JPH10277838A - 穴加工工具 - Google Patents

穴加工工具

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JPH10277838A
JPH10277838A JP8115997A JP8115997A JPH10277838A JP H10277838 A JPH10277838 A JP H10277838A JP 8115997 A JP8115997 A JP 8115997A JP 8115997 A JP8115997 A JP 8115997A JP H10277838 A JPH10277838 A JP H10277838A
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JP
Japan
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flank
tool
cutting edge
peripheral side
hole
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Application number
JP8115997A
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Inventor
Hiroshi Kasuya
博 糟谷
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逃げ面摩耗により工具寿命が短縮されるのを
防いで切刃14の再研磨の頻度を低減し、長期の安定し
た加工を可能とし得る穴加工工具を提供する。 【解決手段】 軸線O回りに回転させられる工具本体1
1に、この工具本体11の内周側から外周側に向けて切
刃14が設けられ、この切刃14によって被削材に加工
穴を形成するドリルや、あるいは被削材に形成された加
工穴の内周加工を行うリーマのような穴加工工具にあっ
て、切刃14の逃げ面16において、切刃14の工具回
転方向Tの後方側に第1の逃げ面18を形成するととも
に、この第1の逃げ面18のさらに工具回転方向Tの後
方側には第2の逃げ面19を形成し、これら第1、第2
の逃げ面18,19の間に、第1の逃げ面18に対して
一段後退する段差部20を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体に設けら
れた切刃によって被削材に加工穴を形成するドリルや、
被削材に形成された加工穴の内周加工を行うリーマ等の
穴加工工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の穴加工工具においては、軸線回
りに回転される略円柱状の工具本体の外周部に切屑排出
溝が形成され、この切屑排出溝の工具回転方向側を向く
壁面の辺稜部のうち、ドリルにあっては工具本体の先端
側の辺稜部に、またリーマにあっては工具本体の先端外
周側の辺稜部に、それぞれ工具本体の内周側から外周側
に向けて延びる切刃が形成されたものが一般的に知られ
ている。ここで、図9は、このような穴加工工具の上記
切刃1に直交する断面を示すものであり、図中において
符号2は工具本体を、また符号3は上記切屑排出溝の工
具回転方向側(図9において上側)を向く壁面、すなわ
ち上記切刃1のすくい面を示すものである。また、上記
切刃1の工具回転方向後方側(図9において下側)に
は、切刃1に連なるように逃げ面4が形成されている。
【0003】このような穴加工工具では、上記逃げ面4
が異なる逃げ角を有する複数の逃げ面によって形成され
ることが一般的であり、図示の例の逃げ面4は、切刃1
に連なる第1の逃げ面5と、この第1の逃げ面5の工具
回転方向後方に連なる第2の逃げ面6とから形成されて
いる。そして、切刃1に連なる第1の逃げ面5には、切
刃1の刃先角を確保してその強度を維持するために10
°程度の小さな逃げ角αが与えられる一方、第2の逃げ
面6には、切刃1によって形成された加工穴の底面や加
工穴内周の底壁面との間の逃げ量を確保するために、上
記逃げ角αよりも大きな20°程度の逃げ角βが与えら
れている。なお、上記第1の逃げ面5の幅Wは、1.0
mm〜1.5mm程度の小さな幅とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
切刃1の強度を維持するために第1の逃げ面5の逃げ角
αを小さくすると、この第1の逃げ面5と上記加工穴の
底面や底壁面との間の逃げ量も小さくなるため、第1の
逃げ面5において逃げ面摩耗が促進されてしまうことが
避けられない。しかるに、この第1の逃げ面5は、その
逃げ角αが小さいために摩耗量に対する摩耗幅の拡大が
大きく、しかも、逃げ量が小さくなることによって逃げ
面4が上記加工穴の底面や底壁面に干渉するのを避ける
ため、その幅Wが上述のように小さな幅とされており、
従ってこの第1の逃げ面5に生じる逃げ面摩耗は、比較
的早期にその幅Wの全体に達し、さらに上記第2の逃げ
面6に拡大することとなる。このため、上記構成の逃げ
