JP2021082549A - 二次電池、及びその製造方法 - Google Patents

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新平 尼崎
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拓也 西村
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秀之 小川
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Abstract

【課題】捲回型の二次電池であっても、正極と電解質シートとの間又は負極と電解質シートとの間に隙間が生じるのを抑制し、電池性能を向上させる。【解決手段】正極15pと負極15nとの間に電解質シート14が位置するように重ね合わせながら捲回して形成される電極捲回群10を備えた捲回型二次電池1において、前記電極捲回群10の外周に固縛フィルム11を1捲き以上捲き、前記固縛フィルム11によって前記電極捲回群10に面圧を印加する。【選択図】図1A

Description

本発明は、二次電池、及びその製造方法に関する。
特許文献1には、「樹脂製フィルムで電極捲回群の膨張及び充電時の弛みを抑制する」(要約)二次電池が記載されている。
特開2004−164986号公報
上記特許文献1に記載の二次電池は、正極と負極とセパレータとを捲回して電極捲回群を形成した後に、電解液を注液して製造する方式の二次電池である。このため、樹脂製フィルムで電極捲回群を覆ってはいるものの、後で電解液を注液して浸透させるために、隙間を形成しておく必要がある。
しかし、近年では、シート状に形成した半固体状の電解質(以下「電解質シート」と称する)を正極と負極との間に設けることで形成した二次電池が使用されてきている。
こうした電解質シートを用いた二次電池では、捲回後に電解液を注液しないため、正極と電解質シートとの間又は負極と電解質シートとの間に隙間があると、充放電を担うリチウムイオンが隙間を移動できないため、抵抗が増加し、電池性能の低下を招く。
本発明者らの検討によると、とりわけ、正極と負極と電解質シートを捲回して形成する捲回型の二次電池の場合は、正極と電解質シートとの間又は負極と電解質シートとの間に、隙間が生じ易いことが分かった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、捲回型の二次電池であっても、正極と電解質シートとの間又は負極と電解質シートとの間に隙間が生じるのを抑制し、電池性能を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極と負極との間に電解質シートが位置するように重ね合わせながら捲回して形成される電極捲回群を備えた二次電池において、前記電極捲回群の外周に固縛フィルムを1捲き以上捲き、前記固縛フィルムによって前記電極捲回群に面圧を印加する。
本発明によれば、捲回型の二次電池であっても、正極と電解質シートとの間又は負極と電解質シートとの間に隙間が生じるのを抑制し、電池性能を向上させることができる。
本実施形態に係る二次電池(捲回型二次電池)の模式図である。 捲回型二次電池を輪切りにした際の断面模式図である。 本実施形態に係る固縛フィルムの断面模式図である。 本実施形態に係る多孔質構造を有する固縛フィルムの断面模式図である。 本実施形態に係る接着層を有する固縛フィルムの断面模式図である。 本実施形態における評価用電池セルの模式図である。 本実施形態に係る評価用電池セルを固縛冶具で挟んだ断面模式図である。 本実施形態における固縛フィルムを適用した電極捲回群の模式図である。 電極捲回群を輪切りにした際の断面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。また、以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む。)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む。)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものでないことはいうまでもない。
同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含むものとする。このことは、数値及び範囲についても同様である。
また、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<二次電池の構造>
図1Aは、本実施形態に係る二次電池(捲回型二次電池)の模式図である。本実施形態の二次電池1は、正極15pと負極15nとの間に電解質シート14が位置するように重ね合わせながら捲回して形成される電極捲回群10を備えている。そして、正極15pは正極集電箔16p及び正極合剤層17pを有し、負極15nは負極集電箔16n及び負極合剤層17nを有している。また、電極捲回群10の外周には固縛フィルム11が捲かれ、固縛フィルム11によって電極捲回群10に面圧が印加されている。
