JPH10286806A - 合板の製造方法 - Google Patents

合板の製造方法

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JPH10286806A
JPH10286806A JP9891797A JP9891797A JPH10286806A JP H10286806 A JPH10286806 A JP H10286806A JP 9891797 A JP9891797 A JP 9891797A JP 9891797 A JP9891797 A JP 9891797A JP H10286806 A JPH10286806 A JP H10286806A
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JP
Japan
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weight
plywood
adhesive
monomer
latex
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JP9891797A
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English (en)
Inventor
Yasushi Mizuta
康司 水田
Yoshiro Fuseya
善郎 布施谷
Masanori Sugawara
正紀 菅原
Takeshi Ito
武志 伊藤
Akihiro Takahashi
昭博 高橋
Makoto Yaegashi
誠 八重樫
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 広葉樹および/または針葉樹からなる合
板材料を、(A)アクリル系エマルションおよび/また
はラテックス 30−85重量%、(B)熱硬化性樹脂
10−60重量%、(D)フィラー 5−40重量
%、または(A)20−85重量%、(C)架橋剤 1
0−40重量%、(D)5−40重量%のいずれかの組
み合わせから成る接着剤混合物100重量%に対し、特
定のノニオン系界面活性剤を0.002−5重量%含有
させた接着剤を用いて接着する合板の製造方法。 【効果】 特定のノニオン系界面活性剤を使用すること
により、小麦粉とアクリル系エマルションおよびラテッ
クスとの混和性の問題を解決し、難接着性の針葉樹や広
葉樹等を使用しても優れた耐水接着力を有し、かつ放出
ホルマリン量の少ない接着剤が提供可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合板の製造に際し
て、メランティーに代表される広葉樹、および難接着材
と言われているカラ松、ダグラスファーに代表される針
葉樹等の難接着材料を使用した際に、耐温水及び耐煮沸
性接着力(以下、耐水接着力)に優れ、かつ、放出ホル
マリンの少ない合板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合板の製造に際して、合板用材料
としては、南洋材であるメランティーが使用されてお
り、その接着剤としては、尿素系縮合樹脂、メラミン系
縮合樹脂などのアミノ系縮合樹脂、フェノール系縮合樹
脂等のホルマリン系縮合樹脂と小麦粉に代表される増量
剤の混合物が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、東南アジア地域
における環境保護問題、およびそれに付随する原木の輸
出規制により、従来用いていた広葉樹であるメランティ
ーの入手が困難になったために、ロシア産カラ松、アメ
リカ・カナダ産ダグラスファー、東南アジア産アピトン
(クルイン)等の難接着材料を使用せざるを得ない状況
になってきた。しかし、カラ松、ダグラスファーに代表
される針葉樹や広葉樹の中でも難接着材であるアピトン
(クルイン)を使用して、従来のアミノ系縮合樹脂、ま
たはフェノール系縮合樹脂を合板用の接着剤として使用
した場合、耐水接着力が不十分でJASなどの公的規格
のクリアが困難である。また、平成7年に施行されたP
L法による放出ホルマリン量の規制の面からも、従来の
接着剤系での対応が困難となってきている。
【0004】そこで、最近では合板の製造に際して、南
洋材であるメランティーの使用に限定せず、カラ松、ダ
グラスファーに代表される針葉樹やアピトン(クルイ
ン)に代表される広葉樹等の難接着材を使用した場合に
おいても、JAS規格をクリアする耐水接着力を有し、
かつ、放出ホルマリン量の少ない接着剤系の検討が行わ
れており、現在、以下の2通りの方法が提案されてい
る。
【0005】即ち、 従来のアミノ系縮合樹脂、またはフェノール系縮合樹
脂とアクリル系エマルションまたはラテックスを混合す
る方法、 アクリル系エマルションまたはラテックスと架橋性樹
脂(ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等)を混合する方
法、である。
【0006】ところで、従来の合板の製造方法において
は、合板用接着剤の増量剤成分として小麦粉が使用され
ている。しかし、以前より、小麦粉とアクリル系エマル
ションおよびラテックスとの混合において、アクリル系
エマルションおよびラテックスの凝集の発生等、混和性
に問題があることが知られており、これらの系にアクリ
ル系エマルションまたはラテックスを使用するには限界
があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記問題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、下記一
般式(1)[化4]に示すノニオン系の界面活性剤を接
着剤系に添加することにより、小麦粉とアクリル系エマ
ルションおよびラテックスとの混和性が著しく改良さ
