JPH1027759A - 熱処理装置、減圧cvd装置、および薄膜装置の製造方法 - Google Patents

熱処理装置、減圧cvd装置、および薄膜装置の製造方法

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JPH1027759A
JPH1027759A JP8182505A JP18250596A JPH1027759A JP H1027759 A JPH1027759 A JP H1027759A JP 8182505 A JP8182505 A JP 8182505A JP 18250596 A JP18250596 A JP 18250596A JP H1027759 A JPH1027759 A JP H1027759A
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JP
Japan
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substrate
heat treatment
furnace
heat
thin film
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JP8182505A
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English (en)
Inventor
Mitsutoshi Miyasaka
光敏 宮坂
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業効率を低下することなく、アクティブマ
トリクス基板などといった大型の基板に対応できるよう
処理炉を大型化できる加熱装置、減圧CVD装置、およ
び薄膜装置の製造方法を提供すること。 【解決手段】 減圧CVD装置10Cにおいて、基板2
0Cに薄膜を形成するときには、反応炉11Cの内部に
基板20Cを配置するとともに、ヒータ12Cによって
基板20Cを反応炉11Cの外部から加熱して、基板2
0Cを一定温度に保つ。この状態で薄膜堆積処理を終え
たときには、基板20Cを新たな基板に交換するが、こ
の際には熱媒通路190Cに冷却した熱媒用ガスを通
し、反応炉11Cおよび基板20Cを短時間で冷やす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置用のア
クティブマトリクス基板などに用いられる大面積基板の
表面に形成した薄膜を熱処理するための熱処理装置、大
面積基板の表面に薄膜を形成するための減圧CVD装
置、および液晶表示装置用アクティブマトリクス基板な
どの薄膜装置の製造方法に関するものである。さらに詳
しくは、熱処理装置や減圧CVD装置における炉および
その周辺部分の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置やその他の装置を製造する際
には基板上に薄膜を形成することが多々ある。たとえば
液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の製造工程で
は、基板上に薄膜トランジスタを製造するためにシリコ
ン膜やシリコン酸化膜を基板上に堆積させたり、或いは
シリコン膜などに対して熱処理を施している。
【0003】このような処理に用いられる従来の熱処理
装置や減圧CVD装置を図13に示す。従来の熱処理炉
は基板20Jを設置するための炉11Jと、この炉11
Jの内部に設置された基板20Jをたとえば400℃〜
500℃にまで加熱するためのヒータ12Jなどから構
成されている。また、従来の減圧CVD装置はこれら構
成に加え、炉11Jの内部を減圧するための真空排気装
置13Jと、炉11Jの内部にガスボンベ14Jから反
応ガスを供給するためのガス供給経路15Jと付与され
ている。
【0004】このように構成された従来の熱処理装置や
減圧CVD装置では、処理の終了した基板20Jを新た
な基板と交換する際は炉11Jを自然冷却により冷やし
てからこれらの作業をおこなっていた。また減圧CVD
装置で薄膜堆積処理を繰り返し行うと、炉11Jの内面
にシリコン膜などが付着し、それが厚くなりすぎると基
板20Jの上に脱落して付着していた。このため炉11
Jを減圧CVD装置から外してその内面に付着している
シリコン膜などを除去する作業を定期的に行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱処理装置や減圧CV
D装置で400mm×500mmといった大型基板を処
理するには必然的に炉11Jを大型化せねばならない。
しかしながら従来の装置のままで炉11Jを大型化する
と、ヒーターの大型化や反応炉や基板の熱容量の増大に
伴い、基板20Jを交換する際に炉11Jが冷えるまで
長時間待つ必要が生じ、段取り作業の効率が悪いという
問題がある。
【0006】また、従来の減圧CVD装置を単純に大型
化すると、炉11Jの取り外しが極めて困難と化し、実
質的に炉11Jの内面に付着している膜の除去作業がで
きないという問題がある。
【0007】そこで本発明は、以上の問題点に鑑みて、
作業効率を低下することなく、アクティブマトリクス基
板などに用いられる大型基板に対応できるよう反応炉を
大型化できる加熱処理装置、減圧CVD装置、および薄
膜装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[本発明の第1の形態]上記課題を解決するために、本
発明の第1の形態に係る熱処理装置では基板に熱処理を
施すための熱処理炉と、該熱処理炉の外部に配置され該
熱処理炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段
と、前記熱処理炉を冷却するための冷却手段とを有する
ことを特徴とする。
【0009】本発明に係る熱処理装置では基板に熱処理
を施すための熱処理炉と、該熱処理炉の外部に配置され
該熱処理炉内に設置された基板を加熱するための加熱手
段と、該加熱手段を冷却するための冷却手段とを有する
場合がある。
【0010】本発明において前記冷却手段はたとえば前
記熱処理炉と前記加熱手段との間に位置する熱媒通路
と、該熱媒通路に対して熱媒用ガスを通すための熱媒用
ガス供給手段とを有することが好ましい。このように構
成すると、冷却手段は熱処理炉および加熱手段の双方を
冷却することができる。
【0011】本発明では基板上に薄膜を形成する第一工
程と、該薄膜に熱処理を施す第二工程とを少なくとも含
む薄膜装置の製造方法において、前記第二工程では前記
基板を熱処理炉内に設置した後に該基板に加熱処理を行
い、該加熱処理の終了後に前記基板に冷却処理を行うこ
とを特徴とする。
【0012】この場合に前記加熱処理は前記熱処理炉の
外部に配置した加熱手段により行われ、前記冷却処理は
前記熱処理炉の外部に配置した冷却手段により行われる
ことがある。
【0013】本発明では前記冷却処理としては強制冷却
を用いることができる。また、前記冷却手段は熱媒用ガ
スを用いて冷却処理を行う場合もある。
【0014】本発明の第1の形態によれば熱処理を終え
た後に熱処理炉や基板を積極的に冷却するので、熱処理
炉から基板を出し入れするときに熱処理炉が冷えるまで
待つ時間が短くて済む。それ故熱処理工程では基板の出
し入れなどといった段取り作業の効率が向上する。
【0015】[本発明の第2の形態]本発明の第2の形
態に係る熱処理装置では基板に熱処理を施すための熱処
理炉と、該熱処理炉の外部に配置され該熱処理炉内に設
置された基板を加熱および冷却するための熱交換手段と
を有することを特徴とする。
【0016】本発明では基板上に薄膜を形成する第一工
程と、該薄膜に熱処理を施す第二工程とを少なくとも含
む薄膜装置の製造方法において、前記第二工程では前記
基板を熱処理炉内に設置した後、該基板に前記熱処理炉
の外部に配置した熱交換手段により加熱処理を行い、該
加熱処理の終了後に前記熱交換手段により前記基板に冷
却処理を行うことを特徴とする。
【0017】本発明の第2の形態によれば熱交換手段に
よって基板を加熱するとともに、熱処理の終了後には同
じ熱交換手段によって熱処理炉や基板を積極的に冷却す
るので、簡単な構成でありながら熱処理炉から基板を出
し入れするときに熱処理炉が冷えるまで待つ時間が短く
て済む。それ故熱処理工程で行う段取り作業の効率が向
上する。
【0018】[本発明の第3の形態]本発明に係る第3
の形態に係る減圧CVD装置では基板表面に薄膜を形成
するための反応炉と、該反応炉の外部に配置され前記反
応炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、
前記反応炉内を減圧するための真空排気手段と、前記反
応炉内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段
と、前記反応炉を冷却するための冷却手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0019】本発明に係る減圧CVD装置では基板表面
に薄膜を形成するための反応炉と、該反応炉の外部に配
置され前記反応炉内に設置された基板を加熱するための
加熱手段と、前記反応炉内を減圧するための真空排気手
段と、前記反応炉内に反応ガスを供給するための反応ガ
ス供給手段と、前記加熱手段を冷却するための冷却手段
とを有する場合がある。
【0020】本発明において前記冷却手段は前記反応炉
と前記加熱手段との間に位置する熱媒通路と、該熱媒通
路に対して熱媒用ガスを通すための熱媒用ガス供給手段
とを有することがある。このように構成すると冷却手段
は反応炉および加熱手段の双方を冷却することができ
る。
【0021】本発明に係る薄膜装置の製造方法では基板
を反応炉内に設置した後に該基板を加熱するとともに前
記反応炉に反応ガスを供給することにより前記基板上に
薄膜を形成する薄膜堆積処理を行い、該薄膜堆積処理の
終了後に前記基板に冷却処理を行うことを特徴とする。
【0022】本発明において前記加熱処理は前記反応炉
の外部に配置した加熱手段により行われ、前記冷却処理
は前記反応炉の外部に配置した冷却手段により行われる
ことがある。
【0023】本発明において前記冷却処理は強制冷却で
ある。また、前記冷却手段は熱媒用ガスを用いて冷却処
理を行うことがある。
【0024】本発明の第3の形態によれば薄膜堆積処理
を終えた後に反応炉や基板を積極的に冷却するので、反
応炉から基板を出し入れするときに反応炉が冷えるまで
待つ時間が短くて済む。それ故薄膜堆積工程で行う段取
