JP2003079373A - 新規なジンクフィンガータンパク質ezi及びその遺伝子 - Google Patents
新規なジンクフィンガータンパク質ezi及びその遺伝子Info
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- JP2003079373A JP2003079373A JP2001272771A JP2001272771A JP2003079373A JP 2003079373 A JP2003079373 A JP 2003079373A JP 2001272771 A JP2001272771 A JP 2001272771A JP 2001272771 A JP2001272771 A JP 2001272771A JP 2003079373 A JP2003079373 A JP 2003079373A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】新規なジンクフィンガータンパク質EZI及びそ
の遺伝子の提供。 【解決手段】新規なジンクフィンガータンパク質EZI(e
ndothelial zinc fingerprotein)、該タンパク質をコ
ードするEZI遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクタ
ー、該組換えベクターを含む形質転換体及びEZIタンパ
ク質の製造方法。
の遺伝子の提供。 【解決手段】新規なジンクフィンガータンパク質EZI(e
ndothelial zinc fingerprotein)、該タンパク質をコ
ードするEZI遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクタ
ー、該組換えベクターを含む形質転換体及びEZIタンパ
ク質の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なジンクフィ
ンガータンパク質EZI(endothelial zinc fingerprotei
n)、該タンパク質をコードするEZI遺伝子、該遺伝子を
含有する組換えベクター、該組換えベクターを含む形質
転換体及びEZIタンパク質の製造方法等に関する。
ンガータンパク質EZI(endothelial zinc fingerprotei
n)、該タンパク質をコードするEZI遺伝子、該遺伝子を
含有する組換えベクター、該組換えベクターを含む形質
転換体及びEZIタンパク質の製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】オンコスタチンM(OSM)は、マクロフ
ァージ細胞株をPMA(ホルボール12-ミリステート13-ア
セテート)で刺激することにより分泌されるタンパク質
で、当初、正常細胞には影響を与えず、メラノーマ細胞
株(A375)などの腫瘍細胞の増殖を阻止する因子として
同定された[Malik,N. et al.:Mol.Cell.Biol., 9:2847-
2853(1989)]。その後の研究で、OSMは、カポジ肉腫、内
皮細胞及び筋細胞等の増殖刺激活性を含む様々な活性を
有する多機能サイトカインであることが明らかとなっ
た。
ァージ細胞株をPMA(ホルボール12-ミリステート13-ア
セテート)で刺激することにより分泌されるタンパク質
で、当初、正常細胞には影響を与えず、メラノーマ細胞
株(A375)などの腫瘍細胞の増殖を阻止する因子として
同定された[Malik,N. et al.:Mol.Cell.Biol., 9:2847-
2853(1989)]。その後の研究で、OSMは、カポジ肉腫、内
皮細胞及び筋細胞等の増殖刺激活性を含む様々な活性を
有する多機能サイトカインであることが明らかとなっ
た。
【0003】ところで、マウスの胚発生の過程におい
て、造血は、交配後約7.5日目に胚の卵黄嚢中で開始さ
れる。造血開始後、有核赤血球中での胚型グロビンの特
異的発現が観察される原始造血の期間を経て、大動脈−
生殖隆起−中腎領域〔AGM(aorta-gonad-mesonephros)
領域〕において成体型の二次造血が始まる。このAGM領
域では、前記OSMの作用によって、血管内皮細胞が増殖
してクラスターを形成し、血球細胞が産生されることが
知られている。しかし、OSMの作用によって惹起される
細胞内イベントについては不明な点が多い。
て、造血は、交配後約7.5日目に胚の卵黄嚢中で開始さ
れる。造血開始後、有核赤血球中での胚型グロビンの特
異的発現が観察される原始造血の期間を経て、大動脈−
生殖隆起−中腎領域〔AGM(aorta-gonad-mesonephros)
領域〕において成体型の二次造血が始まる。このAGM領
域では、前記OSMの作用によって、血管内皮細胞が増殖
してクラスターを形成し、血球細胞が産生されることが
知られている。しかし、OSMの作用によって惹起される
細胞内イベントについては不明な点が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、AGM領域由
来の細胞中でOSMによる刺激によって誘導発現される新
規なジンクフィンガータンパク質EZI、該タンパク質を
コードするEZI遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベク
ター、該組換えベクターを含む形質転換体及びEZIタン
パク質の製造方法等を提供することを目的とする。
来の細胞中でOSMによる刺激によって誘導発現される新
規なジンクフィンガータンパク質EZI、該タンパク質を
コードするEZI遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベク
ター、該組換えベクターを含む形質転換体及びEZIタン
パク質の製造方法等を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、AGM領域由来の
細胞株LOを用いたcDNAサブトラクション法により、OSM
によって誘導される新規遺伝子EZIを同定・分離し、当
該遺伝子によってコードされるEZIタンパク質が、STAT3
タンパク質への結合能を有するとともに、STAT3タンパ
ク質によって活性化される遺伝子の発現をSTAT3タンパ
ク質と同様に、活性化することを証明することに成功
し、本発明を完成するに至った。
を解決するため鋭意研究を行った結果、AGM領域由来の
細胞株LOを用いたcDNAサブトラクション法により、OSM
によって誘導される新規遺伝子EZIを同定・分離し、当
該遺伝子によってコードされるEZIタンパク質が、STAT3
タンパク質への結合能を有するとともに、STAT3タンパ
ク質によって活性化される遺伝子の発現をSTAT3タンパ
ク質と同様に、活性化することを証明することに成功
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(21)で
ある。 (1) 配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若しく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質又はそ
の塩。 (2) 前記タンパク質が、C2H2型のジンクフィンガード
メインを有し、STATタンパク質に対する結合能を有する
ことを特徴とする前記(1)のタンパク質又はその塩。 (3) 前記STATタンパク質が、STAT3タンパク質又はSTAT5
タンパク質であることを特徴とする前記(2)のタンパク
質又はその塩。
ある。 (1) 配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若しく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質又はそ
の塩。 (2) 前記タンパク質が、C2H2型のジンクフィンガード
メインを有し、STATタンパク質に対する結合能を有する
ことを特徴とする前記(1)のタンパク質又はその塩。 (3) 前記STATタンパク質が、STAT3タンパク質又はSTAT5
タンパク質であることを特徴とする前記(2)のタンパク
質又はその塩。
【0007】(4) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク
質の部分ペプチド又はその塩。 (5) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又は前記(4)
のペプチドをコードする塩基配列を含むことを特徴とす
るポリヌクレオチド。 (6) 前記ポリヌクレオチドがDNAであることを特徴とす
る前記(5)のポリヌクレオチド。
質の部分ペプチド又はその塩。 (5) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又は前記(4)
のペプチドをコードする塩基配列を含むことを特徴とす
るポリヌクレオチド。 (6) 前記ポリヌクレオチドがDNAであることを特徴とす
る前記(5)のポリヌクレオチド。
【0008】(7) 配列番号1で表される塩基配列又は
それらとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を有するポリヌクレオチド。 (8) 前記ポリヌクレオチドがDNAであることを特徴とす
る前記(7)のポリヌクレオチド。 (9) 前記(5)〜(8)のいずれかのポリヌクレオチドを含
有する組換えベクター。
それらとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を有するポリヌクレオチド。 (8) 前記ポリヌクレオチドがDNAであることを特徴とす
る前記(7)のポリヌクレオチド。 (9) 前記(5)〜(8)のいずれかのポリヌクレオチドを含
有する組換えベクター。
【0009】(10) 前記(9)の組換えベクターを含有す
る形質転換体。 (11) 前記(10)の形質転換体を培養し、前記(1)〜(3)の
いずれかのタンパク質又は前記(4)のペプチドを生成・
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする前記(1)
〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩、あるいは前
記(4)のペプチド又はその塩の製造方法。 (12) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその
塩、あるいは前記(4)の部分ペプチドまたはその塩に対
する抗体。
る形質転換体。 (11) 前記(10)の形質転換体を培養し、前記(1)〜(3)の
いずれかのタンパク質又は前記(4)のペプチドを生成・
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする前記(1)
〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩、あるいは前
記(4)のペプチド又はその塩の製造方法。 (12) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその
塩、あるいは前記(4)の部分ペプチドまたはその塩に対
する抗体。
【0010】(13) 前記(12)の抗体に対して、前記(1)
〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩あるいは前記
(4)の部分ペプチド又はその塩を含有する被検液、及び
標識化された前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又は
その塩あるいは標識化された前記(4)の部分ペプチド又
はその塩を競合的に反応させることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩あるいは前
記(4)の部分ペプチド又はその塩の定量方法。 (14) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩
あるいは前記(4)の部分ペプチド又はその塩を使用する
ことを特徴とする、該タンパク質又はその塩あるいは該
部分ペプチド又はその塩とSTATタンパク質との間の結合
を阻害又は促進する化合物のスクリーニング方法。 (15) 前記スクリーニング方法が、標識した前記(1)〜
(3)のいずれかのタンパク質又はその塩あるいは標識し
た前記(4)の部分ペプチド又はその塩と、STATタンパク
質とを、試験化合物の非存在下で接触させた場合、及
び、該標識したタンパク質又はその塩あるいは該標識し
た部分ペプチド又はその塩と、STATタンパク質とを、試
験化合物の存在下で接触させた場合における、該標識し
たタンパク質又はその塩あるいは該標識した部分ペプチ
ド又はその塩のSTATタンパク質に対する結合量をぞれぞ
れ測定し、比較する工程を包含すること特徴とする前記
(14)のスクリーニング方法。
〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩あるいは前記
(4)の部分ペプチド又はその塩を含有する被検液、及び
標識化された前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又は
その塩あるいは標識化された前記(4)の部分ペプチド又
はその塩を競合的に反応させることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩あるいは前
記(4)の部分ペプチド又はその塩の定量方法。 (14) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩
あるいは前記(4)の部分ペプチド又はその塩を使用する
ことを特徴とする、該タンパク質又はその塩あるいは該
部分ペプチド又はその塩とSTATタンパク質との間の結合
を阻害又は促進する化合物のスクリーニング方法。 (15) 前記スクリーニング方法が、標識した前記(1)〜
(3)のいずれかのタンパク質又はその塩あるいは標識し
た前記(4)の部分ペプチド又はその塩と、STATタンパク
質とを、試験化合物の非存在下で接触させた場合、及
び、該標識したタンパク質又はその塩あるいは該標識し
た部分ペプチド又はその塩と、STATタンパク質とを、試
験化合物の存在下で接触させた場合における、該標識し
たタンパク質又はその塩あるいは該標識した部分ペプチ
ド又はその塩のSTATタンパク質に対する結合量をぞれぞ
れ測定し、比較する工程を包含すること特徴とする前記
(14)のスクリーニング方法。
【0011】(16) 前記STATタンパク質が、STAT3又はS
TAT5であることを特徴とする前記(14)又は(15)のスクリ
ーニング方法。 (17) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩
及び/あるいは前記(4)の部分ペプチド又はその塩を構
成要素として含むことを特徴とする該タンパク質又はそ
の塩あるいは該部分ペプチド又はその塩とSTATタンパク
質との間の結合を阻害又は促進する化合物のスクリーニ
ング用キット。 (18) 構成要素として、さらにSTATタンパク質を含むこ
とを特徴とする前記(17)のスクリーニング用キット。
TAT5であることを特徴とする前記(14)又は(15)のスクリ
ーニング方法。 (17) 前記(1)〜(3)のいずれかのタンパク質又はその塩
及び/あるいは前記(4)の部分ペプチド又はその塩を構
成要素として含むことを特徴とする該タンパク質又はそ
の塩あるいは該部分ペプチド又はその塩とSTATタンパク
質との間の結合を阻害又は促進する化合物のスクリーニ
ング用キット。 (18) 構成要素として、さらにSTATタンパク質を含むこ
とを特徴とする前記(17)のスクリーニング用キット。
【0012】(19) 前記STATタンパク質が、STAT3タン
パク質又はSTAT5タンパク質であることを特徴とする前
記(18)のスクリーニング用キット。 (20) 前記(14)〜(16)のいずれかのスクリーニング方法
又は前記(17)〜(19)のいずれかのスクリーニング用キッ
トを使用して得られる、前記(1)〜(3)のいずれかのタン
パク質又はその塩あるいは前記(4)の部分ペプチド又は
その塩と、STATタンパク質との間の結合を阻害又は促進
する化合物。 (21) 前記(20)の化合物を含有することを特徴とする薬
学的組成物。以下、本発明を詳細に説明する。
パク質又はSTAT5タンパク質であることを特徴とする前
記(18)のスクリーニング用キット。 (20) 前記(14)〜(16)のいずれかのスクリーニング方法
又は前記(17)〜(19)のいずれかのスクリーニング用キッ
トを使用して得られる、前記(1)〜(3)のいずれかのタン
パク質又はその塩あるいは前記(4)の部分ペプチド又は
その塩と、STATタンパク質との間の結合を阻害又は促進
する化合物。 (21) 前記(20)の化合物を含有することを特徴とする薬
学的組成物。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において新規に見出したタ
ンパク質は、マウス胚のAGM領域由来細胞株LOをオンコ
スタチンMで刺激したときに発現誘導されるジンクフィ
ンガータンパク質EZIである。EZIタンパク質のアミノ酸
配列は配列番号2で表され、当該アミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も本発明の
範囲内に含まれる。
ンパク質は、マウス胚のAGM領域由来細胞株LOをオンコ
スタチンMで刺激したときに発現誘導されるジンクフィ
ンガータンパク質EZIである。EZIタンパク質のアミノ酸
配列は配列番号2で表され、当該アミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も本発明の
範囲内に含まれる。
【0014】1.本発明のタンパク質及びその部分ペプ
チド 本発明の配列番号2で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例
えば、ヒトや温血動物(例えば、マウス、ラット、モル
モット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル
等)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリ
ア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ラ
ンゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊
維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞、巨
核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、若しくは間質細胞、又はこれらの細胞の
前駆細胞等)若しくはそれらの細胞が存在するあらゆる
組識(例えば、脳、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝
臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末
梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨
格筋等)又は血球系細胞若しくはその培養細胞株等に由
来するタンパク質であってもよく、合成タンパク質であ
ってもよい。
チド 本発明の配列番号2で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例
えば、ヒトや温血動物(例えば、マウス、ラット、モル
モット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル
等)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリ
ア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ラ
ンゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊
維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞、巨
核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、若しくは間質細胞、又はこれらの細胞の
前駆細胞等)若しくはそれらの細胞が存在するあらゆる
組識(例えば、脳、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝
臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末
梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨
格筋等)又は血球系細胞若しくはその培養細胞株等に由
来するタンパク質であってもよく、合成タンパク質であ
ってもよい。
【0015】配列番号2で表されるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質とは、配列番
号2で表されるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは
約70%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含むタン
パク質が挙げられる。本発明の配列番号2で表されるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパ
ク質としては、例えば、前記の配列番号2で表されるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列
番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質と実質
的に同一の生理活性を有するタンパク質が好ましい。
的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質とは、配列番
号2で表されるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは
約70%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含むタン
パク質が挙げられる。本発明の配列番号2で表されるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパ
ク質としては、例えば、前記の配列番号2で表されるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列
番号2で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質と実質
的に同一の生理活性を有するタンパク質が好ましい。
【0016】配列番号2で表されるアミノ酸配列を含む
タンパク質と実質的に同一の生理活性とは、当該タンパ
ク質が生体内で元来有している生理活性と、生物学的又
は生理学的に同質の活性をいい、例えば、STAT3タンパ
ク質によって活性化されるプロモーター(例えば、APRE
プロモーター、β-caseinプロモーター、CISプロモータ
ー、OSMプロモーター等)をSTAT3タンパク質と共同して
活性化する活性、STAT5タンパク質によって活性化され
るプロモーター(例えば、APREプロモーター、β-casei
nプロモーター、CISプロモーター、OSMプロモーター
等)をSTAT5タンパク質と共同して活性化する活性、STA
T3タンパク質との結合親和性、STAT5タンパク質との結
合親和性等が挙げられる。従って、STAT3タンパク質及
び/又はSTAT5タンパク質との結合親和性の強さ等の活
性が同等(例えば、約0.1〜20倍、好ましくは約0.5〜2
倍)であることが好ましいが、これらの活性の強弱、タ
ンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよ
い。例えば、STAT3タンパク質及び/又はSTAT5タンパク
質との結合親和性の測定は、自体公知の方法に準じて行
うことができるが、例えば、後述するスクリーニング方
法の項に記載方法に従って測定することができる。
タンパク質と実質的に同一の生理活性とは、当該タンパ
ク質が生体内で元来有している生理活性と、生物学的又
は生理学的に同質の活性をいい、例えば、STAT3タンパ
ク質によって活性化されるプロモーター(例えば、APRE
プロモーター、β-caseinプロモーター、CISプロモータ
ー、OSMプロモーター等)をSTAT3タンパク質と共同して
活性化する活性、STAT5タンパク質によって活性化され
るプロモーター(例えば、APREプロモーター、β-casei
nプロモーター、CISプロモーター、OSMプロモーター
等)をSTAT5タンパク質と共同して活性化する活性、STA
T3タンパク質との結合親和性、STAT5タンパク質との結
合親和性等が挙げられる。従って、STAT3タンパク質及
び/又はSTAT5タンパク質との結合親和性の強さ等の活
性が同等(例えば、約0.1〜20倍、好ましくは約0.5〜2
倍)であることが好ましいが、これらの活性の強弱、タ
ンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよ
い。例えば、STAT3タンパク質及び/又はSTAT5タンパク
質との結合親和性の測定は、自体公知の方法に準じて行
うことができるが、例えば、後述するスクリーニング方
法の項に記載方法に従って測定することができる。
【0017】また、本発明のタンパク質としては、例え
ば、配列番号2で表されるアミノ酸配列中の1又は2個
以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失し
たアミノ酸配列、配列番号2で表わされるアミノ酸配列
に1又は2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好
ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個)のアミ
ノ酸が付加又は挿入されたアミノ酸配列、配列番号2で
表わされるアミノ酸配列中の1又は2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列、又はそれらを組み合わせたアミノ酸
配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含
まれる。
ば、配列番号2で表されるアミノ酸配列中の1又は2個
以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜
10個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失し
たアミノ酸配列、配列番号2で表わされるアミノ酸配列
に1又は2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好
ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個)のアミ
ノ酸が付加又は挿入されたアミノ酸配列、配列番号2で
表わされるアミノ酸配列中の1又は2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列、又はそれらを組み合わせたアミノ酸
配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含
まれる。
【0018】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
表記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号2で表
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとす
る、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキシル
基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)である
が、C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COO
R)であってもよい。ここでエステルにおけるRとして
は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピ
ルもしくはn-ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロア
ルキル基、例えば、フェニル、α-ナフチルなどのC
6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチル、α-
ナフチルメチルなどのC6-12アリール-C1-2アルキル基
のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオ
キシメチルエステルなどが用いられる。
表記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号2で表
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとす
る、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキシル
基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)である
が、C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COO
R)であってもよい。ここでエステルにおけるRとして
は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピ
ルもしくはn-ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロア
ルキル基、例えば、フェニル、α-ナフチルなどのC
6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチル、α-
ナフチルメチルなどのC6-12アリール-C1-2アルキル基
のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオ
キシメチルエステルなどが用いられる。
【0019】本発明のタンパク質がC末端以外にカルボ
キシル基(又はカルボキシレート)を有している場合、
カルボキシル基がアミド化またはエステル化されている
ものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエス
テルとしては、例えば、上記したC末端のエステルなど
が用いられる。さらに、本発明のタンパク質には、N末
端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、生体内で切断されて生成するN末端の
グルタミン酸残基がピログルタミン化したもの、分子内
のアミノ酸の側鎖上にある、例えば、OH、COOH、NH2、S
Hなどが適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル
基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複
合タンパク質なども含まれる。本発明のタンパク質の具
体例としては、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含
有するタンパク質などが用いられる。
キシル基(又はカルボキシレート)を有している場合、
カルボキシル基がアミド化またはエステル化されている
ものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエス
テルとしては、例えば、上記したC末端のエステルなど
が用いられる。さらに、本発明のタンパク質には、N末
端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、生体内で切断されて生成するN末端の
グルタミン酸残基がピログルタミン化したもの、分子内
のアミノ酸の側鎖上にある、例えば、OH、COOH、NH2、S
Hなどが適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル
基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複
合タンパク質なども含まれる。本発明のタンパク質の具
体例としては、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含
有するタンパク質などが用いられる。
【0020】本発明のタンパク質は、C2H2型ジンクフィ
ンガーモチーフ、好ましくは、12個のC2H2型ジンクフィ
ンガーモチーフを有している。そして、本発明のタンパ
ク質は、STATタンパク質に結合し、APREプロモーター[T
akeda, T. et al.:J. Immunol. 153:4573-4582(199
4)]、β-caseinプロモーター[Wakao,H. et al.:EMBO J,
13:2182-2192(1994)]、OSMプロモーター[Yoshimura A.
et al.:EMBO J, 15:1055-1063(1996)]、CISプロモータ
ー[Matsumoto, A. et al.:Blood, 89:3148-3154(1997)]
等を活性化する。STATタンパク質としては、STAT3タン
パク質、STAT5タンパク質等が挙げられるが、本発明の
タンパク質は、特にSTAT3タンパク質と強く結合する。
ンガーモチーフ、好ましくは、12個のC2H2型ジンクフィ
ンガーモチーフを有している。そして、本発明のタンパ
ク質は、STATタンパク質に結合し、APREプロモーター[T
akeda, T. et al.:J. Immunol. 153:4573-4582(199
4)]、β-caseinプロモーター[Wakao,H. et al.:EMBO J,
13:2182-2192(1994)]、OSMプロモーター[Yoshimura A.
et al.:EMBO J, 15:1055-1063(1996)]、CISプロモータ
ー[Matsumoto, A. et al.:Blood, 89:3148-3154(1997)]
等を活性化する。STATタンパク質としては、STAT3タン
パク質、STAT5タンパク質等が挙げられるが、本発明の
タンパク質は、特にSTAT3タンパク質と強く結合する。
【0021】本発明のタンパク質の部分ペプチドとして
は、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであっ
て、本発明のタンパク質が有する生理活性を有するもの
であればいずれのものでもよい。例えば、本発明のタン
パク質の構成アミノ酸配列のうち100個以上、好ましく
は250個以上、さらに好ましくは350個以上、より好まし
くは450個以上、最も好ましくは550個以上のアミノ酸配
列を有し、EZIタンパク質の生理活性〔STAT3タンパク質
によって活性化されるプロモーター(例えば、APREプロ
モーター、β-caseinプロモーター、CISプロモーター、
OSMプロモーター等)をSTAT3タンパク質と共同して活性
化する活性、STAT5タンパク質によって活性化されるプ
ロモーター(例えば、APREプロモーター、β-caseinプ
ロモーター、CISプロモーター、OSMプロモーター等)を
STAT5タンパク質と共同して活性化する活性、STAT3タン
パク質との結合親和性、STAT5タンパク質との結合親和
性等〕を有するペプチドなどが用いられる。
は、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであっ
て、本発明のタンパク質が有する生理活性を有するもの
であればいずれのものでもよい。例えば、本発明のタン
パク質の構成アミノ酸配列のうち100個以上、好ましく
は250個以上、さらに好ましくは350個以上、より好まし
くは450個以上、最も好ましくは550個以上のアミノ酸配
列を有し、EZIタンパク質の生理活性〔STAT3タンパク質
によって活性化されるプロモーター(例えば、APREプロ
モーター、β-caseinプロモーター、CISプロモーター、
OSMプロモーター等)をSTAT3タンパク質と共同して活性
化する活性、STAT5タンパク質によって活性化されるプ
ロモーター(例えば、APREプロモーター、β-caseinプ
ロモーター、CISプロモーター、OSMプロモーター等)を
STAT5タンパク質と共同して活性化する活性、STAT3タン
パク質との結合親和性、STAT5タンパク質との結合親和
性等〕を有するペプチドなどが用いられる。
【0022】また、本発明の部分ペプチドは、そのアミ
ノ酸配列中の1又は2個以上(好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失し、ある
いは、そのアミノ酸配列に1又は2個以上(好ましく
は、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個)のアミノ酸が付加し、あるいは、そ
のアミノ酸配列中の1又は2個以上(好ましくは、1〜
10個程度、より好ましくは数個程度、さらに好ましくは
1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されて
いてもよい。また、本発明の部分ペプチドはC末端が通
常カルボキシル基(-COOH)又はカルボキシレート(-CO
O-)であるが、前記した本発明のタンパク質のごとく、
C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)で
あってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、前
記した本発明のタンパク質と同様に、N末端のメチオニ
ン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端
側が生体内で切断されて生成したグルタミル基がピログ
ルタミン化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換
基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖
が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなど
も含まれる。本発明の部分ペプチドは、STATタンパク質
(例えば、STAT3タンパク質、STAT5タンパク質)に対す
る結合能を有し、特に、STAT3タンパク質に対して、よ
り高い結合能を有している。
ノ酸配列中の1又は2個以上(好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失し、ある
いは、そのアミノ酸配列に1又は2個以上(好ましく
は、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個)のアミノ酸が付加し、あるいは、そ
のアミノ酸配列中の1又は2個以上(好ましくは、1〜
10個程度、より好ましくは数個程度、さらに好ましくは
1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されて
いてもよい。また、本発明の部分ペプチドはC末端が通
常カルボキシル基(-COOH)又はカルボキシレート(-CO
O-)であるが、前記した本発明のタンパク質のごとく、
C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)で
あってもよい。さらに、本発明の部分ペプチドには、前
記した本発明のタンパク質と同様に、N末端のメチオニ
ン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端
側が生体内で切断されて生成したグルタミル基がピログ
ルタミン化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換
基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖
が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなど
も含まれる。本発明の部分ペプチドは、STATタンパク質
(例えば、STAT3タンパク質、STAT5タンパク質)に対す
る結合能を有し、特に、STAT3タンパク質に対して、よ
り高い結合能を有している。
【0023】本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。また、無機塩
基(例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属、アルミニウムまたはアンモニウムなど)との塩、有
機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シ
クロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-
ジベンジルエチレンジアミンなど)との塩なども用いら
れる。本発明のタンパク質またはその塩は、前述したヒ
トや温血動物(例えば、マウス)の細胞または組織から
自体公知の方法によっても製造することもできるし、後
述する該タンパク質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。ヒトや哺乳動物(例えば、マウス)の組織または
細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物(例えば、マウ
ス)の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで
抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを
組合せることにより単離精製することができる。
ドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。また、無機塩
基(例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属、アルミニウムまたはアンモニウムなど)との塩、有
機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シ
クロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-
ジベンジルエチレンジアミンなど)との塩なども用いら
れる。本発明のタンパク質またはその塩は、前述したヒ
トや温血動物(例えば、マウス)の細胞または組織から
自体公知の方法によっても製造することもできるし、後
述する該タンパク質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。ヒトや哺乳動物(例えば、マウス)の組織または
細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物(例えば、マウ
ス)の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで
抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを
組合せることにより単離精製することができる。
【0024】本発明のタンパク質、その部分ペプチド若
しくはそれらの塩又はそれらのアミド体の合成には、通
常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。
そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、
ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、ア
ミノメチル樹脂、4-ベンジルオキシベンジルアルコール
樹脂、4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4
-ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、4-(2’,4’-ジメトキシフェ
ニルヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4-(2',4’-ジ
メトキシフェニル-Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂な
どを挙げることができる。このような樹脂を用い、α-
アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目
的とするタンパク質の配列通りに、自体公知の各種縮合
方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂か
らタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、
さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応
を実施し、目的のタンパク質、その部分ペプチドまたは
それらのアミド体を取得する。
しくはそれらの塩又はそれらのアミド体の合成には、通
常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。
そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、
ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、ア
ミノメチル樹脂、4-ベンジルオキシベンジルアルコール
樹脂、4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4
-ヒドロキシメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、4-(2’,4’-ジメトキシフェ
ニルヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4-(2',4’-ジ
メトキシフェニル-Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂な
どを挙げることができる。このような樹脂を用い、α-
アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目
的とするタンパク質の配列通りに、自体公知の各種縮合
方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂か
らタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、
さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応
を実施し、目的のタンパク質、その部分ペプチドまたは
それらのアミド体を取得する。
【0025】上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いるこ
とができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボ
ジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボ
ジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化に
はラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)ととも
に保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称
酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルと
してあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行った後に樹脂
に添加することができる。保護アミノ酸の活性化や樹脂
との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合反
応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択さ
れうる。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ
チルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲か
ら適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常
1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用い
たテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離
を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮
合を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合
が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダ
ゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することが
できる。
タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いるこ
とができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボ
ジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボ
ジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化に
はラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)ととも
に保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称
酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルと
してあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行った後に樹脂
に添加することができる。保護アミノ酸の活性化や樹脂
との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合反
応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択さ
れうる。例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ
チルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲か
ら適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常
1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用い
たテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離
を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮
合を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合
が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダ
ゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することが
できる。
【0026】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、tert-ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカ
ルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2-
ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチ
オイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、例
えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、tert-ブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2-ア
ダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル
エステル化)、アラルキルエステル化、(例えば、ベン
ジルエステル、4-ニトロベンジルエステル、4-メトキシ
ベンジルエステル、4-クロロベンジルエステル、ベンズ
ヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジ
ルオキシカルボニルヒドラジド化、tert-ブトキシカル
ボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによっ
て保護することができる。
ば、Z、Boc、tert-ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカ
ルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2-
ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチ
オイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、例
えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、tert-ブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2-ア
ダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル
エステル化)、アラルキルエステル化、(例えば、ベン
ジルエステル、4-ニトロベンジルエステル、4-メトキシ
ベンジルエステル、4-クロロベンジルエステル、ベンズ
ヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジ
ルオキシカルボニルヒドラジド化、tert-ブトキシカル
ボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによっ
て保護することができる。
【0027】セリンの水酸基は、例えば、エステル化ま
たはエーテル化によって保護することができる。このエ
ステル化に適する基としては、例えば、アセチル基など
の低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル
基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。ま
た、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル
基、テトラヒドロピラニル基、tert-ブチル基などであ
る。チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、
例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2-ニトロベンジル、Br-Z、tert
-ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾール
の保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-ト
リメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメ
チル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。原料の
カルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、
対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール
(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロ
フェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルア
ルコール、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシ
スクシミド、HOBt)とのエステル]などが用いられる。
原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、
対応するリン酸アミドが用いられる。
たはエーテル化によって保護することができる。このエ
ステル化に適する基としては、例えば、アセチル基など
の低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル
基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。ま
た、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル
基、テトラヒドロピラニル基、tert-ブチル基などであ
る。チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、
例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2-ニトロベンジル、Br-Z、tert
-ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾール
の保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-ト
リメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメ
チル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。原料の
カルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、
対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール
(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロ
フェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルア
ルコール、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシ
スクシミド、HOBt)とのエステル]などが用いられる。
原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、
対応するリン酸アミドが用いられる。
