JPH07253135A - ハイドロニューマチックシリンダ - Google Patents

ハイドロニューマチックシリンダ

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Publication number
JPH07253135A
JPH07253135A JP4266694A JP4266694A JPH07253135A JP H07253135 A JPH07253135 A JP H07253135A JP 4266694 A JP4266694 A JP 4266694A JP 4266694 A JP4266694 A JP 4266694A JP H07253135 A JPH07253135 A JP H07253135A
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JP
Japan
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working fluid
chamber
sleeve
hollow
cylinder
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Application number
JP4266694A
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English (en)
Inventor
Shuichi Takema
修一 武馬
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車高調整位置を任意の位置に変更で
きるよう構成したハイドロニューマチックシリンダを提
供することを目的とする。 【構成】 ハイドロニューマチックシリンダ1は、シリ
ンダ本体2と、内部シリンダ3と、ピストン4と、中空
ピストンロッド5と、中空ポンプロッド6と、ポンプ部
7と、連通機構8と、スリーブ9と、車高調整機構10
とよりなる。中空ピストンロッド5の内部には、中空状
のスリーブ9が軸方向に摺動可能に挿入されており、ス
リーブ9の先端9cが中空ポンプロッド6に穿設された
連通孔6aを開閉する。車高調整機構10はスリーブ9
を軸方向に駆動するステッピングモータ32を有し、ス
テッピングモータ32により駆動軸33が所定角度回転
駆動される。これにより、スライド部材43がスリーブ
9とともに上方又は下方にスライドし、スリーブ9の先
端9cは連通孔6aの開閉位置を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハイドロニューマチック
シリンダに係り、特に車両の積載荷重の変動に拘わらず
車高を一定に保つように構成したハイドロニューマチッ
クシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車においては、各車輪が夫
々サスペンションにより支持されており、各車輪にかか
る荷重に応じてサスペンションのショックアブソーバが
伸縮して衝撃を吸収するようになっている。従って、凹
凸のある路面を走行する際は、ショックアブソーバが伸
縮するとともにシリンダ内に充填された作動流体の抵抗
を利用して減衰力が発生するため、路面の凹凸による衝
撃が緩和される。
【0003】ところが、例えば車両の乗車人数又は積載
物の重量によってもショックアブソーバが伸縮して車高
が変動するため、各車輪にかかる重量が増加してショッ
クアブソーバが圧縮された状態になると、路面の凹凸に
よる衝撃を良好に吸収できなくなるばかりか操縦安定性
も影響されることがあるので、車両の乗車人数又は積載
物の重量が変動しても車高を一定に保つように作動する
ハイドロニューマチックシリンダが開発されつつある。
【0004】この種のハイドロニューマチックシリンダ
としては、例えば米国学会誌SAE(Society of Autom
otive Enginieers,INC. )780052に記載されたものが知
られている。
【0005】このハイドロニューマチックシリンダは、
シリンダ本体内に高圧ガスが封入された高圧作動流体室
と低圧作動流体室とが設けられており、車両の乗車人数
又は積載物の重量増大により車高が低下すると、ハイド
ロニューマチックシリンダの伸縮に際して、ピストンの
摺動動作によるポンプ作用により低圧作動流体室の作動
