JP2003100339A - 角形電池およびこれの電極群の製造方法 - Google Patents

角形電池およびこれの電極群の製造方法

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孝博 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信頼性が高く、生産性に優れた横断面形状が角
形の渦巻状電極群を備えた角形電池およびこれの電極群
を生産性良く高精度に作製することのできる製造方法を
提供する。 【解決手段】角形電池は、帯状の正極板20と負極板2
1とがこれらの間に帯状のセパレータ22を介在して渦
巻状に巻回されてなる電極群17および電解液が、矩形
状の横断面形状を有する角筒状の電池ケース14内に収
容されてなるとともに、電極群17が、ほぼ円筒状に巻
回されて中央部に位置する円筒状部18と、角筒状に巻
回されて円筒状部18に対し外接する配置で設けられた
角筒状部19とを有する。電極群17は、横断面形状が
円形の巻芯27を用いた巻回工程で円筒状部18を形成
し、ほぼ直角三角形の横断面形状を有する4個の巻芯用
チャック部材28を用いた巻回工程で角筒状部19を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横断面形状が略矩
形状となった電池ケース内にほぼ角柱状の外形を有する
電極群および電解液などの発電要素を収納してなる角形
電池およびこの角形電池の電極群を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、各種ポータブル型の電気機器
の発達に伴い、その駆動電源となる電池が重要なキーデ
バイスの一つとして開発が重要視されている。その電池
のうちでも充電可能なニッケル水素電池やリチウム二次
電池といった小型二次電池は、携帯電話機やノートパソ
コンあるいはビデオカメラなどを始めとして、近年では
ハイブリッド電気自動車の駆動電源などとしての用途に
も展開して開発が進み、益々その需要を拡げつつある。
【0003】近年の携帯電話機などの電気機器において
は、小型化および薄型化の要望が大きく、それらの駆動
電源である電池に対しても小型化および薄型化の要望が
高まりつつある。現在の電池の形状は円筒形と角形とに
大別される。円筒形電池は、生産性に優れるとともに、
低コスト化が図れる利点を有することから、現在広く用
いられている。その反面、円筒形電池は、その横断面形
状が円状であることから、これを複数個組み合わせてパ
ックケース内に収容して電池パックを構成する場合ある
いは複数個を電気機器の電池収納ケース内に収容する場
合の何れにおいても、隣接する電池間の谷間や電池収納
空間の隅の部分に無駄なデッドスペースが多くなるため
にスペース効率が悪く、さらに、収納空間内での安定性
も悪いので、上述した電気機器の小型化および薄型化に
対し不向きである。
【0004】これに対し、角形電池は、電池収納空間に
収納したときのデッドスペースが円筒形電池に比較して
少ないことから、スペース効率が高く、さらに、収納空
間内に安定した状態で収容できるので、電気機器の小型
化および薄型化に適している。ところが、角形電池で
は、横断面形状が矩形状の有底角筒状の電池ケースに対
応した横断面形状が矩形状の角形電極群を構成するのが
一般に困難であるために、円筒形電池と比較して生産性
が劣るという課題を有している。
【0005】例えば、角形の電極群としては、図6に示
す一般的な角形のアルカリ蓄電池のように、短冊状に切
断した複数枚の正極板1と負極板2とをこれらの間にセ
パレータ3を介在して交互に積層する構造のものが採用
されている。この電極群では、多数枚の正極板1および
負極板2にそれぞれリード端子を溶接により取り付けた
のち、この正極板1および負極板2を積層した状態とし
て角形の電池ケース4内に収納しなければならないの
で、それぞれ帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセ
パレータを介在した状態で円棒状の巻芯に巻回して構成
される円筒形電池の渦巻状電極群と比較して、工程が複
雑化して生産性が劣る。しかも、上述の積層構造の電極
群では、正負両極板1,2の位置ずれによる相互の短絡
不良を防止するために、セパレータ3を袋状に溶着して
正極板1または負極板2の少なくとも一方を収納する、
いわゆる「セパシール工程」が不可欠であり、これが積
層構造の電極群の構造をさらに複雑なものにしている。
【0006】このような課題の解消を目的として、従来
では、円筒形電池の電極板と同様に、正極板と負極板と
をこれらの間にセパレータを介在して渦巻状に巻回しな
がら横断面形状が矩形状を有する角形の電極群を製造す
る方法が提案されている。その代表的なものとしては、
図7に示すように、円筒形電池の電極群と同様の工程に
よって円筒状の電極群7を構成したのち、その電極群7
を、角度を90度ずつずらせた四方向から温度100°
Cに加熱した熱プレス機8でそれぞれ加圧して、角柱状
に成形する製造方法(特開平7−226212号公報参
照)と、図8に示すように、横断面形状が長方形の一対
の巻芯12をこれらの間に帯状のセパレータ11の長手
方向の中央部を挟み込ませて組み合わせたのち、何れも
帯状の正極板9と負極板10をこれらの間に帯状のセパ
レータ11を介在させて一対の巻芯12の回りに巻回す
る製造方法(特開平9−120823号公報)が知られ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7の
製造方法では、円筒状に巻回された電極群7が四方向か
らの加圧を受けて角柱状に成形される際に、正極板9お
よび負極板10に比較的大きなストレスを与えるため
