JP3829080B2 - 角形電池およびこれの電極群の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、横断面形状が略矩形状となった電池ケース内にほぼ角柱状の外形を有する電極群および電解液などの発電要素を収納してなる角形電池およびこの角形電池の電極群を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、各種ポータブル型の電気機器の発達に伴い、その駆動電源となる電池が重要なキーデバイスの一つとして開発が重要視されている。その電池のうちでも充電可能なニッケル水素電池やリチウム二次電池といった小型二次電池は、携帯電話機やノートパソコンあるいはビデオカメラなどを始めとして、近年ではハイブリッド電気自動車の駆動電源などとしての用途にも展開して開発が進み、益々その需要を拡げつつある。
【0003】
近年の携帯電話機などの電気機器においては、小型化および薄型化の要望が大きく、それらの駆動電源である電池に対しても小型化および薄型化の要望が高まりつつある。現在の電池の形状は円筒形と角形とに大別される。円筒形電池は、生産性に優れるとともに、低コスト化が図れる利点を有することから、現在広く用いられている。その反面、円筒形電池は、その横断面形状が円状であることから、これを複数個組み合わせてパックケース内に収容して電池パックを構成する場合あるいは複数個を電気機器の電池収納ケース内に収容する場合の何れにおいても、隣接する電池間の谷間や電池収納空間の隅の部分に無駄なデッドスペースが多くなるためにスペース効率が悪く、さらに、収納空間内での安定性も悪いので、上述した電気機器の小型化および薄型化に対し不向きである。
【0004】
これに対し、角形電池は、電池収納空間に収納したときのデッドスペースが円筒形電池に比較して少ないことから、スペース効率が高く、さらに、収納空間内に安定した状態で収容できるので、電気機器の小型化および薄型化に適している。ところが、角形電池では、横断面形状が矩形状の有底角筒状の電池ケースに対応した横断面形状が矩形状の角形電極群を構成するのが一般に困難であるために、円筒形電池と比較して生産性が劣るという課題を有している。
【0005】
例えば、角形の電極群としては、図6に示す一般的な角形のアルカリ蓄電池のように、短冊状に切断した複数枚の正極板1と負極板2とをこれらの間にセパレータ3を介在して交互に積層する構造のものが採用されている。この電極群では、多数枚の正極板1および負極板2にそれぞれリード端子を溶接により取り付けたのち、この正極板1および負極板2を積層した状態として角形の電池ケース4内に収納しなければならないので、それぞれ帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在した状態で円棒状の巻芯に巻回して構成される円筒形電池の渦巻状電極群と比較して、工程が複雑化して生産性が劣る。しかも、上述の積層構造の電極群では、正負両極板1,2の位置ずれによる相互の短絡不良を防止するために、セパレータ3を袋状に溶着して正極板1または負極板2の少なくとも一方を収納する、いわゆる「セパシール工程」が不可欠であり、これが積層構造の電極群の構造をさらに複雑なものにしている。
【0006】
このような課題の解消を目的として、従来では、円筒形電池の電極板と同様に、正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して渦巻状に巻回しながら横断面形状が矩形状を有する角形の電極群を製造する方法が提案されている。その代表的なものとしては、図7に示すように、円筒形電池の電極群と同様の工程によって円筒状の電極群7を構成したのち、その電極群7を、角度を90度ずつずらせた四方向から温度100°Cに加熱した熱プレス機8でそれぞれ加圧して、角柱状に成形する製造方法(特開平7−226212号公報参照)と、図8に示すように、横断面形状が長方形の一対の巻芯12をこれらの間に帯状のセパレータ11の長手方向の中央部を挟み込ませて組み合わせたのち、何れも帯状の正極板9と負極板10をこれらの間に帯状のセパレータ11を介在させて一対の巻芯12の回りに巻回する製造方法(特開平9−120823号公報)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の製造方法では、円筒状に巻回された電極群7が四方向からの加圧を受けて角柱状に成形される際に、正極板9および負極板10に比較的大きなストレスを与えるために、正負両極板9,10の表面にクラックなどの不良が発生するだけでなく、電池としたときに、正負両極板9,10からの脱落した活物質に起因してリーク不良(微小短絡不良)などが発生し易いために、電池の信頼性が低下するという課題がある。
【0008】
ところで、極板9,10としては、高多孔度を有する連続した三次元的網目構造を有する発泡メタルなどの発泡金属多孔体を芯材として、この芯材に活物質を充填したものが、充電容量の面などで非常に優れていることから、高容量タイプのアルカリ蓄電池を始めとして広く採用されている。しかしながら、上記の製造方法では、発泡金属多孔体に活物質を充填したタイプの極板を用いることが実用上不可能であるという重大な欠点がある。すなわち、上記発泡金属多孔体を用いた極板を渦巻状に巻回してなる円筒状電極群7に四方向から加圧して成形を行った場合には、加圧による変形時に発泡金属多孔体の発泡金属骨格に切断やひび割れなどの損傷が生じたり、あるいは活物質の剥離や離脱が生じ易いために、この電極群を用いて電池を構成した場合には、リーク不良が大幅に増大してしまうからである。