流体が高圧作動流体室へ圧送され、高圧作動流体室の圧
力を高めることにより車高を一定に保つようになってい
る。又、車両の乗車人数又は積載物の重量が減少した場
合、ピストンが下がるとともに、高圧作動流体室の作動
流体が低圧作動流体室へ戻されて車高を一定に保つよう
になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ハイドロニューマ
チックシリンダにおいて、シリンダ内に充填された作動
流体は、車輪が路面の凹凸を通過する際にバウンド(ピ
ストンが圧縮方向に移動)すると、ポンプ作用により低
圧作動流体室の作動流体が高圧作動流体室へ圧送され、
ピストンと一体に設けられた中空のロッドに穿設された
連通孔が所定の車高になった時点で開となって高圧側の
作動流体が低圧側に戻されるようになっている。
【0007】ところが、従来は、上記連通孔の開閉位置
が固定されていたため、車高を多段階に変更することが
できず、例えば大きな凹凸があるような悪路を走行する
場合には、車高が低過ぎてピストンのストローク不足と
なり、あるいは高速道路を走行する場合には車高が高過
ぎて安定性に欠ける場合があった。
【0008】そこで、本発明は上記課題に鑑み、車高を
多段階に調整可能な構成としたハイドロニューマチック
シリンダを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、作動流体が充
填された作動流体室を有するシリンダと、該作動流体室
と連通する高圧作動流体室と、前記シリンダ内の作動流
体室に摺動自在に設けられたピストンと、該ピストンが
一端に設けらた中空ピストンロッドと、該中空ピストン
ロッド内に挿入されたスリーブと、低圧作動流体室と、
一端が前記スリーブ内に挿入され、他端が前記シリンダ
に固定され、内部に前記低圧作動流体室と連通した低圧
室を有する中空ポンプロッドと、前記ピストンの移動に
より前記中空ポンプロッドと前記スリーブとの間に形成
されたポンプ室に吸い込まれた作動流体を前記高圧作動
流体室に吐出させるポンプと、前記中空ポンプロッドに
形成され前記中空ポンプロッドの低圧室と前記作動流体
室とを連通して前記作動流体室の作動流体を前記低圧室
に流出させる連通孔と、前記スリーブを軸方向に駆動
し、前記連通孔に対する開閉位置を変更する駆動手段
と、よりなることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、駆動手段によりスリーブを軸
方向に駆動し、連通孔に対する開閉位置を変更できるた
め、車高を任意の高さに調整することが可能となり、例
えば路面の状態あるいは走行速度に応じて車高を調整で
きる。
【0011】
【実施例】図1乃至図3に本発明になるハイドロニュー
マチックシリンダの一実施例を示す。
【0012】各図中、ハイドロニューマチックシリンダ
1は、例えば自動車の後輪を支持するサスペンションの
ショックアブソーバとして組み込まれている。
【0013】ハイドロニューマチックシリンダ1は、シ
リンダ本体2と、内部シリンダ3と、ピストン4と、中
空ピストンロッド5と、中空ポンプロッド6と、ポンプ
部(ポンプ手段)7と、連通機構8と、スリーブ9と、
車高調整機構(駆動手段)10とよりなる。中空ピスト
ンロッド5の内部には、中空状のスリーブ9が軸方向に
摺動可能に挿入されており、車高調整機構10は後述す
るように中空ピストンロッド5に対するスリーブ9の突
出位置を任意の位置に変更することにより車高調整位置
を多段階に変更する。
【0014】シリンダ本体2は、ハイドロニューマチッ
クシリンダ1の外筒として機能し、下端に車輪を支持す
るアーム等(図示せず)に連結される連結部2aを有
し、上端開口には中空ピストンロッド5を摺動自在にガ
イドする軸受部材2bが嵌合している。又、中空ピスト
ンロッド5が挿入される軸受部材2bの内周には、中空
ピストンロッド5の外周との間をシールするOリング2
cが設けられている。
【0015】上記ポンプ部7は、スリーブ9の内部に形
成されたポンプ室9aを有し、後述するようにピストン
4が伸び方向に移動する過程で中空ポンプロッド6の内
部の作動流体がポンプ室9aに吸引され、ピストン4が
圧縮方向に移動する過程でポンプ室9aに吸い込まれた
作動流体を高圧室としての高圧作動流体室14に吐出す
る。
【0016】シリンダ本体2の内部は、筒状のインナチ