面4を有する穴加工工具では、工具寿命が短くなって短
期間で頻繁に切刃1の再研磨を施さなければならなくな
り、安定した連続加工による加工効率の向上が阻まれざ
るを得ないという問題があった。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、切刃の逃げ面が複数の逃げ面によって構成さ
れた穴加工工具において、逃げ面摩耗により工具寿命が
短縮されるのを防いで切刃の再研磨の頻度を低減し、長
期の安定した加工を可能とし得る穴加工工具を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転させられる工具本体に、この工具本体の内周側から
外周側に向けて切刃が設けられ、この切刃によって被削
材に加工穴を形成し、あるいは被削材に形成された加工
穴の内周加工を行う穴加工工具にあって、上記切刃の工
具回転方向後方側に第1の逃げ面を形成するとともに、
この第1の逃げ面のさらに工具回転方向後方側には第2
の逃げ面を形成し、これら第1、第2の逃げ面の間に、
上記第1の逃げ面に対して一段後退する段差部を形成し
たことを特徴とする。従って、このような構成の穴加工
工具では、第1の逃げ面における摩耗がその幅の全体に
拡大しても、これが即座に第2の逃げ面にまで拡大する
のが上記段差部によって阻止され、この段差部が摩滅す
るまでは第1の逃げ面の幅と同じ摩耗幅が維持されるの
で、切刃の再研磨の頻度を少なくするとともに、安定し
た加工を行うことができる。
【0007】ここで、上記第1、第2の逃げ面が上記段
差部を介して連なるように形成するためには、上記切刃
に対するこの段差部の逃げ角は、少なくとも第1、第2
の逃げ面の逃げ角よりも大きくなければならない。とこ
ろが、この段差部の逃げ角が大きすぎて、例えば第1の
逃げ面から後退するに従いすくい面側に向かって大きく
傾斜するような段差となると、切刃周辺の強度が著しく
損なわれて欠けが生じるおそれがある。このため、この
段差部の逃げ角は、90°以下に設定されるのが望まし
い。また、この段差部は、第1の逃げ面に対して僅かな
がらでも後退するように形成されていればよいのである
が、この後退量が大きすぎると、やはり切刃周辺部の強
度が損なわれて欠けが生じるおそれがある。このため、
この第1の逃げ面に対する段差部の後退量は2.0mm以
下に設定されるのが望ましい。
【0008】一方、このような穴加工工具においては、
工具本体の回転軸線からの切刃上の各部位の距離(回転
径)の違いによって、各部位の軸線回りの周速、すなわ
ち切削速度が変化し、工具本体の内周側に向かうほど切
削速度が小さくなって、被削材を押しつぶすような加工
形態となるため、切刃に作用する切削負荷は大きくなる
ことが知られている。そして、これに伴い、切刃の周辺
に欠けが生じる危険性も、工具本体の内周側に向かうに
従い大きくなるので、この内周側における切刃強度を確
保するには、上記段差部は、工具本体の内周側に向かう
に従い第1の逃げ面に対する後退量が漸次小さくなるよ
うに形成されるのが望ましい。また、ドリルのような穴
加工工具においては、その切刃の内周側にチゼルエッジ
が形成されるなどして、該切刃が工具本体先端の上記回
転軸線近傍にまで延長されたものがあるが、この軸線上
においては切削速度は0となるため、切刃に作用する負
荷はさらに大きくなる。従って、特にそのような場合に
は、上記段差部は、上記軸線から離れた位置から外周側
に形成されるのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明をツイ
ストドリルに適用した場合の第1の実施形態を示すもの
である。本実施形態において工具本体11は略円柱状を
なし、その先端部の外周には、工具本体11の先端から
後端側に向けて該工具本体11の中心軸線O回りに工具
回転方向Tの後方側に捩れる一対の切屑排出溝12,1
2が、軸線Oに対して対称に形成されている。そして、
これらの切屑排出溝12,12の工具回転方向T側を向
く壁面13の先端側の辺稜部、すなわちこの壁面13と
工具本体11の先端面との交差稜線部には、該工具本体
11の内周側から外周側に延びるように切刃14がそれ
ぞれ形成されている。従って、上記壁面13の先端側は
この切刃14のすくい面15とされ、また工具本体11
の上記先端面には、この切刃14の工具回転方向Tの後
方側に連なるように逃げ面16が形成されることとな
る。なお、上記先端面の軸線O周辺にはシンニングが施
されており、これによって切刃14の内周側の部分はチ
ゼルエッジ17を介して上記軸線Oに交差するように形
成されている。
【0010】図4はこの切刃14に直交する断面図であ
るが、この図4に示すように上記逃げ面16は、切刃1
4に連なる第1の逃げ面18と、この第1の逃げ面18
のさらに工具回転方向Tの後方側に設けられる第2の逃
げ面19とから構成されている。ここで、本実施形態で
も従来と同様に、上記第1の逃げ面18には10°程度
の小さな逃げ角αが与えられる一方、第2の逃げ面19
にはこの逃げ角αよりも大きな20°程度の逃げ角βが
与えられている。また、第1の逃げ面18の幅Wは0.
