JPH10287072A - Icカードおよびその製造方法 - Google Patents

Icカードおよびその製造方法

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JPH10287072A
JPH10287072A JP10058297A JP10058297A JPH10287072A JP H10287072 A JPH10287072 A JP H10287072A JP 10058297 A JP10058297 A JP 10058297A JP 10058297 A JP10058297 A JP 10058297A JP H10287072 A JPH10287072 A JP H10287072A
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JP10058297A
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Masao Kuroiwa
政夫 黒岩
Kazumichi Shibuya
和道 渋谷
Susumu Emori
晋 江森
Takao Kondo
貴夫 近藤
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 書き換え可能な表示機能を有する非接触IC
カードを提供する。 【解決手段】 非接触ICカードAは、リライト層1、
中間層2およびIC層3から構成されている。リライト
層1にはリライト記録層11が設けられておりそこに
は、有機低分子物質および赤外線吸収材等が分散されて
いる。この有機低分子物質には、加熱されると結晶状態
が変化するものが選ばれている。このため、加熱により
可視情報を記録することができる。これにより、例え
ば、乗車区間や有効期間といった可視情報が表示され
る。また、IC層3のモジュール層30には、CPUと
メモリが設けられており、そこには乗車区間や有効期間
を示すデータが格納されており、自動改札装置等によっ
てデータが読み出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視情報の書き換
えを行うのに好適なICカードおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】データを記憶し処理する機能を備えたI
Cカードが知られている。この種のICカードの中に
は、外部からのデータの読み書きや電力の供給を電磁波
等によって非接触で行うものがあり、非接触ICカード
と呼ばれている。非接触ICカードは、データの記憶、
処理および通信制御を行う各種電子部品を搭載したIC
チップと電磁波を受信するアンテナとして機能するアン
テナコイルとからなるインレットと呼ばれる部分をプラ
スチック基体に組み込むことにより構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ICカード
の利用分野としては、プリペードカード、クレジットカ
ード、あるいは定期券等がある。定期券の場合、券面に
は有効期間や乗車区間が表示されており、それらの情報
がICカード内に格納される。この場合、定期券の有効
期間が過ぎてしまうとカード自体は使用不能になるが、
その内部に組み込まれた電子部品の寿命は有効期間より
遥かに長い。したがって、内部に記憶された情報を書き
換えれば、電気的には繰り返し使用することができる。
しかしながら、ICカードの券面には、有効期間や乗車
区間が可視情報として印刷されており、これらの可視情
報は書き換えることができないため、ICカードの再使
用ができないといった問題があった。
【0004】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、ICカードの可視情報を書き換え可能とす
ることで、再使用可能なICカードを提供することを目
的とする。また、他の目的は、このICカードの製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明にあっては、可視情報の書き
換えが可能なリライト記録層と、前記リライト記録層の
上側に設けられ、前記リライト記録層を保護する透明な
保護層と、ICチップ(集積回路)及び外部装置からの
前記ICチップの電力供給及び/又はデータ授受を行う
アンテナコイルからなるICモジュールを有するカード
基材とを備えたことを特徴とする。
【0006】また、請求項2に記載の発明にあっては、
前記リライト記録層は、樹脂の中に有機低分子物質およ
び赤外線吸収剤を分散させたものを主成分とすることを
特徴とする。また、請求項3に記載の発明にあっては、
前記リライト記録層の下側に透明の光散乱層を介して着
色層を設けたことを特徴とする。
【0007】また、請求項4に記載の発明にあっては、
前記リライト記録層は、ロイコ化合物と、これに作用し
て顕色または減色させる顕減色剤、およびバインダを有
することを特徴とする。
【0008】また、請求項5に記載の発明にあっては、
前記リライト記録層は、常温で固形の溶媒中に磁性粒子
を分散させたマイクロカプセルとバインダを有すること
を特徴とする。
【0009】また、請求項6に記載の発明にあっては、
前記ICチップはデータ書換が可能なメモリを備えてお
り、当該メモリには、前記リライト記録層に記録される
情報のうち少なくとも一つ以上の同一情報が記録されて
いることを特徴とする。
【0010】また、請求項7に記載の発明にあっては、
前記リライト記録層と前記カード基材との間に、個人を
識別するための識別情報、価値情報、または期間情報の
うち少なくとも一つを可視情報として記録した中間層を
設けたことを特徴とする。
【0011】また、請求項8に記載の発明にあっては、
前記識別情報は、顔写真画像、名前、年齢または職業の
うち少なくも一つ以上を含む個人に固有な情報であるこ
とを特徴とする。
【0012】また、請求項9に記載の発明にあっては、
前記ICカードの製造方法であって、ベースシートに剥
離層と熱接着性の受像層を順次形成してなる転写シート
に熱転写リボンを重ねて加熱して、前記転写シートの前
記受像層に前記可視情報を形成し、前記可視情報が形成
された前記転写シートの前記受像層を前記カード基材に