り作業の効率が向上する。
【0025】[本発明の第4の形態]本発明の第4の形
態に係る減圧CVD装置において基板表面に薄膜を形成
するための反応炉と、該反応炉の外部に配置され前記反
応炉内に設置された基板を加熱および冷却するための熱
交換手段と、前記反応炉内を減圧するための真空排気手
段と、前記反応炉内に反応ガスを供給するための反応ガ
ス供給手段とを有することを特徴とする。
【0026】本発明に係る薄膜装置の製造方法では基板
を反応炉内に設置した後に該基板を前記反応炉の外部に
配置した熱交換手段により加熱するとともに前記反応炉
に反応ガスを供給することにより前記基板上に薄膜を形
成する薄膜堆積処理を行い、該薄膜堆積処理の終了後に
前記熱交換手段により前記基板に冷却処理を行う。
【0027】本発明の第4の形態によれば熱交換手段に
よって基板を加熱するとともに、薄膜堆積処理の終了後
には同じ熱交換手段によって反応炉や基板を冷却するの
で、簡単な構成でありながら反応炉から基板を出し入れ
するときに反応炉が冷えるまで待つ時間が短くて済む。
それ故、薄膜堆積工程で行う段取り作業の効率が向上す
る。
【0028】[本発明の第5の形態]本発明の第5の形
態に係る減圧CVD装置では基板表面に薄膜を形成する
ための内側反応炉と、該内側反応炉の外側に位置する外
側反応炉と、該外側反応炉の外部に配置され前記内側反
応炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、
前記内側反応炉と前記外側反応炉とによって挟まれた第
一熱媒通路と、該第一熱媒通路と前記内側反応炉とを減
圧するための真空排気手段と、前記内側反応炉内に反応
ガスを供給する反応ガス供給手段と、前記第一熱媒通路
に熱媒用ガスを供給する第一熱媒用ガス供給手段とを有
することを特徴とする。
【0029】本発明に係る薄膜装置の製造方法では基板
表面に薄膜を形成するための内側反応炉の外側に外側反
応炉を設け、基板を前記内側反応炉内に設置した後、該
基板を加熱し、かつ前記内側反応炉内の圧力が前記内側
反応炉と前記外側反応炉とによって挟まれた第一熱媒通
路内の圧力よりも低い状態となるように、前記内側反応
炉に反応ガスを供給するとともに前記第一熱媒通路に熱
媒用ガスを供給することにより前記基板上に薄膜を堆積
する薄膜堆積処理を行うことを特徴とする。
【0030】本発明の第5の形態によれば反応炉を2重
構造としたため、重くて丈夫な外側反応炉に対して軽い
内側反応炉を出し入れできるように構成できる。本発明
によれば反応ガスから付着するシリコン膜などは軽くて
取り外し容易な内側反応炉の内面に付着するだけで外側
反応炉に付着しないので、軽い内側反応炉だけを取り出
してシリコン膜などを除去すればよい。それ故反応炉を
大型化してもメンテナンス作業の効率がよい。
【0031】また薄膜堆積処理の終了後に第一熱媒通路
に冷却した熱媒用ガスを通せば内側反応炉および外側反
応炉を短時間で冷却できるので、反応炉を大型化しても
反応炉から基板を出し入れするときに反応炉が冷えるま
で待つ時間が短くて済む。それ故作業効率が向上する。
さらに内側反応炉を加熱するときに第一熱媒通路に加熱
したガスを通せば、反応炉を大型化しても内側反応炉の
温度ばらつきを解消できる。
【0032】本発明において前記内側反応炉内と前記真
空排気手段との間のコンダクタンスは前記第一熱媒通路
と前記真空排気手段との間のコンダクタンスよりも大き
いことが好ましい。このように構成すると内側反応炉内
の反応ガスは第一熱媒通路の方に流出しないので、外側
反応炉の内面にシリコン膜などが付着することを確実に
防止できる。
【0033】本発明において前記外側反応炉と前記加熱
手段との間に位置する第二熱媒通路と、該第二熱媒通路
に対して熱媒用ガスを通すための第二熱媒用ガス供給手
段とを有することが好ましい。
【0034】本発明に係る薄膜装置の製造方法では基板
表面に薄膜を形成するための内側反応炉の外側に外側反
応炉を設け、基板を前記内側反応炉内に設置した後に該
基板を加熱し、かつ前記内側反応炉内の圧力が前記内側
反応炉と前記外側反応炉とによって挟まれた第一熱媒通
路内の圧力よりも低い状態となるように前記内側反応炉
に反応ガスを供給するとともに第一熱媒通路に熱媒用ガ
スを供給することにより前記基板上に薄膜を堆積する薄
膜堆積処理を行い、該薄膜堆積処理の終了後に前記第一
熱媒通路に熱媒用ガスを供給するとともに前記外側反応
炉と前記加熱手段との間に位置する第二熱媒通路に熱媒
用ガスを供給することにより少なくとも前記外側反応炉
に冷却処理を行うことを特徴とする。
【0035】このように構成すると薄膜堆積処理の終了
後に第二熱媒通路に冷却したガスを通して外側反応炉と
加熱手段とを短時間で冷却するので、反応炉を大型化し
ても反応炉から基板を出し入れするときに反応炉が冷え
るまで待つ時間が短くて済む。それ故作業効率が向上す
る。さらに、内側反応炉を加熱するときに第一熱媒通路
や第二熱媒通路に加熱した熱媒用ガスを通せば、反応炉
を大型化しても内側反応炉の温度ばらつきを解消でき
る。
【0036】
【発明の実施の形態】
[実施形態1の概要]本発明の第1の形態に係る熱処理
装置の概要を図1および図2に示す。本願発明の熱処理
装置は基板20Aに熱処理を施すための熱処理炉11A
と、この熱処理炉11Aの外部に配置され熱処理炉11
Aの内部に設置された基板20Aを加熱するための加熱
手段12Aと、熱処理炉11Aを冷却するための冷却手
段19Aとを有することを特徴とする。冷却手段19A
は加熱手段12Aを冷却するための手段として構成する
場合もあるし、或いは熱処理炉11Aと加熱手段12A
の両者を冷却するための手段として構成される場合もあ
る。
【0037】冷却手段19Aは熱処理炉11Aと加熱手
段12Aとの間に位置する熱媒通路190Aと、この熱
媒通路190Aに対して熱媒用ガスを通すための熱媒用
ガス供給手段197Aとを有することが好ましい。この
ように構成すると冷却手段19Aは熱処理炉11Aおよ
び加熱手段12Aの双方を冷却することができる。
【0038】熱処理炉11Aや加熱手段12Aを効果的
に冷却するには熱媒通路190Aの間隔(熱処理炉11
Aと加熱手段12Aの間の距離)を最適化する必要があ
る。通常の気体を熱媒用ガスとして用いる場合、この間
隔は1mm程度から50mm程度が適している。50m
m程度よりも広ければ熱媒用ガスは熱媒通路190Aの
中心付近を主として流れるため、冷却効果は小さい。こ
れに対して50mm程度より狭ければガスは加熱手段1
2Aや熱処理炉11Aの極近傍をも流れるため冷却効果
は大きくなるのである。熱媒通路190Aの間隔が狭く
なると熱媒通路190Aのコンダクタンスが大きくなる
ので、熱媒用ガス供給手段は圧力調整器を備えているこ
とが好ましい。また、熱処理炉11Aと加熱手段12A
の間の距離が1mm以下の場合には、熱処理炉11Aと
加熱手段12Aとの距離変動により熱媒用ガスが流れな
い領域が生じることがある。このような場合には冷却効
果が低下する。狭い熱媒通路190Aであっても熱媒用
ガスが適正に流れるという観点からすれば、熱媒用ガス
の圧力は1.5気圧(大気圧+約0.5気圧)〜10.
5気圧(大気圧+約10気圧)が最適である。熱媒用ガ
スについては窒素ガス、空気、アルゴンガス等々の安価
なガスを用いることが好ましいが、最適なのは冷却され
た窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスである。
【0039】本発明において、基板20A上に薄膜を形
成する第一工程と、この薄膜に熱処理を施す第二工程と
を少なくとも含む薄膜装置の製造方法では、第二工程に
おいて基板20Aを熱処理炉11A内に設置した後に基
板20Aに加熱処理を行い、この加熱処理の終了後に基
板20Aに冷却処理を行うことを特徴とする。
【0040】本発明において、たとえば、加熱処理は熱
処理炉11Aの外部に配置したタングステン・ヒータや
電磁誘導ヒータなどといった加熱手段12Aにより行
い、冷却処理は熱処理炉11Aの外部に配置した冷却手
段19Aにより行う。
【0041】本発明では、冷却処理としては強制冷却を
用いることができる。また、冷却手段19Aは熱媒用ガ
スを用いて冷却処理を行う場合もある。
【0042】本発明によれば、熱処理を終えた後に熱処
理炉11Aや基板20Aを冷却手段19によって積極的
に冷却するので、熱処理炉11Aから基板20Aを出し
入れするときに熱処理炉11Aが冷えるまで待つ時間が
短くて済む。それ故、熱処理工程で行う段取り作業の効
率が向上する。
【0043】このような発明については、実施例1とし
て後述する。
【0044】[実施形態2の概要]本発明の第2の形態
に係る熱処理装置では、図3に示すように、基板20B
に熱処理を施すための熱処理炉11Bと、この熱処理炉
11Bの外部に配置され熱処理炉11Bの内部に設置さ
れた基板20Bを加熱および冷却するための熱交換手段
19Bとを有することを特徴とする。
【0045】本発明において、基板20B上に薄膜を形
成する第一工程と、この薄膜に熱処理を施す第二工程と
を少なくとも含む薄膜装置の製造方法では、第二工程に
おいて基板20Bを熱処理炉11B内に設置した後に基
板20Bに熱処理炉11Bの外部に配置した熱交換手段
19Bにより加熱処理を行い、この加熱処理の終了後に
熱交換手段19Bにより基板20Bに冷却処理を行う。
この間、熱交換手段19Bと熱処理炉11Bとの間で
は、熱処理炉11Bを加熱する時の熱流は、矢印Hで示
すように、熱交換手段19Bの熱源191Bから熱処理
炉11Bに向かい、熱処理炉11Bを冷却する時の熱流
は、矢印Cで示すように、熱処理炉11Bから熱交換手
段19Bの熱源191Bに向かう。従って、熱交換手段
19Bの熱源温度Thrと熱処理炉11B内の温度TA と
の相対的な温度変化を図4に示すように、熱交換手段1
9Bの熱源191Bと熱処理炉11Bとの間で熱の移動
があるだけなので、省エネルギー化を図りながら熱処理
炉11Bの温度を制御できる。
【0046】このような発明によれば、熱交換手段19
Bによって基板20Bを加熱するとともに、熱処理の終
了後には同じ熱交換手段19Bによって熱処理炉11B
や基板20Bを積極的に冷却するので、簡単な構成であ
りながら、熱処理炉11Bから基板20Bを出し入れす
るときに熱処理炉11Bが冷えるまで待つ時間が短くて
済む。それ故、熱処理工程で行う段取り作業の効率が向
上する。
【0047】このような発明については、実施例2とし
て後述する。
【0048】[実施形態3の概要]本発明に係る第3の
形態に係る減圧CVD装置では、図5および図6に示す
ように、基板20Cの表面に薄膜を形成するための反応