【0009】
一方、図8の製造方法では、同図から明らかなように、巻き始めの数周目までは巻芯12に対応した角柱状に近い外形となるが、巻き数の増加に伴って外形が徐々に円形に近づいていくので、その結果、最終的に所望の角柱状の電極群を得ることができない。このような不具合は、図9に示すように、形状の比較的大きな矩形状の巻芯13を用いて巻回すれば、最終的にほぼ所望の角柱状の外形を有する渦巻状電極群を得ることができ、解消することができる。しかし、このような電極群では、巻芯13を抜脱したあとの中央箇所に極板9,10が存在しない大きな空間ができてしまい、電池としての容量密度が著しく低下するという新たな課題が生じる。このように、従来では、信頼性の高い角形の電極群を効率的に生産することのできる有効な手段が存在しないのが実情である。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、信頼性が高く、生産性に優れた角形の渦巻状電極群を備えた角形電池およびこれの角形の渦巻状電極群を生産性良く高精度に作製することのできる製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る角形電池は、帯状の正極板と負極板とがこれらの間に帯状のセパレータを介在して渦巻状に巻回されてなる電極群および電解液が角筒状の電池ケース内に収容されてなり、前記電極群が、ほぼ円筒状に巻回されて中央部に位置する円筒状部と、角筒状に巻回されて前記円筒状部に対し外接する配置で設けられた角筒状部とを有していることを特徴としている。
【0012】
この角形電池では、電極群における正負両極板を比較的大きな屈曲率で渦巻状に巻回しなければならない中央部分が円筒状に巻回された円筒状部になっているので、正負両極板を巻芯の回りにスムーズに巻回して形成することができ、極板を無理な角度に強制的に折り曲げたりしないことから、極板のクラック発生や活物質の脱落といった不具合が生じることがなく、リーク不良が殆ど発生しない高い信頼性を得るこができる。
【0013】
また、電極群は、円筒状部の外周に角筒状部が形成されているので、角形の電池ケースの内周面に殆ど隙間無く収納することができる。角筒状部は、形成済みの円筒状部を利用して、この円筒状部の外周面に角形の巻芯を構成できる適当な部材を当てがって極板およびセパレータを渦巻状に巻回することで容易に形成することが可能であるから、円筒状とした電極群に四方向から加圧成形して得られる従来の角形の渦巻状電極群とは異なり、極板に何らストレスを与えることなく形成できるので、この点からも一層信頼性の高いものとなるとともに、連続的な一連の巻回工程で電極群を形成できることから、高い生産性で製造することができる。さらに、角筒状部の内周面側の四隅と円筒状部との間の4個所に形成される横断面形状がほぼ三角形の空隙には電解液が充満されるので、この電解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上し、高容量化を図ることができる。
【0014】
上記発明の角形電池において、電極群は、それぞれ単一の帯状の正極板および負極板をこれらの間にセパレータを介在して渦巻状に巻回することにより、円筒状部と角筒状部とが連続的に形成されている構成とすることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、正負両極板とセパレータとを巻回しながら円筒状部と角筒状部とを連続的に形成して電極群を構成できるので、例えば、個別に巻回して形成した角筒状部の内部に円筒状部を嵌め入れる工程などに比較して、高い生産性で製造できる。
【0016】
また、上記発明の角形電池において、正極板および負極板の少なくとも一方を、芯材となる発泡金属多孔体に活物質を充填した構造を有したものを用いることができる。この構成によれば、充電容量の面などで非常に優れている発泡金属多孔体を芯材として構成した極板を用いながらも、電極群は、中央部分の円筒状部と外周部分の角筒状部とで構成されていることから、加圧成形などの工程を要せずに巻回工程のみで構成できるので、極板に発泡金属骨格の切断やひび割れ或いは活物質の剥離や離脱といったことが生じるおそれがなく、リーク不良の発生を抑制しながら高容量化を達成することができる。
【0017】
さらに、上記発明の角形電池において、電池ケースを、金属製であって、各コーナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒状とすることが好ましい。これにより、電池ケースと電極群との間隙を少なくして電池としての体積エネルギ密度を向上させることができる。また、複数個の角形電池を組み合わせて電池パックを構成する場合には、隣接する角形電池の各電池ケースのコーナ部分間に適当な空間を得ることができ、この空間を放熱用などに有効に活用することができる。
