JPH10277738A - 立向エレクトロガスアーク溶接装置 - Google Patents

立向エレクトロガスアーク溶接装置

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Publication number
JPH10277738A
JPH10277738A JP8396597A JP8396597A JPH10277738A JP H10277738 A JPH10277738 A JP H10277738A JP 8396597 A JP8396597 A JP 8396597A JP 8396597 A JP8396597 A JP 8396597A JP H10277738 A JPH10277738 A JP H10277738A
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JP
Japan
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beam member
slider
slider body
vertical
torch
Prior art date
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Application number
JP8396597A
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English (en)
Inventor
Shinji Komatsu
伸二 小松
Takeshi Koyama
小山  毅
Fujio Takanashi
不二雄 高梨
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇降スライダ体を梁部材に対して直交かつ梁
部材の側面に平行にセットするだけで、当金がコーナー
部に沿って確実に移動する立向エレクトロガスアーク溶
接装置を提供する。 【解決手段】 主部材mに仮付けされた梁部材bの上端
面b′に載置されて昇降スライダ体2を支持するスライ
ダ支持部材15を長くし、かつ昇降スライダ体2に直交
する状態で取付け、当金11に付勢力を付与する当金押
付力調整治具12を当金左右スライダ10で左右移動さ
れる左右スライド金具10aの先端で垂直軸を支点とし
て首振りし得るように支持すれば、スライダ支持部材1
5を梁部材bの上端面b′に載置するだけで、昇降スラ
イダ体2が梁部材bに対して直交かつその側面に平行に
セットされ、そして主部材mと梁部材bとの仮付け精度
の点でコーナー部の精度が多少悪くても、コーナー部に
沿って当金11が移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇降スライダ体を
梁部材に容易かつ短時間のうちにセットすることを可能
ならしめると共に、当金をコーナー部に追随させること
を可能ならしめるようにした立向エレクトロガスアーク
溶接装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】以下、従来例1に係る典型的な立向エレ
クトロガスアーク溶接装置(以下、立向溶接装置と略称
する。)を、その側面図の図9と、その平面図の図10
(a)と、図10(a)のD矢視図の図10(b)と、
その昇降スライダ体の位置決め状態を示す図の図11
(a),(b)およびその当金支持金具の断面図の図1
2を参照しながら説明する。
【0003】即ち、符号51は立向溶接装置であって、
この立向溶接装置51は水平配設されてなる角パイプ部
材からなる主部材mの垂直な側面m′に水平に仮付けさ
れたH形鋼からなる梁部材bにセットされ、主部材mの
側面m′と梁部材bとにより形成される上下方向の角部
を下側から上方に向かって隅肉溶接するものである。こ
の立向溶接装置51は梁部材bの上部に回転支持部63
を有するスライダ支持部材62が梁部材bの上部b′に
載置され、回転支持部63から左右方向に等距離離れた
2箇所において上部固定クランプ64,64により固定
され、このスライダ支持部材62の回転支持部63によ
り、後述する昇降スライダ体52が揺動可能に支持され
ている。そして、昇降スライダ体52は、この昇降スラ
イダ体52と梁部材bとの間に配設されてなるマグネッ
ト66の吸着力により梁部材bの側面に固定されると共
に、下部側が2個の下部固定クランプ65によって梁部