炉11Cと、この反応炉11Cの外部に配置され反応炉
11C内に設置された基板20Cを加熱するための加熱
手段12Cと、反応炉11C内を減圧するための真空排
気手段13Cと、反応炉11C内に反応ガスを供給する
ための反応ガス供給手段15Cと、反応炉11Cを冷却
するための冷却手段19Cとを有することを特徴とす
る。冷却手段19Cは、加熱手段12Cを冷却するため
の手段として構成する場合もある。
【0049】本発明において、冷却手段19Cは、反応
炉11Cと加熱手段12Cとの間に位置する熱媒通路1
90Cと、この熱媒通路190Cに対して熱媒用ガスを
通すための熱媒用ガス供給手段197Cとを有すること
が好ましい。このように構成すると、冷却手段19C
は、反応炉11Cおよび加熱手段12Cの双方を冷却す
ることができる。
【0050】本発明に係る薄膜装置の製造方法では、基
板20Cを反応炉11C内に設置した後にこの基板20
Cを加熱するとともに、反応炉11Cに反応ガスを供給
することにより基板20C上に薄膜を形成する薄膜堆積
処理を行い、この薄膜堆積処理の終了後に基板20Cに
冷却処理を行うことを特徴とする。
【0051】本発明において、たとえば、加熱処理は反
応炉11Cの外部に配置したタングステン・ヒータや電
磁誘導ヒータなどといった加熱手段12Cにより行い、
冷却処理は反応炉11Cの外部に配置した冷却手段19
Cにより行う。
【0052】本発明において、冷却処理は強制冷却であ
る。また、冷却手段19Cは熱媒用ガスを用いて冷却処
理を行うことがある。
【0053】本発明によれば、薄膜堆積処理を終えた後
に反応炉11Cや基板20Cを冷却手段19Cによって
積極的に冷却するので、反応炉11Cから基板20Cを
出し入れするときに反応炉11Cが冷えるまで待つ時間
が短くて済む。それ故、薄膜堆積工程で行う段取り作業
の効率が向上する。
【0054】このような発明については、実施例3とし
て後述する。
【0055】[実施形態4の概要]本発明の第4の形態
に係る減圧CVD装置では、図7に示すように、基板2
0Dの表面に薄膜を形成するための反応炉11Dと、こ
の反応炉11Dの外部に配置され反応炉11D内に設置
された基板20Dを加熱および冷却するための熱交換手
段19Dと、反応炉11D内を減圧するための真空排気
手段13Dと、反応炉11D内に反応ガスを供給するた
めの反応ガス供給手段15Dとを有することを特徴とす
る。
【0056】本発明に係る薄膜装置の製造方法では、基
板20Dを反応炉11Dの内部に設置した後、この基板
20Dを反応炉11Dの外部に配置した熱交換手段19
Dにより加熱するとともに反応炉11Dに反応ガスを供
給することにより基板20D上に薄膜を形成する薄膜堆
積処理を行い、この薄膜堆積処理の終了後に熱交換手段
19Dにより基板20Dに冷却処理を行う。この間、熱
交換手段19Dと反応炉11Dとの間において、反応炉
11Dを加熱する時の熱流は、矢印Hで示すように、熱
交換手段19Dの熱源191Dから反応炉11Dに向か
い、反応炉11Dを冷却する時の熱流は、矢印Cで示す
ように、反応炉11Dから熱交換手段19Dの熱源19
1Dに向かう。
【0057】本発明によれば、熱交換手段19Dによっ
て基板20Dを加熱するとともに、薄膜堆積処理の終了
後に同じ熱交換手段19Dによって反応炉11Dや基板
20Dを積極的に冷却するので、簡単な構成でありなが
ら、反応炉11Dから基板を出し入れするときに反応炉
11Dが冷えるまで待つ時間が短くて済む。それ故、薄
膜堆積工程で行う段取り作業の効率が向上する。
【0058】このような発明については、実施例4とし
て後述する。
【0059】[実施形態5の概要]本発明の第5の形態
に係る減圧CVD装置では、図8ないし図10に示すよ
うに、基板20Eの表面に薄膜を形成するための内側反
応炉11Eと、この内側反応炉11Eの外側に位置する
外側反応炉110Eと、この外側反応炉110Eの外部
に配置され内側反応炉11Eの内部に設置された基板2
0Eを加熱するための加熱手段12Eと、内側反応炉1
1Eと外側反応炉110Eとによって挟まれた第一熱媒
通路160Eと、この第一熱媒通路160Eと内側反応
炉11Eとを減圧するための真空排気手段13Eと、内
側反応炉11E内に反応ガスを供給する反応ガス供給手
段15Eと、第一熱媒通路160Eに熱媒用ガスを供給
する第一熱媒用ガス供給手段16Eとを有することを特
徴とする。
【0060】本発明に係る薄膜装置の製造方法では、基
板20Eの表面に薄膜を形成するための内側反応炉11
Eの外側に外側反応炉110Eを設け、基板20Eを内
側反応炉内11Eに設置した後、この基板20Eを加熱
し、かつ、内側反応炉11E内の圧力が内側反応炉11
Eと外側反応炉110Eとによって挟まれた第一熱媒通
路160E内の圧力よりも低い状態となるように内側反
応炉11Eに反応ガスを供給するとともに第一熱媒通路
160Eに熱媒用ガスを供給することにより基板20E
上に薄膜を堆積する薄膜堆積処理を行うことを特徴とす
る。
【0061】本発明によれば、反応炉を内側反応炉11
Eと外側反応炉110Eとの2重構造としたため、重く
て丈夫な外側反応炉110Eに対して軽い内側反応炉1
1Eを出し入れできるように構成できる。従って、本発
明によれば、反応ガスから反応炉に付着するシリコン膜
などは、軽くて取り外し容易な内側反応炉11Eの内面
に付着し、外側反応炉110Eに付着しないので、軽い
内側反応炉11Eだけを取り出してシリコン膜などを除
去すればよい。それ故、反応炉を大型化してもメンテナ
ンス時の作業効率がよい。また、第一熱媒通路160E
に冷却した熱媒用ガス(冷媒)を通せば、内側反応炉1
1Eと外側反応炉110Eとを短時間で冷却できる。そ
れ故、反応炉を大型化しても反応炉が冷えるまで待つ時
間が短くて済むので、作業効率が向上する。なお、内側
反応炉11Eを加熱するときに第一熱媒通路160Eに
加熱した熱媒用ガスを通せば、内側反応炉11Eを大型
化しても温度ばらつきを解消できる。
【0062】本発明において、内側反応炉11E内と真
空排気手段13Eとの間のコンダクタンスは、第一熱媒
通路160Eと真空排気手段13Eとの間のコンダクタ
ンスよりも大きいことが好ましい。このように構成する
と、内側反応炉11E内の反応ガスは第一熱媒通路16
0Eに流出しないので、外側反応炉110Eの内面にシ
リコン膜などが付着することを確実に防止できる。
【0063】本発明において、外側反応炉110Eと加
熱手段13Eとの間に位置する第二熱媒通路190E
と、この第二熱媒通路190Eに対して熱媒用ガスを通
すための第二熱媒用ガス供給手段19Eとを有すること
が好ましい。
【0064】本発明に係る薄膜装置の製造方法では、基
板20Eの表面に薄膜を形成するための内側反応炉11
Eの外側に外側反応炉110Eを設け、基板20Eを内
側反応炉11E内に設置した後、この基板20Eを加熱
し、かつ、内側反応炉11E内の圧力が内側反応炉11
Eと外側反応炉110Eとによって挟まれた第一熱媒通
路160E内の圧力よりも低い状態となるように内側反
応炉11Eに反応ガスを供給するとともに第一熱媒通路
160Eに熱媒用ガスを供給することにより基板20E
上に薄膜を堆積する薄膜堆積処理を行い、この薄膜堆積
処理の終了後に、第一熱媒通路160Eに熱媒用ガスを
供給するとともに外側反応炉110Eと加熱手段12E
との間に位置する第二熱媒通路19Eに熱媒用ガスを供
給することにより少なくとも外側反応炉110Eを冷却
することを特徴とする。
【0065】このように構成すると、第二熱媒通路19
0Eに冷却した熱媒用ガス(冷媒)を通せば、外側反応
炉110Eと加熱手段13Eとを短時間で冷却できる。
それ故、反応炉を大型化しても反応炉が冷えるまで待つ
時間が短くて済むので、作業効率が向上する。また、内
側反応炉11Eを加熱するときに第二熱媒通路190E
に加熱した熱媒用ガスを通せば、反応炉を大型化しても
内側反応炉11Eの温度ばらつきを解消できる。
【0066】このような発明については、実施例5とし
て後述する。
【0067】[薄膜装置の例]本発明に係る熱処理装
置、減圧CVD装置、および薄膜装置の製造方法はいず
れも、液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板上に
薄膜トランジスタを製造する際に、基板上へのシリコン
膜やシリコン酸化膜の薄膜堆積工程、およびこれらの薄
膜に対する熱処理工程に利用できる。また、本発明に係
る熱処理装置および薄膜装置の製造方法は、その他にも
金属−絶縁体−金属(MIM)型薄膜ダイオード、P型
半導体−真性半導体−N型半導体構造を有する太陽電池
などの薄膜装置の製造にも適用できる。
【0068】以下に説明する各実施例では、本発明に係
る熱処理装置、減圧CVD装置、および薄膜装置の製造
方法を液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板上に
薄膜トランジスタを製造するのに用いた例をあげている
ので、各実施例を説明する前に薄膜トランジスタの製造
方法を簡単に説明しておく。
【0069】まず、図11(A)に示すように、400
×500×1.1mmのガラス製の基板20を準備した
後、図11(B)に示すように、基板温度が約350℃
の条件でTEOS−O2 ガスを用いてプラズマCVD法
により膜厚が2000オングストロームのシリコン酸化
膜からなる下地保護膜11を基板20の全面に形成す
る。
【0070】次に、基板20の全面にプラズマCVD法
や減圧CVD法により厚さが600オングストロームの
真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜12
(薄膜)を形成する。
【0071】次に、図11(C)に示すように、半導体
膜12に250mJ/cm2 の強度でエキシマレーザを
照射してレーザアニールを行い、その少なくとも表面層
を結晶化する。
【0072】次に、図12(A)に示すように、所定の
マスクパターンのレジストマスク22を形成し、半導体
膜12をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニング
する。
【0073】次に、図12(B)に示すように、基板温
度が約350℃の条件でTEOS−O2 ガスを用いてプ
ラズマCVD法により膜厚が1000オングストローム
のシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜13を基板20
の全面に形成する。
【0074】次に、図12(C)に示すように、基板2
0の全面に厚さが約8000オングストロームのタンタ