【0018】
さらにまた、本発明の角形電池において、電極群は、正極板および負極板の各々の長手方向に沿った辺縁部にそれぞれ設けられた集電体接続部がセパレータの幅方向の互いに異なる方向に突出するようにずらせた配置で巻回されているとともに、前記両極板の各集電体接続部に正極用および負極用の集電体がそれぞれ溶接により接続され、正極用および負極用の少なくとも一方の前記集電体は、平板部にこれの中央近傍箇所から外周端部に達する長方形状の4個の切欠きが90度の等間隔で放射状に形成され、且つ各切欠きの対向縁部から前記平板部に対し直交方向に突出する接続用突片を一体に備えた構成を有するとともに、電極群に対し円筒状部と角筒状部とが相互に接する4個所に4個の前記切欠きを合致させた相対位置に配置されて、前記各接続用突片が前記正負両極板の各集電体接続部に溶接されている構成とすることができる。
【0019】
この構成によれば、集電体の各接続用突片は、正負両極板の各巻き層毎にそれぞれ突出している集電体接続部の全てに溶接できるので、集電体と極板とを確実に接続できるとともに、接続のための溶接時に切欠きの存在によって集電体の各接続用突片と極板の集電体接続部との交差接触部分に溶接電流を集中させることができるので、この部分を互いに十分に溶融させて強固に溶接することができ、大電流での出入力が可能となる。また、集電体の平板部における4個の切欠きの各間の部分は、電極群の円筒状部と角筒状部との間に生じる4箇所のほぼ三角形状の空隙部分に対して恰も施蓋する配置となるので、上記空隙部分に充填されている電解液は、その空間内に確実に保持されて、効果的に機能する。
【0020】
一方、一発明に係る角形電池用電極群の製造方法は、帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が円形の巻芯の周囲に渦巻状に巻回して電極群の円筒状部を形成する工程と、ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその直角の対向辺が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の湾曲状となった4個の巻芯用チャック部材を、これらの直角を形成する各2辺による外形が角形を形作る配置で前記円筒状部の外周部に当てがって、前記4個の巻芯用チャック部材で角形巻芯を形成する工程と、前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極板およびセパレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒状部を形成する工程と、前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を巻回済みの電極群から抜脱する工程とを備えていることを特徴としている。
【0021】
この角形電池用電極群の製造方法では、円筒形電池用電極群と同様に、円形の巻芯に帯状の正負両極板とセパレータとを巻回して電極群における円筒状部を形成したのちに、この円筒状部を活用して、円筒状部の外周面に4個の巻芯用チャック部材を当てがうことによって角形巻芯を形成し、この角形巻芯の回りに正負両極板とセパレータとを巻回することによって電極群における角筒状部を形成するので、各々の単一の正負両極板とセパレータとを一連の工程によりほぼ連続的に巻回して、本発明の電池に用いられている円筒状部と角筒状部とを有する電極群を、高い生産性で高精度に製造することができる。
【0022】
また、他の発明に係る角形電池用電極群の製造方法は、帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が矩形状の巻芯の周囲に渦巻状に巻回してほぼ円筒状となる電極群の円筒状部を形成する工程と、ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその直角の対向辺が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の湾曲状となった4個の巻芯用チャック部材を、これらの直角を形成する各2辺による外形が角形を形作る配置で前記円筒状部の外周部に当てがって、前記4個の巻芯用チャック部材で角形巻芯を形成する工程と、前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極板およびセパレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒状部を形成する工程と、前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を巻回済みの電極群から抜脱する工程とを備えていることを特徴としている。
【0023】