材bの下部b″に固定されている。
【0004】前記昇降スライダ体52の反梁部材側に
は、トーチ・当金支持金具である昇降自在なスライド板
53が配設されている。このスライド板53には、溶接
トーチ55の左右方向の位置を調整して固定するトーチ
支持部であるトーチ左右スライダ54が設けられてい
る。そして、このトーチ左右スライダ54には、図6に
示すように、溶接トーチ55の角度を調整するトーチ角
度調整機構56、溶接トーチ55をウィービングさせる
ウィーバ57および溶接トーチ55の上下方向と前後方
向の位置を調整するトーチ前後・上下スライダ58を介
して溶接トーチ55が取付けられている。また、前記ス
ライド板53のトーチ左右スライダ54よりも下方位置
には当金60の左右方向の位置を調整して固定する当金
支持部である当金左右スライダ59が設けられている。
そして、この当金左右スライダ59には、図6に示すよ
うに、当金60の押付力を調整する当金押付力調整治具
61を介して当金60が取付けられている。
【0005】前記当金押付力調整治具61は、当金左右
スライダ59により左右にスライドされる左右スライド
金具59aの先端に取付けられた図12に示すような円
筒状の支持体70に、後述する円筒体71が嵌合されて
支持されている。この円筒体71には、ノブ74で回転
されるねじ軸74aのねじ込み、ねじ戻しで往復動され
るピストン72が収容され、反ノブ側の開口部側から、
先端に当金60が固着されてなる当金支持ロッド60a
が嵌合されると共に、これらピストン72の反ノブ側と
当金支持ロッド60aの反当金側との間に圧縮コイルば
ね73が介装されており、この当金60のコーナー部へ
の押付力はノブ74によるねじ軸74aのねじ込み、ね
じ戻しによる圧縮コイルばね73の圧縮量の調整によっ
て調整されるように構成されている。
【0006】上記構成になる立向溶接装置51では、水
平配設された主部材mの垂直な側面m′に水平に仮付け
されてなる梁部材bにセットされるが、そのセットに際
しては、図11(a),(b)に示すような定尺の位置
決め治具67を、これと梁部材bとの間にマグネット6
8を介して主部材mの側面m′と昇降スライダ体52の
側面との間に介装すると共に、上下動させることにより
昇降スライダ体52が主部材mの垂直な側面m′と平行
になるようにセットする。このようにして、昇降スライ
ダ体52が主部材mの側面m′と平行になると、昇降ス
ライダ体52はマグネット66を介して梁部材bに固定
されてセットされると共に、セット作業の終了後にこの
位置決め治具67が取外される。次いで、溶接トーチ5
5と当金60との位置がそれぞれ調整されて主部材mの
側面m′と梁部材bとにより形成される上下方向の角部
を下側から上方に向かっての隅肉溶接が開始される。
【0007】ところで、上記立向溶接装置51によれ
ば、その昇降スライダ体52は梁部材bに取付けられた
スライダ支持部材62の回転支持部63を支点として揺
動可能になっていて、昇降スライダ体52の位置決めの
ために位置決め治具が必要である。 そのため、位置決
め治具のセット作業に加えて、昇降スライダ体52のセ
ット作業も行わなければならず、2重のセット作業を要
する。つまり、昇降スライダ体52の位置決めに長時間
を要するので、溶接準備作業が非能率にならざるを得な
かった。さらに、昇降スライダ体52、溶接トーチ5
5、トーチ上下・前後・左右スライダ54、ウイーバ5
7、当金押付力調整治具61およびその当金左右スライ
ダ59は一体的に構成されていて大重量(約20kgf
程度)であるために、その移動や梁部材へのセットに多
大な労力を要していた。
【0008】そこで、本願出願人は特願平8−2985
64号において、昇降スライダ体を容易かつ短時間のう
ちにセットすることができ、しかもセット移動作業等の
労力軽減を可能ならしめるようにした立向溶接装置を提
案した。以下、この従来例2に係る立向溶接装置を、そ
の側面図の図5と、その平面図の図6(a)と、図6
(a)のC矢視図の図6(b)と、その昇降スライダ体
のスライド部材とトーチ・当金支持金具との分割状態を
示す斜視図の図7(a)と、その昇降スライダ体のスラ
イド部材とトーチ・当金支持金具との取付状態を示す斜
視図の図7(b)と、その昇降スライダ体の位置決め機
構説明図の図8とを参照しながら、同明細書に記載され
ている同一名称ならびに同一符号を以て説明する。
【0009】図5,6に示す符号1は、水平配設されて
