JPH10281205A - 車高調整式油圧緩衝器の制御装置 - Google Patents

車高調整式油圧緩衝器の制御装置

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Publication number
JPH10281205A
JPH10281205A JP9815797A JP9815797A JPH10281205A JP H10281205 A JPH10281205 A JP H10281205A JP 9815797 A JP9815797 A JP 9815797A JP 9815797 A JP9815797 A JP 9815797A JP H10281205 A JPH10281205 A JP H10281205A
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JP
Japan
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cylinder
piston
vehicle height
chamber
vehicle
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Application number
JP9815797A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
Hiroshi Matsumoto
洋 松本
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用目的や走行状況に応じて車高を任意の高
さに制御することができ、しかもその高さが空車または
積車に関係なく常に一定で、かつ車高の低下速度を自由
に調整できる車高調整式油圧緩衝器の制御装置を提供す
ること。 【解決手段】 車高が目標車高値以上のときは、ピスト
ン下部室Bおよび高圧作動油貯蔵室Eの作動油をリザー
バCに対して放出する電磁弁EVを備えた車高調整装置
において、前記電磁弁が目標車高値に対して作動する車
高センサーShからの入力信号および目標車高を設定す
る車高設定スイッチSWの入力信号を演算処理するコン
トローラCNTの出力信号によって駆動されること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のばね上部分
とばね下部分との相対運動により作動するポンプ機構が
内蔵された車高調整式油圧緩衝器に関し、特に、車高を
任意に制御することができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の車高調整装置としては、例えば
図2に示す特開平−174181号が開示されている。
図2において、車高調整式油圧緩衝器は、車両のばね上
部分に連結される連結部11aを上端に有するアウター
シェル11と、このアウターシェル11の下端開口部を
密封して固定されたロッドガイド12と、アウターシェ
ル11内に配置されたリテーナ13と、リテーナ13と
ロッドガイド12とで挟持されたシリンダ14と、車両
のばね下部分に連結される連結部15aを下端に有する
ピストンロッド15と、シリンダ14内に配置され、ア
ウターシェル11に対して一体的に固定されたポンプロ
ッド16よりなるものである。
【0003】ピストンロッド15は、ロッドガイド12
を液密的にかつ出没自在に貫通していて、車両のばね上
部分とばね下部分との相対運動によりシリンダ14内に
出入りする。シリンダ14内には、ピストンロッド15
の上端に固定されシリンダ14の内周を摺動するピスト
ン18が配置され、ピストン上部室17Bとピストン下
部室17Aとを画成している。
【0004】このピストン18は、ピストン上部室17
Bとピストン下部室17Aとを連通する通路18aを有
しており、ピストン18の上側には、ピストン上部室1
7Bのピストン下側部分の圧力がピストン上側部分の圧
力よりも所定値だけ上回ったときに開いて、ピストン下
部室17Aからピストン上部室17Bへの作動油の流れ
を許容する伸び側減衰弁19が設けられている。またピ
ストン18の下側には、ピストン上部室17Bの圧力が
ピストン下部室17Aの圧力よりも所定値だけ上回った
ときに開いて、ピストン上部室17Bからピストン下部