以下、リチウムイオン電池に供する場合を例に、本実施形態に係る二次電池の構成例について説明する。本実施形態の二次電池1は、電極捲回群10の外周に固縛フィルム11が捲かれ、正極15pと負極15nのそれぞれの電極端子12とともに、外装体13に収納されている。図1Aの吹き出し部分は、二次電池1を図面の上下方向に切断した場合の断面模式図であり、電極捲回群10の外周付近と固縛フィルム11との構造関係をより詳細に示している。電極捲回群10は、正極集電箔16pの両側に正極合剤層17pを形成した正極15pと、負極集電箔16nの両側に負極合剤層17nを形成した負極15nと、の間に電解質シート14を配置し、捲回して形成される。電極捲回群10の外周には固縛フィルム11が密着しており、固縛フィルム11から電極捲回群10に面圧が印加された状態で保持されている。
図1Bは、二次電池1を輪切りにした際の断面模式図である。図1Bのように、電極捲回群10の外周に固縛フィルム11が捲かれ、電極捲回群10全体に面圧が印加されているので、捲回型の二次電池であっても、正極と負極と電解質シートとの間に隙間が形成されることを抑制でき、電池性能の向上が可能となっている。
本実施形態に係る捲回型二次電池は、本実施形態の作用効果が得られる範囲内であれば、その形状や構造は特に限定されず、適宜最適なものを選択できる。例えば、図1A,Bに示したものは一例であり、固縛フィルム11は電極捲回群10の外周に1捲き以上(複数回)捲いても良い。更に、電極捲回群10の内部構造についても、図1A,Bでは集電箔16の両面に合剤層17を形成する例を示したが、集電箔16の片面にのみ合剤層17を形成しても良い。また、図1A,Bでは円筒形状の捲回型二次電池を示したが、楕円形状の捲回型二次電池であっても良い。
次に、各部材について説明する。
(電解質シート)
電解質シート14の材料について説明する。電解質シート14は、電解液と、電解液をその表面に担持する担持材と、担持材同士を結着させる結着剤と、を含んでいる。
リチウムイオン電池の場合、電解質シートの電解質塩にはLi塩を用いるが、リチウムは強い還元剤であり、水と激しく反応して水素ガスを発生する。かかる観点から、リチウムイオン電池では、通常、電解液として非水電解液が使用される。
電解液は、非水電解液として、電解質塩と溶媒とを含有するものを使用するが、その種類は特に限定されない。ここで、電解質塩の具体例としては、(CF3SO2)2NLi、(SO2F)2NLi、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li等のリチウム塩や、これらの混合物等が挙げられる。
一方、非水電解液の溶媒は、有機溶媒、イオン性液体、電解質塩の共存下においてイオン性液体に類似の性質を示す物質(本明細書中では、電解質塩の共存下においてイオン性液体に類似の性質を示す物質も「イオン性液体」と総称する。)等が挙げられる。溶媒の具体例としては、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(G3)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMI−TFSI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(フルオロスルホニル)イミド(EMI−FSI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−テトラフルオロボレイト(EMI−BF4)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Py13−TFSI)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム−ビス(フルオロスルホニル)イミド(Py13−FSI)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム−テトラフルオロボレイト(Py13−BF4)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DEME−TFSI)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム−テトラフルオロボラート(DEME−BF4)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等や、これらの混合液等が挙げられる。これらの中でも、安全性の観点から、イオン性液体が好ましく、難燃性のイオン性液体(例えば、上記EMI−TFSI)がより好ましい。