なる角パイプ部材からなる主部材mの垂直な側面m′に
水平に仮付けされたH形鋼からなる梁部材bに取付けら
れ、前記主部材mの側面m′と梁部材bとにより形成さ
れる上下方向の角部を下側から上方に向かって隅肉溶接
する立向溶接装置である。この立向溶接装置1の昇降ス
ライダ体2には、内側に配設されてなるリニアガイド2
aで昇降可能に案内されるスライド部材3が設けられて
いる。このスライド部材3は、昇降スライダ体2の下部
に配設されてなる駆動モータ(駆動源)2bによりウオ
ームとウオームホイールとからなる減速機構2cを介し
て正逆自在に回転される台形ねじ2dにて前記リニアガ
イド2aに沿って昇降するように構成されている。
【0010】前記昇降スライダ体2の背面側には、この
昇降スライダ体2を梁部材bに取付けるためのスライダ
支持部材15が、上部固定クランプ18,18と下部固
定クランプ19,19とにより梁部材bに取付けられて
いる。このスライダ支持部材15は垂直板部とこの垂直
板部の上下部において梁部材bの方向に突出し、かつ間
隔が梁部材bの上下方向の幅よりも若干広い突出板部と
からなる上下方向の縦断面形状がコの字状に形成されて
いる。そして、このスライダ支持部材15の垂直板部の
上部付近に回転支持部16が突設され、この回転支持部
16によって前記昇降スライダ体2が揺動可能に支持さ
れている。
【0011】さらに、この昇降スライダ体2の背面側
で、かつ前記回転支持部16の下方位置には下部回転支
持部17が突設され、回転支持部16には後述する形状
に形成されてなる上部位置決めアーム13が、また下部
回転支持部17には長さ調整機構14cにより長さを自
在に調整し得る下部位置決めアーム14が回動自在に支
持されている。そして、図8に示すように、上部位置決
めアーム13は先端が上向きの黒矢印方向に回動するこ
とにより、また下部位置決めアーム14は先端が下向き
の白矢印方向に回動することにより張出されると共に、
逆向きの回動により昇降スライダ体2の背面に格納され
るようになっている。
【0012】前記上部位置決めアーム13の先端は、こ
の上部位置決めアーム13の本体棒状部材に対して直角
に曲げ形成され、曲げ形成部分の主部材mの側面m′へ
の当接側には平面部13aが形成されている。さらに、
平面部13aの張出す方向側の端部13bは、上部位置
決めアーム13の張出し状態においては主部材mの側面
m′に対して直交し、かつ回転支持部16の回転中心を
通る直線L上になるように構成されている。また、前記
下部位置決めアーム14の先端も、この下部位置決めア
ーム14の本体棒状部材に対して直角に曲げ形成され、
曲げ形成部分の主部材mの側面m′への当接側に平面部
14aが形成されている。
【0013】そして、平面部14aの張出す方向側の端
部14bは、この下部位置決めアーム14の張出し状態
においては前記主部材mの側面m′に対して直交し、か
つ回転支持部16の回転中心を通る直線L上になるよう
に構成されている。前記スライド部材3には、着脱自在
な後述する構成のトーチ・当金取付金具4が取付けられ
ている。このトーチ・当金取付金具4は、図7(a),
(b)に示すように、スライド部材3の板部分の下部側
に設けられた鉤状の2個の支え金具3a,3aに嵌込ま
れることにより下端部が支えられると共に、スライド部
材3の板部分の上端面に螺着されてなる2個の雌ねじ3
b,3bに螺着される取付ボルト20,20によって取
付けられている。
【0014】このトーチ・当金取付金具4には、図6
(a),(b)に示すように、溶接トーチ6の左右方向
の位置を調整して固定するトーチ支持部であるトーチ左
右スライダ5が設けられ、これに溶接トーチ6の角度を
調整するトーチ角度調整機構7、溶接トーチ6をウィー
ビングさせるウィーバ8、溶接トーチ6の上下方向と前
後方向との位置を調整するトーチ前後・上下スライダ9
を介して溶接トーチ6が取付けられている。また、トー
チ・当金取付金具4のトーチ左右スライダ5よりも下方
位置には、当金11の左右方向の位置を調整して固定す
る当金支持部である当金左右スライダ10が設けられ、
これに当金11の押付力を調整する当金押付力調整治具
12を介して当金11が取付けられている。
【0015】従って、この立向溶接装置1によれば、昇
降スライダ体2の背面に張出し格納自在な上部位置決め
アーム13と下部位置決めアーム14とからなる位置決
め機構が設けられているので、図8に示すように、梁部
材bにスライダ支持部材15を主部材mの方向に移動し
