JPH10276786A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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JPH10276786A
JPH10276786A JP9318246A JP31824697A JPH10276786A JP H10276786 A JPH10276786 A JP H10276786A JP 9318246 A JP9318246 A JP 9318246A JP 31824697 A JP31824697 A JP 31824697A JP H10276786 A JPH10276786 A JP H10276786A
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Japan
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protein
present
salt
leu
cells
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JP9318246A
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Minoru Yoshida
稔 吉田
Sueji Horinouchi
末治 堀之内
Kazunori Nishi
一紀 西
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】転写因子の抑制因子およびそのDNAの提供。 【解決手段】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する転
写因子の抑制因子、該抑制因子をコードするDNA、組
換えベクター、形質転換体、該抑制因子の製造方法、該
抑制因子またはDNAを含有してなる医薬、該抑制因子
に対する抗体、該抑制因子の機能を促進する化合物のス
クリーニング方法/スクリーニング用キットおよびスク
リーニングにより得られる化合物。 【効果】タンパク質は腫瘍等に関連するAP−1等の転
写因子の転写活性を抑制することができる。したがっ
て、本発明のタンパク質およびそれをコードするDNA
は、例えば、腫瘍などの治療・予防剤などの医薬として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写因子の転写活
性を抑制する作用などを有する新規タンパク質およびそ
れをコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】転写因子AP−1(activator protein
−1)は、プロトオンコジーン(protooncogene)c−
junとc−fosの遺伝子産物から構成されるDNA
結合タンパク質で、ホルボール12−ミリスタート13
−アセタート(phorbol 12-myristate 13-acetate、P
MA)などの発癌プロモーターに反応して特定のDNA
配列に結合し遺伝子の発現を制御する因子として研究さ
れてきた。最近では、PMAのみならず、種々の増殖因
子、サイトカイン(cytokine)、形質転換を引き起こす
オンコジーン(oncogene)および紫外線によってもAP
−1の活性が制御されることが明らかとなってきてお
り、その制御と細胞の増殖、分化、癌化との密接な関連
が示されている〔バイオケミカ・エット・バイオフィジ
カ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)、第1
072巻、129−157頁、1991年〕。1989
年、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeにおいて染色
体の高次構造維持に必須な遺伝子としてcrm1+(chr
omosome region maintenance)が報告されている〔ザ・
ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(The Journal
of Cell Biology)、第108巻、1195−1207
頁、1989年〕。このcrm1+は細胞増殖に必須な
遺伝子で、その低温感受性変異株は、制限温度下で核形
態が糸状あるいは棒状の異常な形態を示し、さらに細胞
内に25キロダルトン(kD)の新たなタンパク質(p
25)を大量に蓄積するという形質を有している。本遺
伝子産物は1078アミノ酸残基からなるタンパク質で
核に局在するが〔ザ・ジャーナル・オブ・セル・バイオ
ロジー(The Journal of Cell Biology)、第108
巻、1195−1207頁、1989年〕、その後の研
究からcrm1+は、分裂酵母において哺乳動物細胞の
転写活性化因子c−Jun/AP−1の相同遺伝子、p
ap1+(pombe AP−1)の活性を抑制することが明
らかにされた〔モレキュラー・アンド・セルラー・バイ
オロジー(Molecular and Cellular Biology)、第1
2巻、5474−5484頁、1992年〕。上述のp
25もpap1+によって転写制御されている遺伝子の
一つであり、crm1+の機能欠損によるpap1+活性
の昂進が上記変異株におけるp25タンパク質の大量蓄
積をもたらしていると考えられる。また、同酵母よりp
ap1+結合タンパク質pad1+が新たに見つかり、p
ap1+活性を促進する機能を有していることがわかっ
た〔ジャーナル・オブ・セル・サイエンス(Journal of
Cell Science)、第108巻、569−579頁、1
995年〕。最近、pad1+のヒト相同性遺伝子JA
B1が単離され、ヒトにおいてもjunファミリー転写
活性化因子と結合することで、その転写活性化能を昂進
することが明らかにされた〔ネーチャー(Nature)、第
383巻、453−457頁、1996年〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、転写因子の
転写活性を抑制する作用などを有するタンパク質,その
部分ペプチドまたはそれらの塩、該タンパク質等をコー
ドするDNA、組換えベクター、形質転換体、該タンパ
ク質の製造法、該タンパク質等またはDNAを含有する
医薬、該タンパク質等に対する抗体、該タンパク質等の
機能を促進する化合物のスクリーニング方法/スクリー
ニング用キット、および該スクリーニングによって得ら
れる化合物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト骨髄
性白血病細胞株K562細胞由来のcDNAライブラリ
ーから、新規な塩基配列を有するcDNAをクローニン
グすることに成功し、それにコードされるタンパク質が
AP−1などの転写因子の転写活性を抑制する作用を有
することを見いだした。本発明者らは、これらの知見に
基づいてさらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(1)配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一のアミ
ノ酸配列を有するタンパク質またはその塩、(2)転写
因子の抑制因子である第(1)項記載のタンパク質、
(3)第(1)項記載のタンパク質の部分ペプチドまた
はその塩、(4)第(1)項記載のタンパク質または第
(3)項記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有
するDNAを含有するDNA、(5)配列番号:2で表
わされる塩基配列を有する第(4)項記載のDNA、
(6)第(4)項記載のDNAを含有する組換えベクタ
ー、(7)第(6)項記載の組換えベクターを保持する
形質転換体、(8)第(7)項記載の形質転換体を培養
し、第(1)項記載のタンパク質またはその塩を生成、
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする第(1)
項記載のタンパク質またはその塩の製造方法、(9)第
(1)項記載のタンパク質、第(3)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩を含有してなる医薬、(10)第
(4)項記載のDNAを含有してなる医薬、(11)腫
瘍の治療・予防剤である第(9)項または第(10)項
記載の医薬、
【0005】(12)第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
抗体、(13)第(1)項記載のタンパク質、第(3)
項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを
特徴とする第(1)項記載のタンパク質、第(3)項記
載の部分ペプチドまたはそれらの塩の機能を促進する化
合物またはその塩のスクリーニング方法、(14)機能
が転写因子の抑制作用である第(13)項記載のスクリ
ーニング方法、(15)第(1)項記載のタンパク質、
第(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有
することを特徴とする第(1)項記載のタンパク質、第
(3)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の機能を
促進する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
ト、(16)機能が転写因子の抑制作用である第(1
5)項記載のスクリーニング用キット、および(17)
第(13)項記載のスクリーニング方法または第(1
5)項記載のスクリーニング用キットを用いて得られる
化合物またはその塩を提供する。
【0006】本発明のタンパク質は、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質である。本発明のタン
パク質は、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サ
ルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、
グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細
胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細
胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細
胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラル
キラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単
球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細
胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、ま
たはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞
(例えば、骨髄性白血病細胞)など)、またはそれらの
細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底核、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓、胸腺、脾
臓、顎下腺、末梢血、腸管、前立腺、睾丸、卵巣、胎
盤、子宮、骨、関節などに由来するタンパク質であって
もよく、また、合成タンパク質であってもよい。
【0007】配列番号:1と実質的に同一のアミノ酸配
列とは、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列と約60%以上、好ましくは70〜80%以上、より
好ましくは約90%以上の相同性を有するアミノ酸配列
を示す。具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列のN末端から第493番目ないし第598番目の
アミノ酸配列と約80%以上、好ましくは約85%以
上、より好ましくは約90%以上の相同性を有し、その
他のアミノ酸配列と約60%以上、好ましくは70〜8
0%以上、より好ましくは約90%以上の相同性を有す
るアミノ酸配列を示す。より具体的には、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列のN末端から第417番目な
いし第598番目のアミノ酸配列と約80%以上、好ま
しくは約90%以上の相同性を有し、その他のアミノ酸
配列と約60%以上、好ましくは70〜80%以上、よ
り好ましくは約90%以上の相同性を有するアミノ酸配
列、本発明のタンパク質には、配列番号:1と実質的に
同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活
性を有するタンパク質であれば何れのものも含まれる。
実質的に同質の活性としては、例えば、転写因子の転写
活性を抑制する作用(転写因子の抑制作用)などが挙げ
られる。実質的に同質とは、それらの作用が性質的に同
質であることを示す。したがって、転写因子の抑制作用
などの程度や、タンパク質の分子量などの量的要素は異
なっていてもよい。転写因子としては、DNAの特異的
配列に結合する転写因子やプロモーター周辺に結合する
基本転写因子などが用いられる。DNAの特異的配列に
結合する転写因子としては、例えば、Junファミリー
に属する転写因子(例、c−Jun,JunD,Jun
B,v−Jun)、Fosファミリーに属する転写因子
(例、c−Fos,FosB,Fra1,Fra2,v
−Fos)、AP−1(Junファミリーに属する転写
因子とFosファミリーに属する転写因子との複合
体)、核内レセプター(レチノイン酸や各種脂溶性ホル
モンのレセプター)、癌抑制遺伝子産物(例、p53タ
ンパク質)、NF−κB、CREB、E2F、CTFな
どが用いられる。プロモーター周辺に結合する基本転写
因子としては、例えば、TFIID(TATAボックス結
合タンパク質を含む)、TFIIHなどが用いられる。
【0008】さらに、本発明のタンパク質は、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上
(例えば、2〜20個程度、好ましくは2〜9個程度、
さらに好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が
欠失したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列に1または2個以上(例えば、2〜20個程
度、好ましくは2〜9個程度、さらに好ましくは数個
(例、1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1また
は2個以上(例えば、2〜20個程度、好ましくは2〜
9個程度、さらに好ましくは数個(例、1〜5個))の
アミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含
有するタンパク質などの、いわゆるムテインであっても
よい。また、本発明のタンパク質には、上記したタンパ
ク質において、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保
護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6
シル基など)で保護されているもの、N端側が生体内で
切断され生成したグルタミル基がピログルタミン化した
もの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−
OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール
基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などの
1-6アシル基など)で保護されているもの、分子内の
アミノ酸の側鎖上のカルボキシル基がアミド(−CON
2 )化またはエステル(−COOR)化されたものお
よび/または糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質など
の複合タンパク質なども含まれる。
【0009】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここでエステ
ルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチルエ
ステルなどが用いられる。本発明のタンパク質がC末端
以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有
している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステ
ル化されているものも本発明のタンパク質に含まれる。
この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端の
エステルなどが用いられる。
【0010】本発明のタンパク質の具体例としては、例
えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有する
ヒト由来(より具体的には、ヒト骨髄性白血病細胞株K
562細胞由来)のタンパク質(図1の第1番目〜10
71番目のアミノ酸配列)などが用いられる。本発明の
タンパク質の塩としては、とりわけ生理学的に許容され
る酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無
機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明の
タンパク質またはその塩は、前述したヒトや哺乳動物の
細胞または組織から自体公知のタンパク質の精製方法に
よって製造することもできるし、後述するタンパク質を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によっても製造することができる。また、後述のタンパ
ク質合成法またはこれに準じて製造することもできる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒ
トや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、
酸などで抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより精製単離することがで
きる。
【0011】本発明のタンパク質、その塩またはそのア
ミド体の合成には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を
用いることができる。そのような樹脂としては、例え
ば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズ
ヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジル
オキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒド
リルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチ
ルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミ
ド樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシ
メチル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェ
ニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げる
ことができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と
側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタ
ンパク質の配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従
い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパ
ク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高
希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施
し、目的のタンパク質またはそれらのアミド体を取得す
る。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク
質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができ
るが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド
類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミ
ド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カルボ
ジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラ
セミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護
アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物
またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあら
かじめ保護アミノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加
することができる。保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮
合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使
用しうることが知られている溶媒から適宜選択されう
る。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−
ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸
アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコー
ル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピ
リジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリ
ル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるい
はこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は
タンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られて
いる範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の
範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体
は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反
応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護
基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより
十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても十
分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチ
ルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化し
て、後の反応に影響を及ぼさないようにすることができ
る。
【0012】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキ
シル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シ
クロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状
もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステ
ル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジル
エステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロ
ベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェ
ナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジ
ド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、
トリチルヒドラジド化などによって保護することができ
る。セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエー
テル化によって保護することができる。このエステル化
に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t-ブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2
-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチル
などが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの保護基
としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチ
ルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、B
um、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0013】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシコハク酸イミド、N-ヒドロキシ
フタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられ
る。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例え
ば、対応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去
(脱離)方法としては、例えば、Pd黒あるいはPd-
炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元
や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこ
れらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン
などによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウム
による還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反
応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれる
が、酸処理においてはアニソール、フェノール、チオア
ニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチル
スルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオ
ールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。
また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられ
る2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により
除去され、トリプトファンのインドール保護基として用
いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,
4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護
以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどに
よるアルカリ処理によっても除去される。
【0014】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質のアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延
ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護
基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の
保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タ
ンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については上記と同様である。縮合により
得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法により
すべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得るこ
とができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を
駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の
タンパク質のアミド体を得ることができる。タンパク質
のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミ
ノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合
しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と
同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ること
ができる。
【0015】本発明のタンパク質の部分ペプチドとして
は、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであれ
ば何れのものであってもよいが、例えば、本発明のタン
パク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも10個以
上、好ましくは50個以上、より好ましくは100個以
上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用いられる。
具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の
第86番目〜第940番目のアミノ酸配列を有する部分
ペプチドなどが好ましい。また、本発明の部分ペプチド
はC末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカ
ルボキシレート(−COO-)であるが、前記した本発明
のタンパク質のごとく、C末端がアミド(−CON
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。
本発明のタンパク質の部分ペプチドの塩としては、上記
した本発明のタンパク質と同様の塩が用いられる。
【0016】本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、前述した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、前記した細胞・組織より
mRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Tran
scriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-P
CR法と略称する)によって増幅することもできる。具
体的には、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列を有するタンパク質をコードするDNAとしては、
例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列またはそれ
とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
塩基配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有するタンパク質と同質の活性、例えば、転写因子
の転写活性を抑制する作用(転写因子の抑制作用)など
を有するタンパク質をコードする塩基配列を含有するD
NAであれば何れのものでもよい。ハイブリダイズする
塩基配列としては、例えば、配列番号:2で表わされる
塩基配列と約60%以上、好ましくは約70〜80%以
上、より好ましくは約90%以上の相同性を有する塩基
配列などが用いられる。転写因子としては、前記と同様
のものが挙げられる。ハイブリダイゼーションは、自体
公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って行なうこ
とができる。ハイストリンジェントな条件とは、例え
ば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約
19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは
約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が
約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
【0017】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するDNAであればいかなるものであっ
てもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラ
リー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細
胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのい
ずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組
織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Revers
e Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、
RT-PCR法と略称する)によって増幅することもで
きる。具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列の第86番目〜第940番目のアミノ酸配列を有す
る部分ペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:2で表わされる塩基配列の第256番目〜第282
0番目の塩基配列を有するDNAなどが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のタンパク質またはその部
分ペプチド(以下、本発明のタンパク質と略記する場合
がある)をコードするDNAのクローニングの手段とし
ては、本発明のタンパク質をコードするDNAの部分塩
基配列を有する合成DNAプライマーを用いて、PCR
法によって前記DNAライブラリー等から目的とするD
NAを増幅するか、または適当なベクターに組み込んだ
DNAを本発明のタンパク質の一部あるいは全領域を有
するDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したも
のとのハイブリダイゼーションによって選別することが
できる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば Mol
ecular Cloning 2nd(ed.;J. Sambrook et al., Cold
Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など
に従って行われる。また、市販のライブラリーを使用す
る場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行な
う。クローン化された本発明のタンパク質等をコードす
るDNAは、目的によりそのまま、または所望により制
限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用す
ることができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開始
コドンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻訳
終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有し
ていてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コド
ンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加するこ
ともできる。本発明のタンパク質等をコードするDNA
の発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のタンパク質
をコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出
し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロ
モーターの下流に連結することにより製造することがで
きる。
【0019】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、CMVプロモーター、SRαプロモーター、SV
40プロモーター、LTRプロモーター、HSV-TK
プロモーター、CAGプロモーターなどが挙げられる。
これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロモータ
ーなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌
である場合は、trpプロモーター、T7プロモータ
ー、lacプロモーター、recAプロモーター、λP
Lプロモーター、lppプロモーターなどが、宿主がバ
チルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SP
O2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が
酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロ
モーター、GAPプロモーター、ADH1プロモータ
ー、GALプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細
胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プ
ロモーターなどが好ましい。
【0020】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞を用
いてDHFR遺伝子を選択マーカーとして使用する場
合、チミジンを含まない培地によっても選択できる。ま
た、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、タン
パク質のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌
である場合は、phoA・シグナル配列、ompA・シグナル
配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−ア
ミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列
などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配
列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞であ
る場合には、例えばインシュリン・シグナル配列、α−
インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル
配列などがそれぞれ利用できる。このようにして構築さ
れた本発明のタンパク質をコードするDNAを含有する
ベクターを細胞に導入することによって形質転換体を製
造することができる。
【0021】宿主としては、例えばエシェリヒア属菌、
バチルス属菌、酵母、昆虫、動物細胞などが用いられ
る。エシェリヒア属菌の具体例としては、例えば、エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1
〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proceedings of the Natinal Academy of Sciences o
f the United States of America),60巻,160頁
(1968年)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09頁(1981年)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517頁(1978
年)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー,41巻,459頁(1969年)〕,
C600〔ジェネティックス(Genetics),39巻,4
40頁(1954年)〕などが用いられる。バチルス属
菌としては、例えば、バチルス・サチルス(Bacillus s
ubtilis)MI114〔ジーン,24巻,255頁(1
983年)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイ
オケミストリー(Journal of Biochemistry),95
巻,87頁(1984年)〕などが用いられる。酵母と
しては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA8
7−11A,DKD−5D,20B−12などや、シゾ
サッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)NCYC1913,NCYC2036などが用いら
れる。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNP
Vの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera f
rugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸
由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh Fi
veTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigm
ena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがB
mNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N;
BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、
例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞
〔以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vitr
o),13巻,213−217頁(1977年)〕など
が用いられる。昆虫としては、例えば、カイコの幼虫な
どが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),31
5巻,592頁(1985年)〕。
【0022】動物細胞としては、例えば、サル細胞CO
S−7、Vero細胞、チャイニーズハムスター細胞C
HO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損
チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(d
hfr-)細胞と略記)、L細胞、ミエローマ細胞、ヒ
トFL細胞、293細胞、C127細胞、マウス細胞、
BALB3T3細胞、Sp-2/O細胞などが用いられ
る。これらの中でも、CHO細胞、CHO(dhf
-)細胞、293細胞などが好ましい。エシェリヒア
属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of the N
atinal Academy of Sciences of the United States of
America),69巻,2110頁(1972年)やジー
ン(Gene),17巻,107頁(1982年)などに記
載の方法に従って行なわれる。バチルス属菌を形質転換
するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル
・ジェネティックス(Molecular & General Genetic
s),168巻,111頁(1979年)などに記載の
方法に従って行なわれる。酵母を形質転換するには、例
えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in
Enzymology),194巻、182−187頁(1991
年)などに記載の方法に従って行なわれる。昆虫細胞ま
たは昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノ
ロジー(Bio/Technology),6巻,47−55頁(19
88年)などに記載の方法に従って行なわれる。動物細
胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新 細
胞工学実験プロトコール,263−267頁(1995
年)(秀潤社発行)に記載の方法に従って行なわれる。
【0023】発現ベクターの細胞への導入方法として
は、例えば、リポフェクション法〔Felgner, P.L. et a
l. プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proceedings of the NatinalAcademy of Sciences of
the United States of America),84巻,7413
頁(1987年)〕、リン酸カルシウム法〔Graham, F.
L. and van der Eb, A.J.ヴィロロジー(Virology),
52巻,456−467頁(1973年)〕、電気穿孔
法〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジャーナル(EMBO
J.),1巻,841−845頁(1982年)〕等が挙
げられる。このようにして、本発明のタンパク質等をコ
ードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換され
た形質転換体が得られる。なお、動物細胞を用いて、本
発明のタンパク質等を安定に発現させる方法としては、
上記の動物細胞に導入された発現ベクターが染色体に組
み込まれた細胞をクローン選択によって選択する方法が
ある。具体的には、上記の選択マーカーを指標にして形
質転換体を選択する。さらに、このように選択マーカー
を用いて得られた動物細胞に対して、繰り返しクローン
選択を行なうことにより本発明のタンパク質等の高発現
能を有する安定な動物細胞株を得ることができる。ま
た、dhfr遺伝子を選択マーカーとして用いた場合、
MTX濃度を徐々に上げて培養し、耐性株を選択するこ
とにより、dhfr遺伝子とともに、本発明のタンパク
質等をコードするDNAを細胞内で増幅させて、さらに
高発現の動物細胞株を得ることもできる。上記の形質転
換体を本発明のタンパク質等をコードするDNAが発現
可能な条件下で培養し、本発明のタンパク質等を生成、
蓄積せしめることによって、本発明のタンパク質等を製
造することができる。
【0024】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、例えばグルコース、デキ
ストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、
例えばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・
リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレ
イショ抽出液などの無機または有機物質、無機物として
は例えば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩
化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母エキス、
ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地
のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を培養
する際の培地としては、例えばグルコース、カザミノ酸
を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ
・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティ
ックス(Journal of Experiments in Molecular Geneti
cs),431−433頁,Cold Spring Harbor Laborat
ory, New York(1972年)〕が好ましい。ここに必
要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例え
ば、3β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加え
ることができる。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養
は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要に
より、通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチル
ス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24
時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもでき
る。
【0025】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えばバークホールダー(Burkhold
er)最小培地〔Bostian, K. L. ら、「プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proceedings of t
he Natinal Academy of Sciences of the United State
s of America),77巻,4505頁(1980年)〕
や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G.