れ、接着剤混合物の流動性を改良することが可能とな
り、本発明を完成するに至った。
【0008】
【化4】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
6〜24の整数を表す。)
【0009】即ち、本発明は、合板用材料としてカラ
松、ダグラスファーに代表される針葉樹、またはアピト
ン(クルイン)に代表される広葉樹から選ばれる少なく
とも一つの難接着材料を使用した合板製造に関して、
(A)アクリル系エマルションおよび/またはラテック
ス30−85重量%、(B)熱硬化性樹脂10−60重
量%、(D)フィラー 5−40重量%、または、
(A)アクリル系エマルションまたはラテックス20−
85重量%、(C)架橋剤10−40重量%、(D)フ
ィラー 5−40重量%から成る配合糊中に、一般式
(1)で示されるノニオン系の界面活性剤を含有するこ
とを特徴とする合板の製造方法であり、ノニオン系の界
面活性剤の使用方法としては、アクリル系エマルション
または、ラテックス重合時に使用しても良いし、接着剤
混合物配合時に添加しても構わない。使用するアクリル
系エマルションは、芳香族ビニル系単量体40−80重
量%、不飽和カルボン酸エステル系単量体15−50重
量%、アミド基を有するアクリル系単量体0.5−6重
量%、不飽和カルボン酸系単量体0.5−6重量%から
なるモノマー組成物を乳化重合して得られる。使用する
ラテックスは、ジエン系単量体20−50重量%、芳香
族ビニル系単量体40−80重量%、アミド基を有する
アクリル系単量体0.5−6重量%、不飽和カルボン酸
系単量体0.5−6重量%からなるモノマー組成物10
0重量を乳化重合して得られる。この方法により、合板
の製造に際して、南洋材であるメランティーの使用に限
定されず、カラ松、ダグラスファーに代表される針葉樹
やアピトン(クルイン)に代表される広葉樹等の難接着
材の使用においても、JAS規格をクリアする耐水接着
力を有し、かつ、放出ホルマリン量の少ない接着剤を提
供することを可能にした。
【0010】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
(4)を提供するものである。 (1) 広葉樹および/または針葉樹からなる合板材料
を接着剤を用いて接着せしめてなる合板の製造方法であ
って、該接着剤が (A)アクリル系エマルションおよび/またはラテックス 30−85重量% (B)熱硬化性樹脂 10−60重量% (D)フィラー 5−40重量% または、 (A)アクリル系エマルションおよび/またはラテックス 20−85重量% (C)架橋剤 10−40重量% (D)フィラー 5−40重量% のいずれかの組み合わせから成る接着剤混合物100重
量%に対し、下記一般式(1)[化5]で表わされるノ
ニオン系界面活性剤を0.002−5重量%含有せしめ
たものであることを特徴とする合板の製造方法。
【0011】
【化5】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
6〜24の整数を表す。)
【0012】(2) アクリル系エマルションが、 芳香族ビニル系単量体 40−80重量% 不飽和カルボン酸エステル系単量体 15−50重量% アミド基を有するアクリル系単量体 0.5−6重量% 不飽和カルボン酸系単量体 0.5−6重量% からなるモノマー組成物100重量%に対して、下記一
般式(1)[化6]で表わされるノニオン系界面活性剤
0.01−2.0重量%を使用して乳化重合せしめたも
のであることを特徴とする(1)記載の合板の製造方
法。
【0013】
【化6】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
6〜24の整数を表す。)
【0014】(3) ラテックスが、 脂肪族共役ジエン系単量体 20−50重量% 芳香族ビニル系単量体 40−80重量% アミド基を有するアクリル系単量体 0.5−6重量% 不飽和カルボン酸系単量体 0.5−6重量% からなるモノマー組成物100重量%に対して、下記一
般式(1)[化7]で表わされるノニオン系界面活性剤
0.01−2.0重量%を使用して乳化重合せしめたも
のであることを特徴とする(1)記載の合板の製造方
法。
【0015】
【化7】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
6〜24の整数を表す。) (4) 合板材料が、広葉樹および/または針葉樹から
選ばれた少なくとも1種類の難接着材料を含有すること
を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の合板の
製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明において合板の製造に使用する材に
ついて説明する。合板の製造に使用する材としては、大
きく針葉樹と広葉樹の2種類に分類される。針葉樹とし
ては、アルマシガ、ブラジリアンパイン等の南洋すぎ科
材、ベイヒ、ヒバ等のヒノキ科材、トドマツ、アカマ
ツ、ツガ、ダグラスファー等のマツ科材の他、マキ科
材、イチイ科材、スギ科材等が挙げられる。一方、広葉
樹としては、アピトン、クルイン、ラワン等のフタバガ
キ科材の他、カエデ科材、ウルシ科材、バンレイシ科
材、キョウチクトウ科材、ウコギ科材、カバノキ科材、
パンヤ科材、ムラサキ科材、カンラン科材、ツゲ科材、
モクマオウ科材、ニシキギ科材、カツラ科材、シクンシ
科材、キク科材、ミズキ科材、クノニア科材、ダチスク
科材、ビワモドキ科材、カキ科材、ツツジ科材、ブナ科
材、トチノキ科材、クルミ科材、クスノキ科材、マメ科
材、センダン科材、クワ科材、フトモノ科材、ヤマモガ
シ科材、アカネ科材、ヤナギ科材、アカテツ科材、アオ
ギリ科材、ツバキ科材、シナノキ科材、ニレ科材等が挙
げられる。これらは単独であるいは2種以上の材を組み
合わせて複合合板として使用することもできる。次に本