この角形電池用電極群の製造方法においても、一発明の製造方法と同様に、各々単一の正負両極板とセパレータとを一連の工程によりほぼ連続的に巻回して、本発明の電池に用いられている円筒状部と角筒状部とを有する電極群を、高い生産性で高精度に製造することができるのに加えて、電極群の円筒状部は角筒状に類似したほぼ円筒状に形成できるので、円筒状部と角筒状部との4箇所に生じる空隙を、一発明に係る製造方法で製造する電極群よりも小さくすることができる利点がある。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る角形電池を示す横断面図である。同図において、この角形電池は、四つの各コーナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒状の金属製電池ケース14内に、中央部に位置する円筒状部18とこの円筒状部18に対し外接する配置で設けられた角筒状部19とを有する電極群17が、電解液(図示せず)と共に収納して構成されている。
【0025】
上記円筒状部18は、帯状の正極板20と負極板21とがこれらの間に帯状のセパレータ22を介在して渦巻状に巻回されることにより、円筒状に形成されている。上記角筒状部19は、円筒状部18の形成後に残った正負両極板20,21およびセパレータ22が角筒状に巻回されて円筒状部18に対し外接する配置で設けられている。この円筒状部18と角筒状部19とを有する電極群17の形成についての詳細は後述する。そして、円筒状部18の中央孔23および円筒状部18と角筒状部19との間の4箇所に生じる横断面形状がほぼ三角形の空隙24には、電解液が充満されている。
【0026】
この角形電池では、電極群17における正負両極板20,21を比較的大きな屈曲率で渦巻状に巻回しなければならない中央部分が円筒状に巻回された円筒状部18になっているので、正負両極板20,21を、例えば円柱状の巻芯の回りにスムーズに巻回して形成することができる。したがって、正負両極板20,21は無理な角度に強制的に折り曲げたりされないことから、極板20,21のクラック発生や活物質の脱落といった不具合が生じることがないので、この角形電池はリーク不良が殆ど発生しない高い信頼性を有している。
【0027】
また、電極群17は、円筒状部18の外周部に角筒状部19が形成されて、全体としてほぼ角柱状の外形を呈しているので、角形の電池ケース14の内周面との間に殆ど隙間無く収納することができ、これにより、この角形電池は体積エネルギ密度が向上して高容量化を達成できる。また、角筒状部19は、形成済みの円筒状部18を活用して、この円筒状部18の外周面に適当な部材を当てがうことによって角形の巻芯を容易に構成することができるから、その角形巻芯に極板20,21およびセパレータ22を渦巻状に巻回することで容易に形成できるから、従来の角形の電極群のように円筒状電極群に四方向から加圧成形して形成するものと異なり、極板20,21にストレスを与えることがないので、この点からも一層信頼性の高いものとなるとともに、電極群17を連続的な一連の巻回工程を経て形成することが可能であるから、高い生産性で製造することができる。
【0028】
さらに、角筒状部19の内周面側の四隅と円筒状部18との間の4個所に形成される横断面形状がほぼ三角形の空隙24には電解液が充満されるので、この電解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上し、高容量化を図ることができる。特に、角形のリチウム二次電池では、極板20,21およびセパレータ22が何れも厚みが薄いことに起因して電解液が電極群17の全体に十分に浸透しない課題があるが、このような課題は、上記実施の形態の角形電池に設けた電極群17によって解消することができる。
【0029】
また、上記角形電池では、各コーナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒状の金属製電池ケース14を用いているので、電池ケース14と電極群17との間隙を少なくして体積エネルギ密度を向上させることができる。また、この角形電池を複数個組み合わせて電池パックを構成する場合には、隣接する角形電池の各電池ケース14のコーナ部分間に適当な空間を得ることができ、この空間を放熱用などに有効に活用することができる。
【0030】
つぎに、上記電極群17の製造方法について、図2および図3を参照しながら説明する。先ず、図2(a)に示すように、帯状のセパレータ22の長さ方向の中央部を、円形棒状の巻芯27を長手方向に沿って二つ割りした横断面形状が半円状の一対の巻芯半部27a,27bで挟み込み、この一対の巻芯半部27a,27bを合体して円形棒状とした巻芯27を矢印方向に回転させて、巻芯27の外周面にセパレータ22を巻き付けさせる。
【0031】
同図(b)に示すように、巻芯27が約半回転した時点で、帯状の正極板20および負極板21を互いに相対向する方向から巻芯27とこれに巻き込まれるセパレータ22との間に供給する。これにより、正負両極板20,21は、これらの間にセパレータ22を介在して重ね合わされる状態で巻芯27の回りに巻回されていく。
【0032】
図3は、図2(b)の工程における正負両極板20,21が巻芯27に巻回される直前の状態を拡大して示した斜視図である。この工程の説明に先立って、正負両極板20,21およびセパレータ22について詳述する。なお、この実施の形態では角形のニッケル水素蓄電池に適用した場合を例示して説明する。正極板20は、厚さが1.2 mmで、目付重量が400 g/m2 である発泡状ニッケル多孔体(発泡金属多孔体)を芯材として、この芯材に、活物質である水酸化ニッケルと導電剤である水酸化コバルト粉末およびCMC水溶液を混練してなるペーストを充填し、ペーストを乾燥させたのちに、圧延工程および切断工程を経て、幅が35mm、長さが300 mm、厚みが0.5 mmの帯状に作製されたものである。この正極板20には、図3に示すように、その長手方向の一辺に沿った辺縁部に活物質の未塗着部分を設けて、この未塗着部分にニッケルリード線を溶接により取り付けて集電体接続部20aが設けられている。