に、正負両極板9,10の表面にクラックなどの不良が
発生するだけでなく、電池としたときに、正負両極板
9,10からの脱落した活物質に起因してリーク不良
(微小短絡不良)などが発生し易いために、電池の信頼
性が低下するという課題がある。
【0008】ところで、極板9,10としては、高多孔
度を有する連続した三次元的網目構造を有する発泡メタ
ルなどの発泡金属多孔体を芯材として、この芯材に活物
質を充填したものが、充電容量の面などで非常に優れて
いることから、高容量タイプのアルカリ蓄電池を始めと
して広く採用されている。しかしながら、上記の製造方
法では、発泡金属多孔体に活物質を充填したタイプの極
板を用いることが実用上不可能であるという重大な欠点
がある。すなわち、上記発泡金属多孔体を用いた極板を
渦巻状に巻回してなる円筒状電極群7に四方向から加圧
して成形を行った場合には、加圧による変形時に発泡金
属多孔体の発泡金属骨格に切断やひび割れなどの損傷が
生じたり、あるいは活物質の剥離や離脱が生じ易いため
に、この電極群を用いて電池を構成した場合には、リー
ク不良が大幅に増大してしまうからである。
【0009】一方、図8の製造方法では、同図から明ら
かなように、巻き始めの数周目までは巻芯12に対応し
た角柱状に近い外形となるが、巻き数の増加に伴って外
形が徐々に円形に近づいていくので、その結果、最終的
に所望の角柱状の電極群を得ることができない。このよ
うな不具合は、図9に示すように、形状の比較的大きな
矩形状の巻芯13を用いて巻回すれば、最終的にほぼ所
望の角柱状の外形を有する渦巻状電極群を得ることがで
き、解消することができる。しかし、このような電極群
では、巻芯13を抜脱したあとの中央箇所に極板9,1
0が存在しない大きな空間ができてしまい、電池として
の容量密度が著しく低下するという新たな課題が生じ
る。このように、従来では、信頼性の高い角形の電極群
を効率的に生産することのできる有効な手段が存在しな
いのが実情である。
【0010】そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑み
てなされたもので、信頼性が高く、生産性に優れた角形
の渦巻状電極群を備えた角形電池およびこれの角形の渦
巻状電極群を生産性良く高精度に作製することのできる
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る角形電池は、帯状の正極板と負極板と
がこれらの間に帯状のセパレータを介在して渦巻状に巻
回されてなる電極群および電解液が角筒状の電池ケース
内に収容されてなり、前記電極群が、ほぼ円筒状に巻回
されて中央部に位置する円筒状部と、角筒状に巻回され
て前記円筒状部に対し外接する配置で設けられた角筒状
部とを有していることを特徴としている。
【0012】この角形電池では、電極群における正負両
極板を比較的大きな屈曲率で渦巻状に巻回しなければな
らない中央部分が円筒状に巻回された円筒状部になって
いるので、正負両極板を巻芯の回りにスムーズに巻回し
て形成することができ、極板を無理な角度に強制的に折
り曲げたりしないことから、極板のクラック発生や活物
質の脱落といった不具合が生じることがなく、リーク不
良が殆ど発生しない高い信頼性を得るこができる。
【0013】また、電極群は、円筒状部の外周に角筒状
部が形成されているので、角形の電池ケースの内周面に
殆ど隙間無く収納することができる。角筒状部は、形成
済みの円筒状部を利用して、この円筒状部の外周面に角
形の巻芯を構成できる適当な部材を当てがって極板およ
びセパレータを渦巻状に巻回することで容易に形成する
ことが可能であるから、円筒状とした電極群に四方向か
ら加圧成形して得られる従来の角形の渦巻状電極群とは
異なり、極板に何らストレスを与えることなく形成でき
るので、この点からも一層信頼性の高いものとなるとと
もに、連続的な一連の巻回工程で電極群を形成できるこ
とから、高い生産性で製造することができる。さらに、
角筒状部の内周面側の四隅と円筒状部との間の4個所に
形成される横断面形状がほぼ三角形の空隙には電解液が
充満されるので、この電解液が効果的に機能して体積エ
ネルギ密度が向上し、高容量化を図ることができる。
【0014】上記発明の角形電池において、電極群は、
それぞれ単一の帯状の正極板および負極板をこれらの間
にセパレータを介在して渦巻状に巻回することにより、
円筒状部と角筒状部とが連続的に形成されている構成と
することが好ましい。
【0015】この構成によれば、正負両極板とセパレー
タとを巻回しながら円筒状部と角筒状部とを連続的に形
成して電極群を構成できるので、例えば、個別に巻回し
て形成した角筒状部の内部に円筒状部を嵌め入れる工程
などに比較して、高い生産性で製造できる。
【0016】また、上記発明の角形電池において、正極
板および負極板の少なくとも一方を、芯材となる発泡金
属多孔体に活物質を充填した構造を有したものを用いる
ことができる。この構成によれば、充電容量の面などで
非常に優れている発泡金属多孔体を芯材として構成した
極板を用いながらも、電極群は、中央部分の円筒状部と
外周部分の角筒状部とで構成されていることから、加圧
成形などの工程を要せずに巻回工程のみで構成できるの
で、極板に発泡金属骨格の切断やひび割れ或いは活物質
の剥離や離脱といったことが生じるおそれがなく、リー
ク不良の発生を抑制しながら高容量化を達成することが
できる。
【0017】さらに、上記発明の角形電池において、電
池ケースを、金属製であって、各コーナ部分が丸みを帯
びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒状とする
ことが好ましい。これにより、電池ケースと電極群との
間隙を少なくして電池としての体積エネルギ密度を向上