発明で使用するノニオン系界面活性剤について説明す
る。ノニオン系界面活性剤としては、下記一般式(1)
[化8]
【0018】
【化8】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
6〜24の整数を表す。)
【0019】の化学式で示す化合物を使用する。末端の
アルキル基の炭素数の範囲(X)が、10、12、1
4、16であり、好ましくは12のラウリル基を使用す
るのが良い。ポリエチレンオキサイド基は、エチレンオ
キサイドの繰り返し単位の範囲(n)が、16〜24で
あり、好ましくは18〜22である。これらの範囲が前
記範囲より過大または過小であると、目的とする小麦粉
との混和性が得られにくい傾向にある。
【0020】このノニオン系界面活性剤の使用方法とし
ては、アクリル系エマルションまたはラテックスの重合
時に乳化剤と併用して使用しても良いし、接着剤を混合
する際に使用しても構わない。後者の場合においては、
ノニオン系界面活性剤、アクリル系エマルションまたは
ラテックス、小麦粉、熱硬化性樹脂または架橋剤の順に
添加することが好ましい。
【0021】ノニオン系界面活性剤の使用量は、アクリ
ル系エマルションまたはラテックスの重合時に使用する
場合は、モノマー組成物100重量%に対して0.01
−2重量%である。接着剤を混合する際に使用する場合
は、接着剤混合物100重量%に対して0.002−5
重量%である。これらの使用範囲は、前記範囲より過小
であると目的とする小麦粉との混和性が得られにくい傾
向にある。一方、過大であると合板の耐水接着性が著し
く低下する傾向にある。
【0022】本発明で使用するアクリルエマルションお
よび/またはラテックスの合成方法は、一般的な乳化重
合方法により合成することが可能であり、その固形分の
範囲は、40〜55重量%であり、好ましくは45〜5
2重量%である。該固形分が上記範囲より過小であると
接着剤の水バランスがとれず、目的とする接着剤が得ら
れにくい傾向にある。一方上記範囲より過大であると粘
度が高くなり、作業性が悪くなる傾向にある。
【0023】本発明におけるアクリル系エマルションお
よび/またはラテックス(A)のうちの1つである、ア
クリル系エマルションに関して説明する。本発明で使用
するアクリル系エマルションは、芳香族ビニル系単量体
40−80重量%、不飽和カルボン酸エステル系単量体
15−50重量%、アミド基を有するアクリル系単量体
0.5−6重量%、不飽和カルボン酸系単量体0.5−
6重量%からなるモノマー組成物を乳化重合して得られ
る。
【0024】ここで使用する芳香族ビニル系単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等を挙げるこ
とができる。これら単量体は単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて使用することができ、その使用量は、4
0−80重量%である。この使用量が上記範囲より過大
であると、得られたエマルションのTgが高くなり、接
着層が形成されず、目的とする物性が得られにくい傾向
にある。一方、上記範囲より過小であると耐水接着力が
得られにくい傾向にある。
【0025】不飽和カルボン酸エステル系単量体として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等のアクリル酸またはメタアクリ
ル酸のエステル化合物が挙げられる。その使用量は、1
5−50重量%である。この使用量が上記範囲より過大
であると、耐水接着力が得られにくい傾向にある。一
方、上記範囲より過小であると得られたエマルションの
Tgが高くなり、接着層が形成されず、目的とする物性
が得られにくい傾向にある。
【0026】アミド基を有するアクリル系単量体として
は(メタ)アクリルアミド、マレイミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリ
ルアミド、N−イソプロポキシメチルアクリルアミド、
N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシ
メチルアクリルアミド、N−オクチロキシメチルアクリ
ルアミド、N−カルボキシメチルアクリルアミド等が挙
げられ、中でも、良好な耐水接着力を発現するN−メチ
ロール(メタ)アクリルアミドが好ましい。これらの使
用量は、0.5−6重量%である。この使用量が上記範
囲より過大であると、エマルション粘度および接着剤配
合物の粘度が高くなり、作業性が悪くなる傾向にある。
一方、上記範囲より過小であると目的とする耐水接着力
が得られにくい傾向にある。
【0027】不飽和カルボン酸系単量体としては、アク
リル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン
酸類、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボ
ン酸類が挙げられる。これらの使用量は、0.5−6重
量%である。この使用量が上記範囲より過大であると、
エマルション粘度および接着剤配合物の粘度が高くな
り、作業性が悪くなる傾向にある。一方、上記範囲より
過小であると重合安定性が低下する傾向にある。
【0028】上記アクリル系エマルションの乳化重合に
使用する乳化剤については特に制限は無く、ノニオン型
および/またはアニオン型を使用することができる。具
体的には、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムなどの高級
アルコールの硫酸エステル塩、(ジ)アルキルジフェニ
ルエーテル(ジ)スルホン酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウムなどのスルホン酸型アニオン型界面活性剤、
ポリエチレングリコールのアルキルエステル、アルキル
