JP2674246B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP2674246B2 JP32348189A JP32348189A JP2674246B2 JP 2674246 B2 JP2674246 B2 JP 2674246B2 JP 32348189 A JP32348189 A JP 32348189A JP 32348189 A JP32348189 A JP 32348189A JP 2674246 B2 JP2674246 B2 JP 2674246B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは
接着強度,干割れ抵抗性に優れ、かつ板表面への滲み出
し汚染防止性が改良され、特に合板,木工合板,突板化
粧合板,オーバーレイ合板,集成材,パーティクルボー
ド,木毛セメント板等の木材,木質材料および複合木質
材料の製造に使用される接着剤として好適な熱硬化性樹
脂組成物に関する。
[従来の技術] 木質材料用の接着剤としては、従来より尿素−ホルム
アルデヒド,メラミン−ホルムアルデヒド,フェノール
ホルムアルデヒド等の初期縮合樹脂が単独または共縮合
物の形で広く使用されている。このような熱硬化性の合
成樹脂接着剤は、接着力が大きくかつ耐水性も優れてい
るので、主として、強度,耐水性を必要とする分野で大
量に使用されている。しかし、これらの熱硬化性樹脂接
着剤は、本質的に次のような欠点を有する。
すなわち、これらの接着剤組成物は熱硬化性であり、
多大の熱量を与えて加熱硬化することによって、初めて
その効力を発揮するものである。この加熱工程は設備と
時間と人手を要し、この種の接着剤組成物を使用する際
の大きな障害になっている。
例えば、合板の製造に当っては、巨大なホットプレス
の装置を必要とし、しかも厚板を使用する場合には、木
材の熱伝導が悪いために、非常に長時間を必要とする欠
点がある。
その他、初期接着力が不足すること、および披接着木
材の含水量が大きいと接着が困難であることなどの欠点
がある。このため、単板の乾燥にも大きな設備を必要と
する等の欠点を有するものである。
一方、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスに代
表される共重合体ラテックスを主体とする接着剤組成物
を使用して合板を作製する場合、冷圧(室温における圧
着)のみでも接着力を有するが、逆に耐水性が劣る欠点
がある。そこで、カルボキシル化した共重合体やラテッ
クスに対して酸化物の如き金属化合物やエポキシ化合物
を用いて耐水性を向上させることが種々検討されてはい
るが、冷圧の後に加熱圧着操作を必要とし、作業性が悪
いなどの欠点がある。
そこで、熱硬化性樹脂接着剤および共重合体ラテック
ス接着剤のそれぞれの長所を生かし、かつそれぞれの短
所を補う接着剤組成物として、熱硬化性樹脂と共重合体
ラテックスとを併用した接着剤組成物が使用されてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記の熱硬化性樹脂と共重合体ラテッ
クスとを併用した接着剤組成物は、接着強度,接着剤の
表面への滲み出しによる汚染防止性および干割れ抵抗性
においていまだ十分でなく、その改良が求められてい
た。
本発明の目的は、従来の接着剤組成物の問題点を解決
し、接着強度,接着剤の板表面への滲み出しによる汚染
防止性および干割れ抵抗性等の特性が全般的に優れた接
着剤として好適な熱硬化性樹脂組成物を提供することに
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、熱硬化性樹脂組成物を構成する共重合
体ラテックスとして特定の重合連鎖移動剤の存在下で重
合した共重合体ラテックスを用いることにより、上記問
題点を解決することを見出し、本発明に到達した。
本発明の第1の発明は、 (a)脂肪族共役ジエン、アクリル酸アルキルエステル
および炭素数が6〜14のアルキル基を有するメタクリル
酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量
体 2〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜8重量
%、 および (c)上記(a)および(b)と共重合可能な他の単量
体 22〜98重量%、 からなる単量体を、α−メチルスチレンダイマーの存在
下、乳化重合して得られる共重合体ラテックスと、熱硬
化性樹脂とを含有する熱硬化性樹脂組成物を提供するも
のである。
本発明の第2の発明は、 (a)脂肪族共役ジエン、炭素数がアクリル酸アルキル
エステルおよび炭素数が6〜14のアルキル基を有するメ
タクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1
種の単量体 2〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜8重量