させることができる。また、複数個の角形電池を組み合
わせて電池パックを構成する場合には、隣接する角形電
池の各電池ケースのコーナ部分間に適当な空間を得るこ
とができ、この空間を放熱用などに有効に活用すること
ができる。
【0018】さらにまた、本発明の角形電池において、
電極群は、正極板および負極板の各々の長手方向に沿っ
た辺縁部にそれぞれ設けられた集電体接続部がセパレー
タの幅方向の互いに異なる方向に突出するようにずらせ
た配置で巻回されているとともに、前記両極板の各集電
体接続部に正極用および負極用の集電体がそれぞれ溶接
により接続され、正極用および負極用の少なくとも一方
の前記集電体は、平板部にこれの中央近傍箇所から外周
端部に達する長方形状の4個の切欠きが90度の等間隔
で放射状に形成され、且つ各切欠きの対向縁部から前記
平板部に対し直交方向に突出する接続用突片を一体に備
えた構成を有するとともに、電極群に対し円筒状部と角
筒状部とが相互に接する4個所に4個の前記切欠きを合
致させた相対位置に配置されて、前記各接続用突片が前
記正負両極板の各集電体接続部に溶接されている構成と
することができる。
【0019】この構成によれば、集電体の各接続用突片
は、正負両極板の各巻き層毎にそれぞれ突出している集
電体接続部の全てに溶接できるので、集電体と極板とを
確実に接続できるとともに、接続のための溶接時に切欠
きの存在によって集電体の各接続用突片と極板の集電体
接続部との交差接触部分に溶接電流を集中させることが
できるので、この部分を互いに十分に溶融させて強固に
溶接することができ、大電流での出入力が可能となる。
また、集電体の平板部における4個の切欠きの各間の部
分は、電極群の円筒状部と角筒状部との間に生じる4箇
所のほぼ三角形状の空隙部分に対して恰も施蓋する配置
となるので、上記空隙部分に充填されている電解液は、
その空間内に確実に保持されて、効果的に機能する。
【0020】一方、一発明に係る角形電池用電極群の製
造方法は、帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセパ
レータを介在して重ね合わせながら横断面形状が円形の
巻芯の周囲に渦巻状に巻回して電極群の円筒状部を形成
する工程と、ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその
直角の対向辺が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の
湾曲状となった4個の巻芯用チャック部材を、これらの
直角を形成する各2辺による外形が角形を形作る配置で
前記円筒状部の外周部に当てがって、前記4個の巻芯用
チャック部材で角形巻芯を形成する工程と、前記円筒状
部の形成後に残った前記正負両極板およびセパレータを
前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒状部を形成
する工程と、前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を
巻回済みの電極群から抜脱する工程とを備えていること
を特徴としている。
【0021】この角形電池用電極群の製造方法では、円
筒形電池用電極群と同様に、円形の巻芯に帯状の正負両
極板とセパレータとを巻回して電極群における円筒状部
を形成したのちに、この円筒状部を活用して、円筒状部
の外周面に4個の巻芯用チャック部材を当てがうことに
よって角形巻芯を形成し、この角形巻芯の回りに正負両
極板とセパレータとを巻回することによって電極群にお
ける角筒状部を形成するので、各々の単一の正負両極板
とセパレータとを一連の工程によりほぼ連続的に巻回し
て、本発明の電池に用いられている円筒状部と角筒状部
とを有する電極群を、高い生産性で高精度に製造するこ
とができる。
【0022】また、他の発明に係る角形電池用電極群の
製造方法は、帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセ
パレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が矩形
状の巻芯の周囲に渦巻状に巻回してほぼ円筒状となる電
極群の円筒状部を形成する工程と、ほぼ直角三角形の横
断面形状を有してその直角の対向辺が前記円筒状部の外
周面に対応する曲率の湾曲状となった4個の巻芯用チャ
ック部材を、これらの直角を形成する各2辺による外形
が角形を形作る配置で前記円筒状部の外周部に当てがっ
て、前記4個の巻芯用チャック部材で角形巻芯を形成す
る工程と、前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極
板およびセパレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電
極群の角筒状部を形成する工程と、前記巻芯および前記
巻芯用チャック部材を巻回済みの電極群から抜脱する工
程とを備えていることを特徴としている。
【0023】この角形電池用電極群の製造方法において
も、一発明の製造方法と同様に、各々単一の正負両極板
とセパレータとを一連の工程によりほぼ連続的に巻回し
て、本発明の電池に用いられている円筒状部と角筒状部
とを有する電極群を、高い生産性で高精度に製造するこ
とができるのに加えて、電極群の円筒状部は角筒状に類
似したほぼ円筒状に形成できるので、円筒状部と角筒状
部との4箇所に生じる空隙を、一発明に係る製造方法で
製造する電極群よりも小さくすることができる利点があ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発
明の一実施の形態に係る角形電池を示す横断面図であ
