JPH10288670A - 非接触型表面汚染検査方法、表面処理方法および装置 - Google Patents

非接触型表面汚染検査方法、表面処理方法および装置

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JPH10288670A
JPH10288670A JP9097794A JP9779497A JPH10288670A JP H10288670 A JPH10288670 A JP H10288670A JP 9097794 A JP9097794 A JP 9097794A JP 9779497 A JP9779497 A JP 9779497A JP H10288670 A JPH10288670 A JP H10288670A
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plume
laser beam
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JP9097794A
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Inventor
Kouichi Nitsutou
光一 日塔
Takuji Fukazawa
拓司 深澤
Toshiyuki Tamura
俊幸 田村
Yasushi Yamaguchi
恭志 山口
Masao Matsui
政雄 松井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被測定物である検査対象物の物体表面汚染を、
母材や塗装膜等の保護膜を損傷させることなく、汚染部
位を拡大させないで表面汚染検査を行なうものである。 【解決手段】非接触型表面汚染検査装置10あるいは表
面処理装置は、被測定物の検査対象物11に対しヘッド
ユニット15を相対的に移動自在に支持する。ヘッドユ
ニット15は可撓性接続手段を介してユニットボックス
に接続される一方、ヘッドユニット15は、検査対象物
11の物体表面に表面検査用レーザ光を照射するレーザ
光照射手段19と、物体表面から脱離したプルームを捕
集するフィルタ捕集手段35と、捕集されたプルームを
検出するプルーム検出手段31とを有する。プルーム検
出手段31で検出された信号を処理して検査対象物11
の表面汚染部位の特定ならびに表面汚染密度の定量を非
接触にてドライなやり方で行なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定物である検
査対象物の表面汚染部・表面汚染密度を非接触にて検出
し、除染等の表面処理を行なう非接触型表面汚染検査方
法、表面処理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力産業、放射線医療、放射能取扱施
設化学あるいは医薬産業等の放射性物質あるいはポイズ
ン物質を取扱う産業ならびに研究機関において、被測定
物である物体表面の放射能やポイズン物質付着の有無の
検知、特に放射能やポイズン物質による表面汚染部位の
特定や、表面汚染密度である表面汚染量を測定し、除染
などの表面処理を効率よく行なうには如何にしたらよい
か、問題となっている。
【0003】従来、放射能により物体表面が汚染されて
いる状況を検査する方法として、スミヤ法とダイレクト
サーベイ法がある。スミヤ法では被測定物である物体表
面を濾紙で拭き取り、濾紙上に付着した放射能を測定す
ることにより、物体表面の汚染密度を間接的に評価する
方法である。
【0004】また、ダイレクトサーベイ法は、被測定物
である物体表面の汚染状況を直接測定する方法であり、
GM管やNaI等のシンチレータを用いたサーベイメー
タ(携帯用放射線検出器)により物体表面の放射能汚染
状況を直接測定する方法である。
【0005】従来、非測定物である物体表面の汚染状況
を直接あるいは間接的に測定する方法では、表面汚染が
確認された場合には、物体表面を洗浄液等で除染し、除
染後、被測定物の表面汚染を再度検査する作業を繰り返
されなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の濾紙を用いたス
ミヤ法では、非測定物の物体表面に濾紙を押し付け、表
面汚染部位を擦り、濾紙に汚染物が転着しなければ物体
表面汚染を測定できない。また、物体表面の表面汚染部
位が1箇所だけに存在しても、物体表面を濾紙で擦るこ
とにより表面汚染部位が拡大してしまい、物体表面汚染
が確認された場合にも、表面汚染部位の特定が困難とな
ったり、さらに物体表面の汚染検査と除染による表面処
理作業を繰り返し別々に行なう必要があり、手間隙がか
かるる。
【0007】また、被測定物である物体表面への汚染物
の固着(付着)状況は、被測定物の表面状態や形状等に
より異なる一方、物体表面への濾紙の押付け方や力の入
れ具合により、汚染物の拭き取れ方が異なり、濾紙への
汚染物の転着量にバラツキが生じる。特に、被測定物の
物体表面形状に凹凸があり、凹部分に汚染物が入り込ん
で付着した状態では、汚染物を濾紙にスムーズに転着さ
せることができない。したがって、被測定物の物体表面
に汚染物が付着していても、スミヤ法では、表面汚染検
査できないことも発生する。
【0008】他方、ダイレクトサーベイ法では、被測定
物の物体表面汚染を非接触で検査できるために、スミヤ
法で生じた問題に対処することができるが、被測定物自
身が放射線を出す物である場合、例えば高放射線レベル
廃棄物等が充填されたドラム缶等では、物体表面のみの
汚染状況を測定することができない。ダイレクトサーベ
イ法では、周辺の放射線環境レベルの影響を受け易い問
題がある。
【0009】被測定物の物体表面に汚染が確認された場
合、この汚染物を洗浄液等で除染することとなるが、洗
浄液等による除染では、表面汚染部位が局所的である場
合には、表面汚染部位を薄く拡げてしまう可能性があ
り、表面汚染を一度に完全に除染する表面処理は困難で
ある。
【0010】また、被測定物の物体表面に付着した汚染
物を、非接触かつドライな方法で除染する表面処理技術
に、レーザを用いた除染技術(特公平1−45039号
公報参照)が開示されている。
【0011】しかし、このレーザ除染技術では、物体表
面に付着した汚染物だけでなく、放射性核種を取り込ん
でいない酸化物表面層も同時に除去されるため、物体表
面の除染処理後に、酸化剤によって物体表面に酸化膜を
形成する処理が別途必要となる。
【0012】さらに、物体表面の除染処理後に酸化剤に
よる酸化膜形成処理が必要となることに着目し、被測定
物の物体表面除染と改質層の形成を一度に行ない得るレ
ーザ除染方法として特願平6−246054号の明細書
および図面に開示された技術がある。
【0013】しかしながら、このレーザ除染方法では、
被測定物の物体表面の汚染部位を特定(同定)すること
が困難であり、被測定物の物体表面の何処が局所的に汚
染しているか検出することができない。このため、被測
定物の物体表面汚染が局所的であっても、表面汚染部位
以外の不必要箇所まで除染処理を行ない、その後に酸化
膜形成処理を行なっており、効率の良い有効的な表面処
理とはいえなかった。
【0014】また、一般にレーザ除染方法では、アブレ
ーションを用いて被測定物の表面層を剥離させたり、あ
るいは除去させてしまうために、汚染していない酸化膜
や塗装膜まで痛めてしまい、表面汚染処理装置として好
ましいものではなかった。
【0015】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、被測定物の物体表面上の塗装膜や酸化膜を損
傷させることなく、表面汚染を非接触で効率よく測定
し、表面汚染部位を特定し、表面汚染密度を定量するこ
とができる非接触型表面汚染検査方法、表面処理方法お
よび装置を提供することを目的とする。
【0016】本発明の他の目的は、被測定物の物体表面
形状や状態如何に拘らず、表面汚染部位を拡大させるこ
となく非接触かつ遠隔で測定でき、表面汚染部位を特定
する一方、被測定物の母材だけでなく、塗装面や酸化膜
への損傷を未然にしかも有効的に防止することができる
非接触型表面汚染検査方法、表面処理方法および装置を
提供するにある。
【0017】また、本発明は、上述した事情を考慮して
なされたもので、被測定物の物体表面汚染を非接触に、
簡単かつ効率良く測定し、表面汚染部位を特定する一
方、特定された表面汚染部位の除染等の表面処理を行な
うことができる非接触型表面汚染検査方法、表面処理方
法および装置を提供することを目的とする。
【0018】本発明の他の目的は、被測定物の物体表面
上の塗装膜や酸化膜を損傷させることなく、表面汚染を
非接触かつ遠隔測定し、表面汚染部位を特定する一方、
特定された表面汚染部位のみを除染し、汚染拡大防止を
図ることができる非接触型表面汚染検査方法、表面処理
方法および装置を提供するにある。
【0019】本発明の別の目的は、被測定物の物体表面
汚染を非接触にかつ表面汚染部位を拡大させることなく
測定でき、ロボットと組み合せて自動化・無人化が図れ
る非接触型表面汚染検査方法、表面処理方法および装置
を提供するにある。
【0020】本発明のさらに他の目的は、被測定物の物
体表面を非接触で表面汚染検査でき、ロボットと組み合
せて自動化・無人化が図れ、汚染拡大防止と放射線の被
曝低減を図ることができる非接触型表面汚染検査方法、
表面処理方法および装置を提供するにある。
【0021】本発明のさらに他の目的は、被測定物表面
に形成される酸化膜や塗装膜を損傷させることなく、物
体表面の汚染部位、汚染量を検出し、表面汚染部位のみ
を除染し、表面保護処理を行なうことができる非接触型
表面汚染検査方法、表面処理方法および装置を提供する
にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1に係る非接触型表面汚染検査
方法は、被測定物の検査対象物にレーザ光を照射して上
記検査対象物の物体表面に付着した汚染物を物体表面か
ら脱離させ、脱離したプルームをフィルタ捕集手段に吸
着させて捕集し、このフィルタ捕集手段に捕集されたプ
ルームをプルーム検出手段で検出して信号処理し、検査
対象物の表面汚染部位および表面汚染密度を非接触に検
査する方法である。
【0023】本発明の請求項2に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、検査対象
物にレーザ光照射手段から0.4J/cm2 以下のエネル
ギ密度の表面検査用レーザ光を照射し、検査対象物の母
材にダメージを与えず物体表面から汚染物の一部あるい
は全部を脱離させる方法である。
【0024】本発明の請求項に係る非接触型表面汚染検
査方法は、上述した課題を解決するために、検査対象物
に対しレーザ光照射手段を備えたヘッドユニットを相対
的に移動自在に支持し、上記レーザ光照射手段から検査
対象物の物体表面に表面検査用レーザ光を照射させる一
方、このレーザ光照射により物体表面から脱離したプル
ームを周囲空気とともにガス吸引手段で吸引し、この吸
引通路に設けられたフィルタ捕集手段でプルームを捕集
する方法である。
【0025】本発明の請求項4に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、検査対象
物の物体表面にレーザ光照射手段から表面検査用レーザ
光を照射させる際、レーザ光照射部位の周辺にアシスト
ガスをガス吹付け手段で吹き付け、吹き付けられたアシ
ストガスをレーザ光照射で物体表面から脱離したプルー
ムとともにガス吸引手段で吸引し、ガス吸引手段の吸引
通路に設けられたフィルタ捕集手段でフィルタを捕集す
る方法である。
【0026】本発明の請求項5に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、フィルタ
捕集手段は、外部から電気エネルギを加えることにより
正または負に電気的に帯電させられるフィルタで構成さ
れたり、または外部から電気エネルギを加えることなく
正または負の電気的分極特性を備えた材料を主成分とす
る誘電体フィルタで構成する方法である。
【0027】本発明の請求項6に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、フィルタ
捕集手段は、フィルタ回収駆動が検査対象物またはヘッ
ドユニットの駆動に合せて行なわれ、フィルタ回収駆動
とタイミングをとってプルーム検出手段で検出し、信号
処理することにより、検査対象物の物体表面汚染部位を
特定する方法である。
【0028】本発明の請求項7に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、ガス吸引
手段に回収され、吸引されるアシストガスあるいは物体
表面を覆う空気をイオン化手段でイオン化させる一方、
