JPH10276057A - 弾性表面波フィルタ装置 - Google Patents

弾性表面波フィルタ装置

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JPH10276057A
JPH10276057A JP8005797A JP8005797A JPH10276057A JP H10276057 A JPH10276057 A JP H10276057A JP 8005797 A JP8005797 A JP 8005797A JP 8005797 A JP8005797 A JP 8005797A JP H10276057 A JPH10276057 A JP H10276057A
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electrode
surface acoustic
acoustic wave
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JP8005797A
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Yasubumi Horio
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双方向性変換器の両側に第1及び第2の一方
向性変換器を配置した弾性表面波フィルタ装置の直達波
レベルの悪化し、リップル及び帯域外減衰量が悪化する
を防止する。 【解決手段】 双方向性変換器22の正電極28及び負
電極29をそれぞれ信号入力端子に接続し、第1及び第
2の一方向性変換器23及び24の正電極34及び35
並びに負電極36及び37をそれぞれ、信号出力端子及
びグランド端子に接続する。λを基本弾性表面波の波長
とした場合、双方向性変換器22と第1の一方向性変換
器23との間の弾性表面波の伝播方向の距離と、双方向
性変換器22と第2の一方向性変換器24との間の弾性
表面波の伝播方向の距離との差を、(2N+1)*λ/
2 (N=0,1,2...)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波フィルタ
装置に関するものであり、特に、双方向性変換器の両側
に第1及び第2の一方向性変換器を配置した弾性表面波
フィルタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような弾性表面波フィルタ装
置は、例えば特開平213870号公報に記載されている。こ
のように双方向性変換器の両側に第1及び第2の一方向
性変換器を配置した弾性表面波フィルタ装置では、双方
向性変換器で励振された全てのエネルギーを有効に利用
することができ、その結果挿入損失を大幅に低減するこ
とができるという利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、このような弾性
表面波フィルタ装置は、平衡型の増幅器とともに用いら
れるようになっている。この場合、図3に示すように、
圧電性基板1上に設けた出力側変換器としての双方向性
変換器2と、この双方向性変換器2の弾性表面波の伝播
軸線の両側に同一の基本弾性表面波の伝播方向の距離を
以てそれぞれ配置した第1及び第2の一方向性変換器3
及び4をパッケージ5に収容するに当たり、双方向性変
換器2の正電極6及び負電極7はそれぞれ、ポンディン
グワイヤ8及び9を介して信号出力端子(図示せず)に
接続されたボンディングパッド10及び11に結合さ
れ、第1及び第2の一方向性変換器3及び4の正電極1
2及び13並びに負電極14及び15はそれぞれ、ボン
ディングワイヤ16〜19を介して信号入力端子(図示
せず)に接続されたボンディングパッド20及び21に
接続される。したがって、これら正電極及び負電極はい
ずれも信号入力端子又は信号出力端子に接続される。す
なわちアース端子に接続されないので、これら正電極及
び負電極を信号入力端子又は信号出力端子に結合したボ
ンディングワイヤは所定の電位を有するようになる。そ
の結果、これらボンディングワイヤ(例えば、ボンディ
ングワイヤ12及び18)が交差することにより、これ
らの間に電磁結合が生じ、これによって弾性表面波フィ
ルタ装置の直達波レベルが悪化し、リップル及び帯域外
減衰量が悪化するという不都合がある。
【0004】また、このような弾性表面波フィルタ装置
として、双方向性変換器が、第1及び第2の正又は負電
極並びに負又は正電極を有するもの、すなわちその正電
極又は負電極が分割されたものがある。このように電極
を分割することにより弾性表面波フィルタ装置のインピ
ーダンスを高くすることにより、回路設計の際に所望の
インピーダンスを得るようにしている。この場合にも、
弾性表面波フィルタ装置の直達波レベルが悪化し、リッ
プル及び帯域外減衰量が悪化するという不都合がある。
【0005】本発明の目的は、双方向性変換器の両側に
第1及び第2の一方向性変換器を配置した弾性表面波フ
ィルタ装置を平衡型の増幅器とともに用いた場合に直達
波レベルが悪化し、リップル及び帯域外減衰量が悪化す
るのを防止することである。
【0006】本発明の他の目的は、正電極又は負電極を
分割した双方向性変換器の両側に第1及び第2の一方向
性変換器を配置した弾性表面波フィルタ装置を平衡型の
増幅器とともに用いた場合に直達波レベルが悪化し、リ
ップル及び帯域外減衰量が悪化するのを防止することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1記
載の弾性表面波フィルタ装置は、圧電性基板と、この圧
電性基板上に形成され、複数の電極指を設けた正電極及
び複数の電極指を設けた負電極を有する双方向性変換器
と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝播軸線の両側
にそれぞれ配置され、各々が複数の電極指を設けた正電
極及び複数の電極指を設けた負電極を有する第1及び第
2の一方向性変換器とを具え、前記双方向性変換器を入
力側変換器とした場合に前記第1及び第2の一方向性変
換器を出力側変換器とし、前記双方向性変換器を出力側
変換器とした場合に前記第1及び第2の一方向性変換器
を入力側変換器とした弾性表面波フィルタ装置におい
て、前記双方向性変換器の正電極及びその負電極をそれ
ぞれ、前記弾性表面波フィルタ装置の信号入力部と信号
出力部のうちの一方に接続し、前記第1及び第2の一方
向性変換器の正電極とその負電極のうちの一方を、前記
弾性表面波フィルタ装置の信号入力部と信号出力部のう
ちの他方にそれぞれ接続し、前記第1及び第2の一方向
性変換器の正電極とその負電極のうちの他方を、グラン
