JPH10273128A - プラスチック製トレーの補強装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック製のトレーにおいて、自重及び
装填する食品等の被処理物の重みがかかっていても１２
０℃程度の高温高圧下で受皿面が撓んだり、トレーに変
形が生じたりすることなく、被処理物の装填が自由にで
き、スプレーによる加熱が均一にできるプラスチック製
トレーの補強装置を提供。 【解決手段】 多数の透孔３を設けた受皿面２と、前記
受皿面２の周縁を囲んだ側壁部４と、この側壁部の少な
くとも４隅で上下方向に突出した支持柱５を介して、ト
レーを複数段に積み重ねた場合、各段間に隙間を形成す
るようにしたプラスチック製トレー１において、前記受
皿面２下を横切り、対向する２つの支持柱５間にステン
レス鋼その他の金属棒６を装着したプラスチック製トレ
ー１の補強装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック製トレ
ーの補強装置に関するもので、このトレーの受皿面上に
食品等を入れたパウチその他の処理物を多数載せ、複数
段に積み重ねてスプレー式高温高圧調理殺菌装置（レト
ルト）内に装填し、高温高圧下で食品等を調理殺菌する
に際して、トレーの変形や受皿面の撓みを防止するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来より側壁及び受皿面に多数のパンチ
ング孔を設けた金属製トレーが使用されている。この金
属製トレーの受皿面に被処理物を装填し、複数段に積み
重ねられ、レトルト等の高温高圧調理殺菌装置内で熱水
や蒸気その他の加熱媒体の噴射により受皿面上に載置し
た食品等が均一に加熱殺菌できるようにしている。特に
スプレー式高温高圧調理殺菌装置では上下に積み重ねら
れたトレー間に隙間を設けてスプレーによる熱水又は蒸
気が受皿面の全般に行き届いて加熱調理が均一に行われ
るようにしている。

【０００３】近年金属製のトレーに代えて高温高圧下で
も使用できるプラスチック製トレーが使用されるように
なった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、プラスチック
製トレーの場合、高温高圧下で使用されると、ヤング率
の低下によって引張応力が弱まる性質があり、特に受皿
面が食品等の重みにより撓むという難点がみられた。こ
れに対処するため出願人は先に多数の桟を十字に組み合
わせた形の格子状受皿面上に複数のプラスチック製支持
具１０を取り付ける手段を提供している（特願平７−２
６５７５６ − 図５参照）。しかし、このような支持
具は格子状受皿面の中央に取り付けられ、積み重ねられ
た複数段のトレー間で上下の格子状受皿面に接触してい
るため処理物を装填するのに障害となったり、スプレー
が被処理物に届かないなどの欠点がみられた。

【０００５】本発明の目的は上記のような欠点を解消
し、プラスチック製のトレーにおいて、自重及び装填す
る食品等の被処理物の重みがかかっていても１２０℃程
度の高温高圧下で受皿面が撓んだり、トレーに変形が生
じたりすることなく、被処理物の装填が自由にでき、ス
プレーによる加熱が均一にできるプラスチック製トレー
の補強装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため本発明の第１発明では、多数の透孔を設けた受
皿面と、前記受皿面の周縁を囲んだ側壁部と、この側壁
部の少なくとも４隅で上下方向に突出した支持柱を介し
て、トレーを複数段に積み重ねた場合、各段間に隙間を
形成するようにしたプラスチック製トレーにおいて、前
記受皿面下を横切り、対向する２つの支持柱間にステン
レス鋼その他の金属棒を装着したプラスチック製トレー
の補強装置とした。

【０００７】第２発明では、受皿面下に装着する金属棒
の差し込み部を設けた。第３発明では、差し込み部を対
向する側壁部の下端間に設けた。 （作用）第１発明では受皿面下を横切り、対向する２つ
の支持柱間に装着されるステンレス鋼その他の金属棒を
設けているので、この金属棒が受皿面を下から支持する
ことができ、例え高圧高温によってプラスチックのヤン
グ率が低下しても、金属によるヤング率がプラスチック
に比べて格段に高く受皿面の撓みを完全に防止できる。
又、金属棒を受皿面の下に設けているので、食品等の装
填に支障にならないと共にスプレーからの熱水又は蒸気
の噴射の障害にもならないようになった。

