電極に不可逆的に取り込
まれるリチウムイオンがあり、これを初期充電に先立ち
予め供給しておくことが容量増大のために望ましい。
【0004】予めリチウムイオンを電極体に供給してお
く技術として例えば特開平7−94211号公報に記載
されたものがある。これは、負極板のうち最外周部分の
電極合剤が塗布されていない銅箔上に、金属リチウム箔
を圧着加工するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記製造方
法では、金属リチウムは電極体の最外周の一部にのみ存
在することになるから、電極体全体にリチウムイオンを
均一に供給することができず、イオン濃度の不均一を招
くため容量増大に限界がある。なお、上記製造方法にお
いてリチウムイオンを全体に行き渡らせるべく金属リチ
ウム箔を厚くして多量の金属リチウムを存在させること
も考えられるが、これでは電極体の外周側のリチウムイ
オン濃度が過剰となるため、電池反応時に金属リチウム
が析出して逆に容量低下等の問題を招くことになる。
【0006】そこで、本発明の目的は、電極体全体にリ
チウムをできるだけ均一に拡散させることができて大容
量化を可能にできる非水電解質二次電池及びその電極板
の製造方法を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る非
水電解質二次電池は、集電体に電極合剤を重ねた正極及
び負極を構成する電極板を、セパレータを介して積層し
た電極体を備えてなるものであって、電極板には電極合
剤にリチウム箔を重ねてあるところに特徴を有する。
【0008】請求項2の発明に係る電極板の製造方法
は、リチウム箔を積層した非水電解質二次電池の電極板
の製造方法であって、ベースフィルムにリチウム箔を重
ねてなるリチウム箔ラミネートフィルムを電極板に重ね
て加圧した後にベースフィルムを剥離することによりリ
チウム箔を電極板の表面に転写するところに特徴を有す
る。
【0009】請求項3の発明に係る電極板の製造方法
は、集電体に電極合剤を重ねてなる正極又は負極を構成
する非水電解質二次電池の電極板の製造方法であって、
ベースフィルムにリチウム箔を重ねてなるリチウム箔ラ
ミネートフィルムを電極板の電極合剤に重ねて加圧して
ベースフィルムを剥離することでリチウム箔を電極合剤
表面に転写するところに特徴を有する。
【0010】請求項4の発明に係る非水電解質二次電池
の製造方法は、ベースフィルムにリチウム箔を重ねてな
るリチウム箔ラミネートフィルムを電極板の電極合剤に
重ねて加圧することでリチウム箔を電極合剤表面に転写
し、その電極板をセパレータを介して巻回することで電
極体を製造するところに特徴を有する。そして、請求項
5の発明は、リチウム箔ラミネートフィルムを製造する
に際し、2枚のベースフィルムの間にリチウム箔を挟ん
でこれらを圧延ローラ間に通して圧力を作用させること
によりリチウム箔を薄く圧延するところに特徴を有する
ものである。
【0011】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明では、電極板の
電極合剤にリチウム箔が重ねられているから、リチウム
が電極合剤に均一に拡散して適切な量のリチウムを供給
でき、もって二次電池としての容量増大が可能になる。
【0012】ところで、電極板の広い範囲にリチウム箔
を重ねる場合、リチウムが過剰に供給されないようにす
るには、リチウム箔を相当に薄くしなくてはならないこ
とがある。すると、リチウム箔の引っ張り強度が大きく
低下するから僅かな張力で破れてしまうようになり、リ
チウム箔の積層作業が非常に困難になる。この点、請求
項2ないし請求項4の製造方法では、リチウム箔をベー
スフィルムに積層したリチウム箔ラミネートフィルムを
使用してリチウム箔を電極板に転写するようにしている
から、リチウム箔の積層作業時に作用する張力等をベー
スフィルムで受けることができる。この結果、リチウム
箔を必要に応じて薄くして必要最小限のリチウムが供給
された電極板及び非水電解質二次電池を製造することが
できる。また、請求項5の発明に係るリチウム箔ラミネ
ートフィルムの製造方法では、取り扱い可能な厚さのリ
チウム箔から、通常では取り扱いできないような極めて
薄い厚さ寸法のリチウム箔を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は完成形態の非水電解
質二次電池を破断して示してある。これは、周知のよう
に、正極板10と負極板20とを例えばポリエチレン不
織布からなるセパレータ30を介して巻回することで渦
巻き状に積層された電極体40が構成され、この電極体
40が電池缶41内に収容されている。電池缶41は円
筒容器状の負極ケース42の開放口を正極キャップ43
によって閉じて構成され、図示はしないが内部に例えば
エチレンカーボネート(EC),ジエチルカーボネート