%、 および (c)上記(a)および(b)と共重合可能な他の単量
体 22〜98重量%、 からなる単量体を、ターピノーレン、α−テルピネン、
γ−テルピネンおよびジペンテンから選ばれる少なくと
も1種の化合物の存在下、乳化重合して得られる共重合
体ラテックスと、熱硬化性樹脂とを含有する熱硬化性樹
脂組成物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用される単量
体(a)としての脂肪族共役ジエンとしては、例えば1,
3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジ
エンなどが挙げられるが、これらのうち1,3−ブタジエ
ンが好ましい。
単量体(a)としてのアクリル酸アルキルエステルと
しては、炭素数が2〜10のアルキル基を有するものが好
ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、また炭素数が
6〜14のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエス
テルとしては、メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸オ
クチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル
酸ラウリルなどが挙げられる。これらの中でも好ましい
のは炭素数6〜12のアルキル基を有するものである。
これらの脂肪族共役ジエン,アクリル酸アルキルエス
テル,メタクリル酸アルキルエステル単量体は、1種単
独で、または2種以上を併用することができる。
これらの単量体(a)は、得られる共重合体に適度な
柔軟性と接着強度とを与えるために必須の成分であり、
その割合は全単量体に対し2〜70重量%、好ましくは20
〜50重量%である。単量体(a)の使用割合が2重量%
未満では接着強度が劣り、一方70重量%を越えると接着
強度,滲み出し汚染防止性に劣る。
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、
例えばイタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、マレイン酸などが挙げられる。これらの単量体
(b)は、1種単独で、または2種以上を併用すること
もできるが、アクリル酸とメタクリル酸の適当量の組合
わせが好ましい。
単量体(b)の使用割合は、全単量体に対し0〜8重
量%、好ましくは0.5〜4.5重量%である。単量体(b)
の使用割合が8重量%を越えると、得られるラテックス
の粘度が高くなり、実用性に欠けるものとなる。
さらに、(c)上記各単量対と共重合可能な他の単量
体としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、酢酸ビニル、アクリルアミド、炭素数1〜5のメタ
クリル酸アルキルエステル、好ましくはメタクリル酸メ
チルなどが挙げられる。
これらのうち芳香族ビニル化合物としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にス
チレンが好ましい。さらに、シアン化ビニル化合物とし
ては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙
げられ、これらのうちアクリロニトリルが好ましい。こ
れら他の単量体(c)は、1種単独でも、または2種以
上を併用することもできる。特に、他の単量体として、
メタクリル酸メチルを使用して共重合させる場合には、
重合安定性を著しく向上させることができるので好適で
ある。
これら他の単量体(c)の使用割合は、全単量体に対
し22〜98重量%、好ましくは25〜80重量%である。単量
対(c)の使用割合が22重量%未満であると接着強度お
よび滲み出し汚染防止性に劣り、一方98重量%を越える
と、接着強度および干割れ抵抗性に劣る。
本発明における共重合体ラテックスは、上記単量体
(a)〜(c)を水性媒体中で乳化重合することによっ
て得られるが、本発明の特徴はこの乳化重合を特定の重
合連鎖移動剤の存在下に行う点にある。すなわち、本発
明の第1の発明においては、α−メチルスチレンダイマ
ーの存在下、好ましくはα−メチルスチレンダイマー2
〜100重量%と他の重合連鎖移動剤98〜0重量%とから
なる重合連鎖移動剤の存在下に、また本発明の第2の発
明においては、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−
テルピネンおよびジペテンから選ばれる少くとも1種の
化合物の存在下、好ましくは、(A)ターピノーレン、
α−テルピネン、γ−テルピネンおよびジペンテンから
選ばれる少なくとも1種の化合物2〜100重量%と、
(B)アルキルメルカプタン類、四塩化炭素、キサント
ゲンジスルフィド類およびチウラムジスルフィド類から
選ばれる少なくとも1種の化合物98〜0重量%とからな
る重合連鎖移動剤の存在下に乳化重合を行う。