ド部に接続し、λを基本弾性表面波の波長とし、前記双
方向性変換器と第1の一方向性変換器との間の弾性表面
波の伝播方向の距離をL1とし、前記双方向性変換器と
第2の一方向性変換器との間の弾性表面波の伝播方向の
距離をL2とした場合、
【数3】|L1−L2|=(2N+1)*λ/2 (N
=0,1,2...) の関係を有することを特徴とするものである。
【0008】このように、第1及び第2の一方向性変換
器の正電極とその負電極のうちの一方を、信号入力部又
は信号出力部に接続し、第1及び第2の一方向性変換器
の正電極とその負電極のうちの他方を、グランド端子に
接続することにより、正電極と負電極のうちの一方と信
号入力端子又は信号出力端子とを結合したボンディング
ワイヤと、正電極と負電極のうちの他方とグランド部と
を結合したボンディングワイヤとが交差しても、電磁結
合が生じなくなるので、弾性表面波フィルタ装置の直達
波レベルを改善することができる。
【0009】このように、第1及び第2の一方向性変換
器の正電極又は負電極をグランド端子に接続した弾性表
面波フィルタ装置を平衡型の増幅器とともに用いる場
合、従来の弾性表面波フィルタ装置のように双方向性変
換器と第1の一方向性変換器との間の弾性表面波の伝播
方向の距離と双方向性変換器と第2の一方向性変換器と
の間の弾性表面波の伝播方向の距離とを同一にすると、
双方向性変換器並びに第1及び第2の一方向性変換器の
正電極及び負電極を信号入力端子及び信号出力端子に接
続した従来の弾性表面波フィルタ装置の特性とは異なる
特性となり、不都合が生じる。第1及び第2の一方向性
変換器の正電極又は負電極をグランド端子に接続した場
合でもこのような不都合が生じないようにするために
は、双方向性変換器から第1の一方向性変換器に伝播さ
れる弾性表面波と双方向性変換器から第2の一方向性変
換器に伝播される弾性表面波との位相差をπとする必要
がある。その結果、数3の関係が成立するようにL1,
L2を設定し、このような従来の弾性表面波フィルタ装
置の特性と同様な特性を維持するようにしている。ま
た、双方向性変換器を入力側変換器とし、第1及び第2
の一方向性変換器を出力側変換器とする場合、双方向性
変換器で励振された弾性表面波は、第1及び第2の一方
向性変換器にそれぞれ伝播され、電気信号に変換される
が、伝播された弾性表面波の一部は、第1及び第2の一
方向性変換器の正電極又は負電極の電極指によって反射
され、双方向性変換器に戻ってくる。このように第1及
び第2の一方向性変換器の正電極又は負電極の電極指に
よって反射される不所望な弾性表面波は、数3のように
L1とL2との間の距離の差を(2N+1)*λ/2と
することにより相殺されるので、弾性表面波フィルタ装
置の特性は更に良好なものとなる。それに対して、第1
及び第2の一方向性変換器を入力側変換器とし、双方向
性変換器を出力側変換器とする場合、第1及び第2の一
方向性変換器で励振された弾性表面波はそれぞれ、双方
向性変換器に伝播され、電気信号に変換されるが、伝播
された弾性表面波の一部は、双方向性変換器を漏れて、
第2及び第1の一方向性変換器まで伝播され、その正電
極又は負電極の電極指によって反射される。この場合に
も、数3のようにL1とL2との間の距離の差を(2N
+1)*λ/2とすることにより、第2及び第1の一方
向性変換器まで伝播された弾性表面波は相殺されるの
で、弾性表面波フィルタ装置の特性は更に良好なものと
なる。
【0010】本発明による請求項2記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記双方向性変換器の正電極に、λ/4
の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅
がほぼλ/8である二つの電極指の組をλのピッチで周
期的に形成し、同様に、その負電極に、λ/4の中心間
距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ
/8である二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形
成し、前記正電極の電極指の組の各々が、それに隣接す
る前記負電極の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ
位置し、前記第1及び第2の一方向性変換器の各々の正
電極に、各々の弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
2である前記複数の電極指をλのピッチで周期的に形成
し、その各々の負電極に、各々の弾性表面波の伝播方向
の幅がほぼλ/12である前記複数の電極指をλのピッ
チで周期的に形成し、前記正電極の電極指の各々が、そ
れに隣接する前記負電極の電極指とλ/2の中心間距離
を以てそれぞれ位置し、前記正電極の電極指と負電極の
電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅が
ほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、それ
に隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中
間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方
向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極を設けた
ことを特徴とするものである。
【0011】浮き電極型の一方向性変換器として、正電
極、負電極及び短絡型浮き電極の各電極指の弾性表面波
の伝播方向の幅をλ/8に設定したλ/8型の一方向性
変換器と、各電極指の幅をλ/12に設定したλ/12
型の一方向性変換器とがある。λ/8型の一方向性変換
器の場合、短絡型浮き電極の電極指を偏移させることが
できる範囲が狭すぎ、すなわち正電極、負電極及び短絡
型浮き電極の各電極の配列ピッチを電極指の幅(すなわ
ち、λ/8)又はこの整数倍に設定することができな
い。その結果、双方向性変換器と組み合わせた場合、短
絡型浮き電極による反射効果を有効に活用することがで
きず、したがって挿入損失及びG.D.T.(群遅延時
間)の面から特性の改善を期待することができない。
【0012】それに対して、正電極、負電極及び短絡型
浮き電極の各電極指の幅をλ/12に設定したλ/12
型の一方向性変換器の場合、各電極の全ての電極指をλ
/12又はこれの整数倍の配列ピッチで形成することが
でき、短絡型浮き電極による反射効果を有効に活用する
ことができる。その結果、双方向性変換器と組み合わせ
た場合、挿入損失、G.D.T.周波数特性及びT.
