JP3763233B2 - 偏平形電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セパレータを介して各1枚の帯状の正極板および負極板を捲回して構成される断面が小判状の電極群が収納された薄型の偏平形電池に関する。特に極板の折り畳み部に予備加工を施すことによって、電極群構成時の極板の折損や活物質層の剥離・脱落による不良事故を皆無にすることを目的としたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピュータやカムコーダなどに代表されるポータブル機器の小型・軽量・薄型化にともない、その駆動用電源としての小型二次電池の進歩は目覚ましいものがある。当初は在来型の鉛・酸系やニッケル・カドミウム系から始まって、最近ではより高エネルギー密度化が可能な新型のニッケル・金属水素化物系やリチウム・イオン系が実用化されている。
【0003】
小型シール鉛蓄電池においてはセパレータを介して複数枚の正極板と負極板とを交互に積み重ね、同じ極性の極板を連結して構成した電極群を、3セルまたは6セル用のモロブロック型のプラスチック製電槽内に収納して、直列に構成した後密閉化した角形電池が一般的である。
【0004】
ニッケル・カドミウム系電池とニッケル・金属水素化物系電池においては、セパレータを介して各1枚の帯状の正極板と負極板とを捲回してコイル状に構成した電極群を金属製電池容器内に収納・密閉化した円筒形電池またはセパレータを介して複数枚の正極板と負極板とを交互に積み重ね、同じ極性の極板を連結して構成した電極群を金属製電池容器内に収納・密閉化した角形電池とし、所定電圧と容量になるように複数セルを直列や並列に接続して一体の電池パックを構成して使用している。
【0005】
リチウム・イオン二次電池においては、円筒形電池は、ニッケル・カドミウム系やニッケル・金属水素化物系と基本的には同様な構成である。これに対して、機器の薄型化および電源部のデッドスペースを低減するために重要視されている電池の断面が矩形または小判状の薄型の偏平形電池においては、正、負極板およびセパレータのそれぞれの厚さが極めて薄いので、セパレータを介して各1枚の帯状の正、負極板を折り畳むように捲回し、断面が小判状になるように構成した電極群を収納し、電解液を注入・含浸させた後密閉化する方式の電池が採用されている。
【0006】
この方式の偏平形電池をさらに薄型化または高容量化するには、極板の芯材およびセパレータを可及的に薄くしたり、電極群の捲芯部および最外周部のセパレータの使用量を減らしたり、電極群に対する加圧力を高めて電極群の厚さを薄くして電池容器内へ挿入・収納する方法が採られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような電極群を高い生産性で構成するためには、第1段階として、捲芯具にセパレータを挟持させた状態のまま捲き付けて捲芯部を形成させ、各1枚の帯状の正極板と負極板とをセパレータを介した状態でコイル状に捲回し、それらの外周を余剰のセパレータで包み込んだ状態で固定して断面が楕円状の電極群を構成する。次いで、第2段階としてその電極群を、断面が楕円状の電極群の長軸に平行な1対の平板間に挟んだ状態のまま加圧し、変形させて図1に示されるような断面が小判状の電極群とする工程が採用される。図1は薄型偏平リチウム・イオン二次電池の電極群1の要部断面の拡大図である。図1において、セパレータ13を介して各1枚の帯状の正極板11と負極板12とが折り畳まれるように捲回されて電極群1が構成されている。電極群1は、まずセパレータ13の一方の先端が折り畳まれた捲芯部13aを取り囲むように、正極板11および負極板12がセパレータ13を介して捲回されて構成される。セパレータ13は、電極群1の外周を包み込み、セパレータの他方の先端部13bは加熱溶着等により電極群1を緊縛固定している。
【0008】