ューブ12により低圧作動流体室13と高圧作動流体室
14とに画成されており、低圧作動流体室13及び高圧
作動流体室14内には抵抗力を発生させる作動流体が充
填されている。しかも、インナチューブ12と内部シリ
ンダ3との間には全周に隙間が形成されており、この隙
間は高圧作動流体室14と内部シリンダ3内とを連通す
る通路30として機能する。
【0017】尚、作動流体としては、一般に「粘性を有
する作動油」が使用され、粘性の異なる作動油を選択す
ることにより減衰特性(ピストンのストロークに対する
抵抗力)が設定される。
【0018】又、上記シリンダ本体2の内壁と低圧作動
流体室13との間には、筒状のダイヤフラム15aが挿
入され、シリンダ本体2の内壁と高圧作動流体室14と
の間には、筒状のダイヤフラム15bが挿入されてい
る。このダイヤフラム15a,15bは、夫々上,下端
部が上記インナチューブ12,軸受部材2bにより係止
されている。
【0019】そして、ダイヤフラム15aとシリンダ本
体2の内壁との間が低圧ガス室16となっている。この
低圧ガス室16には、例えば窒素ガス等の低圧ガス(図
1及び図2中、ナシ地模様で示す)が封入される。その
ため、低圧作動流体室13内に充填された作動流体は、
ダイヤフラム15aを介して低圧ガス室16のガス圧に
より加圧されている。
【0020】ダイヤフラム15bとシリンダ本体2の内
壁との間は、高圧ガス室17となっている。この高圧ガ
ス室17には、例えば窒素ガス等の高圧ガス(図1及び
図2中、ナシ地模様で示す)が封入される。そのため、
高圧作動流体室14内に充填された作動流体は、ダイヤ
フラム15bを介して高圧ガス室17のガス圧により加
圧されている。
【0021】上記シリンダ本体2内に挿入された内部シ
リンダ3の内部は作動流体室となっており、この作動流
体室は摺動自在に嵌合したピストン4により上室18と
下室19とに画成されている。この上室18及び下室1
9には、高圧ガス室17のガス圧により加圧された作動
流体が充填されている。
【0022】又、ピストン4には、下動するとき下室1
9の作動流体を上室18に導く小孔4aと、上動すると
き上室18の作動流体を下室19に導く小孔4bと、が
穿設されている。従って、ピストン4が車輪(図示せ
ず)から入力された振動により内部シリンダ3内を摺動
すると、作動流体が減衰力発生部としての小孔4a又は
小孔4bを通過して抵抗力を発生させる。
【0023】上記中空ピストンロッド5は、下端にピス
トン4が設けられ、上端には前述した車高調整機構10
が取り付けられ、上端外周には振動吸収部材としてのア
ッパーインシュレータ20a,このアッパーインシュレ
ータ20aを保持するアッパーブラケット20b及びア
ッパーサポート21が取り付けられている。アッパーサ
ポート21は、取付ボルト21aにより車体(図示せ
ず)に固定される。
【0024】従って、比較的重量の大きい車高調整機構
10が中空ピストンロッド5の上端に設けられているの
で、そのばね下荷重を軽減することができ、走行中の振
動吸収動作がより効率良く行うことができる。
【0025】中空ポンプロッド6の内部には、通路29
を介して低圧作動流体室13と連通する低圧室22が形
成されている。この低圧室22には、上記低圧ガスに付
勢された作動流体が充填されている。
【0026】又、中空ポンプロッド6は、上端にチェッ
ク弁よりなるインレットバルブ23が設けられ、下端が
上記シリンダ本体2の底部内面に固定されている。イン
レットバルブ23は、スリーブ9内に挿入されており、
ピストン4が上動してポンプ室9aの容積が増大する吸
い込み行程時に開弁する。即ち、インレットバルブ23
は、低圧室22の作動流体がポンプ室9aに流入するこ
とを許容するように設けられており、ピストン4が下動
するとき閉弁する。
【0027】上記スリーブ9の上端には、チェック弁よ
りなるアウトレットバルブ24が設けられ、アウトレッ
トバルブ24は、中空ピストンロッド5とスリーブ9の
間に形成された通路37を介して高圧作動流体室14と
連通している。アウトレットバルブ24は中空ポンプロ
ッド6が上動してポンプ室9aの容積が縮小する吐出行
程時に開弁する。即ち、アウトレットバルブ24は、ポ
ンプ室9aの作動流体が高圧作動流体室14に吐出され
ることを許容するように設けられており、ピストン4が
上動して伸び方向に摺動するとき閉弁する。
【0028】従って、上記ポンプ部7は、スリーブ9内