T.E.(Triple transit echo) の全てを満足しうる弾
性表面波フィルタ装置を実現することができる。
【0013】この場合、浮き電極として短絡型浮き電極
を用いるが、浮き電極としては、開放型浮き電極を用い
る場合と、短絡型浮き電極を用いる場合とが考えられ
る。開放型浮き電極の場合、浮き電極自体がフローティ
ング状態にあるため、基本的には電位分布を強制的に変
更させることができない。一方、短絡型浮き電極の場
合、短絡型浮き電極が配置された位置の電位は強制的に
零にされるため、その配置、すなわち励振電極からの距
離を変更することにより電位分布を強制的に変化させる
ことができる。本発明者が種々の解析を行った結果、励
振中心を移動させることができる量は、浮き電極の電極
指と負電極の電極指との間の中間位置からの偏移量に大
きく依存し、浮き電極をこの中間位置から一方の側にλ
/12の距離だけシフトした場合、最良の結果が得られ
ることを見出した。しかも、このような短絡型浮き電極
を用いることにより、電界分布の変更を介して励振中心
は正電極の中心から弾性表面波の伝播方向とは反対に偏
移する。
【0014】次に、双方向性変換器について検討する。
双方向性変換器として、正電極及び負電極の各電極指の
幅をλ/4に設定した変換器がある。この変換器は、励
振効率の面から捉えると極めて有益である。しかしなが
ら、電極指の各端間のピッチがλ/4となるため、電極
指の各端縁で生じた反射波が互いに同相となり、その結
果1dB以上の大きなリップルが生じる。したがって、
一方向性変換器と組み合わせた場合、周波数特性を満足
することができない。
【0015】また、各電極指の幅をλ/8に規定した双
方向性変換器の場合、電極指の面積がλ/4型よりも少
なくなるため、励振効率はλ/4型よりも低下する。ま
た、電極指の端縁で生じる反射波の位相が相互にずれる
ため、周波数特性にリップルが生じてしまう。したがっ
て、一方向性変換器き組み合わせた場合、挿入損失及び
周波数特性について満足することができる特性を得るこ
とができない。
【0016】これに対して、幅がλ/8の2本の電極指
を対とし、正電極及び負電極の電極指を2本の電極指対
で構成したλ/8スプリット型の双方向性変換器の場
合、電極指の面積はλ/4型の場合と同一であり、高い
励振効率が得られる。また、電極指端縁で発生する反射
波は、互いに位相が反転した反射波同士だけであるの
で、リップルのない極めて良好な周波数特性が得られ
る。したがって、このλ/8スプリット型の電極構造を
有する双方向性変換器をλ/12型のスプリッド型の電
極構造を有する双方向性変換器と組み合わせれば、挿入
損失、周波数特性、及びT.T.E.減衰レベルについ
て各変換器が有する固有の欠点が互いに補完され、その
結果、優れた特性を有する弾性表面波フィルタ装置を実
現することができる。
【0017】本発明による請求項3記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記第1及び第2の一方向性変換器を正
規型電極構造とし、前記双方向性変換器を重み付けをし
た電極構造としたことを特徴とするものである。
【0018】この場合、一方向性変換器は、各電極指の
弾性表面波の伝播方向と直交する方向の寸法が同一に設
定され、重み付けされていない電極構造である正規型電
極構造を有し、それに対して、双方向性変換器は、重み
付けした電極構造を有する。帯域外減衰特性を大きく設
定するためには、変換器に重み付けを施す必要がある。
ここで、一方向性変換器の電極構造に重み付けをすると
周波数特性が悪化する。特に、短絡型浮き電極型の一方
向性変換器を重み付け電極構造とすると、短絡型浮き電
極の電極指を接続する接続部が励振領域内に位置するよ
うになり、この部分で不所望な反射波が生じたり、励起
された弾性表面波に伝播速度差が生じたりするので、強
いリップルが生じる。このような認識に基づいて、一方
向性変換器を正規型の電極構造とするとともに、双方向
性変換器に重み付けを行う。このような構成にすること
により、リップルのない特性を得ることができる。
【0019】本発明による請求項4記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構造
が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
タイズ法によって構成されていることを特徴とするもの
である。
【0020】重み付けの方法として、電極指を所望のピ
ッチで間引く間引き法やバリビッチ法が知られている。
しかしながら、これらの方法では、電極指における反射
波に位相ずれが生じ、これがリップルの原因となる。そ
れに対して、アポタイズ法では、電極指の弾性表面波の
伝播方向と直交する方向の長さを順次変化させているの
で、位相ずれによるリップルの発生を防止し、リップル
のない周波数特性を得ることができる。
【0021】本発明による請求項5記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
徴とするものである。
【0022】弾性表面波フィルタ装置の圧電性基板とし
ては、通常、ニオブ酸リチウム基板、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板、ほう酸リチウム基板等が用いられて
いる。これら基板のうち、ニオブ酸リチウム基板は比較
的大きな電気機械結合係数(K2 )を有するので、良好
な変換特性が得られるという利点がある。しかしなが
ら、温度特性に難点があるため、すなわち温度変化に対
する帯域幅の変化が大きくなるという欠点があり、広帯
域用のフィルタとしてだけ用いられてきた。このため、
従来の狭帯域フィルタとしては共振型のフィルタ装置だ
けが用いられてきた。しかしながら、共振型のフィルタ
は、その構造からGDTが大きい不具合が強く指摘され
ていた。それに対して、浮き電極型の変換器を有する弾
性表面波フィルタ装置は、電極の非対称構造を有効に利
用しているため、挿入損失、GDTを大幅に低減するこ
とができる。したがって、非対称構造の内部反射型電極
構造を温度特性に優れた圧電性基板に適用すれば、GD
T及び挿入損失に優れるとともに、温度変化に対する通
常帯域の変化が極めて小さい弾性表面波フィルタ装置を
実現することができ、したがって、狭帯域フィルタとし
て構成した場合でも、極めて良好なフィルタ特性を有す