【0028】保護基の除去(脱離)方法としては、例え
ば、Pd黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素
気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフル
オロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、
ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペ
リジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また、液体ア
ンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上
記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行われるが、酸処理においては、例えば、アニソー
ル、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パ
ラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオ
ール、1,2-エタンジチオールなどのようなカチオン補足
剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾー
ル保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチ
オフェノール処理により除去され、トリプトファンのイ
ンドール保護基として用いられるホルミル基は上記1,2-
エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下
の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶
液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除
去される。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護
ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与
する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段か
ら適宜選択しうる。
ば、Pd黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素
気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフル
オロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、
ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペ
リジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また、液体ア
ンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上
記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行われるが、酸処理においては、例えば、アニソー
ル、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パ
ラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオ
ール、1,2-エタンジチオールなどのようなカチオン補足
剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾー
ル保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチ
オフェノール処理により除去され、トリプトファンのイ
ンドール保護基として用いられるホルミル基は上記1,2-
エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下
の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶
液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除
去される。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護
ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与
する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段か
ら適宜選択しうる。
【0029】タンパク質またはその部分ペプチドのアミ
ド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキ
シル末端アミノ酸のα-カルボキシル基をアミド化して
保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を
所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα
−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質(部分ペプ
チド)とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去し
たタンパク質(部分ペプチド)とを製造し、この両タン
パク質(部分ペプチド)を上記したような混合溶媒中で
縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様であ
る。縮合により得られた保護タンパク質を精製した後、
上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗タン
パク質(部分ペプチド)を得ることができる。この粗タ
ンパク質(部分ペプチド)は既知の各種精製手段を駆使
して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のタン
パク質(部分ペプチド)のアミド体を得ることができ
る。タンパク質またはその部分ペプチドのエステル体を
得るには、例えば、カルボキシル末端アミノ酸のα-カ
ルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エ
ステルとした後、タンパク質(部分ペプチド)のアミド
体と同様にして、所望のタンパク質(部分ペプチド)の
エステル体を得ることができる。
ド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキ
シル末端アミノ酸のα-カルボキシル基をアミド化して
保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を
所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα
−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質(部分ペプ
チド)とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去し
たタンパク質(部分ペプチド)とを製造し、この両タン
パク質(部分ペプチド)を上記したような混合溶媒中で
縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様であ
る。縮合により得られた保護タンパク質を精製した後、
上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗タン
パク質(部分ペプチド)を得ることができる。この粗タ
ンパク質(部分ペプチド)は既知の各種精製手段を駆使
して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のタン
パク質(部分ペプチド)のアミド体を得ることができ
る。タンパク質またはその部分ペプチドのエステル体を
得るには、例えば、カルボキシル末端アミノ酸のα-カ
ルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エ
ステルとした後、タンパク質(部分ペプチド)のアミド
体と同様にして、所望のタンパク質(部分ペプチド)の
エステル体を得ることができる。
【0030】本発明の部分ペプチドまたはそれらの塩
は、自体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本
発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断すること
によって製造することができる。ペプチドの合成法とし
ては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっ
てもよい。すなわち、本発明のタンパク質を構成し得る
部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的のペプチドを製造することができる。公知
の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、M.Bodans
zky及びM.A.Ondetti、ペプチド合成(Peptide Synthesi
s),Interscience Publishers,New York(1966年)、
SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e),Academic Press,New York(1965年)、泉屋信夫
他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)(1975年)
等に記載の方法を採用することができる。また、反応後
は、通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムク
ロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶な
どを組合せて本発明のタンパク質又はその部分ペプチド
を単離精製することができる。上記方法で得られるタン
パク質又はその部分ペプチドが遊離体である場合は、公
知の方法によって適当な塩に変換することができるし、
逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に
変換することができる。
は、自体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本
発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断すること
によって製造することができる。ペプチドの合成法とし
ては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっ
てもよい。すなわち、本発明のタンパク質を構成し得る
部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的のペプチドを製造することができる。公知
の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、M.Bodans
zky及びM.A.Ondetti、ペプチド合成(Peptide Synthesi
s),Interscience Publishers,New York(1966年)、
SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e),Academic Press,New York(1965年)、泉屋信夫
他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)(1975年)
等に記載の方法を採用することができる。また、反応後
は、通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムク
ロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶な
どを組合せて本発明のタンパク質又はその部分ペプチド
を単離精製することができる。上記方法で得られるタン
パク質又はその部分ペプチドが遊離体である場合は、公
知の方法によって適当な塩に変換することができるし、
逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に
変換することができる。
【0031】2.本発明のタンパク質又はその部分ペプ
チドをコードするポリヌクレオチド 本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチド(好
ましくは、DNA)としては、前述した本発明のタンパク
質をコードする塩基配列を含有するものであればいかな
るものであってもよい。また、前記した細胞・組織由来
のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリーよ
り自体公知の方法により単離されたもの、合成DNAのい
ずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組
織よりtotalRNA画分又はmRNA画分を調製したものを用い
て、直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Rea
ction(以下、RT-PCR法と略称する)によって単離する
こともできる。例えば、EZIタンパク質の全長配列(配
列番号2)をコードするDNA(配列番号1)は、マウス
胚AGM領域由来の細胞株(例えば、LO細胞)をオンコス
タチンMで刺激後、細胞からmRNAを調製し、得られたmR
NAに対して合成したcDNAを鋳型として、5’-atgagagaga
ccctggaggc-3’(配列番号3)及び5’-ttagaaaaagattgga
ggtg -3’(配列番号4)の塩基配列を有するプライマー
ペアを用いることにより、PCRによって容易に調製する
ことができる。
チドをコードするポリヌクレオチド 本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチド(好
ましくは、DNA)としては、前述した本発明のタンパク
質をコードする塩基配列を含有するものであればいかな
るものであってもよい。また、前記した細胞・組織由来
のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリーよ
り自体公知の方法により単離されたもの、合成DNAのい
ずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バ
クテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミ
ドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組
織よりtotalRNA画分又はmRNA画分を調製したものを用い
て、直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Rea
ction(以下、RT-PCR法と略称する)によって単離する
こともできる。例えば、EZIタンパク質の全長配列(配
列番号2)をコードするDNA(配列番号1)は、マウス
胚AGM領域由来の細胞株(例えば、LO細胞)をオンコス
タチンMで刺激後、細胞からmRNAを調製し、得られたmR
NAに対して合成したcDNAを鋳型として、5’-atgagagaga
ccctggaggc-3’(配列番号3)及び5’-ttagaaaaagattgga
ggtg -3’(配列番号4)の塩基配列を有するプライマー
ペアを用いることにより、PCRによって容易に調製する
ことができる。
【0032】本発明のタンパク質をコードするポリヌク
レオチドとしては、例えば、配列番号1で表される塩基
配列を含有するDNAや、配列番号1で表される塩基配列
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基
配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有す
るタンパク質と実質的に同一の生理活性、例えば、STAT
3タンパク質によって活性化されるプロモーター(例え
ば、APREプロモーター、β-caseinプロモーター、CISプ
ロモーター、OSMプロモーター等)をSTAT3タンパク質と
共同して活性化する活性、STAT5タンパク質によって活
性化されるプロモーター(例えば、APREプロモーター、
β-caseinプロモーター、CISプロモーター、OSMプロモ
ーター等)をSTAT5タンパク質と共同して活性化する活
性、STAT3タンパク質との結合親和性、STAT5タンパク質
との結合親和性等を有するタンパク質をコードするDNA
等が挙げられる。配列番号1で表される塩基配列とスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとし
ては、例えば、配列番号1で表される塩基配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
レオチドとしては、例えば、配列番号1で表される塩基
配列を含有するDNAや、配列番号1で表される塩基配列
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基
配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有す
るタンパク質と実質的に同一の生理活性、例えば、STAT
3タンパク質によって活性化されるプロモーター(例え
ば、APREプロモーター、β-caseinプロモーター、CISプ
ロモーター、OSMプロモーター等)をSTAT3タンパク質と
共同して活性化する活性、STAT5タンパク質によって活
性化されるプロモーター(例えば、APREプロモーター、
β-caseinプロモーター、CISプロモーター、OSMプロモ
ーター等)をSTAT5タンパク質と共同して活性化する活
性、STAT3タンパク質との結合親和性、STAT5タンパク質
との結合親和性等を有するタンパク質をコードするDNA
等が挙げられる。配列番号1で表される塩基配列とスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとし
ては、例えば、配列番号1で表される塩基配列と約70%
以上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0033】ハイブリダイゼーションは、自体公知の方
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd[J.Sambrook et
al.,Cold Spring HarborLab.Press,1989]に記載の方法
などに従って行うことができる。また、市販のライブラ
リーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に
従って行うことができる。より好ましくは、ストリンジ
ェントな条件に従って行うことができる。ストリンジェ
ントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40m
M、好ましくは約19〜20mM、温度が約50〜70℃、好まし
くは約60〜65℃の条件をいう。特に、ナトリウム濃度が
約19mMで、温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具
体的には、配列番号2のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をコードするDNAとしては、配列番号1で表される
塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd[J.Sambrook et
al.,Cold Spring HarborLab.Press,1989]に記載の方法
などに従って行うことができる。また、市販のライブラ
リーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に
従って行うことができる。より好ましくは、ストリンジ
ェントな条件に従って行うことができる。ストリンジェ
ントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40m
M、好ましくは約19〜20mM、温度が約50〜70℃、好まし
くは約60〜65℃の条件をいう。特に、ナトリウム濃度が
約19mMで、温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具
体的には、配列番号2のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をコードするDNAとしては、配列番号1で表される
塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
【0034】本発明の部分ペプチドをコードするDNAと
しては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする塩
基配列を含有するものであればいかなるものであっても
よい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記
した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来の
cDNAライブラリーより自体公知の方法により単離された
もの、合成DNAのいずれでもよい。本発明の部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号1で表
される塩基配列を含有するDNA、又は配列番号1で表さ
れる塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズする塩基配列を有し、配列番号2で表されるアミノ
酸配列を有するタンパク質と実質的に同一の活性を有す
るタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するD
NAなどが用いられる。ハイブリダイゼーションの方法お
よびストリンジェントな条件は前記と同様のものが用い
られる。
しては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする塩
基配列を含有するものであればいかなるものであっても
よい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記
した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来の
cDNAライブラリーより自体公知の方法により単離された
もの、合成DNAのいずれでもよい。本発明の部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号1で表
される塩基配列を含有するDNA、又は配列番号1で表さ
れる塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズする塩基配列を有し、配列番号2で表されるアミノ
酸配列を有するタンパク質と実質的に同一の活性を有す
るタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するD
NAなどが用いられる。ハイブリダイゼーションの方法お
よびストリンジェントな条件は前記と同様のものが用い
られる。
【0035】本発明のタンパク質又はその部分ペプチド
(以下、まとめて単に本発明のタンパク質ともいう)を
コードするDNAのクローニングの手段としては、本発明
のタンパク質の部分配列をコードする塩基配列を有する
合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、
又は、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細
胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAラ
イブラリーより自体公知の方法により単離されたものを
本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする
DNA断片若しくは合成DNAを用いて標識したものとのハイ
ブリダイゼーションによって単離することができる。ハ
イブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー
クローニング(Molecular Cloning)2nd[J.Sambrook e
t.al., Cold Spring Harbor Lab.Press,1989]に記載の
方法などに従って行うことができる。また、市販のライ
ブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方
法に従って行うことができる。DNAの塩基配列の変換
は、公知のキット、例えば、MutantTM-G(宝酒造
(株))、MutantTM-K(宝酒造(株))などを用いて、
Gupped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法ある
いはそれらに準じる方法に従って行うことができる。
(以下、まとめて単に本発明のタンパク質ともいう)を
コードするDNAのクローニングの手段としては、本発明
のタンパク質の部分配列をコードする塩基配列を有する
合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、
又は、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細
胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAラ
イブラリーより自体公知の方法により単離されたものを
本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードする
DNA断片若しくは合成DNAを用いて標識したものとのハイ
ブリダイゼーションによって単離することができる。ハ
イブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー
クローニング(Molecular Cloning)2nd[J.Sambrook e
t.al., Cold Spring Harbor Lab.Press,1989]に記載の
方法などに従って行うことができる。また、市販のライ
ブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方
法に従って行うことができる。DNAの塩基配列の変換
は、公知のキット、例えば、MutantTM-G(宝酒造
(株))、MutantTM-K(宝酒造(株))などを用いて、
Gupped duplex法やKunkel法などの自体公知の方法ある
いはそれらに準じる方法に従って行うことができる。
【0036】クローン化された本発明のタンパク質をコ
ードするDNAは、目的によりそのまま、又は所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始
コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終
止コドンとしてのTAA、TGA又はTAGを有していてもよ
い。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは適当な
合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
ードするDNAは、目的によりそのまま、又は所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始
コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終
止コドンとしてのTAA、TGA又はTAGを有していてもよ
い。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは適当な
合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
【0037】3.本発明の組換えベクター及びそれを含
む形質転換体 本発明のタンパク質の発現ベクターは、例えば、本発明
のタンパク質をコードするDNAから目的とするDNA断片を
切り出し、該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモ
ーターの下流に連結することにより製造することができ
る。べクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例え
ば、pBR322、pBR325、pUC18、pUC19)、枯草菌由来のプ
ラスミド(例えば、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来
プラスミド(例えば、YEp13,YEp24,YCp50)、λファ
ージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス、ワク
シニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物ウイルス
などの他、pA1-11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/N