ル薄膜などの導電膜21をスパッタ法などで形成した
後、図12(D)に示すように、導電膜21をフォトリ
ソグラフィ技術を用いてパターニングし、ゲート電極1
5を形成する。
【0075】次に、ゲート電極15をマスクとして半導
体膜12に不純物イオンを導入する。その結果、半導体
膜12には、ゲート電極15に対して自己整合的にソー
ス・ドレイン領域16が形成され、不純物イオンが導入
されなかった部分は、チャネル領域17となる。
【0076】次に、図12(E)に示すように、シリコ
ン酸化膜からなる層間絶縁膜18を形成した後にコンタ
クホール19を形成し、しかる後にコンタクホール19
を介してソース・ドレイン領域16に導電接続するソー
ス・ドレイン電極26を形成する。このようにして薄膜
トランジスタを形成する。
【0077】[実施例1]本例の熱処理装置は、本発明
の第1の形態に係る装置であり、アクティブマトリクス
基板の製造工程において、図11(B)に示したように
基板20の全面にプラズマCVD法により真性のアモル
ファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成した後に
(第一工程)、結晶化工程を行う前に半導体膜12を加
熱処理し(第二工程)、半導体膜12に含まれる水素を
除去するのに用いる装置である。
【0078】図1は、本例の加熱処理装置の概略構成図
である。
【0079】図1において、本例の熱処理装置10A
は、400mm×500mm程の大型の基板20Aを収
納可能な円筒状の熱処理炉11Aと、この熱処理炉11
Aの内部に配置された多数の基板20Aを熱処理炉11
Aの外部から加熱するとともに、基板20Aを一定温度
に保つためのヒータ12A(加熱手段)とから大略構成
されている。
【0080】熱処理炉11Aの内部には、100枚〜1
50枚もの基板20Aを立てた状態で保持しておくため
のボート18Aが配置され、これらの基板20Aの総重
量は約70kgにも達する。そこで、熱処理炉11Aと
しては、内径が700mmで長さが2500mmの体積
が962133cm3 もある大型、かつ肉厚の石英チャ
ンバーが用いられている。
【0081】熱処理装置10Aでは、熱処理炉11Aの
内部を真空引きするためのブースターポンプやドライポ
ンプからなる真空排気装置13Aが構成されている。熱
処理炉11Aと真空排気装置13Aとを結ぶ排気経路1
30Aの途中位置には、ゲートバルブ131Aが構成さ
れている。また、熱処理装置10Aでは、熱処理炉11
A内に残る空気を窒素置換するための窒素ガスを供給す
るガスボンベ14A、マスフローコントローラ17Aお
よびガス供給経路150Aを備えるガス供給部15Aが
構成されている。
【0082】本例の熱処理装置10Aでは、図2に示す
ように、ヒータ12Aは熱処理炉11Aを囲む上下一対
のヒータブロックから構成され、ヒータ12Aと熱処理
炉11Aとの間には熱処理炉11Aを取り巻くように空
気や窒素等の熱媒用ガスを通すための熱媒通路190A
が区画形成された状態にある。この熱媒通路190Aは
約5mmの開口幅を有し、断面積が17.56cm2 で
ある。
【0083】再び図1において、熱媒通路190Aに対
しては熱媒用ガス供給部199A(熱媒用ガス供給手
段)が構成され、この熱媒用ガス供給部199Aには、
熱媒用ガス供給経路194Aと、この熱媒用ガス供給経
路194Aの途中位置においてガスボンベ196Aから
供給される空気や窒素ガスなどといった熱媒用ガスを加
熱および冷却するための熱交換器195Aと、マスフロ
ーコントローラ197Aとが構成されている。熱媒用ガ
ス供給経路194Aは、熱媒通路190Aの両端部のう
ちの一方側端部に熱媒用ガス導入口191Aとして連通
し、熱媒通路190Aの他方側端部は熱媒用ガス排出口
192Aとなっている。このため、熱媒用ガス供給経路
194Aから熱媒通路190Aに対しては、加熱したガ
スおよび冷却したガスのいずれをも通すことができる。
【0084】熱処理室11Aに対しては熱電対201A
が配置され、この熱電対201Aでの検出結果に基づい
て、制御回路200Aはマスフローコントローラ197
Aを制御し、熱処理室11A内の温度に応じた流量の熱
媒用ガスを熱媒通路190Aに供給するようになってい
る。なお、ヒータ12Aの温度を熱電対などで監視し、
その監視結果に基づいて、制御回路200Aが熱媒用ガ
スの流量などを制御するように構成してもよい。
【0085】このような熱処理装置10Aにおいて、第
一工程で基板20Aの表面に形成した薄膜に第二工程と
して熱処理を施すには、まず、100枚の基板20Aと
50枚のダミー用の基板とをボート18A上に1cm間
隔で立てた状態に並べ、約20cm/minの速度で熱
処理炉11A内に入れる。この際熱処理炉内温度は10
0℃〜300℃程度(本例では200℃)に保たれてい
る。
【0086】次に、熱処理炉11Aの内部温度を200
℃に保ったまま真空排気装置13Aによって熱処理炉1
1Aの内部が1Torrになるまで真空引きを行い、そ
の後にガス供給部15Aから熱処理炉11Aの内部に窒
素ガスを供給し、その内圧を1気圧とする。
【0087】次に、熱処理炉11Aの内部に設置した基
板20Aをヒータ12Aによって熱処理炉11Aの外部
から5℃/minの昇温速度で加熱し、基板20Aの温
度を約425℃とした後、この温度に約60分間保持
し、基板20Aに熱処理を行う。その結果、基板20A
に形成してある半導体膜からは水素が放出される。この
間、ガス供給部15Aから熱処理炉11Aの内部に窒素
ガスを10SLMの流量で流し続ける。
【0088】基板20Aに対する熱処理が完了した後に
は冷却処理を行う。この冷却処理を行うには、ヒータ1
2Aへの電力供給を停止するとともに、矢印Aで示すよ
うに、熱媒用ガス供給経路194Aから熱媒通路190
Aに対して冷却した窒素ガス(熱媒用ガス)を約1SL
M〜約20SLM流す。この間、熱処理炉11Aの内部
温度を熱電対201Aなどで監視し、この監視結果に基
づいて、制御回路200Aは熱媒通路190Aに対して
供給する窒素ガスの流量を調整する。
【0089】その結果、熱媒通路190Aを通る熱媒用
ガス(冷却された窒素ガス)は熱処理炉11Aを冷却す
る。すなわち、熱媒通路190Aおよび熱媒用ガス供給
部199Aは熱処理炉11Aを冷却するための冷却手段
19Aとして機能する。また、熱媒通路190Aを通る
熱媒用ガス(冷却された窒素ガス)はヒータ12Aを冷
却する。すなわち、熱媒通路190Aおよび熱媒用ガス
供給部199Aはヒータ12Aを冷却するための冷却手
段19Aとしても機能する。従って、熱処理炉11Aお
よび基板20Aは、短時間のうちに所定の温度にまで冷
える。
【0090】しかる後に基板20Aを約20cm/mi
nの速度で熱処理炉11Aから取り出し、新たな基板2
0Aに対して上記の操作を繰り返す。
【0091】以上説明したように、本例の熱処理装置1
0Aでは、熱媒用ガス供給経路194Aから熱媒通路1
90Aに冷却した熱媒用ガスを流すことができるので、
熱処理炉11Aおよびヒータ12Aの双方を積極的かつ
強制的に冷却することができる。従って、熱処理炉11
Aの内部を短時間で冷やすことができるので、熱処理炉
11Aから基板20Aを出し入れするときに待つ時間が
短い。それ故、段取り作業の効率がよく、スループット
が高い。
【0092】また、本例の熱処理装置10Aでは、熱媒
用ガス供給経路194Aから熱媒通路190Aに対して
は熱交換器195Aによって加熱した熱媒用ガスを供給
することもできる。従って、基板20Aを加熱する際に
は熱媒通路190Aに対して加熱した熱媒用ガスを通
し、熱処理炉11Aを加熱することもできる。それ故、
熱処理炉11Aを大型化したため、温度ばらつきが生じ
やすくなっているとしても、本例では、熱媒用ガスによ
る加熱によって熱処理炉11Aの内部の温度ばらつきを
抑えることができる。また、たとえ熱処理炉11Aの上
下に位置するヒータ12Aの間で温度ばらつきがあって
も、熱処理炉11Aは大型化されている割りには温度の
均一性が高い。それ故、熱処理炉11Aの内部に大型の
基板20Aを多数設置しても、各基板20Aの間におけ
る温度ばらつきが小さいとともに、1枚の基板20A上
における温度分布が良好であるため、半導体膜に安定し
た熱処理を行うことができる。
【0093】[実施例2]本例の熱処理装置は、本発明
の第2の形態に係る装置であり、実施例1と同じく、ア
クティブマトリクス基板の製造工程において、図11
(B)に示したように基板20の全面にプラズマCVD
法により真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体
膜12を形成した後(第一工程)、結晶化工程を行う前
に半導体膜12を加熱処理し(第二工程)、半導体膜1
2に含まれる水素を除去するのに用いられる装置であ
る。
【0094】図3は、本例の加熱処理装置の概略構成図
である。
【0095】図3において、本例の熱処理装置10B
は、400mm×500mm程の大型の基板20Bを収
納可能な円筒状の熱処理炉11Bと、この熱処理炉11
Bの内部に配置された多数の基板20Bを熱処理炉11
Bの外部から加熱および冷却するための熱交換器12B
(熱交換手段)とから大略構成されている。
【0096】熱処理炉11Bの内部には、100枚〜1
50枚もの基板20Bを立てた状態で保持しておくため
のボート18Bが配置され、これらの基板20Bの総重
量は約70kgにも達する。そこで、熱処理炉11Bと
しては、内径が700mmで長さが2500mmの体積
が962133cm3 もある大型、かつ肉厚の石英チャ
ンバーが用いられている。
【0097】熱処理装置10Bでは、熱処理炉11Bの
内部を真空引きするためのブースターポンプやドライポ
ンプからなる真空排気装置13Bが構成され、熱処理炉
11Bと真空排気装置13Bとを結ぶ排気経路130B
の途中位置にはゲートバルブ131Bが構成されてい
る。また、熱処理装置10Bでは、熱処理炉11B内に
残る空気を窒素置換するための窒素ガスを供給するボン
ベ14B、マスフローコントローラ17Bおよびガス供
給経路150Bを備えるガス供給部15Bが構成されて
いる。
【0098】本例の熱処理装置10Bでは、熱処理炉1
1Bの内部温度を熱電対201Bなどで監視し、この監
視結果に基づいて、制御回路200Bは熱交換器19B
においてその熱源191Bの側と熱処理炉11Bの側と
の間における熱流の方向を制御するようになっている。
【0099】このような熱処理装置10Bにおいて、第
一工程で基板20Bの表面に形成した薄膜に第二工程で
熱処理を行うには、まず、基板20Bおよびダミー用の