る弾性表面波フィルタ装置を実現することができる。
【0023】このような状況を考慮すると、本発明の弾
性表面波フィルタ装置によれば、周波数に対する温度特
性が極めて小さく、電気機械結合係数がニオブ酸リチウ
ム基板に比べて1桁以上小さく、かつ、電極指による反
射係数が短絡型浮き電極に対して正の反射係数を有する
圧電性基板を用いる。本発明では、このような圧電性基
板として、電気機械結合係数が0.14%の水晶基板、
電気機械結合係数が0.64%のタンタル酸リチウム基
板、又は電気機械結合係数が1.0%のほう酸リチウム
基板を用いる。これら基板は温度変化に対する周波数変
動が微小であるので、圧電性基板としてこれら基板のう
ちのいずれかを用いると、温度特性に対する通過周波数
帯域の変化を微小範囲に維持することができる。しかし
ながら、水晶、タンタル酸リチウム及びほう酸リチウム
は電気機械結合係数が小さいため、既存の変換器をその
まま形成すると、挿入損失の観点から実現することがで
きない。
【0024】本発明者が水晶基板、タンタル酸リチウム
基板及びほう酸リチウム基板における挿入損失について
詳細な検討を行った結果、浮き電極の反射係数の符号が
挿入損失に大きく影響していることが判明した。水晶基
板、タンタル酸リチウム基板及びほう酸リチウム基板の
場合、開放型浮き電極に比べて短絡型浮き電極の方が反
射係数が大きい。したがって、浮き電極として短絡型浮
き電極を用いるのが好適である。このように構成するこ
とにより、電気機械結合係数の小さい水晶基板を用いて
も挿入損失を極めて小さい範囲に抑制することができ、
その結果、温度特性に優れるとともに低損失の広帯域弾
性表面波フィルタ装置を実現することができる。また、
一方向性変換器としてダート型電極構造の変換器を用い
た場合でも、同様に温度特性に優れるとともに低損失の
広帯域弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。
【0025】水晶基板は温度変化に対する周波数変動が
微小であるので、圧電性基板として水晶基板を用いる
と、温度変化による通過周波数帯域の変化を微小範囲に
維持することができる。しかしながら、水晶は電気機械
結合が小さいため、既存の変換器をそのまま形成すると
挿入損失の観点から実用化することができない。本発明
者が水晶基板における挿入損失について詳細な検討を行
った結果、浮き電極の反射係数の符号が挿入損失に強く
影響していることが判明した。水晶基板の場合、開放型
浮き電極に比べて短絡型浮き電極の方が反射係数が大き
い。したがって、浮き電極として短絡型浮き電極を用い
るのが好適である。このように構成することにより、電
気機械結合係数の小さい水晶基板を用いても挿入損失を
極めて小さい範囲に抑制することができ、その結果、温
度特性に優れるとともに低損失の広帯域弾性表面波フィ
ルタ装置を実現することができる。
【0026】本発明による請求項6記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成
され、複数の電極指を設けた第1及び第2の正又は負電
極並びに複数の電極指を設けた負又は正電極を有する双
方向性変換器と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝
播軸線の両側にそれぞれ配置され、各々が複数の電極指
を設けた正電極並びに複数の電極指を設けた負電極を有
する第1及び第2の一方向性変換器とを具え、前記双方
向性変換器を入力側変換器とした場合に前記第1及び第
2の一方向性変換器を出力側変換器とし、前記双方向性
変換器を出力側変換器とした場合に前記第1及び第2の
一方向性変換器を入力側変換器とした弾性表面波フィル
タ装置において、前記双方向性変換器の第1及び第2の
正又は負電極を、前記弾性表面波フィルタ装置の信号入
力部と信号出力端子のうちの一方に接続し、前記第1及
び第2の一方向性変換器の正電極とその負電極のうちの
一方を、前記弾性表面波フィルタ装置の信号入力部と信
号出力部のうちの他方に接続し、前記第1及び第2の一
方向性変換器の正電極とその負電極のうちの他方を、グ
ランド部に接続し、λを基本弾性表面波の波長とし、前
記双方向性変換器と第1の一方向性変換器との間の弾性
表面波の伝播方向の距離をL1とし、前記双方向性変換
器と第2の一方向性変換器との間の弾性表面波の伝播方
向の距離をL2とした場合、
【数4】|L1−L2|=(2N+1)*λ/2 (N
=0,1,2...) の関係を有することを特徴とするものである。
【0027】このように正電極又は負電極を分割した双
方向性変換器の両側に第1及び第2の一方向性変換器を
配置した弾性表面波フィルタ装置でも、請求項1記載の
弾性表面波フィルタ装置と同様の効果が得られる。
【0028】本発明による請求項7記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記双方向性変換器の第1及び第2の正
又は負電極の弾性表面波の伝播方向の長さを同一にし、
前記第1及び第2の正又は負電極の電極指の数を同一に
し、前記第1及び第2の正又は負電極にそれぞれ、λ/
4の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の
幅がほぼλ/8である二つの電極指の組をλのピッチで
周期的に形成し、同様に、その負又は正電極に、λ/4
の中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅
がほぼλ/8である二つの電極指の組をλのピッチで周
期的に形成し、前記第1及び第2の正又は負電極の電極
指の組の各々が、それに隣接する前記負又は正電極の組
とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位置し、前記第1
及び第2の一方向性変換器の各々の正電極に、各々の弾
性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12である前記複数
の電極指をλのピッチで周期的に形成し、その各々の負
電極に、各々の弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
2である前記複数の電極指をλのピッチで周期的に形成
し、前記正電極の電極指の各々が、それに隣接する前記