重ねて加熱加圧して前記受像層と前記カード基材とを熱
接着するとともに、前記ベースシートを剥離して前記中
間層と前記カード基材を一体化し、前記中間層の上面に
前記リライト記録層を接着すること を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
A.第1実施形態 本発明の一実施形態として、可視情報の書き換え可能な
非接触ICカードを定期券に使用した例を説明する。 1.ICカードの構成 以下、図面を参照しつつ、非接触ICカードの構成を説
明する。 1−1:全体構成 図1は、第1実施形態に係わる非接触ICカードの平面
図である。図に示すように、非接触ICカードAの券面
には、リライト領域A1と印刷領域A2とが設けられて
いる。リライト領域A1は、書き換え可能な領域であっ
て、この例にあっては、通勤や通学といった定期券の種
別、乗車区間、有効期間等が表示される。また、印刷領
域A2は領域A21と領域A22から構成されており、
領域A21にはカード保有者の氏名が、領域A22には
顔写真が表示される。これにより、カードを所持してい
る者がカード保有者本人であるか否かを確認することが
一見して可能となる。
【0014】次に、図2は、図1に示す非接触カードを
Z−Zで切断した断面図である。図において、1はリラ
イト層であって、そこには再記録可能なリライト領域A
1が設けられている。また、2は中間層であって、後述
するように中間転写法によって形成される。中間層2に
は印刷領域A2が設けられており、そこに固定の可視情
報が記録される。また、3はIC層であって、その内部
にはメモリ等の電子部品やアンテナ等が設けられてい
る。以下、各相の構成を詳細に説明する。
【0015】1−2:リライト層 まず、図2に示すリライト層1は、透明保護層10、リ
ライト記録層11、接着層12、およびスペーシング層
13から構成される。透明保護層10はリライト記録層
11を保護する目的で設けられており、例えば、厚み5
0〜100μmの透明ポリエチレンテレフタレート(P
ET)が好適である。この透明保護層10によって、使
用時の磨耗等からリライト記録層11を保護することが
できる。
【0016】次に、リライト記録層11は、合成樹脂と
その中に分散させた有機低分子物質および赤外線吸収材
等を主成分とする可逆性感熱記録材料によって構成され
る。そして、有機低分子物質の結晶状態の変化によって
白濁・透明が可逆的に変化する。このリライト記録層1
1に文字等の可視情報を記録するには、サーマルヘッド
やレーザー光によって透明保護層10の上から比較的高
温高速で走査すればよい。レーザーとしては、半導体レ
ーザー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等を用いれ
ばよく、その波長としては、600nm〜1000nm
が好適である。レーザー光を用いた場合には、光学系に
よって光線をスポット状に絞ることができるので、高精
細度な文字や画像を可視情報として記録することができ
る。
【0017】一方、可視情報を消去する場合には、透明
保護層10の上から、比較的低温(例えば、90度)に
加熱した熱板を押し当てることによって、可視情報を消
去することができる。すなわち、熱よる有機低分子物質
の結晶状態の変化を利用して可視情報の記録消去が行わ
れる。
【0018】リライト記録層11は、以下の組成からな
る可逆性感熱記録材料を公知の印刷法またはコーティン
グ法等によって透明保護層10の下面に10μmの厚さ
で形成される。可逆性感熱記録材料としては、例えば、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(30部)に、ベヘン
酸(7部)とセバシン酸(3部)を混合し、赤外線吸収
材を添加し、テトラヒドロフラン(120部)、トルエ
ン(70部:又はメシチレン(70部))等の溶剤を混
合したものが好適である。
【0019】ここで、赤外線吸収材は、可視情報の記録
時あるいは消去時に、発熱を促進するために添加するも
のであって、所望の波長を効率良く吸収する赤外線吸収
色素であればどのようなものを用いてもよい。例えば、
IR820B(日本化学製)またはSIR159(三井
東圧化学製)を固形材に対して2〜3%添加する。2〜
3%としたのは、これ以上添加するとリライト記録層が
着色されてしまうおそれがあるからである。
【0020】次に、接着層12はIC層3にリライト層
1を接着させるためのものであり、軟化点150度以下
の高分子材料を周知の印刷法、コーティング法等によ
り、印刷塗布したものである。この高分子材料として
は、IC層との接着力を考慮し、選択されるが、例え
ば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リウレンタン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹
脂等の熱可塑樹脂あるいは、熱硬化樹脂を単独、混合物
あるいは共重合物として用いることができる。
【0021】この接着層12は、リライト記録層11の
下全面に設けられているのではなく、図1に示すリライ
ト領域A1を除いた部分に設けられている。また、リラ
イト領域A1に相当する部分にはスペーシング層13が
設けられている。ここで、スペーシング層13は、光散
乱層として機能し、空気あるいは中空ビーズによって構
成される。可視情報として表示するためには、後述のス
ミベタ部31が光吸収の役割を果たし、その上方にある
リライト記録層11中に透明化(光透過)部分と白濁化
(光散乱)部分を記録するために、コントラストを得ら
れるが、スミベタ部31とリライト記録層11とが完全
に密着していると、白濁化部分の光散乱効果が弱まり充
分なコントラストが得られない。これを改善する目的で
光透過性のスペーシング層13を設けると、光吸収特部
分の特性はほとんど劣化せずに白濁化部の光散乱効果が
増して、コントラストが向上する。
【0022】1−3:IC層 次に、IC層3について説明する。IC層3には、電子
部品を格納したモジュール層30が設けられており、そ
の上面には、スミベタ部31と地模様部32が設けられ
ている。スミベタ部31は、図1に示すリライト領域A
1に対応する部分に黒色のインクでオフセット印刷され
ている。これにより、リライト記録層11に記録された