る。同図において、この角形電池は、四つの各コーナ部
分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底
角筒状の金属製電池ケース14内に、中央部に位置する
円筒状部18とこの円筒状部18に対し外接する配置で
設けられた角筒状部19とを有する電極群17が、電解
液(図示せず)と共に収納して構成されている。
【0025】上記円筒状部18は、帯状の正極板20と
負極板21とがこれらの間に帯状のセパレータ22を介
在して渦巻状に巻回されることにより、円筒状に形成さ
れている。上記角筒状部19は、円筒状部18の形成後
に残った正負両極板20,21およびセパレータ22が
角筒状に巻回されて円筒状部18に対し外接する配置で
設けられている。この円筒状部18と角筒状部19とを
有する電極群17の形成についての詳細は後述する。そ
して、円筒状部18の中央孔23および円筒状部18と
角筒状部19との間の4箇所に生じる横断面形状がほぼ
三角形の空隙24には、電解液が充満されている。
【0026】この角形電池では、電極群17における正
負両極板20,21を比較的大きな屈曲率で渦巻状に巻
回しなければならない中央部分が円筒状に巻回された円
筒状部18になっているので、正負両極板20,21
を、例えば円柱状の巻芯の回りにスムーズに巻回して形
成することができる。したがって、正負両極板20,2
1は無理な角度に強制的に折り曲げたりされないことか
ら、極板20,21のクラック発生や活物質の脱落とい
った不具合が生じることがないので、この角形電池はリ
ーク不良が殆ど発生しない高い信頼性を有している。
【0027】また、電極群17は、円筒状部18の外周
部に角筒状部19が形成されて、全体としてほぼ角柱状
の外形を呈しているので、角形の電池ケース14の内周
面との間に殆ど隙間無く収納することができ、これによ
り、この角形電池は体積エネルギ密度が向上して高容量
化を達成できる。また、角筒状部19は、形成済みの円
筒状部18を活用して、この円筒状部18の外周面に適
当な部材を当てがうことによって角形の巻芯を容易に構
成することができるから、その角形巻芯に極板20,2
1およびセパレータ22を渦巻状に巻回することで容易
に形成できるから、従来の角形の電極群のように円筒状
電極群に四方向から加圧成形して形成するものと異な
り、極板20,21にストレスを与えることがないの
で、この点からも一層信頼性の高いものとなるととも
に、電極群17を連続的な一連の巻回工程を経て形成す
ることが可能であるから、高い生産性で製造することが
できる。
【0028】さらに、角筒状部19の内周面側の四隅と
円筒状部18との間の4個所に形成される横断面形状が
ほぼ三角形の空隙24には電解液が充満されるので、こ
の電解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上
し、高容量化を図ることができる。特に、角形のリチウ
ム二次電池では、極板20,21およびセパレータ22
が何れも厚みが薄いことに起因して電解液が電極群17
の全体に十分に浸透しない課題があるが、このような課
題は、上記実施の形態の角形電池に設けた電極群17に
よって解消することができる。
【0029】また、上記角形電池では、各コーナ部分が
丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒
状の金属製電池ケース14を用いているので、電池ケー
ス14と電極群17との間隙を少なくして体積エネルギ
密度を向上させることができる。また、この角形電池を
複数個組み合わせて電池パックを構成する場合には、隣
接する角形電池の各電池ケース14のコーナ部分間に適
当な空間を得ることができ、この空間を放熱用などに有
効に活用することができる。
【0030】つぎに、上記電極群17の製造方法につい
て、図2および図3を参照しながら説明する。先ず、図
2(a)に示すように、帯状のセパレータ22の長さ方
向の中央部を、円形棒状の巻芯27を長手方向に沿って
二つ割りした横断面形状が半円状の一対の巻芯半部27
a,27bで挟み込み、この一対の巻芯半部27a,2
7bを合体して円形棒状とした巻芯27を矢印方向に回
転させて、巻芯27の外周面にセパレータ22を巻き付
けさせる。
【0031】同図(b)に示すように、巻芯27が約半
回転した時点で、帯状の正極板20および負極板21を
互いに相対向する方向から巻芯27とこれに巻き込まれ
るセパレータ22との間に供給する。これにより、正負
両極板20,21は、これらの間にセパレータ22を介
在して重ね合わされる状態で巻芯27の回りに巻回され
ていく。
【0032】図3は、図2(b)の工程における正負両
極板20,21が巻芯27に巻回される直前の状態を拡
大して示した斜視図である。この工程の説明に先立っ
て、正負両極板20,21およびセパレータ22につい
て詳述する。なお、この実施の形態では角形のニッケル
水素蓄電池に適用した場合を例示して説明する。正極板
20は、厚さが1.2 mmで、目付重量が400 g/m2
ある発泡状ニッケル多孔体(発泡金属多孔体)を芯材と
して、この芯材に、活物質である水酸化ニッケルと導電
剤である水酸化コバルト粉末およびCMC水溶液を混練
してなるペーストを充填し、ペーストを乾燥させたのち
に、圧延工程および切断工程を経て、幅が35mm、長さ
が300 mm、厚みが0.5 mmの帯状に作製されたもので
ある。この正極板20には、図3に示すように、その長
手方向の一辺に沿った辺縁部に活物質の未塗着部分を設
けて、この未塗着部分にニッケルリード線を溶接により
取り付けて集電体接続部20aが設けられている。
【0033】負極板21は、厚みが60μmのパンチング
メタルを芯材として、この芯材に、水素吸蔵合金を結着
