JP2004048068A - 減圧cvd装置、および薄膜装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 減圧CVD装置10Cにおいて、基板20Cに薄膜を形成するときには、反応炉11Cの内部に基板20Cを配置するとともに、ヒータ12Cによって基板20Cを反応炉11Cの外部から加熱して、基板20Cを一定温度に保つ。この状態で薄膜堆積処理を終えたときには、基板20Cを新たな基板に交換するが、この際には熱媒通路190Cに冷却した熱媒用ガスを通し、反応炉11Cおよび基板20Cを短時間で冷やす。
【選択図】 図5
Description
このような処理に用いられる従来の熱処理装置や減圧CVD装置を図13に示す。従来の熱処理炉は基板20Jを設置するための炉11Jと、この炉11Jの内部に設置された基板20Jをたとえば400℃〜500℃にまで加熱するためのヒータ12Jなどから構成されている。また、従来の減圧CVD装置はこれら構成に加え、炉11Jの内部を減圧するための真空排気装置13Jと、炉11Jの内部にガスボンベ14Jから反応ガスを供給するためのガス供給経路15Jと付与されている。
このように構成された従来の熱処理装置や減圧CVD装置では、処理の終了した基板20Jを新たな基板と交換する際は炉11Jを自然冷却により冷やしてからこれらの作業をおこなっていた。また減圧CVD装置で薄膜堆積処理を繰り返し行うと、炉11Jの内面にシリコン膜などが付着し、それが厚くなりすぎると基板20Jの上に脱落して付着していた。このため炉11Jを減圧CVD装置から外してその内面に付着しているシリコン膜などを除去する作業を定期的に行っている。
また、従来の減圧CVD装置を単純に大型化すると、炉11Jの取り外しが極めて困難と化し、実質的に炉11Jの内面に付着している膜の除去作業ができないという問題がある。
そこで本発明は、以上の問題点に鑑みて、作業効率を低下することなく、アクティブマトリクス基板などに用いられる大型基板に対応できるよう反応炉を大型化できる加熱処理装置、減圧CVD装置、および薄膜装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態に係る熱処理装置では基板に熱処理を施すための熱処理炉と、該熱処理炉の外部に配置され該熱処理炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、前記熱処理炉を冷却するための冷却手段とを有することを特徴とする。
本発明の第2の形態に係る熱処理装置では基板に熱処理を施すための熱処理炉と、該熱処理炉の外部に配置され該熱処理炉内に設置された基板を加熱および冷却するための熱交換手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る第3の形態に係る減圧CVD装置では基板表面に薄膜を形成するための反応炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、前記反応炉内を減圧するための真空排気手段と、前記反応炉内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段と、前記反応炉を冷却するための冷却手段とを有することを特徴とする。
本発明の第4の形態に係る減圧CVD装置において基板表面に薄膜を形成するための反応炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置された基板を加熱および冷却するための熱交換手段と、前記反応炉内を減圧するための真空排気手段と、前記反応炉内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段とを有することを特徴とする。
本発明の第4の形態によれば熱交換手段によって基板を加熱するとともに、薄膜堆積処理の終了後には同じ熱交換手段によって反応炉や基板を冷却するので、簡単な構成でありながら反応炉から基板を出し入れするときに反応炉が冷えるまで待つ時間が短くて済む。それ故、薄膜堆積工程で行う段取り作業の効率が向上する。
本発明の第5の形態に係る減圧CVD装置では基板表面に薄膜を形成するための内側反応炉と、該内側反応炉の外側に位置する外側反応炉と、該外側反応炉の外部に配置され前記内側反応炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、前記内側反応炉と前記外側反応炉とによって挟まれた第一熱媒通路と、該第一熱媒通路と前記内側反応炉とを減圧するための真空排気手段と、前記内側反応炉内に反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、前記第一熱媒通路に熱媒用ガスを供給する第一熱媒用ガス供給手段とを有することを特徴とする。