この略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を備えた電極群を構成するための第2段階の加圧・変形させる最終過程において、捲芯部13aに近い正極板11の前記曲線部の中央部に位置する最も内周の折り畳み部11aとその次の折り畳み部11a’および負極板12の最も内周の折り畳み部12aとその次の折り畳み部12a’で、極板の芯材が千切れることにより極板が折損してしまってセルの容量低下の原因となる場合があった。また極板が折損しないまでも、芯材から活物質層が剥離して、活物質層の小片が脱落し、これがセパレータを破損して正、負極間が内部短絡を起こし、有機電解液を用いるリチウム・イオン二次電池の信頼性を失墜させる原因にもなっていた。したがって、これらの極板の折損や活物質層の剥離・脱落を皆無にすることは極めて重要なことである。このような不良事故は、負極板より活物質層の充填密度が相対的に高く、かつ極板の芯材に、引張り強度および反復折り曲げ強度が、負極板用芯材の銅箔より相対的に低いアルミニウム箔を用いる正極板で発生する場合が多く、捲芯部に近い最も内周の折り畳み部に集中する傾向があった。
【0009】
図2は最終段階で断面が小判状の電極群を構成した場合の帯状正極板の折り畳み部を示す平面図である。図2において、正極板11の捲芯部に近い最も内周の折り畳み部11aにおいて、折損や活物質層の剥離・脱落が発生し易い。最も内周の折り畳み部11aの次の折り畳み部11a’においても、稀に正極板の折損や活物質層の剥離・脱落が発生することがあった。さらにそれらの次の折り畳み部11a”(最も内周の折り畳み部11aの外周に相当)においては、正極板の折損や活物質層の剥離・脱落事故は認められなかった。
【0010】
なお、アルミニウム製の正極リード用タブ11bの上に絶縁テープ11cが貼付されている。
【0011】
図3は断面が小判状の電極群の捲芯部とその外周部だけの拡大断面図である。図3において、正極板11と負極板12を隔離しているセパレータ13からなる捲芯部13aに隣接している負極板12は銅箔からなる負極芯材12dの両面に炭素材を主体とする負極活物質層12eおよび12fが塗着されている。負極板の最も内周の折り曲げ部において、内側面の負極活物質層12e’で極く稀に剥離・脱落するものが認められた。この負極板に対し、正極板11はアルミニウム箔からなる正極芯材11dの両面にコバルト酸リチウム(LiCoO2)を主体とする正極活物質層11eおよび11fが塗着されている。正極板11はセパレータ13を介して最も内周の負極板12の外側でありながら初めの折り曲げ部において、内側面の正極活物質層11e’および外側の正極活物質層11f’が剥離し、脱落する場合が多く認められ、この折り畳み部で正極芯材11dが千切れて正極板11が折損する場合が生じていた。
【0012】
前述したような極板の折損や活物質層の剥離・脱落事故を防止するには、極板の芯材厚さを大きくしたり、セパレータからなる電極群の捲芯部を大きくして極板の折り畳み部の曲率半径を大きくしたり、極板の折り畳み部近傍の活物質層を予め除去したりするなどの方法が考えられるが、いずれも電池容量を低下させざるを得ない措置であり、高エネルギー密度化を指向する新型電池としては適切な手段とはいえなかった。
【0013】
これらに対して、特開昭60−133655号公報および特開平5−41211号公報において、スポンジ状ニッケルシートに活物質を充填した発泡式極板や芯材に活物質ペーストを塗着乾燥したペースト式極板において、捲回方向に対して垂直方向に平行な溝を形成させてコイル状電極群を構成する円筒形電池が開示されている。しかしながら、薄型偏平形電池のための箔状芯材を用いた帯状の正、負極板およびセパレータからなる断面が小判状の電極群を構成する際の極板の折損や活物質層の剥離・脱落による不良事故を抑制する有効な手段については、従来全く提案されていなかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の偏平形電池は、略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を備えた偏平形電池において、前記極板群は少なくとも最も捲芯部に近い前記略曲線部の中央部に位置し、且つ内側面の活物質層上の折り畳み線を中心とする所定幅の領域に筋状凹部を予め形成させた1枚の帯状正極板と、1枚の帯状負極板とをセパレータを介して折り畳むように捲回して断面が小判状の電極群を構成した偏平形電池であって、
