JPH11265703A

JPH11265703A - 電池及びこの電池の製造方法

Info

Publication number: JPH11265703A
Application number: JP10087917A
Authority: JP
Inventors: Shuji Ishii; 修次石井
Original assignee: Mitsubishi Cable Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date: 1998-03-16
Filing date: 1998-03-16
Publication date: 1999-09-28

Abstract

(57)【要約】【課題】タブ・リード５の角が立ってセパレータ４を
きず付け負極電極３と短絡するようなことがなくなる電
池及びこの電池の製造方法を提供する。【解決手段】巻回型の発電要素１の正極電極２に接続
固定したタブ・リード５の側辺の角に面取りを施した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電極にタブ・リー
ドを接続固定しセパレータを介して巻回した巻回型の発
電要素を備えた電池及びこの電池の製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】リチウムイオン電池の巻回型の発電要素
１は、図６に示すように、正極電極２と負極電極３をセ
パレータ４を介して巻回することにより作成される。正
極電極２は、図７に示すように、帯状のアルミニウム箔
からなる正極集電体２ａの両面に正極電極材料２ｂを塗
布したものである。ただし、この正極集電体２ａは、巻
き始めの部分に正極電極材料２ｂを塗布しないようにし
て、この部分に短冊状のアルミニウム薄板からなるタブ
・リード５を超音波溶接により接続固定している。ま
た、負極電極３は、帯状の銅箔からなる負極集電体３ａ
の両面に負極電極材料３ｂを塗布したものである。ただ
し、この負極集電体３ａも、巻き終わりの部分に負極電
極材料３ｂを塗布しないようにして、この部分に短冊状
の銅薄板からなるタブ・リード６を超音波溶接により接
続固定している。セパレータ４は、正極電極２と負極電
極３とを巻回する際に、これらの間を絶縁するためのイ
オン透過性多孔質の合成樹脂フィルムである。

【０００３】上記セパレータ４は、図６及び図８に示す
巻芯７のスリットに挿入され、この状態で巻芯７を回転
させることにより２条の帯状として巻回される。また、
正極電極２と負極電極３は、これらのセパレータ４の間
に挟み込むことにより巻回される。このようにして作成
された巻回型の発電要素１は、上方の円筒端面の中央部
付近から正極電極２のタブ・リード５が突出すると共
に、下方の円筒端面の周縁部付近から負極電極３のタブ
・リード６が突出する。

【０００４】リチウムイオン電池は、図９に示すよう
に、上記発電要素１を電池缶１２に収納し非水電解液を
充填して電池蓋１３をカシメて密封したものである。こ
の際、発電要素１の上方に突出する正極電極２のタブ・
リード５は、電池蓋１３（正極端子）の裏面中央部に接
続され、下方に突出する負極電極３のタブ・リード６
は、電池缶１２（負極端子）の底面に接続される。従っ
て、正極電極２のタブ・リード５は、周囲の電池缶１２
への接触を回避するために、発電要素１の中央部付近か
ら突出するように、正極集電体２ａの巻き始めの部分に
接続固定される。

【０００５】しかし、正極電極２のタブ・リード５をこ
のように正極集電体２ａの巻き始めの部分に配置する
と、図６及び図８に示すように、このタブ・リード５
は、４ｍｍ程度の径の巻芯７の近くで大きく湾曲して巻
回される。しかも、正極集電体２ａは２０μｍ程度の極
めて薄いアルミニウム箔であるのに対して、タブ・リー
ド５は、０．１ｍｍ程度の比較的厚いアルミニウム薄板
であるため、このタブ・リード５を大きく湾曲させる
と、側辺の角（エッジ）が立って正極集電体２ａやセパ
レータ４をきず付け、外側の負極電極３に接触して内部
短絡を生じるおそれがある。

【０００６】そこで、従来は、図１０に示すように、正
極集電体２ａの巻き始めの正極電極材料２ｂを塗布しな
い未塗工部分を長くして、タブ・リード５が巻回されて
からも、この正極集電体２ａのみがセパレータ４と共に
１〜２回巻回されるようにしていた。即ち、負極電極３
は、正極電極２における正極電極材料２ｂの塗布部分に
のみ重ね合わせて巻回するので、正極集電体２ａの未塗
工部分が長くなると、この未塗工部分が巻回されている
間は負極電極３が挟み込まれずに、正極集電体２ａのみ
がセパレータ４と共に巻回されることになる。このた
め、タブ・リード５が湾曲して側辺の角がすぐ外側の正
極集電体２ａやセパレータ４をきず付けたとしても、そ
の外側にはまだセパレータ４や正極集電体２ａが重ねて
巻回されているので、負極電極３に接触して内部短絡を
起こすようなおそれがなくなる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
リチウムイオン電池は、正極集電体２ａの巻き始めの未
塗工部分を長くしているために、発電要素１の中央部に
正極電極２の発電に関与しない部分が無駄に何回も巻回
されてスペースを取るので、電池の容積に対する電池容
量の割合が減少するという問題があった。

