JPH10288228A - クラッチ機構 - Google Patents

クラッチ機構

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JPH10288228A
JPH10288228A JP10833697A JP10833697A JPH10288228A JP H10288228 A JPH10288228 A JP H10288228A JP 10833697 A JP10833697 A JP 10833697A JP 10833697 A JP10833697 A JP 10833697A JP H10288228 A JPH10288228 A JP H10288228A
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JP
Japan
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plate
clutch
clutch plate
spring
rubber
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Application number
JP10833697A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Morita
哲司 森田
Satoru Tsuruku
悟 鶴久
Masaya Omoto
真哉 尾本
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Nok Megulastik Co Ltd
Original Assignee
Nok Megulastik Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動時に発生する打音の大きさを抑えること
が可能であり、もって騒音問題に対処することが可能な
クラッチ機構を提供する。 【解決手段】 互いに対向する一対のクラッチ板1,2
を備えたワンウェイクラッチにおいて、凹部1bを設け
た一方のクラッチ板1と、前記凹部1bに収容されて一
方向回転時に他方のクラッチ板2の係止部2bに係合す
る板状部材4とをゴム状弾性体3を介して連結すること
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向の回転のみ
を伝達するクラッチ機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、一組の歯車の間にクラッチば
ねを設け、このクラッチばねが一方の歯車の一回転方向
において両方の歯車を結合して回転力を伝達し、反対向
きの回転方向においては弾性により結合しないで回転力
を伝達しないクラッチ機構は種々存在し、例えば、図8
ないし図10に示すようなものがある(実公昭53−4
0579号公報参照)。
【0003】すなわち、この図8ないし図10のクラッ
チ機構は、軸51に遊嵌合された一方の歯車52と、軸
51に嵌合固定された他方の歯車53と、両歯車52,
53の間に配置されるとともに軸51に遊嵌合されたク
ラッチばね54とを有しており、クラッチばね54が、
平面リング状の中心部54aと、中心部54aに対して
放射状に設けられたアーム部54bと、アーム部54b
の外端部から周方向一方に向けて設けられた平面円弧状
の弾性部54cと、弾性部54cの先端部に設けられた
平面リング状の係止部54dと、係止部54dの先端側
に設けられた剛性の高い係合部54eとを有し、弾性部
54cおよび係合部54eがそれぞれ一方の歯車52に
向けて傾斜するように折り曲げられて、両歯車52,5
3の間に弾性力が作用するように装着されている。
【0004】また一方の歯車52に、クラッチばね54
の係合部54eと係合する垂直壁部を形成する孔部52
aが設けられており、他方の歯車53に、係止部54d
の孔の中に配置された突出部であるピン53aが設けら
れている。
【0005】上記構成を備えた従来のクラッチ機構にお
いて、図9に示すように一方の歯車52が矢印a方向に