負電極の電極指とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位
置し、前記正電極の電極指と負電極の電極指との間に配
置され、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12の複
数の電極指を有し、各電極指が、それに隣接する正電極
の電極指と負電極の電極指との間の中間位置から弾性表
面波の伝播方向又はこれとは反対の方向にλ/12偏位
して位置する短絡型浮き電極を設けたことを特徴とする
ものである。
【0029】上記理由により、請求項2記載の弾性表面
波フィルタ装置と同様な効果が得られる。
【0030】本発明による請求項8記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記第1及び第2の一方向性変換器を正
規型電極構造とし、前記双方向性変換器を重み付けをし
た電極構造としたことを特徴とするものである。
【0031】上記理由により、請求項3記載の弾性表面
波フィルタ装置と同様な効果が得られる。
【0032】本発明による請求項9記載の弾性表面波フ
ィルタ装置は、前記双方向性変換器の重み付け電極構造
が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
タイズ法によって構成されていることを特徴とするもの
である。
【0033】上記理由により、請求項4記載の弾性表面
波フィルタ装置と同様な効果が得られる。
【0034】本発明による請求項10記載の弾性表面波
フィルタ装置は、前記圧電性基板を、水晶基板、タンタ
ル酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを
特徴とするものである。
【0035】上記理由により、請求項5記載の弾性表面
波フィルタ装置と同様な効果が得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明による弾性表面波フィルタ
装置を、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は
線形的であり、寸法通りではない。図1は、本発明によ
る弾性表面波フィルタ装置の第1の実施の形態を示す図
である。この弾性表面波フィルタ装置は、圧電性基板
(本実施の形態では水晶基板)21上に設けた入力側変
換器としての双方向性変換器22と、この双方向性変換
器22の弾性表面波の伝播軸線の両側にそれぞれ配置し
た出力側変換器としての第1及び第2の一方向性変換器
23及び24をパッケージ25に収容する。また、双方
向性変換器22と第1の一方向性変換器23との間にシ
ールド電極26を配置し、双方向性変換器22と第2の
一方向性変換器24との間にシールド電極27を配置す
る。
【0037】双方向性変換器22の正電極28及び負電
極29をそれぞれ、ボンディングワイヤ30及び31を
介して信号入力端子(図示せず)に接続されたボンディ
ングパッド32及び33に結合し、第1及び第2の一方
向性変換器23及び24の正電極34及び35並びに負
電極36及び37をそれぞれ、ボンディングワイヤ38
〜41を介して、信号出力端子(図示せず)に接続され
たボンディングパッド42及び43並びにグランド端子
(図示せず)に接続されたボンディングパッド44及び
45に結合する。また、シールド電極26の両端をそれ
ぞれ、ボンディングパッド46及び47を介して、グラ
ンド端子(図示せず)に接続されたボンディングパッド
48及び49に結合する。さらに、シールド電極27の
両端をそれぞれ、ボンディングパッド50及び51を介
して、グランド端子(図示せず)に接続されたボンディ
ングパッド45及び52に結合する。なお、本形態で
は、信号入力部を、ボンディングワイヤ30及び31及
びそれに接続した信号入力端子(図示せず)とし、信号
出力部を、ボンディングワイヤ38〜41及びそれに接
続した信号出力端子(図示せず)とし、グランド端子
を、電位が零の端子、すなわちアースされた端子とす
る。
【0038】本形態では、λを基本弾性表面波の波長と
し、双方向性変換器22と第1の一方向性変換器23と
の間の弾性表面波の伝播方向の距離をL1とし、双方向
性変換器22と第2の一方向性変換器24との間の弾性
表面波の伝播方向の距離をL2とした場合、
【数5】|L1−L2|=(2N+1)*λ/2 (N
=0,1,2...) の関係を有する。
【0039】双方向性変換器22を、正電極28及び負
電極29をλ/4の中心間距離を以て配置した二つの電
極指の組をλのピッチで周期的に複数組形成したスプリ
ット電極構造の双方向変換器で構成し、正電極28の各
電極指の組が負電極29の電極指の組とλ/2の中心間
距離を以てそれぞれ位置するように設定する。
【0040】本実施の形態では、これら正電極28及び
負電極29の電極指の幅をλ/8に設定する。このよう
に構成することにより、互いに隣接する電極指間の間隔
が全てλ/8に設定される。双方向性変換器22の電極
の対数を、例えば300対に設定する。
【0041】また、双方向性変換器22には、アポタイ
ズ法による重み付けが行われており、正電極28の電極
指と負電極29の電極指との交叉幅すなわち開口長を、
弾性表面波の伝播方向に沿って変化させてる。
【0042】一方向性変換器23及び24を、正電極3
4及び35並びに負電極36及び37と、これら正電極
34及び35並びに負電極36及び37の電極指間に配
置した短絡型浮き電極53及び54とで構成する。本実
施の形態では、これら正電極34及び35、負電極36
及び37、並びに短絡型浮き電極53及び54の弾性表
面波の伝播方向における電極指の幅を、λ/12に設定
する。
【0043】正電極34及び35並びに負電極36及び
37の各電極指をそれぞれλのピッチで形成し、正電極
34及び35の電極指とそれに隣接する負電極36及び
37の電極指との間の中心間距離をλ/2に設定する。
また、短絡型浮き電極53及び54の電極指を、これに
隣接する正電極34及び35の電極指及び負電極36及
び37の電極指との間の中間から、弾性表面波の伝播方
向の上流側にλ/12だけ偏位するように配置して、電
極の非対称構造に基づく一方向特性を高める。
【0044】一方向性変換器23及び24の正電極34
及び35並びに負電極36及び37の対数を、例えば4
0対に設定する。この対数は、要求されるフィルタ特性
に応じて適宜最適条件に設定することができる。