担持材は、電解液を担持できる材料であれば良く、その種類は特に限定されないが、具体例としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイドや、これらの混合物等が挙げられる。また、担持材の構造は、電解液の担持量を増やす観点から、単位体積当りの表面積が大きい粒子や繊維、多孔質体等が好ましく、微粒子であることがより好ましい。
結着剤は、担持材を結着できる材料であれば良く、その種類は特に限定されないが、具体例としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP))、ポリイミド、スチレンブタジエンゴムや、これらの混合物等が挙げられる。
(正極)
正極15pは、正極集電箔16pと正極合剤層17pを有しており、正極合剤層17pは、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む。正極合剤層17pは、正極活物質、結着剤、導電助剤を、正極集電箔16pに塗布することで形成可能である。なお、正極合剤層17pは、上述した電解液を含んでも良い。
正極集電箔16pとしては、例えば、ステンレス鋼やアルミ等の導電性金属から構成される金属箔や網状金属等が使用できる。正極集電箔16pの厚みは、特に限定されず、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。
正極活物質としては、特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムの一部をニッケルとマンガンで置換したリチウム・マンガン・コバルト・ニッケル複合酸化物等が使用できる。正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め充分な量のリチウムを挿入したリチウム含有遷移金属酸化物等が使用できる。遷移金属としては、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄等の単体や、2種類以上の遷移金属を主成分とする材料等を使用できる。
正極活物質の結晶構造については、特に限定されず、例えば、スピネル結晶構造や層状結晶構造等を採用できる。これらの中でも、リチウムイオンを挿入・脱離可能な構造であることが好ましい。さらに、結晶中の遷移金属やリチウムの一部をFe、Co、Ni、Cr、Al、Mg等の元素で置換した材料や、結晶中にFe、Co、Ni、Cr、Al、Mg等の元素をドープした材料であっても良い。
結着剤としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP))や、これらの混合物等が挙げられる。
導電助剤としては、特に限定されず、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素材料等が使用できる。
(負極)
負極15nは、負極集電箔16nと負極合剤層17nを有しており、負極合剤層17nは、負極活物質と結着剤を含む。負極合剤層17nは、負極活物質と結着剤を、負極集電箔16nに塗布することで形成可能である。なお、負極合剤層17nは、さらに導電助剤を含んでも良く、例えば、炭素材料等が使用できる。炭素材料の具体例としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛、カーボンナノチューブ等が挙げられるが、これらに限定されない。また、負極合剤層17nは、上述した電解液を含んでも良い。
負極集電箔16nとしては、例えば、ステンレス鋼や銅等の導電性金属から構成される金属箔や網状金属等が使用される。負極集電箔16nの厚みは、特に限定されず、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。
負極活物質としては、特に限定されず、例えば、結晶質の炭素材料や非晶質の炭素材料等が使用できる。負極活物質としては、リチウムイオンを挿入・脱離可能な材料であることが好ましく、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛剤、コークス等の炭素材料や、二酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化チタン等の酸化物、シリコン、スズ、ゲルマニウム、鉛、アルミニウム等に代表されるリチウムと合金を形成する材料や、これらの混合物等が使用できる。その粒子形状については、特に限定されず、例えば、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、様々な粒子形状のものが使用できる。
結着剤としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム等や、これらの混合物等が使用できる。
(固縛フィルム)
固縛フィルム11は、電極捲回群10の外周に1捲き以上捲きつけることにより、電極捲回群10に面圧を印加するもので、正極と電解質シートと負極との間に隙間が形成されることを抑制する機能を持つ。