【0033】
負極板21は、厚みが60μmのパンチングメタルを芯材として、この芯材に、水素吸蔵合金を結着剤と共に塗着し、乾燥工程、圧延工程および切断工程を経たのち、幅が35mm、長さが350 mm、厚みが0.35mmの帯状に作製されたものである。この負極板21には、図3に示すように、その長手方向の一辺に沿った辺縁部に水素吸蔵合金が未塗着の集電体接続部21aが設けられている。
【0034】
セパレータ22は、目付重量が65g/m2 である親水化処理を施したポリプロピレン製の不織布を幅が36mm、長さが650 mm、厚みが0.15mmの帯状に作製されたものである。そして、正極板20および負極板21は、セパレータ22に対して幅方向の互いに異なる方向に各々の集電体接続部20a,21aのみがはみ出すようにずらせた相対位置で重ね合わされるよう供給される。
【0035】
図2に戻って、正負両極板20,21およびセパレータ22は、テンションローラ(図示せず)などによって適当な負荷を加えられながら互いに重ね合わされて巻芯27に渦巻状に巻き取られていく。そして、同図(c)に示すように、正負両極板20,21およびセパレータ22が所定巻数だけ巻回されて所定の径を有する円筒状部18の形成が終了した時点で、巻芯27の回転が一時停止され、その状態で、形成済みの円筒状部18の外周面に4個の巻芯用チャック部材28が当てがわれて、その4個の巻芯用チャック部材28によって角形巻芯29が構成される。
【0036】
すなわち、巻芯用チャック部材28は、ほぼ直角三角形の横断面形状を有して、その直角の対向辺が円筒状部18の外周面に対応する曲率の湾曲形状に形成されている。この4個の巻芯用チャック部材28は、これらの直角を形成する各2辺による外形が正方形を形作る配置で円筒状部18の外周面部に当てがわれることにより、円筒状部18に当接した状態の4個の巻芯用チャック部材28によって角形巻芯29が構成される。このとき、未巻回の正負両極板20,21およびセパレータ22は、円筒状部18から隣接する2個の巻芯用チャック部材28の間を通って恰も外部に導出された配置となる。
【0037】
上記角形巻芯29が円筒状部18の外周面に構成された時点で、巻芯27は同方向に再び回転するよう駆動されることにより、正負両極板20,21およびセパレータ22の残存分が角形巻芯29に渦巻状に巻回され終わると、図2(d)に示すように、角形巻芯29の外周側に角筒状部19が形成される。最後に、負極板21およびセパレータ22の巻き終わり側端部をテープ(図示せず)で固定したのち、図2(e)に示すように、巻芯半部27a,27bおよび4個の巻芯用チャック部材28を抜脱すると、図1で示したと同様の円筒状部18と角筒状部19とを有して横断面形状がほぼ正方形となった角形の電極群17が出来上がる。この全体として角筒状となった電極群17には、その筒心方向の両端部からそれぞれ正負両極板20,21の各々の集電体接続部20a,21aが突出されている。
【0038】
この電極群17の製造方法では、各々単一の正負両極板20,21とセパレータ22とを一連の工程によりほぼ連続的に巻回して、図1に示した角形電池に用いられている円筒状部18と角筒状部19とを有する電極群17を、高い生産性で高精度に製造することができる。また、電極群17は、充電容量の面などで非常に優れている発泡金属多孔体を芯材として構成した正極板20を用いて構成されているが、上記の製造方法では、加圧成形などの工程を要せずに巻回工程のみで電極群17を作製できるので、上記正極板20に発泡金属骨格の切断やひび割れ或いは活物質の剥離や離脱といった不具合の発生を確実に防止でき、この電極群17を用いて構成する角形電池は、リーク不良の発生を抑制しながらも高容量化を達成することができる。
【0039】
つぎに、上述の製造工程を経て得られた電極群17を用いて角形電池を製造する方法について、その製造工程を順に示した斜視図である図4を参照しながら説明する。先ず、図4(a)に示すように、電極群17における筒心方向の一端(図の下端)から突出している負極板21の集電体接続部21aには、電極群17の横断面形状に対応したほぼ正方形の板状の負極集電体30が溶接により接合されるとともに、電極群17の他端(図の上端)から突出している正極板20の集電体接続部20aには、以下に説明する形状を有する正極集電体31が溶接により接合される。これにより、電池としたときには、正負両極板20,21からの集電効率が向上する。
【0040】