A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエ
スエー(Proceedings of the Natinal Academy of Scie
nces of the United States of America),81巻,5
330頁(1984年)〕が挙げられる。培地のpHは
約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃
〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体を培
養する際、培地としては、Grace's Insect Medium〔Gra
ce, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195巻,788
頁(1962年)〕に非動化した10%ウシ血清等の添
加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは
約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常
約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹
拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、例えば約5〜20%の胎児牛血清
を含むMEM培地〔サイエンス(Seience),122
巻,501頁(1952年)〕,DMEM培地〔ヴィロ
ロジー(Virology),8巻,396頁(1959
年)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・
ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The
Jounal of the American Medical Association)199
巻,519頁(1967年)〕,199培地〔プロシー
ジング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオ
ロジカル・メディスン(Proceeding of the Society fo
r the Biological Medicine),73巻,1頁(195
0年)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが
好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜72
時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。特に、
CHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子を選択
マーカーとして用いる場合、チミジンをほとんど含まな
い透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いるのが好
ましい。
【0026】上記培養物から本発明のタンパク質等を分
離精製するには、例えば下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質等を培養菌体あるいは細胞
から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あ
るいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
本発明のタンパク質等の粗抽出液を得る方法などが適宜
用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのた
んぱく変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以
下、TMと略称する場合がある)などの界面活性剤が含
まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される
場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体ある
いは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このように
して得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本
発明のタンパク質等の精製は、自体公知の分離・精製法
を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公
知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶
解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過
法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換
クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、ア
フィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を
利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの
疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等
電点の差を利用する方法などが用いられる。かくして得
られる本発明のタンパク質等が遊離体で得られた場合に
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって
塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には自
体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体
または他の塩に変換することができる。なお、組換え体
が産生する本発明のタンパク質等を、精製前または精製
後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意
に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去するこ
ともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシ
ン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、
プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられ
る。かくして生成する本発明のタンパク質等の存在は、
特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより
測定することができる。
【0027】本発明のタンパク質の部分ペプチドまたは
その塩は、自体公知のペプチドの合成法に従って、ある
いは本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断す
ることによって製造することができる。ペプチドの合成
法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれ
によっても良い。すなわち、本発明のタンパク質を構成
し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮
合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離す
ることにより目的のペプチドを製造することができる。
公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下
の〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York(1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York(1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座1、 タン
パク質の化学IV、 205巻(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク質を精製
単離することができる。上記方法で得られるタンパク質
が遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に
変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公
知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0028】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩を認識し得る抗体で
あれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何
れであってもよい。本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質等と
略記する)に対する抗体は、本発明のタンパク質等を抗
原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に
従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質等は、哺乳動物に対して投与により
抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤
とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎
に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる
哺乳動物としては、例えばサル、ウサギ、イヌ、モルモ
ット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギがあげられるが、
マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノクロー
ナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された
温血動物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体
を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を
採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と
融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブ
リドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の
測定は、例えば、後記の標識化タンパク質等と抗血清と
を反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定
することによりなされる。融合操作は既知の方法、例え
ば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Natu
re)、256巻、495頁(1975年)〕に従い実施
できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコール
(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好
ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としては、例
えば、NS−1、P3U1、SP2/0などがあげられ
るが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体
産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比
率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましく
は、PEG1000〜PEG6000)が10〜80%
程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約
30〜37℃で約1〜10分間インキュベートすること
により効率よく細胞融合を実施できる。
【0029】抗タンパク質等抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、タンパク質等抗原を直接あるいは担体とともに吸着
させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ
培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識し
た抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞が
マウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられ
る)またはプロテインAを加え、固相に結合した抗タン
パク質等抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体ま
たはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培
養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したタン
パク質等を加え、固相に結合した抗タンパク質等モノク
ローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。抗タン
パク質等モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるい
はそれに準じる方法に従って行なうことができるが、通
常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジ
ン)を添加した動物細胞用培地などで行なわれる。選別
および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育でき
るものならばどのような培地を用いても良い。例えば、
1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含
むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を
含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗タンパク質等抗体価の測定と同様にして測定でき
る。 (b)モノクロナール抗体の精製 抗タンパク質等モノクローナル抗体の分離精製は、通常
のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリ
ンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電
点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)
による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相
またはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸
着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を
得る特異的精製法〕に従って行なわれる。
【0030】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のタ
ンパク質等に対するポリクローナル抗体は、それ自体公
知あるいはそれに準じる方法にしたがって製造すること
ができる。例えば、免疫抗原(タンパク質等抗原)とキ
ャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクロー
ナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該
免疫動物から本発明のタンパク質等に対する抗体含有物
を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造で
きる。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原と
キャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質
の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャ
リアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効
率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋さ
せてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイ
ログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン
等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ま
しくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられ
る。また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種
々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒ
ドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオー
ル基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等
が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体
産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とと
もに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週
毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれる。ポリク
ローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血
液、腹水など、好ましくは血液から採取される。抗血清
中の抗タンパク質等抗体価の測定は、上記ハイブリドー
マ培養上清の抗体価の測定と同様にして測定できる。抗
体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製
と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうこ
とができる。
【0031】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩は、例えば、転写因子の転写活性を抑制
する作用などを有しており、転写因子の抑制因子として
有用である。転写因子としては、例えば、DNAの特異
的配列に結合する転写因子やプロモーター周辺に結合す
る基本転写因子などが挙げられる。DNAの特異的配列
に結合する転写因子としては、例えば、Junファミリ
ーに属する転写因子(例、c−Jun,JunD,Ju
nB,v−Jun)、Fosファミリーに属する転写因
子(例、c−Fos,FosB,Fra1,Fra2,
v−Fos)、AP−1(Junファミリーに属する転
写因子とFosファミリーに属する転写因子との複合
体)、核内レセプター(レチノイン酸や各種脂溶性ホル
モンのレセプター)、癌抑制遺伝子産物(例、p53タ
ンパク質)、NF−κB、CREB、E2F、CTFな
どが挙げられ、プロモーター周辺に結合する基本転写因
子としては、例えば、TFIID(TATAボックス結合
タンパク質を含む)、TFIIHなどが挙げられる。なか
でも、AP−1などが好適である。したがって、本発明
のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩はさ
まざまな用途に用いることができる。以下に、本発明の
タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩、本発
明のDNA、本発明の抗体およびオリゴヌクレオチドま
たは誘導体の用途を説明する。
【0032】(1)医薬 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩、および本発明のタンパク質またはその部分ペプチド
をコードするDNAは、例えば、本発明のタンパク質を
コードする遺伝子の欠損やそれに起因する疾病、あるい
は本発明のタンパク質の機能の低下やそれに起因する疾
病などの治療・予防剤などの医薬として有用である。具
体的には、例えば、腫瘍(例、膀胱がん,乳がん,子宮
頸部がん、大腸がん(結腸/直腸がん),非小細胞肺が
ん,卵巣がん,前立腺がん,小細胞肺がん,胃がん等の
がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、悪性黒
色腫、転移、多発性骨髄腫、非ホジキン性リンパ腫な
ど)、急性バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、急性膵
炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、硬直性脊
椎炎、バクテリア肺炎、慢性膵炎、胃炎、A型肝炎、B
型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス感染症、水痘
-帯状疱疹ウイルス感染症、ホジキン病、エイズ感染
症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感
染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、骨関節炎、骨減少症
(骨粗鬆症の予防)、骨粗鬆症、骨ペーチェット病、痛
み、消化性潰瘍、末梢血管疾患、リウマチ関節炎、敗血
症ショック、全身性真菌感染症、心弁膜症など、特に腫
瘍などの治療・予防剤として有用である。本発明のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩、またはこ
れらをコードするDNAを上記の医薬として使用する場
合は、例えば、必要に応じて糖衣や腸溶性皮膜を施し
た、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤あるいはマイクロ
カプセル剤などとして経口的に、または水もしくはそれ
以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸
濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例え
ば、本発明のタンパク質等またはDNAを生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な容量が得られるようにするものであ
る。本発明のDNAを用いる場合は、該DNAを単独ま
たはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って
実施することができる。
【0033】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたが
って処方することができる。注射用の水性液としては、
例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む
等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトー
ル、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解
補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例え
ば、ポリソルベート80(TM)、HCO−50)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などが用いられ、溶解補助剤として、例えば、安
息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用しても
よい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナ
トリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト
血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存
剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、
酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液
は、通常、適当なアンプルに充填される。
【0034】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与
することができる。該タンパク質、その部分ペプチドま
たはDNAの投与量は、症状などにより差異はあるが、
経口投与の場合、一般的に成人(60kgとして)にお
いては、一日につき約0.1mg〜100mg、好まし
くは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜2
0mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投
与量は投与対象、対象疾病、投与方法などによっても異
なるが、例えば、注射剤の形では成人の腫瘍患者(体重
60kgとして)においては、一日につき約0.01〜
30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、よ
り好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により
投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60k
g当たりに換算した量を投与することができる。
【0035】(2)遺伝子診断剤 本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAは、例えば、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モ
ルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、
イヌ、サルなど)における本発明のタンパク質またはそ
の部分ペプチドをコードするDNAまたはmRNA(以
下、本発明のDNAまたはmRNAと略記)の異常(遺
伝子異常)を検出することができるので、例えば、本発
明のDNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発
現低下や、本発明のDNAまたはmRNAの増加あるい
は発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。本発
明のDNAまたはmRNAを用いる上記の遺伝子診断
は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of t
he Natinal Academy of Sciences of the United State
s of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現低下
が、あるいは、PCR−SSCP法によりDNAの突然
変異が検出された場合は、腫瘍等である可能性が高いと
診断することができる。
【0036】(3)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩の定量 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質等と
略記する)を特異的に認識することができるので、被検
液中の本発明のタンパク質等の定量、特にサンドイッチ
免疫測定法による定量などに使用することができる。す
なわち、本発明は、(i)本発明のタンパク質等に対す
る抗体と、被検液および標識化された本発明のタンパク
質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化さ
れた本発明のタンパク質等の割合を測定することを特徴
とする被検液中の本発明のタンパク質等の定量法、およ
び(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体およ
び標識化された本発明の抗体とを同時あるいは連続的に
反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質等の
定量法を提供する。上記(ii)の定量法においては、一
方の抗体が本発明のタンパク質等のN端部を認識する抗
体で、他方の抗体が本発明のタンパク質等のC端部に反
応する抗体であることが望ましい。
【0037】また、本発明のタンパク質等に対するモノ
クローナル抗体(以下、抗タンパク質抗体と称する場合
がある)を用いて本発明のタンパク質等の定量を行なえ
るほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。
これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、
また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるいはFa
b画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発明の
タンパク質等の定量法は、 特に制限されるべきもので
はなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質量)
に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を
化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の
抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出す
る測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例
えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法お
よびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異
性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好
ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤と
しては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質な
どが挙げられる。放射性同位元素としては、例えば、〔
125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、上記
酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、
例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、
アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ
酸脱水素酵素などが、蛍光物質としては、フルオレスカ
ミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発光
物質としては、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフ
ェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ用いられる。さら
に、抗体または抗原と標識剤との結合にビオチン−アビ
ジン系を用いることもできる。
【0038】抗原または抗体の不溶化に当っては、物理
吸着を用いてもよく、また通常タンパク質または酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース、デ
キストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチ
レン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ま
たはガラス等が用いられる。サンドイッチ法においては
不溶化した抗タンパク質抗体に被検液を反応させ(1次
反応)、さらに標識化抗タンパク質抗体を反応させ(2
次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることにより被検液中の本発明のタンパク質量等を定量
することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行
なっても、また、同時に行なってもよいし時間をづらし
て行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記
のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法
による免疫測定法において、固相用抗体または標識用抗
体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はな
く、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体
の混合物を用いてもよい。本発明のサンドイッチ法によ
る本発明のタンパク質等の測定法においては、1次反応
と2次反応に用いられる抗タンパク質抗体は、本発明の
タンパク質等の結合する部位が相異なる抗体が好ましく
用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用い
られる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、
本発明のタンパク質等のC端部を認識する場合、1次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。
【0039】本発明のタンパク質抗体をサンドイッチ法
以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリッ
ク法あるいはネフロメトリーなどに用いることができ
る。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に
対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、または、第
1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体
を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック法
では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化
抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、または、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを
反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を
固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、
いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量
する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内または溶液中
で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定
する。被検液中の抗原量僅かであり、少量の沈降物しか
得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザー
ネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0040】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質等の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol.70(Immunoche
mical Techniques(Part A))、同書 Vol.73(Immunochemi
calTechniques(Part B))、同書 Vol.74(Immunochemical
Techniques(Part C))、同書 Vol.84(Immunochemical T
echniques(Part D:Selected Immunoassays))、同書Vol.