室17Aへの作動油の流れを許容する縮み側減衰弁20
が設けられている。
【0005】リテーナ13は、ゴム等よりなる筒状のダ
イヤフラム21の上端をアウターシェル11の内周に液
密状態で保持している。一方ダイヤフラム21の下端
は、ロッドガイド12によりアウターシェル11の内周
に液密状態で保持されている。アウターシェル11の内
周とシリンダ14の外周との間は、リテーナ13とダイ
ヤフラム21とにより、リテーナ13の内周とシリンダ
14の外周との間に形成される通路を介してピストン上
部室17Bに連通した高圧油貯蔵室22と、高圧ガス室
23と、リザーバ24とに区画されている。
【0006】高圧ガス室23には窒素ガス等の不活性ガ
スが高圧状態で封入される一方、リザーバ24にも同じ
ガスが低圧で封入され上部に溜まっている。ポンプロッ
ド16は、その上端に固定された取付部16aによりア
ウターシェル11に対して一体的に固定されている。ポ
ンプロッド16は中空状に形成され、この中空部の上端
は、取付部16aに形成された通路とリテーナ13に形
成された通路およびリテーナ13に固定された吸入管2
5を順次介してリザーバ24の底部の油溜りに連通して
いる。
【0007】ポンプロッド16は、ピストンロッド15
中空部に固定されたポンプシリンダ26の内側に出没自
在に嵌合されており、ポンプシリンダ26内にポンプ室
27を形成している。ポンプロッド16の下端には、ポ
ンプ室27の容積拡大時に、リザーバ24の作動油をポ
ンプロッド16の中空部を通してポンプ室27に吸入さ
せるための吸入弁28が装着され、またポンプシリンダ
26の下端には、ポンプ室27の容積収縮時に、ポンプ
室27内の作動油をポンプシリンダ26とピストンロッ
ド15との間の隙間を通じてピストン上部室17Bに吐
出するための吐出弁29が装着されている。
【0008】ポンプロッド16の中間部には、ポンプシ
リンダ26により開閉されるレベリングポート30が形
成されている。このレベリングポート30がピストン上
部室17Bに開口している状態では、ピストン上部室1
7Bの高圧作動油がポンプロッド16の中空部を通って
リザーバ24へ流出する。アウターシェル11には、ピ
ストン上部室17Bおよび高圧油貯蔵室22と連通する
高圧ポート11bと、リザーバ24と連通する低圧ポー
ト11cとが設けられている。
【0009】車高調整式油圧緩衝器の高圧ポート11b
および低圧ポート11cは、連通管31により人力や電
磁力により開放状態へ切り替えることができる開閉弁3
1aに接続されている。連通管31の高圧ポート11b
寄りの部分には、人力や電磁力により開放操作可能な逆
止弁32を介してアキュムレータ33が接続されてい
る。
【0010】次に作用を説明する。ピストンロッド15
は、ピストン上部室17Bの圧力にピストンロッド15
の断面積を乗じた推力で伸長方向に駆動され、この駆動
力が車両のばね上荷重を支持する。ピストン上部室17
Bの圧力は、高圧ガス室23のガス圧に対応しており、
ガスが圧縮性を有することから、ピストンロッド15に
上記駆動力を上回る外力が圧縮方向に働いたときには、
ピストンロッド15がシリンダ14内に進入し、また圧
縮方向に働く外力が上記駆動力よりも小さくなったとき
には、ピストンロッド15がシリンダ14から退出す
る。車両が走行すると、路面の凹凸などにより上記外力
が変動するので、ピストンロッド15はシリンダ14内
への出没を繰り返すことになる。
【0011】ピストンロッド15がシリンダ14内へ進
入するときは、ピストン上部室17Bの圧力が高まり、
ピストン上部室17Bの作動油が縮み側減衰弁20を押
し開いてピストン下部室17Aへ流れる。また、ピスト
ンロッド15がシリンダ14から退出するときは、ピス
トン下部室17Aの圧力が高まり、ピストン下部室17
Aの作動油が伸び側減衰弁19を押し開いてピストン上
部室17Bへ流れる。
【0012】このような作用により車両のばね上部分と
車両のばね下部分との相対的伸縮運動が減衰される。一
方、ピストンロッド15がシリンダ14から退出すると
きは、ポンプロッド16がピストンロッド15から退出
してポンプ室27が拡大するので、リザーバ24内の作
動油が吸込み弁28を押し開いて、負圧となるポンプ室
27内に吸入される。他方、ピストンロッド15がシリ
ンダ14内へ進入するときは、ポンプロッド16がピス