可視情報のコントラストを高めて、見やすいものにする
ことができる。また、地模様部32は、スミベタ部31
と同様にオフセット印刷によって形成され、カードの地
模様を表示する。また、スミベタ部31と地模様部32
の上面には、保護層33が形成され、これによってIC
層3の上面が平坦化される。
【0023】また、IC層3の下面には、裏面文字部3
4がオフセット印刷によって形成され、これによって、
非接触ICカードAの下面に文字等が表示される。ま
た、裏面文字部34の下には保護層35が形成される。
保護層35は、使用時の磨耗等から裏面文字部34を保
護するものであり、例えば、厚み50〜100μmの透
明ポリエチレンテレフタレート(PET)が好適であ
る。
【0024】次に、モジュール層30の構成を図3、図
4を参照しつつ説明する。図3は、モジュール層の構成
を説明するために各層を分離して示した斜視図である。
同図において、モジュール層30は、複数の層構造部材
を重ね合わせて1枚のカードとして構成されており、表
面樹脂シート303、インレット301、および裏面樹
脂シート304からなっている。
【0025】表面樹脂シート303および裏面樹脂シー
ト304の材質としては、主としてポリ塩化ビニル、A
BS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、P
ET(ポリエチレン・テレフタレート)、PC(ポリカ
ーボネート)、PE(ポリイミド)、エポキシ等の樹脂
が用いられるが、一般にプリント配線板に用いられる樹
脂や合成紙、紙などのシート状に構成しうるものであれ
ばその他の材質を用いてもよい。また、樹脂には、強度
や色を調整する目的でガラス繊維やガラスビーズ、ある
いは酸化チタン、炭酸カルシウム等を混入してもよい。
【0026】図3に示す層構造は、ラミネート法等の一
般的なプラスチックカードの製造方法によって組み立て
られるが、射出成型法によって構成してもよく、また、
各層間に接着剤を塗布して構成してもよい。
【0027】また、表面樹脂シート303および裏面樹
脂シート304には、従来の磁気テープ付きのプラスチ
ックカードやICカードに一般的に用いられるプラスチ
ックカード用の材料が使用可能である。
【0028】次に、図4は、図3に示すインレット30
1の平面図である。インレット301は、アンテナコイ
ル6とモジュール7を接続パッド8を介して接続して構
成されており、モジュール7は、プリント基板5上にI
Cチップ9を実装している。このICチップ9は、CP
Uと書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば、E2PR
OM)等の集積回路から構成されており、そのメモリに
は、乗車区間や有効期間等を示す定期券情報を更新デー
タとして記録されるとともに、カード保有者を識別する
ための固有データが予め記録されている。
【0029】アンテナコイル6としては、銅線をループ
状の巻いたもの、または銅箔をエッチングして銅箔のパ
ターンを形成したものが用いられる。アンテナコイル6
の材質としては、安価な銅を用いるのが適当であるが、
これに限らず、導電性を有するものであれば、金、銀、
アルミニウム等の金属の他、その他の材料を用いること
も可能である。例えば、カーボンでもよく、導電ペース
ト等を印刷してパターン化したものでもよい。ただし、
アンテナコイル6の直流抵抗値が大きいと、送受信アン
テナとしての特性が低下してしまうため、電気的特性を
考慮して材質を選定する必要がある。
【0030】また、アンテナコイル6は、スパイラル形
状等、一般的なコイルの巻き方で構成される。スパイラ
ル形状の場合、エッチングあるいは印刷によってパター
ン化することが可能である。また、平角線を用いること
によって、巻き線であってもスパイラル形状を容易に形
成可能であり、エッチングや印刷等の場合より導体断面
のアスペクト比を向上しうる。
【0031】モジュール7は、上述したようにプリント
基板5にICチップ9を実装して構成される。その実装
法としては、例えばCOB(Chip On Board)、フリップ
チップ、TAB(Tape Automated Bonding)法等、周知の
ICチップ実装法を各種適用可能である。
【0032】プリント基板5の材料としては、通常ガラ
スエポキシ基板が用いられるが、ポリイミド等のフィル
ム、またはICのリードフレームに用いられる金属を採
用してもよい。ICチップ9は、エポキシ樹脂等からな
る封止樹脂によって保護される。この封止の方法として
は、例えばポッティング法やトランスファーモールド法
等のICの樹脂封止として周知の方法が各種用いられ
る。モジュール7には、他にコンデンサを実装する場合
がある。この場合のコンデンサとしては、例えばセラミ
ック製のチップコンデンサが用いられる。
【0033】アンテナコイル6とモジュール7との接続
およびコンデンサとモジュール7との接続には、例えば
半田付け溶接、導電性接着剤による接続等、電子部品を
接続するための周知の手法が用いられる。
【0034】このように構成されたモジュール層30
は、アンテナコイル6を介して電源供給を受けると共
に、データの書込読出が行われる。
【0035】1−4:中間層 次に、中間層2は、受像層20とそこに画像や文字等が
転写された画像部21、および剥離保護層23からな
る。この画像部21は中間転写法によって形成される。
以下、中間転写法による非接触ICカードの製造方法を
説明する。
【0036】1−4−1:非接触ICカードの製造方法 図5に、中間転写法に用いられる転写装置の構成を、図
6に非接触ICカードの製造工程の示す。図5に示すよ
うに、転写シート200は、供給リボンgから引き出さ
れ、プラテンローラhに巻き込まれ、巻取リボンlで巻
き取られる。ここで転写シート200は、図6(a)に
示すように、受像層20および耐熱性ベースシート22
とこれらの間に設けられた剥離保護層23からなる。
【0037】この転写シート200は、プラテンローラ
hにおいて熱転写リボンkと重ねられ、サーマルヘッド
iによって加熱されるようになっている(図5参照)。
この例では、熱転写リボンkの転写材として昇華性転写
材または熱溶解性転写材が用いられる。そして、サーマ
ルヘッドiからの加熱によって画像が転写シート200