(DEC)及びジメチルカーボネート(DMC)を2:
1:2の割合に混合した混合液に1mol/lの六弗化
リン酸リチウムを添加した非水電解液が充填されてい
る。正極板10からは正極リード11が導出されて正極
キャップ43に電気的に接続され、負極板20からは負
極リード21が導出されて負極ケース42に接続されて
いる。
【0014】さて、前記正極板10は、図2に示すよう
に、例えば厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電
体12の両面に正極合剤13を保持させてなる。これは
例えば遷移金属のリチウム含有酸化物であるリチウムコ
バルト酸化物(Li Co O2)に結着剤としてのポリ弗
化ビニリデンと導電材としてのアセチレンブラックとを
添加してペースト状となるように混練し、それを集電体
12の両面に塗布して乾燥及び圧延して所定幅に切断し
たテープ状をなす。なお、前記正極リード11は正極板
10の巻始め端に位置して正極合剤13が塗布されてい
ない集電体12に接続されている。
【0015】一方、前記負極板20の製法は次に示す通
りである。例えば厚さ12μmの銅箔からなる集電体2
2の両面にグラファイト粉末を結着剤と共に混練したペ
ーストを塗布し、これを乾燥及び圧延して所定幅に切断
して図示しないドラムに巻回する。これにより、図3に
示すように、集電体22の両面に負極用の電極合剤23
が積層された帯状の負極板20が形成される。そして、
次にリチウム箔ラミネートフィルム50を使用してリチ
ウム箔を電極合剤23の両表面に転写するのである。上
記リチウム箔ラミネートフィルム50は、図4に示すよ
うにベースフィルム51に例えば5μm〜50μm程度
の厚さの金属リチウム箔52を積層したものである。こ
のベースフィルムとしては、金属リチウム箔52が容易
に剥がれる程度の離型性及び耐張力を有する材料が好ま
しく、この実施形態ではトリメチルペンテン1のフィル
ム(例えば住友ベークライト株式会社製離型フィルムC
EL−E911A)を使用している。なお、上記リチウ
ム箔ラミネートフィルム50を製造するには、2枚のベ
ースフィルム51に取り扱い可能な強度を有する厚さの
金属リチウム箔を挟み、これを圧延ロール間に通すこと
で金属リチウム箔を所望の厚さに圧延し、その後、一方
のベースフィルム51を剥離したものである。金属リチ
ウムは柔らかい金属であるから、容易に圧延可能であ
る。
【0016】そして、図5に示すように、上記リチウム
箔ラミネートフィルム50を上述した負極板20の電極
合剤23の両表面上に重ね、これを一対の転写ロール5
3間に通して加圧し、ロール53の出口側でベースフィ
ルム51を剥がして巻き取る。すると、負極板20の電
極合剤23の表面が多孔状をなすため、その表面に金属
リチウム箔52が食い込むようになって圧接され、金属
リチウム箔52が負極板20側に転写されるのである。
これにより、極薄の金属リチウム箔52を電極合剤23
の両表面に積層させた負極板20が製造される。
【0017】この後、この負極板20を前述のセパレー
タ30を挟んで正極板10と共に巻き込んで電極体40
を製造し、これを電極缶41内に電解液と共に封入して
電池が完成する。なお、負極リード21は巻終わり側の
集電体22に接続されている。この製造方法によれば、
負極板20の電極合剤23のほぼ全域に金属リチウム箔
52が積層されているから、初期充電時にリチウムイオ
ンが電極合剤23に均一に拡散して十分な量の不可逆分
のリチウムイオンをグラファイト中に吸蔵させることが
できる。もちろん、金属リチウム箔52は過剰にならな
いように十分に薄くしてあるから、充放電を繰り返すこ
とにより過剰なリチウムが析出して不活性化することに
より容量低下を来したり、正負電極間を短絡させたりす
ることを確実に防止できる。また、このように金属リチ
ウム箔52を相当に薄くしてあっても、これはベースフ
ィルム51に保持された状態にあるから、金属リチウム
箔52を負極板20に積層する際に作用する張力等をベ
ースフィルム51で受けることができる。このことは、
金属リチウム箔52を薄くして必要最小限のプリチャー
ジ用のリチウムを積層することができることを意味す
る。
【0018】<他の実施形態>
【0019】本発明は上記記述及び図面によって説明し
た実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のよ
うな実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さら
に、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更し
て実施することができる。
【0020】(1)上記実施形態では金属リチウム箔を
使用した場合を示したが、これはリチウム合金の箔であ