フェノールエーテル、アルキルエーテルなどのノニオン
性界面活性剤などを使用することができる。これらは単
独、または2種以上組み合わせて用いられる。
【0029】また重合開始剤としては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ等の水溶性の開
始剤が使用できる。この場合、単独で使用することが望
ましいが、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始
剤としても使用できる。この場合の還元剤としては、例
えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、コバルト等の低次
のイオン化の塩、N,N,N’,N’−テトラメチルメ
チレンジアミン等の有機アミン、アルドース、ケトース
等の還元糖を挙げることができる。過酸化ベンゾイル、
アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤も使用で
きる。
【0030】また、分子量調整剤としては、一般の乳化
重合に使用されている公知の分子量調整剤を使用するこ
とができる。具体的には、例えば、オクチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン等のメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジスル
フィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプ
ロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジス
ルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テト
ラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラム
ジスルフィド等のチウラムジスルフィド類、ターピノー
レン等のテルペノイド類、2,4−ジメチル−6−t−
ブチルフェノール、α−メチルスチレンダイマー、2−
エチルヘキシルチオグリコレート,3−フェニル−1−
ペンテン、1,4−シクロヘキサジエン、ヒドロキノ
ン、t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、2,6−キシレノールの他アリ
ルアミン、アリルアルコール等のアリル化合物、システ
アミン等が挙げられる。乳化重合して得られたエマルシ
ョンの粒子径は300nm−400nmが好ましく、こ
の範囲より過小であると、接着剤混合物の粘度が高くな
り、作業性が悪くなる傾向にある。一方、この範囲より
過大であると、重合安定性が悪くなる傾向にある。粒子
径の設定は、乳化剤量により調整することができる。
【0031】また、このエマルションは中和することに
より安定化される。特に、アンモニアに代表される揮発
性アミン類を用いると耐水接着力向上のために好まし
い。中和により調整されるpHの範囲としては好ましく
は4〜9であり、さらに好ましくは5〜8である。この
範囲より過小であると機械的安定性が得られず被着体へ
の安定な塗布状態が得られにくい傾向にある。一方、こ
の範囲より過大であると混合する熱硬化性接着剤の硬化
が遅延される傾向にあるため好ましくない。
【0032】本発明におけるアクリル系エマルションお
よび/またはラテックス(A)のうちのもう1つであ
る、ラテックスに関して説明する。本発明で使用するラ
テックスは、脂肪族共役ジエン系単量体20−50重量
%、芳香族ビニル系単量体40−80重量%、アミド基
を有するアクリル系単量体0.5−6重量%、不飽和カ
ルボン酸系単量体0.5−6重量%からなるモノマー組
成物を乳化重合して得られる。
【0033】ここで用いる脂肪族共役ジエン単量体とし
ては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等を挙げるこ
とができる。これら単量体は単独、あるいは2種以上組
み合わせて使用することができ、その使用量は20−5
0重量%である。この使用量が前期範囲より過大である
と、耐水接着力が得られにくい傾向にある。一方、上記
範囲より過小であると得られたラテックスのTgが高く
なり、接着層が形成されず、目的とする物性が得られに
くい傾向にある。
【0034】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルト
ルエン、p−メチルスチレン等を挙げることができる。
これら単量体は単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができ、その使用量は、40−80重量
%である。この使用量が上記範囲より過大であると、得
られたラテックスのTgが高くなり、接着層が形成され
ず、目的とする物性が得られにくい傾向にある。一方、
上記範囲より過小であると耐水接着力が得られにくい傾
向にある。
【0035】アミド基を有するアクリル系単量体として
は(メタ)アクリルアミド、マレイミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリ
ルアミド、N−イソプロポキシメチルアクリルアミド、
N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシ
メチルアクリルアミド、N−オクチロキシメチルアクリ
ルアミド、N−カルボキシメチルアクリルアミド等が挙
げられ、中でも、良好な耐水接着力を発現するN−メチ
ロール(メタ)アクリルアミドが好ましい。これらの使
用量は、0.5−6重量%である。この使用量が上記範
囲より過大であると、ラテックス粘度および接着剤配合
物の粘度が高くなり、作業性が悪くなる傾向にある。一
方、上記範囲より過小であると目的とする耐水接着力が
得られにくい傾向にある。