92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Ant
ibodies and General Immunoassay Methods))、同書 Vo
l.121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma T
echnology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデ
ミックプレス社発行)などを参照することができる。以
上のようにして、本発明のタンパク質等に対する抗体を
用いることによって、本発明のタンパク質等を感度良く
定量することができる。さらに、本発明の抗体は、体液
や組織などの被検体中に存在する本発明のタンパク質等
を検出するために使用することができる。また、本発明
のタンパク質等を精製するために使用する抗体カラムの
作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質等の検
出、被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動の分
析などのために使用することができる。
【0041】(4)各種疾病に対する医薬候補化合物の
スクリーニング 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩の機能、例えば、前記した転写因子(例、AP−1な
ど)の転写活性を抑制する作用などを促進する化合物ま
たはその塩は、上記した本発明のタンパク質、その部分
ペプチドまたはその塩と同様に各種疾病の治療・予防剤
として使用できる。したがって、本発明のタンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩は、本発明のタンパ
ク質またはその塩の機能を促進する化合物またはその塩
のスクリーニングのための試薬として有用である。
【0042】すなわち、本発明は、(1)本発明のタン
パク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を用いるこ
とを特徴とする本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩の機能を促進する化合物(以下、本発
明のタンパク質等の機能促進物質と略記する場合があ
る)のスクリーニング方法を提供する。具体的には、例
えば、(2a)(i)転写因子をコードするDNAおよ
び本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコード
するDNAを含有する細胞を培養した場合と、(ii)試
験化合物の存在下において、転写因子をコードするDN
Aおよび本発明のタンパク質またはその部分ペプチドを
コードするDNAを含有する細胞を培養した場合の比較
を行なうことを特徴とする本発明のタンパク質等の機能
促進物質のスクリーニング方法、および(2b)(i)
転写因子および本発明のタンパク質またはその部分ペプ
チドを含有する細胞を培養した場合と、(ii)試験化合
物の存在下において、転写因子および本発明のタンパク
質またはその部分ペプチドを含有する細胞を培養した場
合の比較を行なうことを特徴とする本発明のタンパク質
等の機能促進物質のスクリーニング方法を提供する。具
体的には、上記スクリーニング方法(2a)または(2
b)において、例えば、(i)と(ii)の場合におけ
る、本発明のタンパク質またはその部分ペプチドによる
転写因子の抑制作用を測定して、比較することを特徴と
するものである。
【0043】転写因子としては、例えば、DNAの特異
的配列に結合する転写因子やプロモーター周辺に結合す
る基本転写因子などが挙げられる。DNAの特異的配列
に結合する転写因子としては、例えば、Junファミリ
ーに属する転写因子(例、c−Jun,JunD,Ju
nB,v−Jun)、Fosファミリーに属する転写因
子(例、c−Fos,FosB,Fra1,Fra2,
v−Fos)、AP−1(Junファミリーに属する転
写因子とFosファミリーに属する転写因子との複合
体)、核内レセプター(レチノイン酸や各種脂溶性ホル
モンのレセプター)、癌抑制遺伝子産物(例、p53タ
ンパク質)、NF−κB、CREB、E2F、CTFな
どが用いられ、プロモーター周辺に結合する基本転写因
子としては、例えば、TFIID(TATAボックス結合
タンパク質を含む)、TFIIHなどが用いられる。なか
でも、c−Jun、AP−1などが好適である。転写因
子をコードするDNAとしては、例えば、c-Junを
コードするDNA〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユ
ーエスエー(Proceedings of the Natinal Academy of
Sciencesof the United States of America),第85
巻,9148〜9152頁(1988年)〕、c−Fo
sをコードするDNA〔プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ユーエスエー(Proceedings of the Natinal Academy
of Sciences of the United States of America),第
80巻,3183〜3187頁(1983年)〕などの
前記した転写因子をコードする公知のDNAを用いるこ
とができる。本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、前記したものと同様の
ものが用いられる。
【0044】細胞としては、前記した宿主細胞を用いる
ことができるが、AP−1活性が低い細胞あるいはAP
−1活性を有さない細胞、例えば、マウス胚性腫瘍細胞
F9細胞などを用いるのが好適である。転写因子をコー
ドするDNAおよび本発明のタンパク質等をコードする
DNAの細胞への導入は、前記した形質転換体の作成と
同様にして行なうことができる。 転写因子および本発
明のタンパク質またはその部分ペプチドを含有する細胞
としては、例えば、前記の転写因子をコードするDNA
および本発明のタンパク質等をコードするDNAを含有
する細胞を培養することによって製造することもできる
し、転写因子および本発明のタンパク質またはその部分
ペプチドを含有する天然の細胞を用いることもできる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。
【0045】機能とは、転写因子の転写活性を抑制する
作用などをいう。転写因子の転写活性を測定する指標と
しては、次のものが挙げられる。 転写因子の転写活性による関連タンパク質の発現量を
測定する。関連タンパク質とは、本来生体内において転
写因子によって転写が調節されるタンパク質であり、例
えば、メタロチオネインII(HMIIA)、コラゲナーゼ
などが挙げられる。発現量の測定としては、例えば、ノ
ーザンハイブリダイゼーションなどによるmRNA量の
測定、抗体を用いるタンパク質量の測定などが用いられ
る。これら測定は、自体公知あるいはそれに準じる方法
に従って行なうことができる。試験化合物を添加するこ
とにより関連タンパク質の発現量が約10%以上、好ま
しくは約20%以上、より好ましくは約50%以上減少
した場合、該試験化合物は転写因子の抑制因子の機能を
促進する化合物として選択することができる。
【0046】転写因子応答性プロモーターの下流に指
標となる構造遺伝子を連結して、該構造遺伝子の発現量
を測定する。これは、該構造遺伝子の発現量を測定する
ことにより、転写因子応答性プロモーターの活性化を指
標として、転写因子の転写活性化能を間接的に測定する
方法である。転写因子応答性プロモーターとしては、例
えばAP−1応答性プロモーターであるコラゲナーゼ・
TREプロモーターなどが用いられる。指標となる構造
遺伝子としては、例えば、酵素などの構造遺伝子を用い
ることができる。該酵素としては、例えば、ルシフェラ
ーゼ構造遺伝子、β−ガラクトシダーゼ構造遺伝子、ク
ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ構造遺
伝子などが用いられる。このように、酵素の構造遺伝子
を用いることによって、構造遺伝子の発現量を、発現さ
れた酵素の酵素活性を測定することによって間接的に測
定することができる。酵素の発現量(すなわち、酵素活
性)が減少した場合は、転写因子応答性プロモーターか
らの転写量が減少したことを示し、すなわち、転写因子
の転写活性が抑制されたことになる。したがって、試験
化合物を添加することにより酵素活性が約10%以上、
好ましくは約20%以上、より好ましくは約50%以上
減少した場合、該試験化合物は転写因子の抑制因子の機
能を促進する化合物として選択することができる。具体
的には後述する実施例2の方法に準じて実施することが
できる。
【0047】転写因子の転写活性を抑制する作用とは、
該転写活性をわずかながらでも抑制し得る作用である
が、好ましくは、該転写活性を約10%以上、好ましく
は約20%以上、より好ましくは約50%以上抑制する
ことをいう。機能を促進するとは、例えば、上記(ii)
の場合における本発明のタンパク質等による転写因子の
抑制作用が、上記(i)の場合に比べて、約20%以
上、好ましくは約50%以上、より好ましくは約70%
以上増加する場合をいう。細胞の培養は、例えば、細胞
培養ディッシュ上で、通常約37℃で、約10〜48時
間、好ましくは約20〜30時間行なう。細胞の培養液
としては、例えば、リン酸バッファー、トリス−塩酸バ
ッファーなどが用いられ、pHは約4〜10、好ましく
は約6〜8である。上記の方法に従って試験化合物のス
クリーニングを行なった場合に、上記(ii)の場合にお
ける本発明のタンパク質等の転写因子の抑制作用を、上
記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約
50%以上、好ましくは約70%以上促進させる試験化
合物を本発明のタンパク質等の機能を促進する化合物と
して選択することができる。
【0048】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩を
含有するものである。該キットに含まれる本発明のタン
パク質等としては、精製されたものであってもよいが、
通常は本発明のタンパク質等を生産し得る細胞を用いる
のが好適である。本発明のスクリーニング用キットの例
としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 本発明のタンパク質またはその塩を生産し得る細胞 (i)転写因子AP−1応答性プロモーターであるコラ
ゲナーゼ・TREプロモーターの下流にルシフェラーゼ
構造遺伝子を連結したDNA断片、(ii)転写因子c−
JunをコードするDNAおよび(iii)本発明のタン
パク質をコードするDNAを含有する細胞(例、マウス
胚性腫瘍細胞F9細胞)を104セル/ウェルで、10
%FBS含有DMEM培地(pH7.0)を用いて12
穴プレートで5%炭酸ガス下、37℃で培養したもの 細胞洗浄用液 Dulbecco's phosphate-buffered saline(PBS) 細胞溶解溶液 25mM グリシルグリシン(pH7.8)、15mM
MgSO4、15mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.