固縛フィルム11としては、電極捲回群10に所定の面圧を印加できれば良く、種々のフィルム状材料を用いることができる。図2Aに、本実施形態に係る固縛フィルム11の断面模式図を示す。固縛フィルム11の材質としては、例えば、Al、Cu、SUS等の金属フィルムを用いることができる。これらの金属フィルムは正極や負極の集電箔にも用いられる材料であるため、固縛フィルム11を使用することによる部材点数の増加を防止でき、生産性の低下を防止できる。また、アクリル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、など、広く樹脂フィルムを用いることも可能である。樹脂フィルムは金属フィルムより軽量であるため、固縛フィルム11を用いることによる重量増加を抑制できる。
更に、固縛フィルム11は多孔質構造を有しても良い。図2Bに、本実施形態に係る多孔質構造を有する固縛フィルム11の断面模式図を示す。フィルムを多孔質化すると更に軽量化できるため、固縛フィルム11を用いることによる重量増加がさらに抑制できる。
また、固縛フィルムの基材11aの少なくとも片面に、固縛フィルムの接着層11bを有しても良い。図2Cに、本実施形態に係る接着層11bを有する固縛フィルム11の断面模式図を示す。接着層11bにより固縛フィルム11が電極捲回群10に固定されるため、固縛フィルム11が緩んだりずれたりするのを防止できるだけでなく、固縛フィルム11によって電極捲回群10に面圧が印加された状態を保持できる。なお、固縛フィルム11に接着層を設ける代わりに、粘着テープ等によって、固縛フィルム11を固定しても良い。
<二次電池の製造方法>
本実施形態に係る二次電池の好適な製造方法としては、まず、正極15pと負極15nとの間に電解質シート14が位置するように重ね合わせながら捲回して電極捲回群10を形成する。このとき、電解質シート14は、正極合剤層17p又は負極合剤層17nの少なくともいずれか一方と接着させ、電解質シート14が、正極合剤層17pと負極合剤層17nとの間に位置するように捲回する。その後、電極捲回群10の外周に、固縛フィルム11を1捲き以上捲きつけ、固縛フィルム11によって電極捲回群10に面圧が印加された状態で、固縛フィルム11を固定し、二次電池を得る。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例では、電極群(電極積層体)に印加する固縛圧縮力を検討した結果について、具体的に説明する。
(電解質シートの作製)
まず、電解質材料として、電解液(溶媒である、EMI−TFSIに、電解質塩として、(CF3SO2)2NLiを含んだもの)、担持材(二酸化ケイ素粒子)及び結着剤(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)))を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、電解質スラリーを作製した。その後、電解質スラリーを、支持体であるポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上に塗布し、100℃の熱風乾燥炉で乾燥させることで、PETフィルム上に電解質シートを形成させた。なお、本実施例では、支持フィルム(支持材)としてPETを用いる場合を例に記載したが、その材質はこれに限定されない。支持フィルム(支持材)としては、100℃の熱風乾燥で溶融しなければ良く、ポリイミドなど、広くプラスチック製のフィルムを用いることができる。
(正極の作製)
正極材料として、正極活物質(リチウム・マンガン・コバルト・ニッケル複合酸化物)、導電助剤(黒鉛粉末)、結着剤(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)))、電解液((CF3SO2)2NLiを含んだ1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、正極スラリーを作製した。正極スラリーを、集電箔(アルミ箔)上に間欠塗工し、100℃の熱風乾燥炉で乾燥させた。乾燥後、プレス圧縮し、正極を得た。その後、得られた正極をカットした。なお、本実施例では、電解液を正極スラリーに混合する場合を例に記載したが、正極を得た後に、電解液を塗布するなどして正極内に存在させても良い。また、電解液の染み出しをより防止する目的で、電解液と結着剤との混合物を正極に塗布しても良い。
(負極の作製)
上述した正極の方法に準拠して、負極を作製した。負極材料として、負極活物質(黒鉛)、導電助剤(黒鉛粉末)及び結着剤(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)))を用いた。そして、負極に含有させる電解液として((CF3SO2)2NLiを含んだ1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、集電箔として銅箔を用いた。なお、正極と同様に、負極を得た後に、電解液を塗布するなどして負極内に存在させても良い。また、電解液の染み出しをより防止する目的で、電解液と結着剤との混合物を負極に塗布しても良い。