イオン化した気体と逆の電位をフィルタ捕集手段が有す
る方法である。
【0029】本発明の請求項8に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、レーザ光
照射手段から検査対象物の物体表面に照射されるレーザ
光の照射方法、あるいはレーザ光照射手段に収容される
光学系を変え、検査対象物の物体表面に付着した汚染物
を除染させる方法である。
【0030】本発明の請求項9に係る非接触型表面汚染
検査方法は、上述した課題を解決するために、プルーム
検出手段は、フィルタ捕集手段に捕集されたプルームか
ら放出される放射線を検出する放射線検出器を備え、こ
の放射線検出器で計測される放射線計数率と、放射線計
測の幾何学的な位置での放射線の検出効率と、検査対象
物と同一仕様の較正用標準試料に対する汚染物の脱離・
捕集効率と、検査対象物の物体表面に照射されるレーザ
光の照射表面部位の表面積とから、レーザ光照射表面部
位の放射能による表面汚染密度を定量する方法である。
【0031】本発明の請求項10に係る非接触型表面汚
染検査方法は、上述した課題を解決するために、脱離・
捕集効率を求める較正用標準試料として、塗装されたド
ラム缶表面、炭素鋼表面、ステンレス鋼表面、高分子系
樹脂表面、プラスティック表面、ガラス表面、セメント
やコンクリートなどの検査対象物と同一仕様の多孔質表
面に既知量の放射性または非放射性の模擬汚染物質を付
着させ、それら各種の材質に対する汚染検査用のレーザ
光照射条件および捕集条件の範囲における脱離・捕集効
率値を予め求めておき、実際の汚染検査では検査対象物
とレーザ光照射およびフィルタ捕集条件に対応する脱離
・捕集効率を用いて、表面汚染密度を定量する方法であ
る。
【0032】また、上述した課題を解決するために、本
発明の請求項11に係る非接触型表面汚染検査装置は、
被測定物の検査対象物に対し相対的移動自在に支持され
たヘッドユニットと、このヘッドユニットに可撓性接続
手段を介して接続され、レーザユニット、バキュームユ
ニットおよび電源ユニットを備えたユニットボックスと
を有し、前記ヘッドユニットは検査対象物の物体表面に
表面検査用レーザ光を照射するレーザ光照射手段と、レ
ーザ光照射により物体表面から脱離したプルームを捕集
するフィルタ捕集手段と、この捕集手段に捕集されたプ
ルームを検出するプルーム検出手段とを備え、このプル
ーム検出手段で検出された信号の処理を行なって検査対
象物の表面汚染部位の特定ならびに表面汚染密度の定量
を非接触にて行なうようにしたものである。
【0033】本発明の請求項12に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、ヘッド
ユニット検査対象物の物体表面から脱離したプルームを
周囲雰囲気とともに回収し、吸引するガス吸引手段を備
え、このガス吸引手段の吸引通路にフィルタ捕集手段を
設けたものであり;また、請求項13に記載したよう
に、ヘッドユニットは検査対象物の物体表面から脱離し
たプルームをガス吸引手段の吸引口に案内するカバーガ
イドを備え、このカバーガイドで物体表面から脱離した
プルームを周囲空気とともにガス吸引手段に吸引させる
ようにしたものである。
【0034】本発明の請求項14に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、ヘッド
ユニットは、検査対象物の物体表面に照射されるレーザ
光照射部位の周辺にアシストガスを吹き付けるガス吹付
け手段と、ガス吹付け手段から吹き付けられるアシスト
ガスを物体表面から脱離されるプルームとともに吸引す
るガス吸引手段とを備えたものである。
【0035】本発明の請求項15に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、ヘッド
ユニットはガス吸引手段の吸引通路に案内される空気あ
るいはアシストガスをイオン化させるイオン化手段を備
える一方、フィルタ捕集手段はイオン化された空気ある
いはアシストガスと逆の電位が帯電せしめられた捕集フ
ィルタを備えたものであり;さらに、本発明の請求項1
6に係る非接触型表面汚染検査装置は、イオン化手段
は、ガス吸引手段に案内される空気あるいはアシストガ
スをレーザ光、コロナ放電およびプラズマによる電離手
段のうち少なくとも1つで構成されたものである。
【0036】本発明の請求項17に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、フィル
タ捕集手段は、半永久的に電気的分極特性を有するエレ
クトレットフィルタを備え、このエレクトレットフィル
タはガス吸引手段の吸引路を横断するように設けられた
ものであり;さらに、請求項18に記載したように、エ
レクトレットフィルタは、ポリエステル系、ポリオレフ
ィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、塩化ビニル
系、含フッ素系の高分子のうち少なくとも一成分を主成
分とする誘電体フィルタであり;また、請求項19に記
載したように、エレクトレットフィルタは、ポリプロピ
レンまたはポリカーボネイトを主成分とする誘電体フィ
ルタである。
【0037】本発明の請求項20に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、レーザ
光照射手段は、光ファイバを介してユニットボックスの
レーザユニットに接続される一方、レーザ光照射手段
は、検査対象物の物体表面に0.4J/cm2 以下のエネ
ルギ密度の表面検査用レーザ光を照射させる光学系を備
えたものである。
【0038】本発明の請求項21に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、ユニッ
トボックスのレーザユニットは固体レーザ装置で構成さ
れる一方、レーザユニットから発振されたレーザ光をレ
ーザ光照射手段に伝送する光ファイバにはマルチバンド
ルファイバが設けられ、上記光ファイバの入出射部の光
学系にレーザ光軸と垂直に複数のレンズを配置したマル
チレンズを用いたものである。
【0039】本発明の請求項22に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、レーザ
光照射手段は、検査対象物の物体表面に照射される表面
検査用レーザ光のビーム断面形状を円、長円または矩形
に整形し、かつレーザ光のエネルギ密度分布をホモジナ
イズさせる光学系を備えたものである。
【0040】本発明の請求項23に係る非接触型表面汚
染検査装置は、上述した課題を解決するために、フィル
タ捕集手段は、ヘッドユニットに脱着自在に設けられ、
帯状の可撓性捕集フィルタをガス吸引手段の吸引路を横
断するように設置されたカセット式フィルタユニットで
あり、プルーム検出手段は捕集フィルタに捕集されたプ
ルームの放射線を検出する放射線検出器であり;さら
に、請求項24に記載したように、ヘッドユニットは外
部からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽構造を備え、この
放射線遮蔽構造で放射線検出器を覆ったものである。
【0041】また、上述した課題を解決するために、本
発明の請求項25に係る非接触型表面処理方法は、被測
定物の検査対象物に表面検査用レーザ光を照射して検査
対象物の物体表面に付着した汚染物を物体表面から脱離
させ、脱離したプルームをフィルタ捕集手段に吸着させ
て捕集し、この捕集手段に捕集されたプルームをプルー
ム検出手段で検出して信号処理し、検査対象物の表面汚
染部位および表面汚染密度を非接触にて検査し、さら
に、検査対象物の表面汚染部位に表面検査用レーザ光よ
り高エネルギ密度の表面処理用レーザ光を照射して検査
対象物の物体表面を除染等で表面処理する方法である。
【0042】本発明の請求項26に係る非接触型表面処
理方法は、上述した課題を解決するために、透明あるい
は半透明のフィルム表面に金属あるいはセラミックスが
蒸着あるいは塗着された保護フィルムを用意し、この保
護フィルムを検査対象物の表面汚染部位に対向させてフ
ィルム裏面側から表面処理用レーザ光を照射して金属あ
るいはセラミックスを検査対象物の表面汚染部位に転着
させ、表面汚染部を封じ込める方法である。
【0043】本発明の請求項27に係る非接触型表面処
理方法は、上述した課題を解決するために、プルーム検
出手段により検査対象物の物体表面の汚染部位が特定さ
れたとき、表面汚染部位にエネルギ密度0.4J/cm2
以上の表面処理用レーザ光を局所的に照射して表面汚染
部位を物体表面の塗装膜あるいは金属膜の保護膜毎にア
ブレーションにより除染する方法である。
【0044】本発明の請求項28に係る非接触型表面処
理方法は、上述した課題を解決するために、プルーム検
出手段により検査対象物の物体表面の汚染部位が特定さ
れたとき、表面汚染部位にエネルギ密度0.4J/cm2
以下の表面処理用レーザ光を局所的に多数回繰り返し照
射し、表面汚染部位の塗装膜や金属膜の保護膜毎に脱離
させて除染する方法である。
【0045】本発明の請求項29に係る非接触型表面処
理方法は、上述した課題を解決するために、レーザ照射
手段を備えたヘッドユニットを検査対象物に対し相対的
に移動自在に支持し、上記レーザ光照射手段から検査対
象物の物体表面に表面検査用レーザ光あるいは表面処理
用レーザ光を照射させる一方、上記レーザ光照射により
物体表面から脱離あるいは除染されたプルームをガス吸
引手段で周囲空気とともに吸引し、吸引されたプルーム
をフィルタ捕集手段で捕集する方法である。
【0046】本発明の請求項30に係る非接触型表面処
理方法は、上述した課題を解決するために、検査対象物
の物体表面にレーザ光照射手段から表面検査用あるいは
表面処理用レーザ光を照射させる際、ガス吹付け手段か
らレーザ光照射部位の周辺にアシストガスを吹き付け、
吹き付けられたアシストガスをレーザ光照射により物体
表面から脱離あるいは除染されたプルームとともにガス
吸引手段で吸引し、吸引されたプルームをプルーム捕集
手段で捕集する方法である。
【0047】さらに、請求項31に記載したように、本
発明に係る非接触型表面処理方法は、ガス吸引手段に吸
引されたアシストガスあるいは周囲空気を、外部に排出
することなくガス吹付け手段に還流させ、このガス吹付
け手段からアシストガスとして検査対象物の物体表面の
レーザ光照射部位周辺に吹き付けられる方法である。
【0048】また、上述した課題を解決するために、本
発明の請求項32に係る非接触型表面処理装置は、被測
定物の検査対象物に対し相対的移動自在に支持されたヘ
ッドユニットと、このヘッドユニットに可撓性接続手段
を介して接続され、レーザユニット、バキュームユニッ
トおよび電源ユニットを備えたユニットボックスとを有
し、前記ヘッドユニットは検査対象物の物体表面に表面
検査用レーザ光を照射する表面検査用レーザ光照射手段
と、表面処理用レーザ光を照射する表面処理用レーザ光
照射手段と、表面検査用あるいは表面処理用レーザ光照
射により物体表面から脱離あるいは除染されたプルーム
を捕集するフィルタ捕集手段と、捕集されたプルームを
検出するプルーム検出手段とを備え、上記プルーム検出
手段で検出された信号の処理を行なって検査対象物の表
面汚染部位の特定および表面汚染密度の定量を行なう一
方、表面処理レーザ光照射手段からの表面処理用レーザ
光照射により検査対象物の物体表面汚染部位を除染等で
表面処理したものである。
【0049】本発明の請求項33に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、表面検査用
レーザ光処理手段と表面処理用レーザ光照射手段とを独
立して個別制御可能に設けられ、両レーザ光照射手段か
らレーザ光を検査対象物の物体表面の共通位置に照射さ
せるように構成したものである。
【0050】本発明の請求項34に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、表面処理用
レーザ光照射手段は、表面検査用レーザ照射手段と一体
に構成され、表面検査用レーザ光照射手段に備えられた
光学系を調整し、物体表面の表面汚染部位へ照射される
レーザ光のエネルギ密度を高めることにより構成された
ものである。
【0051】本発明の請求項35に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、ヘッドユニ
ットはレーザ光照射手段から照射されるレーザ光照射部
位の周辺のアシストガスを吹き出すガス吹付け手段と、
このガス吹付け手段から吹き付けられたアシストガスを
検査対象物の物体表面から脱離あるいは除染されたプル
ームとともに回収し、吸引するガス吸引手段とをさらに
備え、上記ガス吸引手段の吸引通路にプルームを捕集す