に形成されたポンプ室9aと、上記インレットバルブ2
3と、上記アウトレットバルブ24と、よりなる。
【0029】図2に示すように、連通機構8は、中空ポ
ンプロッド6の低圧室22と内部シリンダ3の下室19
とを連通する連通孔6aと、中空ピストンロッド5がピ
ストン4とともに軸方向に動作することにより中空ポン
プロッド6に沿って摺動して連通孔6aを開閉する開閉
弁としてのスリーブ9とよりなる。
【0030】従って、中空ポンプロッド6に穿設された
連通孔6aは、スリーブ9により閉塞されているが、後
述するようにピストン4が上方に変位して所定の高さ位
置に至ると、スリーブ9の先端9cより抜け出て開とさ
れる。
【0031】即ち、スリーブ9の先端9cが連通孔6a
よりも上方に移動すると、連通孔6aが全開状態とな
る。このように、中空ポンプロッド6がスリーブ9内を
下方に摺動することにより中空ポンプロッド6の低圧室
22と内部シリンダ3の下室19とが連通され、内部シ
リンダ3の下室19の作動流体は、低圧室22を介して
低圧作動流体室13に戻される。
【0032】従って、連通機構8は、車輪への荷重が軽
減されたときは、連通孔6aを介して低圧室22と上室
18とが連通状態に切り換わり、自動的に車高調整を行
うとともに、スリーブ9の先端9cの突出長さを調整す
ることにより開閉位置が変更されて車高を変更された位
置に保つ。
【0033】上記のように連通孔6aが中空ピストンロ
ッド5により開閉されるのではなく、スリーブ9の先端
9cとの相対位置により開閉されるため、横力が作用し
た場合、スリーブ9と中空ピストンロッド5で分担され
るため、強度を高めることができる。又、中空ポンプロ
ッド6がスリーブ9に嵌合しているので、ピストン4の
摺動時の芯だし作用が行われてピストン4の摺動動作が
スムーズになる。
【0034】図3に示すように、上記車高調整機構10
は、中空ピストンロッド5の上端にブラケット31を介
して固定されたステッピングモータ(駆動手段)32
と、ステッピングモータ32に駆動される駆動軸33
と、駆動軸33のおねじ33aに螺合するめねじ34a
を有するスライド部材34と、駆動軸33を回転自在に
軸承する軸受部材35と、よりなる。
【0035】スライド部材34は、上部開口34bにめ
ねじ34aが設けられ、下部開口34cにスリーブ9の
上端9bが嵌合固定されている。尚、スリーブ9の上端
9bと下部開口34cとの間に形成された空間内には、
上記アウトレットバルブ24が設けられており、スリー
ブ9の上端9bは、ポンプ室9aよりも小径となるよう
に絞り加工され、アウトレットバルブ24の弁座として
機能する。
【0036】又、スライド部材34の外周には、中空ピ
ストンロッド5の内部に形成されたガイド部36に嵌合
する係合部34dが設けられている。このガイド部36
はスライド部材34が軸方向に摺動するようにガイドす
るとともに、スライド部材34の係合部34dに係合し
て回転動作を規制する。即ち、ガイド部36は例えば四
角穴又は六角穴よりなり、係合部34dもこれに嵌合す
るように四角形又は六角形に形成されている。
【0037】従って、駆動軸33がステッピングモータ
32に駆動されると、スライド部材34は軸方向にスラ
イドする。そして、スリーブ9はスライド部材34と一
体的に結合されているため、駆動軸33の回転方向に応
じて軸方向に上動又は下動して連通孔6aの開閉位置を
変更する。
【0038】ここで、上記構成になるハイドロニューマ
チックシリンダ1の動作につき説明する。
【0039】例えば、車輪が路面の凹凸を通過する際に
上下動すると、その振動が連結部2aを介して中空ポン
プロッド6に伝達される。中空ポンプロッド6の上動に
伴い中空ピストンロッド5の下端に設けられたピストン
4は、相対的に下動する。従って、ピストン4は、車輪
の上下動とともに内部シリンダ3内を往復動する。
【0040】このようにピストン4が上動するとき、上
室18の作動流体はピストン4の小孔4bを通過して下
室19に流れ、ピストン4が下動するとき下室19の作
動流体は小孔4aを通過して上室18に流れる。その
際、小孔4a,4bにおいて、粘性抵抗が発生し、これ
が車輪の上下動を減衰させる抵抗力となる。
【0041】又、車輪の上下動に伴うピストン4の動作
は、上記ダイヤフラム15bにより画成された高圧ガス
室17のガス圧が空気ばねと同じ作用をするため、高圧
ガス室17のガス圧により吸収される。