に写し取られる。これにより、図6(b)に示すように
受像層20に画像部21が形成される。
【0038】この後、転写シート200は、熱ロールや
熱板等からなる加熱手段nまで搬送され、そこでIC層
3と熱接着される。図6(c)は熱接着された転写シー
ト200とIC層3を示したものである。ところで、転
写シート200を構成する受像層20と耐熱性ベースシ
ート22との間には上述したように剥離保護層23が設
けられているので、剥離保護層23を境として、耐熱性
ベースシート22が剥離され、図6(d)に示すように
中間層2とIC層3が一体化されたものが作成される。
この後、リライト層1を中間層2の上面に接着して、図
6(e)に示す非接触ICカードAが作成される。以
下、中間転写法に用いられる転写シート200および熱
転写リボンkの組成について詳述する。
【0039】1−4−2:転写シート 転写シート200の受像層20は、昇華性あるいは熱溶
解性転写材料等を有する熱転写リボンkを用いて熱転写
手段(サーマルヘッドi)により画像部21を形成し、
さらにIC層3に対して熱接着されるものである。この
ため、受像層20には、熱転写手段よる昇華性あるいは
熱溶解性転写材料からなる画像が形成可能であり、かつ
IC層3に対して熱接着性を有する熱可塑性樹脂が用い
られる。
【0040】ところで熱可塑性樹脂の熱溶解温度低い場
合は、熱転写リボンkに受像層20の熱可塑性樹脂の一
部が熱融着するおそれがある。これを防ぐには、熱溶解
温度の高い熱可塑性樹脂を用いることが考えられるが、
この場合には、画像部21が形成された受像層20をI
C層3に転写する熱転写工程における加熱手段nの温度
設定を高くする必要がある。しかし、高温により昇華性
染料等からなる画像部21の劣化(退色)やIC層3の
熱損傷が発生するといった問題がある。また熱転写リボ
ン(図示せず)は受像層20に熱融着することを防止す
るため、受像層20の接着性を下げるべく、シリコン等
の添加剤を受像層20に添加することも考えられるが、
受像層20のIC層3に対する接着性が悪化する問題が
ある。そこで、この熱可塑性樹脂をガラス転移点が50
度以上とし、フィラーを添加し受像層20を構成するこ
とで上記問題を解決した。
【0041】この受像層20に用いる熱可塑性樹脂はそ
のガラス転移点(Tg)が130度以下であるものが好
ましく、ガラス転移点が130度を越える熱可塑性樹脂
では、上述の加熱手段nにより受像層20をIC層3に
熱転写させる際の温度を高温とする必要があり、IC層
3が熱によって変形したり、内部の電子部品に損傷を及
ぼす可能性がある。
【0042】このような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、線状飽和ポリエステル等のポリエステル、ポリ塩化
ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の塩化ビ
ニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸−2−メ
トキシメチル、ポリアクリル酸イソボルニル、ポリアク
リル酸イソボルニル、ポリメタクリロメチル、ポリアク
リロニトリル、ポリメチルクロロアクリレート、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸−tert−ブチル、ポリメタクリル酸イソブ
チル、ポリメタクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル
とメタクリル酸アルキル(但しアルキル基の炭素数は2
〜6)の共重合樹脂等のアクリル系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、スチ
レン−ブタジエン共重合樹脂、スチレンとメタクリル酸
アルキル(但しアルキル基の炭素数は2〜6)等のビニ
ル系樹脂等が上げられる。
【0043】さらにサーマルヘッドiの熱により受像層
20が熱転写リボンkの染料層に熱融着して画像部21
が不鮮明となるのを防止するため、受像層20の材料と
して、ブロッキング防止性を有するフィラー、とくに熱
溶解温度(有機フィラーの場合は軟化点もしくは分解
点、無機フィラーの場合は融点)200度以上の無機ま
たは有機フィラーを添加する。
【0044】このような有機フィラーとしては、例え
ば、ポリテトラフロロエチレン微粒子、デンプン、シリ
コーン樹脂微粒子、ポリアクリルニトリル微粒子、ベン
ゾグナミン樹脂およびメラミン樹脂を原料とする硬化樹
脂微粒子等が挙げられる。また無機フィラーとしては、
炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化珪素、水酸化アルミニウム、および酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。
【0045】熱可塑性樹脂とフィラーの配合割合は熱可
塑性樹脂100重量部に対してフィラー1〜200重量
部の範囲でよい。また受像層20を塗工する方法は、ま
ず受像組成物を適当な溶剤により塗料化し、この塗料を
グラビアコート、ロールコート、バーコートなどの周知
の塗布手段を用いて塗布・乾燥し形成される。塗布量は
1〜3g/m2程度である。
【0046】また、画像部21を構成する染料等の紫外
線による変退色を防止するため、受像層20内に最大吸
収波長250〜400nmの紫外線吸収剤を添加しても
よい。このような紫外線吸収剤としては、例えばフェニ
ルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシ
レート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチ
ル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4ド
デシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチル−5’メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt
ert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−メチルヘキシル−