8)、4mM エチレングリコール−O,O'−ビス(2−
アミノエチル)−N,N,N',N'−四酢酸(EGTA)(p
H7.8)、1mMジチオトレイトール(DTT)、1
% Triton-X 100 発光基質溶液 25mM グリシルグリシン(pH7.8)、15mM
MgSO4、15mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.
8)、4mM EGTA(pH7.8)、1mMDTT、
1mM ATP(pH7.5)、0.47mM D−ルシフ
ェリン、0.27mM コエンザイムA
【0049】〔測定法〕試験化合物を各プレートに添加
して、の本発明のタンパク質またはその塩を生産し得
る細胞を37℃で24時間培養する。コントロールとし
て、試験化合物を添加せずにの本発明のタンパク質ま
たはその塩を生産し得る細胞を37℃で24時間培養す
る群を準備する。培養後、細胞を細胞洗浄用液で2回洗
浄し、細胞溶解溶液を添加し、室温で10分間保つ。細
胞溶解液を1.5mlプラスチックチューブに移し、1
2,000g、4℃で5分間遠心する。上清20μlを
96穴プレートに移し、発光基質溶液100μlと混合
し、30秒後の波長562nmの発光強度波長をAB−
2100型ルミノメーター(アトー株式会社)で測定す
る。試験化合物を添加することにより発光強度が約10
%以上、好ましくは約20%以上、より好ましくは約5
0%以上減少した場合、該試験化合物を本発明のタンパ
ク質等の機能を促進する化合物として選択する。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などから選ばれ
た化合物であり、本発明のタンパク質等の機能を促進す
る化合物である。本発明のタンパク質等の機能を促進す
る化合物は、それ自体が転写因子(例、AP−1など)
の転写活性を抑制する作用を示すことによって本発明の
タンパク質等の機能を相加的または相乗的に促進するこ
ともあるし、あるいは、それ自体は該抑制作用を示さな
いが本発明のタンパク質等の機能を促進することもあ
る。該化合物の塩としては、例えば、薬学的に許容可能
な塩などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、有機
塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性また
は酸性アミノ酸との塩などがあげられる。無機塩基との
塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム
塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム
塩、アンモニウム塩などがあげられる。有機塩基との塩
の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルア
ミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの
塩あげられる。無機酸との塩の好適な例としては、例え
ば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩があげら
れる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、
酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マ
レイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などとの塩があ
げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、
例えばアルギニン、リジン、オルチニンなどとの塩があ
げられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、例えばア
スパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。
本発明のタンパク質等の機能を促進する化合物またはそ
の塩は、上記した本発明のタンパク質、その部分ペプチ
ドまたはそれらの塩と同様に各種疾病に対する安全で低
毒性な治療・予防剤として有用である。本発明のスクリ
ーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得
られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場
合、上記した本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩と同様に常套手段に従って実施すること
ができる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトまたは上記した哺乳動物に対
して投与することができる。該化合物またはその塩の投
与量は、疾病の種類などにより差異はあるが、経口投与
の場合、一般的に成人の腫瘍患者(体重60kgとし
て)においては、一日につき約1〜500mgである。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対
象、疾病の種類、投与方法などによっても異なるが、例
えば、注射剤の形では一般的に成人の腫瘍患者(60k
gとして)においては、一日につき約0.1〜500m
g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他
の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。
【0051】さらに、本発明のタンパク質、その部分ペ
プチドまたはそれらの塩は、細胞周期制御因子としての
機能を有している。したがって、本発明のタンパク質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩の細胞周期制御因子
としての機能を阻害する化合物(すなわち、細胞周期阻
害剤)をスクリーニングすることができれば、例えば、
腫瘍(例、膀胱がん,乳がん,子宮頸部がん,大腸がん
(結腸/直腸がん),非小細胞肺がん,卵巣がん,前立
腺がん,小細胞肺がん,胃がん等のがん、慢性リンパ性
白血病、慢性骨髄性白血病、悪性黒色腫、転移、多発性
骨髄腫など)、急性心筋梗塞、動脈硬化、慢性腎不全、
糖尿病性腎症、胃炎、ヘリコバクター・ピロリ感染症、
A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス
感染症、水痘-帯状疱疹ウイルス感染症、ホジキン病、
エイズ感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフ
ルエンザ感染症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、腎炎、非
ホジキン性リンパ腫、消化性潰瘍、アテレクトモー後の
ステント留置後の再狭窄、経皮的冠動脈内血管形成術後
の再狭窄、リウマチ関節炎、全身性真菌感染症、結核、
不安定狭心症、心弁膜症などの各種疾病の治療・予防剤
などの医薬として開発することができる。このように、
本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩は、細胞周期阻害剤をスクリーニングするための試薬
としても有用である。該細胞周期阻害剤のスクリーニン
グは、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って実施
することができる。
【0052】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0053】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0054】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0055】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のタンパク質のアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のタンパク質をコードするDNAの塩
基配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のタンパク質をコードするDN
Aをクローニングするために使用したプライマーの塩基
配列を示す。 〔配列番号:4〕本発明のタンパク質をコードするDN
Aをクローニングするために使用したプライマーの塩基
配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例3において本発明をコードする
DNAをクローニングするために使用したプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例3において本発明をコードする
DNAをクローニングするために使用したプライマーの
塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号1で表される蛋白質の1024番
目から1043番目までのアミノ酸配列に相当するペプチド 後述の実施例1で得られた形質転換体エシェリヒア コ
リ(Escherichia coli)DH5α/pBHC1は、平成
8年11月22日から通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−
5755として、平成8年11月21日から財団法人・
発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO16045とし
て寄託されている。
【0056】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法はモレキュラ
ー・クローニング〔Molecular cloning, 2nd Edition
(1989年)〕に記載されている方法に従った。
【0057】
【実施例1】ヒト由来の転写因子の抑制因子をコードす
るcDNAのクローニング ヒト骨髄性白血病細胞株であるK562細胞よりグアニ
ジンイソチオシアネート法によって細胞全RNAを抽出
し、Oligo(dT)12−18(ファルマシアバイオテク
社)をプライマーとしてタイムセーバーcDNA合成キ
ット(ファルマシアバイオテク社)によってcDNAを
合成し、それをPCR(polymerase chain reaction)
反応の鋳型として用いた。また、PCR反応用プライマ
ーには2種類の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:3
および配列番号:4)をExpediteNucleic Acid Synthes
is System 8909(日本パーセプティブ社)によって調製
した。PCR反応は、鋳型cDNA1μg、上記プライ
マーDNA各40pmol、dATP,dCTP,dG
TP,dTTP(宝酒造株式会社)各10nmol、エ
キスパンドTMハイファイPCRシステムエンザイムミッ
クス(ExpandTM High Fidelity PCR system enzyme mi
x)2.6unit(ベーリンガーマンハイム社)、エキスパ
ンドTMハイファイPCRシステムに付属の塩化マグネシ
ウム含有の10倍濃縮緩衝液(ExpandTM High Fidelity
PCR system 10×buffer with MgCl2 5μl)(ベー
リンガーマンハイム社)を終容量50μlに調製し、G
eneAmp(登録商標)PCR system 240
0(パーキンエルマー社)を用いて、まず94℃・2
分、次に94℃・15秒、55℃・30秒、68℃・4
分を10サイクル、最後に94℃・15秒、60℃・3
0秒、68℃・(4+1/3×N)分(Nはサイクル回
数1〜25を示す)を25サイクルの温度サイクルプロ
グラムで行なった。アガロースゲル電気泳動により、P
CR反応産物として4.1kbの単一バンドを同定し、
同cDNA断片を抽出回収後、T4DNAポリメラーゼ
(宝酒造株式会社)とT4ポリヌクレオチドキナーゼ
(宝酒造株式会社)による末端修飾反応を行ない、ファ
ージミドベクターpBluescript(登録商標)
II SK(−)(ストラタジーン社)のSmaI制限酵
素部位にT4DNAリガーゼ(宝酒造株式会社)を用い
て連結させた。それにより大腸菌DH5α株を形質転換
し、得られた50μg/mlアンピシリン耐性コロニー
から、該cDNA断片が挿入されたプラスミドpBHC
1を保持する形質転換体:大腸菌(Escherichiacoli)
DH5α/pBHC1を得た。
【0058】挿入cDNA断片の塩基配列は、同プラス
ミドから該挿入DNA断片をさらに小断片化した12種
のサブクローンプラスミドを構築し、それらの各々につ
いてIRD Infrared Dye Labeled Primer M13 Forward(-3
8)またはIRD Infrared Dye Labeled Primer M13 Revers
e(アロカ株式会社)をプライマーとし、Thermo Sequen
aseTM fluorescent labelled primer cycle sequencing
kit with 7-deaza-dGTP(アマシャム社)で反応液を調
製し、GeneAmp(登録商標)PCR syste
m 2400にて反応を行なった。反応産物の電気泳動
と配列の解析はLI−COR(登録商標)DNA se
quencer 4000L(アロカ株式会社)を用い
て行なった。得られた各サブクローンDNAの塩基配列
を結合し、pBHC1内挿入cDNA断片の塩基配列を
決定した。その結果、該cDNAは図1および図2に示
される4088個の塩基配列を有しており、配列番号:
1で表わされる1071個のアミノ酸からなる新規タン
パク質がコードされていた。本タンパク質は、Clus
tal法によるアミノ酸レベルでの相同性比較では、ヒ
トを含めた高等生物由来の既知タンパク質との相同性は
見られず、すべての既知のタンパク質との比較において
も、分裂酵母Schizosaccharomyces pombe crm1+
は51.6%、出芽酵母Saccharomyces cerevisiae C
RM1とは45.8%の相同性しか見られなかった。
【0059】
【実施例2】本発明の転写因子の抑制因子の機能を促進
する化合物のスクリーニング AP−1応答性プロモーターであるコラゲナーゼ・TR
Eプロモーター(TREcol)〔ザ・ジャーナル・オブ
・バイオロジカル・ケミストリー(The Journalof Biol
ogical Chemistry)、266巻、16485−1649
0頁(1991年)〕の下流にルシフェラーゼ構造遺伝
子を連結したDNA断片およびネオマイシン耐性遺伝子
を持つプラスミド(例えば、pMAMneo-LUC
(クロンテック社)のMMTV LTRプロモーター領
域をコラゲナーゼ・TREプロモーターに置換して得ら
れるプラスミドなど)を構築し、マウス胚性腫瘍細胞F
9に導入し、ネオマイシン耐性株を選択することにより
F9(Neo)/TREcol-LUC形質転換体を取得する。一
方、CMVプロモーターを有するプラスミド(例えば、
pRc/CMV、pcDNA3など、以上、インビトロ
ゲン社)の該プロモーター領域の下流に、AP−1構成
タンパク質の1つであり高い転写活性化能を有するc−
JunをコードするcDNA(プロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ
・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the Natinal A
cademyof Sciences of the United States of Americ
a),第85巻,9148−9152頁(1988
年))を連結したプラスミドpCMV−c-junと、CM
Vプロモーターを有するプラスミドのプロモーター領域
の下流に実施例1で得られた本発明のタンパク質をコー
ドするcDNAを連結したプラスミドpCMV−hCR
M1を構築する。F9(Neo)/TREcol-LUC形質転換
体を12穴プレート上で培養し、プラスミドpCMV
−c-junおよびプラスミドpCMV−c-junとプラスミ
ドpCMV−hCRM1を、それぞれリポフェクション
法で細胞に導入することにより、プラスミドCMV−
c-junを保持するF9(Neo)/TREcol-LUC形質転換
体およびプラスミドCMV−c-junとプラスミドCM
V−hCRM1を保持するF9(Neo)/TREcol-LUC
形質転換体をそれぞれ作製する。次いで、試験化合物を
上記のプラスミドCMV−c-junとプラスミドCMV
−hCRM1を保持するF9(Neo)/TREcol-LUC形
質転換体用の各穴に添加して、37℃で24時間培養す
る。ここで、コントロールとして、試験化合物を添加せ
ずに37℃で、上記のプラスミドCMV−c-junとプ
ラスミドCMV−hCRM1を保持するF9(Neo)/
TREcol-LUC形質転換体を24時間培養する群を準備
する。また、上記のプラスミドCMV−c-junを保持
するF9(Neo)/TREcol-LUC形質転換体も37℃で
24時間培養する。
【0060】培養後、細胞をDulbecco's phosphate-buf
fered saline(PBS)で2回洗浄し、細胞溶解溶液
(25mM グリシルグリシン(pH7.8)、15mM
MgSO4、15mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.