るフィルタ捕集手段を脱着自在に設けたものである。
【0052】本発明の請求項36に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、ガス吸引手
段に回収され、吸引されたアシストガスあるいは空気を
イオン化させるイオン化手段を設けるとともに、フィル
タ捕集手段は、イオン化手段でイオン化したアシストガ
スあるいは空気と逆の電位に帯電手段により、あるいは
誘電体フィルタの電気的分極特性により保たれたもので
ある。
【0053】本発明の請求項37に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、ヘッドユニ
ットは、透明あるいは半透明フィルム上に、金属または
セラミックスが蒸着あるいは塗着された保護フィルムを
有するカセット式のフィルム保護装置を脱着可能に備
え、このフィルム保護装置から検査対象物に対向するよ
うに繰り出された保護フィルムの裏面側に表面処理用レ
ーザ光照射手段から表面処理用レーザ光を照射して保護
フィルム上の金属またはセラミックスを物体表面汚染部
位に転着させ、汚染物を封じ込めるように構成したもの
である。
【0054】本発明の請求項38に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、検査対象物
の物体表面に付着する汚染物がウィルス、カビ、黴菌等
のバクテリア物質である場合、プルーム検出手段は、ウ
ィルス、カビ、黴菌等のバクテリア物質を検出するバリ
テリア検出器である。
【0055】本発明の請求項39に係る非接触型表面処
理装置は、上述した課題を解決するために、ヘッドユニ
ットは、ウィルス、カビ、黴菌等のバクテリア物質殺菌
用レーザ光あるいは殺菌光を検査対象物の物体表面に照
射可能な殺菌光照射手段を備え、バクテリア検出器によ
るバクテリア物質による汚染が確認されたとき、前記殺
菌光照射手段から殺菌用レーザ光あるいは殺菌光を出力
して物体表面を殺菌処理するようにしたものである。
【0056】
【発明の実施の形態】本発明に係る非接触型表面汚染検
査方法、表面処理方法および装置の実施の形態について
添付図面を参照して説明する。
【0057】図1は本発明に係る非接触型表面汚染検査
装置の一実施形態を示す基本的なシステム構成図であ
る。
【0058】この非接触型表面汚染検査装置は、全体を
符号10で示し、被測定物11の表面汚染部および表面
汚染密度(汚染量)を非接触にて検出することができる
検査装置である。この表面汚染検査装置10は、被測定
物である検査対象物11がドラム缶の例を示している。
【0059】表面汚染検査装置10は、検査対象物11
に対向して相対的に移動自在に設けられる。検査対象物
11を保持テーブル12上に回転自在に設けたり、表面
汚染検査装置10をロボットや自走式車両等に搭載して
移動自在に設け、相対的な移動を自在としてもよい。表
面汚染検査装置10は、レーザ光装置であるレーザユニ
ット、バキュームユニット、電源ユニットおよびコント
ロールユニットを内蔵したユニットボックス13と、こ
のユニットボックス13に可撓性接続手段である接続ホ
ース14を介して接続されたヘッドユニット15と、こ
のヘッドユニット15を昇降自在に支持するリフト機構
16とから構成される。
【0060】接続ホース14には、光ファイバ18およ
び吸引ホース、電源ケーブルが少なくとも内蔵されてい
る。この光ファイバ18によりユニットボックス13内
のレーザユニットは、ヘッドユニット15の対をなすレ
ーザ光照射手段としてのレーザ照射ヘッド19,19に
接続される。光ファイバ18には、光ファイバエレメン
トを多数本束ねたマルチバンドルファイバが用いられ、
1本中りのファイバに通すエネルギを小さくしてファイ
バ損傷を防止している。
【0061】また、マルチバンドルタイプの光ファイバ
18に発振レーザ光を効率よく入射させるために、複数
のレンズを組み合せたマルチレンズが光ファイバ18の
入射側に用いられる。光ファイバ18の出射側では、マ
ルチバンドルの光ファイバエレメントの並べ方を円から
長円、直線または矩形に並べ換え、照射レーザ光のビー
ム形状を整形し易くしている。光ファイバエレメントを
並べ換える代りに、複数のレンズを組み合せたマルチレ
ンズまたはプリズムとミラーを多数組み合せたホモナイ
ザを用いてレーザビームを整形するようにしてもよい。
光ファイバ18の入出射部にレーザ光軸と垂直に複数の
レンズを配置したマルチレンズの光学系を用いてもよ
い。しかして、ユニットボックス13のレーザユニット
から発振されたレーザ光は、光ファイバ18を通ってレ
ーザ照射ヘッド19,19に入射される。レーザユニッ
トにはメンテナンスが容易で小型化ができる固体レーザ
装置が好適に用いられる。
【0062】一方、レーザ光照射手段であるレーザ照射
ヘッド19は光学系を内蔵しており、この光学系でレー
ザユニットからの発振レーザ光を拡げ、平行レーザ光と
なって検査対象物11に表面検査用として照射される。
レーザ照射ヘッド19は内部に光学レンズを挿入した
り、あるいは2枚の光学レンズを組み合せて光学系を形
成し、照射レーザ光のエネルギ密度を調整可能としても
よい。レーザ照射ヘッド19は双方とも表面検査用レー
ザ光として照射しても、一方を表面検査用に、他方をレ
ーザ光の照射方法や光学レンズを変えて除染等の表面処
理用レーザ光に用いてもよい。表面処理用レーザ光は
0.4J/cm2 以上のエネルギ密度を有し、0.4J/
cm2 以下のエネルギ密度の表面検査用レーザ光よりエネ
ルギ密度が高められる。
【0063】しかして、レーザ照射ヘッド19からの検
査対象物11への表面検査用レーザ光の照射により、検
査対象物11の物体表面に付着していたゴミ、埃、放射
性汚染物等の汚染物(異物)は、レーザ光の熱・衝撃振
動により一部がプルーム(微粒子)として脱離される。
その際、検査対象物11の物体表面の塗装膜や酸化膜に
ダメージを与えないように、表面検査用レーザ光のエネ
ルギ密度は0.4J/cm2 以下、例えば0.1J/cm2
のエネルギ密度が選択される。表面検査用レーザ光は、
検査対象物11の物体表面に付着される汚染物(異物)
20の種類、付着状態、物体表面形状等に応じて0.4
J/cm2 以下の適宜エネルギ密度が選択される。照射レ
ーザ光を0.4J/cm2 以下とすることで検査対象物1
1の母材に損傷を与えることなく、汚染物を数十%から
70〜80%脱離させることができる。
【0064】照射レーザ光が除染用等の表面処理用に用
いられる場合には、表面検査用レーザ光より高いエネル
ギ密度、例えば0.4J/cm2 以上のエネルギ密度が選
択される。すなわち、0.4J/cm2 以上のエネルギ密
度の表面処理用レーザ光を照射した場合、塗装膜あるい
は酸化膜毎、アブレーションにより除染されて表面処理
される。この場合、非接触型表面汚染検査装置10は表
面処理装置として形成される。
【0065】また、ヘッドユニット15には検査対象物
11に向って拡開するフード形状のカバーガイド22が
設けられる。カバーガイド22の中央部にガス吸引手段
の吸引口23が図2および3に示すように形成される。
カバーガイド23は検査対象物11に向って吸引口23
からテーパ状に拡開し、検査対象部位を所要の間隙をお
いて覆っている。
【0066】さらに、ヘッドユニット15の中央部に形
成される吸引口23からガス吸引手段としての吸引ダク
ト24が延びており、この吸引ダクト24は図示しない
吸引ホースを介してユニットボックス13のバキューム
ユニットに接続される。このバキュームユニットの作動
により、吸引口23周りの空気を回収して吸い込み、カ
バーガイド22内の周囲空気が吸引されるようになって
いる。
【0067】さらに、ヘッドユニット15の吸引ダクト
24の途中にフィルタ捕集手段としてカセット式のフィ
ルタユニット25が脱着可能に設けられる。フィルタユ
ニット25は吸引ダクト24の吸引通路を横断するよう
に設けられた帯状の捕集フィルタ26を備える。捕集フ
ィルタ26は可撓性を有し、吸引ダクト24の一側に設
けられたフィルタ供給部27から送り出され、ダクト内
吸引路を横断し、吸引ダクト24他側のフィルタ回収部
28に回収されるようになっている。
【0068】捕集フィルタ26は汚染物であるプルーム
を一定時間捕集してフィルタ回収部28に巻き取られる
ようになっており、フィルタ回収部28で捕集フィルタ
26が回収されると、フィルタ供給部27から新たに捕
集フィルタ26が供給される。捕集フィルタ26が回収
される際、吸引ダクト24を横断した捕集フィルタ26
はフィルタガイドローラ29によりプルーム検出領域で
ある放射線検出部30を通って回収される。放射線検出
部30にはプルーム検出手段としての放射線検出器31
が設けられ、この放射線検出器31で捕集フィルタ26
がフィルタ回収部28に回収される前にプルーム(汚染
物)の放射線汚染濃度が測定される。
【0069】フィルタユニット25の捕集フィルタ26
の回収駆動は、検査対象物11あるいはヘッドユニット
15の駆動(相対的移動)に合せて行なわれ、物体表面
の汚染部位の特定(同定)が行なえるようになってい
る。
【0070】検査対象物11は保持テーブル12の回転
駆動や昇降駆動により駆動される。また、ヘッドユニッ
ト15はリフト機構14による昇降駆動やリフト機構1
4を自走式ロボット(図示せず)に搭載させることによ
り検査対象物11に対し3次元駆動させることができ
る。自走式ロボットにユニットボックス13を搭載して
もよい。すなわち、表面汚染検査装置10をロボットに
搭載してヘッドユニット15を検査対象物11に対し3
次元移動自在に設けてもよい。
【0071】いずれにしても、検査対象物11とヘッド
ユニット15とは相対的移動自在に支持されており、検
査対象物11またはヘッドユニット15を相対的に移動
させる駆動装置は、例えばユニットボックス13のコン
トロールユニットにより作動制御される。
【0072】検査対象物11とヘッドユニット5とを相
対的に移動させる具体的態様には、次の3通りがある。
【0073】(1)検査対象物11を固定してヘッドユ
ニット15を2次元あるいは3次元駆動させる例、
(2)ヘッドユニット15が固定されているとき、検査
対象物11を回転駆動または昇降駆動で2次元あるいは
3次元駆動させる例、(3)検査対象物11およびヘッ
ドユニット15を共に駆動させる例、がある。
【0074】また、吸引ダクト24にはフィルタユニッ
ト25の上流側に図2および図3に示すようにイオン化
手段である電離手段や帯電手段を構成する高圧印加部3
3と電極34,35が設けられる。検査対象物11の物
体表面から脱離したプルームの中には、イオン化成分も
含まれるために、高圧印加部33および電極34,35
を設けて脱離したプルームの捕集を効率よく行ない得る
ようにしている。
【0075】ところで、フィルタユニット25の捕集フ
ィルタ26には、プルームとして脱離した物質を捕集で
きるエアフィルタが用いられる。このエアフィルタはプ
ルームの粒子径を捕集できる細孔を有している。
【0076】また、捕集フィルタ26はエアフィルタに
代えてエレクトレットフィルタを用いることもできる。
エレクトレットフィルタは持続性のある電気分極特性を
備えた誘電体フィルタであり、半永久的に正と負に電気
的に分極している。エレクトレットフィルタを用いた場
合、イオン化した微粒子(プルーム)成分を静電的に吸
着するので、高圧印加部33および電極34,35を格
別に設けることを要しない。エレクトレットフィルタは
濾過細孔径を比較的大きくできるので、吸引における圧
力損失を低減でき、フィルタ目詰りによる交換頻度が少
なくなり、保守性に優れたフィルタユニットとなる。
【0077】また、エレクトレットフィルタに高分子系
の化合物を主成分とする高分子系材料を用いると、可能
性と柔軟性に優れ、強度の高いフィルタとなる。高分子
系材料には、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリ
アミド系、ポリアクリル系、塩化ビニル系、含フッ素系
の材料があり、エレトクレットフィルタはこれらの高分
子系材料の高分子のうち少なくとも一成分を主成分とし
た高分子系材料が用いられる。
【0078】エレクトレットフィルタに用いられる高分
子系材料のうち、ポリプロピレンまたはポリカーボネイ
トは帯電状態が安定しており、工業的にも汎用材料であ
り、安価で粒子(プルーム)の保持能力が高いフィルタ
を形成でき、フィルタユニット25全体の信頼性と経済
性を向上させることができる。
【0079】一方、図2および図3に示された電極3
4,35は、捕集フィルタ26を帯電させるだけでな
く、検査対象物11側電極34に印加される電圧が数百
ボルトないし数万ボルトの範囲の電圧域で、電極形状に
応じたコロナ放電あるいはプラズマを生じさせることが
可能となる。コロナ放電あるいはプラズマが発生する