【0036】不飽和カルボン酸系単量体としては、アク
リル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン
酸類、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボ
ン酸類が挙げられる。これらの使用量は、0.5−6重
量%である。この使用量が上記範囲より過大であると、
ラテックス粘度および接着剤配合物の粘度が高くなり、
作業性が悪くなる傾向にある。一方、上記範囲より過小
であると重合安定性が低下する傾向にある。上記ラテッ
クスの乳化重合に使用する乳化剤、重合開始剤、分子量
調整剤、得られるラテックスの粒子径に関しては上記し
たアクリル系エマルションと同様である。また、ラテッ
クスに関しても中和により安定化させることができる。
【0037】本発明において使用する熱硬化性樹脂
(B)について説明する。
【0038】熱硬化性樹脂としては、具体的には、例え
ば、ホルマリン系樹脂である尿素系縮合樹脂、メラミン
系縮合樹脂、尿素−メラミン系縮合樹脂に代表されるア
ミノ系縮合樹脂、フェノール系縮合樹脂等が挙げられ
る。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用
することができる。具体的には、合板JAS規格中で、
特類合板用にはフェノール樹脂またはフェノールとメラ
ミンおよび/または尿素との共縮合樹脂が好ましく使用
される。また、同規格中のタイプ1及びタイプ2合板用
には、メラミン及び尿素との共縮合樹脂がコスト面から
好ましく使用されている。
【0039】本発明における架橋剤(C)について説明
する。架橋剤としては、具体的には、トリレジンイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等の単量体イソシアネート類、トリレジンイソシ
アネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドの共重合体、テトラヒドロフランと
エチレンオキサイドの共重合体、テトラヒドロフランと
プロピレンオキサイドの共重合体、ポリマーポリオール
等のポリエーテルポリオール類と反応させたウレタンプ
レポリマー類などのウレタン系樹脂、エポキシ−フェノ
ーリック系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、エポキシ
ポリアミド系樹脂、エポキシ−サルファイド系樹脂、エ
ポキシ−シリコーン系樹脂、ニトリルゴム−エポキシ系
樹脂などのエポキシ系樹脂、ポリオール類、ポリアミン
類等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を
組み合わせて使用することもできる。
【0040】また、本発明において用いるフィラー
(D)としては、具体的には、例えば、小麦粉、スター
チ、木粉、澱粉、大麦粉、米粉、塩ビ粉、酢ビ粉等の有
機増量剤、クレータルク、炭酸カルシウム、酸化カルシ
ウム、珪砂、スレート粉、マイカ粉、ガラス粉末、亜鉛
華、ニ酸化チタン、カオリン、珪砂粉(石英)、珪藻
土、ベントナイト、雲母、寒水、軽石、水酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、石膏、硫
酸バリウム、水酸化マグネシウム等の無機増量剤が挙げ
られ、その中でも、小麦粉が好ましく使用される。
【0041】本発明の合板の製造に使用する接着剤は、
上記に説明した(A)〜(D)の成分よりなり、その配
合割合は、以下の [1](A)アクリル系エマルションおよび/またはラ
テックス 30−85重量%、(B)熱硬化性樹脂 1
0−60重量%、(D)フィラー 5−40重量%の組
み合わせ、または [2](A)アクリル系エマルションおよび/またはラ
テックス 20−85重量%、(C)架橋剤 10−4
0重量%、(D)フィラー 5−40重量%、のの組み
合わせ、のいずれかから成る接着剤混合物100重量%
に対し、一般式(1)で表わされるノニオン系界面活性
剤を0.002−5重量%含有せしめたものである。
【0042】まず、上記[1]の組み合わせにおいて、
より好ましい(A)(B)(D)の配合割合は、(A)
50〜75重量%、(B)40〜50重量%、(D)1
0〜20重量%である。上記配合割合において、(A)
が上記範囲より過小であると接着剤の水バランスがとれ
ず、目的とする接着剤が得られにくい傾向にある。一方
上記範囲より過大であると粘度が高くなり、作業性が悪
くなる傾向にある。また(B)が上記範囲より過小であ
ると、目的とする合板の接着強度が得られにくい傾向に
ある。一方上記範囲より過大であると接着剤の粘度が高
くなり、作業性が低下する傾向にある。さらに(D)が
上記範囲より過小であると、目的とする接着剤の粘度が
得られにくい傾向にある。一方上記範囲より過大である
と目的とする合板の接着強度が得られにくい傾向にあ
る。
【0043】次に、上記[2]の組み合わせにおいて、
より好ましい(A)(C)(D)の配合割合は、(A)
50〜75重量%、(C)15〜30重量%、(D)1
0〜20重量%である。上記配合割合において、(A)
が上記範囲より過小であると接着剤の水バランスがとれ
ず、目的とする接着剤が得られにくい傾向にある。一方
上記範囲より過大であると粘度が高くなり、作業性が悪
くなる傾向にある。また(C)が上記範囲より過小であ
ると、目的とする合板の接着強度が得られにくい傾向に
ある。一方上記範囲より過大であると接着剤の粘度が高
くなり、作業性が低下する傾向にある。さらに(D)が
上記範囲より過小であると、目的とする接着剤の粘度が
得られにくい傾向にある。一方上記範囲より過大である
と目的とする合板の接着強度が得られにくい傾向にあ
る。
【0044】本発明の合板の製造方法は、一般的な合板
の製造方法に従うものである。即ち、所定の配合割合で
調整された接着剤を、スプレッダーロールにて目的とす