【０００８】なお、発電要素１の周縁部付近で巻回され
るタブ・リード６は、通常は曲率が小さいために、セパ
レータ４をきず付けるようなおそれはほとんど生じな
い。しかし、例えば発電要素１の外径が小さい小型のリ
チウムイオン電池では、周縁部側のタブ・リード６も大
きく湾曲されるので、セパレータ４等をきず付けるおそ
れが全くないとは限らない。従って、このような場合に
は、負極電極３の負極集電体３ａの巻き終わり部分も未
塗工部分を長くしなければならず、正極電極２と同様の
問題が生じ得る。しかも、この問題は、電極の極性には
かかわりなく、また、リチウムイオン電池に限らず、巻
回型の発電要素を備えた電池一般に共通する。

【０００９】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、タブ・リードの側辺の角に面取りを施すこと
により、集電体の未塗工部分を短くして電池容量の減少
を防止することができる電池及びこの電池の製造方法を
提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、巻回
型の発電要素の電極に短冊状の金属薄板からなるタブ・
リードを接続固定した電池において、少なくとも正負い
ずれか一方の電極に接続固定したタブ・リードにおける
側辺の角に面取りが施されたことを特徴とする。

【００１１】請求項１によれば、タブ・リードの側辺の
角に面取りが施されているので、このタブ・リードが巻
回により大きく湾曲しても、角が立ってセパレータ等を
きず付けるようなおそれがなくなる。このため、電極の
タブ・リードを接続固定した近辺に長い未塗工部を設け
る必要がなくなり、電池容量の減少を防ぐことができ
る。

【００１２】請求項２の発明は、帯状の正負の電極にそ
れぞれ短冊状の金属薄板からなるタブ・リードを接続固
定し、これらの正負の電極をセパレータを介して巻回す
ることにより発電要素を作成する電池の製造方法におい
て、長尺な金属薄板のタブ・リードをダイスを通して側
辺の角に面取りを施し、このタブ・リードを少なくとも
正負いずれかの電極に供給し接続固定すると共に短冊状
に切断することを特徴とする。

【００１３】請求項２によれば、タブ・リードをダイス
を通して面取りしてから電極に接続固定するので、この
タブ・リードが巻回により大きく湾曲しても、角が立っ
てセパレータ等をきず付けるようなおそれがなくなる。
このため、電極のタブ・リードを接続固定した近辺に長
い未塗工部を設ける必要がなくなり、電池容量の減少を
防ぐことができる。また、タブ・リードを電極に供給す
る過程で面取りを行うことができるので、製造工程の増
加により生産性が低下するようなおそれもなくなる。

【００１４】請求項３の発明は、前記ダイスが、両端部
を除いたロール面が窪んだローラを向かい合わせに配置
したものであることを特徴とする。

【００１５】請求項３によれば、タブ・リードをダイス
のローラ間に通すことにより、これらのローラのロール
面の両端部によってタブ・リードの側辺の四方の角を圧
縮成形して容易に無理なく面取りを施すことができる。

【００１６】なお、請求項１と請求項２の発明では、タ
ブ・リードの側辺の四方の角に全て面取りを施してもよ
いし、対向する極性の電極が配置された側の角にのみ施
すこともできる。また、タブ・リードの側辺の角を圧縮
成形して面取りを施してもよいし、この側辺の角を切削
したり研削して面取りを施すこともできる。

【００１７】さらに、請求項１〜請求項３の発明では、
曲率の大きい中央部側のタブ・リードにのみ面取りを施
してもよいし、外周側のタブ・リードに面取りを施すこ
ともできる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。

【００１９】図１〜図５は本発明の一実施形態を示すも
のであって、図１は正極電極にタブ・リードを接続固定
するタブ供給装置の構成を示す図、図２はダイスの側面
図、図３はダイスの正面図、図４はダイスの斜視図、図
５は他の構成のダイスの斜視図である。なお、図６〜図
１０に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には
同じ番号を付記する。