【0042】次に車高を一定に保つ車高調整動作につい
て説明する。
【0043】車輪の上下動に伴って中空ポンプロッド6
が下方(伸び方向)に移動して相対的にピストン4が上
方に移動すると、ポンプ室9aの容積が増大される。そ
のため、アウトレットバルブ24が閉弁するとともに、
中空ポンプロッド6の上端に設けられたインレットバル
ブ23が開弁して低圧室22の作動流体はスリーブ9の
ポンプ室9aに吸引される。
【0044】次に、中空ポンプロッド6が上方(圧縮方
向)に移動すると、ポンプ室9aの容積が縮小される。
そのため、アウトレットバルブ24が開弁するととも
に、インレットバルブ23が閉弁する。よって、ポンプ
室9aの作動流体は、ポンプ室9aの容積が減少するに
つれてスリーブ9と中空ピストンロッド5との間に形成
された吐出通路37を通過して内部シリンダ3の下室1
9に吐出される。
【0045】下室19は、通路30を介して高圧作動流
体室14と連通しているため、上記ポンプ部7の動作に
より低圧室22の作動流体が内部シリンダ3内に供給さ
れると、その分高圧作動流体室14の作動流体が増大
し、高圧ガス室17のガス圧が上昇する。この高圧ガス
室17のガス圧により、車輪から伝達された衝撃が吸収
される。
【0046】又、乗車人数又は積載物の重量が増大する
と、中空ピストンロッド5に作用する荷重増大によりピ
ストン4が下方に移動して相対的に中空ポンプロッド6
が上方に移動する。そのため、上記ポンプ動作が繰り返
されると、低圧室22の作動流体が徐々に内部シリンダ
3の下室19へ供給されるため、やがて高圧ガス室17
のガス圧が上昇して車高が上昇する。
【0047】上記ポンプ動作により高圧ガス室17のガ
ス圧が上昇した後に乗車人数又は積載物の重量が減少す
ると、中空ポンプロッド6が下動するとともにピストン
4が上室18と下室19との受圧面積の差により上動す
る。さらに、ピストン4が上動すると、図4に示すよう
に、スリーブ9の先端9cが中空ポンプロッド6の連通
孔6aより上方に移動する。即ち、スリーブ9は中空ポ
ンプロッド6に沿って上動して連通孔6aを開とする。
【0048】よって、下室19の作動流体は、連通孔6
aを介して中空ポンプロッド6内の低圧室22へ流入
し、下室19の圧力が減圧される。
【0049】このように、高圧作動流体室14に供給さ
れた作動流体は、低圧作動流体室13に戻されて高圧ガ
ス室17のガス圧が低下して車高が一定となる。よっ
て、車高が一定に調整されるため、路面から車輪に作用
する上方への衝撃及び、車両の荷重が車輪に作用する下
方への衝撃を良好に吸収することができ、乗り心地を向
上させることができる。
【0050】次に、上記構成になるハイドロニューマチ
ックシリンダ1において、車高調整を行う場合につき説
明する。
【0051】前述した車高調整機構10のステッピング
モータ32は、制御回路(図示せず)からの指令により
駆動される。尚、制御回路は、例えば路面状態(凹凸に
よる路面粗さ)及び車両の走行速度(高速走行中)によ
って車高調整を行う。
【0052】従って、ステッピングモータ32は、車両
が悪路あるいは凹凸のある未舗装道路を走行する際、駆
動軸33を右回りに所定角度回転駆動する。これによ
り、スライド部材34は、下方に摺動し、スリーブ9も
同方向に移動させる。
【0053】よって、スリーブ9の先端9cは、図5に
示すように、中空ピストンロッド5の下端より下方に寸
法Lだけ突出した位置に移動する。そのため、中空ポン
プロッド6の連通孔6aは、寸法Lだけ下方に移動した
位置に達したとき、開とされて下室19と低圧室22と
が連通する。その結果、下室19の作動流体は、連通孔
6aを介して中空ポンプロッド6内の低圧室22へ流入
し、下室19の圧力が減圧される。
【0054】従って、車高がスリーブ9が寸法Lだけ下
方に移動した分高くなり、車両は悪路あるいは凹凸のあ
る未舗装道路を走行しやすくなる。
【0055】又、未舗装道路を通過して舗装道路に至る
と、車両が高速走行に移り、ステッピングモータ32
は、上記未舗装道路を走行する場合とは逆に、駆動軸3
3を左回りに所定角度回転駆動する。これにより、スラ
イド部材34は、上方に摺動し、スリーブ9も同方向に
移動させる。
【0056】よって、スリーブ9の先端9cは、図4に
示すように、中空ピストンロッド5の下端と略同一高さ
位置に移動する。そのため、中空ポンプロッド6の連通