る材種に所定量の接着剤を塗布し、その上下に重なり合
う板の線維方向が直交するようにサンドウィッチした
後、プレス温度105〜135℃、プレス圧力5〜15
Kgf/cm2、プレス時間160〜200秒(9mm
厚合板)の条件にて熱圧プレスで圧締後、室温迄冷却し
て3プライの合板を得る、というものである。
【0045】
【実施例】以下に、本発明の製造例、実施例及び比較例
をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。例中の「部」および「%」は、特に
断らない限り重量基準によるものとする。 製造例1−3(アクリル系エマルションの製造) 撹拌機付きフラスコ中に、脱イオン水56部を仕込み、
窒素置換しながら70℃に調整した後、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.01部、過硫酸カリウム
0.5部を添加する。そこに、メチルアクリレート、ブ
チルメタアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレートの等量混合物5部を仕込み、30分反応さ
せた。30分後、表−1に示す組成割合の混合モノマー
100部とt−ドデシルメルカプタン0.1部の混合物
と、蒸留水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.4部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
0.4部からなるエマルションを4時間連続滴下した
後、重合を完結させるために、75℃にしてさらに4時
間重合を行った。次いで、40℃に冷却した後、25%
水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH6に調整し、1
00メッシュの金網でろ過し、固形分50%のアクリル
系エマルション1−3を得た。
【0046】製造例4−5(ラテックスの製造) 撹拌機付きオートクレーブ中に、脱イオン水56部を仕
込み、窒素置換しながら65℃に調整した後、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01部、過硫酸カリ
ウム0.5部を添加する。そこに、表−1に示す組成割
合の混合モノマー100部とt−ドデシルメルカプタン
0.1部の混合物と、蒸留水50部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.4部、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル0.4部からなるエマルションを8時間
連続滴下した後、重合を完結させるために、75℃にし
てさらに10時間重合を行った。次いで、25%水酸化
ナトリウム水溶液を用いて、pH6に調整した後、水蒸
気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さらに、加熱減
圧蒸留により固形分50%のラテックス4−5を得た。
【0047】製造比較例1(アクリル系エマルションの
製造) 撹拌機付きフラスコ中に、脱イオン水56部を仕込み、
窒素置換しながら70℃に調整した後、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.01部、過硫酸カリウム
0.5部を添加する。そこに、メチルアクリレート、ブ
チルメタアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレートの等量混合物5部を仕込み、30分反応さ
せた。30分後、表−1に示す組成割合の混合モノマー
100部とt−ドデシルメルカプタン0.1部の混合物
と、蒸留水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.4部からなるエマルションを4時間連続滴下し
た後、重合を完結させるために、75℃にしてさらに4
時間重合を行った。次いで、40℃に冷却した後、25
%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH6に調整し、
100メッシュの金網でろ過し、固形分50%のアクリ
ル系エマルション6を得た。
【0048】製造比較例2(ラテックスの製造) 撹拌機付きオートクレーブ中に、脱イオン水56部を仕
込み、窒素置換しながら65℃に調整した後、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01部、過硫酸カリ
ウム0.5部を添加する。そこに、表−1に示す組成割
合の混合モノマー100部とt−ドデシルメルカプタン
0.1部の混合物と、蒸留水50部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.4部からなるエマルションを
8時間連続滴下した後、重合を完結させるために、75
℃にしてさらに10時間重合を行った。次いで、25%
水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH6に調整した
後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さら
に、加熱減圧蒸留により固形分50%のラテックス7を
得た。
【0049】製造例1−5および製造比較例1−2で得
られたアクリル系エマルションおよびラテックスの物性
(a)、(b)を以下のようにして測定し、その結果を
表−1に示した。
【0050】(a)粒子径 日科機製;COULTER−model−「N4CD」
SUBMICRONPARTICLE ANALYZE
Rにより測定した。
【0051】(b)粘度 粘度は、アクリル系エマルションおよびラテックスの固
形分を50%に調整して、BL型粘度計を用いて25
℃、60rpmの条件で60秒後の指針を読みとった。