【００２０】本実施形態では、従来例と同様のリチウム
イオン電池について説明する。このリチウムイオン電池
の発電要素１は、図６に示したように、正極電極２と負
極電極３をセパレータ４を介して巻回することにより作
成される。正極電極２は、図７に示したように、帯状の
アルミニウム箔からなる正極集電体２ａの両面に正極電
極材料２ｂを塗布したものであり、この正極集電体２ａ
の巻き始めの部分には、正極電極材料２ｂを塗布しない
未塗工部分を設けて、この部分に短冊状のアルミニウム
薄板からなるタブ・リード５を接続固定している。ま
た、負極電極３は、帯状の銅箔からなる負極集電体３ａ
の両面に負極電極材料３ｂを塗布したものであり、この
負極集電体３ａの巻き終わりの部分にも、負極電極材料
３ｂを塗布しない未塗工部分を設けて、この部分に短冊
状の銅薄板からなるタブ・リード６を接続固定してい
る。ただし、これら正極電極材料２ｂと負極電極材料３
ｂの未塗工部分は、いずれも必要最小限の十分に短い長
さにしている。

【００２１】本実施形態では、正極電極材料２ｂとし
て、コバルト酸リチウム、リチウム・ニッケル酸素又は
リチウム・マンガン系等の正極活物質にバインダ等を混
合したものを用いる。また、負極電極材料３ｂには、カ
ーボン系等の負極活物質にバインダ等を混合したものを
用いる。さらに、セパレータ４としては、イオン透過性
多孔質のポリエチレン・フィルムや、ポリプロピレンの
層の間にこのポリエチレンの層を介在させた３層構造の
イオン透過性多孔質のフィルムを用いる。ただし、本発
明は、これらの材質を限定するものではない。

【００２２】上記タブ・リード５は、巻芯７によって巻
回される正極電極２の搬送路上で、図１に示すタブ供給
装置により接続固定される。このタブ供給装置は、タブ
クランパ８によってタブリール９から引き出した長尺な
アルミニウム薄板のタブ・リード５をダイス１０を通し
て搬送路上の正極電極２の上に供給し超音波溶接によっ
て接続固定した後にタブカッタ１１で所定の長さに切断
するものである。タブクランパ８は、上下に配置された
把持部が図示１点鎖線に沿って移動することにより、タ
ブ・リード５を把持して正極電極２上に引き出す動作を
繰り返す。タブカッタ１１は、上方に配置されたカッタ
部が図示矢印の方向に下降することにより下方に配置さ
れたカッタ台との間でタブ・リード５を切断する。タブ
供給装置は、これらの動作によって、正極電極２におけ
る正極集電体２ａの未塗工部上にタブ・リード５を供給
して接続固定する。このタブ供給装置は、ダイス１０を
除けば、従来の製造工程で使用されていたものと同様の
構成である。そして、負極電極３のタブ・リード６は、
この従来と同様のタブ供給装置によって負極集電体３ａ
の未塗工部に超音波溶接により接続固定される。

【００２３】上記ダイス１０は、図２〜図４に示すよう
に、タブ・リード５の上下に配置されたローラ１０ａ，
１０ｂによって構成される。これらのローラ１０ａ，１
０ｂは、タブ・リード５の幅よりも少し幅広のロール面
を備えている。また、このロール面は、両端部から中央
に向けて円弧状に窪んで中央部の径が両端部に比べて小
さくなっている。従って、これらのローラ１０ａ，１０
ｂの間をタブ・リード５が通過すると、ローラ１０ａ，
１０ｂが従動して回転すると共に、タブ・リード５の側
辺の四方の角がロール面の両端部によって圧縮成形さ
れ、図１のタブ・リード５の断面図に示すように角張っ
た側辺が円弧状に面取りされることになる。

【００２４】上記のようにしてタブ供給装置が正極電極
２にタブ・リード５を接続固定すると、図示しない巻回
装置がこの正極電極２におけるタブ・リード５を接続固
定した正極集電体２ａの未塗工部を巻き始めとして、負
極電極３やセパレータ４と共に巻回する。従って、巻き
始め部分にある正極電極２のタブ・リード５は中央部で
大きく湾曲することになり、しかも、正極集電体２ａの
未塗工部は十分に短いので、図８に示したように、すぐ
外周にセパレータ４を介して負極電極３が巻回される。
しかしながら、タブ・リード５は、側辺の四方の角が円
弧状に面取りされているので、湾曲しても角が立って正
極集電体２ａやセパレータ４をきず付けるようなおそれ
がなくなる。このため、発電要素１の中央部に正極集電
体２ａの未塗工部を無駄に何回も巻回する必要がなくな
り、電池の容積に対する電池容量の割合を増加させるこ
とができる。また、タブ・リード５を正極電極２に接続
固定するための供給過程でダイス１０を通すことにより
面取りを行うので、この面取り工程の増加により生産性
が低下するようなおそれも生じない。さらに、ローラ１
０ａ，１０ｂからなるダイス１０を用いるので、タブ・
リード５の側辺の四方の角を圧縮成形して容易に無理な
く面取りを施すことができる。