と、周囲の空気が電離され、イオン化する。コロナ放電
により、レーザ光照射により脱離した粒子(プルーム)
がレーザ光照射によるイオン化により帯電しているか否
かに拘らず、脱離した粒子は電離した空気のイオンに静
電的に引き寄せられ、吸着してイオン化し、帯電せしめ
られる。コロナ放電あるいはプラズマを生じさせる放電
用電極34は、電子銃(電子ビーム)を発生させる電子
銃装置のように大掛りな装置を必要としない割に、イオ
ン化効率が高いため、電離化手段としてコンパクトなコ
ロナ放電やプラズマ発生装置を形成することができ、粒
子(プルーム)の捕集効率向上に寄与することができ
る。
【0080】次に、被測定物である検査対象物の物体表
面汚染検査について説明する。
【0081】非接触型表面汚染検査装置10を用いて、
検査対象物11の物体表面の汚染状態を非接触で検査す
る場合、表面汚染検査装置10を図1に示すように検査
対象物11に対してセットし、このセット後表面汚染検
査装置10を検査対象物11に対し相対的に動作させ
る。
【0082】表面汚染検査装置10の動作により、ユニ
ットボックス13内に収納されたレーザユニットが駆動
されてレーザ光が発振される。レーザユニットを固体レ
ーザ装置とすると、小型化でき、メンテナンスが容易と
なる。この発振レーザ光は図2に示された光ファイバ1
8を通ってヘッドユニット15内のレーザ照射ヘッド1
9に導かれ、内部の光学系で拡げられ、表面検査用の平
行レーザ光となる。この表面検査用レーザ光が例えば
0.4J/cm2 以下のエネルギ密度で検査対象物11の
物体表面に照射される。その際、レーザ照射ヘッド19
を光ファイバ18で接続することにより、レーザ照射ヘ
ッド19の設置自由度を高めることができる。
【0083】検査対象物11に表面検査用レーザ光が照
射されると、物体表面に付着していたゴミ、埃、放射性
汚染物等の異物(汚染物)の少なくとも一部が、レーザ
光の熱・衝撃振動を受けプルーム(微粒子)として脱離
される。このとき、表面検査用レーザ光はエネルギ密度
が0.4J/cm2 以下に調節されているので、検査対象
物11の物体表面の塗装膜や酸化膜を損傷させることが
なく、物体表面にダメージを与えない。
【0084】脱離したプルームはカバーガイド22に案
内され、ガス吸引手段により回収される。脱離プルーム
は吸引ダクト24の吸引口23に周りの空気と共に吸い
込まれ、吸引ダクト24内の吸引通路に案内される。吸
引ダクト24は周囲の空気を巻き込んでプルームを吸引
するので、脱離したプルームが外部に飛散するのを有効
的かつ効率的に防止できる。
【0085】また、吸引ダクト24には高圧印加部33
および放電用電極34が設けられており、この高圧印加
部33および放電用電極34により形成されるコロナ放
電あるいはプラズマ発生の電離手段により周囲空気を電
離させる一方、電極34,35により捕集フィルタ26
を帯電させることができる。コロナ放電手段あるいはプ
ラズマ発生手段の電離手段により周囲空気を電離させ、
イオン化させつつ捕集フィルタ26にイオン化した周囲
空気と逆の電位を帯電させることにより、捕集フィルタ
26に脱離プルームを効率よく捕集させることができ
る。
【0086】繊維層からなる捕集フィルタ26を帯電さ
せることにより、捕集フィルタ26の繊維と脱離プルー
ム(粒子)との間に静電引力を発生させ、繊維が単に充
填されたフィルタによる機械的な粒子捕集機構では得る
ことができない粒子捕集効率を達成できる。また、静電
引力により、粒子捕集効率を高くすることができるの
で、繊維充填密度を小さくすることができ、放射性微粒
子を濾過する際の圧力損失を小さく抑えることができ
る。これにより、捕集フィルタ26はフィルタ目詰りに
よる不具合を有効的に防止できる。
【0087】また、捕集フィルタ26として半永久的に
電気的分極特性を有するエレクトレットフィルタを用い
た場合には、高圧印加部33および電極34,35の電
離化手段や帯電手段を必ずしも必要としない。エレクト
レットフィルタは電気的に正と負に分極されたフィルタ
特性により、レーザ光照射で脱離し、イオン化したプル
ームを静電的に吸着することができる。エレクトレット
フィルタにより、捕集フィルタである無帯電フィルタを
帯電させるための粒子荷電機や無帯電フィルタ近傍に設
置する電極が不要となり、フィルタ外部ユニットを必要
としないので、装置の簡素化が図れ、保守性と経済性が
向上する。
【0088】捕集フィルタ26は一定時間汚染物である
プルームを分別回収し、捕集した後、フィルタ回収部2
8で巻き取られる一方、フィルタ供給部27より新しい
捕集フィルタ26が供給される。捕集フィルタ26に付
着したプルームは、フィルタ回収部28に回収される前
に放射線検出器31で検出され、検査対象物11の物体
表面の汚染濃度が測定される。フィルタ回収部28によ
る捕集フィルタ26のフィルタ回収駆動は、検査対象物
11あるいはヘッドユニット15の駆動に合せて行なわ
れ、フィルタ回収駆動とタイミングをとって放射線検出
器31で検出し、信号処理することで物体表面の汚染部
位の特定が行なえるようになっている。
【0089】この非接触型表面汚染検査装置10におい
ては、検査対象物11に濾紙等を用いて接触させること
がないので、母材を傷めず、表面検査用レーザ光を用い
て非接触で物体表面の汚染物(異物)20を脱離させる
ことができる。この表面汚染検査装置10では、また、
検査対象物11の物体表面から脱離した汚染物のプルー
ムを捕集する捕集フィルタ26を装備し、さらに、捕集
フィルタ26に捕集されたプルームからの放射線を測定
する放射線検出器31を同時に装備し、物体表面の汚染
物20を非接触検査することができる。
【0090】さらに、この表面汚染検査装置10におい
ては、検査対象物11の物体表面を検査しながら、表面
汚染部位を検出でき、把握できる汚染部位検出手段を構
成することができる。フィルタユニット25のフィルタ
回収駆動を検査対象物11あるいはヘッドユニット15
の駆動と合せて行ない、フィルタユニット25のフィル
タ回収駆動のタイミングをとって放射線検出器31で捕
集フィルタ26に捕集されたプルームを放射線測定する
ことにより、検査対象物11の物体表面汚染部位を特定
することができる。この汚染部位検出手段はフィルタユ
ニット25のフィルタ駆動装置と検査対象物11あるい
はヘッドユニット15の駆動装置と、両駆動装置の駆動
タイミングに連係して作動する放射線検出器31と、こ
の放射線検出器31からの出力データを信号処理して表
示する手段とから構成される。
【0091】また、汚染部位検出手段により、検査対象
物11の物体表面の汚染部位を検査しながら特定できる
ので、表面汚染部位だけに対応した除染を行ない得るよ
うに、除染範囲を特定することができる。これにより、
除染作業の効率化が図れ、汚染していない部位への影響
を極力少なくすることができる。従来のように、物体表
面汚染検査の除染作業を別々の装置、異なる場所で繰り
返し行なっていた作業の効率化が図れる。
【0092】さらに、除染作業は、ヘッドユニット15
内に収容されたレーザ照射ヘッド19,19で照射され
るレーザ光のエネルギ密度調整を行なうことで、表面汚
染検査装置10で行なうことができる。
【0093】したがって、この表面汚染検査装置10
は、検査対象物11の物体表面の表面汚染検査ならびに
除染機能を備えることができる。
【0094】次に、非接触型表面汚染検査装置を用いて
被測定物である検査対象物の表面汚染密度(表面汚染
量)の評価手法について説明する。
【0095】検査対象物の表面汚染密度を評価するに際
し、各種パラメータを次のように定義する。
【0096】
【外1】 で表わされる。
【0097】検査対象物の表面汚染密度の評価式は、
【数1】 X=C/η/(εr・εc)/S ……(1) で表わされる。
【0098】表面積Sは、回収された捕集フィルタ26
上に捕集された汚染物質が付着していた部分の面積であ
り、検査対象物11とヘッドユニット15との相対的な
移動距離から求めることができる。放射線計数率Cは放
射線であるα線およびβ(γ)線の放射線検出器31で
測定された計数値を計数時間で除することにより求める
ことができる。α線およびβ(γ)線の計数効率ηは、
フィルタを計測する位置に放射能濃度既知のα線および
β(γ)線線源を設置した時の基準計数率と放射能から
予め求めておくことができる。
【0099】脱離効率εrと捕集効率εcは、被測定物
である検査対象物11と同一材料の試料に既知量の放射
性または非放射性の模擬汚染物質を付着させた較正用標
準試料を、検査条件と同じレーザ照射条件において照射
した時の模擬汚染物質の脱離量と捕集量を定量すること
により予め求めておく。脱離効率εrと捕集効率εc
は、模擬汚染物質の種類、試料の材質、表面の粗さ、レ
ーザ強度、レーザ波長、繰返しパルス数、捕集流量、電
極電圧などをパラメータとした条件において予め求めて
おくことにより、各種の被検査体の汚染検査を円滑に行
なうことができる。
【0100】放射線検出器31で、放射線計測したα線
またはβ(γ)線の計数率値を、放射線検出効率を用い
て捕集された放射性物質の放射能に換算し、次に予め較
正用標準試料に対して求めておいた放射線汚染物質の脱
離効率および捕集効率を用いて検査対象物(試料)11
に付着していた放射能に換算し、さらに捕集した汚染物
質が付着していた検査対象物11の表面汚染部位の表面
積を求めて、放射能を表面積で除して表面汚染密度を算
出するので、放射線の計数率から簡単に表面汚染密度を
求めることが可能となる。
【0101】さらに、較正用標準試料として、塗装され
たドラム缶表面、炭素鋼表面、ステンレス鋼表面、高分
子系樹脂表面、プラスティック表面、ガラス表面、セメ
ントやコンクリートなどの多孔質表面を用いる。これら
の各種材質に対して較正を行なうことにより、放射性物
質を取り扱う場所で放射能汚染を被る可能性のある各種
物品に対する汚染の脱離および捕集効率を求めておくこ
とが可能となり、放射能汚染が起こり得る可能性がある
大部分の物品の汚染検査に対応させることができる。こ
れら各種物品の汚染検査において、正確な表面汚染密度
の定量を行なうことができる。
【0102】また、脱離効率εrと捕集効率εcの較正
にあたっては、被検査体の母材にダメージを与えないレ
ーザ照射条件でのデータを取得することは当然である
が、汚染部位を除染するためのレーザ照射条件を決定し
ておくことが望ましい。
【0103】また、この非接触型表面汚染検査装置10
は、検査対象物11の物体表面が放射性物質ではなく、
ウィルスやカビ、黴菌のバクテリア物質(ポイズン物
質)で汚染された物体表面汚染を検査することができ
る。
【0104】この場合には、検査対象物11の物体表面
に付着した汚染物に表面検査用レーザ光を照射させ、表
面母材を傷めずにウィルス、カビ、黴菌等を脱離させ、
脱離した汚染物をフィルタ捕集手段を構成する捕集フィ
ルタ26で捕集する。捕集フィルタ26に捕集された汚
染物は、放射線検出器に代わり、対象とする汚染物の検
出に適するバクテリア検出器で検査することにより、ウ
ィルスやカビ、黴菌のバクテリア物質を非接触で検査す
ることができる。
【0105】検査対象物11に付着する汚染対象物をウ
ィルス、カビ、黴菌とすることで、表面検査用レーザ光
に代えて汚染対象物殺菌用レーザ光や殺菌用ランプとし
ての紫外線ランプからの放出される短波長の紫外領域の
紫外線を用いてもよい。紫外領域の波長でないレーザ光
は、波長変換素子を用いて紫外領域のレーザ光に変換さ
せて使用してもよい。
【0106】この場合、ヘッドユニット15に検査対象
物11の物体表面にバクテリア殺菌用レーザ光あるいは
殺菌紫外線光を照射可能な殺菌光照射手段(図示せず)
を備えている。殺菌光照射手段の光源であるレーザ装置
や紫外線ランプ装置はヘッドユニット15に設けても、
あるいはユニットボックス13内に設けてもよい。
【0107】さらに、非接触型表面汚染検査装置10を
ロボットや自走式走行車両に組み合せることが可能であ
り、この組合せにより、自動化や無人化による検査対象
物11の表面検査を行なうことができる。これにより、
放射線からの被曝低減や、ウィルスや黴菌等の汚染物の
感染防止を図ることができ、安全性が向上する。
【0108】図4は本発明に係る非接触型表面汚染検査
方法および表面処理装置の実施形態を示すものである。
【0109】この実施形態に示された非接触型表面汚染
検査装置40は、ヘッドユニット41の構成を基本的に
異にしたものであり、他の構成は、図1に示されたもの
と異ならないので説明を省略する。
【0110】図4は非接触型表面処理装置40のヘッド
ユニット41の平断面図を示すものである。このヘッド
ユニット41は被測定物である検査対象物11に非接触
で相対的に移動可能に設置される。ヘッドユニット41
は表面検査用レーザ光照射手段としての表面検査用レー