上記正極集電体31は、電極群17の横断面形状に対応したほぼ正方形の板状の平板部32における中央孔47の近傍箇所から外周端部に達する長方形の4個(3個のみ図示)の切欠き33が90度の等間隔を存して放射状に形成されており、その各切欠き33の対向縁部から直交する一方向(図の下方向)に向けて延びる接続用突片34が屈曲手段で形成されている。そして、この正極集電体31は、電極群17に対して角筒状部19が円筒状部18に対し外接状態に接する4個所に自体の4個の各切欠き33を合致させた相対位置に配置されて、各接続用突片34が正極板20の集電体接続部20aに溶接されている。この配置により、正極集電体31の各接続用突片34は、正極板20の各巻層毎にそれぞれ突出している集電体接続部20aの全てに交差した配置で確実に溶接されて、正極板20に対し確実に接続される。
【0041】
さらに、上記正極集電体31を用いた場合には、これの各接続用突片34と正極板20の集電体接続部20aとを極めて強固に溶接することができる。この点について説明すると、一般的なタブレス方式では、電極群の端部から突出した例えば正極板の集電体接続部の先端と、一枚の板状の集電体の平板部分の長さ方向に沿った両側縁と平行に形成されたリブ状突起片とを交差した配置で接触させて、棒状の溶接電極を当接させて加圧しながら溶接しているが、通電距離と電気抵抗値の関係から、一対の溶接電極間において集電体の平板部を流れる電流(溶接時の無効電流)が大きくなり、肝心の溶接箇所である集電体接続部とリブ状突起片との交差部間に流れる電流が小さくなることから、十分な溶融による溶接を行うことができなかった。
【0042】
これに対し、上記正極集電体30を用いた場合には、各切欠き33の対向縁部から接続用突片34を突設しているので、溶接に際して一対の溶接電極を当てがったとき、接続用突片34より外側の平板部32に流れる溶接電流が少なく、溶接電流の多くが接続用突片34に集中するので、接続用突片34と集電体接続部20aとが交差する各点で接続用突片34が集電体接続部20aに食い込んだ状態で溶融して、この部分が強く溶着される。これにより、電池としたときには、電池の内部抵抗が低くなって十分な大電流を出入力させることが可能となる。
【0043】
さらに、上記正極集電体31を用いた場合には、正極集電体31の平板部32における4個の切欠き33の各間の部分が、電極群17の円筒状部18と角筒状部19との間に生じる4箇所のほぼ三角形状の空隙24に対して恰も施蓋する配置となるので、上記空隙24内に充満されている電解液は、その空隙24内に確実に保持されて、効果的に機能する。
【0044】
上記のように正負極の集電体31,30を取り付けた電極群17は、正極集電体31にリードタブ37の一端を接合したのち、図4(a)に矢印で示すように、各コーナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒状の金属製電池ケース14内に挿入し、さらに、短絡防止用の絶縁板38を電池ケース14内に挿入して電極群17の上端部に取り付けられる。そののち、電池ケース14内には、正極集電体31の中央孔47および電極群17の中央孔23を介して溶接用電極棒を挿入して、負極集電体30を電池ケース14の底面に抵抗溶接により接合する。
【0045】
つぎに、電池ケース14には、その開口端の近傍箇所に対して金型による圧縮成形が施されて、図4(b)に示すように、円筒状の開口頭部39が形成される。さらに、電池ケース14を回転させながら、その電池ケース14の回転方向と逆方向に回転するロール型(図示せず)を開口頭部39の側面に押し付けることにより、図4(c)に示す環状溝40が形成され、電極群17が電池ケース14内に固定される。
【0046】
続いて、電池ケース14内には、正極集電体31の中央孔47および電極群17の中央孔23から所定量の電解液が注入される。さらに、図4(c)に示す封口体41には、これのフイルタ(図示せず)にリードタブ37の他端部が抵抗溶接によって接続されたのち、この封口体41は、開口頭部39内に挿入されて、環状溝40によって電池ケース14の内方に膨出した環状の支持部(図示せず)上に載置され、この状態で開口頭部39が内方にかしめ加工されることにより、図4(d)に示すように、開口頭部39が封口体41によって密閉化され、角形電池が構成される。このようにして得られた角形電池に対して初充放電を行い、放電容量が3500mAhである角形のニッケル水素電池を作製した。
【0047】
つぎに、本発明者らが実施した実験結果について説明する。上述した製造工程を経て製造した実施の形態の角形電池の他に、比較例としての角形電池を、図7で説明した従来の製造方法で作製した。すなわち、比較例の角形電池は、正負両極板をこれらの間にセパレータを介在して重ね合わせながら、横断面形状が4mmの直径を有する円形となった円棒状の巻芯の回りに渦巻状に巻回して、円筒状の電極群を構成したのち、この電極群を4方向から熱プレス機で加圧して角柱状の電極群を作製し、この角柱状の電極群を用いて、図4と同様の工程を経てニッケル水素蓄電池に作製した。
【0048】
上述の実施の形態の角形電池および比較例の角形電池をそれぞれ1000個ずつ作製して、これらのリーク不良の発生割合を調べた。その結果、実施の形態の角形電池ではリーク不良の発生割合が1/1000であったのに対し、比較例の角形電池では、11/1000の高い割合でリーク不良が発生した。このように、実施の形態の角形電池が高い信頼性を有しているのは、図1の角形電池において説明した効果によるものである。
【0049】