トンロッド15内へ進入してポンプ室27が圧縮される
ので、ポンプ室27内の作動油が吐出弁29を押し開い
てピストン上部室17Bへ吐出される。この繰り返しに
より、リザーバ24からピストン上部室17Bへの作動
油のポンプアップが行われる。
【0013】このポンプアップ作用が、ピストンロッド
15がシリンダ14内へ深く進入しポンプシリンダ26
がレベリングポート30を閉鎖した状態で行われる場
合、ポンプアップされた作動油は、高圧ガス室23のガ
スを圧縮しつつ高圧油貯蔵室22に貯蔵され、当該高圧
油貯蔵室22と連通するピストン上部室17B内の圧力
が高くなり、ピストン上部室17Bの圧力上昇に応じて
ピストンロッド15がシリンダ14から退出し、車高が
高くなる。
【0014】車高の高まりによりポンプシリンダ26が
レベリングポート30をピストン上部室17Bに開放す
ると、ピストン上部室17Bにポンプアップされた作動
油は、レベリングポート30を通ってリザーバ24側へ
と放出される。ピストン上部室17Bへポンプアップさ
れる作動油流量とレベリングポート30からリザーバ2
4側へ放出される作動油流量とが均衡すれば車高上昇が
停止する。
【0015】乗員の下車など、車両荷重が減少したとき
は、ピストン上部室17Bの圧力によりピストンロッド
15がシリンダ14から更に退出し、ポンプシリンダ2
6がレベリングポート30を開放するので、ピストン上
部室17Bの作動油がレベリングポート30を通ってリ
ザーバ24へ放出され車高が低下する。この車高の低下
は、ポンプシリンダ26によりレベリングポート30が
閉じられるまで続く。
【0016】小柄な人が乗り降りするような場合には、
運転者が開閉弁31aを手動で開くことにより、ピスト
ン上部室17Bおよび高圧油貯蔵室22とリザーバ24
とが連通し、ピストン上部室17Bおよび高圧油貯蔵室
22の高圧作動油がリザーバ24へ放出される。この結
果、ピストン上部室17Bの圧力が低下し、車高が更に
低下する。従って、小柄な人でも容易に乗り降りするこ
とができる。
【0017】また、車両走行中においては、高圧作動油
が逆止弁32を介してアキュムレータ33内に蓄積され
る。従って、車高が低い状態で、逆止弁32を開放すれ
ば、アキュムレータ33に蓄積されていた高圧作動油が
連通管31を通ってピストン上部室17Bおよび高圧油
貯蔵室22へ流入し、ピストン上部室17Bの圧力が高
まって車高が上昇する。従って、車高が低くなっている
駐車状態でも即座に車高を高くして走行を開始すること
ができ、車両の腹を路面上の障害物に接触する危険性を
低減することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で説明した車
高調整装置においては、所定の車高に対応する位置にレ
ベルリングポートを設け、ポンピング作用によって得ら
れる高圧作動油を、ピストン上部室17Bからリザーバ
24に開放することによって、所定の車高を維持する構
造であるため、調整によって得られる車高は、ポンプロ
ッドのシリンダ室に開口する位置に1個所だけ設けられ
るレベルリングポートによって制御される高い車高と、
電磁弁の開弁によって制御される低い車高の2つのみで
あるという問題があった。
【0019】また、低い車高は、電磁弁の開弁によって
制御されるのであるが、連通管31の通路面積が大きい
場合は、ピストン上部室17Bの圧力は電磁弁を介して
リザーバ24に急激に開放され低い圧力になる。その場
合ピストンロッドに加わる油圧反力は必然的に小さくな
るので、仮に車高が下がりすぎた場合には、ポンピング
作動によってピストン上部室17Bの圧力が回復するま
で待たなければばならず、車高調整機能が十分とは言え
ない。一方、連通管31の通路面積が小さい場合には、
車高がスムーズに下がらないためこの場合も車高調整機
能が十分とは言えない。このように、電磁弁を介する連
通路の設定面積によっては、走行中に車高が急激に低下
したり、下がりすぎた車高の回復に時間がかかり過ぎた
り、あるいは車高がスムーズに下がらないという問題が
あった。
【0020】本発明は以上のような実状に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、使用目的や走
行状況に応じて車高を任意の高さに制御することがで