回転すると、クラッチばね54が弾性により撓んでその
係合部54eがこの歯車52の孔部52aを通過するた
めに、係合部54eが孔部52aに係合せず、よって一
方の歯車52の回転力がクラッチばね54および他方の
歯車53へ伝達されず、一方の歯車52が空転する。ま
た反対に、図10に示すように一方の歯車52が矢印b
方向に回転すると、クラッチばね54の係合部54eが
この歯車52の孔部52aに落ち込んで係合するため
に、一方の歯車52の回転力がクラッチばね54および
他方の歯車53に伝達され、クラッチばね54および他
方の歯車53が一方の歯車52とともに回転する。
【0006】しかしながら上記従来のクラッチ機構にお
いては、一方の歯車52が回転力を伝達しない方向(図
9の矢印a方向)に回転するとき、クラッチばね54の
係合部54eが一方の歯車52の孔部52aを通過する
度に、この係合部54eが孔部52aの周縁に強く衝接
するために、打音(衝接音)が発生する。そしてこの打
音の大きさ(音量)は、クラッチばね54が金属製の板
であってこの金属板自体が歯車52の回転時に振動する
ことから、極めて大きなものである。また反対に、一方
の歯車52が回転力を伝達する方向(図10の矢印b方
向)に回転するときについても、クラッチばね54の係
合部54eが一方の歯車52の孔部52aに落ち込んで
やはり孔部52aの周縁に衝接するために、同様に大き
な打音(衝接音)が発生する。したがってこれらの打音
により騒音問題が生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、作動時に発生する打音の大きさを抑えることが可能
であり、もって騒音問題に対処することが可能なクラッ
チ機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1によるクラッチ機構は、相対回転
する第一クラッチ板と第二クラッチ板を有し、前記第一
クラッチ板と前記第二クラッチ板は軸方向に互いに対面
する第一対向面と第二対向面を有し、前記第一対向面に
はこの対向面から凹んだ少なくとも一つの凹部を形成す
るとともに前記第二対向面には係止部を設け、前記凹部
にはゴム状弾性体を介して固定される板状部材が軸に垂
直な平面に対して傾斜して配置され、前記板状部材の周
方向一端が前記凹部と係合し、周方向他端は前記係止部
に係合することにした(第一実施形態参照)。
【0009】また本発明の請求項2によるクラッチ機構
は、上記した請求項1のクラッチ機構において、板状部
材が、凹部の底面から突出した凸部に固定されたゴム状
弾性体に支持されていることにした(第二実施形態参
照)。
【0010】また本発明の請求項3によるクラッチ機構
は、相対回転する第一クラッチ板と第二クラッチ板を有
し、前記第一クラッチ板と前記第二クラッチ板は軸方向
に互いに対面する第一対向面と第二対向面を有し、前記
第一対向面にはこの対向面から凹んだ少なくとも一つの
凹部を形成するとともに前記第二対向面には係止部を設
け、前記凹部には第一スプリングにより弾性付勢される
板状部材が軸に垂直な平面に対して傾斜して配置され、
前記板状部材の周方向一端が前記凹部と係合し、周方向
他端は前記係止部に係合し、前記係止部に前記第一スプ
リングによる付勢力を弱める作用を奏する第二スプリン
グが配置されていることにした(第三および第四実施形
態参照)。
【0011】上記構成を備えた本発明の請求項1による
クラッチ機構においては、互いに対向する一対のクラッ
チ板を備えたワンウェイクラッチにおいて、凹部を設け
た一方のクラッチ板と、凹部に収容されて一方向回転時
に他方のクラッチ板の係止部に係合する板状部材とがゴ
ム状弾性体を介して連結されている。ゴム状弾性体には
その材質上の特性として、衝撃吸収作用、振動吸収作用
および打音吸収作用がある。したがってゴム状弾性体の
これらの作用により、作動時に発生する打音の大きさを
少なくとも従来より小さく抑えることが可能となる。板
状部材は請求項2のように、これを凹部の底面から突出
した凸部に固定されたゴム状弾性体に支持させることに
しても良い。
【0012】また上記構成を備えた本発明の請求項3に