【0052】実施例1−5 1リットルフラスコに表−2に示した混合比でアクリル
系エマルション1−3またはラテックス4−5、小麦粉
“すぎ”(日本製粉(株)製)、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート“VU−6100H”(三井東圧化学
(株)製)、水を混合する。これらの合板用接着剤をス
プレッダーロールにて、表−2に示した材種(含水率1
5%)を用い、3mm厚単板尺角当たり35g(0.3
79Kg/m 2)塗布し(コア)、3mm厚の単板でサ
ンドウィッチした(フェイスバック)後、120℃、1
0Kgf/cm2、180秒の条件で熱圧プレスで圧締
後、室温迄冷却し、3プライの合板(9mm厚)を得
た。
【0053】実施例6−7 1リットルフラスコに表−2に示した混合比でアクリル
系エマルション6またはラテックス7、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、小麦粉“すぎ”(日本製粉
(株)製)、ジフェニルメタンジイソシアネート“VU
−6100H”(三井東圧化学(株)製)、水を混合す
る。これらの合板用接着剤をスプレッダーロールにて、
表−2に示した材種(含水率15%)を用い、3mm厚
単板尺角当たり35g(0.379Kg/m2)塗布し
(コア)、3mm厚の単板でサンドウィッチした(フェ
イスバック)後、120℃、10Kgf/cm2、18
0秒の条件で熱圧プレスで圧締後、室温迄冷却し、3プ
ライの合板(9mm厚)を得た。
【0054】実施例8−9 1リットルフラスコに表−2に示した混合比でアクリル
系エマルション6またはラテックス7、小麦粉“すぎ”
(日本製粉(株)製)、熱硬化性樹脂“U−883”
(三井東圧化学(株)製)、硬化剤として塩化アンモニ
ウム(粉体)を混合する。これらの合板用接着剤をスプ
レッダーロールにて、表−2に示した材種(含水率15
%)を用い、3mm厚単板尺角当たり35g(0.37
9Kg/m 2)塗布し(コア)、3mm厚の単板でサン
ドウィッチした(フェイスバック)後、120℃、10
Kgf/cm2、180秒の条件で熱圧プレスで圧締
後、室温迄冷却し、3プライの合板(9mm厚)を得
た。
【0055】比較例1−2 1リットルフラスコに表−2に示した混合比でアクリル
系エマルション6またはラテックス7、小麦粉“すぎ”
(日本製粉(株)製)、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート“VU−6100H”(三井東圧化学(株)製)、
水を混合する。これらの合板用接着剤を刷毛を使用し、
表−2に示した材種(含水率15%)を用い、3mm厚
単板尺角当たり35g(0.379Kg/m2)塗布し
(コア)、3mm厚の単板でサンドウィッチした(フェ
イスバック)後、120℃、10Kgf/cm2、18
0秒の条件で熱圧プレスで圧締後、室温迄冷却し、3プ
ライの合板(9mm厚)を得た。
【0056】比較例3−4 1リットルフラスコに表−2に示した混合比でアクリル
系エマルション6またはラテックス7、小麦粉“すぎ”
(日本製粉(株)製)、熱硬化性樹脂“U−883”
(三井東圧化学(株)製)、硬化剤として塩化アンモニ
ウム(粉体)を混合する。これらの合板用接着剤をスプ
レッダーロールにて、表−2に示した材種(含水率15
%)を用い、3mm厚単板尺角当たり35g(0.37
9Kg/m 2)塗布し(コア)、3mm厚の単板でサン
ドウィッチした(フェイスバック)後、120℃、10
Kgf/cm2、180秒の条件で熱圧プレスで圧締
後、室温迄冷却し、3プライの合板を得た。
【0057】比較例5 1リットルフラスコに表−2に示した混合比で、小麦粉
“すぎ”(日本製粉(株)製)、熱硬化性樹脂“U−8
83”(三井東圧化学(株)製)、硬化剤として塩化ア
ンモニウム(粉体)を混合する。これらの合板用接着剤
をスプレッダーロールにて、表−2に示した材種(含水
率15%)を用い、3mm厚単板尺角当たり35g
(0.379Kg/m2)塗布し(コア)、3mm厚の
単板でサンドウィッチした(フェイスバック)後、12
0℃、10Kgf/cm2、180秒の条件で熱圧プレ
スで圧締後、室温迄冷却し、3プライの合板を得た。
なお、U−883は特類用熱硬化性ホルマリン系樹脂
(三井東圧化学(株)製;フェーノールーメラミン共縮
合樹脂)である。
【0058】得られた合板用接着剤、および合板の評価
を下記の試験方法にて行い、その結果を表−2に示し
た。 [評価試験] 1.作業性(流動性試験) 接着剤混合物の流動性を下記の基準で判定した。
【0059】○:経時での粘度増加が少なく、ロールコ
ーターによる塗布が十分可能 △:経時で粘度が増加し、流動性に欠けるがロールコー
ターによる塗布は可能 ×:流動性がなく、ロールコーターによる塗布が不可能
【0060】2.JAS 常態試験 『構造用合板の日本農林規格;試験片の作成方法』に準
じ、幅25mmの試験片を20片裁断し、接着力試験を
行った。結果は平均強度、木部破断率で表示した。
【0061】3.JAS タイプ−1試験 常態試験と同様の方法で試験片を20片裁断した。これ
らの試験片を沸騰水中に4時間浸漬した後、60℃±3
℃の温度で20時間乾燥し、更に沸騰水中に4時間浸漬
する。これを水中にて室温まで冷却した後、湿潤状態で
接着力試験を行った。結果は平均強度、木部破断率、お
よび試験片中(20片)合格した片数を表示した。合格
片数についてはJAS中「試験片の適合基準」に準じ判
定した。
【0062】4.JAS 特類試験 常態強度と同様の方法で試験片を20片裁断した。これ
らの試験片を沸騰水中に72時間浸せきした後、水中に
て室温まで冷却した後、湿潤状態で接着力試験を行っ
た。結果は平均強度、木部破断率、および試験片中(2
0片)合格した片数を表示した。合格片数についてはJ
AS中「試験片の適合基準」に準じ判定した。
【0063】5、放出ホルマリン量放散量試験 試験片として長さ150mm、幅50mmの長方形状の