基板をボート18B上に立てた状態に並べ、それらを熱
処理炉11B内に入れる。この基板設置工程では、熱処
理炉11Bの内部温度は約250℃〜約300℃と未だ
低く設定してある。
【0100】次に、熱処理炉11Bの内部温度を250
℃に保ったまま、真空排気装置13Bによって熱処理炉
11Bの内部が1Torrになるまで真空引きを行い、
その後にガス供給部15Bから熱処理炉11Bの内部に
窒素ガスを供給して熱処理炉11Bの内部を1気圧とす
る。
【0101】次に、制御回路200Bは、矢印Hで示す
ように、熱交換器19Bを熱源191Bの側から熱処理
炉11Bの側に熱流が生じるように制御して熱処理炉1
1Bの内部に設置した基板20Bを5℃/minの昇温
速度で加熱し、基板20Bの温度を約425℃とした
後、この温度に約60分間保持し、基板20Bに熱処理
を行う。その結果、基板20Aに形成してある半導体膜
からは水素が放出される。この間、ガス供給部15Bか
らは熱処理炉11Bの内部に窒素ガスを10SLMの流
量で流し続ける。
【0102】基板20Bに対する熱処理が完了した後に
は冷却処理を行う。この冷却を行う際には、制御回路2
00Bは、矢印Cで示すように、熱交換器19Bを熱処
理炉11Bの側から熱源191Bの側に熱流が生じるよ
うに制御し、熱処理炉11Bを冷却する。従って、熱処
理炉11Bおよび基板20Bは短時間のうちに所定の温
度にまで冷える。
【0103】しかる後に、基板20Bを熱処理炉11B
から取り出し、新たな基板20Bに対して上記の操作を
繰り返す。
【0104】これらの工程では、図4に示すように、熱
交換器19Bにおいてその熱源191Bの側と熱処理炉
11Bの側との間における熱流の方向によって熱源19
1Bの温度Thrと熱処理炉11Bの温度TA とは、相対
的にそれぞれ逆の温度変化を示す。すなわち、基板20
Aを熱処理炉11Bに設置する工程、および基板20A
を熱処理炉11Bから取り出す工程では、期間t1、t
5で示すように、熱流が実質的にはないので、熱源19
1Bの温度Thrおよび熱処理炉11Bの温度TA は、そ
れぞれ高温レベルおよび低温レベルで平衡状態にある。
また、基板20Aを熱処理炉11B内で熱処理中は、期
間t3で示すように、熱流が実質的にはないので、熱源
191Bの温度Thrおよび熱処理炉11Bの温度TA
は、それぞれ低温レベルおよび高温レベルで平衡状態に
ある。これに対して、基板20Bを加熱するときには熱
源191Bの側から熱処理炉11Bの側に熱流が生じる
ため、期間t2で示すように、熱源191Bの温度Thr
は下降し、熱処理炉11Bの温度TA は上昇する。それ
とは逆に、基板20Bを冷却するときには熱処理炉11
Bの側から熱源191Bの側に熱流が生じるため、期間
t4で示すように、熱源191Bの温度Thrは上昇し、
熱処理炉11Bの温度TA は下降する。従って、熱流が
あっても熱量が保存される状態にあるので、省エネルギ
ー化を図りながら熱処理炉11Bの温度TA を制御でき
る。
【0105】以上説明したように、本例の熱処理装置1
0Bでは、熱交換器19Bによって基板20Bを加熱す
るとともに、熱処理が終了した後には同じ熱交換器19
Bによって熱処理炉11Bや基板20Bを積極的かつ強
制的に冷却するので、簡単な構成でありながら、熱処理
炉11Bから基板20Bを出し入れするときに熱処理炉
11Bが冷えるまで待つ時間が短くて済む。それ故、熱
処理工程で行う段取り作業の効率が向上する。
【0106】[実施例3]本例の減圧CVD装置は、本
発明の第3の形態に係る装置であり、アクティブマトリ
クス基板の製造工程において、図11(B)に示したよ
うに基板20の全面に減圧CVD法により真性のアモル
ファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成するため
の装置である。
【0107】図5は、本例の減圧CVD装置の概略構成
図、図6は、図5のII−II′線に相当する位置で切断し
たときの反応炉の概略断面図である。
【0108】図5において、本例の減圧CVD装置10
Cは、400mm×500mm程の大きな基板20Cに
アモルファスシリコン膜からなる半導体膜(薄膜)を形
成するための筒状の反応炉11Cと、この反応炉11C
の内部に配置された多数の基板20Cを反応炉11Cの
外部から加熱するとともに、基板20Cを一定温度に保
つためのヒータ12C(加熱手段)と、反応炉11Cの
内部を減圧するためのブースターポンプやドライポンプ
からなる真空排気装置13(真空排気手段)と、反応炉
11Cの内部にガス拡散板151Cを介してガスボンベ
142Cからのモノシランやジシランなどといった反応
ガスを供給するための反応ガス供給部15C(反応ガス
供給手段)とから大略構成されている。
【0109】反応ガス供給部15Cではガスボンベ14
2Cからモノシランやジシランなどといった反応ガスを
反応炉11Cに供給できるだけでなく、バルブ(図示せ
ず。)の切換によってガスボンベ141C、143Cか
ら窒素ガスやアルゴンガスも反応炉11Cに供給できる
ようになっている。反応ガス供給部15Cでは、反応ガ
ス供給経路150Cの途中位置にマスフローコントロー
ラ17Cが介挿され、ガスボンベ142Cなどから供給
されるガスは所定の流量に制御されながら反応炉11C
の内部に供給される。また、反応室11Cと真空排気装
置13Cとを結ぶ排気経路130Cの途中位置にはゲー
トバルブ131Cが構成されている。
【0110】反応炉11Cの内部には、たとえば100
枚〜150枚もの基板20Cを1.1mm間隔で立てた
状態で保持しておくためのボート18Cが配置され、か
かる基板20Cの総重量は約70kgにも達する。そこ
で、反応炉11Cとしては、内径が700mmで長さが
2500mmの体積が962133cm3 もある大型、
かつ肉厚の石英チャンバーが用いられている。
【0111】図6に示すように、本例の減圧CVD装置
10Cでは、ヒータ12Cは反応炉11Cを囲む上下一
対のヒータブロックから構成され、ヒータ12Cと反応
炉11Cとの間には反応炉11Cを取り巻くように空気
や窒素等の熱媒用ガスを通すための熱媒通路190Cが
区画形成された状態にある。この熱媒通路190Cは約
5mmの幅を有し、断面積が17.56cm2 である。
【0112】再び図5において、熱媒通路190Cに対
しては熱媒用ガス供給部199C(熱媒用ガス供給手
段)が構成され、この熱媒用ガス供給部199Cには、
熱媒用ガス供給経路194Cと、この熱媒用ガス供給経
路194Cの途中位置においてガスボンベ196Cから
供給される窒素ガスなどといった熱媒用ガスを加熱およ
び冷却するための熱交換器195Cと、マスフローコン
トローラ197Cとが構成されている。熱媒用ガス供給
経路194Cは、熱媒通路190Cの両端部のうちの一
方側端部に熱媒用ガス導入口191Cとして連通し、熱
媒通路190Cの他方側端部は熱媒用ガス排出口192
Cとなっている。このため、熱媒用ガス供給経路194
Cから熱媒通路190Cには加熱したガスおよび冷却し
たガスのいずれをも通すことができる。
【0113】反応炉11Cに対しては熱電対201Cが
配置され、この熱電対201Cでの検出結果に基づい
て、制御回路200Cはマスフローコントローラ197
Cを制御し、反応炉11C内の温度に応じた流量で熱媒
用ガスを熱媒通路190Cに供給するようになってい
る。なお、ヒータ12Cの温度を熱電対などで監視し、
その監視結果に基づいて、制御回路200Cが熱媒用ガ
スの流量などを制御するように構成してもよい。
【0114】このような減圧CVD装置10Cにおい
て、基板20Cの表面にアモルファスシリコン膜からな
る半導体膜(薄膜)を形成するときには、まず、100
枚の基板20Cと50枚のダミー用の基板とをボート1
8C上に1cm間隔で立てた状態に並べ、約20cm/
minの速度で反応炉11C内に入れる。
【0115】次に、反応炉11Cの内部に設置した基板
20Cをヒータ12Cによって反応炉11Cの外部から
20℃/minの昇温速度で加熱し、基板20Cの温度
を約250℃〜約300℃とする。
【0116】次に、反応炉11Cの内部温度を250℃
に保ったまま、真空排気装置13Cによって反応炉11
Cの内部が1Torrになるまで第1回目の真空引きを
10分間行い、続いて反応炉11Cの内部が10-7To
rrになるまで第2回目の真空引きを10分間行う。こ
の間、反応炉11Cの内部に設置した基板20Cをヒー
タ12Cによって反応炉11Cの外部から加熱し、基板
20Cの温度を約425℃とする。
【0117】この昇温工程中に、反応炉11Cにはガス
ボンベ141Cから窒素ガスを3SLMの流量で供給す
る。また、熱媒通路190Cには窒素ガスを1SLMの
流量で供給する。
【0118】次に、矢印Bで示すように、ガスボンベ1
42Cからジシランガスを反応ガスとして反応炉11C
の内部に3SLMの流量で供給する。その結果、反応ガ
スは高温環境下で化学反応を生じ、約50分の間に基板
20Cの表面に厚さが600オングストロームのアモル
ファスシリコン膜を形成する。
【0119】基板20Cに対する薄膜体積処理が完了し
た後には、ヒータ12Cによる加熱を中止するととも
に、熱媒通路190Cに窒素ガスを20SLMの流量で
供給しながら、真空排気装置13Cによって反応炉11
Cの内部が10-7Torrになるまで真空引きを行う。
【0120】次に、反応炉11Cには反応ガスに代えて
ガスボンベ143Cからアルゴンガスを97SLMの流
量で供給する。熱媒通路190Cには、矢印Aで示すよ
うに、冷却した熱媒用ガス(冷却した窒素ガス)を20
SLMの流量で供給する。この間、反応炉11Cの内部
温度を熱電対201Cなどで監視し、この監視結果に基
づいて、制御回路200Cは熱媒用ガス供給経路194
Cに対して供給する熱媒用ガスの流量を調整する。
【0121】その結果、熱媒通路190Cを通る熱媒用
ガス(冷却された窒素ガス)は、反応炉11Cを冷却す
る。すなわち、熱媒通路190Cおよび熱媒用ガス供給
部199Cは反応炉11Cを冷却するための冷却手段1
9Cとして機能する。また、熱媒通路190Cを通る熱
媒用ガス(冷却された窒素ガス)はヒータ12Cを冷却
する。すなわち、熱媒通路190Cおよび熱媒用ガス供
給部199Cはヒータ12Cを冷却するための冷却手段
19Cとしても機能する。従って、反応炉11Cおよび
基板20Cは、短時間のうちに所定の温度にまで冷え
る。
【0122】しかる後に基板20Eを約20cm/mi
nの速度で反応炉11Eから取り出し、新たな基板20
Cに上記の操作を繰り返す。
【0123】以上説明したように、本例の減圧CVD装
