JPH10278158A - 虹彩熱変色性−蓄光性積層体及びそれを用いた平糸 - Google Patents

虹彩熱変色性−蓄光性積層体及びそれを用いた平糸

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JPH10278158A
JPH10278158A JP9098386A JP9838697A JPH10278158A JP H10278158 A JPH10278158 A JP H10278158A JP 9098386 A JP9098386 A JP 9098386A JP 9838697 A JP9838697 A JP 9838697A JP H10278158 A JPH10278158 A JP H10278158A
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JP
Japan
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layer
resin
laminate
iridescently
iris
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JP9098386A
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English (en)
Inventor
Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
Michiyuki Yasuda
満行 安田
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Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による多彩な虹彩模様を視覚させる
と共に、暗所にあっては、蓄光性効果と熱変色効果の複
合効果を発現させて特異な様相を視覚させる。 【解決手段】 透明性虹彩層2、可逆熱変色層3及び蓄
光性顔料層3の三層を必須要素として積層した虹彩熱変
色性−蓄光性積層体1及び前記積層体を細幅に裁断した
平糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、虹彩熱変色性−蓄
光性積層体及びそれを用いた平糸に関する。更に詳細に
は、熱変色性と虹彩性と蓄光性の各効果を有効に発現さ
せると共に、これらが融合された新たな視覚効果を備え
る虹彩熱変色性−蓄光性積層体及びそれを用いた平糸に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、虹彩層と蓄光性顔料層を積層した
フイルム或いは虹彩層と可逆熱変色層を積層したフイル
ムに関して幾つかの提案が開示されている(特公平4−
26304号公報、実開昭59−83985号公報
等)。前記したフィルムは温度変化や光照射によって異
なる色調を呈する虹彩性フィルムを視覚することができ
るが、暗所では蓄光性顔料による発光が視覚されるだけ
であり、虹彩模様は視覚されず、その色変化は単調で応
用範囲の狭いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性虹彩
層と可逆熱変色層と蓄光性顔料層の三層を必須とする積
層構造となすことにより、前記三層のうち、二層の組み
合わせによる積層構造では奏し得ない複合効果を発現で
きることを見出し、明所及び暗所において特異な様相変
化を視覚させる新たな材料を提供して、玩具、人形、装
飾、偽造防止等の多様な分野に適用しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を図面について説
明する(図1乃至図5参照)。本発明は、透明性虹彩層
2、可逆熱変色層3及び蓄光性顔料層4の三層を必須要
素として積層した虹彩熱変色性−蓄光性積層体1及びそ
れを用いた平糸を要件とする。前記において、透明性虹
彩層2が外層に存在することが虹彩効果を有効に視覚さ
せるので好ましいが、その積層順は特に限定されるもの
ではない。又、前記三層のうち、少なくとも一層は文
字、記号、模様等の図柄であってもよい。
【0005】前記透明性虹彩層2は、従来より公知のも
の、例えば、フイルム表面にハロゲン化物、酸化物、硫
化物等の金属酸化物を蒸着又は化学反応により形成した
もの、フイルム表面に樹脂干渉膜を形成したもの等を例
示できる。前記樹脂干渉膜による系として具体例を挙げ
れば、表裏両表面層はポリプロピレン層で内部にエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層と
交互に113層形成された、反射光の色が青及び緑色の
干渉光をもつ厚みが15μmの透明性多層フィルム、表
裏両表面層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸
ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に
113層形成された、反射光の色が緑色及び赤色の干渉
光をもつ厚みが17μmの透明性多層フィルム、表裏両
表面層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に22
6層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干渉光を
もつ厚みが28μmの透明性多層フィルム、表裏両表面
層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共
重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に226層
形成された、反射光の色が赤色及び緑色の干渉光をもつ
厚みが31μmの透明性多層フィルム、表裏両表面層は
ポリエステル層で内部にポリエステルの薄層とポリオレ