よるクラッチ機構においては、互いに対向する一対のク
ラッチ板を備えたワンウェイクラッチにおいて、凹部を
設けた一方のクラッチ板と、凹部に収容されて一方向回
転時に他方のクラッチ板の係止部に係合する板状部材と
の間に、板状部材を他方のクラッチ板に向けて弾性付勢
する第一スプリングが介装されるとともに、板状部材が
係合する他方のクラッチ板の係止部に、第一スプリング
による付勢力を弱める作用を奏する第二スプリングが配
置されている。したがって第一スプリングの弾性に押さ
れて他方のクラッチ板の係止部に衝接しようとする板状
部材の動きが、第二スプリングの弾性により緩和される
ことになり、これにより板状部材が他方のクラッチ板に
衝接するのを抑えることが可能となる。
【0013】尚、本発明のクラッチ機構は、ATトルク
コンバータのステータ等に用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。
【0015】第一実施形態・・・図1および図2に示す
ように、当該実施形態に係るクラッチ機構は、相対回転
する第一クラッチ板(ポケットプレート)1および第二
クラッチ板(ノッチプレート)2を有しており、この両
クラッチ板1,2に、軸方向(図上上下方向)に互いに
対面する第一対向面1aおよび第二対向面2aが設けら
れている。
【0016】第一対向面1aに、この第一対向面1aか
ら凹んだ凹部1bが設けられるとともに、第二対向面2
aに同じく凹部状の係止部2bが設けられており、凹部
1bの底面1cにゴム状弾性体3を介して斜めに連結さ
れた金属等剛材製の板状部材(ストラット)4がゴム状
弾性体3の弾性変形限度内で変位して、第二クラッチ板
2が第一クラッチ板1に対して矢印A方向に相対回転し
たときには係止部2bに係合せず(クラッチOFF)、
反対向きの矢印B方向に相対回転したときのみ、係止部
2bに係合するようになっている(クラッチON)。
【0017】図1は、第一クラッチ板1にゴム状弾性体
3を介して板状部材4を連結したものの、未だ第一クラ
ッチ板1と第二クラッチ板2とを対向させていない、こ
の意味で組立前の状態を示している。そしてこの状態に
おいて、板状部材4は、軸に垂直な平面(例えば第一対
向面1a)に対して傾斜して配置されており、その周方
向一端4aが凹部1b内に位置するとともに、その周方
向他端4bが凹部1bから外部に突出するように斜めに
配置されている。またこの状態で、板状部材4の周方向
一端4aと凹部1bの一方の側面1dとの間には所定の
大きさの間隙cが設定され、また周方向一端4aと凹部
1bの底面1cとの間にも所定の大きさの間隙c’が設
定されている。したがってこれにより板状部材4は第一
クラッチ板1に直接接触しておらず、ゴム状弾性体3の
みに支えられて一種のフロート状態に置かれており、こ
のフロート状態は、両クラッチ板1,2を対向させて組
立を完了し、かつ板状部材4の周方向他端4bを第二ク
ラッチ板2の第二対向面2aに接触させた状態において
も、間隙c,c’の大きさは変わるものの、維持される
ようになっている。
【0018】係止部2bの一方の側面2cは、板状部材
4との係合を確実にするために第二対向面2aに対して
直角面を成しており、反対側の側面には係合時に板状部
材4が納まり易いように斜面状の面取り部2dが設けら
れている。ゴム状弾性体3は凹部1bの底面1cおよび
板状部材4の一面にそれぞれ加硫接着されている。また
凹部1bの底面1cから他方の側面1eにかけて、ゴム
状弾性体3と一体のゴム膜3aが加硫接着されている。
【0019】当該クラッチ機構の組立完了状態、すなわ
ち初動姿勢において、板状部材4の周方向他端4bはゴ
ム状弾性体3の弾性により第二クラッチ板2の第二対向
面2aに押し付けられている。
【0020】そしてこの状態で、第二クラッチ板2が第
一クラッチ板1に対して矢印A方向に相対回転すると、
第二クラッチ板2の係止部2bが板状部材4の周方向他
端4bを通過する度に、周方向他端4bが係止部2bに
落ち込んで板状部材4が係止部2bの底面2eおよび面
取り部2dに同時にまたは順次、衝接するが、板状部材
4全体がゴム状弾性体3に支えられていて、かつ上記し