ザ照射ヘッド43と表面処理用レーザ光照射手段として
の表面処理用レーザ照射ヘッド44とを備え、各レーザ
照射ヘッド43,44は光ファイバ18,18をそれぞ
れ介して図1に示されるユニットボックス13のレーザ
ユニットに接続される。
【0111】表面検査用レーザ照射ヘッド43は光ファ
イバ18を通って案内されるレーザ光を拡げ、平行レー
ザ光にする光学系45が収容されており、この平行レー
ザ光を表面検査用レーザ光として検査対象物11の物体
表面に照射している。表面検査用レーザ光は検査対象物
11の物体表面にダメージを与えないように、0.4J
/cm2 以下のエネルギ密度に適宜調整される。
【0112】一方、表面処理用レーザ照射ヘッド44
は、光ファイバ18を通って案内される発振用レーザ光
を一度拡げた後、検査対象物11の物体表面上にエネル
ギ密度を高めるように集光させるように照射され光学系
46を収容している。この光学系46で表面処理用レー
ザ光は検査対象物11の物体表面に集光され、0.4J
/cm2 以上のエネルギ密度で均質なスポット光として照
射されるようになっている。表面処理用レーザ光は表面
検査用レーザ光が照射される照射エリアの例えば中央部
に照射されるようになっている。
【0113】一方、レーザ光が照射される検査対象物1
1の物体表面に向ってガス吹付け手段としてのアシスト
ガスノズル48が設けられる。このガスノズル48はリ
ング状ノズル口49を備え、このノズル口49からアシ
ストガスがレーザ光照射位置の周辺に向って吹き出され
るようになっている。アシストガスには空気、N2 、不
活性ガス(Ar,He)等が用いられる。アシスドガス
はレーザ照射ヘッド43,44の窓の汚れを防止する一
方、物体表面から脱離されるプルームの飛散防止を図っ
ている。このアシストガスはガス吸引手段を構成する吸
引ダクト50から吸引ホースを介して回収した後、再度
アシストガスノズル48に案内し、再利用させることも
できる。
【0114】また、アシストガスノズル48内に吸引ダ
クト50が設けられてい多重管構造に構成される。吸引
ダクト50は吸引口51から後方に向って延びる吸引通
路を形成しており、吸引通路の後端部に設けられるる吸
引ホース52を介してユニットボックス13(図1参
照)のバキュームユニットに接続される。このバキュー
ムユニットの作動により検査対象物11の物体表面から
脱離されたプルーム(微粒子)をアシストガスと共に吸
引口51から吸引されるようになっている。
【0115】吸引ダクト50の吸引口51の上流側には
フィルタ捕集手段を構成する捕集フィルタ53が設置さ
れると共に、コロナ放電用(プラズマ発生用)電極54
および捕集フィルタ53を帯電させる電極55(54)
がそれぞれ設置される。フィルタ帯電用電極55は捕集
フィルタ53の背面側に、コロナ放電用電極54は検査
対象物11側にそれぞれ設けられる。
【0116】また、ヘッドユニット41の背面側に捕集
フィルタ53を出入れ自在に収容したカセット式のフィ
ルタユニット56がフィルタ捕集手段として脱着自在に
設けられる。フィルタユニット56をカートリッジタイ
プとすることでメンテナンス交換が容易となる。フィル
タユニット56はフィルタ供給部57とフィルタ回収部
58とを一体的に備え、フィルタ供給部57から送り出
される捕集フィルタ53はフィルタ供給部59を通って
吸引ダクト50の吸引口51を横断するように案内さ
れ、この横断後にフィルタ回収路60を通ってフィルタ
回収部58に巻き取られるようになっている。
【0117】さらに、フィルタ供給路59とフィルタ回
路60の途中に、プルーム検出手段としての対をなす放
射線検出器62,63が設置され、両放射線検出器6
2,63で捕集フィルタ53に捕集される前の放射線量
と捕集後のプルームの放射線量とを測定している。放射
線検出器62,63は放射線バックグランドの高い所で
の測定を考慮し、放射線遮蔽体64で周りが覆われてい
る。放射線バックグランドの低い所で捕集フィルタ53
の放射線計測を行なう場合には、放射線計測のための放
射線遮蔽体64を減じて薄肉化したり、また無くすこと
ができる。
【0118】捕集フィルタ53に捕集された汚染物(プ
ルーム)の放射線を計数する場合、放射線遮蔽体64で
バックグランドの放射線を遮蔽でき、この放射線遮蔽構
造とすることで、ノイズに対する信号感度(S/N比)
を向上させることができる。
【0119】さらに、ヘッドユニット40には図示しな
いカセット式のフィルム保持装置が脱着自在に設けられ
る。フィルム保持装置はフィルム供給部から絞り出され
る帯状の保護フィルムをフィルム作用域を介してフィル
ム回収部に巻き取られるようになっている。保護フィル
ムは透明あるいは半透明フィルムの表面に金属またはセ
ラミックスが蒸着あるいは塗着で付着させたものであ
る。
【0120】保護フィルムはフィルム作用域で被測定物
である検査対象物11の物体表面に対向するようになっ
ており、このフィルム作用域で保護フィルムの裏面側に
表面処理用レーザ光照射手段である表面処理用レーザ照
射ヘッド44から表面処理用レーザ光が照射される。
【0121】表面処理用レーザ光が照射されると保護フ
ィルムに付着している金属あるいはセラミックスの粒子
がアブレーションで検査対象物11の物体表面に向って
飛び出し、物体表面に転着される。しかして、検査対象
物11の物体表面に汚染部位が存在し、この汚染部位の
汚染物が表面検査用レーザ光あるいは表面処理用レーザ
光の照射によっても除去(除染)されないとき、フィル
ム保持装置を作動させて保護フィルムを繰り出し、保護
フィルム背面側からエネルギ密度の高い表面処理用レー
ザ光を照射し、保護フィルム上の金属やセラミックスを
表面汚染部位に転着させることができ、この金属やセラ
ミックスの転着で表面汚染部位の汚染物はカバーされ封
じ込められる。
【0122】次に、非接触型表面処理装置40による被
測定物である検査対象物11の表面処理作用について説
明する。
【0123】この非接触型表面処理装置40は、被測定
物である検査対象物11が重い場合や大型構造物の場合
で、検査対象物11自体を移動させることが困難な場合
に適する。逆に検査対象物11の移動が比較的簡単な場
合には、ヘッドユニット41を固定して検査対象物11
だけを駆動させるようにしたものにも適用できる。さら
に、検査対象物11を上下および回転駆動させ、ヘッド
ユニット41を前後左右に移動させる構造とすることで
無駄な動きを無くして検査効率を上げるようにしたもの
にも適用できる。
【0124】この表面処理装置40で検査対象物11の
表面処理を行なう場合、初めに、検査対象物11の物体
表面の表面汚染検査が行なわれる。この表面汚染検査時
には、コロナ放電(プラズマ発生装置)によりアシスト
ガスや空気をイオン化し、物体表面に付着した汚染物を
アシストガスと共に回収し易いようにしている。
【0125】初めに、表面検査用レーザ光照射手段を作
動させて表面検査用レーザ照射ヘッド43から表面検査
用レーザ光を照射される。このレーザ光の照射により検
査対象物11の物体表面に付着した汚染物を脱離させ
る。表面検査用レーザ光の照射により脱離したプルーム
はアシストガスと共にフィルタ捕集手段に回収され、捕
集される。捕集されたプルームはプルーム検出手段で検
出され、表面汚染部位や表面汚染密度が測定される。
【0126】検査対象物11の物体表面の塗装膜やセラ
ミック酸化膜等の表面保護膜が剥れた時、または汚染物
20が強固に付着していて剥れる時に、物体表面を金属
箔またはセラミックス箔で覆うために、表面検査用レー
ザ光に代えて表面処理用レーザ光が使用される。表面処
理用レーザ光照射手段から0.4J/cm2 以上、例えば
1J/cm2 のエネルギ密度の高い表面処理用レーザ光を
照射することにより、検査対象物11の物体表面から塗
装膜や金属膜の保護膜をアブレーションにより汚染物と
一緒に除去し、除染するようになっている。表面処理用
レーザ光は、0.4J/cm2 以上数百J/cm2 に及び高
エネルギ密度のものも存在する。
【0127】検査対象物11の物体表面を覆い、保護す
る金属またはセラミックスの保護膜形成は保護フィルム
を用いて行なわれる。保護フィルムは透明または半透明
のフィルム上に金属またはセラミックスが蒸着または塗
布されたものである。この保護フィルム蒸着または塗布
側を検査対象物11の物体表面に対向させ、反対側から
保護フィルム上に表面処理用レーザ光を照射し、保護フ
ィルム上の金属またはセラミックスを飛ばして物体表面
に転着させ、この金属やセラミックスで物体表面を覆う
ことにより、物体表面に金属膜やセラミックス膜の保護
膜を形成し、汚染物の封じ込めを行なうようになってい
る。
【0128】図4に示された非接触型表面処理装置40
では、検査対象物11の物体表面の表面汚染検査並びに
除染機能を図1ないし図3に示された表面汚染検査装置
10と同様に有する一方、物体表面除染部位の除染およ
び表面汚染部位に保護フィルム上の金属またはセラミッ
クスを転着させて汚染物の封じ込めを行ない、物体表面
に金属やセラミックスの保護膜を形成する。保護膜を容
易に取れないように固着させて汚染物を閉じ込め、汚染
の拡大を防止する機構を備えている。この汚染拡大防止
機構は、表面処理用レーザ光を金属やセラミックスを蒸
着あるいは塗着した保護フィルムをフィルム側から照射
して検査対象物11の汚染箇所の表面に金属膜やセラミ
ックス膜を転着させ、汚染物の封じ込めを行なう汚染物
封じ込め手段である。
【0129】この非接触型表面処理装置40において
は、検査対象物11の物体表面の汚染検査は、表面検査
用レーザ照射ヘッド43からのレーザ光を照射させるこ
とにより、図1ないし図3に示される表面汚染検査と同
様にして初めに行なわれる。その際、レーザ照射ヘッド
43から出力される検査対象物11の照射エリアにアシ
ストガスノズル48からアシストガスが積極的に吹き掛
けられる点が、図1ないし図3で示された表面汚染検査
方法と相違する。
【0130】表面検査用レーザ光が照射された照射エリ
アにはアシストガスも吹き付けられ、レーザ光照射によ
る熱・衝撃振動ならびにアシストガスの吹付け力により
検査対象物11に付着していたゴミ、埃、放射性汚染物
等の汚染物(異物)は、プルーム(微粒子)として物体
表面から脱離される。脱離したプルームはアシストガス
と共に吸引口51側に案内され、吸引口51に吸引され
る前に捕集フィルタ53にて捕集される。
【0131】この捕集フィルタ53による捕集を効率的
に行なうために、捕集フィルタ53は電極54,55に
より帯電せしめられる一方、イオン化手段としての電離
手段である放電電極54からのコロナ放電やプラズマ発
生あるいはレーザ光照射によりアシストガスを電離さ
せ、イオン化しており、レーザ光照射によりイオン化し
た脱離プルームをアシストガスと共に回収し易いように
配慮している。
【0132】また、検査対象物11の物体表面汚染部位
を特定し、除染処理位置を同定するために、検査対象物
11あるいはヘッドユニット41の駆動装置、フィルム
ユニット56および汚染物(粒子)吸引機構の作動を計
算機にてレーザ光照射部分と対応させている。
【0133】検査対象物11の物体表面の汚染部位が確
定し、特定された後に、特定された表面汚染部位を局所
的に除染するために、表面処理用レーザ光照射手段が用
いられる。この表面処理用レーザ光照射手段は、表面処
理用レーザ光のエネルギ密度を0.4J/cm2 以上に設
定し、物体表面の塗装膜あるいは金属表面をアブレーシ
ョンにより汚染物と一緒に除去(除染)している。この
場合、表面検査用レーザ光照射手段の光学系を操作して
表面処理用レーザ光を得られるようにしてもよい。元の
表面検査用レーザ光は0.4J/cm2 以下のエネルギ密
度で、塗装母材にダメージを与えないエネルギ密度にな
っているので、この表面検査用レーザ光を表面処理用レ
ーザ光に変えるには、光ファイバ18出口のマルチレン
ズの焦点距離を変えたり、またレンズを新たに挿入する
ことによりエネルギ密度を可変とすることができる。ま
た、エネルギ密度を可変とし、照射エリアが絞り込まれ
て小さくなったことに伴い、検査対象物11あるいはヘ
ッドユニット41の駆動プログラムが追従移動するよう
になっている。
【0134】また、検査対象物11に照射されるレーザ
光を表面検査用レーザ光から表面処理用レーザ光に変え
ると、照射エリアのエネルギ密度が上がり、アブレーシ
ョンによって発生するプルームの量が増加する。プルー
ムの飛出し速度も上昇する。プルーム量の増加や飛出し
速度の上昇に対応させるために、照射エリアに吹き出さ
れるアシストガスの量を増大させる一方、アシストガス
吸引量を変更可能な構造としておくことが望ましい。
【0135】さらに、照射エリアに吹き付けられ、脱離
プルームと共に吸引ダクト50に吸引されるアシストガ
スを捕集フィルタ53通過後に回収し、再びアシストガ