これら第1の発明および第2の発明について、以下に
詳しく説明する。
第1の発明において使用する重合連鎖移動剤(以下、
重合連鎖移動剤(I)という)は、α−メチルスチレン
ダイマーと必要に応じて用いられる他の重合連鎖移動剤
とからなる。
α−メチルスチレンダイマーとしては、異性体とし
て、 (イ)2−4−ジフェニル−4−メチル1−ペンテン、 (ロ)2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテ
ン、および (ハ)1−1−3−トリメチル−3−フェニルインダン がある。α−メチルスチレンダイマーとして好ましい組
成は、(イ)成分が40重量%以上、(ロ)成分および/
また(ハ)成分が60重量%以下、さらに好ましくは、
(イ)成分が50重量%以上、(ロ)成分および/または
(ハ)成分が50重量%以下、特に好ましくは(イ)成分
が70重量%以上、(ロ)成分および/または(ハ)成分
が30重量%以下である。(イ)成分の組成比率が高くな
るに従って、連鎖移動効果に優れる。
α−メチルスチレンダイマーは、通常、α−メチルス
チレンを2量化して合成される。2量化には種々の方法
が知られているが(特開昭54−48742号公報参照)、こ
れ以外の方法で合成されたものであってもよい。
α−メチルスチレンダイマーは、本発明の目的を損わ
ない範囲で、不純物、例えば、未反応のα−メチルスチ
レン、前記(イ),(ロ),(ハ)成分以外のα−メチ
ルスチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポリマーを
含むものであってもよい。
α−メチルスチレンダイマーを使用する場合、その目
的を損なわないものであれば、α−メチルスチレンダイ
マー合成後、これを未精製の状態で使用することもでき
る。
α−メチルスチレンダイマーと併用する他の重合連鎖
移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知
の重合連鎖移動剤を使用することができる。具体的に
は、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシ
ルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−
テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメ
チルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲン
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ
ドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラム
ジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水
素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルア
ルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ター
ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペン
テンなどを挙げることができる。これらは単独でも、あ
るいは2種以上組み合わせて使用することもできる。こ
れらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィ
ド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素などが好適
に使用される。
これらの他の連鎖移動剤を併用すると、重合時におけ
る反応性を高めることが可能となり、好ましい。
重合連鎖移動剤(I)中のα−メチルスチレンダイマ
ーの割合は好ましくは2〜100重量%、より好ましくは
2〜100重量%、特に好ましくは5〜95重量%である。
このα−メチルスチレンダイマーの割合が2重量%未
満では本発明の目的とする接着強度,滲み出し汚染防止
性,干割れ抵抗性の優れたものが得られず、さらに共重
合体ラテックスの安定性が劣り、熱硬化性樹脂組成物の
性能低下の原因となる。
重合連鎖移動剤(I)の使用量は、全単量体100重量
部当り、通常、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部、より好ましくは0.3〜7重量部である。この重合
連鎖移動剤(I)の使用量が上記範囲を逸脱すると、接
地着強度,滲み出し汚染防止および干割れ抵抗性に劣
る。
なお、α−メチルスチレンダイマーの使用量について
は、全単量体100重量部当り、0.05〜10重量部の範囲で
使用するのが好ましい。
次に、第2の発明において使用する重合連鎖移動剤
(以下、重合連鎖移動剤(II)という)は、(A)ター
ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよびジ
ペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、
「成分(A)」という)と、(B)必要に応じて用いら
れる他の重合連鎖移動剤、好ましくはアルキルメルカプ
タン類、四塩化炭素、キサントゲンジスルフィド類およ
びチウラムジスルフィド類から選ばれる少なくとも1種
の化合物(以下、「成分(B)」という)とからなる。
成分(B)のアルキルメルカプタン類の具体例として
は、前記と同様の化合物を挙げることができる。これら
のうち、t−ドデシルメルカプタンが好ましく使用され
る。
キサントゲンジスルフィド類およびチウラムジスルフ
ィド類の具体例としては、前記と同様の化合物を挙げる
ことができる。
重合連鎖移動剤(II)中の成分(A)の割合は好まし
くは2〜100重量%、より好ましくは3〜100重量%、特
に好ましくは5〜95重量%である。成分(A)と成分
(B)とを併用すると、重合時における反応性をより高
めることができ好ましい。
重合連鎖移動剤(II)の使用量は、全単量体100重量
部当り、通常、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部、より好ましくは0.3〜7重量部である。重合連鎖
移動剤(II)の使用量が上記範囲を逸脱すると、接着強
度,滲み出し汚染防止性、干割れ抵抗性に劣る。
なお、成分(A)の使用量については、全単量体100
重量部当り、0.05〜10重量部の範囲で使用するのが好ま
しい。
本発明における共重合体ラテックスは、上記の単量体
および重合連鎖移動剤を使用する点を除けば、従来公知
の乳化重合方法によって製造することができる。すなわ
ち、水性媒体(通常、水)に単量体ならびに重合開始
剤、乳化剤、重合連鎖移動剤などを加えて乳化重合を行
うことによって得られる。
本発明における乳化重合に使用する乳化剤としては、
特に制限はなく、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジフェニルエーテ
ルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステ
ルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、アルキ
ルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム
塩などのアニオン系乳化剤、あるいはポリオキシエチレ
ンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテルなどのノニオン系乳化剤の1種または2種以
上を用いることができる。本発明の効果を著しく発揮で
きる乳化剤は、アニオン系乳化剤であり、特にジフェニ
ルエーテルジスルホン酸ナトリウムとアルキルナフタレ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩との併用
が好適である。
乳化剤の使用量は、通常、単量体の総重量に対して0.
2〜0.4重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%である。乳化
剤の使用量が少なすぎると凝固物を発生するなど、重合
安定性が悪くなり、一方、使用量が多すぎると共重合体
ラテックスの平均粒子径が小さくなり、熱硬化性樹脂組
成物の製造に際して後記する小麦粉等の添加剤の分散性
が悪くなり、配合後に粘度の経時変化を生じる。
次に、本発明における乳化重合に使用する重合開始剤
としては、特に制限はなく、例えば過硫酸カリウム,過
硫酸ナトリウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系
開始剤、クメンハイドロパーオキサイド,イソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド,パラメンタンハイド
ロパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどの有
機酸化物,過酸化水素等が挙げられる。重合開始剤の使
用量は、単量体の総重量に対して好ましくは0.03〜2.5
重量%、特に好ましくは0.05〜2.0重量%である。
なお、乳化重合を促進させるために、例えばピロ重亜
硫酸ナトリウム,亜硫酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリ
ウム,硫酸第一鉄,グルコース,ホルムアルデヒド,ナ
トリウムスルホキシレート,L−アスコルビン酸,亜硫酸
水素ナトリウムなどの還元剤,グリシン,アラニン,エ
チレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を併
用することもできる。
また、共重合体ラテックスのゲル含量は、通常5重量
%以上、好ましくは65〜95重量%、さらに好ましくは70
〜90重量%である。
さらに、共重合体ラテックスの好ましいガラス転移温