【００２５】なお、上記実施形態では、巻回時の曲率が
大きい正極電極２のタブ・リード５についてのみ面取り
を行う場合を示したが、発電要素１の外周側に配置され
曲率が小さい負極電極３のタブ・リード６にも同様の面
取りを施すようにしてもよい。本発明は、これら電極の
極性にはかかわりなく、電極のいずれの位置に接続固定
されたタブ・リードにも実施可能である。

【００２６】また、上記実施形態では、ローラ１０ａ，
１０ｂからなるダイス１０を用いる場合について説明し
たが、図５に示すように、両端部がテーパ状となったス
リットを有する絞り型のダイスを用いてタブ・リード５
の側辺の四方の角を圧縮成形し面取りを施すこともでき
る。しかも、タブ・リード５の側辺の角は、圧縮成形で
はなく切削や研削により面取りを施すこともできる。さ
らに、タブ・リード５の側辺の全ての角ではなく、対向
する極性の電極が配置された側の角にのみ面取りを施す
こともできる。

【００２７】さらに、本実施形態では、リチウムイオン
電池について説明したが、巻回型の発電要素を備えた電
池一般にも同様に実施可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電池によれば、タブ・リードが巻回により大きく湾曲
しても、側辺の角に面取りが施されているので、セパレ
ータ等をきず付けるようなおそれがなくなり、電極の未
塗工部の無駄によって電池容量が減少するのを防ぐこと
ができる。

【００２９】また、本発明の電池の製造方法によれば、
ダイスを通すことによりタブ・リードに面取りを施すの
で、セパレータ等をきず付けるようなおそれがなくなり
電池容量の減少を防ぐことができる。しかも、タブ・リ
ードを電極に供給する過程で面取りを行うことができる
ので、生産性が低下するおそれもなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すものであって、正極
電極にタブ・リードを接続固定するタブ供給装置の構成
を示す図である。

【図２】本発明の一実施形態を示すものであって、ダイ
スの側面図である。

【図３】本発明の一実施形態を示すものであって、ダイ
スの正面図である。

【図４】本発明の一実施形態を示すものであって、ダイ
スの斜視図である。

【図５】本発明の一実施形態を示すものであって、他の
構成のダイスの斜視図である。

【図６】従来例を示すものであって、巻回型の発電要素
の製造過程を示す斜視図である。

【図７】従来例を示すものであって、巻回する正極電極
と負極電極とセパレータの構成を示す縦断面図である。

【図８】従来例を示すものであって、巻回型の発電要素
の製造過程を示す図である。

【図９】従来例を示すものであって、リチウムイオン電
池の構造を示す縦断面図である。

【図１０】従来例を示すものであって、正極集電体の未
塗工部を長くした巻回型の発電要素の製造過程を示す平
面図である。

【符号の説明】

１発電要素２正極電極２ａ正極集電体４セパレータ５タブ・リード１０ダイス１０ａローラ１０ｂローラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】巻回型の発電要素の電極に短冊状の金属
薄板からなるタブ・リードを接続固定した電池におい
て、少なくとも正負いずれか一方の電極に接続固定したタブ
・リードにおける側辺の角に面取りが施されたことを特
徴とする電池。
【請求項２】帯状の正負の電極にそれぞれ短冊状の金
属薄板からなるタブ・リードを接続固定し、これらの正
負の電極をセパレータを介して巻回することにより発電
要素を作成する電池の製造方法において、長尺な金属薄板のタブ・リードをダイスを通して側辺の
角に面取りを施し、このタブ・リードを少なくとも正負
いずれかの電極に供給し接続固定すると共に短冊状に切
断することを特徴とする電池の製造方法。
【請求項３】前記ダイスが、両端部を除いたロール面
が窪んだローラを向かい合わせに配置したものであるこ
とを特徴とする請求項２に記載の電池の製造方法。