剤と共に塗着し、乾燥工程、圧延工程および切断工程を
経たのち、幅が35mm、長さが350 mm、厚みが0.35m
mの帯状に作製されたものである。この負極板21に
は、図3に示すように、その長手方向の一辺に沿った辺
縁部に水素吸蔵合金が未塗着の集電体接続部21aが設
けられている。
【0034】セパレータ22は、目付重量が65g/m2
である親水化処理を施したポリプロピレン製の不織布を
幅が36mm、長さが650 mm、厚みが0.15mmの帯状に
作製されたものである。そして、正極板20および負極
板21は、セパレータ22に対して幅方向の互いに異な
る方向に各々の集電体接続部20a,21aのみがはみ
出すようにずらせた相対位置で重ね合わされるよう供給
される。
【0035】図2に戻って、正負両極板20,21およ
びセパレータ22は、テンションローラ(図示せず)な
どによって適当な負荷を加えられながら互いに重ね合わ
されて巻芯27に渦巻状に巻き取られていく。そして、
同図(c)に示すように、正負両極板20,21および
セパレータ22が所定巻数だけ巻回されて所定の径を有
する円筒状部18の形成が終了した時点で、巻芯27の
回転が一時停止され、その状態で、形成済みの円筒状部
18の外周面に4個の巻芯用チャック部材28が当てが
われて、その4個の巻芯用チャック部材28によって角
形巻芯29が構成される。
【0036】すなわち、巻芯用チャック部材28は、ほ
ぼ直角三角形の横断面形状を有して、その直角の対向辺
が円筒状部18の外周面に対応する曲率の湾曲形状に形
成されている。この4個の巻芯用チャック部材28は、
これらの直角を形成する各2辺による外形が正方形を形
作る配置で円筒状部18の外周面部に当てがわれること
により、円筒状部18に当接した状態の4個の巻芯用チ
ャック部材28によって角形巻芯29が構成される。こ
のとき、未巻回の正負両極板20,21およびセパレー
タ22は、円筒状部18から隣接する2個の巻芯用チャ
ック部材28の間を通って恰も外部に導出された配置と
なる。
【0037】上記角形巻芯29が円筒状部18の外周面
に構成された時点で、巻芯27は同方向に再び回転する
よう駆動されることにより、正負両極板20,21およ
びセパレータ22の残存分が角形巻芯29に渦巻状に巻
回され終わると、図2(d)に示すように、角形巻芯2
9の外周側に角筒状部19が形成される。最後に、負極
板21およびセパレータ22の巻き終わり側端部をテー
プ(図示せず)で固定したのち、図2(e)に示すよう
に、巻芯半部27a,27bおよび4個の巻芯用チャッ
ク部材28を抜脱すると、図1で示したと同様の円筒状
部18と角筒状部19とを有して横断面形状がほぼ正方
形となった角形の電極群17が出来上がる。この全体と
して角筒状となった電極群17には、その筒心方向の両
端部からそれぞれ正負両極板20,21の各々の集電体
接続部20a,21aが突出されている。
【0038】この電極群17の製造方法では、各々単一
の正負両極板20,21とセパレータ22とを一連の工
程によりほぼ連続的に巻回して、図1に示した角形電池
に用いられている円筒状部18と角筒状部19とを有す
る電極群17を、高い生産性で高精度に製造することが
できる。また、電極群17は、充電容量の面などで非常
に優れている発泡金属多孔体を芯材として構成した正極
板20を用いて構成されているが、上記の製造方法で
は、加圧成形などの工程を要せずに巻回工程のみで電極
群17を作製できるので、上記正極板20に発泡金属骨
格の切断やひび割れ或いは活物質の剥離や離脱といった
不具合の発生を確実に防止でき、この電極群17を用い
て構成する角形電池は、リーク不良の発生を抑制しなが
らも高容量化を達成することができる。
【0039】つぎに、上述の製造工程を経て得られた電
極群17を用いて角形電池を製造する方法について、そ
の製造工程を順に示した斜視図である図4を参照しなが
ら説明する。先ず、図4(a)に示すように、電極群1
7における筒心方向の一端(図の下端)から突出してい
る負極板21の集電体接続部21aには、電極群17の
横断面形状に対応したほぼ正方形の板状の負極集電体3
0が溶接により接合されるとともに、電極群17の他端
(図の上端)から突出している正極板20の集電体接続
部20aには、以下に説明する形状を有する正極集電体
31が溶接により接合される。これにより、電池とした
ときには、正負両極板20,21からの集電効率が向上
する。
【0040】上記正極集電体31は、電極群17の横断
面形状に対応したほぼ正方形の板状の平板部32におけ
る中央孔47の近傍箇所から外周端部に達する長方形の
4個(3個のみ図示)の切欠き33が90度の等間隔を
存して放射状に形成されており、その各切欠き33の対
向縁部から直交する一方向(図の下方向)に向けて延び
る接続用突片34が屈曲手段で形成されている。そし
て、この正極集電体31は、電極群17に対して角筒状
部19が円筒状部18に対し外接状態に接する4個所に
自体の4個の各切欠き33を合致させた相対位置に配置
されて、各接続用突片34が正極板20の集電体接続部
20aに溶接されている。この配置により、正極集電体
31の各接続用突片34は、正極板20の各巻層毎にそ
れぞれ突出している集電体接続部20aの全てに交差し
た配置で確実に溶接されて、正極板20に対し確実に接
続される。
【0041】さらに、上記正極集電体31を用いた場合
には、これの各接続用突片34と正極板20の集電体接
続部20aとを極めて強固に溶接することができる。こ
の点について説明すると、一般的なタブレス方式では、
電極群の端部から突出した例えば正極板の集電体接続部
の先端と、一枚の板状の集電体の平板部分の長さ方向に
沿った両側縁と平行に形成されたリブ状突起片とを交差