スノズル48に供給できるリサイクル構造とすること
で、再度アシストガスを照射エリアに吹き付けることが
でき、アシストガスの消費量を低減させることができ
る。
【0136】図5は本発明に係る非接触型表面汚染検査
方法および表面処理装置の他の実施形態を示すものであ
る。
【0137】この実施形態に示された非接触型表面処理
装置70は、レーザ光照射手段とガス吹付け手段、イオ
ン化手段である電離手段のレイアウト構成が、図4に示
される非接触型表面処理装置40と基本的に相違し、他
の構成は実質的に異ならないので同じ符号を付して説明
する。
【0138】この実施形態に示されたレーザ光照射手段
であるレーザ照射ヘッド71はガス吸引手段である吸引
ダクト50の一側に配置され、1つのレーザ照射ヘッド
71で物体表面の汚染を検査する表面検査用と物体表面
の除染等の表面処理を行なう表面処理用の2つの機能を
兼ねている。レーザ照射ヘッド71は内部に光学系を構
成する光学レンズを挿入したり、また複数枚、例えば2
枚の光学レンズを組み合せてレーザ光照射部のエネルギ
密度を調整でき、1つのレーザ照射ヘッド71から表面
検査用レーザ光と表面処理用レーザ光とを選択的に出力
できるように構成している。表面検査用レーザ光と表面
処理用レーザ光とはレーザ光照射位置が同じ位置となる
ように調節されている。
【0139】レーザ照射ヘッド71の側方には、レーザ
光照射部にアシストガスを吹き付けるガス吹付け手段と
してのアシストガスノズル72が並設される。アシスト
ガスノズル72から吹き出されるアシストガスはレーザ
光照射部に吹き付けられた後、ガス吸引手段である吸引
ダクト50により回収され、吸引されるようになってい
る。アシストガスノズル72のノズル口はレーザ光照射
部に向けて吹き出されるように構成され、吹き出された
アシストガスが吸引ダクト50にスムーズに回収される
ように、カバーガイド73で案内される。
【0140】カバーガイド73はレーザ照射ヘッド71
に対しアシストガスノズル72と反対側に設けられる。
カバーガイド73によりアシストガスが案内される吸引
ダクト50は吸引口74が斜めに開口し、開口面積を大
きくとっている。吸引ダクト50は吸引ホース52を介
してユニットボックス13(図1参照)のバキュームユ
ニットに接続される。
【0141】吸引口74を覆うようにフィルタ捕集手段
の捕集フィルタ55が設置される。フィルタ捕集手段を
構成するフィルタユニット56はカセット式で脱着自在
に設けられ、フィルタユニット56のフィルタ供給部5
7から繰り出された捕集フィルタ53がフィルタ供給路
59を経て吸引口を横断するようになっており、吸引口
74を横断して捕集フィルタ53はフィルタ回収路60
を経てフィルタ回収部58に回収されるようになってい
る。
【0142】一方、プルーム検出手段を構成する放射線
検出器62,63や放射線遮蔽体64は図4に示す放射
線検出器や放射線遮蔽体とレイアウト構造を同じくし、
異ならない。
【0143】また、ガス吸引手段を構成する吸引ダクト
50の吸引口74側に、捕集フィルタ53に対向して帯
電用電極55が、また吸引口74の上流側に放電用電極
54が配置され、イオン化手段としての電離手段や帯電
手段を構成している。放電用電極54からのコロナ放電
あるいはプラズマ発生によりアシストガスが電離され、
イオン化されるようになっており、帯電手段では、捕集
フィルタ53にイオン化されたアシストガスと逆の電位
が印加されて帯電し、物体表面から脱離あるいは除染さ
れるプルームの捕集効率を向上させている。捕集フィル
タ53にはエレクトレットフィルタを採用してもよい。
【0144】この非接触型表面処理装置70において
は、レーザ光照射手段であるレーザ照射ヘッド71から
表面検査用レーザ光を出力し、この平行レーザ光を検査
対象物11の物体表面に照射させることにより、物体表
面に付着している汚染物が熱および衝撃振動により脱離
される。この場合、非接触型処理装置70は表面汚染検
査装置として機能する。脱離されたプルームはアシスト
ガスと共にカバーガイド73に案内されてガス吸引手段
に回収され、吸引口74から吸引ダクト50に吸引され
る。
【0145】吸引ダクト50に吸引されるアシストガス
は、レーザ光やコロナ放電あるいはプラズマ発生により
電離され、イオン化される一方、捕集フィルタ53は帯
電用電極55によりイオン化されたアシストガスと逆の
電位に帯電せしめられる。捕集フィルタ53への帯電に
より、捕集フィルタ53とプルームとの間に静電的な吸
引力が作用し、プルームは効率よく捕集フィルタ53に
分別回収され、捕集される。
【0146】捕集フィルタ53はヘッドユニット41あ
るいは検査対象物11の相対的移動に連動して一定時間
毎に追従移動する。この追従移動により捕集フィルタ5
3に捕集されたプルームがプルーム検出手段である放射
線検出器63により検出される。放射線検出器63での
検出信号を信号処理することにより、検査対象物11の
表面汚染部位を特定し、表面汚染密度を定量することが
できる。
【0147】検査対象物11の表面汚染部位が特定され
た後、この汚染部位を除染するために、レーザ光照射手
段を構成するレーザ照射ヘッド71は光学系が調整され
て表面検査用レーザ光からエネルギ密度が0.4J/cm
2 以上と高い表面処理用レーザ光に切り換えられ、この
表面処理用レーザ光が照射される。
【0148】表面処理用レーザ光の照射により、検査対
象物11の表面汚染部位に付着している汚染物が塗装膜
や金属膜の一部とともにアブレーションで除去(除染)
され、アシストガスと共にガス吸引手段に吸引され、回
収される。この場合にも、エネルギ密度0.4J/cm2
以下の表面検査用レーザ光を局所的に多数回、例えば数
十回〜数百回繰返し照射し、表面汚染部の塗装膜や金属
膜の保護膜ごと離脱させて除染するようにしてもよい。
表面検査用レーザ光を例えば多数回反復照射させること
により、レーザ光照射部位のエネルギが高められ、物体
表面から汚染物が脱離させ、除染させることができる。
【0149】表面処理用レーザ光の照射や表面検査用レ
ーザ光の繰返し照射によっても、物体表面の除染が充分
でない場合、あるいは物体表面の汚染物の封じ込めを行
なう場合には、図示しないカセット式のフィルム保持装
置と協動させる。
【0150】この場合、フィルム保持装置から繰り出さ
れた保護フィルムを検査対象物11の表面汚染部位を覆
うように対向させて設置し、保護フィルム裏面側から表
面処理用レーザ光を照射する。このレーザ光の照射によ
り保護フィルム上に付着していた金属やセラミックス粒
子がアブレーションで飛び出し、検査対象物11の表面
汚染部位に順次付着し、表面汚染部位を覆うように転着
される。保護フィルム上の金属やセラミックスの転着に
より、検査対象物11の表面汚染部位置は覆われて保護
膜が形成され、汚染物が封じ込められる。
【0151】なお、本発明の各実施形態においては、検
査対象物の物体表面に付着される汚染物が放射性物質で
ある場合を主に説明したが、汚染物は放射性物質の場合
に限定されず、ウィルス、カビ、黴菌等のバクテリア物
質やポイズン物質であってもよい。
【0152】バクテリア物質の場合にも、0.4J/cm
2 以下のエネルギ密度の表面検査用レーザ光を物体表面
に照射させることで、物体表面の保護膜や母材を損傷さ
せたり、ダメージを与えることなく、バクテリア物質を
物体表面から脱離させるこができ、脱離したバクテリア
物質は、この物質に合うフィルタ捕集手段で捕集し、バ
クテリア検出手段で検出することができる。
【0153】この場合、バクテリア検出手段は、放射線
検出器に代わり、バクテリア物質の種類に対応するバク
テリア検出器であり、このバクテリア検出器による検出
で、ウィルス、カビ、黴菌等のバクテリアの非接触検査
を行なうことができる。
【0154】さらに、ヘッドユニットに、表面検査用レ
ーザ光に代わり、殺菌用レーザ光あるいは殺菌光を照射
する殺菌光照射手段を設け、この殺菌光照射手段から殺
菌用レーザ光あるいは殺菌光である短波長の紫外領域の
光を検査対象物の物体表面に照射させてもよい。
【0155】殺菌用レーザ光が紫外領域の波長のレーザ
光でない場合には、波長変換素子を殺菌光照射手段に組
み入れて紫外領域のレーザ光に変換させるようにすると
よい。また、殺菌光には紫外線ランプからの紫外線を用
いてもよい。
【0156】殺菌光照射手段からの殺菌用レーザ光ある
いは殺菌光の照射により検査対象物の物体表面に付着さ
れているバクテリア物質は殺菌される一方、バクテリア
物質に付与される熱および衝撃振動によりバクテリア物
質は死骸や残骸となって脱離される。脱離した死骸や残
骸はフィルタ捕集手段で捕集される。
【0157】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る非接触
型表面汚染検査方法および表面汚染検査装置において
は、被測定物である検査対象物の物体表面に濾紙等を押
し付けて表面汚染部位を擦って汚染物を濾紙に転着させ
る必要がなく、非接触で表面汚染部位の特定ができ、汚
染部位の拡大を有効的に未然に防止できる。検査対象物
の表面形状や汚染物付着状態如何によって、濾紙等で吹
き取れなかった部位に対しても、表面汚染部位の検査を
有効的に行なうことができる。
【0158】また、本発明に係る非接触型表面汚染検査
方法および表面汚染検査装置においては、検査対象物の
酸化膜や塗装膜等の表面保護層を損傷させたり、ダメー
ジを与えることなく、ドライな方法で表面汚染検査を行
なうことができる。
【0159】請求項1に係る非接触型表面汚染検査方法
では、検査対象物の物体表面に付着している汚染物を母
材や表面保護層を損傷させたり、ダメージを与えること
なく、物体表面から脱離させる一方、脱離したプルーム
をフィルタ捕集手段で回収し、プルーム検出手段で検出
するようにしたので、検出対象物の物体表面を非接触で
表面汚染検出することができる。この表面汚染検査方法
では、検査対象物の物体表面汚染を検査しながら局所的
に汚染している箇所を把握でき、除染範囲の特定を円滑
かつスムーズに行なうことができる。
【0160】請求項2に係る非接触型表面汚染検査方法
では、表面検査用レーザ光のエネルギ密度を0.4J/
cm2 以下としたので、表面汚染検査時に検査対象物の母
材や表面保護層を損傷させたり、ダメージを与えること
がない。検査対象物の母材や表面保護層にダメージを与
えることなく、汚染物を数十%から80%程度脱離させ
ることができる。
【0161】請求項3に係る非接触型表面汚染検査方法
では、検査対象物をヘッドユニットに相対的移動させる
ことにより、検査対象物を2次元あるいは3次元的に表
面汚染検査することができ、かつ物体表面から脱離した
プルームを外部に飛散させることなくガス吸引手段で効
率よく回収することができる。
【0162】請求項4に係る非接触型表面汚染検査方法
では、検査対象物の物体表面から脱離したプルームをア
シストガスと協動させてガス吸引手段で回収させること
ができ、脱離したプルームを外部に飛散させることがな
い。
【0163】請求項5に係る非接触型表面汚染検査方法
では、フィルタ捕集手段の捕集フィルタが正または負に
帯電せしめられたり、また、誘電体フィルタに形成され
る正または負の電気的分極特性により、検査対象物の物
体表面から脱離したプルームを効率よく能率的に捕集さ
せることができる。
【0164】請求項6に係る非接触型表面汚染検査方法
では、検査対象物の物体表面汚染部位を特定することが
できる。
【0165】請求項7に係る非接触型表面汚染検査方法
では、イオン化手段によりアシストガスあるいは空気を
電離させ、イオン化させる一方、イオン化した気体と逆
の電位をフィルタ捕集手段が有するので、フィルタ捕集
手段で検査対象物の物体表面から脱離したプルームを効
率よく能率的に捕集することができる。
【0166】請求項8に係る非接触型表面汚染検査方法
では、レーザ光照射手段から照射されるレーザ光のエネ
ルギ密度を変化させ得るようにしたので、このレーザ光
により検査対象物の物体表面からの汚染物を脱離させ、
除染させることができ、除染作業の効率化を図ることが
できる。
【0167】請求項9に係る非接触型表面汚染検査方法
では、検査対象物の物体表面が脱離した汚染物(プルー
ム)を捕集し、捕集された汚染物をプルーム検出手段の
放射線検出器で検出し、演算処理することで、レーザ光
照射部位の表面汚染密度を定量することができる。
【0168】請求項10に係る非接触型表面汚染検査方
法では、予め多数の較正用標準材料から多種部品に対す
る汚染の脱離および捕集効率を求めておくことができ、
各種部品の表面汚染検査において表面汚染密度の定量を
正確に行なうことができる。
【0169】請求項11に係る非接触型表面汚染検査装
置においては、検査対象物の物体表面に付着されている
汚染物を母材や表面保護層にダメージを与えることなく