置10Cでは、熱媒用ガス供給経路194Cから熱媒通
路190Cに対して冷却したガスを流すことができるの
で、反応炉11Cおよびヒータ12Cの双方を積極的か
つ強制的に冷却することができる。従って、反応炉11
Cの内部を短時間で冷やすことができるので、反応炉1
1Cから基板20Cを出し入れするときに待つ時間が短
い。それ故、段取り作業の効率がよく、スループットが
高い。
【0124】また、本例の減圧CVD装置10Cでは、
実施例1と同様、熱媒用ガス供給経路194Cから熱媒
通路190Cに対しては熱交換器195Cによって加熱
した熱媒用ガスを供給することもできる。従って、基板
20Cを加熱する際には熱媒通路190Cに対して加熱
した熱媒用ガスを通し、反応炉11Cを加熱することも
できる。それ故、反応炉11Cを大型化したために温度
ばらつきが生じやすくなっているとしても、本例では、
熱媒用ガスによる加熱によって反応炉11Cの内部の温
度ばらつきを抑えることができるなど、反応炉11Cが
大型化されている割りには温度の均一性が高い。よっ
て、反応炉11Cの内部に大型の基板20Cを多数設置
しても各基板20Cの間における温度ばらつきが小さい
とともに、1枚の基板20C上における温度分布が良好
であるため、膜質の安定したアモルファスシリコン膜を
形成することができる。
【0125】[実施例4]本例の減圧CVD装置は、本
発明の第4の形態に係る装置であり、実施例3と同様、
アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11
(B)に示したように基板20の全面に減圧CVD法に
より真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜1
2を形成するための装置である。
【0126】図7は、本例の減圧CVD装置の概略構成
図である。
【0127】図7において、本例の減圧CVD装置10
Dは、400mm×500mm程の大きな基板20Dに
薄膜を形成するための筒状の反応炉11Dと、この反応
炉11Dの内部に配置された多数の基板20Dを反応炉
11Dの外部から加熱および冷却するための熱交換器1
2D(熱交換手段)と、反応炉11Dの内部を減圧する
ためのブースターポンプやドライポンプからなる真空排
気装置13(真空排気手段)と、反応炉11Dの内部に
ガス拡散板151Dを介してガスボンベ14Dからのモ
ノシランやジシランなどといった反応ガスを供給するた
めの反応ガス供給部15D(反応ガス供給手段)とから
大略構成されている。
【0128】反応ガス供給部15Dでは、反応ガス供給
経路150Dの途中位置にマスフローコントローラ17
Dが介挿されており、ガスボンベ14Dから供給される
反応ガスは所定の流量に制御されながら反応炉11Dの
内部に供給される。反応室11Dと真空排気装置13D
とを結ぶ排気経路130Dの途中位置にはゲートバルブ
131Dが構成されている。
【0129】反応炉11Dの内部には、たとえば100
枚〜150枚もの基板20Dを1.1mm間隔で立てた
状態で保持しておくためのボート18Dが配置され、か
かる基板20Dの総重量は約70kgにも達する。そこ
で、反応炉11Dとしては、内径が700mmで長さが
2500mmの体積が962133cm3 もある大型、
かつ肉厚の石英チャンバーが用いられている。
【0130】本例の減圧CVD装置10Dでは、実施例
2と同様に、反応炉11Dの内部温度を熱電対201D
などで監視し、この監視結果に基づいて、制御回路20
0Dは熱交換器19Dにおいてその熱源191Dの側と
反応炉11Dの側との間における熱流の方向を制御する
ようになっている。
【0131】このような減圧CVD装置10Dにおい
て、基板20Dの表面に半導体膜(薄膜)を形成すると
きの基本的な操作は、実施例3に係る減圧CVD装置と
概ね同じであるため、特徴的な操作のみについて説明す
る。
【0132】まず、基板20Dとダミー用の基板とをボ
ート18D上に立てた状態に並べ、反応炉11D内に入
れる後、制御回路200Dは、矢印Hで示すように、熱
源191Dの側から反応炉11Dの側に熱流が生じるよ
うに熱交換器19Dを制御し、反応炉11Dの内部に設
置した基板20Dを加熱する。
【0133】次に、反応炉11Dの内部温度を250℃
に保ったまま、真空排気装置13Dによって反応炉11
Dの内部が1Torrになるまで第1回目の真空引きを
10分間行い、次に、反応炉11Dの内部が10-7To
rrになるまで第2回目の真空引きを10分間行う。こ
の間、制御回路200Dは、矢印Hで示すように、熱源
191Dの側から反応炉11Dの側に熱流が生じるよう
に熱交換器19Dを制御し、反応炉11Dの内部に設置
した基板20Dの温度を約425℃とする。この昇温中
には反応炉11Dの内部に窒素ガスを供給しておく。
【0134】次に、ガスボンベ14Dからジシランガス
を反応ガスとして反応炉11Dの内部に流す。その結
果、反応ガスは高温環境下で化学反応を生じ、基板20
Dの表面においてアモルファスシリコン膜を形成する。
【0135】基板20Dに対する薄膜堆積処理が完了し
た後には冷却処理を行う。この冷却を行う際には、制御
回路200Dは、矢印Cで示すように、反応炉11Dの
側から熱源191Dの側に熱流が生じるように熱交換器
19Dを制御し、反応炉11Dを冷却する。従って、反
応炉11Dおよび基板20Dは短時間のうちに所定の温
度にまで冷える。
【0136】しかる後に基板20Dを反応炉11Dから
取り出し、新たな基板20Dに対して上記の操作を繰り
返す。
【0137】以上説明したように、本例の減圧CVD装
置10Dでは、熱交換器19Dによって基板20Dを加
熱するとともに、薄膜堆積処理が終了した後には同じ熱
交換器19Dによって反応炉11Dや基板20Dを積極
的かつ強制的に冷却するので、簡単な構成でありなが
ら、反応炉11Dから基板20Dを出し入れするときに
反応炉11Dが冷えるまで待つ時間が短くて済む。それ
故、薄膜体積工程で行う段取り作業の効率が向上する。
また、実施例2と同様、熱交換器19Dを用いているの
で、反応炉11Dの側と熱源191Dの側との間で熱流
があっても熱量が保存される状態にあるので、省エネル
ギー化を図ることができる。
【0138】[実施例5]本例の減圧CVD装置は、本
発明の第5の形態に係る装置であり、実施例3と同様、
アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11
(B)に示したように基板20の全面に減圧CVD法に
より真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜1
2を形成するための装置である。
【0139】図8は、本例の減圧CVD装置の概略構成
図、図9は、この減圧CVD装置に用いた内側反応炉の
構成を示す斜視図、図10は、図8のIII −III ′線に
相当する位置で切断したときの反応炉の断面図である。
【0140】図8において、本例の減圧CVD装置10
Eは、400mm×500mm程の大きな基板20Eに
薄膜を形成するための筒状の内側反応炉11Eと、この
内側反応炉11Eの外側に位置する筒状の外側反応炉1
10Eと、内側反応炉11Eの内部に配置された多数の
基板20Eを外側反応炉110Eの外部から加熱すると
ともに基板20Eを一定温度に保つためのヒータ12E
(加熱手段)と、外側反応炉110Eの内部を減圧する
ための真空排気装置13E(真空排気手段)と、内側反
応炉11Eの内部にガスボンベ142Eからのモノシラ
ンやジシランなどといった反応ガスを供給するための反
応ガス供給部15E(反応ガス供給手段)とから大略構
成されている。
【0141】反応ガス供給部15Eではガスボンベ14
2Eからモノシランやジシランなどといった反応ガスを
反応炉11Eに供給できるだけでなく、バルブ(図示せ
ず。)の切換によってガスボンベ141E、143Eか
ら窒素ガスやアルゴンガスも反応炉11Eに供給できる
ようになっている。反応ガス供給部15Eでは、反応ガ
ス供給経路150Eの途中位置にマスフローコントロー
ラ17Eが介挿され、ガスボンベ142Eなどから供給
されるガスは所定の流量に制御されながら反応炉11E
の内部に供給される。また、反応室11Eと真空排気装
置13Eとを結ぶ排気経路130Eの途中位置にはゲー
トバルブ131Eが構成されている。
【0142】本例の減圧CVD装置10Eにおいて、内
側反応炉11Eは、メンテナンスを行う際に外側反応炉
110Eから引き出しやすいように、薄い石英チャンバ
ーとして構成され、大型の基板20Eに対応できる大き
さの割りには軽量化が図られている。これに対して、外
側反応炉11Eは、内側反応炉11Eや基板20Eを支
持するのに耐え得るように肉厚が20mm〜50mmと
厚い石英チャンバーから構成されている。
【0143】外側反応炉11Eの端部にはドア152E
が被せられているが、ドア152Eを外すと、内側反応
炉11Eは外側反応炉11Eから抜くことが可能であ
る。ドア152Eには反応ガス供給経路150Eの一部
が構成され、反応ガス供給経路150Eの出口部分には
ガス拡散板151Eが嵌められている。
【0144】内側反応炉11Eの内部には、たとえば1
00枚〜150枚もの基板20を所定の間隔で立てた状
態で保持しておくための基板支持用のボート18Eが配
置され、かかる基板20Eの総重量は約70kgにも達
する。そこで、ボート18Eの脚部180Eは丈夫な外
側反応炉110Eに対して支持されている。すなわち、
図9に示すように、内側反応炉11Eには脚部180E
を通すための4つの孔111Eが形成されている。
【0145】図10に示すように、本例では、外側反応
炉110Eと内側反応炉11Eとの間にはヘリウムガス
などの熱媒用ガスを通すための第一熱媒通路160Eが
区画形成されている状態にある。
【0146】また、ヒータ12Eは、反応炉11Eを挟
む1対のヒータブロックから構成され、ヒータ12Eと
反応炉11Eとの間には、空気や窒素ガスなどといった
熱媒用ガスを通すための第二熱媒通路190Eが区画形
成された状態にある。
【0147】再び図8において、第一熱媒通路160E
に対しては第一熱媒用ガス供給部16E(第一熱媒用ガ
ス供給手段)が構成され、この第一熱媒用ガス供給部1
6Eにおいて、第一熱媒用ガス供給経路164Eの途中
位置には、マスフローコントローラ167Eと、ガスボ
ンベ166Eから供給されるヘリウムガスなどの熱媒用
ガスを加熱および冷却するための熱交換器165Eとが
構成されている。第一熱媒用ガス供給経路164Eは、
第一熱媒通路160Eの両端部のうち一方側端部にガス
導入口161Eとして連通し、第一熱媒通路160Eの