前記筋状凹部の幅が前記折り畳み線を中心として左右それぞれ1.0mm以上、2.0mm以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部の深さが片面の活物質層の厚さの25.0%以上、62.5%以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部が60°以上、100°以下の範囲の断面がV字状の筋によって形成し、且つ、この筋状凹部の筋と筋との間のピッチが0.7 5mm以上、2.0mm以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部の折り畳み線に対する角度が45°以上、90°以下の範囲としたことを特徴とするものである。
【0015】
このような構成を採用することにより、従来断面が小判状の電極群の構成時に発生していた極板の折損や活物質層の剥離・脱落を完全に抑制することにより、電池容量の低下および内部短絡の不良事故を皆無にして偏平形電池、特に偏平形リチウム・イオン二次電池の信頼性を飛躍的に向上させ得たものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明について、図面および表を引用しながら実施例をもって詳細に説明する。
【0017】
(実施例1)
正極材料のコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末50重量部に、導電剤としてアセチレンブラック1.5重量部、結着剤として固形分が50wt%のポリ4フッ化エチレン(PTFE)ディパージョン溶液7重量部、増粘剤として固形分が1wt%のカルボキシメチルセルローズのアンモニウム塩水溶液41.5重量部をそれぞれ加えて練合し、正極用ペーストを調製する。厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極芯材の両面に正極用ペーストをダイコータを用いて厚さ0.35mmになるように塗着し、乾燥したのち、200〜300℃に加熱して、結着剤のPTFE粒子相互間を焼結する。その後極板の厚さが0.18mmになるまでロール加圧し、所定寸法に裁断して帯状正極板を得た。図4および図5で示されるように、正極板41はアルミニウム箔からなる正極芯材41eの両面に内側の正極活物質層41fおよび外側の正極活物質層41f’が塗着されている。正極板41の捲芯部に近い最も内周の折り畳み部41a、次の折り畳み部41a’さらにその次の折り畳み部41a”(最も内周の折り畳み部41aの外側の折り畳み部になる。)は、略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を構成した際に前記曲線部の中央部に位置し、且つ内側面にあり、折り畳まれる部位となる。このうち、最も内周の折り畳み部41aおよび次の折り畳み部41a’で示される折り畳み部の折り畳み線を中心にして、左右それぞれ1.0mm幅(総幅W2.0mm)の筋状凹部41bおよび41b’を、折り畳み部の内側面の正極活物質層41fに形成した。これら筋状凹部の深さDは0.05mmで、正極板の活物質層の片面の厚さ0.08mmの62.5%に相当する。筋状凹部は角度41hが60°の断面がV字状の筋からなり、筋と筋との間のピッチPは0.75mmで、これらの筋状凹部41gの折り畳み線に対する角度Aは45°になるようにした。これら筋状凹部41bおよび41b’を形成させるには、厚さ2.0mmのローラーの外周にローレット加工により定められたピッチ、角度および高さの筋状凸部を形成させ、帯状正極板の定められた折り畳み部の活物質層上にこのローラーを回転させて加圧する方法を採用した。これら筋状凹部を形成させた正極板にはアルミニウム製の正極リード用タブ41cを溶接し、その上絶縁テープ41dを貼付して被覆した。
【0018】
一方、黒鉛粉末100重量部にスチレン−ブタジエン共重合体からなる結着剤溶液5重量部を加えて練合して調製した負極用ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる芯材の両面にダイコータを用いて塗着し、乾燥後、厚さが0.15mmになるまでロール加圧し、所定寸法に裁断して帯状負極板を得た。負極板にはニッケル製のリード用タブを溶接し、その上に絶縁テープを貼付して被覆した。
【0019】
セパレータとしては、厚さ27μmのポリエチレン製微孔性膜を用いた。