8)、4mM EGTA(pH7.8)、1mM DT
T、1% Triton-X 100)を添加し、室温で10分間保
つ。細胞溶液を1.5mlプラスチックチューブに移
し、12,000g、4℃で5分間遠心する。上清を9
6穴プレートに移し、発光基質溶液(25mM グリシ
ルグリシン(pH7.8)、15mM MgSO4、15
mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.8)、4mM E
GTA(pH7.8)、1mM DTT、1mM ATP
(pH7.5)、0.47mM D−ルシフェリン(pH
7.8)、0.27mM コエンザイムA)と混合し、3
0秒後の波長562nmの発光強度をAB−2100型
ルミノメーター(アトー株式会社)で測定する。まず、
上記のプラスミドCMV−c-junを保持するF9(Ne
o)/TREcol-LUC形質転換体を培養した群に比べて、
上記のプラスミドCMV−c-junとプラスミドCMV
−hCRM1を保持するF9(Neo)/TREcol-LUC形
質転換体を培養した群における発光強度が低下している
ことを確認する。次いで、上記のプラスミドCMV−
c-junとプラスミドCMV−hCRM1を保持するF9
(Neo)/TREcol-LUC形質転換体を試験化合物の存在
下で培養した群の発光強度が、試験化合物の非存在下で
培養した群の発光強度に比べて低下している場合、この
試験化合物を本発明の転写因子の抑制因子の機能を促進
する化合物として選択する。
【0061】
【実施例3】本発明の蛋白質をコードするcDNAによ
る分裂酵母crm1変異の相補 実施例1で得られたプラスミドpBHC1を鋳型として
用い、配列番号:5および配列番号:6で表される2種
の合成オリゴヌクレオチドをプライマーDNAとして用
い、更にエキスパンドTMハイファイPCRシステム(Expan
dTM High-Fidelity PCR System) (ベーリンガーマン
ハイム社(Boehringer Mannheim))をDNAポリメラー
ゼとして用いた反応系でPCR反応を行った。PCR反応
は、反応液として、pBHCを0.1 μg、配列番号:5
および配列番号:6で表されるプライマーを各40 pmo
l、dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP (宝酒造株式会社)を各
10 nmol、エキスパンドTMハイファイPCRシステムエンザ
イムユニット(ExpandTM High Fidelity PCR system en
zyme mix)を2.6 unit、エキスパンドTMハイファイPCR
システムに付属の塩化マグネシウム含有の10倍濃縮緩衝
液(ExpandTM High Fidelity PCR system 10 x buffer
with 15mM MgCl2) 5μl を終容量 50 μl に調製し、
サーマルサイクラー(GeneAmp(登録商標) PCRSystem 24
00、(パーキンエルマー社(Perkin Elmer Applied Bio
systems)))を用いて、94 ℃・2 分、94 ℃・15秒、6
0℃・30 秒、72 ℃・1 分を 20 サイクルの温度サイク
ルプログラムで行った。反応終了液を1.0%アガロース
ゲル電気泳動後、PCR反応で増幅された単一のDNA
断片に対するバンドを確認し、同DNA断片を回収後、
ジーンクリーンIIIキット(GENECLEAN III kit (バイオ
101社(Bio 101))を用いて精製した。精製DNAはさ
らに制限酵素BamHIで消化後、同様に1.0%アガロースゲ
ル電気泳動の後、ゲルから回収し、再精製した。次に、
得られたDNA断片を公知のプラスミドベクターpDB24
8'(モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular and General Genetics)第187巻、第3
26-329頁、1982年)のBamHIクローニング部位にT4 DNA
ligase(宝酒造株式会社)を用いて挿入、連結させた。
該反応液を大腸菌DH5α株に導入後、アンピシリン含有
LB寒天培地上で出現してきたアンピシリン耐性形質転
換コロニーから1クローンを選択し、そこから調製され
たプラスミドDNAをpDHC1と命名した。一方、上記P
CR反応終了後の精製DNAを制限酵素NdeIおよびBamH
Iで消化後、同様に1.0%アガロースゲル電気泳動の後、
ゲルから回収し、再精製した。次に、得られたDNA断
片を公知のnmt1プロモーター(ザ・ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biolo
gical Chemistry)、第265巻、第10857-10864頁、1990
年)を有する公知のプラスミドベクターpREP1(ジーン
(Gene)、第123巻、第131-136頁、1993年)のNdeI/Bam
HIクローニング部位にT4 DNAリガーゼ(宝酒造株式会
社)を用いて挿入、連結させた。 該反応液を大腸菌DH5
α株に導入後、アンピシリン含有LB寒天培地上で出現
してきたアンピシリン耐性形質転換コロニーから1クロ
ーンを選択し、そこから調製されたプラスミドDNAを
pR1HC1と命名した。分裂酵母シゾサッカロマイセス ポ
ンベ(S. pombe)の形質転換には自体公知の酢酸リチウ
ム法を用いた(エクスペリメンツ ウィズ フィッショ
ン イースト(Experiments with Fission Yeast):
ラボラトリー コース マニュアル(a Laboratory Cour
se Manual)(コールド スプリング ハーバー ラボ
ラトリー プレス、コールド スプリング ハーバー、
ニューヨーク、1993年(Cold Spring Harbor Laboratory
Press, Cold Spring Harbor, New York, 1993)))。
上記のpDHC1 はS. pombe AC1株(h- leu1-32 crm1-809)
(ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(Journal of
Cell Biology)第108巻、第1195-1207頁、1989年)
に、また、上記のpR1HC1はS. pombe JY266株(h+ leu1-3
2)(ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(The Journal of Biological Chemistry)、第269
(9)巻、第6320-6324頁、1994年)にそれぞれ導入した。
その結果、通常AC1株は、低温感受性変異(crm1-809)
を有するため、YPD寒天培地( 1% イースト エク
ストラクト(Yeast Extract)、2%ポリペプトン、2
%グルコース、2%寒天)上、18℃では生育できない
(ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(Journal of
Cell Biology)第108巻、第1195-1207頁、1989年)の
に対して、 pDHC1導入AC1株は生育可能であった。一
方、 pR1HC1導入JY266株では10 μg/mlチアミン存在下
の酵母最小寒天培地(エクスペリメンツ ウィズフィッ
ション イースト(Experiments with Fission Yeas
t): ラボラトリー コース マニュアル(a Laborato
ry Course Manual)(コールド スプリング ハーバー
ラボラトリー プレス、コールド スプリング ハー
バー、ニューヨーク、1993年(Cold Spring Harbor Labo
ratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 199
3)))上では生育可能であったが、 nmt1プロモーター
活性が誘導されるチアミン非存在下の最小寒天培地では
生育不能であった。以上のことから、本発明の蛋白質を
コードするDNAによって分裂酵母crm1変異が相補
されること、また該遺伝子の過剰発現によって、分裂酵
母細胞の増殖が抑制されることが明らかになった。上記
の実験結果を以下の表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【実施例4】抗CRM1抗血清の調製と該血清を用いた
HeLa細胞全蛋白質のウエスタンブロット解析 まず抗CRM1抗血清の調製を以下のように行った。配
列番号1で表される本件蛋白質の1024番目から1043番目
までのアミノ酸配列に相当する配列番号:7で表される
ペプチドを公知の方法により化学合成した。このペプチ
ドをKLH(keyhole limpet hemocyanin)と結合さ
せ、抗原ペプチド1 mg相当量をFCA(完全フロイント
アジュバント)とともにウサギの背部皮下に注射し、一
次免疫とした。2週間後、二次免疫として抗原ペプチド1
mg相当量をFIA(不完全フロイントアジュバント)と共に
背部皮下及び大腿部筋肉内に各々注射した。以降、2週
間おきに4回、二次免疫と同様に免疫を繰り返し、11週
目に全採血の後、公知の方法により血清画分を取得し、
抗CRM1抗血清とした。HeLa細胞は10% 牛血清添加ダルベ
ッコ変法イーグル培地で培養したものを、細胞溶解緩衝
液(0.5% SDS、0.05 M Tris-Cl (pH 8.0)、1 mM dithio
threitol)に懸濁し、5分間沸騰水中に置き15,000回
転、4℃、90分、遠心処理を行い、上清を分取してHeLa
細胞全蛋白質抽出液とした。該蛋白質を10% SDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動し、泳動終了後、該泳動蛋白
質を蛋白質ブロッティング装置(バイオ・ラッド社)を
用いて25 mM Tris、192mM グリシン、20% メタノールpH
8.3の緩衝液中でPVDF(polyvinylidene difluoride) 膜
(Millipore)に転写した。この膜を500倍に希釈した
抗CRM1抗血清を含む 5% スキムミルク添加 TBST緩衝液
(10 mM Tris-Cl (pH 8.0)、150 mM NaCl、0.05% Tween
20)中で室温 1時間、4℃、8 時間保温し、TBST緩衝液
で洗浄後、1000倍希釈 anti-rabbit IgG, horse radis
h peroxidase linked whole antibody from donky (Ame
rsham) を含む5%スキムミルク添加TBST緩衝液中で室
温、1時間保温し、再度TBST緩衝液で洗浄した。その
後、ECL Western blotting detection reagents (Amers
ham)を用いて化学発光反応を行い、暗室内でPVDF膜をX
線フィルムに接触、感光させた後、該フィルムを現像し
た。その結果、図3に示すように、本発明蛋白質のアミ
ノ酸配列から予想される分子量110 kDaの位置にシグナ
ルを検出することができた。
【0064】
【発明の効果】本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩は、例えば、腫瘍に関連するAP−1
等の転写因子の転写活性を抑制することができる。した
がって、本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたは
それらの塩、および本発明のタンパク質またはその部分
ペプチドをコードするDNAは、例えば、腫瘍などの治
療・予防剤などの医薬として有用である。また、本発明
のタンパク質またはその部分ペプチドをコードするDN
Aは、該DNAの発現異常を検出することができるの
で、遺伝子診断剤としても有用である。本発明のタンパ
ク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体
は、本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれ
らの塩を特異的に認識することができるので、被検液中
の本発明のタンパク質等の定量、本発明のタンパク質等
の精製、被検細胞内における本発明のタンパク質等の挙
動の分析などに使用することができる。さらに、本発明
のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩は、
本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩の機能を促進する化合物またはその塩をスクリーニン
グするための試薬としても有用である。