した配置で接触させて、棒状の溶接電極を当接させて加
圧しながら溶接しているが、通電距離と電気抵抗値の関
係から、一対の溶接電極間において集電体の平板部を流
れる電流(溶接時の無効電流)が大きくなり、肝心の溶
接箇所である集電体接続部とリブ状突起片との交差部間
に流れる電流が小さくなることから、十分な溶融による
溶接を行うことができなかった。
【0042】これに対し、上記正極集電体30を用いた
場合には、各切欠き33の対向縁部から接続用突片34
を突設しているので、溶接に際して一対の溶接電極を当
てがったとき、接続用突片34より外側の平板部32に
流れる溶接電流が少なく、溶接電流の多くが接続用突片
34に集中するので、接続用突片34と集電体接続部2
0aとが交差する各点で接続用突片34が集電体接続部
20aに食い込んだ状態で溶融して、この部分が強く溶
着される。これにより、電池としたときには、電池の内
部抵抗が低くなって十分な大電流を出入力させることが
可能となる。
【0043】さらに、上記正極集電体31を用いた場合
には、正極集電体31の平板部32における4個の切欠
き33の各間の部分が、電極群17の円筒状部18と角
筒状部19との間に生じる4箇所のほぼ三角形状の空隙
24に対して恰も施蓋する配置となるので、上記空隙2
4内に充満されている電解液は、その空隙24内に確実
に保持されて、効果的に機能する。
【0044】上記のように正負極の集電体31,30を
取り付けた電極群17は、正極集電体31にリードタブ
37の一端を接合したのち、図4(a)に矢印で示すよ
うに、各コーナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面
形状を有する有底角筒状の金属製電池ケース14内に挿
入し、さらに、短絡防止用の絶縁板38を電池ケース1
4内に挿入して電極群17の上端部に取り付けられる。
そののち、電池ケース14内には、正極集電体31の中
央孔47および電極群17の中央孔23を介して溶接用
電極棒を挿入して、負極集電体30を電池ケース14の
底面に抵抗溶接により接合する。
【0045】つぎに、電池ケース14には、その開口端
の近傍箇所に対して金型による圧縮成形が施されて、図
4(b)に示すように、円筒状の開口頭部39が形成さ
れる。さらに、電池ケース14を回転させながら、その
電池ケース14の回転方向と逆方向に回転するロール型
(図示せず)を開口頭部39の側面に押し付けることに
より、図4(c)に示す環状溝40が形成され、電極群
17が電池ケース14内に固定される。
【0046】続いて、電池ケース14内には、正極集電
体31の中央孔47および電極群17の中央孔23から
所定量の電解液が注入される。さらに、図4(c)に示
す封口体41には、これのフイルタ(図示せず)にリー
ドタブ37の他端部が抵抗溶接によって接続されたの
ち、この封口体41は、開口頭部39内に挿入されて、
環状溝40によって電池ケース14の内方に膨出した環
状の支持部(図示せず)上に載置され、この状態で開口
頭部39が内方にかしめ加工されることにより、図4
(d)に示すように、開口頭部39が封口体41によっ
て密閉化され、角形電池が構成される。このようにして
得られた角形電池に対して初充放電を行い、放電容量が
3500mAhである角形のニッケル水素電池を作製した。
【0047】つぎに、本発明者らが実施した実験結果に
ついて説明する。上述した製造工程を経て製造した実施
の形態の角形電池の他に、比較例としての角形電池を、
図7で説明した従来の製造方法で作製した。すなわち、
比較例の角形電池は、正負両極板をこれらの間にセパレ
ータを介在して重ね合わせながら、横断面形状が4mm
の直径を有する円形となった円棒状の巻芯の回りに渦巻
状に巻回して、円筒状の電極群を構成したのち、この電
極群を4方向から熱プレス機で加圧して角柱状の電極群
を作製し、この角柱状の電極群を用いて、図4と同様の
工程を経てニッケル水素蓄電池に作製した。
【0048】上述の実施の形態の角形電池および比較例
の角形電池をそれぞれ1000個ずつ作製して、これらのリ
ーク不良の発生割合を調べた。その結果、実施の形態の
角形電池ではリーク不良の発生割合が1/1000であったの
に対し、比較例の角形電池では、11/1000の高い割合で
リーク不良が発生した。このように、実施の形態の角形
電池が高い信頼性を有しているのは、図1の角形電池に
おいて説明した効果によるものである。
【0049】すなわち、実施の形態の角形電池では、電
極群17における正負両極板20,21を比較的大きな
屈曲率で渦巻状に巻回しなければならない中央部分が円
筒状に巻回された円筒状部18になっているので、正負
両極板20,21を巻芯の回りに巻回してスムーズに形
成することができ、換言すると、正負両極板20,21
を無理な角度に強制的に折り曲げたりしないことから、
正負両極板20,21のクラック発生や活物質の脱落と
いった不具合が生じることがないので、リーク不良が殆
ど発生しない高い信頼性を得ることができる。さらに、
角筒状部19は、形成済みの円筒状部18を利用して、
この円筒状部18の外周部に4個の巻芯用チャック部材
28を当てがって角形巻芯29を構成したのち、その角
形巻芯29に正負両極板20,21およびセパレータ2
2を渦巻状に巻回することで容易に形成でき、円筒状の
電極群を加圧成形して得られる比較例の角形電池の電極
群とは異なり、正負両極板20,21に何らストレスを
与えることなく形成できるので、この点からも一層信頼
性の高いものになっている。
【0050】また、実施の形態の角形電池では、電極群
17が円筒状部18の外周側に角筒状部19が形成され
た構成を有しているので、この電極群17を角形の電池
ケース14の内周面に対し殆ど隙間を生じることなく収
納できるとともに、角筒状部19の内周面側の四隅と円