(評価用電池セルの作製)
評価用電池セルの作製方法について説明する。図3は、本実施例における評価用電池セル3の模式図である。まず、支持フィルム(PET)(図示せず)の上に形成した電解質シート34を正極合剤層37pの面積以上のサイズにカットした。支持フィルム(PET)上に形成された電解質シート34と、正極集電箔36pの片面に正極合剤層37pが形成された正極35pと、を電解質シート34と正極合剤層37pとが対向するように積層した。そして、これらを熱プレス圧縮することで、電解質シート34に含まれる結着剤が正極合剤層37pに接着し、これによって電解質シート34を正極合剤層37pに貼り合せた。その後、支持フィルム(PET)のみを剥離し、電解質シート34を接着させた正極35pを得た。なお、本実施例では、取扱いを容易にするため熱プレス圧縮により電解質シート34を正極35pに接着させたが、熱プレス圧縮を実施せずに積層するのみでも良い。次に、電解質シート34を接着させた正極35pに、負極集電箔36nの片面に負極合剤層37nを形成した負極35nを積層した。この際、負極合剤層37nが電解質シート34に対向するように積層した。このようにして電極積層体30を得た。更に、電極積層体30を外装体33で覆い、正極35pと負極35nのそれぞれの電極端子32のみを取り出すようにして封止し、評価用電池セル3を得た。
(固縛圧縮力の評価)
電極群に印加する固縛圧縮力がどの程度であれば、正極35pと負極35nと電解質シート34との間の隙間形成を抑制する効果が得られるのか、検討を行った。ここで、隙間形成が抑制されると、電池の抵抗が低減するため、例えば放電容量などの電池特性を測定することにより、固縛圧縮力と隙間形成の抑制効果との関係を評価できる。
図4は、本実施例に係る評価用電池セル3を固縛冶具41で挟んだ断面模式図である。図4に示す通り、評価用電池セル3を固縛冶具41で挟み、種々の面圧を印加してみることで、面圧に対する隙間抑制効果の検討を行った。具体的には、評価用電池セル3、面圧センサ42、スポンジシート43の順に積層し、固縛冶具41で固縛した。面圧センサ42には、Flexi Forceセンサ(ニッタ製)を用いた。この面圧センサ42は、圧力を電気信号に変換することができ、予め校正することで評価用電池セル3に加わる面圧を測定可能とした。スポンジシート43は、評価用電池セル3に均一に面圧を印加するため使用した。
このような方法で、固縛冶具41を使って評価用電池セル3に0.19MPa〜0.77MPaの面圧を印加しつつ、評価用電池セル3の充放電を実施した。そのときの評価用電池セル3の放電容量は、以下の実施例1A〜1D及び比較例1E,1Fの通りとなった。
<実施例1A>
評価用電池セル3に印加する面圧が、0.38MPaとなるように固縛圧縮力を調整し、充放電試験を実施した。その結果、21mAhの放電容量が得られた。
<実施例1B>
評価用電池セル3に印加する面圧が、0.46MPaとなるように固縛圧縮力を調整し、充放電試験を実施した。その結果、22mAhの放電容量が得られた。
<実施例1C>
評価用電池セル3に印加する面圧が、0.64MPaとなるように固縛圧縮力を調整し、充放電試験を実施した。その結果、22mAhの放電容量が得られた。
<実施例1D>
評価用電池セル3に印加する面圧が、0.77MPaとなるように固縛圧縮力を調整し、充放電試験を実施した。その結果、22mAhの放電容量が得られた。
<比較例1E>
評価用電池セル3に印加する面圧が、0.19MPaとなるように固縛圧縮力を調整し、充放電試験を実施した。その結果、15mAhの放電容量が得られた。
<比較例1F>
評価用電池セル3に印加する面圧が、0.33MPaとなるように固縛圧縮力を調整し、充放電試験を実施した。その結果、15mAhの放電容量が得られた。
Figure 2021082549
表1は、実施例1A〜1D及び比較例1E,1Fにおける放電容量の測定結果を纏めたものである。評価用電池セル3に印加する面圧が0.33MPa以下では放電容量が15mAhであったのに対し、面圧が0.38MPa以上では放電容量が21mAh、面圧が0.46MPa以上では放電容量が22mAhであることを確認した。定性的には、電極群を固縛圧縮し、面圧を0.38MPa以上にしたことで、正極35pと電解質シート34と負極35nとの間の隙間形成を抑制する効果が得られ、放電容量を向上できた。更に、面圧を0.46MPa以上にすると、隙間形成の抑制効果がより一層得られ、放電容量を更に向上できた。従って、電極群に印加する面圧は、0.38MPa以上が好ましく、0.46MPa以上が更に好ましい。なお、電解質シート34等の材料として、本実施例と異なるものを用いた場合、測定結果が若干異なるものの、好ましい面圧が0.38MPa以上であることは変わらない。
