JPH10280343A - 反射道路鋲 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】道路上の夜間のセンターライン等の示線の視覚
用に設けられる隆起型反射道路鋲に関し、従来の反射道
路鋲の持つ高輝度再帰反射特性を損なうことなく、完全
フラット埋設が可能な光学構造体を具現化し、隆起形状
の従来型反射道路鋲が誘発する各種の交通事故要因を払
拭し、さらに、豪雪地域においては、従来困難とされた
隆起型反射道路鋲が設けられた道路上での除雪作業を、
容易かつ効率良く行えるようにする。 【構成】全反射プリズム（１）の一面に再帰反射素子
（２）を設け、これらを任意の光学保持体（３）に設け
た反射道路鋲。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、道路のセンターライ
ンや停止線等に設ける反射道路鋲に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の反射道路鋲は、鋳物製の隆起形状
体の側面に再帰反射材を概ね直立して設けたものを、道
路のセンターラインや停止線に設け、これら示線の夜間
の視覚向上策としていた。これは、従来再帰反射材とし
て使用されているコーナーキューブプリズムやガラスビ
ーズが、車のヘッドライト光源に対し垂直から４５度程
度までしか効果的な再帰反射作用を行わないため前述の
ような隆起形状での設置を止むなくされているという現
状にある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
反射道路鋲は、道路面に対し、隆起して設けられている
ため、左記反射道路鋲を乗り越える際、車のドライバー
がハンドルをとられたり、自転車が転倒する等の交通事
故を誘発している。また、東北地方や北海道地方等の豪
雪地域においては、除雪車の除雪用シャベルが前記の隆
起状の反射道路鋲に接触することで除雪作業を阻まれ、
これらの地域においては、降雪期間毎に、左記反射道路
鋲を取外すという作業を強いられているというのが現状
である。本発明は、これらの問題を解決するためになさ
れたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】全反射プリズム（１）の
一面に連続したコーナーキューブプリズム形状からなる
再帰反射素子（２）を設け、これらを升状の光学保持体
（３）内に、図１、図２および図３に示すように、左記
全反射プリズム（１）と再帰反射素子（２）の各々の全
反射面の光学作用が損なわれないよう、左記各面との間
に若干の空隙を設けて左記光学保持体（３）の壁体を設
けた反射道路鋲。

【０００５】

【作用】本発明は、道路のセンターライン上あるいは停
止線上等に埋設する際、道路面と完全に同一面で設置で
き、尚且つ、図４と図５に示すように、全反射プリズム
（１）の光学作用により、道路上の両方向からのヘッド
ライトを光源とする入射光を、再帰反射素子（２）面
に、再帰反射光学作用が効果的に作用する入射角で導入
させることで、道路面と同一面の入射面であるにもかか
わらず、従来の隆起型反射道路鋲と同等の再帰反射作用
を可能とする。さらに、雨天時においても、本発明の光
学性能は失われることなく、高輝度な再帰反射を可能と
する。

【０００６】

【実施例】以下、請求項１に記載の本発明の実施例につ
いて説明する。図６に示すように、縦１１センチメート
ル・横６センチメートル・厚さ５ミリメートルの取付板
に、縦１０センメートル、横５センチメートルの入射面
を持つ二等辺直角三角形の全反射プリズム（１）と、左
記全反射プリズム（１）の再帰反射面に相当する面側の
全面に３辺の各辺が各々５ミリメートルの入射面から成
るコーナーキューブプリズムの連続形状による再帰反射
素子（２）を設けた形状を透明なポリカーボネイト樹脂
にて一体成形し、これらを、図６に示すような断面構造
を持つ肉厚５ミリメートルのアルミダイキャストによる
光学保持体（３）に、ゴム系接着剤等で雨水等が光学保
持体（３）内部に進入しないよう、完全接着して設け
る。本発明は以上のような構造で、これを使用するとき
は、道路のセンターライン上あるいは停止線上等に、図
８に示すように道路面と同一面となるように埋設して設
ける。尚、本発明に設ける再帰反射素子（２）は、ガラ
スビーズあるいは微小のコーナーキューブプリズムの連
続体からなる反射シートで代用してもよい。また、本発
明で表現している光学保持体（３）とは、全反射プリズ
ム（１）と再帰反射素子（２）の全反射光学作用を保持
する、すなわち、左記各構成面に雨水等が接触し、前述
の光学作用を阻害しないための空気層等の物界を確保す
る目的を主としているため、この目的を達成する構造で
あれば形状は問わず、例えば、図７に示すような断面形
状の構造体として図９のように埋設しても同様の効果が
得られる。

【０００７】

【発明の効果】道路上に道路面と同一面で埋設設置が可
能なため、従来の隆起状の反射道路鋲で問題とされた交
通事故誘発要因が払拭でき、尚且つ、豪雪地域への設置
においても、除雪車の除雪用ショベル等の接触が起こら
ないため、路上の除雪作業が極めて容易に行えるように
なる。さらに、本発明は、全反射プリズム（１）を用い
ることで、図４および図５に示すように、１つの反射道
路鋲で、両方向からの再帰反射を可能としたため、製造
コストを低減でき、尚且つ、雨天時の夜間走行において
も、光学作用が失われないため、車のドライバーは示線
を鮮明に視覚することが可能となる。さらに、本発明
は、フラット埋設が可能なため、センターラインのみな
らず、道路の路側壁やトンネル内の側壁等、突起状の再
帰反射材が設置できないような個所への設置も可能とな
るため、極めて広範囲な利用方法が考えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の上面図である。

【図２】図１において、Ａ−Ａ’でカットしたときの、
本発明の断面構造図である。

【図３】本発明の全反射プリズム（１）の一面に再帰反
射素子（２）を設けた面を表わす図である。

【図４】図上において、左側面からの入射光が本発明内
で再帰反射を行う状態を説明する光路図である。

【図５】図上において、右側面からの入射光が本発明内
で再帰反射を行う状態を説明する光路図である。

【図６】請求項１に記載の本発明の実施例を説明する断
面構造図である。

【図７】請求項１に記載の本発明の実施例を説明する断
面構造図である。

【図８】請求項１に記載の本発明の実施例において、本
発明の埋設状態を説明する図である。

【図９】請求項１に記載の本発明の実施例において、本
発明の埋設状態を説明する図である。

【符号の説明】

１ 全反射プリズム ２ 再帰反射素子 ３ 光学保持体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】全反射プリズム（１）の一面に再帰反射素
   子（２）を設け、これらを任意の光学保持体（３）に設
   けた反射道路鋲。