他方側端部はガス排出口162Eになっている。このた
め、ガス供給経路164Eから第一熱媒通路160Eに
対しては、加熱したガスおよび冷却した熱媒用ガスのい
ずれをも通すことができるとともに、ガス排出口162
Eから排出された熱媒用ガスは反応ガスと一緒に排気経
路130Eから排出されるようになっている。
【0148】ここで、外側反応炉110Eの内部では、
内側反応炉11Eの内部および第一熱媒通路160Eの
それぞれにガスが供給されるが、内側反応炉11Eの内
部と真空排気装置13Eとの間のコンダクタンスは、第
一熱媒通路160Eと真空排気装置13Eとの間のコン
ダクタンスよりも大きい。このため、各ガスを供給する
ときの各圧力のバランスさえ確保すれば、第一熱媒通路
160Eを流れるガスの圧力は、内側反応炉11Eの内
部を流れる反応ガスの圧力に比較して高く設定されるの
で、内側反応炉11Eの内部を流れる反応ガスは第一熱
媒通路160Eの方に流入しない。
【0149】第二熱媒通路190Eに対しては第二熱媒
用ガス供給部199E(第二熱媒用ガス供給手段)が構
成され、この第二熱媒用ガス供給部199Eにおいて、
第二熱媒用ガス供給経路194Eの途中位置には、マス
フローコントローラ197Eと、ガスボンベ196Eか
ら供給される空気や窒素ガスなどといった熱媒用ガスを
加熱および冷却するための熱交換器195Eとが構成さ
れている。第二熱媒用ガス供給経路194Eは、第二熱
媒通路190Eの両端部のうち一方側端部にガス導入口
191Eとして連通し、第二熱媒通路190Eの他方側
端部はガス排出口192Eになっている。このため、熱
媒用ガス供給経路194Eから第二熱媒通路190Eに
対しては、加熱したガスおよび冷却したガスのいずれを
も通すことができるようになっている。
【0150】外側反応炉110Eの出口付近には熱電対
201Eが配置され、この熱電対201Eでの検出結果
に基づいて、制御回路200Eはマスフローコントロー
ラ167E、197Eを制御し、外側反応炉110E内
の温度に応じた流量で熱媒用ガスを第一熱媒通路160
Eおよび第二熱媒通路190Eに供給するようになって
いる。なお、内側反応炉11Eやヒータ12Eなどの温
度を熱電対などで監視し、その監視結果に基づいて、制
御回路200Eが熱媒用ガスの流量などを制御するよう
に構成してもよい。
【0151】このような減圧CVD装置10Eにおい
て、基板20Eの表面に薄膜を形成するときには、ま
ず、100枚の基板20Eと50枚のダミー用の基板と
をボート18E上に1cm間隔で立てた状態に並べ、約
20cm/minの速度で反応炉11E内に入れる。
【0152】次に、反応炉11Eの内部に設置した基板
20Eをヒータ12Eによって反応炉11Eの外部から
20℃/minの昇温速度で加熱し、基板20Eの温度
を約250℃〜約300℃とする。
【0153】次に、反応炉11Eの内部温度を250℃
に保ったまま、真空排気装置13Eによって反応炉11
Eの内部が1Torrになるまで第1回目の真空引きを
10分間行い、続いて、反応炉11Eの内部が10-7T
orrになるまで第2回目の真空引きを10分間行う。
この間に、反応炉11Eの内部に設置した基板20Eを
ヒータ12Eによって反応炉11Eの外部から加熱し、
基板20Eの温度を約425℃とする。
【0154】この昇温工程中には、内側反応炉11Eの
内部には、ガスボンベ141Eから窒素ガスを3SLM
の流量で供給する。第一熱媒通路160Eにはヘリウム
ガスを3SLMの流量で供給する。第二熱媒通路190
Eには窒素ガスを1SLMの流量で供給する。
【0155】次に、反応ガス供給部15Eからは、窒素
ガスに代えてジシランガスを反応ガスとして内側反応炉
11Eの内部に3SLMの流量で供給する。その結果、
反応ガスは高温環境下で化学反応を生じ、約50分の間
に基板20Eの表面に厚さが600オングストロームの
アモルファスシリコン膜を形成する。
【0156】基板20Eに対する薄膜体積処理が終了し
た後には、ヒータ12Eによる加熱を中止するととも
に、第二熱媒通路190Eに窒素ガスを20SLMの流
量で供給しながら、真空排気装置13Eによって反応炉
11Eの内部が10-7Torrになるまで真空引きを行
う。
【0157】次に、内側反応炉11Eの内部にはジシラ
ンガスに代えてガスボンベ143Eからアルゴンガスを
97SLMの流量で供給する。第一熱媒通路160Eに
は冷却した熱媒用ガス(冷却したヘリウムガス)を3S
LMの流量で供給する。第二熱媒通路190Eには冷却
した熱媒用ガス(冷却した窒素ガス)を20SLMの流
量で供給する。この間、反応炉11Eの内部温度を熱電
対201Eなどで監視し、この監視結果に基づいて、制
御回路200Eは第一熱媒通路160Eおよび第二熱媒
通路190Eに対して供給する熱媒用ガスの流量を調整
する。その結果、第一熱媒通路160Eを流れる冷却し
た熱媒用ガスは内側反応炉11Eおよび外側反応炉11
0Eを冷却する。また、第二熱媒通路190Eに流した
冷却した熱媒用ガスは外側反応炉110Eおよびヒータ
12Eを冷却する。従って、内側反応炉11E、外側反
応炉110E、ヒータ12Eおよび基板20Eは、短時
間のうちに所定の温度にまで冷える。
【0158】しかる後に基板20Eを約20cm/mi
nの速度で内側反応炉11Eから取り出し、新たな基板
20Eに対して上記の操作を繰り返す。
【0159】以上説明したように、本例の減圧CVD装
置10Eでは、反応炉を単に大型化するだけでなく2重
構造とし、そのうち軽い方の内側反応炉11Eを重くて
丈夫な外側反応炉11Eから取り外すことができるよう
になっている。従って、内側反応炉11Eの内面に付着
したシリコン膜などを除去するためのメンテナンス作業
を効率よく行える。
【0160】また、薄膜堆積処理が終了した後には、第
二熱媒通路190Eに冷却した熱媒用ガスを通し、外側
反応炉110Eおよびヒータ12Eの双方を短時間で冷
却することができる。また、第一熱媒通路160Eに冷
却した熱媒用ガスを通し、外側反応炉110Eおよび内
側反応炉11Eの双方を短時間で冷却することができ
る。それ故、内側反応炉11Eから基板20Eを出し入
れするとき、外側反応炉110Eおよび内側反応炉11
Eが冷えるまで待つ時間が短い分だけ、段取り作業の効
率がよい。
【0161】さらに、外側反応炉110Eの周囲には加
熱した熱媒用ガス通すことのできる第二熱媒通路190
Eを構成したので、基板20Eを加熱する際には、この
通路を通る熱媒用ガスによって外側反応炉11を加熱で
きる。それに加えて、外側反応炉110Eと内側反応炉
11Bとの間に加熱したガス通すことのできる第一熱媒
通路160Eを確保してあるので、基板20Eを加熱す
る際には、この通路を通るガスによっても外側反応炉1
10Eと内側反応炉11Bとを加熱することができる。
従って、反応炉を大型化したため、温度ばらつきが生じ
やすくなっているとしても、内側反応炉11Eを均一に
加熱することができる。それ故、各基板20Eの間にお
ける温度ばらつきが小さいとともに、1枚の基板20E
上における温度分布が良好であるため、膜質が安定した
アモルファスシリコン膜を形成することができる。
【0162】[その他の実施例]なお、上記の実施例
3、4、5はいずれも、アモルファスシリコン膜を処理
対象とした例であったが、たとえばリンドープのシリコ
ン膜を形成する場合には、モノシランやジシランにホス
フィンなどを混合したガスを反応ガスとして用いればよ
い。また、シリコン酸化膜を形成する場合には、モノシ
ランと酸素とを反応ガスとして供給し、シリコン窒化膜
を形成する場合にはジクロルシランとアンモニアとを反
応ガスとして供給すればよい。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る熱処
理装置および減圧CVD装置では、基板に処理を施すた
めの炉(熱処理炉、反応炉)と、該炉を冷却するための
冷却手段とを有するため、処理を終えた後に炉を積極的
に冷却することができる。従って、炉から基板を出し入
れするときに炉が冷えるまで待つ時間が短くて済むの
で、基板の出し入れなどといった段取り作業の効率が向
上する。
【0164】本発明において、炉を冷却するためのガス
を通すための熱媒通路を炉と加熱手段との間に設けた場
合には、炉と加熱手段の双方を短時間で冷却できる。そ
れ故、炉から基板を出し入れするときの段取り作業の効
率がさらに向上する。
【0165】本発明に係る減圧CVD装置では、反応炉
を2重構造としたため、重くて丈夫な外側反応炉に対し
て軽い内側反応炉を出し入れできる。従って、本発明に
よれば、薄膜堆積処理中に反応炉内面に付着してしまう
シリコン膜などは軽くて取り外し容易な内側反応炉の内
面に付着するだけで、外側反応炉に付着しない。従っ
て、軽い内側反応炉だけを取り出してシリコン膜などを
除去すればよいので、反応炉を大型化してもメンテナン
ス時の作業効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る熱処理装置の概略構成
図である。
【図2】図1におけるI−I′線における断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例2に係る熱処理装置の概略構成
図である。
【図4】図3に示す熱処理装置における熱交換器の動作
を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例3に係る減圧CVD装置の概略
構成図である。
【図6】図5におけるII−II′線における断面図であ
る。
【図7】本発明の実施例4に係る減圧CVD装置の概略
構成図である。
【図8】本発明の実施例5に係る減圧CVD装置の概略
構成図である。
【図9】図8に示す減圧CVD装置に用いた内側反応炉
の斜視図である。
【図10】図8におけるIII −III ′線における断面図
である。
【図11】薄膜トランジスタの製造工程を示す工程断面
図である。
【図12】図11に示す工程に続いて行う薄膜トランジ
スタの製造工程を示す工程断面図である。
【図13】従来の熱処理装置や減圧CVD装置の概略構
成図である。
【符号の説明】
10A、10B・・・熱処理装置 10C、10D、10E・・・減圧CVD装置 11A、11B・・・熱処理炉 11C、11D・・・反応炉 11E・・・外側反応炉 110E・・・内側反応炉 12A、12C、12E・・・ヒータ(加熱手段) 13C、13D、13E・・・真空排気装置(真空排気
手段) 15C、15D、15E・・・反応ガス供給部(反応ガ
ス供給手段) 150C、150D、150E・・・反応ガス供給経路 16E・・・第一熱媒用ガス供給部(第一熱媒用ガス供