【0020】
第1段階として、短軸にスリットを設けた断面楕円形の捲芯具61(図6参照)のスリット62にセパレータの一方の先端を挟持させ、捲芯具を回転させて、捲芯具の外周にセパレータを捲き付け、セパレータを介して各1枚の正極板と負極板とを捲回し、断面が楕円状の電極群を構成する。この電極群の外周をセパレータで包み込み、セパレータの他方の先端を加熱溶着する方法により固定して電極群を緊縛する。
【0021】
この状態で捲芯具から電極群を抜き取り、この電極群を電極群の長軸に平行な1対の平板間に挟んだ状態のまま50kgf/cm2の圧力で加圧・変形させて、略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群で、捲芯に最も近い前記曲線部の中央部に位置し、且つ内側面にあり、折り畳み線を含む正極の折り畳み線を中心とする領域と次の正極の折り畳み線を中心とする領域に、筋状凹部を有する断面が小判状の電極群を構成した。その後、断面が小判状のニッケル鍍鋼製の電池容器に電極群を挿入し、次いで、正極リード用タブを蓋体のアルミニウム製正極端子にレーザー溶接する。また、負極リード用タブを電池容器上縁部に予め溶接固定させたニッケル鍍鋼製の枠体に抵抗溶接して接続する。その後、有機電解液を所定量注・含浸させたのち、蓋体とセル容器上縁間をレーザー溶接により密封して偏平形電池を完成させた。
【0022】
有機電解液としては、30vol%炭酸エチレン、50vol%炭酸ジエチル、20vol%プロピオン酸メチルからなる混合溶媒に無水のリンフッ化リチウム(LiPF6)を溶かし、1mol/lの濃度としたものを用いた。
【0023】
(実施例2)
実施例1と同様に正極板と負極板とを作製し、略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を構成した際に、捲芯に最も近い前記曲線部の中央部に位置し、且つ折り畳まれる部位となる折り畳み部の正・負極板両面の活物質層に筋状凹部を予め形成した。これら筋状凹部は折り畳み部の折り畳み線を中心として左右それぞれ2.0mm幅(総幅4.0mm)で、深さ0.02mmで、正極板の活物質層の片面の厚さ0.08mmの25.0%に相当し、負極板の活物質層の片面の厚さ0.07mmの28.6%に相当する。筋状凹部は角度が100°の断面がV字状の筋からなり、筋と筋との間のピッチは2.0mmで、これらの筋の折り畳み線に対する角度は90°になるようにした。
【0024】
(従来例)
比較のために、本発明による実施例1および実施例2で示されるように、略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を構成した際に前記曲線部の中央部に位置し、且つ内側面にあり、折り畳まれる部位となる正極活物質層および負極活物質層に予め筋状凹部を形成させていない従来例の正、負極板を用いた以外は、実施例1と同様にして偏平電池を作製した。
【0025】
実施例1、実施例2および従来例の各1000セルについて、電極群構成時の極板の折損や活物質層の剥離・脱落による電池容量の低下、内部短絡の不良率を調べて比較した結果を(表1)に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1によれば、筋状凹部の幅は折り畳み線を中心として左右それぞれ1.0mm以上、2.0mm以下(総幅2.0〜4.0mm)の範囲が適切であることがわかった。筋状凹 部の深さは、芯材の片面の活物質層の厚さに対して浅過ぎても効果を奏し得ないし、深過ぎると筋状凹部を形成した時点で活物質層が剥離するので却って有効ではないため、片面の活物質層の厚さの25.0%以上、62.5%以下の範囲が適切であることがわかった。筋状凹部の断面がV字状の角度は60°以上、100°以下の範囲が適切であり、筋状凹部の筋と筋との間のピッチは0.75mm以上、2.0mm以下の範囲が適切であることがわかった。また、筋状凹部の折り畳み線に対する角度は45°以上、90°以下の範囲が適切であることがわかった。実施例1において、正極板の捲芯に近い最も内周およびその次の折り畳み部の内側面の正極活物質層に筋状凹部を形成させた例を示したが、別途、正極板の捲芯に近い最も内周の折り畳み部の内側面の正極活物層だけに筋状凹部を形成させる場合についても検討した。試作規模が同じ1000セルの水準で、不良率は同じく零であった。また、実施例2においては正負極板ともに捲芯近い最も内周の折り畳み部の両面の活物質層にそれぞれ筋状凹部を形成させた例を示したが、内側面だけでも同等の効果を奏することを確かめた。