【0065】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:1071 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Pro Ala Ile Met Thr Met Leu Ala Asp His Ala Ala Arg Gln Leu 1 5 10 15 Leu Asp Phe Ser Gln Lys Leu Asp Ile Asn Leu Leu Asp Asn Val Val 20 25 30 Asn Cys Leu Tyr His Gly Glu Gly Ala Gln Gln Arg Met Ala Gln Glu 35 40 45 Val Leu Thr His Leu Lys Glu His Pro Asp Ala Trp Thr Arg Val Asp 50 55 60 Thr Ile Leu Glu Phe Ser Gln Asn Met Asn Thr Lys Tyr Tyr Gly Leu 65 70 75 80 Gln Ile Leu Glu Asn Val Ile Lys Thr Arg Trp Lys Ile Leu Pro Arg 85 90 95 Asn Gln Cys Glu Gly Ile Lys Lys Tyr Val Val Gly Leu Ile Ile Lys 100 105 110 Thr Ser Ser Asp Pro Thr Cys Val Glu Lys Glu Lys Val Tyr Ile Gly 115 120 125 Lys Leu Asn Met Ile Leu Val Gln Ile Leu Lys Gln Glu Trp Pro Lys 130 135 140 His Trp Pro Thr Phe Ile Ser Asp Ile Val Gly Ala Ser Arg Thr Ser 145 150 155 160 Glu Ser Leu Cys Gln Asn Asn Met Val Ile Leu Lys Leu Leu Ser Glu 165 170 175 Glu Val Phe Asp Phe Ser Ser Gly Gln Ile Thr Gln Val Lys Ser Lys 180 185 190 His Leu Lys Asp Ser Met Cys Asn Glu Phe Ser Gln Ile Phe Gln Leu 195 200 205 Cys Gln Phe Val Met Glu Asn Ser Gln Asn Ala Pro Leu Val His Ala 210 215 220 Thr Leu Glu Thr Leu Leu Arg Phe Leu Asn Trp Ile Pro Leu Gly Tyr 225 230 235 240 Ile Phe Glu Thr Lys Leu Ile Ser Thr Leu Ile Tyr Lys Phe Leu Asn 245 250 255 Val Pro Met Phe Arg Asn Val Ser Leu Lys Cys Leu Thr Glu Ile Ala 260 265 270 Gly Val Ser Val Ser Gln Tyr Glu Glu Gln Phe Val Thr Leu Phe Thr 275 280 285 Leu Thr Met Met Gln Leu Lys Gln Met Leu Pro Leu Asn Thr Asn Ile 290 295 300 Arg Leu Ala Tyr Ser Asn Gly Lys Asp Asp Glu Gln Asn Phe Ile Gln 305 310 315 320 Asn Leu Ser Leu Phe Leu Cys Thr Phe Leu Lys Glu His Asp Gln Leu 325 330 335 Ile Glu Lys Arg Leu Asn Leu Arg Glu Thr Leu Met Glu Ala Leu His 340 345 350 Tyr Met Leu Leu Val Ser Glu Val Glu Glu Thr Glu Ile Phe Lys Ile 355 360 365 Cys Leu Glu Tyr Trp Asn His Leu Ala Ala Glu Leu Tyr Arg Glu Ser 370 375 380 Pro Phe Ser Thr Ser Ala Ser Pro Leu Leu Ser Gly Ser Gln His Phe 385 390 395 400 Asp Val Pro Pro Arg Arg Gln Leu Tyr Leu Pro Met Leu Phe Lys Val 405 410 415 Arg Leu Leu Met Val Ser Arg Met Ala Lys Pro Glu Glu Val Leu Val 420 425 430 Val Glu Asn Asp Gln Gly Glu Val Val Arg Glu Phe Met Lys Asp Thr 435 440 445 Asp Ser Ile Asn Leu Tyr Lys Asn Met Arg Glu Thr Leu Val Tyr Leu 450 455 460 Thr His Leu Asp Tyr Val Asp Thr Glu Arg Ile Met Thr Glu Lys Leu 465 470 475 480 His Asn Gln Val Asn Gly Thr Glu Trp Ser Trp Lys Asn Leu Asn Thr 485 490 495 Leu Cys Trp Ala Ile Gly Ser Ile Ser Gly Ala Met His Glu Glu Asp 500 505 510 Glu Lys Arg Phe Leu Val Thr Val Ile Lys Asp Leu Leu Gly Leu Cys 515 520 525 Glu Gln Lys Arg Gly Lys Asp Asn Lys Ala Ile Ile Ala Ser Asn Ile 530 535 540 Met Tyr Ile Val Gly Gln Tyr Pro Arg Phe Leu Arg Ala His Trp Lys 545 550 555 560 Phe Leu Lys Thr Val Val Asn Lys Leu Phe Glu Phe Met His Glu Thr 565 570 575 His Asp Gly Val Gln Asp Met Ala Cys Asp Thr Phe Ile Lys Ile Ala 580 585 590 Gln Lys Cys Arg Arg His Phe Val Gln Val Gln Val Gly Glu Val Met 595 600 605 Pro Phe Ile Asp Glu Ile Leu Asn Asn Ile Asn Thr Ile Ile Cys Asp 610 615 620 Leu Gln Pro Gln Gln Val His Thr Phe Tyr Glu Ala Val Gly Tyr Met 625 630 635 640 Ile Gly Ala Gln Thr Asp Gln Thr Val Gln Glu His Leu Ile Glu Lys 645 650 655 Tyr Met Leu Leu Pro Asn Gln Val Trp Asp Ser Ile Ile Gln Gln Ala 660 665 670 Thr Lys Asn Val Asp Ile Leu Lys Asp Pro Glu Thr Val Lys Gln Leu 675 680 685 Gly Ser Ile Leu Lys Thr Asn Val Arg Ala Cys Lys Ala Val Gly His 690 695 700 Pro Phe Val Ile Gln Leu Gly Arg Ile Tyr Leu Asp Met Leu Asn Val 705 710 715 720 Tyr Lys Cys Leu Ser Glu Asn Ile Ser Ala Ala Ile Gln Ala Asn Gly 725 730 735 Glu Met Val Thr Lys Gln Pro Leu Ile Arg Ser Met Arg Thr Val Lys 740 745 750 Arg Glu Thr Leu Lys Leu Ile Ser Gly Trp Val Ser Arg Ser Asn Asp 755 760 765 Pro Gln Met Val Ala Glu Asn Phe Val Pro Pro Leu Leu Asp Ala Val 770 775 780 Leu Ile Asp Tyr Gln Arg Asn Val Pro Ala Ala Arg Glu Pro Glu Val 785 790 795 800 Leu Ser Thr Met Ala Ile Ile Val Asn Lys Leu Gly Gly His Ile Thr 805 810 815 Ala Glu Ile Pro Gln Ile Phe Asp Ala Val Phe Glu Cys Thr Leu Asn 820 825 830 Met Ile Asn Lys Asp Phe Glu Glu Tyr Pro Glu His Arg Thr Asn Phe 835 840 845 Phe Leu Leu Leu Gln Ala Val Asn Ser His Cys Phe Pro Ala Phe Leu 850 855 860 Ala Ile Pro Pro Thr Gln Phe Lys Leu Val Leu Asp Ser Ile Ile Trp 865 870 875 880 Ala Phe Lys His Thr Met Arg Asn Val Ala Asp Thr Gly Leu Gln Ile 885 890 895 Leu Phe Thr Leu Leu Gln Asn Val Ala Gln Glu Glu Ala Ala Ala Gln 900 905 910 Ser Phe Tyr Gln Thr Tyr Phe Cys Asp Ile Leu Gln His Ile Phe Ser 915 920 925 Val Val Thr Asp Thr Ser His Thr Ala Gly Leu Thr Met His Ala Ser 930 935 940 Ile Leu Ala Tyr Met Phe Asn Leu Val Glu Glu Gly Lys Ile Ser Thr 945 950 955 960 Ser Leu Asn Pro Gly Asn Pro Val Asn Asn Gln Ile Phe Leu Gln Glu 965 970 975 Tyr Val Ala Asn Leu Leu Lys Ser Ala Phe Pro His Leu Gln Asp Ala 980 985 990 Gln Val Lys Leu Phe Val Thr Gly Leu Phe Ser Leu Asn Gln Asp Ile 995 1000 1005 Pro Ala Phe Lys Glu His Leu Arg Asp Phe Leu Val Gln Ile Lys Glu 1010 1015 1020 Phe Ala Gly Glu Asp Thr Ser Asp Leu Phe Leu Glu Glu Arg Glu Ile 1025 1030 1035 1040 Ala Leu Arg Gln Ala Asp Glu Glu Lys His Lys Arg Gln Met Ser Val 1045 1050 1055 Pro Gly Ile Phe Asn Pro His Glu Ile Pro Glu Glu Met Cys Asp 1060 1065 1070
【0066】
【配列番号:2】 配列の長さ:3213 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGCCAGCAA TTATGACAAT GTTAGCAGAC CATGCAGCTC GTCAGCTGCT TGATTTCAGC 60 CAAAAACTGG ATATCAACTT ATTAGATAAT GTGGTGAATT GCTTATACCA TGGAGAAGGA 120 GCCCAGCAAA GAATGGCTCA AGAAGTACTG ACACATTTAA AGGAGCATCC TGATGCTTGG 180 ACAAGAGTCG ACACAATTTT GGAATTTTCT CAGAATATGA ATACGAAATA CTATGGACTA 240 CAAATTTTGG AAAATGTGAT AAAAACAAGG TGGAAGATTC TTCCAAGGAA CCAGTGCGAA 300 GGAATAAAAA AATACGTTGT TGGCCTCATT ATCAAGACGT CATCTGACCC AACTTGTGTA 360 GAGAAAGAAA AGGTGTATAT CGGAAAATTA AATATGATCC TTGTTCAGAT ACTGAAACAA 420 GAATGGCCCA AACATTGGCC AACTTTTATC AGTGATATTG TTGGAGCAAG TAGGACCAGC 480 GAAAGTCTCT GTCAAAATAA TATGGTGATT CTTAAACTCT TGAGTGAAGA AGTATTTGAT 540 TTCTCTAGTG GACAGATAAC CCAAGTCAAA TCTAAGCATT TAAAAGACAG CATGTGCAAT 600 GAATTCTCAC AGATATTTCA ACTGTGTCAG TTTGTAATGG AAAATTCTCA AAATGCTCCA 660 CTTGTACATG CAACCTTGGA AACATTGCTC AGATTTCTGA ACTGGATTCC CCTGGGATAT 720 ATTTTTGAGA CCAAATTAAT CAGCACATTG ATTTATAAGT TCCTGAATGT TCCAATGTTT 780 CGAAATGTCT CTCTGAAGTG CCTCACTGAG ATTGCTGGTG TGAGTGTAAG CCAATATGAA 840 GAACAATTTG TAACACTATT TACTCTGACA ATGATGCAAC