【0045】本実施の形態では、一方向性変換器23及
び24において、短絡型浮き電極53及び54の配置位
置を、これに隣接する正電極34及び35の電極指と負
電極36及び37の電極指との間の中間位置から大幅に
偏位させて、非対称構造に基づく一方向伝播を一層増強
させることにより、弾性表面波フィルタ装置の挿入損失
を小さくしている。
【0046】一方向性変換器23及び24を出力側変換
器として用いるとともに、双方向性変換器22を入力側
変換器として用いる場合、濾波されるべき信号が入力端
子(図示せず)に入力されると、双方向性変換器22に
よって励起された弾性表面波は双方向に、すなわち一方
向性変換器23及び24方向に伝播され、シールド電極
26及び27を経て一方向性変換器23及び24で電気
信号に変換され、信号出力端子(図示せず)から濾波さ
れた信号が出力される。信号出力端子(図示せず)から
得られる信号の周波数特性は、一方向性変換器の特性と
双方向性変換器の特性とが掛け合わされた特性となる。
したがって、トランスバーサル型の弾性表面波フィルタ
装置において一方向性変換器と双方向性変換器とを組み
合わせることにより、周波数特性については双方向性変
換器の良好な特性が活用され、挿入損失及びT.T.
E.レベルについては一方向性変換器の特有な特性が生
かされた弾性表面波フィルタ装置を実現することができ
る。その結果、周波数特性、挿入損失及びT.T.Eレ
ベルの要件を全て満たす弾性表面波フィルタ装置を実現
することができる。
【0047】本形態では、一方向性変換器23及び24
の正電極34及び35をそれぞれ、信号出力端子(図示
せず)に接続し、一方向性変換器23及び24の負電極
36及び37を、グランド端子(図示せず)に接続する
ことにより、正電極34及び35とボンディングパッド
42及び43とを結合したボンディングワイヤ38及び
39と、負電極36及び37とボンディングパッド44
及び45とを結合したボンディングワイヤ40及び41
とが交差しても、電磁結合が生じなくなるので、弾性表
面波フィルタ装置の直達波レベルを改善することができ
る。
【0048】ここで、このような弾性表面波フィルタ装
置を平衡型の増幅器とともに用いることができるように
するために、双方向性変換器並びに第1及び第2の一方
向性変換器の正電極及び負電極を信号入力端子及び信号
出力端子に接続した従来の弾性表面波フィルタ装置と同
様な特性を有するようにする必要がある。本形態では、
双方向性変換器22から第1の一方向性変換器23に伝
播される弾性表面波と双方向性変換器22から第2の一
方向性変換器24に伝播される弾性表面波との位相差を
πとするために、数5の関係を有するようにL1,L2
を設定する。
【0049】図2は、本発明による弾性表面波フィルタ
装置の第2の実施の形態を示す図である。この弾性表面
波フィルタ装置は、圧電性基板(本実施の形態でも水晶
基板)61上に設けた入力側変換器としての双方向性変
換器62と、この双方向性変換器62の弾性表面波の伝
播軸線の両側にそれぞれ配置した出力側変換器としての
第1及び第2の一方向性変換器63及び64をパッケー
ジ65に収容する。また、双方向性変換器62と第1の
一方向性変換器63との間にシールド電極66を配置
し、双方向性変換器62と第2の一方向性変換器64と
の間にシールド電極67を配置する。
【0050】双方向性変換器22の第1及び第2の正電
極68A,68Bをそれぞれ、ポンディングワイヤ69
及び70を介して信号入力端子(図示せず)に接続され
たボンディングパッド71及び72に結合し、その負電
極73をフローティングさせる。第1及び第2の一方向
性変換器63及び64の正電極74及び75並びに負電
極76及び77をそれぞれ、ボンディングワイヤ78〜
81を介して、信号出力端子(図示せず)に接続された
ボンディングパッド82及び83並びにグランド端子
(図示せず)に接続されたボンディングパッド84及び
45に結合する。また、シールド電極66の両端をそれ
ぞれ、ボンディングパッド86及び87を介して、グラ
ンド端子(図示せず)に接続されたボンディングパッド
88及び89に接続する。さらに、シールド電極67の
両端をそれぞれ、ボンディングパッド90及び91を介
して、グランド端子(図示せず)に接続されたボンディ
ングパッド85及び92に接続する。なお、本形態で
は、信号入力部を、ボンディングワイヤ69及び70及
びそれに接続した信号入力端子(図示せず)とし、信号
出力部を、ボンディングワイヤ78〜81及びそれに接
続した信号出力端子(図示せず)とし、グランド端子
を、電位が零の端子、すなわちアースされた端子とす
る。
【0051】本形態でも、λを基本弾性表面波の波長と
し、双方向性変換器62と第1の一方向性変換器63と
の間の弾性表面波の伝播方向の距離をL1とし、双方向
性変換器62と第2の一方向性変換器64との間の弾性
表面波の伝播方向の距離をL2とした場合、
【数6】|L1−L2|=(2N+1)*λ/2 (N
=0,1,2...) の関係を有する。
【0052】本形態では、双方向性変換器62の第1及
び第2の正電極68A,68Bの弾性表面波の伝播方向
の長さを同一にする。また、これら第1及び第2の正電
極68A,68Bの結合損失をなくすために、第1及び
第2の正電極68A,68Bの電極指の数を同一にす
る。これら第1及び第2の正電極68A,68Bの電極
指の数の和を、負電極73の電極指の数とほぼ同一に
し、第1及び第2の正電極68A,68Bの弾性表面波
の伝播方向の距離をλ/2とし、第1及び第2の正電極
68A,68Bにそれぞれ、λ/4の中心間距離を以て
位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/8である
二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形成し、同様
に、その負電極73に、λ/4の中心間距離を以て位置
し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/8である二つ
の電極指の組をλのピッチで周期的に形成し、第1及び
第2の正電極68A,68Bの電極指の組の各々が、そ
れに隣接する負電極73の組とλ/2の中心間距離を以
てそれぞれ位置する。弾性表面波フィルタ装置のインピ
ーダンスは、それに用いられる変換器の対数の2乗に反
比例するので、このような正電極を分割すると、対数が