本発明の第1の形態に係る熱処理装置の概要を図1および図2に示す。本願発明の熱処理装置は基板20Aに熱処理を施すための熱処理炉11Aと、この熱処理炉11Aの外部に配置され熱処理炉11Aの内部に設置された基板20Aを加熱するための加熱手段12Aと、熱処理炉11Aを冷却するための冷却手段19Aとを有することを特徴とする。冷却手段19Aは加熱手段12Aを冷却するための手段として構成する場合もあるし、或いは熱処理炉11Aと加熱手段12Aの両者を冷却するための手段として構成される場合もある。
通常の気体を熱媒用ガスとして用いる場合、この間隔は1mm程度から50mm程度が適している。50mm程度よりも広ければ熱媒用ガスは熱媒通路190Aの中心付近を主として流れるため、冷却効果は小さい。これに対して50mm程度より狭ければガスは加熱手段12Aや熱処理炉11Aの極近傍をも流れるため冷却効果は大きくなるのである。熱媒通路190Aの間隔が狭くなると熱媒通路190Aのコンダクタンスが大きくなるので、熱媒用ガス供給手段は圧力調整器を備えていることが好ましい。また、熱処理炉11Aと加熱手段12Aの間の距離が1mm以下の場合には、熱処理炉11Aと加熱手段12Aとの距離変動により熱媒用ガスが流れない領域が生じることがある。このような場合には冷却効果が低下する。狭い熱媒通路190Aであっても熱媒用ガスが適正に流れるという観点からすれば、熱媒用ガスの圧力は1.5気圧(大気圧+約0.5気圧)〜10.5気圧(大気圧+約10気圧)が最適である。熱媒用ガスについては窒素ガス、空気、アルゴンガス等々の安価なガスを用いることが好ましいが、最適なのは冷却された窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスである。
このような発明については、実施例1として後述する。
本発明の第2の形態に係る熱処理装置では、図3に示すように、基板20Bに熱処理を施すための熱処理炉11Bと、この熱処理炉11Bの外部に配置され熱処理炉11Bの内部に設置された基板20Bを加熱および冷却するための熱交換手段19Bとを有することを特徴とする。
このような発明については、実施例2として後述する。
本発明に係る第3の形態に係る減圧CVD装置では、図5および図6に示すように、基板20Cの表面に薄膜を形成するための反応炉11Cと、この反応炉11Cの外部に配置され反応炉11C内に設置された基板20Cを加熱するための加熱手段12Cと、反応炉11C内を減圧するための真空排気手段13Cと、反応炉11C内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段15Cと、反応炉11Cを冷却するための冷却手段19Cとを有することを特徴とする。冷却手段19Cは、加熱手段12Cを冷却するための手段として構成する場合もある。
このような発明については、実施例3として後述する。
本発明の第4の形態に係る減圧CVD装置では、図7に示すように、基板20Dの表面に薄膜を形成するための反応炉11Dと、この反応炉11Dの外部に配置され反応炉11D内に設置された基板20Dを加熱および冷却するための熱交換手段19Dと、反応炉11D内を減圧するための真空排気手段13Dと、反応炉11D内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段15Dとを有することを特徴とする。
本発明によれば、熱交換手段19Dによって基板20Dを加熱するとともに、薄膜堆積処理の終了後に同じ熱交換手段19Dによって反応炉11Dや基板20Dを積極的に冷却するので、簡単な構成でありながら、反応炉11Dから基板を出し入れするときに反応炉11Dが冷えるまで待つ時間が短くて済む。それ故、薄膜堆積工程で行う段取り作業の効率が向上する。
このような発明については、実施例4として後述する。
本発明の第5の形態に係る減圧CVD装置では、図8ないし図10に示すように、基板20Eの表面に薄膜を形成するための内側反応炉11Eと、この内側反応炉11Eの外側に位置する外側反応炉110Eと、この外側反応炉110Eの外部に配置され内側反応炉11Eの内部に設置された基板20Eを加熱するための加熱手段12Eと、内側反応炉11Eと外側反応炉110Eとによって挟まれた第一熱媒通路160Eと、この第一熱媒通路160Eと内側反応炉11Eとを減圧するための真空排気手段13Eと、内側反応炉11E内に反応ガスを供給する反応ガス供給手段15Eと、第一熱媒通路160Eに熱媒用ガスを供給する第一熱媒用ガス供給手段16Eとを有することを特徴とする。
このような発明については、実施例5として後述する。