得るように仮り掛装し、回転支持部16により支持され
てなる昇降スライダ体2がこの回転支持部16を支点と
して回動し得るようにスライダ支持部材15の固定軸1
5aをねじ戻して弛める。次いで、昇降スライダ体2の
背面に格納されている上部位置決めアーム13を張出し
てその先端の平面部13aが主部材mの側面m′に密接
する位置までスライダ支持部材15を移動させると共
に、このスライダ支持部材15を梁部材bに固定する。
そして、下部位置決めアーム14を張出して平面部14
aを主部材mの側面m′に密接させれば、昇降スライダ
体2は主部材mの側面m′と平行になり、その位置が決
定される。その後は、固定軸15aを締めて昇降スライ
ダ体2の回動を固定すると共に、上下部位置決めアーム
13,14を昇降スライダ体2の背面に格納すれば、昇
降スライダ体2のセットが終了するので、従来例1に係
る立向溶接装置のように、別途に用意されている位置決
め治具を用いる必要がなく、位置決め治具のセット作業
が不要であるため、昇降スライダ体2の位置決め時間が
従来例1に比較して大幅に短縮される。
【0016】また、この立向溶接装置1では、上記のと
おり、溶接トーチ6と当金11とが取付けられてなるト
ーチ・当金取付金具4は、昇降スライダ体2に設けられ
ているスライド部材3に着脱自在に取付けられている。
従って、この立向溶接装置1をセットするに際しては、
昇降スライダ体2が位置決めされた後にスライド部材3
にトーチ・当金取付金具4を取付ければ良く、逆に取外
しに際してはスライド部材3からトーチ・当金取付金具
4を取外した後に昇降スライダ体2を取外せば良く、全
体を着脱しなければならない従来例1に係る立向溶接装
置に比較して軽量作業になるので、その移動作業やセッ
ト作業の労力の軽減が可能になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例2に係る立
向溶接装置によれば、上記従来例1に係る典型的な立向
溶接装置に比較して、溶接トーチや当金押付力調整治具
を介して当金を支持する昇降スライダ体を容易、かつ短
時間のうちに垂直にセットすることができると共に、そ
の移動作業やセット作業の労力を軽減することができる
ので極めて優れていると考えられる。
【0018】しかしながら、昇降スライダ体のセット精
度が良くても、主部材への梁部材の仮付け精度によって
当金の摺動状態に問題が生じる。つまり、必ず当金がコ
ーナー部に沿って移動するとは限らないので、当金のコ
ーナー部への円滑な追随性が得られないため、溶接に際
しては、当金左右スライダと押付力調整治具との監視と
頻繁な調整が必要で、溶接作業の作業負荷が大きいとい
う問題があることが判った。また、昇降スライダ体の梁
部材への取付作業では、位置決め機構の上・下部位置決
めアームの張出し、格納作業が必要であって、立向溶接
装置のセット作業が従来例1よりも容易であるものの、
さらなるセット作業の容易化とそのセット作業の所要時
間の短縮に対する強い要望があった。
【0019】従って、本発明の目的とするところは、従
来例2に係る立向溶接装置の優れた機能を生かしなが
ら、昇降スライダ体を梁部材に対して直交かつ梁部材の
側面に平行にセットするだけで、当金がコーナー部に沿
って確実に移動し得る立向溶接装置を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る立向溶接装置が採用した手
段は、主部材の側面に仮付けされた梁部材の上端面に載
置されるスライダ支持部材と梁部材の下端面を押圧する
固定手段とにより、この梁部材に着脱自在に取付けられ
る前記スライダ支持部材に直交する状態で固着された昇
降スライダ体によりスライド部材が昇降自在に支持さ
れ、このスライド部材により前記主部材と梁部材との側
面の間に形成されるコーナー部を溶接する溶接トーチが
支持されると共に、この溶接トーチの下方位置に、溶接
により生じる溶湯の流下を防止して所定のビード形状を
形成させる当金をコーナー部の方向に付勢する当金押付
力調整治具が支持されてなる立向溶接装置において、前
記当金押付力調整治具を垂直軸を支点として首振り自在
に支持したことを特徴とするものである。
【0021】また、上記課題を解決するために、本発明
の請求項2に係る立向溶接装置が採用した手段は、請求
項1に記載の立向溶接装置において、前記スライダ支持
部材の長さ寸法を、前記固定手段の梁部材の長手方向の