eoなどが用いられる。本発明で用いられるプロモーター
としては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切な
プロモーターであればいかなるものでもよい。
む形質転換体 本発明のタンパク質の発現ベクターは、例えば、本発明
のタンパク質をコードするDNAから目的とするDNA断片を
切り出し、該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモ
ーターの下流に連結することにより製造することができ
る。べクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例え
ば、pBR322、pBR325、pUC18、pUC19)、枯草菌由来のプ
ラスミド(例えば、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来
プラスミド(例えば、YEp13,YEp24,YCp50)、λファ
ージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス、ワク
シニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物ウイルス
などの他、pA1-11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/N
eoなどが用いられる。本発明で用いられるプロモーター
としては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切な
プロモーターであればいかなるものでもよい。
【0038】例えば、動物細胞を宿主として用いる場合
は、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモ
ーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショッ
クプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、
SRαプロモーターなどが挙げられる。これらのうち、サ
イトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターな
どを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌であ
る場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプ
ロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーターなど
が、宿主がバチルス属菌である場合は、SP01プロモータ
ー、SP02プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が
酵母である場合は、pH05プロモーター、PGKプロモータ
ー、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好まし
い。宿主が昆虫細胞である場合には、ポリヘドリンプロ
モーター、P10プロモ−ターなどが好ましい。
は、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモ
ーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショッ
クプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、
SRαプロモーターなどが挙げられる。これらのうち、サ
イトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターな
どを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌であ
る場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプ
ロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーターなど
が、宿主がバチルス属菌である場合は、SP01プロモータ
ー、SP02プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が
酵母である場合は、pH05プロモーター、PGKプロモータ
ー、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好まし
い。宿主が昆虫細胞である場合には、ポリヘドリンプロ
モーター、P10プロモ−ターなどが好ましい。
【0039】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製起点(以下、SV40or
iと略記される)などを含有しているものを用いること
ができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉
酸還元酵素(以下、dhfrとも略記される)遺伝子[メソ
トレキセート(MTX)耐性]、アンピシリン耐性遺伝子
(以下、Amprとも略記される)、ネオマイシン耐性遺伝
子(以下、Neorと略記され、G418耐性と略称される場合
がある)などが挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞を
用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、
目的遺伝子を含有する形質転換体をチミジンを含まない
培地によっても選択することができる。また、必要に応
じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク
質のN末端側に付加することもできる。宿主がエシェリ
ヒア属菌である場合は、アルカリフォスファターゼ・シ
グナル配列、OmpAシグナル配列などが、宿主がバチルス
属菌である場合は、α-アミラーゼシグナル配列、サブ
チリシンシグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、メイテイングファクターαシグナル配列、インベル
ターゼシグナル配列など、宿主が動物細胞である場合に
は、例えばインシュリンシグナル配列、α-インターフ
ェロンシグナル配列、抗体分子シグナル配列などがそれ
ぞれ利用できる。このようにして構築された本発明のタ
ンパク質をコードするDNAを含有するベクターを用い
て、形質転換体を製造することができる。
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製起点(以下、SV40or
iと略記される)などを含有しているものを用いること
ができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉
酸還元酵素(以下、dhfrとも略記される)遺伝子[メソ
トレキセート(MTX)耐性]、アンピシリン耐性遺伝子
(以下、Amprとも略記される)、ネオマイシン耐性遺伝
子(以下、Neorと略記され、G418耐性と略称される場合
がある)などが挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞を
用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、
目的遺伝子を含有する形質転換体をチミジンを含まない
培地によっても選択することができる。また、必要に応
じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク
質のN末端側に付加することもできる。宿主がエシェリ
ヒア属菌である場合は、アルカリフォスファターゼ・シ
グナル配列、OmpAシグナル配列などが、宿主がバチルス
属菌である場合は、α-アミラーゼシグナル配列、サブ
チリシンシグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、メイテイングファクターαシグナル配列、インベル
ターゼシグナル配列など、宿主が動物細胞である場合に
は、例えばインシュリンシグナル配列、α-インターフ
ェロンシグナル配列、抗体分子シグナル配列などがそれ
ぞれ利用できる。このようにして構築された本発明のタ
ンパク質をコードするDNAを含有するベクターを用い
て、形質転換体を製造することができる。
【0040】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM103[Nuclei
c Acids Research,9:309(1981)、JA221[J. Mol. Bio
l.,120:517(1978)]、HB101[J. Mol. Biol.,41:459(19
69)]、C600[Genetics,39:440(1954)]などが用いられ
る。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチル
ス(Bacillus subtilis)MI114[Gene,24:255(1983)],
207-221[J. Biochem.,95:87(1984)]などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87
-11A,DKD-5D,20B-12、シゾサッカロマイセス ポンベ
(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913、NCYC2036、
ピキア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場
合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugipe
rda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1
細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Ma
mestrabrassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来
の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、
蚕由来株化細胞(Bombyx mori N細胞;BmN細胞)など
が用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞、S
f21細胞などが用いられる。昆虫としては、例えば、カ
イコの幼虫などが用いられる[Nature,315:592(198
5)]。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS-7,Ver
o,チャイニーズハムスター細胞CHO,DHFR遺伝子欠損チ
ャイニーズハムスター細胞CHO(dhfr- CHO細胞),マウ
スL細胞,マウスAtT-20,マウスミエローマ細胞,ラッ
トGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM103[Nuclei
c Acids Research,9:309(1981)、JA221[J. Mol. Bio
l.,120:517(1978)]、HB101[J. Mol. Biol.,41:459(19
69)]、C600[Genetics,39:440(1954)]などが用いられ
る。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチル
ス(Bacillus subtilis)MI114[Gene,24:255(1983)],
207-221[J. Biochem.,95:87(1984)]などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87
-11A,DKD-5D,20B-12、シゾサッカロマイセス ポンベ
(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913、NCYC2036、
ピキア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場
合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugipe
rda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1
細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Ma
mestrabrassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来
の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、
蚕由来株化細胞(Bombyx mori N細胞;BmN細胞)など
が用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞、S
f21細胞などが用いられる。昆虫としては、例えば、カ
イコの幼虫などが用いられる[Nature,315:592(198
5)]。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS-7,Ver
o,チャイニーズハムスター細胞CHO,DHFR遺伝子欠損チ
ャイニーズハムスター細胞CHO(dhfr- CHO細胞),マウ
スL細胞,マウスAtT-20,マウスミエローマ細胞,ラッ
トGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。
【0041】エシェリヒア属菌の形質転換は、例えば、
カルシウムイオンを用いる方法[Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA,69:2110(1972)]、エレクトロポレーション法等
により行うことができる。バチルス属菌の形質転換は、
プロトプラスト法等により行うことができる。酵母の形
質転換は、エレクトロポレーション法[Methods. Enzymo
l.,194:182-187(1991)]、スフェロプラスト法[Proc. N
atl. Acad. Sci. USA,75:1929(1978)]、酢酸リチウム法
[J. Bacteriol., 153:163(1983)]等により行うことがで
きる。昆虫細胞の形質転換は、例えば、リン酸カルシウ
ム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法
等により行うことができる。動物細胞の形質転換は、エ
レクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフ
ェクション法等により行うことができる。このようにし
て、本発明のタンパク質をコードするDNAを含有する発
現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることがで
きる。
カルシウムイオンを用いる方法[Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA,69:2110(1972)]、エレクトロポレーション法等
により行うことができる。バチルス属菌の形質転換は、
プロトプラスト法等により行うことができる。酵母の形
質転換は、エレクトロポレーション法[Methods. Enzymo
l.,194:182-187(1991)]、スフェロプラスト法[Proc. N
atl. Acad. Sci. USA,75:1929(1978)]、酢酸リチウム法
[J. Bacteriol., 153:163(1983)]等により行うことがで
きる。昆虫細胞の形質転換は、例えば、リン酸カルシウ
ム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法
等により行うことができる。動物細胞の形質転換は、エ
レクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフ
ェクション法等により行うことができる。このようにし
て、本発明のタンパク質をコードするDNAを含有する発
現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることがで
きる。
【0042】4.本発明のタンパク質、その部分ペプチ
ドもしくはそれらの塩の製造方法 宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換
体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培
地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要
な炭素源、窒素源、無機物その他の成分を含有させる。
炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、
可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、ア
ンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、
ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機窒素源、無機物としては、例
えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどが挙げられる。また、必要に応じて、
酵母抽出物、ビタミン類、生長促進因子などを添加して
もよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
ドもしくはそれらの塩の製造方法 宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換
体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培
地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要
な炭素源、窒素源、無機物その他の成分を含有させる。
炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、
可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、ア
ンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、
ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機窒素源、無機物としては、例
えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどが挙げられる。また、必要に応じて、
酵母抽出物、ビタミン類、生長促進因子などを添加して
もよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0043】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地[J
ournal of Experiments in Molecular Genetics,431-4
33,Cold Spring Harbor Laboratory,NewYork 1972]が好
ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働か
せるために、例えば、3β-インドリルアクリル酸のよ
うな薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属
菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、
必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主が
バチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で、約6〜
24時間行い、必要により、通気や撹拌を加えることもで
きる。宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地
としては、例えば、0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
[Bitter,G.A. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA,8
1:5330(1984)]が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調
整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜
72時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地[J
ournal of Experiments in Molecular Genetics,431-4
33,Cold Spring Harbor Laboratory,NewYork 1972]が好
ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働か
せるために、例えば、3β-インドリルアクリル酸のよ
うな薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属
菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、
必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主が
バチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で、約6〜
24時間行い、必要により、通気や撹拌を加えることもで
きる。宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地
としては、例えば、0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
[Bitter,G.A. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA,8
1:5330(1984)]が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調
整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜
72時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0044】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace’s Insect Medi
um[Grace,T.C.C.:Nature, 195:788(1962)]に非動化した
10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いら
れる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。
培養は通常約27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通
気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を
培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児
牛血清を含むMEM培地[Science,122:501(1952)],DMEM
培地[Virology, 8:396(1959)],RPMI 1640培地[Journal
of the American Medical Association, 199:519(196
7)],199培地[Proceeding of the Societyfor the Biol
ogical Medicine, 73:1(1950)]などが用いられる。pHは
約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃
で約15〜60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、本発明のタンパク質を培養培地
中あるいは形質転換体中に生成させることができる。
体を培養する際、培地としては、Grace’s Insect Medi
um[Grace,T.C.C.:Nature, 195:788(1962)]に非動化した
10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いら
れる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。
培養は通常約27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通
気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を
培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児
牛血清を含むMEM培地[Science,122:501(1952)],DMEM
培地[Virology, 8:396(1959)],RPMI 1640培地[Journal
of the American Medical Association, 199:519(196
7)],199培地[Proceeding of the Societyfor the Biol
ogical Medicine, 73:1(1950)]などが用いられる。pHは
約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃
で約15〜60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、本発明のタンパク質を培養培地
中あるいは形質転換体中に生成させることができる。
【0045】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行うことがで
きる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から
抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるい
は細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、
リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あ
るいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりタン
パク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩
衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク質変性
剤や、トリトンX-100などの界面活性剤が含まれていて
もよい。培養液中にタンパク質が分泌される場合には、
培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の
精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて
行なうことができる。これらの公知の分離、精製法とし
ては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、
透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS-ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利
用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電
の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィ
ーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体ク
ロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等
電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが
用いられる。
精製するには、例えば、下記の方法により行うことがで
きる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から
抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるい
は細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、
リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あ
るいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりタン
パク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩
衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク質変性
剤や、トリトンX-100などの界面活性剤が含まれていて
もよい。培養液中にタンパク質が分泌される場合には、