【0028】
したがって、少なくともアルミニウム箔を芯材とする正極板の捲芯部に近い最も内周の折り畳み部の内側面の活物層に筋状凹部を形成させることが本発明の必須条件といえる。
【0029】
そして、従来技術に対しより一層の高信頼性を確保するために、正極板においては、捲芯部に近い最も内周の折り畳み部の活物質層だけでなく、その次の折り畳み部の少なくとも内側面の活物質層にも筋状凹部を形成し、さらには、負極板の捲芯部に近い最も内周およびその次の折り畳み部の少なくとも内側面の活物質層に筋状凹部を形成することが望ましい。
【0030】
なお、V字状の筋状凹部の形状、深さ、ピッチはエポキシ樹脂中に極板を沈め、脱気後硬化させて切断、研磨して光学顕微鏡で観察可能である。
【0031】
本発明による実施例において、電池容器としては断面が小判状のものを用いたが、電解液量を多くしたい場合は、断面が矩形の電池容器が選ばれる。また電池容器と蓋体間を密封するには実施例のようにレーザー溶接だけでなく、ガスケットを介してかしめる方法を用いる場合もある。
【0032】
実施例においては、LiCoO2を活物質とする正極板を用いたリチウム・イオン二次電池で説明したが、本発明はこの正極活物質に限定されるものではない。ニッケル酸リチウム(LiNiO2)やスピネル型のマンガン酸リチウム(LiMn24)などのリチウム含有複合酸化物を活物質に用いる正極板にも同様に適用可能である。また、有機電解液を用いるリチウム・イオン二次電池だけでなく、ポリマー電解質のような非水電解質を用いる一次電池および二次電池に応用可能なことはいうまでもない。さらに、例えばニッケル・カドミウム系やニッケル・金属水素化物系においても、ニッケル箔またはニッケル鍍鋼箔からなる芯材の両面または片面に活物質層ペーストを塗着させるか電解的に析出させて形成された帯状極板にも同様に適用できる。
【0033】
本発明により断面が小判状の電極群を構成するに先立ち、実施例においては第1段階のセパレータを介して各1枚の正極板と負極板とを捲回して断面が楕円状の電極群を構成するに際し、図6で示される断面楕円状の捲芯具を用いたが、図7で示されるスリット72を持つ断面が菱形の捲芯具71を用いることは極めて有効である。これは、捲回時空回りせず的確に捲回できるだけでなく、捲芯部に無駄な空隙を発生させることなく、緻密な電極群が構成できる利点がある。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明は、金属箔からなる芯材の両面または片面にペーストを塗着するか、また電解的に析出させて活物質層を形成させた帯状の正極板と負極板とをセパレータを介して折り畳むように捲回して断面が小判状の電極群を構成するに際し、従来発生した極板の折損や活物質層の剥離・脱落による電池容量の低下および内部短絡による不良事故を皆無にすることにより各種偏平形電池の信頼性を飛躍的に向上し得る工業的価値の極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 偏平形リチウム・イオン二次電池の電極群の要部断面拡大図
【図2】 断面が小判状の電極群を構成した場合の、帯状正極板の折り畳み部を示す平面図
【図3】 断面が小判状の電極群の捲芯部とその外周部だけの拡大断面図
【図4】 本発明により帯状正極板の最も内周の折り畳み部およびその次の折り畳み部の内側面の活物質層上に、折り畳み線を中心とする所定ピッチの筋状凹部が所定幅で、予め形成された状態の1例を示す平面図
【図5】 本発明により正極板の折り畳み部に、予め形成させた筋状凹部の1例を示す拡大断面図
【図6】 本発明による断面が小判状の電極群を構成するに先立ち、断面が楕円状の電極群を構成するための捲芯具の1例を示す断面図
【図7】 本発明において、まず断面が楕円状の電極群を構成するための捲芯具の他の例を示す断面図
【符号の説明】
電極群
11 正極板
11a 正極板の最も内周の折り畳み部
11a’ 正極板の次の折り畳み部
11a” 正極板のさらに次の折り畳み部