き、しかもその高さが空車または積車に関係なく常に一
定で、かつ車高の低下速度を自由に調整できる車高調整
式油圧緩衝器の制御装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、「車高が目標車高値以上の
ときは、ピストン下部室および高圧作動油貯蔵室の作動
油をリザーバに対して放出する電磁弁を備えた車高調整
装置において、前記電磁弁が目標車高値に対して作動す
る車高センサーからの入力信号および目標車高を設定す
る車高設定スイッチの入力信号を演算処理するコントロ
ーラの出力信号によって駆動されること」である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車高調整式油
圧緩衝器の制御装置を図1に示す実施形態に基ずいて説
明する。車高調整式油圧緩衝器は、車両のばね下部分に
連結される連結部119を溶接したロアキャップ118
を下端に溶接したアウターシェル117と、このアウタ
ーシェル117の下端開口部を密封して固定され、内周
側にパッキン110Aを嵌着したロッドガイド110
と、ロアキャップ118の内面に載置されたベースガイ
ド112と、アウターシェル117内に配置されてい
て、前記ロッドガイド110とベースガイド112とで
挟持されたシリンダ111と、車両のばね上部分に連結
される連結部120を上端に溶接したピストンロッド1
01と、ピストンロッド101の中空部に配置され上端
部に吐出弁DVを組み付けたポンプシリンダ102と、
ポンプシリンダ102内に出没自在に配置され、ベース
ガイド112を介してシリンダ111の中央部に起立す
るポンプロッド106よりなるものである。
【0023】ピストンロッド101は、パッキン110
Aを介してロッドガイド110を液密的にかつ出没自在
に貫通じていて、車両のばね上部分とばね下部分の相対
運動により、シリンダ111内に出入りする。シリンダ
111内には、ピストンロッド101の下端に固定され
シリンダ111の内周を摺動するピストン103が装着
されている。このピストン103は、シリンダ111内
をピストン上部室Aとピストン下部室Bとに画成すると
ともに、ピストン上部室Aとピストン下部室Bとを連通
するピストンバルブPVを有している。ピストンバルブ
PVは記号で表示されているが、従来技術で説明した伸
び側減衰弁19,縮み側減衰弁20に相当する構造を有
している。
【0024】ベースガイド112の外周部にシール11
4を介装して起立するパイプ113に、溶接等により固
定されるリテーナ115および116は、ゴム膜等より
なる筒状のダイヤフラム120の上端及び下端部をアウ
ターシェル117の内周に液密状態で保持している。こ
のダイヤフラム120の外側に形成された空間は、高い
圧力の窒素ガス等を封入した高圧ガス室Dとなってお
り、ダイヤフラム120の内側に形成された空間は、リ
テーナ116の内周側の切欠き通路116A,容室G,
通路112Cを介してピストン下部室Bに連通する高圧
油貯蔵室Eとなっており、前記高圧ガス室Dと共働して
アキュムレータとして機能する。
【0025】リテーナ115の上部にあって、とシリン
ダ111の間に形成されるリザーバCには、容積の半分
程度の作動油と低圧ガスとが封入されている。ポンプロ
ッド106は、その下端に固定された取付け部107を
ベースガイド112の下側段付き部と上側に圧入固定さ
れたカラー112Dにより挟持され、シール109とバ
ックアップリング108の介在下に多少の揺動を許容さ
れてベースガイド112の中央部に起立している。ポン
プロッド106は内側が中空部106Bとなっており、
この中空部106Bの下端は、ベースガイド112に形
成された通路112A,112B及びパイプ113の内
周とシリンダ111の外周との間に形成された環状通路
Fを介してリザーバCの底部油溜りに連通している。
【0026】ポンプロッド106は、ピストンロッド1
01の下端部に鍔部102Aを介して固定されたポンプ
シリンダ102の内周に出没自在に収容されており、ポ
ンプシリンダ102内にポンプ室Hを区画する。ポンプ
ロッド106の上部には、このポンプ室Hの容積拡大時
にリザーバCの作動油をポンプロッド内の中空部106
Bを通じて、ポンプ室Hに吸入させるための吸入弁SV
が装着され、またポンプシリンダ102の上端には、ポ