培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の
精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて
行なうことができる。これらの公知の分離、精製法とし
ては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、
透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS-ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利
用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電
の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィ
ーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体ク
ロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等
電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが
用いられる。
【0046】このようにして得られるタンパク質が遊離
体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で
得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。なお、組換え体が産生するタンパク質を、精製前ま
たは精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることによ
り、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除
去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例えばト
リプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダ
ーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用い
られる。かくして生成する本発明のタンパク質またはそ
の塩の活性は、STAT3タンパク質によって活性化される
プロモーター(例えば、APREプロモーター、β-casein
プロモーター、CISプロモーター、OSMプロモーター等)
を活性化する活性、STAT5タンパク質と共同してSTAT5タ
ンパク質によって活性化されるプロモーター(例えば、
APREプロモーター、β-caseinプロモーター、CISプロモ
ーター、OSMプロモーター等)を活性化する活性の測定
実験及び特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイな
どにより測定することができる。
体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で
得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。なお、組換え体が産生するタンパク質を、精製前ま
たは精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることによ
り、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除
去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例えばト
リプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダ
ーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用い
られる。かくして生成する本発明のタンパク質またはそ
の塩の活性は、STAT3タンパク質によって活性化される
プロモーター(例えば、APREプロモーター、β-casein
プロモーター、CISプロモーター、OSMプロモーター等)
を活性化する活性、STAT5タンパク質と共同してSTAT5タ
ンパク質によって活性化されるプロモーター(例えば、
APREプロモーター、β-caseinプロモーター、CISプロモ
ーター、OSMプロモーター等)を活性化する活性の測定
実験及び特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイな
どにより測定することができる。
【0047】5.本発明のタンパク質、その部分ペプチ
ド又はそれらの塩に対する抗体 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩を認識し得る抗体であれば、ポリ
クローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであっても
よい。本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部
分ペプチドまたはそれらの塩を抗原として用い、自体公
知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することが
できる。
ド又はそれらの塩に対する抗体 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩を認識し得る抗体であれば、ポリ
クローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであっても
よい。本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部
分ペプチドまたはそれらの塩を抗原として用い、自体公
知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することが
できる。
【0048】(1) モノクローナル抗体の作製
(i) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与すること
により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜
6週毎に1回づつ、計2〜10回程度行われる。用いられ
る温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モ
ルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリな
どが挙げられるが、マウス及びラットが好ましく用いら
れる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、
抗原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価
の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓
又はリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞
を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。
により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜
6週毎に1回づつ、計2〜10回程度行われる。用いられ
る温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モ
ルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリな
どが挙げられるが、マウス及びラットが好ましく用いら
れる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、
抗原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価
の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓
又はリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞
を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。
【0049】抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記
の標識化タンパク質と抗血清とを反応させた後、抗体に
結合した標識剤の活性を測定することにより行うことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法[Nature,256:495(1975)]に従い実施
できる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレング
リコール(PEG)やセンダイウイルスなどが挙げられる
が、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞として
は、例えば、NS-1、P3U1、SP2/0、AP-1などが挙げられ
るが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生
細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は
1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000からPEG
6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好
ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすること
により効率よく細胞融合を実施できる。抗タンパク質抗
体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法
が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を直接あるい
は担体とともに吸着させた固相(例えば、マイクロプレ
ート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性
物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞
融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グ
ロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加
え、固相に結合した抗タンパク質モノクローナル抗体を
検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン
Aを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加
し、放射性物質や酵素などで標識した該タンパク質を加
え、固相に結合した抗タンパク質モノクローナル抗体を
検出する方法などが挙げられる。
の標識化タンパク質と抗血清とを反応させた後、抗体に
結合した標識剤の活性を測定することにより行うことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法[Nature,256:495(1975)]に従い実施
できる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレング
リコール(PEG)やセンダイウイルスなどが挙げられる
が、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞として
は、例えば、NS-1、P3U1、SP2/0、AP-1などが挙げられ
るが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生
細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は
1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000からPEG
6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好
ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすること
により効率よく細胞融合を実施できる。抗タンパク質抗
体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法
が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を直接あるい
は担体とともに吸着させた固相(例えば、マイクロプレ
ート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性
物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞
融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グ
ロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加
え、固相に結合した抗タンパク質モノクローナル抗体を
検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン
Aを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加
し、放射性物質や酵素などで標識した該タンパク質を加
え、固相に結合した抗タンパク質モノクローナル抗体を
検出する方法などが挙げられる。
【0050】抗タンパク質モノクローナル抗体の選別
は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行うこ
とができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行うことが
できる。選別および育種用培地としては、ハイブリドー
マが生育できるものならばどのような培地を用いてもよ
い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血
清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ
培養用無血清培地(SFM-101、日水製薬(株))などを
用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ま
しくは約37℃である。培養時間は、通常5日間〜3週
間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5
%炭酸ガス下で行うことができる。ハイブリドーマ培養
上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗タンパク質抗体価
の測定と同様にして測定できる。
は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行うこ
とができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行うことが
できる。選別および育種用培地としては、ハイブリドー
マが生育できるものならばどのような培地を用いてもよ
い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血
清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ
培養用無血清培地(SFM-101、日水製薬(株))などを
用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ま
しくは約37℃である。培養時間は、通常5日間〜3週
間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5
%炭酸ガス下で行うことができる。ハイブリドーマ培養
上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗タンパク質抗体価
の測定と同様にして測定できる。
【0051】(ii) モノクローナル抗体の精製
抗タンパク質モノクローナル抗体の分離精製は、自体公
知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法(例え
ば、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳
動法、イオン交換体による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法)に従って行う
ことができる。
知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法(例え
ば、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳
動法、イオン交換体による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ
過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロ
テインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結
合を解離させて抗体を得る特異的精製法)に従って行う
ことができる。
【0052】(2) ポリクローナル抗体の作製
本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいは
それに準じる方法に従って製造することができる。例え
ば、免疫抗原(タンパク質抗原)とキャリアータンパク
質との複合体を作り、上記のモノクローナル抗体の製造
法と同様に温血動物に免疫を行い、該免疫動物から本発
明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行うことにより製造できる。温血動物を免疫
するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質
との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類および
キャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋
させて免疫したハプテンに対して抗体が効率よくできれ
ば、どのようなものをどのような比率で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやヘモシアニンなど
を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは
約1〜5の割合でカップルさせる方法が用いられる。ま
た、ハプテンとキャリアーのカップリングには、種々の
縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドや
カルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール
基、ジチオピリジル基を含有する活性エステル試薬など
が用いられる。
それに準じる方法に従って製造することができる。例え
ば、免疫抗原(タンパク質抗原)とキャリアータンパク
質との複合体を作り、上記のモノクローナル抗体の製造
法と同様に温血動物に免疫を行い、該免疫動物から本発
明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行うことにより製造できる。温血動物を免疫
するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質
との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類および
キャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋
させて免疫したハプテンに対して抗体が効率よくできれ
ば、どのようなものをどのような比率で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやヘモシアニンなど
を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは
約1〜5の割合でカップルさせる方法が用いられる。ま
た、ハプテンとキャリアーのカップリングには、種々の
縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドや
カルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール
基、ジチオピリジル基を含有する活性エステル試薬など
が用いられる。
【0053】縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産
生が可能な部位に、それ自体あるいは担体、希釈剤とと
もに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週
毎に1回づつ、計約3〜10回程度行われる。ポリクロー
ナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、
腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血
清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクロ
ーナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の
分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って
行うことができる。
生が可能な部位に、それ自体あるいは担体、希釈剤とと
もに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週
毎に1回づつ、計約3〜10回程度行われる。ポリクロー
ナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、
腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血
清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクロ
ーナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の
分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って
行うことができる。
【0054】(3) 本発明の抗体の応用
本発明の抗体は、本発明のタンパク質等を特異的に認識
することができるので、被検液中の本発明のタンパク質
等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量など
に使用することができる。すなわち、本発明は、例え
ば、本発明のタンパク質等に反応する抗体に対して、被
検液及び標識化された本発明のタンパク質を競合的に反
応させ、該抗体に結合した標識化された本発明のタンパ
ク質等の割合を測定することを特徴とする、被検液中の
本発明のタンパク質等の定量法を提供する。本発明のタ
ンパク質等を認識するモノクローナル抗体を用いて本発
明のタンパク質等の測定を行なえるほか、組織染色等に
よる検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗
体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(a
b')2、Fab’あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の
抗体を用いる本発明のタンパク質等の測定法は、特に限
定されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例え
ば本発明のタンパク質量)に対応した抗体、抗原もしく
は抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段によ
り検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作
製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの
測定法を用いてもよい。例えば、競合法、イムノメトリ
ック法及びサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、サンドイッチ法を用いるのが特に好
ましい。
することができるので、被検液中の本発明のタンパク質
等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量など
に使用することができる。すなわち、本発明は、例え
ば、本発明のタンパク質等に反応する抗体に対して、被
検液及び標識化された本発明のタンパク質を競合的に反
応させ、該抗体に結合した標識化された本発明のタンパ
ク質等の割合を測定することを特徴とする、被検液中の
本発明のタンパク質等の定量法を提供する。本発明のタ
ンパク質等を認識するモノクローナル抗体を用いて本発
明のタンパク質等の測定を行なえるほか、組織染色等に
よる検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗
体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(a
b')2、Fab’あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の
抗体を用いる本発明のタンパク質等の測定法は、特に限
定されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例え
ば本発明のタンパク質量)に対応した抗体、抗原もしく
は抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段によ
り検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作
製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの
測定法を用いてもよい。例えば、競合法、イムノメトリ
ック法及びサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、サンドイッチ法を用いるのが特に好
ましい。
【0055】標識識物質を用いる測定法に用いられる標
識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光
物質などが挙げられる.放射性同位元素としては、例え
ば〔 125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、
上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好まし
く、例えばパーオキシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、リンゴ
酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレッセン
イソチオシアネートなどが発光物質としては、ルシフェ
リン、ルミノール、ルミノール誘導体などがそれぞれ挙
げられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合
にビオチン−アビジン系を用いることもできる。抗原あ
るいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよ
く、また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定
化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。
担体としては、アガロース、デキストラン、セルロース
などの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミ
ド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等が挙げら
れる。
識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光
物質などが挙げられる.放射性同位元素としては、例え
ば〔 125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、
上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好まし
く、例えばパーオキシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、リンゴ
酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレッセン
イソチオシアネートなどが発光物質としては、ルシフェ
リン、ルミノール、ルミノール誘導体などがそれぞれ挙
げられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合
にビオチン−アビジン系を用いることもできる。抗原あ
るいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよ
く、また通常タンパク質あるいは酵素等を不溶化、固定
化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。
担体としては、アガロース、デキストラン、セルロース
などの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミ
ド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等が挙げら
れる。
【0056】サンドイッチ法においては不溶化した本発
明の抗体(一次抗体)に被検液を反応させ、さらに当該
一次抗体に対する標識抗体(二次抗体)を反応させたの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより
被検液中の本発明のタンパク質量を定量することができ
る。また、競合法においては、被検液中の抗原と標識抗
原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、末反応の
標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを
分離し(B/F分離)、B、Fいずれかの標識量を測定
し、被検液中の抗原量を定量する。イムノメトリック法
では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化
抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。
明の抗体(一次抗体)に被検液を反応させ、さらに当該
一次抗体に対する標識抗体(二次抗体)を反応させたの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより
被検液中の本発明のタンパク質量を定量することができ
る。また、競合法においては、被検液中の抗原と標識抗
原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、末反応の
標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを
分離し(B/F分離)、B、Fいずれかの標識量を測定
し、被検液中の抗原量を定量する。イムノメトリック法
では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化
抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。
【0057】これら個々の免疫学的測定法を本発明のタ
ンパク質の測定方法に適用するにあたっては、特別の条
件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法に
おける通常の条件操作法に当業者の通常の技術的配慮を
加えて本発明のタンパク質等の測定系を構築すればよ
い。これらの一般的な技術手段の詳細については、アカ
デミックプレス社発行のMethods in Enzymology, vol.7
0, Immunochemical Techniques(Part A)、Methods in E
nzymology, vol.73, Immunochemical Techniques(Part
B)、Methods in Enzymology, vol.74, Immunochemical
Techniques(PartC)、Methods in Enzymology, vol.84,I
mmunochemical Techniques(Part D)などを参照のこと。
以上のように、本発明のタンパク質等に対する抗体を用
いることによって本発明のタンパク質等を感度良く定量
することができる。さらには、本発明のタンパク質等に
対する抗体を用いて本発明のタンパク質等の濃度を定量
することによって、例えば、本発明のタンパク質等が関
与する疾病の診断を行うことができる。また、本発明の
抗体は、細胞や組織などの被験体中に存在する本発明の
タンパク質等を検出するために使用することができる。
また、本発明のタンパク質等を精製するために使用する
抗体カラムの作製、精製時の各画分中の本発明のタンパ
ク質等の検出、被験細胞内における本発明のタンパク質
等の挙動の分析などのために使用することができる。
ンパク質の測定方法に適用するにあたっては、特別の条
件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法に
おける通常の条件操作法に当業者の通常の技術的配慮を
加えて本発明のタンパク質等の測定系を構築すればよ
い。これらの一般的な技術手段の詳細については、アカ
デミックプレス社発行のMethods in Enzymology, vol.7
0, Immunochemical Techniques(Part A)、Methods in E
nzymology, vol.73, Immunochemical Techniques(Part
B)、Methods in Enzymology, vol.74, Immunochemical
Techniques(PartC)、Methods in Enzymology, vol.84,I
mmunochemical Techniques(Part D)などを参照のこと。
以上のように、本発明のタンパク質等に対する抗体を用
いることによって本発明のタンパク質等を感度良く定量
することができる。さらには、本発明のタンパク質等に
対する抗体を用いて本発明のタンパク質等の濃度を定量
することによって、例えば、本発明のタンパク質等が関
与する疾病の診断を行うことができる。また、本発明の
抗体は、細胞や組織などの被験体中に存在する本発明の
タンパク質等を検出するために使用することができる。
また、本発明のタンパク質等を精製するために使用する
抗体カラムの作製、精製時の各画分中の本発明のタンパ
ク質等の検出、被験細胞内における本発明のタンパク質
等の挙動の分析などのために使用することができる。
【0058】6.EZIタンパク質関連疾患の予防・治療
剤 本発明のEZIタンパク質をコードするDNAは、EZIタンパ
ク質が関連する疾患の予防・治療剤として使用すること
ができる。また、本発明のタンパク質はSTATタンパク
質、特にSTAT3タンパク質及びSTAT5タンパク質等の細胞
内情報伝達分子への結合活性を示すことより、STAT3タ
ンパク質又はSTAT5タンパク質を介した疾患の予防・治
療剤として使用することができる。例えば、白血病の発
症が本発明のEZIタンパク質の変異又は欠乏に起因する
白血病患者においては、本発明のタンパク質をコード
するDNAを該患者に投与し発現させることによって、あ
るいは造血幹細胞などに本発明のタンパク質をコード
するDNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移
植することなどによって、該患者における本発明のタン
パク質の作用を充分に発揮させることができる。従っ
て、本発明のタンパク質をコードするDNAは、安全で低
毒性なEZIタンパク質関連疾患の予防・治療剤として使
用することができる。
剤 本発明のEZIタンパク質をコードするDNAは、EZIタンパ
ク質が関連する疾患の予防・治療剤として使用すること
ができる。また、本発明のタンパク質はSTATタンパク
質、特にSTAT3タンパク質及びSTAT5タンパク質等の細胞
内情報伝達分子への結合活性を示すことより、STAT3タ
ンパク質又はSTAT5タンパク質を介した疾患の予防・治
療剤として使用することができる。例えば、白血病の発
症が本発明のEZIタンパク質の変異又は欠乏に起因する
白血病患者においては、本発明のタンパク質をコード
するDNAを該患者に投与し発現させることによって、あ
るいは造血幹細胞などに本発明のタンパク質をコード
するDNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移
植することなどによって、該患者における本発明のタン
パク質の作用を充分に発揮させることができる。従っ
て、本発明のタンパク質をコードするDNAは、安全で低
毒性なEZIタンパク質関連疾患の予防・治療剤として使
用することができる。
【0059】本発明のDNAを上記治療剤として使用する
場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクタ
ー、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエ
ーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入
した後、常法に従って実施することができる。例えば、
必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシ
ル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるい
は水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌
性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に
使用できる。例えば、本発明のDNAを生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な容量が得られるようにするものであ
る。
場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクタ
ー、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエ
ーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入
した後、常法に従って実施することができる。例えば、
必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシ
ル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるい
は水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌
性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に
使用できる。例えば、本発明のDNAを生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な容量が得られるようにするものであ
る。
【0060】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたが
って処方するとができる。
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたが
って処方するとができる。
【0061】注射用の水性液としては生理食塩水、ブド
ウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D-ソルビ
トール、D-マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが
あげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例
えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール)などと併用
してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげ
られ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルア
ルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例え
ば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調整された注射液は通常、適当なアンプルに充
填される。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトな
ど)に対して投与することができる。該DNAの投与量
は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一
般的に成人(体重60kgとして)においては、一日につき
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、そ
の1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法な
どによっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人
(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30m
g程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは0.1
〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。
ウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D-ソルビ
トール、D-マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが
あげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例
えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール)などと併用
してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげ
られ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルア
ルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例え
ば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調整された注射液は通常、適当なアンプルに充
填される。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトな
ど)に対して投与することができる。該DNAの投与量
は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一
般的に成人(体重60kgとして)においては、一日につき
約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、そ
の1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法な
どによっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人
(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30m
g程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは0.1
〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。
【0062】7.EZIタンパク質とSTATタンパク質との
結合を阻害又は促進する化合物のスクリーニング方法及
びスクリーニング用キット (1) スクリーニング方法 EZIタンパク質とSTATタンパク質との結合を、試験化合
物の非存在下及び存在下で比較することによる競合的結
合アッセイ系を用いることによって、EZIタンパク質とS
TATタンパク質との結合を阻害あるいは促進する化合物
(例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物など)又はその塩をスクリ
ーニングする方法が提供される。
結合を阻害又は促進する化合物のスクリーニング方法及
びスクリーニング用キット (1) スクリーニング方法 EZIタンパク質とSTATタンパク質との結合を、試験化合
物の非存在下及び存在下で比較することによる競合的結
合アッセイ系を用いることによって、EZIタンパク質とS
TATタンパク質との結合を阻害あるいは促進する化合物
(例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物など)又はその塩をスクリ
ーニングする方法が提供される。
【0063】本スクリーニング方法としては、具体的に
は、以下の〜などが挙げられる。すなわち、標識
したEZIタンパク質又はその塩を、STATタンパク質に接
触させた場合と、標識したEZIタンパク質又はその塩及
び試験化合物をSTATタンパク質に接触させた場合におけ
る、標識したEZIタンパク質又はその塩のSTATタンパク
質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
スクリーニング方法、標識したEZIタンパク質又はそ
の塩を、STATタンパク質をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによって細胞内に発現したSTAT
タンパク質に接触させた場合と、標識したEZIタンパク
質又はその塩及び試験化合物をSTATタンパク質をコード
するDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞内に発現したSTATタンパク質に接触させた場合にお
ける、標識したEZIタンパク質又はその塩のSTATタンパ
ク質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とす
るスクリーニング方法、並びにEZIタンパク質を発現
せしめるプラスミドとSTATタンパク質を発現せしめるプ
ラスミドとを導入された宿主細胞と、該宿主細胞を試験
化合物に接触させた場合における、該宿主細胞内でのEZ
Iタンパク質及びSTATタンパク質の相互作用により発現
が制御されている遺伝子群の発現を比較することを特徴
とするスクリーニング方法である。
は、以下の〜などが挙げられる。すなわち、標識
したEZIタンパク質又はその塩を、STATタンパク質に接
触させた場合と、標識したEZIタンパク質又はその塩及
び試験化合物をSTATタンパク質に接触させた場合におけ
る、標識したEZIタンパク質又はその塩のSTATタンパク
質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
スクリーニング方法、標識したEZIタンパク質又はそ
の塩を、STATタンパク質をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによって細胞内に発現したSTAT
タンパク質に接触させた場合と、標識したEZIタンパク
質又はその塩及び試験化合物をSTATタンパク質をコード
するDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞内に発現したSTATタンパク質に接触させた場合にお
ける、標識したEZIタンパク質又はその塩のSTATタンパ
ク質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とす
るスクリーニング方法、並びにEZIタンパク質を発現
せしめるプラスミドとSTATタンパク質を発現せしめるプ
ラスミドとを導入された宿主細胞と、該宿主細胞を試験
化合物に接触させた場合における、該宿主細胞内でのEZ
Iタンパク質及びSTATタンパク質の相互作用により発現
が制御されている遺伝子群の発現を比較することを特徴
とするスクリーニング方法である。
【0064】前記スクリーニング方法において、標識し
たEZIタンパク質としては、〔3H〕、〔125I〕、〔14
C〕、〔135S〕などで標識した、EZIタンパク質及びEZ
Iタンパク質アナログ化合物などが用いられる。また、S
TATタンパク質としては、温血動物由来の細胞から抽出
したものを用いることもできるが、遺伝子組換技術を用
いて大量発現させたものが適している。本発明のスクリ
ーニング方法において、EZIタンパク質及び/又はSTAT
タンパク質を含有する細胞を用いる場合、当該細胞をグ
ルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよ
い。固定化方法は当該技術分野で公知である。
たEZIタンパク質としては、〔3H〕、〔125I〕、〔14
C〕、〔135S〕などで標識した、EZIタンパク質及びEZ
Iタンパク質アナログ化合物などが用いられる。また、S
TATタンパク質としては、温血動物由来の細胞から抽出
したものを用いることもできるが、遺伝子組換技術を用
いて大量発現させたものが適している。本発明のスクリ
ーニング方法において、EZIタンパク質及び/又はSTAT
タンパク質を含有する細胞を用いる場合、当該細胞をグ
ルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよ
い。固定化方法は当該技術分野で公知である。
【0065】例えば、前記のスクリーニング方法は、
具体的には以下のようにして行うことができる。まず、
STATタンパク質を含有する細胞を、適当なバッファーに
懸濁することによりSTATタンパク質標品を調製する。バ
ッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン
酸バッファー、トリス-塩酸バッファーなどのEZIタンパ
ク質とSTATタンパク質との結合を阻害しないバッファー
であればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減さ
せる目的で、CHAPS、ジギトニン、デオキシコレートな
どの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さ
らに、プロテアーゼによるSTATタンパク質やEZIタンパ
ク質の分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、ペプス
タチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもでき
る。0.01〜10mlのSTATタンパク質溶液に、一定量(5,00
0〜500,000cpm)の標識したEZIタンパク質を添加し、同
時に10-4〜10-10Mの試験化合物を共存させる。非特異
的結合量を知るために大過剰の未標識のEZIタンパク質
を加えた反応チューブも用意する。反応は0〜50℃、望
ましくは4〜37℃で20分〜24時間、望ましくは30分〜3
時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の
同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する
放射活性を液体シンチレーションカウンター又はγ−カ
ウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウン
ト(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント
(B0−NSB)を100%としたとき、特異的結合量(B−NS
B)が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力
のある候補物質として選択することができ、一方、特異
的結合量(B-NSB)が例えば150%以上になる試験化合物
を結合促進能力のある候補化合物として選択することが
できる。
具体的には以下のようにして行うことができる。まず、
STATタンパク質を含有する細胞を、適当なバッファーに
懸濁することによりSTATタンパク質標品を調製する。バ
ッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン
酸バッファー、トリス-塩酸バッファーなどのEZIタンパ
ク質とSTATタンパク質との結合を阻害しないバッファー
であればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減さ
せる目的で、CHAPS、ジギトニン、デオキシコレートな
どの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さ
らに、プロテアーゼによるSTATタンパク質やEZIタンパ
ク質の分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、ペプス
タチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもでき
る。0.01〜10mlのSTATタンパク質溶液に、一定量(5,00
0〜500,000cpm)の標識したEZIタンパク質を添加し、同
時に10-4〜10-10Mの試験化合物を共存させる。非特異
的結合量を知るために大過剰の未標識のEZIタンパク質
を加えた反応チューブも用意する。反応は0〜50℃、望
ましくは4〜37℃で20分〜24時間、望ましくは30分〜3
時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の
同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する
放射活性を液体シンチレーションカウンター又はγ−カ
ウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウン
ト(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント
(B0−NSB)を100%としたとき、特異的結合量(B−NS
B)が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力
のある候補物質として選択することができ、一方、特異
的結合量(B-NSB)が例えば150%以上になる試験化合物
を結合促進能力のある候補化合物として選択することが
できる。
【0066】(2) スクリーニング用キット
上記(1)のスクリーニング方法は、キット化して用いる
こともできる。本キットの構成要素としては、配列番号
2で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含むタンパク質又はその塩、並びに/
あるいは配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若し
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質の部
分ペプチド又はその塩が挙げられる。その他、キットに
は、STATタンパク質(例えば、STAT3タンパク質、STAT5
タンパク質)を加えることが好ましい。その他、必要に
応じて、緩衝液等も加えることができる。
こともできる。本キットの構成要素としては、配列番号
2で表されるアミノ酸配列と同一若しくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含むタンパク質又はその塩、並びに/
あるいは配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一若し
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク質の部
分ペプチド又はその塩が挙げられる。その他、キットに
は、STATタンパク質(例えば、STAT3タンパク質、STAT5
タンパク質)を加えることが好ましい。その他、必要に
応じて、緩衝液等も加えることができる。
【0067】8.本発明のスクリーニング方法得られる
化合物の医学薬学的応用 上記7のスクリーニング方法又はスクリーニング用キッ
トを用いて得られる化合物としては、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。化合物には、STAT
3タンパク質によって発現が活性化される遺伝子(例え
ば、APRE遺伝子、β-casein遺伝子、CIS遺伝子、OSM遺
伝子)の遺伝子発現促進活性又は遺伝子発現抑制活性を
有する化合物が含まれる。本発明のタンパク質に結合す
るタンパク質としては、STAT3タンパク質、STAT5タンパ
ク質等が挙げられる。STAT3タンパク質及びSTAT5タンパ
ク質の異常な活性は、血液癌、乳癌、前立腺癌、頸癌を
含む広範囲の悪性腫瘍に関与していることが知られてい
る[Turkson, J. et al.:Oncogene,19:6613-6626(200
0)]。従って、STAT3タンパク質及びSTAT5タンパク質と
の結合活性を有し、それらのタンパク質と協同的に働い
ているEZIタンパク質は、前記悪性腫瘍の予防及び治療
のターゲットとして有用であり、上記7において見出さ
れるEZIタンパク質とSTATタンパク質との結合を制御す
る化合物は、悪性腫瘍の(例えば、血液癌、乳癌、前立
腺癌、頸癌など)の予防・治療薬として有用である。
化合物の医学薬学的応用 上記7のスクリーニング方法又はスクリーニング用キッ
トを用いて得られる化合物としては、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など
が挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。化合物には、STAT
3タンパク質によって発現が活性化される遺伝子(例え
ば、APRE遺伝子、β-casein遺伝子、CIS遺伝子、OSM遺
伝子)の遺伝子発現促進活性又は遺伝子発現抑制活性を
有する化合物が含まれる。本発明のタンパク質に結合す
るタンパク質としては、STAT3タンパク質、STAT5タンパ
ク質等が挙げられる。STAT3タンパク質及びSTAT5タンパ
ク質の異常な活性は、血液癌、乳癌、前立腺癌、頸癌を
含む広範囲の悪性腫瘍に関与していることが知られてい