間隔寸法よりも大きくしたことを特徴とするものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
立向溶接装置を、そのスライダ支持部材の梁部材への支
持状態を示す図の図1(a)と、図1(a)のA矢視図
の図1(b)と、その当金の取付け状態を示す図の図2
と、その当金を支持する当金押付力調整治具の側面図の
図3と、その当金押付力調整治具を支持する治具取付金
具の構成説明図の図4(a)と、図4(a)のB矢視図
の図4(b)とを参照しながら説明する。但し、本実施
の形態が上記従来例2に係る立向溶接装置と相違すると
ころは、昇降スライダ体の背面に上・下部位置決めアー
ムを有する位置決め機構が設けられていないこと、当金
押付力調整治具の取付け構成が相違すること、およびス
ライダ支持部材の支持状態が相違することとであり、他
の構成は全く同じであるから、同一のものには同一符号
を付すと共に同一名称を以て、主としてその相違する点
について説明する。
【0023】先ず、昇降スライダ体の取付け構成を、図
1(a),(b),図2を参照しながら説明する。図に
示す符号2は昇降スライダ体で、この昇降スライダ体2
の上部側の背面には、主部材mの側面に仮付けされた梁
部材bの反昇降スライダ体2側の面を押圧する上部固定
クランプ18,18を有し、梁部材bの上端面b′に載
置されるスライダ支持部材15がこの昇降スライダ体2
と直交する状態で固着されている。また、この昇降スラ
イダ体2の下部の背面には、梁部材bの下端面b″を押
圧する固定手段である一対の固定ねじ21a,21aを
有すると共に、梁部材bの反昇降スライダ体2側の面を
押圧する下部固定クランプ19を有する下部固定機構2
1が設けられている。
【0024】つまり、この昇降スライダ体2は、スライ
ダ支持部材15と下部固定機構21とによって梁部材b
にセットされるように構成されている。そして、前記ス
ライダ支持部材15の長手方向の両端の下面には、梁部
材bの上端面b′に水平部分が密接すると共に、梁部材
bの昇降スライダ体2側の面に垂直部分が密接するLの
字型の座板15b,15bが固着されており、これら座
板15b,15bの間隔は前記一対の固定ねじ21a,
21aの間隔よりも大きくなるように設定されている。
これにより、スライダ支持部材15が梁部材bの上端面
b′と常に平行になるので、昇降スライダ体2が梁部材
bと直交する状態でセットされる。
【0025】次に、当金11を支持する当金押付力調整
治具の構成を、図2と図3とを参照しながら説明する
と、昇降スライダ体2に設けたリニアガイド2a(図1
参照)に案内されて昇降されるスライド部材3に、当金
11の左右の位置を調整する当金左右スライダ10が取
付けられている。そして、この当金左右スライダ10に
より左右にスライドされる左右スライド金具10aの先
端に、後述する治具取付け金具22が取付けられてお
り、この治具取付け金具22に円筒状の支持体30を介
して従来例と同構成になる当金押付力調整治具12が取
り付けられている。勿論、スライド部材3の当金左右ス
ライダ10の上側にはトーチ左右スライダ5が設けられ
ており、このトーチ左右スライダ5と図示しないトーチ
角度調整機構およびトーチ前後・左右スライダを介して
溶接トーチが支持されている。
【0026】前記治具取付け金具22は、図4(a),
(b)に示すように、Lの字形に形成されている。そし
て、左右スライド金具10aの先端に取付けられた状態
において水平となる底板22aには、軸受22cが嵌合
されてなる回動支点穴22bが設けられると共に、この
回動支点穴22bの図4(a)における左側には回動補
助穴22dが設けられている。そして、当金押付力調整
治具12を支持する支持体30の下側には、図3に示す
ように、前記治具取付け金具22の回動支点穴22bに
嵌合された軸受22cに嵌合される支点軸30aと、回
動補助穴22dに遊嵌されるこの回動補助穴21dの内
径よりも直径が小径のガイドピン30bとが植設されて
いる。つまり、当金押付力調整治具12が支点軸30a
を首振り支点として回動補助穴22dの内径とガイドピ
ン30bの外径との寸法差分だけ左右首振りし得るよう
に構成されている。勿論、回動補助穴22dは、回動支
点穴22bの中心を中心とする円弧に沿う湾曲した形状
の長穴であっても良い。
【0027】ところで、ガイドピン30bを治具取付け
金具22の回動補助穴22dから下方に突出させ、その
突出部分に雄ねじを螺刻し、この雄ねじに上側に円錐台