給手段) 160E・・・第一熱媒通路 19A、19C・・・熱媒用ガス供給部(熱媒用ガス供
給手段) 19E・・・第二熱媒用ガス供給部(第二熱媒用ガス供
給手段) 190A、190C・・・熱媒通路 190E・・・第二熱媒通路 20A、20B、20C、20D、20E・・・基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/324 H01L 21/324 D 29/786 29/78 627G 21/336 627Z

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に熱処理を施すための熱処理炉と、
    該熱処理炉の外部に配置され該熱処理炉内に設置された
    基板を加熱するための加熱手段と、前記熱処理炉を冷却
    するための冷却手段とを有することを特徴とする熱処理
    装置。
  2. 【請求項2】 基板に熱処理を施すための熱処理炉と、
    該熱処理炉の外部に配置され該熱処理炉内に設置された
    基板を加熱するための加熱手段と、該加熱手段を冷却す
    るための冷却手段とを有することを特徴とする熱処理装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記冷却手
    段は、前記熱処理炉と前記加熱手段との間に位置する熱
    媒通路と、該熱媒通路に対して熱媒用ガスを通すための
    熱媒用ガス供給手段とを有することを特徴とする熱処理
    装置。
  4. 【請求項4】 基板上に薄膜を形成する第一工程と、該
    薄膜に熱処理を施す第二工程とを少なくとも含む薄膜装
    置の製造方法において、 前記第二工程では前記基板を熱処理炉内に設置した後に
    該基板に加熱処理を行い、該加熱処理の終了後に前記基
    板に冷却処理を行うことを特徴とする薄膜装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記加熱処理は前記
    熱処理炉の外部に配置した加熱手段により行われ、前記
    冷却処理は前記熱処理炉の外部に配置した冷却手段によ
    り行われることを特徴とする薄膜装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記冷却処
    理は強制冷却であることを特徴とする薄膜装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記冷却手段は熱媒
    用ガスを用いて冷却処理を行うことを特徴とする薄膜装
    置の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板に熱処理を施すための熱処理炉と、
    該熱処理炉の外部に配置され該熱処理炉内に設置された
    基板を加熱および冷却するための熱交換手段とを有する
    ことを特徴とする熱処理装置。
  9. 【請求項9】 基板上に薄膜を形成する第一工程と、該
    薄膜に熱処理を施す第二工程とを少なくとも含む薄膜装
    置の製造方法において、 前記第二工程では前記基板を熱処理炉内に設置した後に
    該基板に前記熱処理炉の外部に配置した熱交換手段によ
    り加熱処理を行い、該加熱処理の終了後に前記熱交換手
    段により前記基板に冷却処理を行うことを特徴とする薄
    膜装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板表面に薄膜を形成するための反応
    炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置さ
    れた基板を加熱するための加熱手段と、前記反応炉内を
    減圧するための真空排気手段と、前記反応炉内に反応ガ
    スを供給するための反応ガス供給手段と、前記反応炉を
    冷却するための冷却手段とを有することを特徴とする減
    圧CVD装置。
  11. 【請求項11】 基板表面に薄膜を形成するための反応
    炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置さ
    れた基板を加熱するための加熱手段と、前記反応炉内を
    減圧するための真空排気手段と、前記反応炉内に反応ガ
    スを供給するための反応ガス供給手段と、前記加熱手段
    を冷却するための冷却手段とを有することを特徴とする
    減圧CVD装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11において、前記
    冷却手段は、前記反応炉と前記加熱手段との間に位置す
    る熱媒通路と、該熱媒通路に対して熱媒用ガスを通すた
    めの熱媒用ガス供給手段とを有することを特徴とする減
    圧CVD装置。
  13. 【請求項13】 基板を反応炉内に設置した後に該基板
    を加熱するとともに前記反応炉に反応ガスを供給するこ
    とにより前記基板上に薄膜を形成する薄膜堆積処理を行
    い、該薄膜堆積処理の終了後に前記基板に冷却処理を行
    うことを特徴とする薄膜装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記加熱処理は
    前記反応炉の外部に配置した加熱手段により行われ、前
    記冷却処理は前記反応炉の外部に配置した冷却手段によ
    り行われることを特徴とする薄膜装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14において、前記
    冷却処理は強制冷却であることを特徴とする薄膜装置の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14において、前記冷却手段は
    熱媒用ガスを用いて冷却処理を行うことを特徴とする薄
    膜装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 基板表面に薄膜を形成するための反応
    炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置さ
    れた基板を加熱および冷却するための熱交換手段と、前
    記反応炉内を減圧するための真空排気手段と、前記反応
    炉内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段とを
    有することを特徴とする減圧CVD装置。
  18. 【請求項18】 基板を反応炉内に設置した後に該基板
    を前記反応炉の外部に配置した熱交換手段により加熱す
    るとともに前記反応炉に反応ガスを供給することにより
    前記基板上に薄膜を形成する薄膜堆積処理を行い、該薄
    膜堆積処理の終了後に前記熱交換手段により前記基板に
    冷却処理を行うことを特徴とする薄膜装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 基板表面に薄膜を形成するための内側
    反応炉と、該内側反応炉の外側に位置する外側反応炉
    と、該外側反応炉の外部に配置され前記内側反応炉内に
    設置された基板を加熱するための加熱手段と、前記内側
    反応炉と前記外側反応炉とによって挟まれた第一熱媒通
    路と、該第一熱媒通路と前記内側反応炉とを減圧するた
    めの真空排気手段と、前記内側反応炉内に反応ガスを供
    給する反応ガス供給手段と、前記第一熱媒通路に熱媒用
    ガスを供給する第一熱媒用ガス供給手段とを有すること
    を特徴とする減圧CVD装置。
  20. 【請求項20】 請求項19において、前記内側反応炉
    内と前記真空排気手段との間のコンダクタンスは、前記
    第一熱媒通路と前記真空排気手段との間のコンダクタン
    スよりも大きいことを特徴とする減圧CVD装置。
  21. 【請求項21】 請求項19または20において、前記
    外側反応炉と前記加熱手段との間に位置する第二熱媒通
    路と、該第二熱媒通路に対して熱媒用ガスを通すための
    第二熱媒用ガス供給手段とを有することを特徴とする減
    圧CVD装置。
  22. 【請求項22】 基板表面に薄膜を形成するための内側
    反応炉の外側に外側反応炉を設け、基板を前記内側反応
    炉内に設置した後に該基板を加熱し、かつ、前記内側反
    応炉内の圧力が前記内側反応炉と前記外側反応炉とによ
    って挟まれた第一熱媒通路内の圧力よりも低い状態とな
    るように前記内側反応炉に反応ガスを供給するととも
    に、前記第一熱媒通路に熱媒用ガスを供給することによ
    り前記基板上に薄膜を堆積する薄膜堆積処理を行うこと
    を特徴とする薄膜装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22において、前記薄膜堆積処
    理の終了後に前記第一熱媒通路に熱媒用ガスを供給する
    ことによって少なくとも前記外側反応炉に冷却処理を行
    うことを特徴とする薄膜装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 基板表面に薄膜を形成するための内側
    反応炉の外側に外側反応炉を設け、基板を前記内側反応
    炉内に設置した後に該基板を加熱し、かつ、前記内側反
    応炉内の圧力が前記内側反応炉と前記外側反応炉とによ
    って挟まれた第一熱媒通路内の圧力よりも低い状態とな
    るように前記内側反応炉に反応ガスを供給するとともに
    第一熱媒通路に熱媒用ガスを供給することにより前記基
    板上に薄膜を堆積する薄膜堆積処理を行い、該薄膜堆積
    処理の終了後に前記第一熱媒通路に熱媒用ガスを供給す
    るとともに前記外側反応炉と前記加熱手段との間に位置
    する第二熱媒通路に熱媒用ガスを供給することにより少
    なくとも前記外側反応炉に冷却処理を行うことを特徴と
    する薄膜装置の製造方法。
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JP2015210065A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 富士電機株式会社 熱処理装置

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