たフロート状態が未だに維持されているために、ゴム状
弾性体3が衝撃を吸収緩和し、板状部材4自体の振動を
吸収緩和し、更に打音の伝達を吸収緩和する。したがっ
てこれらのことから、この回転方向について、作動時に
発生する打音の大きさを小さく抑えることができる。
【0021】また第二クラッチ板2が第一クラッチ板1
に対して矢印B方向に相対回転すると、図2に示したよ
うに、板状部材4の周方向一端4aが第一クラッチ板1
の凹部1bに係合するとともに周方向他端4bが第二ク
ラッチ板2の係止部2bに係合して、以後、回転力が伝
達される。板状部材4の周方向一端4aが第一クラッチ
板1の凹部1bに係合するとともに周方向他端4bが第
二クラッチ板2の係止部2bに係合すると、その瞬間、
これらが衝接するが、板状部材4がゴム状弾性体3に支
えられているために、ゴム状弾性体3が衝撃を吸収緩和
し、打音の伝達を吸収緩和する。したがってこの方向に
ついても、作動時に発生する打音の大きさを小さく抑え
ることができる。
【0022】第二実施形態・・・図3に示すように、当
該実施形態に係るクラッチ機構は、相対回転する第一ク
ラッチ板(インナーレース)1および第二クラッチ板
(アウターレース)2を有しており、この両クラッチ板
1,2に、軸方向(図上上下方向)に互いに対面する第
一対向面1aおよび第二対向面2aが設けられている。
【0023】第一対向面1aに、この第一対向面1aか
ら凹んだ凹部1bが設けられるとともに、第二対向面2
aに同じく凹部状の係止部2bが設けられており、凹部
1b内にゴム状弾性体3を介して斜めに支持された板金
等剛材製の板状部材(ノッチプレート)4が自らの弾性
変形およびゴム状弾性体3の弾性変形限度内で変位し
て、第二クラッチ板2が第一クラッチ板1に対して矢印
A方向に相対回転したときには係止部2bに係合せず
(クラッチOFF)、反対向きの矢印B方向に相対回転
したときのみ、係止部2bに係合するようになっている
(クラッチON)。
【0024】第一クラッチ板1の凹部1bの底面1cに
ピン状を呈する突部1fが立設されており、この凸部1
fにブッシュ状のゴム状弾性体3が外挿嵌着されてい
る。凸部1fに対するゴム状弾性体3の固定手段は、嵌
着の他、凸部1fの端面カシメまたは二次接着等でも良
い。
【0025】ブッシュ状のゴム状弾性体3は先ず、凸部
1fを差し通す孔部3bを備えていて基本的に円筒形を
成しており、その周面に環状の溝部3cが設けられてい
る。また凹部1bの底面1cに接する図上下面に、弾性
を調整する環状のすぐり部3fが設けられている。
【0026】板状部材4は、周方向一端4a側の斜面部
4cと、平板部4dと、周方向他端4b側の係合爪部4
eとを一体に備えて全体に斜めに配置されており、また
平面部4dにゴム状弾性体3を組み付けるための孔部4
fが設けられている。そしてこの孔部4fの周縁部が溝
部3cに係合することにより、板状部材4がゴム状弾性
体3の第一ゴム部3dと第二ゴム部3eとに挾まれて、
厚さ方向の両面から固定されている。
【0027】また図は、係合爪部4eが係止部2bに係
合したクラッチONの状態を示しているが、この状態に
おいて、板状部材4はゴム状弾性体3に変位量を制限さ
れて係合爪部4eが係止部2bの底面2eに達しないで
いる(クラッチONの状態において、板状部材4の係合
爪部4eと係止部2bの底面2eとの間に所定の大きさ
の間隙(符号なし)が設定されている)。また板状部材
4の周方向一端4aは常に凹部1bの隅に係合してい
る。係止部2bの一方の側面2cは、板状部材4との係
合を確実にするために第二対向面2aに対して直角面を
成している。
【0028】当該クラッチ機構の組立完了状態、すなわ
ち初動姿勢において、板状部材4の係合爪部4eは自ら
の弾性により第二クラッチ板2の第二対向面2aに押し
付けられており、またその反力により板状部材4がゴム
状弾性体3を凹部1bの底面1cに押し付けている。
【0029】そしてこの状態で、第二クラッチ板2が第
一クラッチ板1に対して矢印A方向に相対回転すると、
第二クラッチ板2の係止部2bが板状部材4の係合爪部