孔6aは、図5の場合よりも寸法Lだけ上方に移動した
位置に達したとき、開とされて下室19と低圧室22と
が連通する。その結果、下室19の作動流体は、連通孔
6aを介して中空ポンプロッド6内の低圧室22へ流入
し、下室19の圧力が減圧される。
【0057】従って、未舗装道路を走行する場合より
も、車高がスリーブ9が寸法Lだけ下方に移動した分低
くなり、車両は舗装道路を高速で走行しやすくなる。
【0058】このように、ステッピングモータ32によ
る駆動軸33の回転角度を任意の角度に調整することに
より、車高を多段階に変更することができ、よりきめ細
かい車高調整が可能となる。又、ステッピングモータ3
2による駆動軸33の回転角度は車速に応じた角度とな
るように予め設定されたマップ等をメモリに登録してお
くことにより、各種走行条件における最適な車高に調整
することができる。
【0059】尚、上記実施例では、自動車を一例として
挙げたが、これ以外の車両にも適用できるのは勿論であ
る。
【0060】又、上記実施例では、ステッピングモータ
を使用して車高を調整するようにしたが、これ以外のア
クチュエータ(例えば空気駆動式モータや油圧シリンダ
等)を使用する構成としても良い。
【0061】さらに、ステッピングモータ等のアクチュ
エータは、運転者による手動操作によって制御されても
良い。この場合、運転者の好みの車高に調整できる。
【0062】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、駆動手段
によりスリーブを軸方向に駆動し、連通孔に対する開閉
位置を変更することができるため、車高を任意の高さに
調整することが可能となり、例えば路面の状態あるいは
走行速度に応じて車高を多段階にきめ細かく調整するこ
とができる。又、各種走行条件における最適な車高に調
整することができるので、操縦安定性を高めることがで
きるとともに、乗り心地を改善することができる等の特
徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるハイドロニューマチックシリンダ
の一実施例の縦断面図である。
【図2】シリンダ本体の内部を拡大した縦断面図であ
る。
【図3】車高調整機構を拡大して示す縦断面図である。
【図4】スリーブによる連通動作を説明するための縦断
面図である。
【図5】スリーブの摺動動作を説明するための縦断面図
である。
【符号の説明】
1 ハイドロニューマチックシリンダ 2 シリンダ本体 3 内部シリンダ 4 ピストン 5 中空ピストンロッド 6 中空ポンプロッド 7 ポンプ部 8 連通機構 9 スリーブ 10 車高調整機構 12 インナチューブ 13 低圧作動流体室 14 高圧作動流体室 15a,15b ダイヤフラム 16 低圧ガス室 17 高圧ガス室 18 上室 19 下室 22 低圧室 23 インレットバルブ 24 アウトレットバルブ 27 インレットバルブ 33 駆動軸 34 スライド部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体が充填された作動流体室を有す
    るシリンダと、 該作動流体室と連通する高圧作動流体室と、 前記シリンダ内の作動流体室に摺動自在に設けられたピ
    ストンと、 該ピストンが一端に設けらた中空ピストンロッドと、 該中空ピストンロッド内に挿入されたスリーブと、 低圧作動流体室と、 一端が前記スリーブ内に挿入され、他端が前記シリンダ
    に固定され、内部に前記低圧作動流体室と連通した低圧
    室を有する中空ポンプロッドと、 前記ピストンの移動により前記中空ポンプロッドと前記
    スリーブとの間に形成されたポンプ室に吸い込まれた作
    動流体を前記高圧作動流体室に吐出させるポンプと、 前記中空ポンプロッドに形成され前記中空ポンプロッド
    の低圧室と前記作動流体室とを連通して前記作動流体室
    の作動流体を前記低圧室に流出させる連通孔と、 前記スリーブを軸方向に駆動し、前記連通孔に対する開
    閉位置を変更する駆動手段と、 よりなることを特徴とするハイドロニューマチックシリ
    ンダ。
JP4266694A 1994-03-14 1994-03-14 ハイドロニューマチックシリンダ Pending JPH07253135A (ja)

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