ンプ室Hの容積収縮時にポンプ室H内の作動油を、ポン
プシリンダ102の外周とピストンロッド102の中空
部101Cとの間に形成された環状通路J,ピストンロ
ッド101の下端部に開口する連通孔101Bを通じ
て、ピストン上部室Aに吐出するための吐出弁DVが装
着されている。
【0027】アウターシェル117には、ピストン上部
室Aおよび高圧油貯蔵室Eと連通する高圧ポート117
Bと、リザーバCと連通する低圧ポート117Aが設け
られている。車高調整式油圧緩衝器の高圧ポート117
Bおよび低圧ポート117Aには、運転者が必要に応じ
手動操作で目標車高を設定できる車高設定スイッチS
W,常時車体の路面からの高さを監視する車高センサS
h,操舵角度を監視するハンドル角センサSθ,車速を
監視する車速センサSv等の各種入力信号を演算処理し
て、制御信号を出力するコントローラCNTにより開閉
される電磁弁EVが接続されている。
【0028】次に作用を説明する。ピストンロッド10
1は、ピストン下部室Bの圧力にピストンロッド101
の断面積を乗じた推力で伸長方向に駆動され、この駆動
力が車両のばね上荷重を支持する。ピストン下部室Bの
圧力は、高圧ガス室Dのガス圧に対応しており、ガスが
圧縮性を有することから、ピストンロッド101に上記
駆動力を上回る外力が圧縮方向に働いたときには、ピス
トンロッド101がシリンダ111内に進入し、また圧
縮方向に働く外力が上記駆動力よりも小さくなったとき
には、ピストンロッド101がシリンダ111から退出
する。車両が走行すると、路面の凹凸などにより上記外
力が変動するので、ピストンロッド15はシリンダ14
内への出没を繰り返すことになる。
【0029】ピストンロッド101がシリンダ111内
へ進入するときは、ピストン下部室Bの圧力が高まり、
ピストン下部室Bの作動油がピストンバルブPVを押し
開いてピストン上部室Aへ流れる。また、ピストンロッ
ド101がシリンダ111から退出するときは、ピスト
ン上部室Aの圧力が高まり、ピストン上部室Aの作動油
が、ピストンバルブPVを押し開いてピストン下部室B
へ流れる。
【0030】このような作用により車両のばね上部分と
車両のばね下部分との相対的伸縮運動が減衰される。一
方、ピストンロッド101がシリンダ111から退出す
るときは、ピストンロッド101がポンプロッド106
の上方へ退出してポンプ室Hが拡大するので、リザーバ
C内の作動油が吸込み弁SVを押し開いて、相対的に負
圧となるポンプ室H内に吸入される。他方、ピストンロ
ッド101がシリンダ111内へ進入するときは、ポン
プロッド106がピストンロッド101内へ進入してポ
ンプ室Hが圧縮されるので、ポンプ室H内の作動油が吐
出弁DVを押し開いてピストン上部室Aへ吐出される。
この繰り返しにより、リザーバCからピストン上部室A
への作動油のポンプアップが行われる。
【0031】ポンプアップされた作動油は、高圧ガス室
Dのガスを圧縮しつつ高圧油貯蔵室Eに貯蔵され、ピス
トン下部室B内の圧力が高くなり、ピストン下部室Bの
圧力上昇に応じてピストンロッド101がシリンダ11
1から退出し、車高が高くなる。車高が車高設定スイッ
チSWによって設定された目標車高値を越えて、車高セ
ンサShが作動するとコントローラCNTからの出力信
号により電磁弁EVが作動し、高圧ポート117Bと低
圧ポート117Aを連通するので、ピストン下部室Bに
ポンプアップされた作動油は、電磁弁EVを通ってリザ
ーバC側へと放出される。ポンプアップされる作動油流
量と電磁弁EVからリザーバC側へ放出される作動油流
量とが均衡すれば車高上昇が停止する。
【0032】乗客の下車などに伴い、車両荷重が減少し
たときは、ピストン下部室Bの圧力によりピストンロッ
ド101がシリンダ111から更に退出し、車高が目標
車高値を越えるので、上述した車高センサShが作動
し、ピストン下部室Bの作動油が電磁弁EVを通ってリ
ザーバCへ放出され、車高が電磁弁EVの開度によって
調整された低下速度で低下する。この車高の低下は、車
高が目標車高値迄低下し車高センサが停止して、電磁弁
が閉じられるまで続く。
【0033】小柄な人が乗り降りするような場合には、
運転者が車高設定スイッチSWを操作して目標車高値を
下げることにより、上述した車高センサShが作動し
て、ピストン下部室Bの作動油が電磁弁EVを通ってリ