フィンの薄層とが交互に113層形成された、反射光の
色が青色及び緑色の干渉光をもつ厚みが15μmの透明
性多層フィルム、表裏両表面層はポリエステル層で内部
にポリエステルの薄層とポリオレフィンの薄層とが交互
に113層形成された、反射光の色が赤色及び緑色の干
渉光をもつ厚みが17μmの透明性多層フィルム、表裏
両表面層はポリプロピレン層で内部にポリオレフィンの
薄層とポリエステルの薄層とが交互に113層形成され
た、反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ厚みが1
5μmの透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリプロ
ピレン層で内部にポリオレフィンの薄層とポリエステル
の薄層とが交互に113層形成された、反射光の色が赤
色及び緑色の干渉光をもつ厚みが17μmの透明性多層
フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内部にポリ
エステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113
層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干渉光をも
つ厚みが15μmの透明性多層フィルム、表裏両表面層
はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリ
ル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、反射光の
色が赤色及び緑色の干渉光をもつ厚みが17μmの透明
性多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内部
にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に
113層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干渉
光をもつ厚みが30μmの透明性多層フィルム、表裏両
表面層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層と
アクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、反
射光の色が赤色及び緑色の干渉光を持つ34μmの透明
性多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内部
にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に
226層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干渉
光をもつ厚みが28μmの透明性多層フィルム、表裏両
表面層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層と
アクリル樹脂の薄層とが交互に226層形成された、反
射光の色が赤色及び緑色の干渉光をもつ厚みが31μm
の透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリエステル層
で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが
交互に113層形成された、反射光の色が青色及び緑色
の干渉光をもつ厚みが15μmの透明性多層フィルム、
表裏両表面層はポリエステル層で内部にポリエステルの
薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成され
た、厚みが17μmの反射光の色が赤色及び緑色の干渉
光をもつ透明性多層フィルム等が挙げられる。
【0006】前記可逆熱変色層3を構成する熱変色性材
料は、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物
と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成
分を含む熱変色性材料が好適に用いられる。具体的に
は、特公昭51−35414号公報、特公昭51−44
706号公報、特公平1−17154号公報、特開平7
−186546号公報に記載されている熱変色性材料が
挙げられる。又、本出願人が提案した特公平1−293
98号公報に記載した如き、温度変化による色濃度−温
度曲線に関し、3℃以下のヒステリシス幅をもつ、高感
度の熱変色性材料が挙げられる。前記は所定の温度(変
色点)を境としてその前後で変色し、変化前後の両状態
のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。
即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要す
る熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記
熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻
る、所謂、温度変化による温度−色濃度について小さい
ヒステリシス幅(ΔH)を示して変色するタイプであ
る。
【0007】又、本出願人が提案した特公平4−171
54号公報に記載されている、大きなヒステリシス特性
を示して変色する感温変色性色彩記憶性熱変色性材料、
即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲
線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上
昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下降さ
せていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタ
イプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点の間
の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温側変
色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる特徴
を有する熱変色性材料も有効である。
【0008】更に、電子供与性呈色性有機化合物、フェ
ノール性水酸基を有する化合物及び前記両者の呈色反応
の生起温度を決める反応媒体の三者の均質相溶体を塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等に微粒子状に分散させ
て得られる、特開平6−135144号公報に記載の熱
変色性材料も有効である。
【0009】前記した可逆熱変色性材料は、そのままの
適用でも有効であるが、微小カプセルに内包して使用す
るのが好ましい。それは、種々の使用条件において可逆
熱変色性材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を
奏することができるからである。前記微小カプセルに内
包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構
成でき、粒子径0.1〜100μm、好ましくは3〜3
0μmの範囲が実用性を満たす。尚、微小カプセル化
は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合
法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒
からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、ス
プレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択さ
れる。更に微小カプセルの表面には、目的に応じて更に
二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面
特性を改質させて実用に供することもできる。
【0010】又、電子供与性呈色性有機化合物、フェノ
ール性水酸基を有する化合物及び前記両者の呈色反応の
生起温度を決める反応媒体の三者の均質相溶体を塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂等に微粒子状に分散させて
得られる、特開平6−135144号公報等に記載の可
逆熱変色性材料も有効である。
【0011】前記熱変色性材料は、透明性樹脂バインダ
ーを含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの色材
として適用され、コーティング層、塗膜形態として、従
来より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセッ
ト印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等
の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着
塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段によ
り設けることができる。更には、前記微小カプセルを熱
可塑性樹脂中にブレンドして形成した熱変色性のフイル
ムを一体形成したものであってもよい。
【0012】前記における熱変色性材料は、透明性樹脂
バインダー中に0.5〜70重量%、好ましくは1〜5
0重量%含有させることができる。0.5重量%未満の
配合量では鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、70重
量%を越えるとフィルムとの接着性が損なわれる。
【0013】前記バインダーは、透明状の膜形成樹脂で
あればよく、従来より汎用の各種バインダーが適用で
き、以下に例示する。アイオノマー樹脂、イソブチレン
−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、アクリロニトリル−
アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−
スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチ
レン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−
酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエ
チレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ
アクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変
性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノー
ル樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹
脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド
樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、アルキッド樹脂、天然ゴム、ポリイソブチレ
ン、ブチルゴム、ポリビニルアルキルエーテル、ロジ
ン、ロジンエステル、ロジン誘導体、ポリテルペン樹
脂、油溶性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、シェ
ラック、環化ゴム、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、ス
チレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エ
ステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶
性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹
脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、
酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、エチルセルローズ等
を挙げることができ、水や有機溶剤等の適宜の溶剤に溶
解または分散させて適用できる。
【0014】前記した可逆熱変色層3には、非熱変色性
有色染顔料の適宜量を混在させて熱変色層の色変化を多
彩に構成することができる。又、可逆熱変色層3の上層
に文字、図柄等の像を配したり、或いは、熱変色層3の
下層に、文字、図柄等の像を配して、これらの像を隠顕
させる構成となしてもよい。
【0015】蓄光性顔料層4は、蓄光性顔料を含む印刷
インキ、塗料によるコーティングによって形成できる
が、透明乃至半透明樹脂等に蓄光性顔料をブレンドして
形成されたフィルムや比較的肉薄の成型体として形成さ
れたものであってもよい。蓄光性顔料は、従来より公知
の顔料が全て有効であり、例えば、CaS/Bi系、C
aSrS/Bi系、ZnS/Cu系、ZnCdS/Cu
系、SrAl2 4 /稀土類金属系等のものが適用で
き、バインダーを含む媒体中に分散されて塗料、インキ
等の形態となして適用される。
【0016】本発明積層体の構成において、各層間、或
いは外層に透明樹脂層5を設けることができ、又、必要
に応じて各層、或いは外層に紫外線吸収剤、酸化防止
剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシド
アニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外
線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に配合して固
着したり、各層間に前記した光安定剤を含む層を設ける
ことができる。
【0017】本発明虹彩熱変色性−蓄光性積層体は、細
幅に裁断して平糸を構成することができ、更には前記平
糸を綿糸、ナイロン、絹糸等の芯糸に丸撚り、羽衣撚
り、蛇腹撚り等の方法で巻き付けて撚糸とすることもで
きる。又、前記平糸又は撚糸は、人形の髪、動物玩具の
毛、手芸用糸、子供用編み器の糸等に使用できる。又、
前記平糸又は撚糸を用いて布帛を形成する場合、これを
縦糸若しくは横糸として、又はその両者を互いに交差す
るようにして編物とするか、若しくは糸を交差して組物
とすることが好ましい。前記布帛は、織目、編目或いは
組目の比較的粗い、メッシュ状の布帛等とすることによ
って、緻密に織った布帛と比較すると、柔軟性に富む構
成とすることができる。更に、前記虹彩熱変色性−蓄光
性積層体は、細かく裁断して微小片を形成し、層中に分
散させたり、或いは基材上に適宜間隔をおいて分散状態
に設けたり、基材上に規則的に固着して文字、記号、図
柄等を形成することもできる。尚、前記微小片の大きさ
及び形状は特に限定されるものではないが、形状として
は三角形や四角形等の多角形、星型、円形、線形等が挙
げられる。
【0018】本発明は前記構成において、可逆熱変色層
3は、蓄光性顔料層4の発光最大波長における反射率
が、発色状態で0%〜80%、消色状態で白色支持体上
における反射率が40%〜100%の範囲にあり、前記
両者の光反射率の差が少なくとも20%以上であるとき
残光の輝度の調整に効果的に寄与する。この点を説明す
れば、可逆熱変色層の発色状態における色は、黒色が大
凡反射率0%にあり、黒色から無色に可逆熱変色層が変
化し、下地の白色を反射させる(反射率大凡100%)
系が最も顕著なコントラストを与える。即ち、黒色状態
では光の吸収度が最大であり、蓄光性顔料の残光の輝度
の発現に寄与せず、下地が白色状態にあるとき、前記残
光の輝度の発現に最大の効果をもたらす。前記発消色時
の反射率の要件を満たす変色特性をもつ可逆熱変色層が
有効であるが、前記に加えて前記両者の反射率の差が2
0%以上(好ましくは、30%以上)の要件を満たす変
色特性を示す可逆熱変色層を備えた系が効果的であり、
20%未満の系では前記コントラストが小さすぎて効果
的な視覚効果を与えない。
【0019】本発明積層体において、透明性虹彩層は、
可視光線の波長の干渉作用により生じる虹彩効果を有
し、その効果は背面が黒等の明度値が低い時は干渉光を
発し、一方、明度値が高い組み合わせの系では干渉光の
視認性が弱められるといった特性を可逆熱変色層の変色
に対応し多彩に視覚させることができる。透明性虹彩層
を両面の最外層に設けた系では、表裏両面より視覚され
ることにより虹彩効果が倍加されて視覚される。
【0020】可逆熱変色層は、温度変化によって発消色
して反射率を変化させ、蓄光性顔料層における蓄光性顔
料の残光の輝度の強弱を調整した発光を視覚させる。即
ち、蓄光性顔料の発光特性と可逆熱変色層の可視光線の
反射吸収効果の相乗作用により、暗所における残光の輝
度の変化を視覚させるのである。具体的には、蓄光性顔
料は、200〜450nmの光を吸収し励起状態にな
り、前記吸収した光エネルギーを吸収した光の波長より
長波長の光(可視光)として徐々に放出するものであ
る。例えば、硫化亜鉛顔料(ZnS/Cu系)は、20
0〜450nmの光を吸収し、530nmの黄緑色の光
を発する。前記黄緑色の光は明所では殆ど看者には視覚
されないが、太陽光、電灯等の下で十分光を吸収させた
後、暗所においては、該黄緑色の光は看者に1時間程度
視覚される。前記蓄光性顔料(ZnS/Cu系)を透明
樹脂中に分散固着形成した蓄光性顔料層の下層が白色の
場合には、暗所での残光は下層の白色で反射された光と