3mm〜2.0mm程度の小さな幅とされている。そして、
本実施形態では、これら第1、第2の逃げ面18,19
の間に、第1の逃げ面18に対して工具本体11の後端
側に一段後退するように段差部20が形成されており、
従って第1、第2の逃げ面18,19は、この段差部2
0を介して階段状に連なるように形成されている。
【0011】この段差部20は、例えば図9に示した従
来の穴明け工具の第2の逃げ面6を、工具本体1の後端
側に一段削り落とすなどして形成されるものであり、従
って、図4に示すようにこの段差部20が切刃14によ
り形成される加工面に対してなす角度、すなわちこの段
差部20の切刃14に対する逃げ角γは、第1、第2の
逃げ面18,19の逃げ角α,βのいずれよりも大きく
設定されることとなり、しかも本実施形態では90°以
下となるように設定されている。また、この段差部20
は、工具本体11の軸線O方向先端側から見て図3に示
すように、工具本体11の先端面において軸線Oから僅
かに外周側に離れた位置から切刃14に略平行に外周側
に延びるように形成され、しかも本実施形態では、この
切刃14の内周側の上記チゼルエッジ17に干渉しない
ように、該チゼルエッジ17からも僅かに離れた位置か
ら外周側に向けて形成されている。
【0012】さらに、この段差部20は、その第1の逃
げ面18に対する後退量Eが、図2に示すように上記軸
線Oから僅かに離れた位置から外周側に向かうに従い、
漸次大きくなるように形成されている。ただし本実施形
態では、この後退量Eは、該段差部20の全長に渡って
2.0mm以下となるように設定されており、従って工具
本体11外周側のコーナ部21における段差部20の最
大後退量Eも2.0mmを越えることはない。なお、この
段差部20の回転方向T後方側に連なる上記第2の逃げ
面19は、本実施形態では工具本体11の先端側から見
て図3に示すように長方形状をなすように形成されてい
る。また、本実施形態ではこの第2の逃げ面19のさら
に回転方向T後方側に、上記逃げ角βよりもさらに大き
な逃げ角を有する第3の逃げ面22が、工具本体11の
先端側から見て扇状をなすように形成されている。
【0013】このように構成された穴加工工具(ドリ
ル)において、上記逃げ面16に生じる逃げ面摩耗は、
まず逃げ角αの小さい第1の逃げ面18の切刃14側か
ら広がり、この第1の逃げ面18の幅W全体に拡大す
る。ところが本実施形態では、この第1の逃げ面18と
第2の逃げ面19との間に、第1の逃げ面18に対して
後退する上記段差部20が形成されているので、逃げ面
摩耗が第1の逃げ面18の全体に拡大した後直ぐに第2
の逃げ面19に広がることはなく、この段差部20が摩
滅するまでは、第1の逃げ面18の幅Wと略等しい摩耗
幅で摩耗が進行することとなる。従って、上記構成の穴
加工工具によれば、従来のように逃げ面摩耗が第1の逃
げ面18から第2の逃げ面19に即座に拡大することが
なく、この摩耗の進行を抑えることができるので、工具
寿命の延長を図って切刃14の再研磨の頻度を減らすこ
とができ、これにより長期に渡り連続して安定した穴明
け加工を行うことが可能となって、加工効率の向上を図
ることができる。
【0014】ところで、上記第1、第2の逃げ面18,
19の間に第1の逃げ面18に対して一段後退した上記
段差部20が形成されるためには、この段差部20の上
記逃げ角γは、第1、第2の逃げ面18,19の逃げ角
α,βの双方よりも大きくなければならない。これは、
逃げ角γが逃げ角αよりも小さいと、段差部20は第1
の逃げ面18よりも突出することになるからであり、ま
た逃げ角γが逃げ角βよりも小さいと、段差部20の延
長面に対して第2の逃げ面19がさらに後退して、段差
が形成されなくなるからである。
【0015】ところが、逆に、この逃げ角γが大きくな
りすぎて、例えば上記段差部20が第1の逃げ面18か
ら後退するに従いすくい面15側に向かって大きく傾斜
するような段差となると、このすくい面15と段差部2
0との間の肉厚が工具本体11の後端側に向けて小さく
なり、このため切刃14の周辺部分において工具本体1
1の強度が著しく損なわれて、過大な負荷が切刃14に
作用した場合に、段差部20の後端部から工具本体11
が欠けてしまうおそれがある。従って、この段差部20
の上記逃げ角γは、本実施形態のように90°以下に設
定されるのが望ましい。なお、この段差部20の逃げ角