度(Tg)としては、−50℃〜+30℃である。Tgが+30℃
以下であると、接着強度と干割れ抵抗性の一段と優れた
ものが得られ、一方−50℃以上であると、接着強度と滲
み出し汚染防止性に優れたものが得られる。
本発明におけるガラス転移温度(Tg)は下記式により
計算された値である。
W(i);共重合体の単量体(i)の重量分率 Tg(i);単量体(i)の単独重合体のTgを絶対温度で
表した値 そして、代表的な単独重合体のガラス転移温度は次の
通りで、ポリ(1,3−ブタジエン)=183゜K、ポリスチ
レン=373゜K、ポリメタクリル酸メチル=378゜K、ポリ
メタクリル酸=501゜K、ポリイタコン酸=553゜K、ポリ
アクリル酸=379゜K、ポリアクリロニトリル=376゜K、
ポリアクリル酸2−エチルヘキシル=203゜Kである。
そして、乳化重合は、前記乳化剤,重合連鎖移動剤,
重合開始剤などのほかに、必要に応じて各種電解質、pH
調整剤などを併用することができる。
本発明における乳化重合方法およびその条件について
は、特にその制限はなく、従来の公知の方法および条件
下において実施することができる。
例えば、重合連鎖移動剤の添加方法については、一括
添加方式、分割添加方式、連続添加方式あるいはこれら
の組合せのいずれでもよい。
また、単量体の添加方法については、一括添加方式、
分割添加方式、連続添加方式あるいはこれらの組合せの
いずれでもよい。
そして、例えば、前記単量体(a)〜(c)100重量
部に対して、水80〜300重量部と前記乳化剤,重合連鎖
移動剤,重合開始剤等とを前記範囲内の量で使用し、重
合温度5〜80℃、好ましくは30〜50℃、重合時間15〜30
時間の重合条件下で、重合安定性が良好な共重合体ラテ
ックスを得ることができる。
本発明の接着剤組成物で使用する熱硬化性樹脂として
は、例えばメラミン樹脂,尿素樹脂,尿素メラミン樹
脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂等が挙げられ、特に
尿素樹脂,尿素メラミン樹脂が好ましい。これらは1種
で、または2種以上を併用することができる。
共重合体テラックスと熱硬化性樹脂との組成比(重量
%)は、固形分換算で、5/95〜95/5、好ましくは35/65
〜65/35である。組成比が上記範囲外であると、耐水
性,接着強度,滲み出し汚染防止性,干割れ抵抗性の全
般にわたって優れた特性を得ることができない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は熱硬化性樹脂と共重合
体ラテックスとが主成分であるが、これに必要に応じて
pH調節剤,充填剤,粘度調整剤,硬化剤,酸化防止剤等
の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例
えば、小麦粉,クレー,木粉,カゼイン,水等がある。
また、塩化アンモニウム,塩酸等の公知の硬化剤は、熱
硬化性樹脂と共重合体ラテックスとの合計100重量部に
対して、通常0.05〜5重量部使用される。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。な
お、実施例中に用いられる「%」および「部」は「重量
%」および「重量%」を意味する。
(共重合体ラテックスの製造) 耐圧反応器に、水80部,ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム2部,過硫酸カリウム1.5部、および第1表
に示した単量体の20%と重合連鎖移動剤の20%とを仕込
み、80℃で3時間反応させた。次いで反応温度80℃で、
残りの単量体と重合連鎖移動剤との混合物を5時間にわ
たり連続的に添加して反応させ、その後さらに80℃で5
時間反応させて重合を完結させ、本発明の範囲に属する
共重合体ラテックス9種と本発明に属さない共重合体ラ
テッククス3種を得た。これらを共重合体ラテックス
(A)〜(I)および共重合体ラテックス(a)〜
(c)とする。
なお、ここで使用したα−メチルスチレンダイマーは
下記のものである。
商品名:ノフマーMSD(日本油脂株式会社製) 組成 組 成 名 組成比(重量%) 2−4−ジフェニル−4−メチル −1−ペンテン 92.0%以上 2−4−ジフェニル−4−メチル −2−ペンテン 5.0%以下 1−1−3−トリメチル−3− フェニルインダン 1.5%以下 α−メチルスチレン 1.0%以下 また、得られた各共重合体ラテックスのゲル含量は、
下記の方法で得られる。
ゲル含量は、共重合体ラテックスのトルエン不溶部分
の割合であり、具体的にはラテックスをpH8に調整し、
ラテックス中の共重合体をイソプロパノールで凝固した
後、洗浄,乾燥して得られた固形分0.3gをトルエン100m
lに室温で20時間浸漬し、その後120メッシュの金網で濾
過して得られる残存固形分の全固形分に対する重量割合
である。
実施例1〜9,比較例1〜3 第1表に示した共重合体ラテックス(A)〜(I),
(a)〜(c)55部(固形分),尿素樹脂と尿素メラミ