部を有する雌ねじを螺着すると共に、セットするに際し
ては雄ねじをねじ込んでその円錐台部の周面を回動補助
穴22dの開口角面に接触させ、セット終了後に雄ねじ
をねじ戻すような構成にすることが好ましい。つまり、
このような構成にすることにより、回動補助穴22dと
ガイドピン30bとの中心が一致し、必ず左右に同等の
振れ代が確保されて、偏りがなくなるからである。
【0028】以下、上記構成になる立向溶接装置1の作
用態様を説明すると、この立向溶接装置1をセットする
に際しては、先ずスライダ支持部材15を梁部材bの上
端面b′に載置し、下部固定機構21の一対の固定ねじ
21a,21aをねじ込んで梁部材bの下端面b″を押
圧すると共に、上・下部固定クランプ18,19を操作
して昇降スライダ体2を梁部材bに取付ければ、この昇
降スライダ体2が梁部材bの上端面b′と直交する状態
になると共に、梁部材bの昇降スライダ体2側の面と平
行になるので、この立向溶接装置1を容易、かつ短時間
のうちに梁部材bにセットすることができる。このよう
に、この実施の形態に係る立向溶接装置1では、従来例
2と同様に、従来例1に係る立向溶接装置のように別途
に用意されている位置決め治具を用いる必要がない。
【0029】また、この実施の形態に係る立向溶接装置
1では、図1(a)と図2とから良く理解されるよう
に、溶接トーチと当金11とを支持するトーチ・当金取
付金具4が、昇降スライダ体2に設けられているスライ
ド部材3に着脱自在に取付けられている。従って、この
立向溶接装置1をセットするに際しては、昇降スライダ
体2が位置決めされた後にスライド部材3にトーチ・当
金取付金具4を取付ければ良く、逆に取外しに際しては
スライド部材3からトーチ・当金取付金具4を取外した
後に昇降スライダ体2を取外せば良く、全体を着脱しな
ければならない従来例1に係る立向溶接装置に比較して
軽量作業になるという従来例2に係る立向溶接装置と同
様の移動作業やセット作業の労力の軽減効果がある。
【0030】そして、昇降スライダ体2のセット状態、
ならびに主部材mと梁部材bの仮付け状態がそれほど高
精度でなくても、溶接中の当金11の上昇中を通じて、
当金押付力調整治具12が支点軸30aを支点として首
振りして主部材mと梁部材bとの側面の間に形成される
コーナー部に当金11が確実に倣うので、従来のよう
に、当金左右スライダと押付力調整治具との監視と頻繁
な調整を行う必要がなくなり、溶接作業の作業負荷が大
幅に軽減される。また、上記のとおり、スライダ支持部
材15を梁部材bの上端面b′に載置し、下部固定機構
21の一対の固定ねじ21a,21aをねじ込んで梁部
材bの下端面b″を押圧すると共に、上・下部固定クラ
ンプ18,19を操作して昇降スライダ体2を梁部材b
に取付けるだけで良いので、位置決め機構の上・下部位
置決めアームの張出し、格納作業が必要な従来例2に係
る立向溶接装置のセット作業に比較して、より容易であ
りかつ短時間のうちに終了することができる。
【0031】また、この実施の形態に係る立向溶接装置
1によれば、上記のとおり、溶接中において当金左右ス
ライダと押付力調整治具との監視と頻繁な調整を行う必
要がない。そのため、多数台の立向溶接装置1をセット
することにより並行して溶接作業を行うことができるの
で、溶接作業能率が向上し、工期の大幅な短縮が可能に
なるという効果も期待することができる。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
または2に係る立向溶接装置によれば、昇降スライダ体
のセット状態、ならびに主部材と梁部材との仮付け状態
がそれほど高精度でなくても、溶接中の当金の上昇中を
通じて、当金押付力調整治具が首振りして主部材と梁部
材との側面の間に形成されるコーナー部に当金が確実に
倣う。従って、従来のように、当金左右スライダと押付
力調整治具との監視と頻繁な調整を行う必要がないの
で、溶接作業の作業負荷が大幅に軽減することができ
る。また、上記のとおり、スライダ支持部材を梁部材の
上端面に載置すると共に、このスライダ支持部材と固定
手段とだけで昇降スライダ体を梁部材にセットできるの
で、位置決め機構の張出し、格納作業が必要な従来例2
に係る立向溶接装置のセット作業に比較して、セット作
業がより容易でありかつ短時間のうちに終了することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、図1(a)は立向