γを、上記すくい面15に与えられるすくい角θに対し
てγ=90°−θとなるように設定すれば、この段差部
20とすくい面15とが平行となるので、段差部20が
摩滅するまでは摩耗の進行に拘わらず、摩耗幅を一定と
することができる。
【0016】また、上述したように逃げ面摩耗が第1の
逃げ面18から第2の逃げ面19に即座に拡大されるの
を防ぐためには、上記段差部20は僅かでも第1の逃げ
面18に対して後退するように形成されていればよいの
であるが、逆にこの段差部20の後退量Eが大きくなり
すぎると、第2の逃げ面19に対して第1の逃げ面18
が先端側に大きく突出してオーバーハングしてしまい、
過大な切削負荷が切刃14に作用した際には、やはり切
刃14の周辺に欠けが生じるおそれがある。このため、
第1の逃げ面18に対する段差部20の後退量Eは、例
えば本実施形態のように該後退量Eが工具本体11の径
方向に変化する場合であっても、上述の通り2.0mm以
下に設定されるのが望ましい。
【0017】一方、上記実施形態のように、軸線O回り
に回転される工具本体11の内周側から外周側に延びる
ように切刃14が形成された穴加工工具においては、工
具本体11の内周側に向けて軸線O側に近づくほど軸線
Oからの径が小さくなり、これに伴い軸線O回りの周速
も小さくなるため、切刃14による切削速度も低下する
のは上述した通りである。そして、このため工具本体1
1の内周側では切刃14が被削材を削り取るというより
は、被削材を押しつぶしてえぐり取るような加工形態と
なって行くため、切刃14に作用する切削負荷も大きな
ものとなる。これは、本実施形態のドリルのように、切
刃14の内周端が軸線Oの極近傍に位置する場合や、あ
るいはシンニングによってチゼルエッジ17が軸線Oに
達するようにされている場合に特に顕著であり、従って
切刃14に欠損等が生じる危険性も内周側に向かうほど
大きくなる。
【0018】しかるに、これに対して本実施形態では、
上記段差部20の後退量Eが工具本体11の外周側のコ
ーナ部21において最大となり、内周側に向かうに従い
漸次小さくなるように形成されているので、上述のよう
に切削負荷が大きくなる工具本体11の内周側におい
て、第2の逃げ面19からの第1の逃げ面18の突出を
小さくし、これにより切刃14周辺の工具本体11の強
度を確保することができる。しかも本実施形態では、こ
の段差部20は、工具本体11の先端面において、軸線
Oから僅かに外周側に離れた位置から形成されて軸線O
には達しておらず、すなわち軸線Oの周辺には段差20
は形成されていないので、最も大きな切削負荷が作用す
るこの軸線Oの周辺では通常のドリルと同様の逃げ面1
6の構成となる。このため、本実施形態によれば、本発
明を上述のようなドリルに適用する場合であっても、工
具本体11の強度を確実に維持して、切刃14の周辺に
欠けや破損が生じるのを未然に防止することができる。
【0019】次に、図5ないし図8は、本発明の第2の
実施形態を示すものであって、本発明を、被削材に形成
された加工穴(下穴)の内周加工を行って所定の内径に
仕上げるリーマ(ガンリーマ)に適用したものである。
本実施形態において、その工具本体31は、先端側の略
軸状の切刃チップ32と、その後端側の中空パイプ状の
シャンク33と、さらにその後端側の図示されない大径
のドライバとが軸線Oに同軸に取り付けられて構成され
ており、切刃チップ32の後端面はテーパ状に形成され
て、シャンク33の先端部にろう付け等により接合され
ている。この切刃チップ32の外周には、その先端から
後端側に向けて軸線Oに平行に延びる複数の切屑排出溝
34…が、該切刃チップ32の周方向に間隔をおいて形
成されており、この切屑排出溝34は、その断面が図7
に示すように略V字型に形成されていて、この切屑排出
溝34の工具回転方向T側を向く壁面(すくい面)35
の先端外周側のコーナ部に、切刃36が形成されてい
る。
【0020】ここで、この切刃36は、上記すくい面3
5に対向する方向から見て図6に示すように、このすく
い面35の先端外周側の角部に工具本体31の外周側に
向かうに従い後端側に向かうように傾斜して形成されて
おり、この切刃36の軸線Oに対する傾斜角が、本実施
形態のガンリーマにおいて切刃36の食い付き角φをな
す。そして、工具本体31の先端面(切刃チップ32の
先端面)において、この切刃36の工具回転方向Tの後