る[Turkson, J. et al.:Oncogene,19:6613-6626(200
0)]。従って、STAT3タンパク質及びSTAT5タンパク質と
の結合活性を有し、それらのタンパク質と協同的に働い
ているEZIタンパク質は、前記悪性腫瘍の予防及び治療
のターゲットとして有用であり、上記7において見出さ
れるEZIタンパク質とSTATタンパク質との結合を制御す
る化合物は、悪性腫瘍の(例えば、血液癌、乳癌、前立
腺癌、頸癌など)の予防・治療薬として有用である。
【0068】本発明のスクリーニング方法又はスクリー
ニング用キットを用いて得られる化合物又はその塩を医
薬組成物として使用する場合、通常の手段に従って実施
することができる。例えば、必要に応じて糖衣を施した
錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤
などとして経口的に、あるいは水もしくは、それ以外の
薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤
などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該
化合物またはその塩を生理学的に認められる担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
容量が得られるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例えば
ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴム
のような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コ
ーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化
剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミン
ト、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材科にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのよ
うな天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの
通常の製剤実施にしたがって処方するとができる。注射
用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖や
その他の補助薬を含む等張液(例えば、D-ソルビトー
ル、D-マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用い
られ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エ
タノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤
(例、ポリソルベート80TM、HCO-50)などと併用しても
よい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが
用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジ
ルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例
えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛
化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン
など)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエ
チレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルア
ルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合し
てもよい。調整された注射液は通常、適当なアンプルに
充填される。
ニング用キットを用いて得られる化合物又はその塩を医
薬組成物として使用する場合、通常の手段に従って実施
することができる。例えば、必要に応じて糖衣を施した
錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤
などとして経口的に、あるいは水もしくは、それ以外の
薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤
などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該
化合物またはその塩を生理学的に認められる担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
容量が得られるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例えば
ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴム
のような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コ
ーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化
剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミン
ト、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材科にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのよ
うな天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの
通常の製剤実施にしたがって処方するとができる。注射
用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖や
その他の補助薬を含む等張液(例えば、D-ソルビトー
ル、D-マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用い
られ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エ
タノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤
(例、ポリソルベート80TM、HCO-50)などと併用しても
よい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが
用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジ
ルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例
えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛
化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン
など)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエ
チレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルア
ルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合し
てもよい。調整された注射液は通常、適当なアンプルに
充填される。
【0069】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投
与の場合、一般的に成人(60kgとして)においては、通
常、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、よ
り好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する
場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状投
与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形で
は通常成人(60kgとして)においては、通常、一日につき
約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。ヒト以外の動物の場合も、60kg当たりに
換算した時に同等となるような量を投与することができ
る。
性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投
与の場合、一般的に成人(60kgとして)においては、通
常、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、よ
り好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する
場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状投
与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形で
は通常成人(60kgとして)においては、通常、一日につき
約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。ヒト以外の動物の場合も、60kg当たりに
換算した時に同等となるような量を投与することができ
る。
【0070】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。 〔実施例1〕 サブトラクション法によるEZIタンパク質
をコードするcDNAのクローニング 以下のようにしてEZIタンパク質をコードするcDNA(EZI
遺伝子ともいう) をクローニングした。まず、AGM領域
由来のOSM反応性細胞株LOより、OSM刺激前および刺激後
一時間のcDNAライブラリーを作成した。これらの二つの
cDNAライブラリーを用いて、OSM刺激後一時間のライブ
ラリーからOSM刺激前のライブラリーを差し引く方向で
サブトラクションを行った。具体的には、まず引く方の
OSM刺激前のライブラリーをビオチンで標識し、引かれ
る方のOSM刺激後一時間のライブラリーと混合し、高温
処理で二本鎖DNAを一本鎖に変性させた後、68℃の条件
下で会合させた。次に、この混合溶液にストレプトアビ
ジンを添加し、OSM刺激前のライブラリー由来のDNAおよ
びOSM刺激前のライブラリーと会合したOSM刺激後一時間
のライブラリーに由来するDNAをブタノール抽出により
除去し、残されたOSM刺激後一時間のライブラリー由来
のDNAをサブトラクテッドライブラリーとした。このサ
ブトラクテッドライブラリーより任意にクローンを拾い
上げ、蛍光自動DNAシーケンサーで配列決定を行うこと
によりEZI遺伝子を得た。EZI遺伝子は594個のアミノ酸
から構成される配列番号2で表されるアミノ酸配列のタ
ンパク質をコードするDNA(配列番号1)であった。
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。 〔実施例1〕 サブトラクション法によるEZIタンパク質
をコードするcDNAのクローニング 以下のようにしてEZIタンパク質をコードするcDNA(EZI
遺伝子ともいう) をクローニングした。まず、AGM領域
由来のOSM反応性細胞株LOより、OSM刺激前および刺激後
一時間のcDNAライブラリーを作成した。これらの二つの
cDNAライブラリーを用いて、OSM刺激後一時間のライブ
ラリーからOSM刺激前のライブラリーを差し引く方向で
サブトラクションを行った。具体的には、まず引く方の
OSM刺激前のライブラリーをビオチンで標識し、引かれ
る方のOSM刺激後一時間のライブラリーと混合し、高温
処理で二本鎖DNAを一本鎖に変性させた後、68℃の条件
下で会合させた。次に、この混合溶液にストレプトアビ
ジンを添加し、OSM刺激前のライブラリー由来のDNAおよ
びOSM刺激前のライブラリーと会合したOSM刺激後一時間
のライブラリーに由来するDNAをブタノール抽出により
除去し、残されたOSM刺激後一時間のライブラリー由来
のDNAをサブトラクテッドライブラリーとした。このサ
ブトラクテッドライブラリーより任意にクローンを拾い
上げ、蛍光自動DNAシーケンサーで配列決定を行うこと
によりEZI遺伝子を得た。EZI遺伝子は594個のアミノ酸
から構成される配列番号2で表されるアミノ酸配列のタ
ンパク質をコードするDNA(配列番号1)であった。
【0071】〔実施例2〕 EZIタンパク質の構造解析
実施例1においてクローニングされたEZI遺伝子のコー
ドするEZIタンパク質の構造を公知のモチーフ解析ソフ
トを用いて解析した。その結果、EZIタンパク質は、配
列中に12個のジンクフィンガーモチーフ含むジンクフィ
ンガータンパク質であることが判明した。一般に、ジン
クフィンガータンパク質は、そのジンクフィンガー領域
を構成するアミノ酸配列に基いて、C2-H2、CH3、C3H及
びC4の4つのタイプに分類される。EZIタンパク質は、
そのジンクフィンガー領域のN末端側に2個のシステイ
ン残基を含む配列(CXXC配列)及びC末端側に2個のヒ
スチジン残基を含む配列(HXXXH配列)を含むことか
ら、C2-H2型のジンクフィンガータンパク質と判明し
た。現在までにC2-H2型のジンクフィンガータンパク質
に属するものとしてEKLFやLKLF等のKruppel様転写因子
が知られており、それらの多くが発生過程に関与してい
ることが報告されているものの[Nuez, B. et al.:Natur
e, 375:316-318(1995)]、これらの標的遺伝子は未だ同
定されていない。その他、EZIタンパク質は、N末端側
から数えて4番目のジンクフィンガーモチーフには、核
移行シグナル(図1中、ボックスで示した部分)を含む
ことも判明した。
ドするEZIタンパク質の構造を公知のモチーフ解析ソフ
トを用いて解析した。その結果、EZIタンパク質は、配
列中に12個のジンクフィンガーモチーフ含むジンクフィ
ンガータンパク質であることが判明した。一般に、ジン
クフィンガータンパク質は、そのジンクフィンガー領域
を構成するアミノ酸配列に基いて、C2-H2、CH3、C3H及
びC4の4つのタイプに分類される。EZIタンパク質は、
そのジンクフィンガー領域のN末端側に2個のシステイ
ン残基を含む配列(CXXC配列)及びC末端側に2個のヒ
スチジン残基を含む配列(HXXXH配列)を含むことか
ら、C2-H2型のジンクフィンガータンパク質と判明し
た。現在までにC2-H2型のジンクフィンガータンパク質
に属するものとしてEKLFやLKLF等のKruppel様転写因子
が知られており、それらの多くが発生過程に関与してい
ることが報告されているものの[Nuez, B. et al.:Natur
e, 375:316-318(1995)]、これらの標的遺伝子は未だ同
定されていない。その他、EZIタンパク質は、N末端側
から数えて4番目のジンクフィンガーモチーフには、核
移行シグナル(図1中、ボックスで示した部分)を含む
ことも判明した。
【0072】〔実施例3〕 EZI遺伝子の発現誘導及び
発現組織分布 EZI遺伝子は、オンコスタチンMで刺激したLO細胞のcDN
Aと刺激しないLO細胞のcDNAとのサブトラクション法に
よって、オンコスタチンM(OSM)で刺激した場合に誘
導される遺伝子として同定されたものである。この知見
に基づき、LO細胞におけるEZImRNAの誘導について詳細
に調べた。ノーザンハイブリダイゼーションの結果、EZ
I遺伝子は、OSM刺激0.5時間後に発現レベルが急上昇
し、OSM刺激1時間後には発現レベルが基底レベルに復
帰することが判明した。次いで、EZImRNAの組織分布をR
T-PCRによって調べた結果を図2に示した。なお、RT-PC
Rには、以下のプライマーペア:5’-gcactcctgctcagggc
a-3’(配列番号5),5’-cttgtcgcactctgagca-3’
(配列番号6)を使用した。図2のように、EZImRNAは
試験した全ての組織で検出された。これらの結果から、
EZIタンパク質は、特定の場合にはユニークな機能を果
たしつつも、通常は正常な成体組織において共通の細胞
内機能の維持に機能しているのかもしれない。
発現組織分布 EZI遺伝子は、オンコスタチンMで刺激したLO細胞のcDN
Aと刺激しないLO細胞のcDNAとのサブトラクション法に
よって、オンコスタチンM(OSM)で刺激した場合に誘
導される遺伝子として同定されたものである。この知見
に基づき、LO細胞におけるEZImRNAの誘導について詳細
に調べた。ノーザンハイブリダイゼーションの結果、EZ
I遺伝子は、OSM刺激0.5時間後に発現レベルが急上昇
し、OSM刺激1時間後には発現レベルが基底レベルに復
帰することが判明した。次いで、EZImRNAの組織分布をR
T-PCRによって調べた結果を図2に示した。なお、RT-PC
Rには、以下のプライマーペア:5’-gcactcctgctcagggc
a-3’(配列番号5),5’-cttgtcgcactctgagca-3’
(配列番号6)を使用した。図2のように、EZImRNAは
試験した全ての組織で検出された。これらの結果から、
EZIタンパク質は、特定の場合にはユニークな機能を果
たしつつも、通常は正常な成体組織において共通の細胞
内機能の維持に機能しているのかもしれない。
【0073】また、胚発生過程におけるEZImRNAの発現
をRT-PCRによって調べた。結果を図3に示した。図3に
おいて、E7.5、E11.5、E14.5及びE18.5はそれぞれ、胎
生7.5日目胚、胎生11.5日目胚、胎生14.5日目胚及び胎
生18.5日目胚から抽出したRNAを用いたときの結果であ
る。図3から明らかなように、EZImRNAは発生の進行度
に応じて、発現レベルは増大した。
をRT-PCRによって調べた。結果を図3に示した。図3に
おいて、E7.5、E11.5、E14.5及びE18.5はそれぞれ、胎
生7.5日目胚、胎生11.5日目胚、胎生14.5日目胚及び胎
生18.5日目胚から抽出したRNAを用いたときの結果であ
る。図3から明らかなように、EZImRNAは発生の進行度
に応じて、発現レベルは増大した。
【0074】次いで、11.5日目の胚の各組織(AGM領
域、肝臓、脳、脚部)におけるEZImRNAの発現をRT-PCR
によって調べた。結果を図4に示した。図4から明らか
なように、AGM領域において特に高い発現が見られた。
次いで、AGMを培養し経時的に(培養開始1日後、3日
後、5日後及び7日後)EZImRNAの発現を調べた。結果
を図5に示した。図5に示したように、EZImRNAの発現
レベルは、培養開始1日後は僅かであったものの、培養
時間の経過とともに上昇し、培養開始7日後には最大と
なった。
域、肝臓、脳、脚部)におけるEZImRNAの発現をRT-PCR
によって調べた。結果を図4に示した。図4から明らか
なように、AGM領域において特に高い発現が見られた。
次いで、AGMを培養し経時的に(培養開始1日後、3日
後、5日後及び7日後)EZImRNAの発現を調べた。結果
を図5に示した。図5に示したように、EZImRNAの発現
レベルは、培養開始1日後は僅かであったものの、培養
時間の経過とともに上昇し、培養開始7日後には最大と
なった。
【0075】〔実施例4〕 EZIタンパク質の細胞内局
在性 EZIタンパク質は、ジンクフィンガータンパク質の一員
であり、転写因子として機能すると考えられる。このこ
とを確認するため、まず、EZIタンパク質の細胞内局在
性について調べた。すなわちMycペプチドタグ(tag)を
付加したEZIタンパク質をコードするDNAを含む発現ベク
ターをCOS7細胞にトランスフェクトした。次いで、Myc
ペプチドタグ付きEZIタンパク質を抗Mycタグ抗体及びFI
TC標識抗マウス抗体で可視化し、共焦点顕微鏡を用い
て、EZIタンパク質を検出した。核はヨウ化プロピジウ
ム(propidium iodide)で対比染色した。EZIの染色パ
ターンは、ヨウ化プロピジウムの染色パターンと完全に
合致し、このことから、COS7を用いた一過性発現系にお
いてEZIタンパク質は核に局在化されていることが判明
した。
在性 EZIタンパク質は、ジンクフィンガータンパク質の一員
であり、転写因子として機能すると考えられる。このこ
とを確認するため、まず、EZIタンパク質の細胞内局在
性について調べた。すなわちMycペプチドタグ(tag)を
付加したEZIタンパク質をコードするDNAを含む発現ベク
ターをCOS7細胞にトランスフェクトした。次いで、Myc
ペプチドタグ付きEZIタンパク質を抗Mycタグ抗体及びFI
TC標識抗マウス抗体で可視化し、共焦点顕微鏡を用い
て、EZIタンパク質を検出した。核はヨウ化プロピジウ
ム(propidium iodide)で対比染色した。EZIの染色パ
ターンは、ヨウ化プロピジウムの染色パターンと完全に
合致し、このことから、COS7を用いた一過性発現系にお
いてEZIタンパク質は核に局在化されていることが判明
した。
【0076】〔実施例5〕 EZIタンパク質の転写促進
活性 ジンクフィンガータンパク質の主要な機能として転写制
御がある。そこで、EZIタンパク質がそのような機能を
有しているかについて調べた。すなわち、まずEZIタン
パク質の転写促進活性を調べるために、EZIタンパク質
の発現ベクターを、種々の異なるプロモーター(SRα、
FOS、APRE、β-cas、OSM、CISプロモーター)下流にル
シフェラーゼ遺伝子(レポーター遺伝子として使用)を
連結したDNAを含むベクターとともにCOS細胞にトランス
フェクトした。トランスフェクト2日後に細胞を収穫
し、得られた細胞を溶解バッファーにて溶解した。溶解
液のルシフェラーゼ活性を測定した。測定結果を図6に
示した。なお、コントロール(mock)としてはベクター
pME18SトランスフェクションしたCOS細胞のルシフェラ
ーゼ活性について測定した。図6から明らかなように、
APRE、β-cas、OSM及びCISプロモーター下流にルシフェ
ラーゼ遺伝子を連結した場合にのみ、コントロールと比
較して高いルシフェラーゼ活性が認められた。このこと
はCOS細胞内で発現されたEZIタンパク質によってAPRE、
β-cas、OSM及びCISプロモーターが活性化されたことを
示している。APRE、β-cas、OSM及びCISプロモーターは
いずれも、STAT3タンパク質及びSTAT5タンパク質によっ
て活性化されるプロモーターであることが知られてい
る。従って、EZIタンパク質が、STATタンパク質と共同
して転写を活性化していると推測された。
活性 ジンクフィンガータンパク質の主要な機能として転写制
御がある。そこで、EZIタンパク質がそのような機能を
有しているかについて調べた。すなわち、まずEZIタン
パク質の転写促進活性を調べるために、EZIタンパク質
の発現ベクターを、種々の異なるプロモーター(SRα、
FOS、APRE、β-cas、OSM、CISプロモーター)下流にル
シフェラーゼ遺伝子(レポーター遺伝子として使用)を
連結したDNAを含むベクターとともにCOS細胞にトランス
フェクトした。トランスフェクト2日後に細胞を収穫
し、得られた細胞を溶解バッファーにて溶解した。溶解
液のルシフェラーゼ活性を測定した。測定結果を図6に
示した。なお、コントロール(mock)としてはベクター
pME18SトランスフェクションしたCOS細胞のルシフェラ
ーゼ活性について測定した。図6から明らかなように、
APRE、β-cas、OSM及びCISプロモーター下流にルシフェ
ラーゼ遺伝子を連結した場合にのみ、コントロールと比
較して高いルシフェラーゼ活性が認められた。このこと
はCOS細胞内で発現されたEZIタンパク質によってAPRE、
β-cas、OSM及びCISプロモーターが活性化されたことを
示している。APRE、β-cas、OSM及びCISプロモーターは
いずれも、STAT3タンパク質及びSTAT5タンパク質によっ
て活性化されるプロモーターであることが知られてい
る。従って、EZIタンパク質が、STATタンパク質と共同
して転写を活性化していると推測された。
【0077】EZIタンパク質のDNA結合配列を明らかにす
るために、ゲルシフトアッセイを行った。このアッセイ
には、EZIタンパク質によって転写が活性化されるβ-ca
sのプロモーター配列を使用した。しかし、EZIタンパク
質が特異的に結合するとみられる配列は見出されなかっ
た。このことから、EZIタンパク質単独ではDNAへは結合
せず、転写複合体の形で機能している可能性が示唆され
た。
るために、ゲルシフトアッセイを行った。このアッセイ
には、EZIタンパク質によって転写が活性化されるβ-ca
sのプロモーター配列を使用した。しかし、EZIタンパク
質が特異的に結合するとみられる配列は見出されなかっ
た。このことから、EZIタンパク質単独ではDNAへは結合
せず、転写複合体の形で機能している可能性が示唆され
た。
【0078】EZIタンパク質が他のタンパク質と転写複
合体を形成している可能性を追及するために、上記実験
によってEZIタンパク質との共同作用が指摘されたSTAT
タンパク質との免疫沈降実験を行った。すなわち、まず
EZI遺伝子およびSTAT3遺伝子が組み込まれた発現ベクタ
ーをCOS細胞にリポフェクション法により導入し、これ
らのタンパク質を細胞内に強制発現させた。導入後二日
目にタンパク質抽出用細胞溶解バッファーを用いてCOS
細胞からタンパク質を抽出した。この抽出液中にEZIに
付加されているMyc標識に対する抗Myc抗体を添加し、続
いて抗体のFc領域に特異的に結合するprotein Aセファ
ロースを添加し、選択的にMyc標識されたEZIタンパク質
を沈降させた。この沈降物を変性条件下でアクリルアミ
ドゲル上で電気泳動し、タンパクを吸着する膜上に転移
させた。この膜を抗STAT3抗体液中で反応させた後、検
出したところSTAT3のバンドを検出された。この結果
は、抗Myc抗体を用いて沈降させたEZIタンパク質複合体
にはSTAT3が含まれていることを示すものである。以上
の実験結果から、EZIタンパク質はSTAT3タンパク質と結
合能を有していることが判明した。
合体を形成している可能性を追及するために、上記実験
によってEZIタンパク質との共同作用が指摘されたSTAT
タンパク質との免疫沈降実験を行った。すなわち、まず
EZI遺伝子およびSTAT3遺伝子が組み込まれた発現ベクタ
ーをCOS細胞にリポフェクション法により導入し、これ
らのタンパク質を細胞内に強制発現させた。導入後二日
目にタンパク質抽出用細胞溶解バッファーを用いてCOS
細胞からタンパク質を抽出した。この抽出液中にEZIに
付加されているMyc標識に対する抗Myc抗体を添加し、続
いて抗体のFc領域に特異的に結合するprotein Aセファ
ロースを添加し、選択的にMyc標識されたEZIタンパク質
を沈降させた。この沈降物を変性条件下でアクリルアミ
ドゲル上で電気泳動し、タンパクを吸着する膜上に転移
させた。この膜を抗STAT3抗体液中で反応させた後、検
出したところSTAT3のバンドを検出された。この結果
は、抗Myc抗体を用いて沈降させたEZIタンパク質複合体
にはSTAT3が含まれていることを示すものである。以上
の実験結果から、EZIタンパク質はSTAT3タンパク質と結
合能を有していることが判明した。
【0079】〔実施例6〕 EZIタンパク質に対する抗
体 以下のようにして、EZIタンパク質に対する抗体を作製
した。すなわち、まずEZIタンパク質のC末端側の12番
目のジンクフィンガーモチーフ内の12個のアミノ酸から
なるペプチドN-Lys Ser Phe Ser Arg Lys Thr His Leu
Val Arg His GlnArg Ile-C(配列番号7)を化学合成し
た。次いで、得られた合成ペプチドをウサギに免疫し
た。初回免疫9週間後に全血清を採取した。最後に得ら
れた全血清をNHS活性化Hi-trapカラム(AP-Biotech)を
用いてアフィニティー精製することにより、EZIタンパ
ク質に対する抗体を得た。
体 以下のようにして、EZIタンパク質に対する抗体を作製
した。すなわち、まずEZIタンパク質のC末端側の12番
目のジンクフィンガーモチーフ内の12個のアミノ酸から
なるペプチドN-Lys Ser Phe Ser Arg Lys Thr His Leu
Val Arg His GlnArg Ile-C(配列番号7)を化学合成し
た。次いで、得られた合成ペプチドをウサギに免疫し
た。初回免疫9週間後に全血清を採取した。最後に得ら
れた全血清をNHS活性化Hi-trapカラム(AP-Biotech)を
用いてアフィニティー精製することにより、EZIタンパ
ク質に対する抗体を得た。
【0080】
【発明の効果】本発明により、新規なジンクフィンガー
タンパク質EZI、該タンパク質をコードするEZI遺伝子、
該遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベクター
を含む形質転換体及びEZIタンパク質の製造方法等が提
供される。本発明は、EZIタンパク質が関連している疾
患の治療薬候補物質のスクリーニングに有用である。
タンパク質EZI、該タンパク質をコードするEZI遺伝子、
該遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベクター
を含む形質転換体及びEZIタンパク質の製造方法等が提
供される。本発明は、EZIタンパク質が関連している疾
患の治療薬候補物質のスクリーニングに有用である。
【0081】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> PharmaDesign, Inc.
<120> A Novel Zinc Finger Protein EZI.