ってもよく、要は、リチウムを供給できる箔であればよ
い。もちろん、リチウム箔を連続的に積層するに限ら
ず、必要に応じてリチウム箔が電極板の電極合剤表面に
間欠的に積層されるようにしてもよい。
【0021】(2)上記実施形態では負極板20にリチ
ウム箔を積層する例を示したが、これに限らず、正極板
10に積層してもよい。
【0022】(3)上記実施形態では、電極体は正極板
10及び負極板20をセパレータ30を挟んで巻回する
3枚構造としたが、例えば樹脂フィルムの両側に集電体
層と正極及び負極の電極合剤層とをそれぞれ形成した1
枚の電極板をセパレータとともに巻回する2枚構造の電
極体に適用してもよく、また、さらにセパレータ層を予
め一体化した1枚の電極板を巻回する構造の電極体に適
用してもよい。
【0023】(4)上記実施形態では、正極と負極との
間でリチウムイオンが放出・吸蔵されるタイプの二次電
池に適用したが、これに限らず、金属リチウムのイオン
化及び析出の可逆反応を利用した二次電池に適用するこ
ともできる。この場合には、集電体にリチウム箔を直接
に転写すればよい。また、円筒型の電池に限らず、角形
或いはボタン型の非水電解質二次電池に広く適用するこ
とができることは言うまでもない。
【0024】(5)上記実施形態では、ベースフィルム
としてトリメチルペンテン1(TRX)のフィルムを利
用したが、これに限らず、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリエチレンタレフタレート、ポリイミド、ポリ塩
化ビニル或いはワックス系の離型紙等を広く利用するこ
とができる。
【0025】(6)上記実施形態では、負極板20の両
表面にリチウム箔52を積層させたが、これに限らず、
片面だけにリチウム箔52を積層し、正極板10とセパ
レータ30とともに巻き込んで電極体40を製造しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す非水電解質二次電池の
分解斜視図
【図2】正極板の拡大断面図
【図3】金属リチウム箔を積層する前の負極板の拡大断
面図
【図4】リチウム箔ラミネートフィルムの拡大断面図
【図5】リチウム箔の転写行程を示す断面図
【符号の説明】
10…正極板 12…集電体 13…正極合剤 20…負極板 22…集電体 23…正極合剤 30…セパレータ 40…電極体 50…リチウム箔ラミネートフィルム 51…ベースフィルム 52…金属リチウム箔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体に電極合剤を重ねた正極及び負極
    を構成する電極板を、セパレータを介して積層した電極
    体を備えてなる非水電解質二次電池であって、前記電極
    板には前記電極合剤にリチウム箔が重ねられていること
    を特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 リチウム箔を積層した非水電解質二次電
    池の電極板の製造方法であって、ベースフィルムにリチ
    ウム箔を重ねてなるリチウム箔ラミネートフィルムを電
    極板に重ねて加圧した後に前記ベースフィルムを剥離す
    ることにより前記リチウム箔を前記電極板の表面に転写
    することを特徴とする非水電解質二次電池の電極板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 集電体に電極合剤を重ねてなる正極又は
    負極を構成する電極板の製造方法であって、ベースフィ
    ルムにリチウム箔を重ねてなるリチウム箔ラミネートフ
    ィルムを前記電極合剤に重ねて加圧して前記ベースフィ
    ルムを剥離することで前記リチウム箔を前記電極合剤表
    面に転写することを特徴とする非水電解質二次電池の電
    極板の製造方法。
  4. 【請求項4】 集電体に電極合剤を重ねてなる正極及び
    負極を構成する電極板を絶縁層を介して積層した電極体
    を備えてなる非水電解質二次電池の製造方法であって、
    ベースフィルムにリチウム箔を重ねてなるリチウム箔ラ
    ミネートフィルムを前記電極板の電極合剤に重ねて加圧
    して前記ベースフィルムを剥離することで前記リチウム
    箔を前記電極合剤表面に転写し、その電極板をセパレー
    タを介して巻回することを特徴とする非水電解質二次電
    池の製造方法。
  5. 【請求項5】 2枚のベースフィルムの間にリチウム箔
    を挟んでこれらを圧延ローラ間に通して圧力を作用させ
    ることにより前記リチウム箔を薄く圧延することを特徴
    とするリチウム箔ラミネートフィルムの製造方法。
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