方側に形成される逃げ面37は、本実施形態において
も、切刃36に連なる逃げ角αの小さな第1の逃げ面3
8と、この第1の逃げ面38のさらに工具回転方向Tの
後方側に設けられる逃げ角βの大きな第2の逃げ面39
とから構成されており、さらにこれら第1、第2の逃げ
面38,39との間には、第1の逃げ面38に対して工
具本体31の後端側かつ内周側に一段後退するようにし
て段差部40が形成されている。
【0021】なお、本実施形態においても、この段差部
40の切刃36に対する逃げ角γおよび第1の逃げ面3
8に対する後退量Eは、第1の実施形態と同じくそれぞ
れ90°以下、および2.0mm以下に設定されている。
また、本実施形態はリーマであるので、切刃36は上述
のように工具本体31の先端外周側のみに形成されてお
り、これに合わせて段差部40も、図6に示すように軸
線Oから外周側に離れた位置から切刃36に沿って工具
本体31の先端外周側に形成される。ただし、本実施形
態では、この段差部40の第1の逃げ面38に対する後
退量Eは、工具本体31の内周側から外周側に向けて切
刃36に沿って略一定とされている。また、本実施形態
において工具本体31の上記切刃チップ32の外周に
は、切屑排出溝34の工具回転方向T側を向く上記壁面
の外周側の縁部に沿って、軸線Oに直交する断面におい
て軸線Oを中心とし、切刃36の外周端の軸線O回りの
回転半径と等しい曲率半径の円弧状を呈する外周マージ
ン41が、該軸線Oに平行に延びるように、あるいは後
端側に向かうに従い極小さなテーパで内周側に向かうよ
うに形成されている。
【0022】しかるに、このように構成された第2の実
施形態の穴加工工具(リーマ)においても、切刃36の
回転方向T後方側に形成される第1、第2の逃げ面3
8,39の間に、第1の逃げ面38に対して後退する段
差部40が設けられているので、上記第1の実施形態と
同様に、逃げ面摩耗が第1の逃げ面38から第2の逃げ
面39に即座に拡大することがなく、段差部40が摩滅
するまでは摩耗幅の拡大を抑えることができるため、工
具寿命の延長を図って切刃36の再研磨の頻度を減ら
し、長期に渡って連続的に安定した穴明け加工を行い得
て、加工効率の向上を図ることができる。なお、この第
2の実施形態の穴加工工具は、既に被削材に形成された
加工穴の内周加工を行うリーマであるので、切刃36
は、工具本体31の外周側に形成されていればよく、従
って段差部40も、元々軸線Oから離れた工具本体31
の外周側に形成されることになる。また、この外周側で
は、軸線Oからの切刃36上の各部位の距離の違いによ
る軸線O回りの周速の変化、すなわち切削速度の変化は
小さく、従って切刃36に作用する切削負荷も略一定で
あるので、本実施形態では上述のように段差部40の後
退量Eを切刃36に沿って一定としている。
【0023】なお、上記第1、第2の実施形態において
はいずれも、第2の逃げ面19,39の逃げ角βを第1
の逃げ面18,38の逃げ角αよりも大きくしている
が、これらの実施形態によれば、第1の逃げ面18,3
8に対して一段後退する段差部20,40を形成するこ
とによって、第2の逃げ面19,39と加工穴の底面や
底壁面との間に十分な逃げ量を確保することが可能とな
るので、例えば第2の逃げ面19,39の逃げ角βを第
1の逃げ面18,38の逃げ角αと等しくして、切刃1
4,36に直交する断面において第1、第2の逃げ面1
8,19同士や逃げ面38,39同士が互いに平行とな
るようにしてもよい。また、上記各実施形態では、第1
の逃げ面18,38の幅Wを0.3mm〜2.0mmとして
いるが、この幅Wは、工具本体11,31の大きさや加
工条件等によって適宜に設定可能であり、すなわち切刃
14,36と段差部20,40との間に第1の逃げ面1
8,38が形成されるように、0mmを越える大きさであ
ればよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具本体の内周側から外周側に向けて延びる切刃によっ
て被削材に加工穴を形成したり、あるいは被削材に形成
された加工穴の内周加工を行ったりする穴加工工具にお
いて、この切刃の工具回転方向後方側に連なる第1、第
2の逃げ面の間に、第1の逃げ面に対して一段後退する
段差部を形成することにより、逃げ面摩耗が第1の逃げ
面から第2の逃げ面に即座に拡大するのを防いで、その
摩耗幅を一定に維持することができ、これにより工具寿