2−シアノ−3,3’ジフェニルアクリレート、エチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシ
アノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。な
お、紫外線吸収剤の配合割合は、熱可塑性樹脂とフィラ
ー等からなる混合物100重量部に対して、5〜40重
量部の範囲でよい。
【0047】次に、耐熱性ベースシート22は、熱転写
時の加熱加圧により軟化変化しない耐熱性を有するシー
ト状のものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹
脂、紙、合成紙等が挙げられ、単独あるいは組み合わせ
てなる複合体として使用することができる。また、耐熱
性ベースシート22の厚さは2〜100μmであり、好
ましくは9〜50μmである。
【0048】次に、剥離保護層23は受像層20ととも
に耐熱ベースシート22から剥離するものであり、剥離
性を有する材料によって構成される。例えば、ポリメチ
ルメタアクリレート、エポキシ樹脂、熱可塑性アクリル
樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂な
どがある。これらポリメチルメタアクリレート、エポキ
シ樹脂は既存の熱可塑性樹脂の中で耐可塑剤性が優れて
おり、さらに耐熱正ベースシート22から剥離が容易な
物質である。
【0049】また、剥離保護層23には、熱転写時の転
写部分の切れ性の向上のため、線状飽和ポリエステル樹
脂などの反利改善剤を配合することもできる。この配合
割合は100重量部に対して0〜3重量部程度が望まし
い。なお、剥離保護層23の形成方法は、剥離保護層2
3を構成する上記組成物を適当な溶剤により塗料化し、
グラビアコート、ロールコート、バーコートなどの周知
の塗布手段を用いて、耐熱性ベースシートス22に塗布
・乾燥させて形成する。
【0050】3.使用方法 次に、第1実施形態に係わる非接触ICカードの使用方
法を説明する。まず、カード発行時において、将来のカ
ード保有者が顔写真と氏名等の個人情報をカード発行会
社に届けると、カード発行会社は、顔写真と氏名を図1
に示す印刷領域A2に印刷するとともに、内部のメモリ
に氏名等を識別するための固有データを記録した非接触
ICカードAを発行する。
【0051】この後、非接触ICカードAを定期券と使
用する場合にあっては、定期券発行装置を用いる。ま
ず、非接触ICカードAを定期券発行装置に挿入し、乗
車区間、有効期間等の更新データを入力すると、透明保
護層10の上面からレーザー光が照射され、更新データ
に基づいて乗車区間、有効期間等がリライト記録層11
に記録される。この際、定期券発行装置が、更新データ
を書込指令信号とともに電磁波として出力すると、IC
層3の内部に設けれたCPUが書込指令信号を検知し
て、前記更新データをメモリに書き込む。
【0052】カード保有者は、自動改札装置を通過する
際に、非接触ICカードAをかざしながら歩いていく。
この場合、自動改札装置からは読出指令信号が電磁波と
して出力されている。読出指令信号を非接触ICカード
Aが受信し、CPUがこれを検知すると、CPUはメモ
リに格納されている更新データを読み出してこれを送信
する。自動改札装置では送信された更新データを検知
し、乗車区間および有効期間が正規なものであるか否か
を判定する。そして、正規なものであるならば出口ゲー
トを開き、正規でないならば出口ゲートを閉じるように
制御する。
【0053】また、定期券の有効期間が切れてこれを継
続する場合には、有効期間の切れた非接触ICカードA
を定期券発行装置に再度挿入し、新たな乗車区間、有効
期間等を示す更新データを入力する。この場合、定期券
発行装置は、リライト領域A1に対応する熱板を券面か
ら所定時間押し当て、リライト領域A1に記録されてい
る文字等を消去する。この後、透明保護層10の上面か
らレーザー光が照射して、新たな更新データに基づい
て、乗車区間、有効期間等をリライト記録層11に記録
する。この際、定期券発行装置は、新たな更新データを
書込指令信号とともに電磁波として出力する。この後、
IC層3の内部に設けれたCPUは書込指令信号を検知
すると、メモリに書き込まれているデータを更新する。
【0054】上述したように第1実施形態によれば、非
接触ICカードAにリライト記録層11を設け、印字の
書き換えを可能としたので、非接触ICカードAを繰り
返し使用することが可能となった。
【0055】また、非接触ICカードAに書き換え可能
なリライト記録層11とは別に、氏名や顔写真といった
固定の可視情報を中間層2の画像部21に記録するよう
にしたので、IDカードとしての機能も併せ持たせるこ
とができる。また、非接触ICカードAを所持している
者が、カード保有者本人であるか否かの確認を容易に行
うことができる。
【0056】また、リライト記録層11の上面には透明
保護層10が設けられており、レーザー印字方式によっ
てリライト記録層11に印字が行われるから、印字され
た文字が磨耗して消えるといったことがなく、耐久性を
向上させることができる。さらに、レーザー印字方式に
よればカードの中間に20μm〜60μmのスポット径
で微小な文字を印字できるため、偽造改竄を防止するこ
とができる。
【0057】また、レーザー印字方式のため、カード発
行の際に内部のメモリへ更新データを書き込むのと同時
に非接触で必要な情報をリライト記録層11に書き込む
ことができる。
【0058】B.第2実施形態 第2実施形態に係わる非接触ICカードの構成は、リラ
イト記録層11に用いられる組成物を除いて第1実施形
態と同様である。また、製造方法および使用方法も第1
実施形態と同様である。以下、相違点について説明す
る。第2実施形態のリライト記録層11は、ロイコ化合
物、顕減色剤およびバインダーを主成分として構成され
る。まず、ロイコ化合物としては、ラクトン、サルト
ン、スピロピラン等の部分骨格を有するキサンテン、ス
ピロピラン、ラクトン、フルオラン、サルトン系等が用
いられる。具体的には、クリスタルバイオレット、ラク
トン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノフェニ
ル−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジメチルアミノ
−7−クロロフルオラン、2−(2−フルオロフェニル
アミノ)−6−ジメチルアミノフルオラン、2−(2−
フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノ
フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−シクロヘキシル
アミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−5−メチル−
7−t−ブチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシル
アミノ−6−クロロフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−
シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メチルシク
ロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−メチルペンチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン等が挙げられるがこれに限定される
ものではない。またこれらを2種類以上同時に使用して
もよい。
【0059】次に、顕減色剤としては、フェノール性水
酸基またはカルボキシル基から成る酸性基とアミノ基か
ら成る塩基性基の双方を有する化合物で、熱エネルギー
の相違によって酸性または塩基性となってロイコ化合物
を顕色・減色させるものである。塩基性基は官能基とし
て存在してもよいし、塩化化合物の一部として存在して
もよい。アミノ基を官能基として有する現顕色剤として
は、例えば、アミノ安息香酸類、ヒドロキシアミノ安息
香酸類、ヒドロキシサリチル酸類、没食子酸類、ビスフ
ェーノール酢酸等の酸と脂肪族アミン類、フェニルアル
キルアミン類、トリルアルキルアミン類等の塩基との塩
または錯塩が挙げられる。また、これらの顕減色剤は、
2種以上同時に使用してもよい。なお、ロイコ化合物と
顕減色剤との割合については特に限定されないが、ロイ
コ化合物1重量部に対して顕減色剤1〜20重量部、好
ましくは2〜10重量部の範囲が例示される。
【0060】そして、リライト記録層11は、上記ロイ
コ化合物と顕減色剤およびバインダー樹脂を含んでいれ
ばどのような態様のものでもよいが、通常は、水または
有機溶剤に溶解もしくは分散したものを上記支持体上に
塗布、乾燥して形成される。この時、バインダー樹脂は
特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリウレア、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブ
チラール等のポリマー類や、パラフィンワックス、ポリ
エチレンワックス、カルナウバワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、ステアリン酸アミド等のワックス類
の他、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類、
ゼラチンカゼイン、デンプン、およびゴム類等が挙げら
れる。これらの樹脂の内、可逆性感熱記録材料の繰り返
し特性や耐熱正を上げるために、特に、熱硬化性樹脂や
耐熱性樹脂の適用が好ましい。また、これら樹脂を2種
以上併用しても当然のことながらよい。
【0061】次に、リライト記録層11の記録および消
去の原理について説明する。サーマルヘッドやレーザー
によって、熱エネルギー、例えば高温(300度以
上)、短時間(数ミリ秒〜数百ミリ秒)の加熱処理をリ
ライト記録層11に施すと、顕減色剤のフェノール性水
酸基またはカルボシキル基から水素イオンが放出され
る。水素イオンはロイコ化合物と反応し、ロイコ化合物
が開環すると、有色の画像を形成する。また、この画像
に対し、熱ローラ等にて別の熱エネルギー、例えば低温
(顕減色剤の融点付近またはそれ以上の温度、例えば、
100〜200度)を長時間(1秒以上)の加熱処理が
施されると、上記顕減色剤のアミノ基の作用を受けて水
素イオンが奪われロイコ化合物が閉環し無色となって消
去される。さらに、消去された記録層に対して再度熱エ
ネルギーの加熱処理を施すと再び画像が形成される。こ
の画像の形成と消去は繰り返し行うことが可能で、か
つ、熱エネルギーを作用させない限り画像形成状態また
は画像消去状態を保持している。
【0062】なお、この例において、消色助剤を上述し
たリライト記録層11に混合してもよい。消色助剤は、
消色時に作用する顕減色剤より相対的に塩基性が弱く消
色時にロイコ化合物に作用してこれを減色させる。画像
形成状態にあるリライト記録層に対して熱エネルギーの
加熱処理を施した場合、顕減色剤のアミノ基の作用に加
えて消色助剤も作用しロイコ化合物から水素イオンを奪
ってこれを顕減色剤に戻す。これにより、消色性を著し
く改善することができる。
【0063】このように、第2実施形態においては、リ
ライト記録層11にロイコ化合物を用いて画像の記録消
去を行ったので、可視情報を書き換え可能とし、非接触
ICカードAを再度使用することができる。
【0064】C.第3実施形態 次に、図面を参照しつつ、第3実施形態を説明する。第
3実施形態に係わる非接触ICカードは、リライト層1
の替わりに磁気表示層1’が設けられている点、スミベ
タ部31が設けられていない点を除いて、第1実施形態
に係わる非接触ICカードと同様である。
【0065】図7は、第3実施形態に係わる非接触IC
カードの断面図である。図7において、磁気表示層1’
は、黒色層15、リライト記録層16、透明層17、接
着層18、および透明保護層19等から構成される。ま
ず、黒色層15は、リライト記録層16に記録される文
字等の可視情報のコントラストを高める目的で、リライ
ト記録層16の下面に設けられ、これを下側より支持す
る。黒色層15は、黒色に着色されており、例えば、ポ
リ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート等の合成樹脂類、天然樹脂、紙、合成紙、金