本発明に係る熱処理装置、減圧CVD装置、および薄膜装置の製造方法はいずれも、液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板上に薄膜トランジスタを製造する際に、基板上へのシリコン膜やシリコン酸化膜の薄膜堆積工程、およびこれらの薄膜に対する熱処理工程に利用できる。また、本発明に係る熱処理装置および薄膜装置の製造方法は、その他にも金属−絶縁体−金属(MIM)型薄膜ダイオード、P型半導体−真性半導体−N型半導体構造を有する太陽電池などの薄膜装置の製造にも適用できる。
本例の熱処理装置は、本発明の第1の形態に係る装置であり、アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11(B)に示したように基板20の全面にプラズマCVD法により真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成した後に(第一工程)、結晶化工程を行う前に半導体膜12を加熱処理し(第二工程)、半導体膜12に含まれる水素を除去するのに用いる装置である。
図1において、本例の熱処理装置10Aは、400mm×500mm程の大型の基板20Aを収納可能な円筒状の熱処理炉11Aと、この熱処理炉11Aの内部に配置された多数の基板20Aを熱処理炉11Aの外部から加熱するとともに、基板20Aを一定温度に保つためのヒータ12A(加熱手段)とから大略構成されている。
本例の熱処理装置は、本発明の第2の形態に係る装置であり、実施例1と同じく、アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11(B)に示したように基板20の全面にプラズマCVD法により真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成した後(第一工程)、結晶化工程を行う前に半導体膜12を加熱処理し(第二工程)、半導体膜12に含まれる水素を除去するのに用いられる装置である。
図3において、本例の熱処理装置10Bは、400mm×500mm程の大型の基板20Bを収納可能な円筒状の熱処理炉11Bと、この熱処理炉11Bの内部に配置された多数の基板20Bを熱処理炉11Bの外部から加熱および冷却するための熱交換器12B(熱交換手段)とから大略構成されている。
本例の減圧CVD装置は、本発明の第3の形態に係る装置であり、アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11(B)に示したように基板20の全面に減圧CVD法により真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成するための装置である。
図5において、本例の減圧CVD装置10Cは、400mm×500mm程の大きな基板20Cにアモルファスシリコン膜からなる半導体膜(薄膜)を形成するための筒状の反応炉11Cと、この反応炉11Cの内部に配置された多数の基板20Cを反応炉11Cの外部から加熱するとともに、基板20Cを一定温度に保つためのヒータ12C(加熱手段)と、反応炉11Cの内部を減圧するためのブースターポンプやドライポンプからなる真空排気装置13(真空排気手段)と、反応炉11Cの内部にガス拡散板151Cを介してガスボンベ142Cからのモノシランやジシランなどといった反応ガスを供給するための反応ガス供給部15C(反応ガス供給手段)とから大略構成されている。
)の切換によってガスボンベ141C、143Cから窒素ガスやアルゴンガスも反応炉11Cに供給できるようになっている。反応ガス供給部15Cでは、反応ガス供給経路150Cの途中位置にマスフローコントローラ17Cが介挿され、ガスボンベ142Cなどから供給されるガスは所定の流量に制御されながら反応炉11Cの内部に供給される。また、反応室11Cと真空排気装置13Cとを結ぶ排気経路130Cの途中位置にはゲートバルブ131Cが構成されている。
本例の減圧CVD装置は、本発明の第4の形態に係る装置であり、実施例3と同様、アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11(B)に示したように基板20の全面に減圧CVD法により真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成するための装置である。