同一である場合には、正電極が分割されていない場合に
比べてインピーダンスが8倍になる。このような弾性表
面波フィルタ装置は、回路設計の際に高インピーダンス
が要求される場合には好適なものとなる。なお、一方向
性変換器63及び64は、図1の一方向性変換器23及
び24とそれぞれ同一の構成である。
【0053】このように正電極又は負電極を分割した双
方向性変換器の両側に第1及び第2の一方向性変換器を
配置した弾性表面波フィルタ装置でも、上記第1の実施
の形態と同様の効果が得られる。
【0054】本発明は上記実施の形態に限定されるもの
ではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例えば、
上記第1及び第2の実施の形態では、一方向性変換器の
正電極を信号入力端子(又は信号出力端子)に接続し、
その負電極をグランド端子に接続することもできる。ま
た、正電極又は負電極とボンディングパッドとのボンデ
ィングワイヤによる結合は、上記第1第2の実施の形態
以外の結合を行うこともできる。また、上記第1及び第
2の実施の形態では、第1及び第2の一方向性変換器を
出力側変換器とし、双方向性変換器を入力側変換器とし
たが、第1及び第2の一方向性変換器を入力側変換器と
し、双方向性変換器を出力側変換器とすることもでき
る。また、上記第1及び第2の実施の形態において、正
電極と負電極として用い、負電極を正電極として用いる
こともできる。さらに、上記第1及び第2の実施の形態
では、圧電性基板として水晶基板を用いたが、タンタル
酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板を用いることも
できる。また、図2に図示した実施の形態において、双
方向性変換器の第1及び第2の正電極の弾性表面波の伝
播方向の長さを同一にしたが、これらの長さを必ずしも
同一にする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第1の
実施の形態を示す図である。
【図2】本発明による弾性表面波フィルタ装置の第2の
実施の形態を示す図である。
【図3】従来の弾性表面波フィルタ装置を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,21,61 圧電性基板 2,22,62 双方向
性変換器 3,4,23,24,63,64 一方向性
変換器 5,25,65 パッケージ 6,12,1
3,28,34,35,68A,68B,74,75
正電極 7,14,15,29,36,37,73,7
6,77 負電極 8,9,16,17,18,19,
30,31,38,39,40,41,46,47,5
0,51,69,70,78,79,80,81,8
6,87,90,91 ボンディングワイヤ 10,1
1,20,21,32,33,42,43,44,4
5,48,49,52,71,72,82,83,8
4,85,88,89,92 ボンディングパッド

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成さ
    れ、複数の電極指を設けた正電極及び複数の電極指を設
    けた負電極を有する双方向性変換器と、この双方向性変
    換器の弾性表面波の伝播軸線の両側にそれぞれ配置さ
    れ、各々が複数の電極指を設けた正電極及び複数の電極
    指を設けた負電極を有する第1及び第2の一方向性変換
    器とを具え、前記双方向性変換器を入力側変換器とした
    場合に前記第1及び第2の一方向性変換器を出力側変換
    器とし、前記双方向性変換器を出力側変換器とした場合
    に前記第1及び第2の一方向性変換器を入力側変換器と
    した弾性表面波フィルタ装置において、前記双方向性変
    換器の正電極及びその負電極をそれぞれ、前記弾性表面
    波フィルタ装置の信号入力部と信号出力部のうちの一方
    に接続し、前記第1及び第2の一方向性変換器の正電極
    とその負電極のうちの一方を、前記弾性表面波フィルタ
    装置の信号入力部と信号出力部のうちの他方にそれぞれ
    接続し、前記第1及び第2の一方向性変換器の正電極と
    その負電極のうちの他方を、グランド部に接続し、λを
    基本弾性表面波の波長とし、前記双方向性変換器と第1
    の一方向性変換器との間の弾性表面波の伝播方向の距離
    をL1とし、前記双方向性変換器と第2の一方向性変換
    器との間の弾性表面波の伝播方向の距離をL2とした場
    合、 【数1】|L1−L2|=(2N+1)*λ/2 (N
    =0,1,2...) の関係を有することを特徴とする弾性表面波フィルタ装
    置。
  2. 【請求項2】前記双方向性変換器の正電極に、λ/4の
    中心間距離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅が
    ほぼλ/8である二つの電極指の組をλのピッチで周期
    的に形成し、同様に、その負電極に、λ/4の中心間距
    離を以て位置し、弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/
    8である二つの電極指の組をλのピッチで周期的に形成
    し、前記正電極の電極指の組の各々が、それに隣接する
    前記負電極の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ位
    置し、前記第1及び第2の一方向性変換器の各々の正電
    極に、各々の弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/12
    である前記複数の電極指をλのピッチで周期的に形成
    し、その各々の負電極に、各々の弾性表面波の伝播方向
    の幅がほぼλ/12である前記複数の電極指をλのピッ
    チで周期的に形成し、前記正電極の電極指の各々が、そ
    れに隣接する前記負電極の電極指とλ/2の中心間距離
    を以てそれぞれ位置し、前記正電極の電極指と負電極の
    電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅が
    ほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、それ