<130> PDP-0005
<160> 7
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 1785
<212> DNA
<213> Mus musculus
<220>
<221> CDS
<222> (1)..(1782)
<400> 1
atg aga gag acc ctg gag gcc ctg aac tcc ttg gga ttc tca gtg gga 48
Met Arg Glu Thr Leu Glu Ala Leu Asn Ser Leu Gly Phe Ser Val Gly
1 5 10 15
cag cca gag atg gct ccc cag agt gag ccc agg gat ggg ttc agt aat 96
Gln Pro Glu Met Ala Pro Gln Ser Glu Pro Arg Asp Gly Phe Ser Asn
20 25 30
gcc cag gag aag atg tca tcc aga gga gag agc aca ctg cac tcc tgc 144
Ala Gln Glu Lys Met Ser Ser Arg Gly Glu Ser Thr Leu His Ser Cys
35 40 45
tca ggg cat gag act cct ggc cag aaa gaa ggc atc cac aca gaa caa 192
Ser Gly His Glu Thr Pro Gly Gln Lys Glu Gly Ile His Thr Glu Gln
50 55 60
gct gaa gct cct tgt atg ggc agc cag gcc agt acc cca cag aag gcc 240
Ala Glu Ala Pro Cys Met Gly Ser Gln Ala Ser Thr Pro Gln Lys Ala
65 70 75 80
gaa cct gca ggc tct gtc cca ggg gag gaa tgg atg att cgg aag gtg 288
Glu Pro Ala Gly Ser Val Pro Gly Glu Glu Trp Met Ile Arg Lys Val
85 90 95
aag gta gag gat gag gat cag gag gca gag gag gag gtg gaa tgg ccc 336
Lys Val Glu Asp Glu Asp Gln Glu Ala Glu Glu Glu Val Glu Trp Pro
100 105 110
cag cat ctc tcc ttc ctt ccc agt cct ttt ccc act cct gac ttg ggt 384
Gln His Leu Ser Phe Leu Pro Ser Pro Phe Pro Thr Pro Asp Leu Gly
115 120 125
cag ttg gct gtt acg tac aaa ctg gag cca ggg act ccg gga gca cta 432
Gln Leu Ala Val Thr Tyr Lys Leu Glu Pro Gly Thr Pro Gly Ala Leu
130 135 140
ggt gga atc gcg ctg tcc ggg tgg gcc ccg atc cct gag aag cct tat 480
Gly Gly Ile Ala Leu Ser Gly Trp Ala Pro Ile Pro Glu Lys Pro Tyr
145 150 155 160
ggc tgc gag gaa tgc gag cgg cgt ttc cgg gat cag cta act ctg cgg 528
Gly Cys Glu Glu Cys Glu Arg Arg Phe Arg Asp Gln Leu Thr Leu Arg
165 170 175
ctc cac cag agg ttg cac cgg ggt gag ggt cct tgt gcc tgc ccg gac 576
Leu His Gln Arg Leu His Arg Gly Glu Gly Pro Cys Ala Cys Pro Asp
180 185 190
tgt ggc cgc agc ttc acg cag cgt gct cat atg ctc ctg cac caa cgc 624
Cys Gly Arg Ser Phe Thr Gln Arg Ala His Met Leu Leu His Gln Arg
195 200 205
agc cac cgc gga gag cgt ccc ttc ccg tgc tca gag tgc gac aag cgc 672
Ser His Arg Gly Glu Arg Pro Phe Pro Cys Ser Glu Cys Asp Lys Arg
210 215 220
ttc agc aag aag gcc cac ctg acc cgc cac ctg cgc acg cac act ggc 720
Phe Ser Lys Lys Ala His Leu Thr Arg His Leu Arg Thr His Thr Gly
225 230 235 240
gag cgt ccc tac ccg tgc gct gag tgc ggc aaa cgc ttc agc cag aag 768
Glu Arg Pro Tyr Pro Cys Ala Glu Cys Gly Lys Arg Phe Ser Gln Lys
245 250 255
att cac cta ggc tcg cat cag aag acc cac acc gga gag cgg ccc ttc 816
Ile His Leu Gly Ser His Gln Lys Thr His Thr Gly Glu Arg Pro Phe
260 265 270
ccc tgc acc gaa tgc gag aaa cgt ttc cgc aag aag acg cat ctg atc 864
Pro Cys Thr Glu Cys Glu Lys Arg Phe Arg Lys Lys Thr His Leu Ile
275 280 285
cgc cac cag cgt atc cac acc ggc gag agg ccc tac cag tgc acc cag 912
Arg His Gln Arg Ile His Thr Gly Glu Arg Pro Tyr Gln Cys Thr Gln
290 295 300
tgc acg cgc agc ttc aca cac aag caa cac ctg gtg cgg cac cag agg 960
Cys Thr Arg Ser Phe Thr His Lys Gln His Leu Val Arg His Gln Arg
305 310 315 320
gtg cac gat gct gct agc cgc acc cgg tcc tct cca gac att cct gtt 1008
Val His Asp Ala Ala Ser Arg Thr Arg Ser Ser Pro Asp Ile Pro Val
325 330 335
gct ccc cat tcc ccc acc gcg tct ctt acc ccg tcc cct cct ggg ccc 1056
Ala Pro His Ser Pro Thr Ala Ser Leu Thr Pro Ser Pro Pro Gly Pro
340 345 350
aag cct ttc gct tgt tcc cac tgc ggg cag agc ttc ggc tgg aaa aag 1104
Lys Pro Phe Ala Cys Ser His Cys Gly Gln Ser Phe Gly Trp Lys Lys
355 360 365
aac ctc gct acg cac cag agt ctg cat ctc acc gag ggt cgt cct ttt 1152
Asn Leu Ala Thr His Gln Ser Leu His Leu Thr Glu Gly Arg Pro Phe
370 375 380
ggg tgc gat gaa tgt gca ctc ggc acc aac gtg gac ccc gcc gcc gag 1200
Gly Cys Asp Glu Cys Ala Leu Gly Thr Asn Val Asp Pro Ala Ala Glu
385 390 395 400
ccc tcg gcc tgc act ccc cat gcg cct gac tgt gga ccg ggt tcg ggg 1248
Pro Ser Ala Cys Thr Pro His Ala Pro Asp Cys Gly Pro Gly Ser Gly
405 410 415
ccc gcg gca ccc cag cgc acc acc tcc agc gag cgc tcc ttc ttc tgc 1296
Pro Ala Ala Pro Gln Arg Thr Thr Ser Ser Glu Arg Ser Phe Phe Cys
420 425 430
ccg gac tgc ggg cga ggc ttt gcc cac ggg cag cac ctg gcc cgc cac 1344
Pro Asp Cys Gly Arg Gly Phe Ala His Gly Gln His Leu Ala Arg His
435 440 445
cgg cgg gtg cac acg ggc gaa agg cca ttt gcc tgt gct cag tgt ggc 1392
Arg Arg Val His Thr Gly Glu Arg Pro Phe Ala Cys Ala Gln Cys Gly
450 455 460
cgc cgc ttc ggc tca cga ccc aat cta gtc gcc cac tcc cgg gcc cat 1440
Arg Arg Phe Gly Ser Arg Pro Asn Leu Val Ala His Ser Arg Ala His
465 470 475 480
agc ggc gcc aga cct ttt gcc tgt gcg caa tgt ggc cgc cgc ttc agt 1488
Ser Gly Ala Arg Pro Phe Ala Cys Ala Gln Cys Gly Arg Arg Phe Ser
485 490 495
cgc aaa tct cac ctg ggc cgc cac cag gca gtg cac act ggt agt cgc 1536
Arg Lys Ser His Leu Gly Arg His Gln Ala Val His Thr Gly Ser Arg
500 505 510
ccc cac gcc tgc gcc gtc tgc gcc cgc tgc ttc agc tct aaa acc aac 1584
Pro His Ala Cys Ala Val Cys Ala Arg Cys Phe Ser Ser Lys Thr Asn
515 520 525
ctg gtc cgc cat cag gca atc cat aca ggt tcc cgc ccc ttt tcc tgc 1632
Leu Val Arg His Gln Ala Ile His Thr Gly Ser Arg Pro Phe Ser Cys
530 535 540
cct cag tgc gcc aag agc ttc agc cgc aag acc cat ctg gtg cgg cac 1680
Pro Gln Cys Ala Lys Ser Phe Ser Arg Lys Thr His Leu Val Arg His
545 550 555 560
caa cgc atc cat ggg gac gcg gcc ctc cca gcc cca gcc tcg aac ctc 1728
Gln Arg Ile His Gly Asp Ala Ala Leu Pro Ala Pro Ala Ser Asn Leu
565 570 575
tct gct cca gcc tgg tcc aat ccc tcc gag gtg gta cca cct cca atc 1776
Ser Ala Pro Ala Trp Ser Asn Pro Ser Glu Val Val Pro Pro Pro Ile
580 585 590
ttt ttc taa 1785
Phe Phe
<210> 2
<211> 594
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 2
Met Arg Glu Thr Leu Glu Ala Leu Asn Ser Leu Gly Phe Ser Val Gly
1 5 10 15
Gln Pro Glu Met Ala Pro Gln Ser Glu Pro Arg Asp Gly Phe Ser Asn
20 25 30
Ala Gln Glu Lys Met Ser Ser Arg Gly Glu Ser Thr Leu His Ser Cys
35 40 45
Ser Gly His Glu Thr Pro Gly Gln Lys Glu Gly Ile His Thr Glu Gln
50 55 60
Ala Glu Ala Pro Cys Met Gly Ser Gln Ala Ser Thr Pro Gln Lys Ala
65 70 75 80
Glu Pro Ala Gly Ser Val Pro Gly Glu Glu Trp Met Ile Arg Lys Val
85 90 95
Lys Val Glu Asp Glu Asp Gln Glu Ala Glu Glu Glu Val Glu Trp Pro
100 105 110
Gln His Leu Ser Phe Leu Pro Ser Pro Phe Pro Thr Pro Asp Leu Gly
115 120 125
Gln Leu Ala Val Thr Tyr Lys Leu Glu Pro Gly Thr Pro Gly Ala Leu
130 135 140
Gly Gly Ile Ala Leu Ser Gly Trp Ala Pro Ile Pro Glu Lys Pro Tyr
145 150 155 160
Gly Cys Glu Glu Cys Glu Arg Arg Phe Arg Asp Gln Leu Thr Leu Arg
165 170 175
Leu His Gln Arg Leu His Arg Gly Glu Gly Pro Cys Ala Cys Pro Asp
180 185 190
Cys Gly Arg Ser Phe Thr Gln Arg Ala His Met Leu Leu His Gln Arg
195 200 205
Ser His Arg Gly Glu Arg Pro Phe Pro Cys Ser Glu Cys Asp Lys Arg
210 215 220
Phe Ser Lys Lys Ala His Leu Thr Arg His Leu Arg Thr His Thr Gly
225 230 235 240
Glu Arg Pro Tyr Pro Cys Ala Glu Cys Gly Lys Arg Phe Ser Gln Lys
245 250 255
Ile His Leu Gly Ser His Gln Lys Thr His Thr Gly Glu Arg Pro Phe
260 265 270
Pro Cys Thr Glu Cys Glu Lys Arg Phe Arg Lys Lys Thr His Leu Ile
275 280 285
Arg His Gln Arg Ile His Thr Gly Glu Arg Pro Tyr Gln Cys Thr Gln
290 295 300
Cys Thr Arg Ser Phe Thr His Lys Gln His Leu Val Arg His Gln Arg
305 310 315 320
Val His Asp Ala Ala Ser Arg Thr Arg Ser Ser Pro Asp Ile Pro Val
325 330 335
Ala Pro His Ser Pro Thr Ala Ser Leu Thr Pro Ser Pro Pro Gly Pro
340 345 350
Lys Pro Phe Ala Cys Ser His Cys Gly Gln Ser Phe Gly Trp Lys Lys
355 360 365
Asn Leu Ala Thr His Gln Ser Leu His Leu Thr Glu Gly Arg Pro Phe
370 375 380
Gly Cys Asp Glu Cys Ala Leu Gly Thr Asn Val Asp Pro Ala Ala Glu
385 390 395 400
Pro Ser Ala Cys Thr Pro His Ala Pro Asp Cys Gly Pro Gly Ser Gly
405 410 415
Pro Ala Ala Pro Gln Arg Thr Thr Ser Ser Glu Arg Ser Phe Phe Cys
420 425 430
Pro Asp Cys Gly Arg Gly Phe Ala His Gly Gln His Leu Ala Arg His
435 440 445
Arg Arg Val His Thr Gly Glu Arg Pro Phe Ala Cys Ala Gln Cys Gly
450 455 460
Arg Arg Phe Gly Ser Arg Pro Asn Leu Val Ala His Ser Arg Ala His
465 470 475 480
Ser Gly Ala Arg Pro Phe Ala Cys Ala Gln Cys Gly Arg Arg Phe Ser
485 490 495
Arg Lys Ser His Leu Gly Arg His Gln Ala Val His Thr Gly Ser Arg
500 505 510
Pro His Ala Cys Ala Val Cys Ala Arg Cys Phe Ser Ser Lys Thr Asn
515 520 525
Leu Val Arg His Gln Ala Ile His Thr Gly Ser Arg Pro Phe Ser Cys
530 535 540
Pro Gln Cys Ala Lys Ser Phe Ser Arg Lys Thr His Leu Val Arg His
545 550 555 560
Gln Arg Ile His Gly Asp Ala Ala Leu Pro Ala Pro Ala Ser Asn Leu
565 570 575
Ser Ala Pro Ala Trp Ser Asn Pro Ser Glu Val Val Pro Pro Pro Ile
580 585 590
Phe Phe
<210> 3
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA
<400> 3
atgagagaga ccctggaggc 20
<210> 4
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA
<400> 4
ttagaaaaag attggaggtg 20
<210> 5
<211> 18
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA
<400> 5
gcactcctgc tcagggca 18
<210> 6
<211> 18
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA
<400> 6
cttgtcgcac tctgagca 18
<210> 7
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthetic peptide
<400> 7
Lys Ser Phe Ser Arg Lys Thr His Leu Val Arg His Gln Arg Ile
1 5 10 15
【0082】
【配列表フリーテキスト】配列番号3:合成DNA
配列番号4:合成DNA
配列番号5:合成DNA
配列番号6:合成DNA
配列番号7:合成ペプチド
【図1】EZI遺伝子の塩基配列及びEZI遺伝子によってコ
ードされるタンパク質のアミノ酸配列を示した図であ
る。
ードされるタンパク質のアミノ酸配列を示した図であ
る。
【図2】EZImRNAの組織分布を示した図である。
【図3】胚発生におけるEZImRNA発現レベルの経時的変
化を示した図である。
化を示した図である。
【図4】11.5日目胚の各組織におけるEZImRNA発現レベ
ルを示した図である。
ルを示した図である。
【図5】AGM培養物におけるEZImRNA発現レベルの経時的
変化を示した図である。
変化を示した図である。
【図6】EZIタンパク質の各プロモーターの活性化能を
示した図である。
示した図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C12N 1/19 C12N 1/21 4H045
1/21 C12P 21/02 C
5/10 G01N 33/15 Z
C12P 21/02 33/50 Z
G01N 33/15 33/53 D
33/50 33/532 A
33/53 A61P 35/00
33/532 C12N 15/00 ZNAA
// A61P 35/00 5/00 A
Fターム(参考) 2G045 AA40
4B024 AA01 BA80 CA04 CA12 DA02
HA11
4B064 AG01 CA19 CC24 DA01
4B065 AA90X AA91Y AB01 BA01
CA24 CA44
4C084 AA17 BA44 CA53 CA56 CA59
NA14 ZB262
4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10
CA40 EA20 FA74
Claims (21)
- 【請求項1】 配列番号2で表されるアミノ酸配列と同
一若しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含むタンパク
質又はその塩。 - 【請求項2】 前記タンパク質が、C2H2型のジンクフィ
ンガードメインを有し、STATタンパク質に対する結合能
を有することを特徴とする請求項1記載のタンパク質又
はその塩。 - 【請求項3】 前記STATタンパク質が、STAT3タンパク
質又はSTAT5タンパク質であることを特徴とする請求項
2記載のタンパク質又はその塩。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のタンパ
ク質の部分ペプチド又はその塩。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のタンパ
ク質又は請求項4記載のペプチドをコードする塩基配列
を含むことを特徴とするポリヌクレオチド。 - 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドがDNAであること
を特徴とする請求項5記載のポリヌクレオチド。 - 【請求項7】 配列番号1で表される塩基配列又はそれ
らとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩
基配列を有するポリヌクレオチド。 - 【請求項8】 前記ポリヌクレオチドがDNAであること
を特徴とする請求項7記載のポリヌクレオチド。 - 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載のポリヌ
クレオチドを含有する組換えベクター。 - 【請求項10】 請求項9記載の組換えベクターを含有
する形質転換体。 - 【請求項11】 請求項10記載の形質転換体を培養
し、請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質又は請
求項4記載のペプチドを生成・蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
タンパク質又はその塩、あるいは請求項4記載のペプチ
ド又はその塩の製造方法。 - 【請求項12】 請求項1〜3のいずれかに記載のタン
パク質又はその塩、あるいは請求項4記載の部分ペプチ
ドまたはその塩に対する抗体。 - 【請求項13】 請求項12記載の抗体に対して、請求
項1〜3のいずれかに記載のタンパク質又はその塩ある
いは請求項4記載の部分ペプチド又はその塩を含有する
被検液、及び標識化された請求項1〜3のいずれかに記
載のタンパク質又はその塩あるいは標識化された請求項
4記載の部分ペプチド又はその塩を競合的に反応させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタン
パク質又はその塩あるいは請求項4記載の部分ペプチド
又はその塩の定量方法。 - 【請求項14】 請求項1〜3のいずれかに記載のタン
パク質又はその塩あるいは請求項4記載の部分ペプチド
又はその塩を使用することを特徴とする、該タンパク質
又はその塩あるいは該部分ペプチド又はその塩とSTATタ
ンパク質との間の結合を阻害又は促進する化合物のスク
リーニング方法。 - 【請求項15】 前記スクリーニング方法が、標識した
請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質又はその塩
あるいは標識した請求項4記載の部分ペプチド又はその
塩と、STATタンパク質とを、試験化合物の非存在下で接
触させた場合、及び、該標識したタンパク質又はその塩
あるいは該標識した部分ペプチド又はその塩と、STATタ
ンパク質とを、試験化合物の存在下で接触させた場合に
おける、該標識したタンパク質又はその塩あるいは該標
識した部分ペプチド又はその塩のSTATタンパク質に対す
る結合量をぞれぞれ測定し、比較する工程を包含するこ
と特徴とする請求項14記載のスクリーニング方法。 - 【請求項16】 前記STATタンパク質が、STAT3又はSTA
T5であることを特徴とする請求項14又は15記載のス
クリーニング方法。 - 【請求項17】 請求項1〜3のいずれかに記載のタン
パク質又はその塩及び/あるいは請求項4記載の部分ペ
プチド又はその塩を構成要素として含むことを特徴とす
る該タンパク質又はその塩あるいは該部分ペプチド又は
その塩とSTATタンパク質との間の結合を阻害又は促進す
る化合物のスクリーニング用キット。 - 【請求項18】 構成要素として、さらにSTATタンパク
質を含むことを特徴とする請求項17記載のスクリーニ
ング用キット。 - 【請求項19】 前記STATタンパク質が、STAT3タンパ
ク質又はSTAT5タンパク質であることを特徴とする請求
項18記載のスクリーニング用キット。 - 【請求項20】 請求項14〜16のいずれかに記載の
スクリーニング方法又は請求項17〜19のいずれかに
記載のスクリーニング用キットを使用して得られる、請
求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質又はその塩あ
るいは請求項4記載の部分ペプチド又はその塩と、STAT
タンパク質との間の結合を阻害又は促進する化合物。 - 【請求項21】 請求項20記載の化合物を含有するこ
とを特徴とする薬学的組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001272771A JP2003079373A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 新規なジンクフィンガータンパク質ezi及びその遺伝子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001272771A JP2003079373A (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 新規なジンクフィンガータンパク質ezi及びその遺伝子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003079373A true JP2003079373A (ja) | 2003-03-18 |
Family
ID=19098085
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---|---|---|---|
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006126505A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | The University Of Tokyo | Stat機能阻害剤およびその応用 |
-
2001
- 2001-09-07 JP JP2001272771A patent/JP2003079373A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006126505A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | The University Of Tokyo | Stat機能阻害剤およびその応用 |
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