次に、面圧の上限について検討した結果を説明する。上述のように、電極群に印加する面圧を高くしていくと、放電容量が増加する傾向にある。しかし、必要以上に面圧を高くしても放電容量の更なる向上は難しいだけでなく、面圧を高くし過ぎると、電解質シートが圧壊し、正極と負極とが接触して電気的な短絡を引き起こす場合がある。その場合、正極と負極とを絶縁する役割が維持できなくなることから、電極群に面圧を印加する際には、電解質シートの耐圧性能を考慮することも重要である。そこで、電解質シートへの加圧試験を実施したところ、10MPaを超える面圧を印加すると、電解質シートが圧壊する場合のあることを確認した。従って、電極群に印加する面圧は、10MPa以下とすることが好ましい。なお、圧壊するときの面圧は、電解質シートの材料等によって変化するものの、どのような電解質シートでも面圧が10MPa以下であれば、圧壊せず、正極と負極とを絶縁する役割を維持できる。
<実施例2>
本実施例では、捲回型の電極群を有する捲回型二次電池について、使用する固縛フィルム材質等を検討した結果について、具体的に説明する。
(電解質シートの作製)
実施例1における電解質シートの作製方法に準拠して、電解質シートを作製した。
(正極の作製)
実施例1における正極の作製方法に準拠して、正極を作製した。なお、電解液は正極スラリーに混合しても良いし、正極を得た後に電解液を塗布するなどして正極内に存在させても良い。また、電解液の染み出しをより防止する目的で、電解液と結着剤との混合物を正極に塗布しても良い。
(負極の作製)
実施例1における負極の作製方法に準拠して、負極を作製した。なお、電解液は負極スラリーに混合しても良いし、負極を得た後に電解液を塗布するなどして負極内に存在させても良い。また、電解液の染み出しをより防止する目的で、電解液と結着剤との混合物を負極に塗布しても良い。
(電極捲回体の作製)
電極捲回体5の作成方法について説明する。図5Aは、本実施例における電極捲回群10に固縛フィルム11を捲回した電極捲回体5を示す模式図である。まず、支持フィルム(PET)(図示せず)の上に形成した電解質シート14を、正極合剤層17pの面積以上のサイズにカットした。次に、支持フィルム(PET)上に形成された電解質シート14で、正極集電箔16pの両面に正極合剤層17pが形成された正極15pを、挟むように積層した。そして、これらを熱プレス圧縮することで、電解質シート14に含まれる結着剤が正極合剤層17pに接着し、これによって電解質シート14を正極合剤層17pに貼り合せた。その後、支持フィルム(PET)のみを剥離し、電解質シート14を両面に接着させた正極15pを得た。なお、本実施例では、取扱いを容易にするため熱プレス圧縮により電解質シートを正極に接着させたが、熱プレス圧縮を実施せずに積層するのみでも良い。次に、電解質シート14を両面に接着させた正極15pと、負極集電箔16nの両面に負極合剤層17nを形成した負極15nと、を電解質シート14を介して正極合剤層17pと負極合剤層17nとが対向するように重ね合わせながら、ロール状に捲回し、電極捲回群10を得た。なお、電極捲回群10を形成する際には、電極の位置ズレを防止するために、正極15pと負極15nの少なくともどちらかに張力を印加しながら捲回しても良いし、別途ローラによって押し付けながら捲回しても良い。
更に、電極捲回群10の外周に、固縛フィルム11を1捲き以上捲きつけ、電極捲回体5を得た。固縛フィルム11を1捲き以上捲くことで、電極捲回群10の全体を固縛圧縮でき、電極捲回群10の全体に面圧を印加できる。固縛フィルム11が1捲きを超えて、重なる部分が生じてくると、この部分の面圧は一般に高くなる。また、電極捲回群10に印加する面圧をより高めるため、固縛フィルム11を捲く際は、固縛フィルム11に張力を印加しながら(固縛フィルム11を引っ張りながら)捲回しても良いし、別途ローラによって押し付けながら捲回しても良い。
このように、固縛フィルム11によって電極捲回群10の全体に面圧を印加することで、正極15pと電解質シート14と負極15nとの間に隙間が形成されることを抑制できる。ここで、実際には、電極捲回群10のうち、電池の充放電に関与する部分さえ、隙間の形成を抑制できれば十分である。すなわち、少なくとも、正極合剤層17pと電解質シート14と負極合剤層17nとが重なり合う部分に、面圧を印加すれば良い。従って、固縛フィルム11の幅(図5AにおけるAで示した長さ)は、正極合剤層17pと負極合剤層17nのうち、短い方の幅と同じ、もしくはそれ以上とすることが好ましい。
(電極捲回体に使用する固縛フィルム材料等の評価)