ン樹脂とを90:10の割合(%)で含む樹脂混合物45部,
小麦粉30部,および水20部を混合し、さらに塩化アンモ
ニウム0.5部を添加し、これらを混合することにより、
実施例につき9種,比較例につき3種の熱硬化性樹脂組
成物を得た。これらの熱硬化性樹脂組成物について下記
に示す方法で物性試験を行い、その試験結果を第1表に
した。
(1)試験用サンプルの調製 得られた熱硬化性樹脂組成物を厚さ4mmの3プライラ
ワン合板に下記の試験項目に応じた塗布量で塗布し、そ
の塗布面に厚さ0.3mmの突板単板を5分以内に重ね、さ
らに10分間堆積した後、圧締圧5kg/cm,圧締温度110℃,
圧締時間60秒の条件で熱圧した。これをさらに20時間常
温にて養生し、得られた突板化粧合板を日本農林規格に
規定する寸法で切断し、試験片を得た。
塗 布 量 10g/900cm2および15g/900cm2 (試験項目:滲み出し汚染防止性,2類浸漬剥離試験) 12g/900cm2 (試験項目:寒熱繰返し試験) (2)試験項目 滲み出し汚染防止性試験 試験片の突板単板表面における熱硬化性樹脂組成物の
滲み出し状態を目視で評価した。評価基準は以下のとお
りである。
○:滲み出しが認められない △:わずかに認められる ×:滲み出しがある 干割れ抵抗性試験(寒熱繰返し試験) 本試験は、普通合板に関する日本農林規格に準じて行
った。すなわち、15cm平方のサイズに切断した試験片の
まわりを金属枠で固定した後、80±3℃の恒温器中に2
時間放置し、さらに−−20±3℃の恒温器中に2時間放
置する。評価は表面の干割れ状態を目視で行う。評価基
準は以下のとおりである。
○:干割れが認められない △:わずかに認められる ×:かなり認められる 接着強度試験 本試験は、普通合板の日本農林規格で規定する次の方
法で行った。
a)常態接着力試験 b)1類浸漬剥離試験(煮沸水) c)2類浸漬剥離試験(70℃の温水) 試験機は東洋試験機社製の合板用引張試験機を用い、
いずれの試験も剥離速度50mm/分で行った。
また、上記試験a)〜b)の際に木破状態を調べた。
木破とは、接着力の測定時、剥離面に被着体(突板単
板)の木破が付着して剥離される状態をいい、値は接着
面積に対する木破の面積の比率を(%)で示したもの
で、値が大きい程、接着力が優れていることを示す。
実施例1〜9は、本発明の範囲の共重合体ラテックス
を用いた例であり、本発明の目的とする効果が得られて
いる。
これに対し、比較例1〜3は、重合連鎖移動剤が本発
明の範囲外の共重合体ラテックスを用いた例であり、滲
み出し汚染防止性,接着強度,干割れ抵抗性等のいずれ
かあるいは全部が劣っている。
[発明の効果] 本発明の、共重合体ラテックスと熱硬化性樹脂とを主
成分とする熱硬化性樹脂組成物は、滲み出し汚染防止
性,接着強度,干割れ抵抗性等の特性が全般に改良さ
れ、木質材料などの接着剤として実用性が高く、さらに
封止材等としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 109/10 JDU C09J 109/10 JDU 133/10 JDD 133/10 JDD 201/00 JBC 201/00 JBC

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族共役ジエン、アクリル酸アル
    キルエステルおよび炭素数が6〜14のアルキル基を有す
    るメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくと
    も1種の単量体 2〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜8重量
    %、 および (c)上記(a)および(b)と共重合可能な他の単量
    体 22〜98重量%、 からなる単量体を、α−メチルスチレンダイマーの存在
    下、乳化重合して得られる共重合体ラテックスと、熱硬
    化性樹脂とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】(a)脂肪族共役ジエン、アクリル酸アル
    キルエステルおよび炭素数が6〜14のアルキル基を有す
    るメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくと
    も1種の単量体 2〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜8重量
    %、 および (c)上記(a)および(b)と共重合可能な他の単量
    体 22〜98重量%、 からなる単量体を、ターピノーレン、α−テルピネン、
    γ−テルピネンおよびジペンテンから選ばれる少なくと
    も1種の化合物の存在下、乳化重合して得られる共重合
    体ラテックスと、熱硬化性樹脂とを含有することを特徴
    とする熱硬化性樹脂組成物。
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