図7において、本例の減圧CVD装置10Dは、400mm×500mm程の大きな基板20Dに薄膜を形成するための筒状の反応炉11Dと、この反応炉11Dの内部に配置された多数の基板20Dを反応炉11Dの外部から加熱および冷却するための熱交換器12D(熱交換手段)と、反応炉11Dの内部を減圧するためのブースターポンプやドライポンプからなる真空排気装置13(真空排気手段)と、反応炉11Dの内部にガス拡散板151Dを介してガスボンベ14Dからのモノシランやジシランなどといった反応ガスを供給するための反応ガス供給部15D(反応ガス供給手段)とから大略構成されている。
本例の減圧CVD装置は、本発明の第5の形態に係る装置であり、実施例3と同様、アクティブマトリクス基板の製造工程において、図11(B)に示したように基板20の全面に減圧CVD法により真性のアモルファスシリコン膜からなる半導体膜12を形成するための装置である。
)の切換によってガスボンベ141E、143Eから窒素ガスやアルゴンガスも反応炉11Eに供給できるようになっている。反応ガス供給部15Eでは、反応ガス供給経路150Eの途中位置にマスフローコントローラ17Eが介挿され、ガスボンベ142Eなどから供給されるガスは所定の流量に制御されながら反応炉11Eの内部に供給される。また、反応室11Eと真空排気装置13Eとを結ぶ排気経路130Eの途中位置にはゲートバルブ131Eが構成されている。
さらに、外側反応炉110Eの周囲には加熱した熱媒用ガス通すことのできる第二熱媒通路190Eを構成したので、基板20Eを加熱する際には、この通路を通る熱媒用ガスによって外側反応炉11を加熱できる。それに加えて、外側反応炉110Eと内側反応炉11Bとの間に加熱したガス通すことのできる第一熱媒通路160Eを確保してあるので、基板20Eを加熱する際には、この通路を通るガスによっても外側反応炉110Eと内側反応炉11Bとを加熱することができる。従って、反応炉を大型化したため、温度ばらつきが生じやすくなっているとしても、内側反応炉11Eを均一に加熱することができる。それ故、各基板20Eの間における温度ばらつきが小さいとともに、1枚の基板20E上における温度分布が良好であるため、膜質が安定したアモルファスシリコン膜を形成することができる。
なお、上記の実施例3、4、5はいずれも、アモルファスシリコン膜を処理対象とした例であったが、たとえばリンドープのシリコン膜を形成する場合には、モノシランやジシランにホスフィンなどを混合したガスを反応ガスとして用いればよい。また、シリコン酸化膜を形成する場合には、モノシランと酸素とを反応ガスとして供給し、シリコン窒化膜を形成する場合にはジクロルシランとアンモニアとを反応ガスとして供給すればよい。
10C、10D、10E・・・減圧CVD装置
11A、11B・・・熱処理炉
11C、11D・・・反応炉
11E・・・外側反応炉
110E・・・内側反応炉
12A、12C、12E・・・ヒータ(加熱手段)
13C、13D、13E・・・真空排気装置(真空排気手段)
15C、15D、15E・・・反応ガス供給部(反応ガス供給手段)
150C、150D、150E・・・反応ガス供給経路
16E・・・第一熱媒用ガス供給部(第一熱媒用ガス供給手段)
160E・・・第一熱媒通路
19A、19C・・・熱媒用ガス供給部(熱媒用ガス供給手段)
19E・・・第二熱媒用ガス供給部(第二熱媒用ガス供給手段)
190A、190C・・・熱媒通路
190E・・・第二熱媒通路
20A、20B、20C、20D、20E・・・基板
Claims (3)
- 基板表面に薄膜を形成するための反応炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、前記反応炉内を減圧するための真空排気手段と、前記反応炉内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段と、前記反応炉を冷却するための冷却手段とを有し、
前記冷却手段は、前記反応炉と前記加熱手段との間に位置する熱媒通路と、該熱媒通路に対して熱媒用ガスを通すための熱媒用ガス供給手段とを有することを特徴とする減圧CVD装置。 - 基板表面に薄膜を形成するための反応炉と、該反応炉の外部に配置され前記反応炉内に設置された基板を加熱するための加熱手段と、前記反応炉内を減圧するための真空排気手段と、前記反応炉内に反応ガスを供給するための反応ガス供給手段と、前記加熱手段を冷却するための冷却手段とを有し、
前記冷却手段は、前記反応炉と前記加熱手段との間に位置する熱媒通路と、該熱媒通路に対して熱媒用ガスを通すための熱媒用ガス供給手段とを有することを特徴とする減圧CVD装置。 - 基板を反応炉内に設置した後に該基板を加熱するとともに前記反応炉に反応ガスを供給することにより前記基板上に薄膜を形成する薄膜堆積処理を行い、該薄膜堆積処理の終了後に前記基板に冷却処理を行うことを特徴とする薄膜装置の製造方法。
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