4eを通過する度に、係合爪部4eが係止部2bに落ち
込んで係止部2bの周縁部2fに衝接するが、板状部材
4全体がゴム状弾性体3に支えられているために、ゴム
状弾性体3が衝撃を吸収緩和し、板状部材4自体の振動
を吸収緩和し、更に打音の伝達を吸収緩和する。これら
の作用は、板状部材4がゴム状弾性体3の第一ゴム部3
dと第二ゴム部3eとに挾まれて厚さ方向の両面から支
えられているために、特に大きい。また板状部材4の変
位量がゴム状弾性体3により制限されていて係合爪部4
eが係止部2bの底面2eに対して届かないようになっ
ているために、ここでは打音が発生しない。したがって
これらのことから、この回転方向について、作動時に発
生する打音の大きさを小さく抑えることができる。
【0030】また第二クラッチ板2が第一クラッチ板1
に対して矢印B方向に相対回転すると、図示したように
板状部材4の周方向一端4aが第一クラッチ板1の凹部
1bに係合しているとともに係合爪部4eが第二クラッ
チ板2の係止部2bに係合して、以後、回転力が伝達さ
れる。板状部材4の係合爪部4eが第二クラッチ板2の
係止部2bに係合するときには、係合爪部4eが係止部
2bの底面2eに届かないようになっているために、こ
こでも打音が発生しない。また係止部2bの側面2cが
係合爪部4eに当接するときに発生する衝撃について
は、板状部材4がゴム状弾性体3に支えられているため
に、ゴム状弾性体3が衝撃を吸収緩和し、打音の伝達を
吸収緩和する。したがってこの方向についても、作動時
に発生する打音の大きさを小さく抑えることができる。
【0031】第三および第四実施形態・・・図4および
図5に示すように、当該実施形態に係るクラッチ機構
は、相対回転する第一クラッチ板(インナーレース)1
および第二クラッチ板(アウターレース)2を有してお
り、この両クラッチ板1,2に、軸方向(図上上下方
向)に互いに対面する第一対向面1aおよび第二対向面
2aが設けられている。
【0032】第一対向面1aに、この第一対向面1aか
ら凹んだ凹部1bが設けられるとともに、第二対向面2
aに同じく凹部状の係止部2bが設けられており、凹部
1bの底面1cに第一スプリング5を介して斜めに連結
された金属等剛材製の板状部材(ノッチプレート)4が
第一スプリング5の弾性変形限度内で変位して、第二ク
ラッチ板2が第一クラッチ板1に対して矢印A方向に相
対回転したときには係止部2bに係合せず(クラッチO
FF)、反対向きの矢印B方向に相対回転したときの
み、係止部2bに係合するようになっている(クラッチ
ON)。
【0033】第一スプリング5はコイルばねであって、
その両端部5a,5bがそれぞれ直線状に延ばされてお
り、一端部5aが凹部1bの底面1cに当接するととも
に他端部5bが板状部材4に当接している。図4の状態
において、この第一スプリング5は両端部5a,5bが
成す角度が狭められるように縮められており、よってこ
の第一スプリング5が板状部材4の周方向他端4aを第
二クラッチ板2の第二対向面2aに押し付けている。
【0034】第二クラッチ板2の係止部2b内に、第二
スプリング6が第一スプリング5と対向するように配置
されている。
【0035】第二スプリング6はこれもコイルばねであ
って、その両端部6a,6bがそれぞれ直線状に延ばさ
れており、一端部6aが係止部2bの底面2eに当接す
るとともに他端部6bが板状部材4に当接している。図
4の状態において、この第二スプリング6は自由状態、
または両端部6a,6bが成す角度が若干狭められるよ
うに縮められている。第二スプリング6のばね力は第一
スプリング5のばね力より弱く、よって第二スプリング
6は第一スプリング5による付勢力を弱める作用を奏す
るものである。
【0036】係止部2bの一方の側面2cは、板状部材
4との係合を確実にするために第二対向面2aに対して
直角面を成しており、反対側の側面には係止部2bが板
状部材4を通過し易いように斜面状の面取り部2dが設
けられている。
【0037】図4に示したように、当該クラッチ機構の
組立完了状態、すなわち初動姿勢において、板状部材4
の周方向他端4bは第一スプリング5の弾性により第二