物体表面から脱離させ、脱離したプルームをフィルタ捕
集手段で回収してプルーム検出手段で検出でき、このプ
ルーム検出手段からの検出信号を処理することで検査対
象物の表面汚染部位を非接触で特定し、表面汚染密度を
定量し、表面汚染量を測定し、表面汚染検査をドライな
方法で行なうことができる。
【0170】請求項12に係る非接触型表面汚染検査装
置では、検査対象物の物体表面から脱離したプルームを
外部に飛散させることなく効率的に回収し、フィルタ捕
集手段に効率よく捕集させることができる。
【0171】請求項13に係る非接触型表面汚染検査装
置では、検査対象物の物体表面から脱離したプルームを
カバーガイドでガス吸引手段にスムーズに案内すること
ができ、脱離プルームの捕集効率を高めることができ
る。
【0172】請求項14に係る非接触型表面汚染検査装
置では、検査対象物の物体表面から脱離したプルームを
吹き付けられたアシストガスの補助作用を受けてガス吸
引手段に回収させ、吸引させることができる。
【0173】請求項15および16に係る非接触型表面
汚染検査装置では、イオン化手段によりアシストガスあ
るいは空気を電離させ、イオン化させる一方、イオン化
された気体と逆の電位をフィルタ捕集手段の捕集フィル
タにかけて帯電させたので、捕集フィルタでのプルーム
の回収あるいは捕集効率を向上させ、プルームを効率よ
く能率的に捕集させることができる。
【0174】請求項17に係る非接触型表面汚染検査装
置では、フィルタ捕集手段は繊維層そのものが半永久的
に帯電しているエレクトレットフィルタを用いたので、
無帯電の捕集フィルタに帯電させるために粒子荷電機や
帯電用電極のフィルタ近傍装置のような帯電手段が不要
となり、構成を簡素化でき、保守性と経済性が向上す
る。
【0175】請求項18に係る非接触型表面汚染検査装
置では、エレクトレットフィルタを可能性と柔軟性に優
れ、薄くて強度の強いフィルタ材とすることができ、し
かも加工性に優れ、汎用性が高く、経済的に安価に製造
できる。
【0176】請求項19に係る非接触型表面汚染検査装
置では、他の高分子系材料に較べ、帯電密度が高く、か
つ帯電状態が安定なフィルタを形成することができ、プ
ルーム(粒子)の捕集効率と保持能力が高い利点があ
る。
【0177】請求項20に係る非接触型表面汚染検査装
置では、検査対象物の物体表面に照射される表面検査用
レーザ光のエネルギ密度を0.4J/cm2 以下としたの
で、検査対象物の母材や塗装膜等の保護膜に損傷やダメ
ージを与えることなく、物体表面から数十%〜80%脱
離させることができる。
【0178】請求項21に係る非接触型表面汚染検査装
置では、マルチバンドルファイバを光ファイバが採用す
ることにより、1本当りのファイバに通すエネルギを少
なくし、ファイバの損傷をできるだけ少なく抑えること
ができる。
【0179】請求項22に係る非接触型表面汚染検査装
置では、検査対象物の物体表面に照射するレーザ光のビ
ーム形状を整形し、表面汚染部位の検査を効率よく行な
うことができる。
【0180】請求項23に係る非接触型表面汚染検査装
置では、フィルタ捕集手段をカセット式フィルタユニッ
トで形成したので、フィルタユニットをヘッドユニット
に簡単かつ容易に脱着させることができ、交換が容易と
なる。
【0181】請求項24に係る非接触型表面汚染検査装
置では、バックグランドの放射線を遮蔽する放射線遮蔽
構造とすることで、ノイズに対する信号感度(S/N
比)を向上させることができ、高放射線レベルの検査対
象物や高放射線レベル環境下での測定が可能となる。
【0182】また、本発明に係る非接触型表面処理方法
および表面処理装置においては、被測定物である検査対
象物の物体表面に濾紙等を押し付けて表面汚染部位を擦
って汚染物を濾紙に転着させる必要がなく、非接触で表
面汚染部位の特定ができ、汚染部位の拡大を有効的に未
然に防止できる。検査対象物の表面形状や汚染物付着状
態如何によって、濾紙等で吹き取れなかった部位に対し
ても、表面汚染部位の検査を有効的に行なうことができ
る。
【0183】また、本発明に係る非接触型表面処理方法
および表面処理装置においては、検査対象物の酸化膜や
塗装膜等の表面保護層を損傷させたり、ダメージを与え
ることなく、ドライな方法で表面汚染検査を行なって表
面汚染部位の特定ならびに表面汚染密度を定量させるこ
とができる一方、特定された表面汚染部位だけに表面処
理用レーザ光を照射させて除染作業を行なうことがで
き、除染範囲を特定することで除染作業の効率化を図る
ことができ、また除染していない部位への悪影響を極力
少なくすることができる。これにより、表面汚染検査と
除染作業を1つの表面処理装置で効率よく行なうことが
できる。
【0184】請求項25に係る非接触型表面処理方法で
は、高放射線環境下においても、表面汚染部位を拡大さ
せることなく非接触で検査対象物の表面汚染検査を行な
う一方、表面汚染検査により特定された表面線部位を効
率的に除染させ、表面保護処理を行なうことができる。
【0185】請求項26に係る非接触型表面処理方法で
は、検査対象物の表面汚染部位を金属またはセラミック
スの転着によって覆い、容易に取れないように金属また
はセラミックスの保護膜を形成し、表面汚染部位の汚染
物を閉じ込めるようにしたので、表面汚染の拡大を防止
し、表面汚染部位の保護を図ることができる。
【0186】請求項27に係る非接触型表面処理方法で
は、検査対象物の表面汚染部位に0.4J/cm2 以下の
表面検査用レーザ光を繰り返し数十回〜数百回の多数回
照射させることにより、レーザ光照射部位のエネルギが
高められ、塗装膜あるいは金属膜を汚染物と一緒にアブ
レーションにより除去することができる。
【0187】請求項28に係る非接触型表面処理方法で
は、検査対象物の表面汚染部位に0.4J/cm2 以下の
検査対象物検査用レーザ光を繰り返し数十回〜数百回の
多数回照射させることにより、レーザ光照射部位のエネ
ルギが高められ、塗装膜あるいは金属膜を汚染物と一緒
にアブレーションにより除去することができる。
【0188】請求項29に係る非接触型表面処理方法で
は、ヘッドユニットと検査対象物とを相対的に移動させ
ることにより、検査対象物の物体表面を2字元あるいは
3次元的に表面汚染検査を行ない、表面汚染部位の除染
等の表面処理を行なうことができる。
【0189】請求項30に係る非接触型表面処理方法で
は、検査対象物の物体表面から脱離るいは除染されたプ
ルームをアシストガスの補助を受けて外部に飛散させる
ことなく、ガス吸引手段に効率よく回収し、フィルタ捕
集手段で能力的に効率よく捕集することができる。
【0190】請求項31に係る非接触型表面処理方法で
は、検査対象物の物体表面のレーザ照射部にアシストガ
スを吹き付け、プルームと一緒に吸引されたアシストガ
スをフィルタ捕集手段通過後、再度レーザ照射部に吹き
掛け、リサイクルして利用することで、アシストガスの
消費量を低減することができる。
【0191】請求項32に係る非接触型表面処理装置に
おいては、検査対象物の物体表面に付着している汚染物
を母材や表面保護層を損傷させたり、ダメージを与える
ことなく、物体表面から脱離させる一方、脱離したプル
ームをフィルタ捕集手段で回収し、プルーム検出手段で
検出するようにしたので、検出対象物の物体表面を非接
触で表面汚染検出することができる。この表面処理装置
では、検査対象物の物体表面汚染を検査しながら局所的
に汚染している箇所を把握でき、除染範囲の特定を円滑
かつスムーズに行なうことができ、請求項33に係る非
接触型表面処理装置では、表面処理装置に表面検査用レ
ーザ光照射手段と表面検査用レーザ光照射手段を設けた
ので、検査対象物の物体表面の表面汚染検査を行なうと
共に、表面汚染部位の除染等の表面処理を1つの装置で
効率よく行なうことができる。
【0192】請求項34に係る非接触型表面処理装置で
は、表面検査レーザ光照射手段と表面処理用レーザ光照
射手段を一体的に構成したので、コンパクト化を図るこ
とができ、省スペース化が図れる。
【0193】請求項35に係る非接触型表面処理装置で
は、検査対象物の物体表面から脱離あるいは除染される
プルームはアシストガスの補助を受けてガス吸引手段に
効率よく回収することができ、プルームが外部に飛散す
るのを有効的に防止できる。
【0194】請求項36に係る非接触型表面処理装置で
は、イオン化手段でアシストガスあるいは空気をイオン
化させると共に、イオン化された気体の逆の電位にフィ
ルタ捕集手段が保たれるので、検査対象物の物体表面か
ら脱離あるいは除染されるプルームを有効的に回収し、
プルームの回収効率、捕集効率を向上させることができ
る。
【0195】請求項37に係る非接触型表面処理装置で
は、検査対象物の物体表面の表面汚染部位に保護フィル
ムの裏面側から表面処理用レーザ光を照射し、表面に付
着されてい金属またはセラミックスを飛ばし、物体表面
の表面汚染部位に付着させ、転着させたので、表面汚染
部位の汚染物を封じ込めることができ、表面汚染の拡大
を有効的に防止できる。
【0196】請求項38に係る非接触型表面処理装置で
は、検査対象物の汚染物を放射性物質からウィルスやカ
ビ、黴菌等のバクテリア物質を対象として同様に表面母
材を傷めずにウィルスやカビ、黴菌のバクテリアを脱離
させる。それぞれに合ったフィルタ捕集手段で捕集し、
放射線測定器に代わるバクテリア検出器で検査するよう
に工夫して非接触でウィルスやカビ、黴菌等のバクテリ
アを検査できる。
【0197】請求項39に係る非接触型表面処理装置で
は、検査対象物の汚染物をウィルスやカビ、黴菌等のバ
クテリア物質にすることに伴い、除染に代わり殺菌する
ためにレーザ光あるいはランプの波長を短波長の紫外領
域の殺菌を使用する。また、紫外領域の波長でないレー
ザ光では波長変換素子を入れて紫外領域に変換すること
により、物体表面に付着したバクテリアをアブレーショ
ンにより汚染殺菌を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の一実
施形態を示す全体的な構成図。
【図2】図1の非接触型表面汚染検査装置に備えられる
ヘッドユニットの平断面図。
【図3】図2に示されたヘッドユニットの縦断面図。
【図4】本発明に係る非接触型表面処理装置の実施形態
を示すヘッドユニットの平断面図。
【図5】本発明に係る非接触型表面処理装置の他の実施
形態を示すヘッドユニットの平断面図。
【符号の説明】
10 表面汚染検査装置 11 検査対象物(被測定物) 12 保護テーブル 13 ユニットボックス 14 接続ホース(可撓性接続手段) 15 ヘッドユニット 16 リフト機構 18 光ファイバ 19 レーザ照射ヘッド(レーザ光照射手段) 20 汚染物(異物) 22 カバーガイド 23 吸引口 24 吸引ダクト(ガス吸引手段) 25 フィルタユニット(フィルタ捕集手段) 26 捕集フィルタ 27 フィルタ供給部 28 フィルタ回収部 30 放射線検出部(プルーム検出領域) 31 放射線検出器(プルーム検出領域) 33 高圧印加部 34 電極(放電用電極) 35 電極(帯電用電極) 40,70 表面処理装置 41 ヘッドユニット 43 表面検査用レーザ照射ヘッド(表面検査用レーザ
光照射手段) 44 表面処理用レーザ照射ヘッド(表面処理用レーザ
光照射手段) 45,46 光学系 48 アシストガイノズル(ガス吹付け手段) 50 吸引ダクト 51 吸引口 52 吸引ホース 53 捕集フィルタ(フィルタ捕集手段) 54,55 電極 56 フィルタユニット(フィルタ捕集手段) 57 フィルタ供給部 58 フィルタ回収部 59 フィルタ供給路 50 フィルタ回収路 62,63 放射線検出器(プルーム検出手段) 64 放射線遮蔽体 71 レーザ照射ヘッド(レーザ光照射手段) 72 アシストガスノズル(ガス吹付け手段) 73 カバーガイド 74 吸引口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21F 9/28 ZAB G21F 9/28 511Z 511 G01N 1/28 T (72)発明者 山口 恭志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 松井 政雄 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物の検査対象物にレーザ光を照射
    して上記検査対象物の物体表面に付着した汚染物を物体
    表面から脱離させ、脱離したプルームをフィルタ捕集手
    段に吸着させて捕集し、このフィルタ捕集手段に捕集さ
    れたプルームをプルーム検出手段で検出して信号処理
    し、検査対象物の表面汚染部位および表面汚染密度を非
    接触に検査することを特徴とする非接触型表面汚染検査
    方法。
  2. 【請求項2】 検査対象物にレーザ光照射手段から0.