直接光とで強められ輝度が強く視覚される。一方、下層
が黒色の場合には、暗所での残光は下層の黒色で吸収さ
れ殆ど視覚されなくなる。従って、下層を温度変化によ
り可逆的に白色状態或いは黒色状態(具体的例として、
白色支持体上に黒色−無色に可逆的に変化する熱変色層
を配設)に変化させることにより、暗所にて看者に発光
状態と消光状態の可逆的状態変化を視覚させることがで
きる。前記状態変化は、蓄光性顔料の発光最大波長にお
ける可逆熱変色層の反射率に依存し、発色状態と消色状
態の反射率が異なる多様な組合わせが可能であり、黒色
から白色間の可逆的変化に限らず、例えば、530nm
の黄緑色の光を発する場合、前記色調と補色関係にある
ピンク色から白色間の可逆的変化でも、ピンク色が発色
していると、前記黄緑色の光を効果的に吸収するため、
暗所における発色状態と消色状態の可逆的状態変化を効
果的に視覚させることができ、中間的な反射率を与える
多彩な色変化の組み合わせが有効であり、これによって
残光の輝度を微妙に調整できる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明積層体を実施例により
示す。実施例中の部は重量部である。 実施例1(図1参照) 1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン1.5
部、ビスフェノールA5部、ステアリルアルコール25
部、ラウリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性
材料をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイク
ロカプセル顔料(40℃未満でピンク色、40℃以上で
無色)5部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂15
部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消泡剤1部を
分散、混合したインキをドクターコートにより、透明性
樹脂層2として透明虹彩性多層フイルム〔Mearl社
製:商品名IRIDESCENT FILM IF-8181R/G〕上に塗布して
可逆熱変色層3を形成した。次に、前記可逆熱変色層3
の上面に、蓄光性顔料〔蓄光顔料GSS、根本特殊化学
(株)製、発光最大波長530nm)50部、アクリル
酸エステル樹脂40部、シリコーン系消泡剤0.5部、
酢酸ブチル20部、芳香族系中沸点溶剤15部を均一に
分散したインキを同様にドクターコートにより蓄光性顔
料層4を形成した。
【0022】前記の如くして得た虹彩熱変色性−蓄光性
積層体1は、明所において40℃以下では虹彩光沢を有
したピンク色を呈しており、40℃以上では虹彩光沢を
有した無色の状態を呈する。暗所においては、40℃以
下では暗くほとんど光を発しない状態であるが、40℃
以上では黄緑色に光って見え、再び40℃以下にすると
黄緑色の光が見えなくなった。
【0023】実施例2(図2参照) 実施例1で得られた虹彩熱変色性−蓄光性積層体の蓄光
性顔料層4の表面に透明樹脂層5として厚みが16μm
のポリエチレンテレプタレートフイルムをロールで圧着
してラミネートし、虹彩熱変色性−蓄光性積層体1を得
た。前記積層体は実施例1と同様の色変化を視覚でき
る。
【0024】実施例3 実施例2で得られた積層体1を0.5mm幅の糸状物に
なるようにスリッターで連続的に細く切り、0.5mm
幅の平糸を得た。前記平糸は、明所においては40℃以
下では虹彩光沢を有したピンク色を呈し、40℃以上で
は虹彩光沢を有した無色を呈する。又、この平糸は、そ
れ自体が種々の方向を向くため、多様な虹彩色を色変化
と共に視覚できる。暗所においては、40℃以下では暗
く殆ど光を発しない状態であるが、40℃以上では黄緑
色に光った糸の動きが視覚され、再び40℃以下にする
と黄緑色の光が見えなくなった。
【0025】実施例4(図3参照) 蓄光性顔料(蓄光顔料GSS、根本特殊化学(株)製、
発光最大波長530nm)50部、アクリル酸エステル
樹脂40部、シリコーン系消泡剤0.5部、酢酸ブチル
20部、芳香族系中沸点溶剤15部を均一に分散したイ
ンキをドクターコートにより、透明性樹脂層2として透
明性虹彩性フイルム〔Mearl社製:商品名IRIDESCE
NT FILM IF-8181R/G〕上に塗布して蓄光性顔料層4を設
けた。次に前記蓄光性顔料層4の上面に、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA5部、ステアリン酸ネオペンチル50部
からなる可逆熱変色性材料をエポキシ樹脂皮膜で被覆し
た可逆性色彩記憶性マイクロカプセル顔料(消色温度3
0℃、着色温度15℃、黒色−無色)5部、アクリル樹
脂キシレン溶液(固形分50%)30部、酢酸ブチル1
0部、消泡剤1部を分散、混合したインキをグラビヤコ
ートにより塗布して可逆熱変色層3を形成した。
【0026】前記の如くして得た虹彩熱変色性−蓄光性
積層体1は、明所において、15℃以下では虹彩光沢を
有した黒色を呈しており、30℃以上では黒色は消え、
虹彩光沢をした無色に変化し、室温でこの状態を維持し
た。次に、再び15℃以下にすると虹彩光沢をした無色
から虹彩光沢をした黒色へ変化し、室温でこの状態を維
持した。暗所においては、15℃以下では暗く殆ど光を
発しない状態であるが、30℃以上になると黄緑色に光
って見え、室温でこの状態を維持した。次に再び15℃
以下にすると黄緑色の光が消え室温でこの状態を維持し
た。
【0027】実施例5(図4参照) 実施例4で得られた虹彩熱変色性−蓄光性積層体の可逆
熱変色層3上に透明性虹彩層2としてIRIDESCENT FILM
IF-8181R/Gをロールで圧着してラミネートし、虹彩熱変
色性−蓄光性積層体1を得た。前記積層体1は実施例4
と同様の様相変化を呈した。
【0028】実施例6 実施例5で得られた虹彩熱変色性−蓄光性積層体を0.
38mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続的に
細く切り0.38mm幅の積層体を得た。前記平糸は明
所においては、15℃以下では虹彩光沢を有した黒色を
呈し、30℃以上になると黒色は消え、虹彩光沢をした
無色を呈し、室温でこの状態を維持した。次に再び15
℃以下にすると虹彩光沢をした無色の平糸から虹彩光沢
をした黒色の平糸となり、室温でこの状態を維持した。
暗所においては、15℃以下では暗く殆ど光を発しない
状態であるが、30℃以上になると黄緑色に光って見
え、室温でこの状態を維持した。次に再び15℃以下に
すると黄緑色の光が消え室温でこの状態を維持した。
【0029】
【発明の効果】本発明虹彩熱変色性−蓄光性積層体は、
虹彩性、熱変色性及び蓄光性の各機能の複合効果を有効
に発現させる。虹彩層と可逆熱変色層の組み合わせによ
り、単なる虹彩模様の視覚にとどまらず、温度変化によ
る色変化に伴って両者の織りなす融合された、光沢感の
ある多彩な虹彩模様を視覚させることができる。この
際、表裏両面から前記変化の様相を視覚でき、見る角度
により虹彩色が微妙に変化する。又、暗所にあっては、
蓄光性効果と熱変色効果の複合効果を発現させて特異な
様相を視覚させる。前記暗所での蓄光性顔料の発する残
光は可逆熱変色層の色変化による反射率の変化に依存し
て変化し、多彩な様相を視覚させる。即ち、可逆熱変色
層が消色状態にあっては、黄緑色の残光が視覚され、可
逆熱変色層が発色状態にあっては、黄緑色の残光が不可
視状態となり、前記様相変化は温度変化により可逆性を
有する。尚、発色状態にある可逆熱変色層の一部を温め
ることによって消色させると、その部分のみが光ってみ
える。可逆熱変色層における可逆熱変色性材料は、本来
の機能を損なうことなく有効に発現できる。即ち、ヒス
テリシス幅の極めて小さい熱変色性材料により可逆熱変
色層が形成された系では、温度変化により高感度に応答
して変色し、中間的なヒステリシス幅の熱変色性材料を
適用した系では、温度変化に相応の応答を示して変色す
る。又、ヒステリシス幅が極めて大きい熱変色性材料に
より可逆熱変色層が形成された系では、色変化に要した
熱又は冷熱を取り去った後も常温域では変化した様相を
保持しており、その様相を視覚させることができる。斯
くして、色変化の妙味、特異性、装飾性、意匠効果等の
要求される玩具、例えば人形用ヘアー、人形用衣装、人
形用リボン等の付属品、ぬいぐるみ、動物玩具等、ヘア
ー等の子供用装飾用品、繊維、衣料分野、ファッション
分野、造花、インテリア分野等、多様な分野に応用展開
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明虹彩熱変色性−蓄光性積層体の一実施例
の拡大縦断面説明図である。
【図2】本発明虹彩熱変色性−蓄光性積層体の他の実施
例の拡大縦断面説明図である。
【図3】本発明虹彩熱変色性−蓄光性積層体の他の実施
例の拡大縦断面説明図である。
【図4】本発明虹彩熱変色性−蓄光性積層体の他の実施
例の拡大縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 虹彩熱変色性−蓄光性積層体 2 透明性虹彩層 3 可逆熱変色層 4 蓄光性顔料層 5 透明樹脂層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性虹彩層、可逆熱変色層及び蓄光性
    顔料層の三層を必須要素として積層した虹彩熱変色性−
    蓄光性積層体。
  2. 【請求項2】 前記三層のうち、透明性虹彩層が外層に
    位置してなる請求項1の虹彩熱変色性−蓄光性積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至3のいずれかの虹彩熱変色
    性−蓄光性積層体を細幅に裁断した平糸。
JP9098386A 1997-03-31 1997-03-31 虹彩熱変色性−蓄光性積層体及びそれを用いた平糸 Pending JPH10278158A (ja)

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