ザーバCへ放出され、車高を更に低下させることができ
る。
【0034】ハンドル角センサーは、操舵時等の急激な
車高調整作動は車両の走行安定性を損なう惧れがあるた
め作動を緩やかにすることや、カーブした路面を走行す
る場合に、カーブの内側よりも外側の車高を高くして走
行安定性を増すための信号をコントローラに入力するた
めのものであり、また、車速センサーは、高速走行時の
急激な車高調整作動は車両の走行安定性を損なう惧れが
あるため作動を緩やかにすることや、車高を低めに維持
するための信号をコントローラに入力するためのもので
ある。
【0035】以上、ピストンロッドが車両のばね上部分
に連結される所謂正立型の車高調整式油圧緩衝器につい
て説明したが、ピストンロッドが車両のばね下部分に連
結される所謂倒立型の車高調整式油圧緩衝器であっても
よい。図2はこの場合の構造を示すもので、図1の所謂
正立型との構造上の主たる相違点は、作動油をリザーバ
Cからポンプ室へ吸入管225によって吸入する点であ
る。吸入管225の下端部はリザーバCの底部の油溜り
に常時没入しているため、作動油のみを吸入する。作動
については、図1の正立型と同様であるので説明を省略
する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、小柄
な人が乗り降りするような場合においても、運転者が車
高設定スイッチSWを操作して目標車高値を下げること
により、車高センサShが作動して、ピストン下部室B
の作動油が電磁弁EVを通ってリザーバCへ放出され、
車高を電磁弁EVの開度によって調整された低下速度で
任意の高さに調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る正立型車高調整式油圧緩衝器の
断面図及び制御装置である。
【図2】 本発明に係る倒立型車高調整式油圧緩衝器の
断面図及び制御装置である。
【図3】 従来技術に係る車高調整式油圧緩衝器の断面
図及び制御装置である。
【符号の説明】
A ピストン上部室 B ピストン下部室 E 高圧作動油貯蔵室 D 高圧ガス室 C リザーバ H ポンプ室 SV 吸入弁 DV 吐出弁 Sh 車高センサー SW 車高設定スイッチ EV 電磁弁 CNT コントローラ 101 ピストンロッド 102 ポンプシリンダ 106 ポンプロッド 111 シリンダ 117 アウターシェル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のばね上またはばね下部分のいずれ
    か一方に連結されるアウターシェルと、このアウターシ
    ェルの内側にアウターシェルと一体的に変位するように
    配設されたシリンダと、このシリンダの内側に画成され
    たピストン上部室及びピストン下部室と、前記アウター
    シェルの内側とシリンダの外側との間に形成されかつ前
    記ピストン下部室と連通する高圧作動油貯蔵室と、前記
    アウターシェルの内側とシリンダの外側との間に形成さ
    れたリザーバと、車両のばね上またはばね下部分のいず
    れか他方に連結されていて、車両のばね上部分とばね下
    部分との相対上下運動により、前記シリンダ内に出入り
    するピストンロッドと、前記シリンダと一体的に変位す
    るように配設されていて、前記ピストンロッド内に出没
    自在なポンプロッドと、このポンプロッドにより前記ピ
    ストンロッド内に区画されたポンプ室と、このポンプ室
    が拡大するときに前記リザーバの作動油を吸入する吸入
    弁と、前記ポンプ室が収縮するときにポンプ室内の作動
    油を前記シリンダ内に吐出する吐出弁と、前記シリンダ
    とピストンロッドの相対上下方向位置が目標車高値以上
    のときは、前記ピストン下部室および高圧作動油貯蔵室
    の作動油を前記リザーバに対して放出する電磁弁とを備
    えた車高調整装置において、前記電磁弁が目標車高値に
    対して作動する車高センサーからの入力信号および目標
    車高を設定する車高設定スイッチの入力信号を演算処理
    するコントローラの出力信号によって駆動されることを
    特徴とする車高調整式油圧緩衝器の制御装置。
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