上記のように作製する電極捲回体5について、種々の材料の固縛フィルム11を捲回した場合や、固縛フィルム11を捲回しなかった場合に、電極捲回群10の最外周が所望の面圧0.38MPa以上になるかどうか、の検討を行った。そこで、電極捲回群10を形成する際に、予め面圧センサ(図示せず)も挟み込みながら捲回することで、電極捲回群10に面圧センサを挿入し、電極捲回群10の面圧を測定可能とした。なお、面圧センサには、上記実施例1と同様に、予め校正したニッタ株式会社のFlexi Force(登録商標)を用いた。
また、電極捲回群10に印加される面圧を予め評価したところ、電極捲回群10の中心部(捲き始め)から外周部(捲き終わり)に向かって面圧が低下し、最外周の面圧が最も低いことを確認した。これは、電極捲回群10を形成する段階で、外周側から内周側に面圧が加わった結果、電極捲回群10の中心部に面圧が集中するためである。従って、電極捲回群10の最外周の面圧を測定すれば、電極捲回群10の中心部の面圧はその値以上であることが保証できる。そのため、面圧センサは電極捲回群の最外周に挿入した。ここで、最外周であれば面圧センサをどこに挿入しても面圧は殆ど変わらないが、最外周の中で面圧が最も低い場所における測定値を採用することにした。なお、面圧センサは評価のために用いたものであり、二次電池製品には用いない。
固縛フィルム11の材質等を変えて、電極捲回群10の最外周の面圧を評価したところ、以下の実施例2A〜2D及び比較例2E,2Fの通りとなった。電極捲回群10の評価としては、電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上にできた場合を「○」、0.38MPa未満となった場合を「×」とした。
<実施例2A>
固縛フィルム11を1捲き以上捲きつけた電極捲回体5を作製した。固縛フィルム11には樹脂フィルムの一種であるポリイミドフィルムを用いた。電極捲回群10に固縛フィルム11を捲く際の捲回張力は10Nとした。電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上にでき、評価は「○」とした。
<実施例2B>
固縛フィルム11を1捲き以上捲きつけた電極捲回体5を作製した。固縛フィルム11には樹脂フィルムの一種であるポリエチレンテレフタラートフィルムを用いた。電極捲回群10に固縛フィルム11を捲く際の捲回張力は10Nとした。電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上にでき、評価は「○」とした。
<実施例2C>
固縛フィルム11を1捲き以上捲きつけた電極捲回体5を作製した。固縛フィルム11には樹脂フィルムの一種であるポリオレフィンフィルムを多孔質化したフィルム用いた。多孔質化することで軽量化することができる。電極捲回群10に固縛フィルム11を捲く際の捲回張力は10Nとした。電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上にでき、評価は「○」とした。
<実施例2D>
固縛フィルム11を1捲き以上捲きつけた電極捲回体5を作製した。固縛フィルム11には樹脂フィルムの一種であるアクリルフィルムの片面に接着層を有するフィルム用いた。接着層を有することで、固縛フィルム11が緩んだりずれたりすることを防止できる。電極捲回群10に固縛フィルム11を捲く際の捲回張力は10Nとした。電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上にでき、評価は「○」とした。
実施例2A〜2Dでは、特定の樹脂フィルムを用いて評価した結果を例に示したが、固縛フィルム11として使用できる樹脂フィルムの材質はこれらに限定されず、ポリイミド系やポリエチレンテレフタラート系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、種々の樹脂フィルムを広く使用できる。また、これらを多孔質化したフィルムも使用できる。更に、これらのフィルムの少なくとも片面に接着層を有するフィルムも使用できる。
なお、樹脂フィルムだけでなく、正極や負極の集電箔に使用される金属フィルム(例えば、Al、Cu、SUS、等)を用いることもできる。このように、集電箔と同じ部材を用いることで、固縛フィルム11を適用することによる部品点数の増加を抑制できる。
<比較例2E>
固縛フィルム11を捲回せずに、電極捲回体を作製した。電極捲回群10を形成する際に正極と負極に印加する捲回張力は10Nとした。電極捲回群10の最外周の面圧は0.38MPa未満であり、評価は「×」とした。
<比較例2F>
固縛フィルム11を捲回せずに、電極捲回体を作製しようとした。電極捲回群10を形成する際に正極と負極に印加する捲回張力は10N超とした。この場合、電極捲回群10を捲回するときの捲回張力が強過ぎるため、電極が破れ、そもそも電極捲回群10を作製できなかった。従って、電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上に増加させるために電極に10N超の捲回張力を増加する方法は、現実的ではなく、実施例2A〜2Dのように、固縛フィルム11を捲回する方法が有効であることを確認できた。