溶接装置のスライダ支持部材の梁部材への支持状態を示
す図、また図1(b)は図1(a)のA矢視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る立向溶接装置の当金
の取付け状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る立向溶接装置の当金
を支持する当金押付力調整治具の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係り、図4(a)は立向
溶接装置の当金押付力調整治具を支持する治具取付金具
の構成説明図、また図4(b)は図4(a)のB矢視図
である。
【図5】従来例2に係る立向溶接装置の側面図である。
【図6】従来例2に係り、図6(a)は立向溶接装置の
平面図、また図6(b)は図6(a)のC矢視図であ
る。
【図7】従来例2に係り、図7(a)は立向溶接装置の
昇降スライダ体のスライド部材とトーチ・当金支持金具
との分割状態を示す斜視図、また図7(b)は立向溶接
装置の昇降スライダ体のスライド部材とトーチ・当金支
持金具との取付状態を示す斜視図である。
【図8】従来例2に係る立向溶接装置の昇降スライダ体
の位置決め機構説明図である。
【図9】従来例1に係る立向溶接装置の側面図である。
【図10】従来例1に係り、図10(a)は立向溶接装
置の平面図、また図10(b)は図10(a)のD矢視
図である。
【図11】従来例1に係り、図11(a),(b)は立
向溶接装置の昇降スライダ体の位置決め状態を示す図で
ある。
【図12】従来例1に係る立向溶接装置の当金支持金具
の断面図である。
【符号の説明】
1…立向溶接装置 2…昇降スライダ体 3…スライド部材 4…トーチ・当金取付金具 5…トーチ左右スライダ 6…溶接トーチ 7…トーチ角度調整機構 8…ウィーバ 9…トーチ前後・上下スライダ 10…当金左右スライダ,10a…左右スライド金具 11…当金 12…当金押付力調整治具 15…スライダ支持部材,15b…座板 18…上部固定クランプ 19…下部固定クランプ 21…下部固定機構,21a…固定ねじ 22…治具取付け金具,22a…底板,22b…回動支
点穴,22c…軸受,22d…回動補助穴 30…支持体,30a…支点軸,30b…ガイドピン b…梁部材(H形鋼),b′…上端面,b″…下端面 m…主部材(角パイプ部材),m′…側面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主部材の側面に仮付けされた梁部材の上
    端面に載置されるスライダ支持部材と梁部材の下端面を
    押圧する固定手段とにより、この梁部材に着脱自在に取
    付けられる前記スライダ支持部材に直交する状態で固着
    された昇降スライダ体によりスライド部材が昇降自在に
    支持され、このスライド部材により前記主部材と梁部材
    との側面の間に形成されるコーナー部を溶接する溶接ト
    ーチが支持されると共に、この溶接トーチの下方位置
    に、溶接により生じる溶湯の流下を防止して所定のビー
    ド形状を形成させる当金をコーナー部の方向に付勢する
    当金押付力調整治具が支持されてなる立向エレクトロガ
    スアーク溶接装置において、前記当金押付力調整治具を
    垂直軸を支点として首振り自在に支持したことを特徴と
    する立向エレクトロガスアーク溶接装置。
  2. 【請求項2】 前記スライダ支持部材の長さ寸法を、前
    記固定手段の梁部材の長手方向の間隔寸法よりも大きく
    したことを特徴とする請求項1に記載の立向エレクトロ
    ガスアーク溶接装置。
JP8396597A 1997-04-02 1997-04-02 立向エレクトロガスアーク溶接装置 Pending JPH10277738A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108544159A (zh) * 2018-07-17 2018-09-18 刘道灵 一种金属管道焊接装置

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CN108544159A (zh) * 2018-07-17 2018-09-18 刘道灵 一种金属管道焊接装置

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