属、セラミックスなどを、単独または組み合わせた複合
体として用いることができる。
【0066】次に、リライト記録層16の詳細な構成を
図8に示す。図に示すようにリライト記録層16は、マ
イクロカプセル100をバインダー110に分散させて
なる。マイクロカプセル100には、フレーク状磁性粉
120が常温において固相状態を示す分散媒(例えばワ
ックスなどの有機化合物)130中に分散させた芯物資
140をポリマー等によりなる殻物質150でカプセル
化した構成である。
【0067】このような構成における記録消去の原理を
説明する。まず、作製された当初はマイクロカプセル1
00内にフレーク状磁性粉120は均一に分散された状
態で分散媒130中に固定化されている。このリライト
記録層16がサーマルヘッドやレーザー光等によって加
熱されると、マイクロカプセル100内の分散媒130
が溶解状態になり、フレーク状磁性粉120が配向また
は移動(回転)可能となる。この状態で同時に磁界をか
けると、配向状態が磁気印加方向と同じになる。例え
ば、リライト記録層16を一様に加熱しそれに平行な磁
界をかけると、図9に示すようにフレーク状磁性粉12
0が配向される。これにより、磁気表示層1’の表面
は、フレーク状磁性粉120により入射光の大部分が反
射される均一な色調となる。
【0068】図10は、リライト記録層16に対して熱
・磁気記録ヘッドによる部分的な加熱を行って、マイク
ロカプセル100内の分散媒130を溶解状態にすると
ともに、フレーク状磁性粉を垂直方向に配向された例で
ある。この場合、マイクロカプセル100a,100b
に入射した光は、フレーク状磁性粉120によってほと
んど反射(または吸収)されない状態となるので、平行
に配向されたフレーク状磁性粉120と垂直方向に配向
されたフレーク状磁性粉120との反射の差、すなわち
コントラストが得られこれによって可視情報を記録する
ことができる。
【0069】ここで、リライト記録部16を加熱すると
ともに磁界を発生する方法としては、例えば、全体に一
様な磁場を形成した後、記録箇所にのみ熱を印可して可
視情報を記録する方法、全体に一様に熱を印可した後に
記録箇所のみに磁場を形成して記録する方法がある。具
体的には、(1)レーザー光などの熱変換が可能な光ヘ
ッドと一様な磁場の印可が可能な磁場形成手段、(2)
熱ヘッドと一様な磁場の印可が可能な磁場形成手段、
(3)磁気ヘッドと一様な熱印可可能な熱印可手段など
がある。また、熱と磁場をライン状に走査する構成とし
てもよい。
【0070】上記したリライト記録層16の構成におい
て、フレーク状磁性粉120としては、例えば、鉄、ニ
ッケル、鉄・ニッケル、鉄・ニッケル・クロム等のステ
ンレススチール、コバルト、コバルト・アルミニウムや
サマリウム・コバルト合金等の微粒子等をアトマイザー
やハンマーミル等でフレーク状としたものを用いること
ができる。
【0071】また、分散媒130としては、常温(約1
0〜35度)で固体のもので、かつ常温以上(約40〜
80度)に加熱されると流動状態になるものであればよ
く、例えば、有機化合物でパラフィンワックス、カルナ
バワックスなどの天然あるいは合成ワックス、天然ある
いは合成樹脂、またはカルボン酸エステルなどの上記条
件を満たすものを、単独、あるいは混合して適宜使用す
ることができる。
【0072】また、殻物質140としては、例えば、ア
クリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ
エステル樹脂、ポリウレンタン樹脂、ポリアミド樹脂、
エポキシ樹脂、天然樹脂等が挙げられ、これらを単独、
あるいは混合して適宜使用することができる。
【0073】また、バインダー110としては、水系バ
インダー、溶剤系バインダー、エマルション系バインダ
ー等が適宜用いられる。
【0074】次に、図7に示す透明層17は、リライト
記録層16の上面に形成される。透明層17としては、
例えば、エポキシ樹脂、テトラフルオロエチレン等、ま
たはポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート等の合成樹脂類、天然樹脂等が使用
可能である。この透明層17は、フレーク状磁性粉12
0が見えるような光透過性を有している必要がある。
【0075】次に、接着層18は透明な周知の接着剤等
により構成されており、黒色層15、リライト記録層1
6および透明層16を上から覆うように形成される。ま
た接着層18の上側には、透明保護層19が形成され
る。透明保護層19は透明層17と同様の材料を用いる
ことができるが、ポリエチレンテレフタレートが好適で
ある。
【0076】なお、本実施形態に係わる非接触ICカー
ドAは、第1実施形態と同様に中間転写法によって製造
することができる。この場合、図6に示す製造工程にお
いて、リライト層1の替わりに上述した磁気表示層1’
を用いればよい。また、使用方法も上述した第1実施形
態と同様である。
【0077】このように本実施形態によれば、フレーク
状磁性粉を封入したマイクロカプセルを用いてリライト
記録層16を形成したので、磁気と熱よって可視情報を
書き換え可能とすることができ、これにより、非接触I
CカードAを再度使用することができる。
【0078】D.変形例 以上、本発明に係わる実施形態を説明したが、本発明は
上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に述
べる各種の変形が可能である。 上述した各実施形態において、ICカードの一例とし
て非接触型のものを取りあげ説明したが、本発明は、リ
ライト記録層に記録する情報を書き換えることにより、
ICカードを再度使用できるようにしたものであるか
ら、ICカードは非接触型のものに限られず、接触型の
ものであってもよいことは勿論である。
【0079】上述した各実施形態においては、非接触
ICカードAを定期券として使用する例を説明したが、
本発明はこれに限定るものではなく、乗車券、入場券、
IDカード、社員証、クレジットカード、会員証等に使
用してもよい。また、定期券として使用していたものを
有効期限が切れた後、乗車券として使用するように更新
データとリライト領域A1の可視情報を書き換えてもよ
い。
【0080】上述した第3実施形態において、マイク