TAAAGCAGAT GCTTCCTTTA 900 AATACCAATA TTCGACTTGC GTACTCAAAT GGGAAAGATG ATGAACAGAA CTTCATTCAA 960 AATCTCAGTT TGTTTCTCTG CACCTTTCTT AAGGAACATG ATCAACTTAT AGAAAAAAGA 1020 TTAAATCTCA GGGAAACTCT TATGGAGGCC CTTCATTATA TGTTGTTGGT ATCTGAAGTA 1080 GAAGAAACTG AAATCTTTAA AATTTGTCTT GAATACTGGA ATCATTTGGC TGCTGAACTC 1140 TATAGAGAGA GTCCATTCTC TACATCTGCC TCTCCGTTGC TTTCTGGAAG TCAACATTTT 1200 GATGTTCCTC CCAGGAGACA GCTATATTTG CCCATGTTAT TCAAGGTCCG TTTATTAATG 1260 GTTAGTCGAA TGGCTAAACC AGAGGAAGTA TTGGTTGTAG AGAATGATCA AGGAGAAGTT 1320 GTGAGAGAAT TCATGAAGGA TACAGATTCC ATAAATTTGT ATAAGAATAT GAGGGAAACA 1380 TTGGTTTATC TTACTCATCT GGATTATGTA GATACAGAAA GAATAATGAC AGAGAAGCTT 1440 CACAATCAAG TGAATGGTAC AGAGTGGTCA TGGAAAAATT TGAATACATT GTGTTGGGCA 1500 ATAGGCTCCA TTAGTGGAGC AATGCATGAA GAGGACGAAA AACGATTTCT TGTTACTGTT 1560 ATAAAGGATC TATTAGGATT ATGTGAACAG AAAAGAGGCA AAGATAATAA AGCTATTATT 1620 GCATCAAATA TCATGTACAT AGTAGGTCAA TACCCACGTT TTTTGAGAGC TCACTGGAAA 1680 TTTCTGAAGA CTGTAGTTAA CAAGCTGTTC GAATTCATGC ATGAGACCCA TGATGGAGTC 1740 CAGGATATGG CTTGTGATAC TTTCATTAAA ATAGCCCAAA AATGCCGCAG GCATTTCGTT 1800 CAGGTTCAGG TTGGAGAAGT GATGCCATTT ATTGATGAAA TTTTGAACAA CATTAACACT 1860 ATTATTTGTG ATCTTCAGCC TCAACAGGTT CATACGTTTT ATGAAGCTGT GGGGTACATG 1920 ATTGGTGCAC AAACAGATCA AACAGTACAA GAACACTTGA TAGAAAAGTA CATGTTACTC 1980 CCTAATCAAG TGTGGGATAG TATAATCCAG CAGGCAACCA AAAATGTGGA TATACTGAAA 2040 GATCCTGAAA CAGTCAAGCA GCTTGGTAGC ATTTTGAAAA CAAATGTGAG AGCCTGCAAA 2100 GCTGTTGGAC ACCCCTTTGT AATTCAGCTT GGAAGAATTT ATTTAGATAT GCTTAATGTA 2160 TACAAGTGCC TCAGTGAAAA TATTTCTGCA GCTATCCAAG CTAATGGTGA AATGGTTACA 2220 AAGCAACCAT TGATTAGAAG TATGCGAACT GTAAAAAGGG AAACTTTAAA GTTAATATCT 2280 GGTTGGGTGA GCCGATCCAA TGATCCACAG ATGGTCGCTG AAAATTTTGT TCCCCCTCTG 2340 TTGGATGCAG TTCTCATTGA TTATCAGAGA AATGTCCCAG CTGCTAGAGA ACCAGAAGTG 2400 CTTAGTACTA TGGCCATAAT TGTCAACAAG TTAGGGGGAC ATATAACAGC TGAAATACCT 2460 CAAATATTTG ATGCTGTTTT TGAATGCACA TTGAATATGA TAAATAAGGA CTTTGAAGAA 2520 TATCCTGAAC ATAGAACGAA CTTTTTCTTA CTACTTCAGG CTGTCAATTC TCATTGTTTC 2580 CCAGCATTCC TTGCTATTCC ACCTACACAG TTTAAACTTG TTTTGGATTC CATCATTTGG 2640 GCTTTCAAAC ATACTATGAG GAATGTCGCA GATACGGGCT TACAGATACT TTTTACACTC 2700 TTACAAAATG TTGCACAAGA AGAAGCTGCA GCTCAGAGTT TTTATCAAAC TTATTTTTGT 2760 GATATTCTCC AGCATATCTT TTCTGTTGTG ACAGACACTT CACATACTGC TGGTTTAACA 2820 ATGCATGCAT CAATTCTTGC ATATATGTTT AATTTGGTTG AAGAAGGAAA AATAAGTACA 2880 TCATTAAATC CTGGAAATCC AGTTAACAAC CAAATCTTTC TTCAGGAATA TGTGGCTAAT 2940 CTCCTTAAGT CGGCCTTCCC TCACCTACAA GATGCTCAAG TAAAGCTCTT TGTGACAGGG 3000 CTTTTCAGCT TAAATCAAGA TATTCCTGCT TTCAAGGAAC ATTTAAGAGA TTTCCTAGTT 3060 CAAATAAAGG AATTTGCAGG TGAAGACACT TCTGATTTGT TTTTGGAAGA GAGAGAAATA 3120 GCCCTACGGC AGGCTGATGA AGAGAAACAT AAACGTCAAA TGTCTGTCCC TGGCATCTTT 3180 AATCCACATG AGATTCCAGA AGAAATGTGT GAT 3213
【0067】
【配列番号:3】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTCAATCTCT GGTAATCTAT GCCAGC 26
【0068】
【配列番号:4】 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTAGTGTTCT TAAAGCACTA CAGCTTGG 28
【配列番号:5】 配列の長さ:49 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CGGCTCGAGG CCCGGGGATC CATATGCCAG CAATTATGAC AATGTTAGC 49
【配列番号:6】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAGCGGATAA CAATTTCACA CAGG 24
【配列番号:7】 配列の長さ:24 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Glu Phe Ala Gly Glu Asp Thr Ser Asp Leu Phe Leu Glu Glu Arg Glu 1 5 10 15 Ile Ala Leu Arg 20
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のタンパク質をコー
ドするDNAの塩基配列およびそれにコードされるアミ
ノ酸配列を示す。
【図2】実施例1で得られた本発明のタンパク質をコー
ドするDNAの塩基配列およびそれにコードされるアミ
ノ酸配列を示す。図1の続きである。
【図3】実施例4で行われたHeLa細胞全蛋白質のSDS
−ポリアクリルゲル電気泳動によるウエスタンブロット
解析の結果を示す(電気泳動写真)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ABS C12N 1/19 ACJ 1/21 ACS C12P 21/02 C ADT C12Q 1/68 A ADU G01N 33/53 D ADY 33/576 B ADZ A61K 39/395 E 48/00 AAH T C07K 14/47 C12P 21/08 16/18 A61K 37/02 ABE C12N 1/19 ABG 1/21 ABJ 5/10 ABS C12P 21/02 ACJ C12Q 1/68 ACS G01N 33/53 ADT 33/576 ADU // A61K 39/395 ADY ADZ C12P 21/08 C12N 5/00 B (C12N 1/19 C12R 1:645) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:125) (C12P 21/02 C12R 1:645) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
    パク質またはその塩。
  2. 【請求項2】転写因子の抑制因子である請求項1記載の
    タンパク質。
  3. 【請求項3】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタンパク質または請求項3
    記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有するDN
    Aを含有するDNA。
  5. 【請求項5】配列番号:2で表わされる塩基配列を有す
    る請求項4記載のDNA。
  6. 【請求項6】請求項4記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  7. 【請求項7】請求項6記載の組換えベクターを保持する
    形質転換体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の形質転換体を培養し、請求
    項1記載のタンパク質またはその塩を生成、蓄積せし
    め、これを採取することを特徴とする請求項1記載のタ
    ンパク質またはその塩の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1記載のタンパク質、請求項3記載
    の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医薬。
  10. 【請求項10】請求項4記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  11. 【請求項11】腫瘍の治療・予防剤である請求項9また
    は10記載の医薬。
  12. 【請求項12】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体。
  13. 【請求項13】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする請求項1記載のタンパク質、請求項3記載の部分
    ペプチドまたはそれらの塩の機能を促進する化合物また
    はその塩のスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】機能が転写因子の抑制作用である請求項
    13記載のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】請求項1記載のタンパク質、請求項3記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有することを特
    徴とする請求項1記載のタンパク質、請求項3記載の部
    分ペプチドまたはそれらの塩の機能を促進する化合物ま
    たはその塩のスクリーニング用キット。
  16. 【請求項16】機能が転写因子の抑制作用である請求項
    15記載のスクリーニング用キット。
  17. 【請求項17】請求項13記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項15記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる化合物またはその塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005102039A1 (ja) * 2004-04-20 2005-11-03 Hokkaido Technology Licensing Office Co., Ltd. ヒトレトロウイルス感受性トランスジェニック非ヒト動物細胞およびヒトレトロウイルス感受性トランスジェニック非ヒト動物モデル

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WO2005102039A1 (ja) * 2004-04-20 2005-11-03 Hokkaido Technology Licensing Office Co., Ltd. ヒトレトロウイルス感受性トランスジェニック非ヒト動物細胞およびヒトレトロウイルス感受性トランスジェニック非ヒト動物モデル

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