ものを10片使用する。JIS R3503に規定する
大きさ240mm(内容量9−11l)のデシケーター
の底部に300mlの蒸留水を入れた直径120mm高
さ60mmの結晶皿を置き、合板作成7日後に試験片を
このデシケーターの中にそれぞれが接触しないように固
定し、20℃、24時間放置する。次のこの蒸留水をJ
ISA5908の5.11.2に規定する方法、即ち、
アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液を用いて、ア
セチルアセトン法に従って、光電分光光度計で波長41
5nmの吸光度によりホルムアルデヒドの量を定量し
た。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】以上のごとく本発明の合板の製造方法に
よれば、一般式(1)に示すノニオン系界面活性剤を使
用することにより、小麦粉とアクリル系エマルションお
よびラテックスとの混和性の問題を解決し、良好な流動
性を有する接着剤混合物を得ることが可能となった。さ
らに、合板材料について、南洋材であるメランティーの
使用に限定されず、カラ松、ダグラスファーに代表され
る針葉樹やアピトン(クルイン)に代表される南洋材広
葉樹等の難接着性材料の使用においても、JAS規格を
クリアする優れた耐水接着力を有する。
【0068】さらにまた、本発明の接着剤処方とするこ
とにより、ホルマリンを実質的に含有しない処方或いは
極少量しか使用しない処方となり、結果的に放出ホルマ
リン量が実質的にゼロか或いは極く僅かである接着剤を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 武志 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 高橋 昭博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 八重樫 誠 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広葉樹および/または針葉樹からなる合
    板材料を接着剤を用いて接着せしめてなる合板の製造方
    法であって、該接着剤が (A)アクリル系エマルションおよび/またはラテックス 30−85重量% (B)熱硬化性樹脂 10−60重量% (D)フィラー 5−40重量% または、 (A)アクリル系エマルションおよび/またはラテックス 20−85重量% (C)架橋剤 10−40重量% (D)フィラー 5−40重量% のいずれかの組み合わせから成る接着剤混合物100重
    量%に対し、下記一般式(1)[化1]で表わされるノ
    ニオン系界面活性剤を0.002−5重量%含有せしめ
    たものであることを特徴とする合板の製造方法。 【化1】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
    6〜24の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 アクリル系エマルションが、 芳香族ビニル系単量体 40−80重量% 不飽和カルボン酸エステル系単量体 15−50重量% アミド基を有するアクリル系単量体 0.5−6重量% 不飽和カルボン酸系単量体 0.5−6重量% からなるモノマー組成物100重量%に対して、下記一
    般式(1)[化2]で表わされるノニオン系界面活性剤
    0.01−2.0重量%を使用して乳化重合せしめたも
    のであることを特徴とする請求項1記載の合板の製造方
    法。 【化2】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
    6〜24の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 ラテックスが、 脂肪族共役ジエン系単量体 20−50重量% 芳香族ビニル系単量体 40−80重量% アミド基を有するアクリル系単量体 0.5−6重量% 不飽和カルボン酸系単量体 0.5−6重量% からなるモノマー組成物100重量%に対して、下記一
    般式(1)[化3]で表わされるノニオン系界面活性剤
    0.01−2.0重量%を使用して乳化重合せしめたも
    のであることを特徴とする請求項1記載の合板の製造方
    法。 【化3】 Cx2X+1O(C24O)nH (1) (但し、Xは10,12,14又は16を表し、nは1
    6〜24の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 合板材料が、広葉樹および/または針葉
    樹から選ばれた少なくとも1種類の難接着材料を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合
    板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330399A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Asahi Kasei Chemicals Corp 接着剤用の水性エマルジョン及びその組成物
JP2009057508A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Saiden Chemical Industry Co Ltd 水性エマルション接着剤
CN111328340A (zh) * 2017-12-15 2020-06-23 Dnp精细化工股份有限公司 水系临时固定粘接剂和水系临时固定粘接剂的制造方法、以及使用了该水系临时固定粘接剂的各种构件或部件的制造方法

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