すなわち、実施の形態の角形電池では、電極群17における正負両極板20,21を比較的大きな屈曲率で渦巻状に巻回しなければならない中央部分が円筒状に巻回された円筒状部18になっているので、正負両極板20,21を巻芯の回りに巻回してスムーズに形成することができ、換言すると、正負両極板20,21を無理な角度に強制的に折り曲げたりしないことから、正負両極板20,21のクラック発生や活物質の脱落といった不具合が生じることがないので、リーク不良が殆ど発生しない高い信頼性を得ることができる。さらに、角筒状部19は、形成済みの円筒状部18を利用して、この円筒状部18の外周部に4個の巻芯用チャック部材28を当てがって角形巻芯29を構成したのち、その角形巻芯29に正負両極板20,21およびセパレータ22を渦巻状に巻回することで容易に形成でき、円筒状の電極群を加圧成形して得られる比較例の角形電池の電極群とは異なり、正負両極板20,21に何らストレスを与えることなく形成できるので、この点からも一層信頼性の高いものになっている。
【0050】
また、実施の形態の角形電池では、電極群17が円筒状部18の外周側に角筒状部19が形成された構成を有しているので、この電極群17を角形の電池ケース14の内周面に対し殆ど隙間を生じることなく収納できるとともに、角筒状部19の内周面側の四隅と円筒状部18との間の4個所に形成される横断面形状がほぼ三角形の空隙24には電解液が充満されるので、この電解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上し、格段の高容量化を図ることができる。
【0051】
しかも、実施の形態の角形電池では、連続的な一連の巻回工程で電極群17を形成できることから、高い生産性で製造することができる。なお、電極群は、個別に巻回して形成した角筒状部の内部に円筒状部を嵌め入れる工程を経て構成しても、実施の形態の電極群17とほぼ同様の構成と同様の効果を得ることができる。但し、この工程を採用して実用化するためには、角筒状部の内部に円筒状部を効率的に嵌め入れる手段を案出して生産性の向上を図る必要がある。
【0052】
図5は本発明の他の実施の形態に係る角形電池を示す横断面図を示し、同図において、図1と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この角形電池が図1の一実施の形態の角形電池に対し相違する点は、電極群17の円筒状部42の形状のみである。すなわち、円筒状部42は、正負両極板20,21とセパレータ22とが、図8に示した従来の角形電池用電極群の製造に用いられているのと同様の横断面長方形の一対の巻芯によって渦巻状に巻回されたものである。したがって、この円筒状部42は角筒状に類似したほぼ円筒状に形成されており、その中心孔43がほぼ正方形になっている。
【0053】
これにより、上記角形電池の電極群17では、円筒状部42と角筒状部19との間の4箇所に生じる空隙44が、一実施の形態の角形電池の電極群17の空隙24よりも小さくすることができる利点がある。この角形電池は、電極群17の円筒状部42を角形の巻芯を用いて巻回する工程以外は一実施の形態で説明したと全く同様の工程で製造できる。
【0054】
なお、上記実施の形態では、角形のニッケル水素蓄電池に適用した場合を例示して説明しているが、本発明は、上述のアルカリ蓄電池に限らず、リチウム電池やリチウム二次電池にも適用することができるのは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明の角形電池によれば、電極群の中央部分に円筒状部を設けているので、極板を巻芯の回りにスムーズに巻回して形成することができ、極板を強制的に折り曲げたりしないことから、極板のクラック発生や活物質の脱落といった不具合が生じることがないので、リーク不良が殆ど発生しない高い信頼性を得ることができる。また、電極群は、円筒状部の外周に角筒状部を設けて全体として角形の外形を呈しているので、角形の電池ケースの内周面に殆ど隙間無く収納することができるとともに、この角筒状部は、円筒状部を利用して、この円筒状部に適当な部材を当てがって角形巻芯を形成することによって、巻回工程で形成できるから、円筒状とした電極群に四方向から加圧成形して得られる従来の角形の渦巻状電極群とは異なり、極板に何らストレスを与えることなく形成できるので、この点からも一層信頼性の高いものとなるとともに、連続的な一連の巻回工程で電極群を形成できることから、高い生産性で製造することができる。さらに、角筒状部と円筒状部との間の空隙部には電解液が充満されるので、この電解液が効果的に機能して体積エネルギ密度が向上し、高容量化を図ることができる。
【0056】
また、本発明の角形電池用電極群の製造方法によれば、円筒形電池用電極群と同様に、円形の巻芯に帯状の正負両極板とセパレータとを巻回して電極群における円筒状部を形成したのちに、この円筒状部の外周面に4個の巻芯用チャック部材を当てがうことによって角形巻芯を形成し、この角形巻芯の回りに正負両極板とセパレータとを巻回することによって電極群における角筒状部を形成するようにしたので、各々の単一の正負両極板とセパレータとを一連の工程によりほぼ連続的に巻回して、本発明の角形電池に用いている円筒状部と角筒状部とを有する電極群を、高い生産性で高精度に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る角形電池を示す横断面図。