【０００８】第２発明では、受皿面下に装着する金属棒
の差し込み部を設けたので、金属棒が容易に定位置に取
り付けられ、受皿面の支持がより確実になった。第３発
明では、差し込み部を対向する側壁部の下端間に設け
て、金属棒の取り付けを容易にすると共に受皿面の支持
をより強化した。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明では複数段に積み重ねられ
たプラスチック製トレーの各受皿面上にパウチなどの包
装袋や容器に装填された食品を載せた状態で高温高圧の
調理殺菌装置に装填され、これらトレーの外周から、蒸
気その他の加熱媒体を噴霧して食品等を加熱殺菌するも
のである。従って、積み重ねられたトレーの隙間部から
スプレーにより十分に加熱媒体がパウチまで届くよう受
皿面に障害物のないのが望ましく、又、受皿面が熱及び
食品等の重みにより撓むのを防止した。

【００１０】受皿面は多数の透孔を設けており、例えば
多数の桟を十字に組み合わせた形で補強のため筋交い状
補強片などを有している。しかし、高温高圧下ではヤン
グ率が低下して撓む可能性があり、本発明はこのような
障害を防止するよう金属棒による受皿面の支持をしたも
のである。

【００１１】

【実施例】以下、図面に示した実施例を説明する。図１
において、１はプラスチック製トレーで、例えばポリプ
ロピレン樹脂を用いて成形される。２は受皿面で、多数
の透孔３を有し、４角形、長方形又は円形等に一体成形
されている。多数の透孔３は格子状の孔、丸孔、その他
の孔でよく、受皿面から熱水が下方の受皿面に滴下する
ようになっていればよい。又、受皿面２としては、例え
ば多数の桟を十字に組み合わせた格子状受皿面とし、補
強のため筋交い状補強片などを設けたものが用いられ
る。

【００１２】４は側壁部で、受皿面２の周縁を囲んで皿
の形に成形され、レトルトの側壁から噴射されるスプレ
ーを透過させる開口部を設ける場合もある。５は支持柱
で、側壁部４の４隅から上下方向に突出し、下方ではト
レーを支持すると共に複数段に積み重ねた場合、上方部
で側壁部４と側壁部４との間に隙間を形成するようにな
っている。この隙間からスプレーにより、加熱媒体が噴
射供給される。

【００１３】６は金属棒で、受皿面下を横切り、対向す
る２つの支持柱５間にステンレス鋼その他によって製造
され、例えばＳＵＳ製の丸棒を用いる。金属棒６は支持
柱５の下端に設けた差し込み部７に装着するようにし
て、簡単に取り付けられるようにした。８は差し込み部
で、側壁部４の直ぐ下に設けた場合を示す。９はストッ
パーである。

【００１４】なお金属棒６の差し込み部７は、支持柱５
の下端間に取り付ける場合の他、側壁部４、４間や受皿
面２の下面に沿って設けてもよい。要するに受皿面２が
高温下（１２０℃程度）で撓みを防止でき、受皿面の上
に食品等を装填するのに障害とならないようにすればよ
い。

【００１５】

【発明の効果】第１発明では、プラスチック製トレーに
おいて、レトルト内の高温高圧下で食品等を調理殺菌す
る場合に受皿面を下面から支持するよう金属棒を設けた
ので、撓みを生じることなく、トレーの変形もなくなっ
た。従って、従来例のようにトレーの中央に支持具を設
ける必要がなく、受皿面の上に食品等の被処理物を自由
に装填でき、スプレーによる加熱殺菌処理が均一にでき
る。

【００１６】第２発明では、金属棒の差し込み部を設け
たので、受皿面の下に装着するのが便利になった。装着
後、金属棒の移動を防止するようストッパー９を設ける
こともできる。第３発明では、差し込み部を対向する側
壁部の下端間に設けることにより、受皿面の支持がより
強化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】プラスチック製トレーの平面図で、一部破断し
て内部を示した

【図２】複数段にプラスチック製トレーを積み重ねた状
態を示す正面図

【図３】要部拡大正面図

【図４】要部拡大断面図

【図５】従来例を示す要部拡大断面図

【符号の説明】

１ プラスチック製トレー ２ 受皿面 ３ 透孔 ４ 側壁部 ５ 支持柱 ６ 金属棒 ７、８ 差し込み部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の透孔を設けた受皿面と、前記受皿
   面の周縁を囲んだ側壁部と、この側壁部の少なくとも４
   隅で上下方向に突出した支持柱を介して、トレーを複数
   段に積み重ねた場合、各段間に隙間を形成するようにし
   たプラスチック製トレーにおいて、前記受皿面下を横切
   り、対向する２つの支持柱間にステンレス鋼その他の金
   属棒を装着したことを特徴とするプラスチック製トレー
   の補強装置。
2. 【請求項２】 受皿面下に装着する金属棒の差し込み部
   を設けた請求項１記載のプラスチック製トレーの補強装
   置。
3. 【請求項３】 差し込み部を対向する側壁部の下端間に
   設けた請求項１又は２記載のプラスチック製トレーの補
   強装置。