クラッチ板2の第二対向面2aに押し付けられている。
【0038】そしてこの状態で、第二クラッチ板2が第
一クラッチ板1に対して矢印A方向に相対回転すると、
第二クラッチ板2の係止部2bが板状部材4の周方向他
端4bを通過する度に、周方向他端4bが係止部2bに
落ち込んで板状部材4が係止部2bの底面2eに衝接し
ようとするが、この板状部材4の動きが第二スプリング
6の弾性により緩和されるために、板状部材4が係止部
2bの底面2eに衝接するのが阻止される。したがって
これにより、この回転方向について、作動時に発生する
打音の大きさを小さく抑えることができる。
【0039】また第二クラッチ板2が第一クラッチ板1
に対して矢印B方向に相対回転すると、図5に示したよ
うに、板状部材4の周方向一端4aが第一クラッチ板1
の凹部1bに係合しているとともに周方向他端4bが第
二クラッチ板2の係止部2bに係合するために以後、回
転力が伝達されるが、このときにも板状部材4の動きが
第二スプリング6の弾性により緩和されるために、板状
部材4が係止部2bの底面2eに衝接するのが阻止され
る。したがってこの方向についても、作動時に発生する
打音の大きさを小さく抑えることができる。第二実施形
態と同様に、第二スプリング6の弾性により、周方向他
端4bが係止部2bの底面2eに届かないようにするこ
とも可能である。
【0040】また第四実施形態として示す図6および図
7のように、各スプリング5,6にゴム状弾性材製のス
トッパ7,8を焼付け等により取り付けることにより、
このストッパ7,8をクラッチON時に板状部材4が反
ったときの支えとして機能させることも考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0042】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1または2によるクラッチ機構においては、互い
に対向する一対のクラッチ板を備えたワンウェイクラッ
チにおいて、凹部を設けた一方のクラッチ板と、前記凹
部に収容されて一方向回転時に他方のクラッチ板の係止
部に係合する板状部材とがゴム状弾性体を介して連結さ
れているために、ゴム状弾性体が備えている衝撃吸収作
用、振動吸収作用および打音吸収作用により、作動時に
発生する打音の大きさを少なくとも従来より小さく抑え
ることができる。この騒音低減効果は、当該クラッチ機
構が潤滑液等の液体内に浸されていない場合に、特に大
きいものである。
【0043】また上記構成を備えた本発明の請求項3に
よるクラッチ機構においては、互いに対向する凹部を設
けた一方のクラッチ板と、凹部に収容されて一方向回転
時に他方のクラッチ板の係止部に係合する板状部材との
間に、板状部材を他方のクラッチ板に向けて弾性付勢す
る第一スプリングが介装されるとともに、板状部材が係
合する他方のクラッチ板の係止部に、第一スプリングに
よる付勢力を弱める作用を奏する第二スプリングが配置
されているために、第一スプリングの弾性に押されて他
方のクラッチ板の係止部に衝接しようとする板状部材の
動きが、第二スプリングの弾性により緩和されることに
なり、これにより板状部材が他方のクラッチ板に衝接す
るのを抑えることができ、これに伴って作動時に発生す
る打音の大きさを少なくとも従来より小さく抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るクラッチ機構の組
立前の状態を示す要部断面図
【図2】同クラッチ機構の係合状態を示す要部断面図
【図3】本発明の第二実施形態に係るクラッチ機構の係
合状態を示す要部断面図
【図4】本発明の第三実施形態に係るクラッチ機構の非
係合状態を示す要部断面図
【図5】同クラッチ機構の係合状態を示す要部断面図
【図6】本発明の第四実施形態に係るクラッチ機構の非
係合状態を示す要部断面図
【図7】同クラッチ機構の係合状態を示す要部断面図
【図8】従来例に係るクラッチ機構の断面図
【図9】(A)は同クラッチ機構の非係合状態を示す平
面図、(B)は(A)におけるA−A線断面図
【図10】(A)は同クラッチ機構の係合状態を示す平