    4J/cm2 以下のエネルギ密度の表面検査用レーザ光を
    照射し、検査対象物の母材にダメージを与えず物体表面
    から汚染物の一部あるいは全部を脱離させる請求項1記
    載の非接触型表面汚染検査方法。
  3. 【請求項3】 検査対象物に対しレーザ光照射手段を備
    えたヘッドユニットを相対的に移動自在に支持し、上記
    レーザ光照射手段から検査対象物の物体表面に表面検査
    用レーザ光を照射させる一方、このレーザ光照射により
    物体表面から脱離したプルームを周囲空気とともにガス
    吸引手段で吸引し、この吸引通路に設けられたフィルタ
    捕集手段でプルームを捕集する請求項1記載の非接触型
    表面汚染検査方法。
  4. 【請求項4】 検査対象物の物体表面にレーザ光照射手
    段から表面検査用レーザ光を照射させる際、レーザ光照
    射部位の周辺にアシストガスをガス吹付け手段で吹き付
    け、吹き付けられたアシストガスをレーザ光照射で物体
    表面から脱離したプルームとともにガス吸引手段で吸引
    し、ガス吸引手段の吸引通路に設けられたフィルタ捕集
    手段でフィルタを捕集する請求項1記載の非接触型表面
    汚染検査方法。
  5. 【請求項5】 フィルタ捕集手段は、外部から電気エネ
    ルギを加えることにより正または負に電気的に帯電させ
    られるフィルタで構成されたり、または外部から電気エ
    ネルギを加えることなく正または負の電気的分極特性を
    備えた材料を主成分とする誘電体フィルタで構成する請
    求項1記載の非接触型表面汚染検査方法。
  6. 【請求項6】 フィルタ捕集手段は、フィルタ回収駆動
    が検査対象物またはヘッドユニットの駆動に合せて行な
    われ、フィルタ回収駆動とタイミングをとってプルーム
    検出手段で検出し、信号処理することにより、検査対象
    物の物体表面汚染部位を特定する請求項1記載の非接触
    型表面汚染検査方法。
  7. 【請求項7】 ガス吸引手段に回収され、吸引されるア
    シストガスあるいは物体表面を覆う空気をイオン化手段
    でイオン化させる一方、イオン化した気体と逆の電位を
    フィルタ捕集手段が有する請求項1記載の非接触型表面
    汚染検査方法。
  8. 【請求項8】 レーザ光照射手段から検査対象物の物体
    表面に照射されるレーザ光の照射方法、あるいはレーザ
    光照射手段に収容される光学系を変え、検査対象物の物
    体表面に付着した汚染物を除染させる請求項1記載の非
    接触型表面汚染検査方法。
  9. 【請求項9】 プルーム検出手段は、フィルタ捕集手段
    に捕集されたプルームから放出される放射線を検出する
    放射線検出器を備え、この放射線検出器で計測される放
    射線計数率と、放射線計測の幾何学的な位置での放射線
    の検出効率と、検査対象物と同一仕様の較正用標準試料
    に対する汚染物の脱離・捕集効率と、検査対象物の物体
    表面に照射されるレーザ光の照射表面部位の表面積とか
    ら、レーザ光照射表面部位の放射能による表面汚染密度
    を定量する請求項1記載の非接触型表面汚染検査方法。
  10. 【請求項10】 脱離・捕集効率を求める較正用標準試
    料として、塗装されたドラム缶表面、炭素鋼表面、ステ
    ンレス鋼表面、高分子系樹脂表面、プラスティック表
    面、ガラス表面、セメントやコンクリートなどの検査対
    象物と同一仕様の多孔質表面に既知量の放射性または非
    放射性の模擬汚染物質を付着させ、それら各種の材質に
    対する汚染検査用のレーザ光照射条件および捕集条件の
    範囲における脱離・捕集効率値を予め求めておき、実際
    の汚染検査では検査対象物とレーザ光照射およびフィル
    タ捕集条件に対応する脱離・捕集効率を用いて、表面汚
    染密度を定量する請求項1記載の非接触型表面汚染検査
    方法。
  11. 【請求項11】 被測定物の検査対象物に対し相対的移
    動自在に支持されたヘッドユニットと、このヘッドユニ
    ットに可撓性接続手段を介して接続され、レーザユニッ
    ト、バキュームユニットおよび電源ユニットを備えたユ
    ニットボックスとを有し、前記ヘッドユニットは検査対
    象物の物体表面に表面検査用レーザ光を照射するレーザ
    光照射手段と、レーザ光照射により物体表面から脱離し
    たプルームを捕集するフィルタ捕集手段と、この捕集手
    段に捕集されたプルームを検出するプルーム検出手段と
    を備え、このプルーム検出手段で検出された信号の処理
    を行なって検査対象物の表面汚染部位の特定ならびに表
    面汚染密度の定量を非接触にて行なうようにしたことを
    特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  12. 【請求項12】 ヘッドユニット検査対象物の物体表面
    から脱離したプルームを周囲雰囲気とともに回収し、吸
    引するガス吸引手段を備え、このガス吸引手段の吸引通
    路にフィルタ捕集手段を設けた請求項11記載の非接触
    型表面汚染検査装置。
  13. 【請求項13】 ヘッドユニットは検査対象物の物体表
    面から脱離したプルームをガス吸引手段の吸引口に案内
    するカバーガイドを備え、このカバーガイドで物体表面
    から脱離したプルームを周囲空気とともにガス吸引手段
    に吸引させるようにした請求項12記載の非接触型表面
    汚染検査装置。
  14. 【請求項14】 ヘッドユニットは、検査対象物の物体
    表面に照射されるレーザ光照射部位の周辺にアシストガ
    スを吹き付けるガス吹付け手段と、ガス吹付け手段から
    吹き付けられるアシストガスを物体表面から脱離される
    プルームとともに吸引するガス吸引手段とを備えた請求
    項11記載の非接触型表面汚染検査装置。
  15. 【請求項15】 ヘッドユニットはガス吸引手段の吸引
    通路に案内される空気あるいはアシストガスをイオン化
    させるイオン化手段を備える一方、フィルタ捕集手段は
    イオン化された空気あるいはアシストガスと逆の電位が
    帯電せしめられた捕集フィルタを備えた請求項11また
    は14記載の非接触型表面汚染検査装置。
  16. 【請求項16】 イオン化手段は、ガス吸引手段に案内
    される空気あるいはアシストガスをレーザ光、コロナ放
    電およびプラズマによる電離手段のうち少なくとも1つ
    で構成された請求項15記載の非接触型表面汚染検査装
    置。
  17. 【請求項17】 フィルタ捕集手段は、半永久的に電気
    的分極特性を有するエレクトレットフィルタを備え、こ
    のエレクトレットフィルタはガス吸引手段の吸引路を横
    断するように設けられた請求項11記載の非接触型表面
    汚染検査装置。
  18. 【請求項18】 エレクトレットフィルタは、ポリエス
    テル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリ
    ル系、塩化ビニル系、含フッ素系の高分子のうち少なく
    とも一成分を主成分とする誘電体フィルタである請求項
    17記載の非接触型表面汚染検査装置。
  19. 【請求項19】 エレクトレットフィルタは、ポリプロ
    ピレンまたはポリカーボネイトを主成分とする誘電体フ
    ィルタである請求項17記載の非接触型表面汚染検査装
    置。
  20. 【請求項20】 レーザ光照射手段は、光ファイバを介
    してユニットボックスのレーザユニットに接続される一
    方、レーザ光照射手段は、検査対象物の物体表面に0.
    4J/cm2 以下のエネルギ密度の表面検査用レーザ光を
    照射させる光学系を備えた請求項11記載の非接触型表
    面汚染検査装置。
  21. 【請求項21】 ユニットボックスのレーザユニットは
    固体レーザ装置で構成される一方、レーザユニットから
    発振されたレーザ光をレーザ光照射手段に伝送する光フ
    ァイバにはマルチバンドルファイバが設けられ、上記光
    ファイバの入出射部の光学系にレーザ光軸と垂直に複数
    のレンズを配置したマルチレンズを用いた請求項11ま
    たは17記載の非接触型表面汚染検査装置。
  22. 【請求項22】 レーザ光照射手段は、検査対象物の物
    体表面に照射される表面検査用レーザ光のビーム断面形
    状を円、長円または矩形に整形し、かつレーザ光のエネ
    ルギ密度分布をホモジナイズさせる光学系を備えた請求
    項11記載の非接触型表面汚染検査装置。
  23. 【請求項23】 フィルタ捕集手段は、ヘッドユニット
    に脱着自在に設けられ、帯状の可撓性捕集フィルタをガ
    ス吸引手段の吸引路を横断するように設置されたカセッ
    ト式フィルタユニットであり、プルーム検出手段は捕集
    フィルタに捕集されたプルームの放射線を検出する放射
    線検出器である請求項11記載の非接触型表面汚染検査
    装置。
  24. 【請求項24】 ヘッドユニットは外部からの放射線を
    遮蔽する放射線遮蔽構造を備え、この放射線遮蔽構造で
    放射線検出器を覆った請求項23記載の非接触型表面汚
    染検査装置。
  25. 【請求項25】 被測定物の検査対象物に表面検査用レ
    ーザ光を照射して検査対象物の物体表面に付着した汚染
    物を物体表面から脱離させ、脱離したプルームをフィル
    タ捕集手段に吸着させて捕集し、この捕集手段に捕集さ
    れたプルームをプルーム検出手段で検出して信号処理
    し、検査対象物の表面汚染部位および表面汚染密度を非
    接触にて検査し、さらに、検査対象物の表面汚染部位に
    表面検査用レーザ光より高エネルギ密度の表面処理用レ
    ーザ光を照射して検査対象物の物体表面を除染等で表面
    処理することを特徴とする非接触型表面処理方法。
  26. 【請求項26】 透明あるいは半透明のフィルム表面に
    金属あるいはセラミックスが蒸着あるいは塗着された保
    護フィルムを用意し、この保護フィルムを検査対象物の
    表面汚染部位に対向させてフィルム裏面側から表面処理
    用レーザ光を照射して金属あるいはセラミックスを検査
    対象物の表面汚染部位に転着させ、表面汚染部を封じ込
    める請求項25記載の非接触型表面処理方法。
  27. 【請求項27】 プルーム検出手段により検査対象物の
    物体表面の汚染部位が特定されたとき、表面汚染部位に
    エネルギ密度0.4J/cm2 以上の表面処理用レーザ光
    を局所的に照射して表面汚染部位を物体表面の塗装膜あ
    るいは金属膜の保護膜毎にアブレーションにより除染す
    る請求項25記載の非接触型表面処理方法。
  28. 【請求項28】 プルーム検出手段により検査対象物の
    物体表面の汚染部位が特定されたとき、表面汚染部位に
    エネルギ密度0.4J/cm2 以下の表面処理用レーザ光
    を局所的に多数回繰り返し照射し、表面汚染部位の塗装
    膜や金属膜の保護膜毎に脱離させて除染する請求項25
    記載の非接触型表面処理方法。
  29. 【請求項29】 レーザ照射手段を備えたヘッドユニッ
    トを検査対象物に対し相対的に移動自在に支持し、上記
    レーザ光照射手段から検査対象物の物体表面に表面検査
    用レーザ光あるいは表面処理用レーザ光を照射させる一
    方、上記レーザ光照射により物体表面から脱離あるいは
    除染されたプルームをガス吸引手段で周囲空気とともに
    吸引し、吸引されたプルームをフィルタ捕集手段で捕集
    する請求項25記載の非接触型表面処理方法。
  30. 【請求項30】 検査対象物の物体表面にレーザ光照射
    手段から表面検査用あるいは表面処理用レーザ光を照射
    させる際、ガス吹付け手段からレーザ光照射部位の周辺
    にアシストガスを吹き付け、吹き付けられたアシストガ
    スをレーザ光照射により物体表面から脱離あるいは除染
    されたプルームとともにガス吸引手段で吸引し、吸引さ
    れたプルームをプルーム捕集手段で捕集する請求項25
    記載の非接触型表面処理方法。
  31. 【請求項31】 ガス吸引手段に吸引されたアシストガ
    スあるいは周囲空気を、外部に排出することなくガス吹
    付け手段に還流させ、このガス吹付け手段からアシスト
    ガスとして検査対象物の物体表面のレーザ光照射部位周
    辺に吹き付けられる請求項30記載の非接触型表面処理
    方法。
  32. 【請求項32】 被測定物の検査対象物に対し相対的移
    動自在に支持されたヘッドユニットと、このヘッドユニ
    ットに可撓性接続手段を介して接続され、レーザユニッ
    ト、バキュームユニットおよび電源ユニットを備えたユ
    ニットボックスとを有し、前記ヘッドユニットは検査対
    象物の物体表面に表面検査用レーザ光を照射する表面検
    査用レーザ光照射手段と、表面処理用レーザ光を照射す
    る表面処理用レーザ光照射手段と、表面検査用あるいは
    表面処理用レーザ光照射により物体表面から脱離あるい
    は除染されたプルームを捕集するフィルタ捕集手段と、
    捕集されたプルームを検出するプルーム検出手段とを備
    え、上記プルーム検出手段で検出された信号の処理を行
    なって検査対象物の表面汚染部位の特定および表面汚染
    密度の定量を行なう一方、表面処理レーザ光照射手段か
    らの表面処理用レーザ光照射により検査対象物の物体表
    面汚染部位を除染等で表面処理したことを特徴とする非
    接触型表面処理装置。
  33. 【請求項33】 表面検査用レーザ光処理手段と表面処
    理用レーザ光照射手段とを独立して個別制御可能に設け
    られ、両レーザ光照射手段からレーザ光を検査対象物の
    物体表面の共通位置に照射させるように構成した請求項
    32記載の非接触型表面処理装置。
  34. 【請求項34】 表面処理用レーザ光照射手段は、表面
    検査用レーザ照射手段と一体に構成され、表面検査用レ
    ーザ光照射手段に備えられた光学系を調整し、物体表面
    の表面汚染部位へ照射されるレーザ光のエネルギ密度を
    高めることにより構成された請求項32記載の非接触型
    表面処理装置。
  35. 【請求項35】 ヘッドユニットはレーザ光照射手段か
    ら照射されるレーザ光照射部位の周辺のアシストガスを
    吹き出すガス吹付け手段と、このガス吹付け手段から吹
    き付けられたアシストガスを検査対象物の物体表面から
    脱離あるいは除染されたプルームとともに回収し、吸引
    するガス吸引手段とをさらに備え、上記ガス吸引手段の
    吸引通路にプルームを捕集するフィルタ捕集手段を脱着
    自在に設けた請求項32記載の非接触型表面処理装置。
  36. 【請求項36】 ガス吸引手段に回収され、吸引された
    アシストガスあるいは空気をイオン化させるイオン化手
    段を設けるとともに、フィルタ捕集手段は、イオン化手
    段でイオン化したアシストガスあるいは空気と逆の電位
    に帯電手段により、あるいは誘電体フィルタの電気的分
    極特性により保たれた請求項32記載の非接触型表面処
    理装置。
  37. 【請求項37】 ヘッドユニットは、透明あるいは半透
    明フィルム上に、金属またはセラミックスが蒸着あるい
    は塗着された保護フィルムを有するカセット式のフィル
    ム保護装置を脱着可能に備え、このフィルム保護装置か
    ら検査対象物に対向するように繰り出された保護フィル
    ムの裏面側に表面処理用レーザ光照射手段から表面処理
    用レーザ光を照射して保護フィルム上の金属またはセラ
    ミックスを物体表面汚染部位に転着させ、汚染物を封じ
    込めるように構成した請求項32記載の非接触型表面処
    理装置。
  38. 【請求項38】 検査対象物の物体表面に付着する汚染
    物がウィルス、カビ、黴菌等のバクテリア物質である場
    合、プルーム検出手段は、ウィルス、カビ、黴菌等のバ
    クテリア物質を検出するバリテリア検出器である請求項
    32記載の非接触型表面処理装置。
  39. 【請求項39】 ヘッドユニットは、ウィルス、カビ、
    黴菌等のバクテリア物質殺菌用レーザ光あるいは殺菌光
    を検査対象物の物体表面に照射可能な殺菌光照射手段を
    備え、バクテリア検出器によるバクテリア物質による汚
    染が確認されたとき、前記殺菌光照射手段から殺菌用レ
    ーザ光あるいは殺菌光を出力して物体表面を殺菌処理す
    るようにした請求項38記載の非接触型表面処理装置。
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