【図2】(a)〜(e)は同上の電極の製造過程を工程順に示した横断面図。
【図3】図2(b)の工程の斜視図。
【図4】(a)〜(d)は同上の電極群を用いた角形電池の製造過程を工程順に示した斜視図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る角形電池を示す横断面図。
【図6】従来の一般的な角形アルカリ蓄電池を示す破断斜視図。
【図7】従来の横断面形状角形の電極群の製造方法における加圧成形工程を示す概略平面図。
【図8】従来の横断面形状角形の電極群の他の製造方法の巻回工程が終了した状態を示す切断正面図。
【図9】図8の製造方法において形状の大きな巻芯を用いた場合の巻回工程が終了した状態を示す切断正面図。
【符号の説明】
14 電池ケース
17 電極群
18,42 円筒状部
19 角筒状部
20 正極板
20a 正極板の集電体接続部
21 負極板
21a 負極板の集電体接続部
22 セパレータ
27 巻芯
28 巻芯用チャック部材
29 角形巻芯
30 負極集電体
31 正極集電体
32 平板部
33 切欠き
34 接続用突片
Claims (7)
- 帯状の正極板と負極板とがこれらの間に帯状のセパレータを介在して渦巻状に巻回されてなる電極群および電解液が角筒状の電池ケース内に収容されてなり、
前記電極群は、ほぼ円筒状に巻回されて中央部に位置する円筒状部と、角筒状に巻回されて前記円筒状部に対し外接する配置で設けられた角筒状部とを有していることを特徴とする角形電池。 - 電極群は、それぞれ単一の帯状の正極板および負極板をこれらの間にセパレータを介在して渦巻状に巻回することにより、円筒状部と角筒状部とが連続的に形成されている請求項1に記載の角形電池。
- 正極板および負極板の少なくとも一方が、芯材となる発泡金属多孔体に活物質を充填した構造を有している請求項1または2に記載の角形電池。
- 電池ケースは、金属製であって、各コーナ部分が丸みを帯びたほぼ正方形の横断面形状を有する有底角筒状である請求項1ないし3の何れかに記載の角形電池。
- 電極群は、正極板および負極板の各々の長手方向に沿った辺縁部にそれぞれ設けられた集電体接続部がセパレータの幅方向の互いに異なる方向に突出するようにずらせた配置で巻回されているとともに、前記両極板の各集電体接続部に正極用および負極用の集電体がそれぞれ溶接により接続され、
正極用および負極用の少なくとも一方の前記集電体は、平板部にこれの中央近傍箇所から外周端部に達する長方形状の4個の切欠きが90度の等間隔で放射状に形成され、且つ各切欠きの対向縁部から前記平板部に対し直交方向に突出する接続用突片を一体に備えた構成を有するとともに、前記電極群に対し円筒状部と角筒状部とが相互に接する4個所に4個の前記切欠きを合致させた相対位置に配置されて、前記各接続用突片が前記正負両極板の各集電体接続部に溶接されている請求項1ないし4の何れかに記載の角形電池。 - 帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が円形の巻芯の周囲に渦巻状に巻回して電極群の円筒状部を形成する工程と、
ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその直角の対向辺が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の湾曲状となった4個の巻芯用チャック部材を、これらの直角を形成する各2辺による外形が角形を形作る配置で前記円筒状部の外周部に当てがって、4個の前記巻芯用チャック部材で角形巻芯を形成する工程と、
前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極板およびセパレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒状部を形成する工程と、
前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を巻回済みの電極群から抜脱する工程とを備えていることを特徴とする角形電池用電極群の製造方法。 - 帯状の正極板と負極板とをこれらの間にセパレータを介在して重ね合わせながら横断面形状が矩形状の巻芯の周囲に渦巻状に巻回してほぼ円筒状となる電極群の円筒状部を形成する工程と、
ほぼ直角三角形の横断面形状を有してその直角の対向辺が前記円筒状部の外周面に対応する曲率の湾曲状となった4個の巻芯用チャック部材を、これらの直角を形成する各2辺による外形が角形を形作る配置で前記円筒状部の外周部に当てがって、4個の前記巻芯用チャック部材で角形巻芯を形成する工程と、
前記円筒状部の形成後に残った前記正負両極板およびセパレータを前記角形巻芯の回りに巻回して電極群の角筒状部を形成する工程と、
前記巻芯および前記巻芯用チャック部材を巻回済みの電極群から抜脱する工程とを備えていることを特徴とする角形電池用電極群の製造方法。
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