筒状部18との間の4個所に形成される横断面形状がほ
ぼ三角形の空隙24には電解液が充満されるので、この
電解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上し、
格段の高容量化を図ることができる。
【0051】しかも、実施の形態の角形電池では、連続
的な一連の巻回工程で電極群17を形成できることか
ら、高い生産性で製造することができる。なお、電極群
は、個別に巻回して形成した角筒状部の内部に円筒状部
を嵌め入れる工程を経て構成しても、実施の形態の電極
群17とほぼ同様の構成と同様の効果を得ることができ
る。但し、この工程を採用して実用化するためには、角
筒状部の内部に円筒状部を効率的に嵌め入れる手段を案
出して生産性の向上を図る必要がある。
【0052】図5は本発明の他の実施の形態に係る角形
電池を示す横断面図を示し、同図において、図1と同一
若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する
説明を省略する。この角形電池が図1の一実施の形態の
角形電池に対し相違する点は、電極群17の円筒状部4
2の形状のみである。すなわち、円筒状部42は、正負
両極板20,21とセパレータ22とが、図8に示した
従来の角形電池用電極群の製造に用いられているのと同
様の横断面長方形の一対の巻芯によって渦巻状に巻回さ
れたものである。したがって、この円筒状部42は角筒
状に類似したほぼ円筒状に形成されており、その中心孔
43がほぼ正方形になっている。
【0053】これにより、上記角形電池の電極群17で
は、円筒状部42と角筒状部19との間の4箇所に生じ
る空隙44が、一実施の形態の角形電池の電極群17の
空隙24よりも小さくすることができる利点がある。こ
の角形電池は、電極群17の円筒状部42を角形の巻芯
を用いて巻回する工程以外は一実施の形態で説明したと
全く同様の工程で製造できる。
【0054】なお、上記実施の形態では、角形のニッケ
ル水素蓄電池に適用した場合を例示して説明している
が、本発明は、上述のアルカリ蓄電池に限らず、リチウ
ム電池やリチウム二次電池にも適用することができるの
は言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の角形電池によれ
ば、電極群の中央部分に円筒状部を設けているので、極
板を巻芯の回りにスムーズに巻回して形成することがで
き、極板を強制的に折り曲げたりしないことから、極板
のクラック発生や活物質の脱落といった不具合が生じる
ことがないので、リーク不良が殆ど発生しない高い信頼
性を得ることができる。また、電極群は、円筒状部の外
周に角筒状部を設けて全体として角形の外形を呈してい
るので、角形の電池ケースの内周面に殆ど隙間無く収納
することができるとともに、この角筒状部は、円筒状部
を利用して、この円筒状部に適当な部材を当てがって角
形巻芯を形成することによって、巻回工程で形成できる
から、円筒状とした電極群に四方向から加圧成形して得
られる従来の角形の渦巻状電極群とは異なり、極板に何
らストレスを与えることなく形成できるので、この点か
らも一層信頼性の高いものとなるとともに、連続的な一
連の巻回工程で電極群を形成できることから、高い生産
性で製造することができる。さらに、角筒状部と円筒状
部との間の空隙部には電解液が充満されるので、この電
解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上し、高
容量化を図ることができる。
【0056】また、本発明の角形電池用電極群の製造方
法によれば、円筒形電池用電極群と同様に、円形の巻芯
に帯状の正負両極板とセパレータとを巻回して電極群に
おける円筒状部を形成したのちに、この円筒状部の外周
面に4個の巻芯用チャック部材を当てがうことによって
角形巻芯を形成し、この角形巻芯の回りに正負両極板と
セパレータとを巻回することによって電極群における角
筒状部を形成するようにしたので、各々の単一の正負両
極板とセパレータとを一連の工程によりほぼ連続的に巻
回して、本発明の角形電池に用いている円筒状部と角筒
状部とを有する電極群を、高い生産性で高精度に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る角形電池を示す横
断面図。
【図2】(a)〜(e)は同上の電極の製造過程を工程
順に示した横断面図。
【図3】図2(b)の工程の斜視図。
【図4】(a)〜(d)は同上の電極群を用いた角形電
池の製造過程を工程順に示した斜視図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る角形電池を示す
横断面図。
【図6】従来の一般的な角形アルカリ蓄電池を示す破断
斜視図。
【図7】従来の横断面形状角形の電極群の製造方法にお
ける加圧成形工程を示す概略平面図。
【図8】従来の横断面形状角形の電極群の他の製造方法
の巻回工程が終了した状態を示す切断正面図。
【図9】図8の製造方法において形状の大きな巻芯を用
いた場合の巻回工程が終了した状態を示す切断正面図。
【符号の説明】