ロカプセル100は、フレーク状磁性粉としてニッケル
フレーク(6部)、分散媒130としてパラフィンワッ
クス(8部)、殻物質150として10%ゼラチン水溶
液(20部),10%アラビアゴム水溶液(20部),
30%ホルマリン水溶液(1部)、溶剤として水(10
0部)、pH調整剤として10%酢酸水溶液,10%水
酸化ナトリウム水溶液から平均粒子径約100μmのマ
イクロカプセル100を作成し、これに固形分40%の
アクリルエマルジュン水溶液(60部)を添加してリラ
イト記録層16を作成すればよい。
【0081】上述した第1,第2実施形態においてリ
ライト記録層11への記録はレーザー光による記録を中
心に説明したが、サーマルヘッドによっても記録できる
ことは勿論である。
【0082】上述した各実施形態において、中間層2
は、中間転写法で形成したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、周知のカード形成方法を用いてカード
を製造してもよいことは勿論である。また、中間層2
は、カード保有者の氏名や、顔写真を個人を識別するた
めの識別情報として記録したが、識別情報としては、こ
の他に、名、氏、年齢または職業があり、このれらのう
ちの少なくとも1以上を選択して記録してもよい。ま
た、中間層2に、金銭やポイント等の何等かの価値を示
す価値情報、有効期間等を示す期間情報を記録するよう
にしてもよい。価値情報の記録はプリペードカードにお
いて有効である。この場合には、プリペードカードの最
大金額が表示されるのでデータの改竄を防止する好適で
ある。
【0083】
【発明の効果】上述したように本発明に係る発明特定事
項によれば、ICカードにリライト記録層を設けたので
可視情報を消去再記録することにより、ICカードを繰
り返し使用することができる。また、顔写真画像を中間
層に形成したので、本人の確認を容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係わる非接触ICカードの平
面図である。
【図2】 同実施形態に係わる非接触ICカードの断面
図である。
【図3】 同実施形態に係わるモジュール層の構成を説
明するために各層を分離して示した斜視図である。
【図4】 同実施形態に係わるインレットの平面図であ
る。
【図5】 同実施形態の中間転写法に用いられる転写装
置の構成を示す図である。
【図6】 同実施形態に係わる非接触ICカードの製造
工程の示す工程図である。
【図7】 第3実施形態に係わる非接触ICカードの断
面図である。
【図8】 同実施形態に係わるリライト記録層の詳細な
構成を示す図である。
【図9】 同実施形態に係わるリライト記録層を一様に
加熱しそれに平行な磁界をかけた場合の配向状態を示す
図である。
【図10】 同実施形態に係わるリライト記録層に対し
て熱・磁気記録ヘッドによる部分的な加熱を行って、フ
レーク状磁性粉を垂直方向に配向された例である。
【符号の説明】
11,16 リライト記録層 10 透明保護層(保護層) 3 IC層(カード基材) 2 中間層 20 受像層 200 転写シート k 熱転写リボン
フロントページの続き (72)発明者 近藤 貴夫 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視情報の書き換えが可能なリライト記
    録層と、 前記リライト記録層の上側に設けられ、前記リライト記
    録層を保護する透明な保護層と、 ICチップ(集積回路)及び外部装置からの前記ICチ
    ップの電力供給及び/又はデータ授受を行うアンテナコ
    イルからなるICモジュールを有するカード基材とを備
    えたことを特徴とするICカード。
  2. 【請求項2】 前記リライト記録層は、樹脂の中に有機
    低分子物質および赤外線吸収剤を分散させたものを主成
    分とすることを特徴とする請求項1に記載のICカー
    ド。
  3. 【請求項3】 前記リライト記録層の下側に透明の光散
    乱層を介して着色層を設けたことを特徴とする請求項2
    に記載のICカード。
  4. 【請求項4】 前記リライト記録層は、ロイコ化合物
    と、これに作用して顕色または減色させる顕減色剤、お
    よびバインダを有することを特徴とする請求項1に記載
    のICカード。
  5. 【請求項5】 前記リライト記録層は、常温で固形の溶
    媒中に磁性粒子を分散させたマイクロカプセルとバイン
    ダを有することを特徴とする請求項1に記載のICカー
    ド。
  6. 【請求項6】 前記ICチップはデータ書換が可能なメ
    モリを備えており、当該メモリには、前記リライト記録
    層に記録される情報のうち少なくとも一つ以上の同一情
    報が記録されていることを特徴とする請求項1乃至5の
    うちいずれか1項に記載のICカード。
  7. 【請求項7】 前記リライト記録層と前記カード基材と
    の間に、個人を識別するための識別情報、価値情報、ま
    たは期間情報のうち少なくとも一つを可視情報として記
    録した中間層を設けたことを特徴とする請求項1乃至6
    のうちいずれか1項に記載のICカード。
  8. 【請求項8】 前記識別情報は、顔写真画像、名前、年
    齢または職業のうち少なくも一つ以上を含む個人に固有
    な情報であることを特徴とする請求項7に記載のICカ
    ード。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8のうちいずれか1項に記
    載したICカードの製造方法であって、 ベースシートに剥離層と熱接着性の受像層を順次形成し
    てなる転写シートに熱転写リボンを重ねて加熱して、前
    記転写シートの前記受像層に前記可視情報を形成し、 前記可視情報が形成された前記転写シートの前記受像層
    を前記カード基材に重ねて加熱加圧して前記受像層と前
    記カード基材とを熱接着するとともに、前記ベースシー
    トを剥離して前記中間層と前記カード基材を一体化し、 前記中間層の上面に前記リライト記録層を接着すること
    を特徴とするICカードの製造方法。
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