面図、(B)は(A)におけるB−B線断面図
【符号の説明】
1 第一クラッチ板 1a 第一対向面 1b 凹部 1c,2e 底面 1d,1e,2c 側面 1f 凸部 2 第二クラッチ板 2a 第二対向面 2b 係止部 2d 面取り部 2f 周縁部 3 ゴム状弾性体 3a ゴム膜 3b,4f 孔部 3c 溝部 3d,3e ゴム部 3f すぐり部 4 板状部材 4a 周方向一端 4b 周方向他端 4c 斜面部 4d 平板部 4e 係合爪部 5 第一スプリング 5a,5b,6a,6b 端部 6 第二スプリング 7,8 ストッパ c,c’ 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾本 真哉 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会 社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転する第一クラッチ板(1)と第
    二クラッチ板(2)を有し、前記第一クラッチ板(1)
    と前記第二クラッチ板(2)は軸方向に互いに対面する
    第一対向面(1a)と第二対向面(2a)を有し、前記
    第一対向面(1a)にはこの対向面(1a)から凹んだ
    少なくとも一つの凹部(1b)を形成するとともに前記
    第二対向面(2a)には係止部(2b)を設け、前記凹
    部(1b)にはゴム状弾性体(3)を介して固定される
    板状部材(4)が軸に垂直な平面に対して傾斜して配置
    され、前記板状部材(4)の周方向一端(4a)が前記
    凹部(1b)と係合し、周方向他端(4b)は前記係止
    部(2b)に係合することを特徴とするクラッチ機構。
  2. 【請求項2】 請求項1のクラッチ機構において、板状
    部材(4)が、凹部(1b)の底面(1c)から突出し
    た凸部(1f)に固定されたゴム状弾性体(3)に支持
    されていることを特徴とするクラッチ機構。
  3. 【請求項3】 相対回転する第一クラッチ板(1)と第
    二クラッチ板(2)を有し、前記第一クラッチ板(1)
    と前記第二クラッチ板(2)は軸方向に互いに対面する
    第一対向面(1a)と第二対向面(2a)を有し、前記
    第一対向面(1a)にはこの対向面(1a)から凹んだ
    少なくとも一つの凹部(1b)を形成するとともに前記
    第二対向面(2a)には係止部(2b)を設け、前記凹
    部(1b)には第一スプリング(5)により弾性付勢さ
    れる板状部材(4)が軸に垂直な平面に対して傾斜して
    配置され、前記板状部材(4)の周方向一端(4a)が
    前記凹部(1b)と係合し、周方向他端(4b)は前記
    係止部(2b)に係合し、前記係止部(2b)に前記第
    一スプリング(5)による付勢力を弱める作用を奏する
    第二スプリング(6)が配置されていることを特徴とす
    るクラッチ機構。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001086174A1 (fr) * 2000-05-12 2001-11-15 Nok Corporation Stator
JP2002005201A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Nsk Warner Kk ラチェット型ワンウェイクラッチ
US6571926B2 (en) 2001-02-12 2003-06-03 Means Industries, Inc. One-way clutch assembly featuring improved strut stability
JP2009535580A (ja) * 2006-05-01 2009-10-01 ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト 減衰機能を備えたワンウェイクラッチ

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