14 電池ケース 17 電極群 18,42 円筒状部 19 角筒状部 20 正極板 20a 正極板の集電体接続部 21 負極板 21a 負極板の集電体接続部 22 セパレータ 27 巻芯 28 巻芯用チャック部材 29 角形巻芯 30 負極集電体 31 正極集電体 32 平板部 33 切欠き 34 接続用突片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 孝博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 坊木 義廣 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA09 BB03 CC06 5H017 AA02 AA03 CC28 EE04 5H022 AA04 AA09 CC08 CC12 CC16 5H028 AA07 BB08 CC12 HH00 5H029 AJ03 AJ14 BJ02 BJ14 CJ05 DJ02 DJ05 DJ07 DJ13 EJ01 HJ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の正極板と負極板とがこれらの間に
    帯状のセパレータを介在して渦巻状に巻回されてなる電
    極群および電解液が角筒状の電池ケース内に収容されて
    なり、 前記電極群は、ほぼ円筒状に巻回されて中央部に位置す
    る円筒状部と、角筒状に巻回されて前記円筒状部に対し
    外接する配置で設けられた角筒状部とを有していること
    を特徴とする角形電池。
  2. 【請求項2】 電極群は、それぞれ単一の帯状の正極板
    および負極板をこれらの間にセパレータを介在して渦巻
    状に巻回することにより、円筒状部と角筒状部とが連続
    的に形成されている請求項1に記載の角形電池。
  3. 【請求項3】 正極板および負極板の少なくとも一方
    が、芯材となる発泡金属多孔体に活物質を充填した構造
    を有している請求項1または2に記載の角形電池。
  4. 【請求項4】 電池ケースは、金属製であって、各コー
    ナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する
    有底角筒状である請求項1ないし3の何れかに記載の角
    形電池。
  5. 【請求項5】 電極群は、正極板および負極板の各々の
    長手方向に沿った辺縁部にそれぞれ設けられた集電体接
    続部がセパレータの幅方向の互いに異なる方向に突出す
    るようにずらせた配置で巻回されているとともに、前記
    両極板の各集電体接続部に正極用および負極用の集電体
    がそれぞれ溶接により接続され、 正極用および負極用の少なくとも一方の前記集電体は、
    平板部にこれの中央近傍箇所から外周端部に達する長方
    形状の4個の切欠きが90度の等間隔で放射状に形成さ
    れ、且つ各切欠きの対向縁部から前記平板部に対し直交
    方向に突出する接続用突片を一体に備えた構成を有する
    とともに、前記電極群に対し円筒状部と角筒状部とが相
    互に接する4個所に4個の前記切欠きを合致させた相対
    位置に配置されて、前記各接続用突片が前記正負両極板
    の各集電体接続部に溶接されている請求項1ないし4の
    何れかに記載の角形電池。
  6. 【請求項6】 帯状の正極板と負極板とをこれらの間に
    セパレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が円
    形の巻芯の周囲に渦巻状に巻回して電極群の円筒状部を
    形成する工程と、 ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその直角の対向辺
    が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の湾曲状となっ
    た4個の巻芯用チャック部材を、これらの直角を形成す
    る各2辺による外形が角形を形作る配置で前記円筒状部
    の外周部に当てがって、4個の前記巻芯用チャック部材
    で角形巻芯を形成する工程と、 前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極板およびセ
    パレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒
    状部を形成する工程と、 前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を巻回済みの電
    極群から抜脱する工程とを備えていることを特徴とする
    角形電池用電極群の製造方法。
  7. 【請求項7】 帯状の正極板と負極板とをこれらの間に
    セパレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が矩
    形状の巻芯の周囲に渦巻状に巻回してほぼ円筒状となる
    電極群の円筒状部を形成する工程と、 ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその直角の対向辺
    が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の湾曲状となっ
    た4個の巻芯用チャック部材を、これらの直角を形成す
    る各2辺による外形が角形を形作る配置で前記円筒状部
    の外周部に当てがって、4個の前記巻芯用チャック部材
    で角形巻芯を形成する工程と、 前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極板およびセ
    パレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒
    状部を形成する工程と、 前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を巻回済みの電
    極群から抜脱する工程とを備えていることを特徴とする
    角形電池用電極群の製造方法。
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