命の延長を図って切刃の再研磨の頻度を減らし、安定し
た連続的な穴加工を長期に渡って保証して加工効率の向
上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をツイストドリルに適用した第1の実
施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の先端部の拡大側面図で
ある。
【図3】 図1に示す実施形態の先端面を示す拡大正面
図である。
【図4】 図2におけるXX断面(切刃14に直交する
断面)図である。
【図5】 本発明をガンリーマに適用した第2の実施形
態を示す一部省略した側面図である。
【図6】 図5に示す実施形態の先端部を示す一部省略
した拡大側面図である。
【図7】 図5に示す実施形態の先端面を示す一部省略
した拡大正面図である。
【図8】 図6におけるYY断面(切刃36に直交する
断面)図である。
【図9】 従来の穴加工工具の切刃1に直交する断面図
である。
【符号の説明】
11,31 工具本体 12,34 切屑排出溝 14,36 切刃 15,35 すくい面 16,37 逃げ面 17 チゼルエッジ 18,38 第1の逃げ面 19,39 第2の逃げ面 20,40 段差部 41 外周マージン O 工具本体11,31の回転軸線 T 工具回転方向 α 第1の逃げ面18,38の逃げ角 β 第2の逃げ面19,39の逃げ角 γ 段差部20,40の切刃14,36に対する逃げ角 θ すくい面15,35のすくい角 E 段差部20,40の第1の逃げ面18,38に対す
る後退量 W 第1の逃げ面18,38の幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転させられる工具本体に、
    この工具本体の内周側から外周側に向けて切刃が設けら
    れ、この切刃によって被削材に加工穴を形成し、あるい
    は被削材に形成された加工穴の内周加工を行う穴加工工
    具であって、上記切刃の工具回転方向後方側には第1の
    逃げ面が形成されるとともに、この第1の逃げ面のさら
    に工具回転方向後方側には第2の逃げ面が形成され、こ
    れら第1、第2の逃げ面の間には、上記第1の逃げ面に
    対して一段後退する段差部が形成されていることを特徴
    とする穴加工工具。
  2. 【請求項2】 上記切刃に対する上記段差部の逃げ角が
    90°以下に設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載の穴加工工具。
  3. 【請求項3】 上記第1の逃げ面に対する上記段差部の
    後退量が2.0mm以下に設定されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の穴加工工具。
  4. 【請求項4】 上記段差部は、上記工具本体の内周側に
    向かうに従い上記第1の逃げ面に対する後退量が漸次小
    さくなるように形成されていることを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいずれかに記載の穴加工工具。
  5. 【請求項5】 上記段差部は、上記軸線から離れた位置
    から外周側に形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の穴加工工具。
JP8115997A 1997-03-31 1997-03-31 穴加工工具 Pending JPH10277838A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180093330A1 (en) * 2015-11-26 2018-04-05 Kennametal Inc. Cutting tool and method for its manufacture

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US20180093330A1 (en) * 2015-11-26 2018-04-05 Kennametal Inc. Cutting tool and method for its manufacture

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