11b 正極リード用タブ
11c 絶縁テープ
11d 正極芯材
11e 正極活物質層
11e’ 内側面の正極活物質層
11f 正極活物質層
11f’ 外側面の正極活物質層
12 負極板
12a 負極板の最も内周の折り畳み部
12a’ 負極板の次の折り畳み部
12d 負極芯材
12e 負極活物質層
12e’ 内側面の負極活物質層
12f 負極活物質層
12f’ 外側面の負極活物質層
13 セパレータ
13a セパレータの一方の先端が折り畳まれた捲芯部
13b セパレータの他方の先端部
41 正極板
41a 正極板の最も内周の折り畳み部
41a’ 正極板の次の折り畳み部
41a” 正極板のさらに次の折り畳み部
41b 筋状凹部
41b’ 筋状凹部
41c 正極リード用タブ
41d 絶縁テープ
41e 正極芯材
41f 内側面の正極活物質層
41f’ 外側面の正極活物質層
41g 筋状凹部
41h V字状の筋状凹部の角度
61 断面が楕円形の捲芯具
62 捲芯のスリット
71 断面が菱形の捲芯具
72 捲芯のスリット

Claims (5)

  1. 略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を備えた偏平形電池において、前記極板群は少なくとも最も捲芯部に近い前記略曲線部の中央部に位置し、且つ内側面の活物質層上の折り畳み線を中心とする所定幅の領域に筋状凹部を予め形成させた1枚の帯状正極板と、1枚の帯状負極板とをセパレータを介して折り畳むように捲回して断面が小判状の電極群を構成した偏平形電池であって、
    前記筋状凹部の幅が前記折り畳み線を中心として左右それぞれ1.0mm以上、2.0mm以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部の深さが片面の活物質層の厚さの25.0%以上、62.5%以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部が60°以上、100°以下の範囲の断面がV字状の筋によって形成し、且つ、この筋状凹部の筋と筋との間のピッチが0.75mm以上、2.0mm以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部の折り畳み線に対する角度が45°以上、90°以下の範囲とした偏平形電池。
  2. 折り畳み部に予め形成させた筋状凹部が、正極板だけでなく負極板にも形成させた請求項1に記載の偏平形電池。
  3. 略直線部とこれに連なる略曲線部からなる電極群を備えた偏平形電池の製造方法において、少なくとも最も捲芯部に近い前記略曲線部の中央部に位置し、且つ内側面の活物質層上の折り畳み線を中心とする所定幅の領域に筋状凹部を予め形成させた1枚の帯状正極板と、1枚の帯状負極板とをセパレータを介し、折り畳むように捲回して、まず、断面が楕円状の電極群を構成し、この電極群の略直線部の長軸に平行な1対の平板間に挟持したまま、加圧、変形させて得られる断面が小判状の電極群を、電池容器内に収納し、電解液を注・含浸させてから密封する偏平形電池の製造方法であって、
    前記筋状凹部の幅が前記折り畳み線を中心として左右それぞれ1.0mm以上、2.0mm以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部の深さが片面の活物質層の厚さの25.0%以上、62.5%以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部が60°以上、100°以下の範囲の断面がV字状の筋によって形成し、且つ、この筋状凹部の筋と筋との間のピッチが0.75mm以上、2.0mm以下の範囲とし、且つ、この筋状凹部の折り畳み線に対する角度が45°以上、90°以下の範囲とした偏平形電池の製造方法。
  4. 折り畳み部に予め形成する筋状凹部、正極板だけでなく負極板にも形成する請求項に記載の偏平形電池の製造方法。
  5. 所定厚さの円盤の外周に、筋状凸部を形成させたローラーを回転させながら加圧して、帯状極板の折り畳み部の活物質層上に予め筋状凹部を形成させ請求項に記載の偏平形電池の製造方法。
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