    に隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中
    間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方
    向にλ/12偏位して位置する浮き電極を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の弾性表面波フィルタ装置。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の一方向性変換器を正規
    型電極構造とし、前記双方向性変換器を重み付けをした
    電極構造としたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    弾性表面波フィルタ装置。
  4. 【請求項4】前記双方向性変換器の重み付け電極構造
    が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
    長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
    タイズ法によって構成されていることを特徴とする請求
    項3記載の弾性表面波フィルタ装置。
  5. 【請求項5】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル酸
    リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特徴
    とする請求項1から4のうちのいずれかに記載の弾性表
    面波フィルタ装置。
  6. 【請求項6】圧電性基板と、この圧電性基板上に形成さ
    れ、複数の電極指を設けた第1及び第2の正又は負電極
    並びに複数の電極指を設けた負又は正電極を有する双方
    向性変換器と、この双方向性変換器の弾性表面波の伝播
    軸線の両側にそれぞれ配置され、各々が複数の電極指を
    設けた正電極並びに複数の電極指を設けた負電極を有す
    る第1及び第2の一方向性変換器とを具え、前記双方向
    性変換器を入力側変換器とした場合に前記第1及び第2
    の一方向性変換器を出力側変換器とし、前記双方向性変
    換器を出力側変換器とした場合に前記第1及び第2の一
    方向性変換器を入力側変換器とした弾性表面波フィルタ
    装置において、前記双方向性変換器の第1及び第2の正
    又は負電極を、前記弾性表面波フィルタ装置の信号入力
    部と信号出力端子のうちの一方に接続し、前記第1及び
    第2の一方向性変換器の正電極とその負電極のうちの一
    方を、前記弾性表面波フィルタ装置の信号入力部と信号
    出力部のうちの他方に接続し、前記第1及び第2の一方
    向性変換器の正電極とその負電極のうちの他方を、グラ
    ンド部に接続し、λを基本弾性表面波の波長とし、前記
    双方向性変換器と第1の一方向性変換器との間の弾性表
    面波の伝播方向の距離をL1とし、前記双方向性変換器
    と第2の一方向性変換器との間の弾性表面波の伝播方向
    の距離をL2とした場合、 【数2】|L1−L2|=(2N+1)*λ/2 (N
    =0,1,2...) の関係を有することを特徴とする弾性表面波フィルタ装
    置。
  7. 【請求項7】前記第1及び第2の正又は負電極の電極指
    の数をほぼ同一にし、前記第1及び第2の正又は負電極
    にそれぞれ、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表
    面波の伝播方向の幅がほぼλ/8である二つの電極指の
    組をλのピッチで周期的に形成し、同様に、その負又は
    正電極に、λ/4の中心間距離を以て位置し、弾性表面
    波の伝播方向の幅がほぼλ/8である二つの電極指の組
    をλのピッチで周期的に形成し、前記第1及び第2の正
    又は負電極の電極指の組の各々が、それに隣接する前記
    負又は正電極の組とλ/2の中心間距離を以てそれぞれ
    位置し、前記第1及び第2の一方向性変換器の各々の正
    電極に、各々の弾性表面波の伝播方向の幅がほぼλ/1
    2である前記複数の電極指をλのピッチで周期的に形成
    し、その各々の負電極に、各々の弾性表面波の伝播方向
    の幅がほぼλ/12である前記複数の電極指をλのピッ
    チで周期的に形成し、前記正電極の電極指の各々が、そ
    れに隣接する前記負電極の電極指とλ/2の中心間距離
    を以てそれぞれ位置し、前記正電極の電極指と負電極の
    電極指との間に配置され、弾性表面波の伝播方向の幅が
    ほぼλ/12の複数の電極指を有し、各電極指が、それ
    に隣接する正電極の電極指と負電極の電極指との間の中
    間位置から弾性表面波の伝播方向又はこれとは反対の方
    向にλ/12偏位して位置する短絡型浮き電極を設けた
    ことを特徴とする請求項6記載の弾性表面波フィルタ装
    置。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2の一方向性変換器を正規
    型電極構造とし、前記双方向性変換器を重み付けをした
    電極構造としたことを特徴とする請求項6又は7記載の
    弾性表面波フィルタ装置。
  9. 【請求項9】前記双方向性変換器の重み付け電極構造
    が、各電極指の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の
    長さが弾性表面波の伝播方向に沿って順次変化するアポ
    タイズ法によって構成されていることを特徴とする請求
    項8記載の弾性表面波フィルタ装置。
  10. 【請求項10】前記圧電性基板を、水晶基板、タンタル
    酸リチウム基板又はほう酸リチウム基板としたことを特
    徴とする請求項6から9のうちのいずれかに記載の弾性
    表面波フィルタ装置。
JP8005797A 1997-03-31 1997-03-31 弾性表面波フィルタ装置 Withdrawn JPH10276057A (ja)

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