Figure 2021082549
表2は、実施例2A〜2Dと比較例2Eについて、電極捲回群10の最外周の面圧を0.38MPa以上にできたか評価した結果を纏めたものである。本実施例によれば、正極と、負極と、正極と負極との間に位置する電解質シートと、を捲回して形成した電極捲回群10の外周に、固縛フィルム11を所定の捲回張力で1捲き以上捲くことにより、電極捲回群10に0.38MPa以上の面圧を印加できる。そして、このように固縛フィルム11を捲回した電極捲回体5を、正極と負極のそれぞれの電極端子とともに、外装体に収納することで、二次電池とすることができる。かかる方法で作製された二次電池は、正極と負極と電解質シートとの間の隙間形成が抑制できるため、電池の内部抵抗を低減でき、例えば放電容量などの電池特性を向上させることが可能となる。
なお、固縛フィルム11を捲回する場合でも、張力を印加したりローラで押し付けたりせず、単に捲いただけだと、電極捲回群10の最外周において十分な面圧が得られず(0.2MPa程度)、電池特性を向上させることは難しい。
また、電極捲回群10の最外周の面圧を高くし過ぎると、電解質シート14が圧壊してしまう可能性がある。このため、固縛フィルム11によって電極捲回群10に印加する面圧は、電極捲回群10の最内周においても10MPa以下とするのが好ましい。
1…捲回型二次電池、5…電極捲回体、10…電極捲回群、11…固縛フィルム、11a…(固縛フィルムの)基材、11b…(固縛フィルムの)接着層、12…電極端子、13…外装体、14…電解質シート、15p…正極、15n…負極、16p…正極集電箔、16n…負極集電箔、17p…正極合剤層、17n…負極合剤層、3…評価用電池セル、30…電極積層体、32…電極端子、33…外装体、34…電解質シート、35p…正極、35n…負極、36p…正極集電箔、36n…負極集電箔、37p…正極合剤層、37n…負極合剤層、41…固縛冶具、42…面圧センサ、43…スポンジシート

Claims (7)

  1. 正極と負極との間に電解質シートが位置するように重ね合わせながら捲回して形成される電極捲回群を備え、
    前記正極は、正極集電箔と、正極合剤層と、を有し、
    前記正極合剤層は、正極活物質と、導電助剤と、結着剤と、を含み、
    前記負極は、負極集電箔と、負極合剤層と、を有し、
    前記負極合剤層は、負極活物質と、結着剤と、を含み、
    前記電解質シートは、電解液と、担持材と、結着剤と、を含む二次電池において、
    前記電極捲回群の外周に固縛フィルムが1捲き以上捲かれ、前記固縛フィルムによって前記電極捲回群に面圧が印加されていることを特徴とする、二次電池。
  2. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記電極捲回群のうち最外周とその内側との間の面圧が、0.38MPa以上であることを特徴とする、二次電池。
  3. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記固縛フィルムの幅が、前記正極合剤層の幅と前記負極合剤層の幅のうち、短い方の幅以上であることを特徴とする、二次電池。
  4. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記固縛フィルムの材料が、前記正極集電箔又は前記負極集電箔と同じ材料であることを特徴とする、二次電池。
  5. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記固縛フィルムの構造が、多孔質膜であることを特徴とする、二次電池。
  6. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記固縛フィルムの少なくとも片側の面に接着層を有し、前記電極捲回群に面圧が印加された状態で、前記接着層によって前記固縛フィルムが固定されることを特徴とする、二次電池。
  7. 正極と負極との間に電解質シートが位置するように重ね合わせながら捲回して電極捲回群を形成する工程と、
    前記電極捲回群の外周に、固縛フィルムを1捲き以上捲きつけ、前記固縛フィルムによって前記電極捲回群に面圧が印加された状態で、前記固縛フィルムを固定する工程と、
    を備えた、二次電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022239603A1 (ja) 2021-05-14 2022-11-17 三菱重工業株式会社 翼構造体および翼構造体の製造方法
WO2023277055A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 ダイキン工業株式会社 電極形成用組成物、電極および二次電池

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