JPH10272580A - チタン又はチタン合金材の鋼材へのライニング方法 - Google Patents

チタン又はチタン合金材の鋼材へのライニング方法

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JPH10272580A
JPH10272580A JP9078626A JP7862697A JPH10272580A JP H10272580 A JPH10272580 A JP H10272580A JP 9078626 A JP9078626 A JP 9078626A JP 7862697 A JP7862697 A JP 7862697A JP H10272580 A JPH10272580 A JP H10272580A
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康生 村井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前加工が不要で工程が簡素であると共に、強
固にチタン材を鋼材に固定することができるチタン又は
チタン合金材の鋼材へのライニング方法を提供する。 【解決手段】 チタン又はチタン合金からなるチタン板
12に孔13を加工した後、これを鋼板11に重ね、鋼
部16にチタン又はチタン合金部15がクラッドされた
クラッド片14を孔13内に配置し、クラッド片14の
鋼部16を鋼板11にアークスタッド溶接する。次い
で、クラッド片14のチタン又はチタン合金部15を孔
13の縁部においてチタン又はチタン合金板12にアー
ク溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、港湾構造物又は化学容
器等の耐食性を向上させるために、強度部材としての鋼
材に、耐食性部材としてのチタン又はチタン合金(以
下、総称してチタンという)材をライニングするチタン
又はチタン合金材の鋼材へのライニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材にチタン材をクラッドする方法とし
ては、爆発圧接又は圧延によりチタンクラッド鋼を製造
する方法があるが、このような面状に接合させる方法は
別として、無垢のチタン板を鋼板に数点で固定してライ
ニングする方法としては、以下に示すものがある。
【0003】即ち、図10(a)に示すように、鋼板1
及びチタン板2に貫通孔3を加工し、この孔3にチタン
製ボルト4を挿通してナット5をボルト4に緊締し、鋼
板1とチタン板2とを機械的に固定する。その後、図1
0(b)に示すように、チタン板2とボルト4の頭部と
をアーク溶接して溶接部6を形成する。これにより、チ
タン板2が鋼板1にライニングされる。
【0004】また、図11(a)に示すように、チタン
板2に貫通孔を加工し、この貫通孔位置に整合する位置
の鋼板1にネジ孔8を加工し、チタン製ビス7によりチ
タン板2を鋼板1に機械的に固定する。その後、図11
(b)に示すように、ビス7の頭部とチタン板2とをア
ーク溶接して溶接部9を形成する。これにより、チタン
板2が鋼板1にライニングされる。
【0005】これらの方法においては、チタン板2と鋼
板1が直接融合混合して脆弱な金属間化合物を生成する
ことがなく、安定した接合部が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来のライニング方法は、いずれも、チタン板2に設け
た孔と、鋼材1に設けた孔又はネジ孔とを整合させる必
要があるため、孔形成位置には、高精度が要求される。
このため、これらの孔を別途に加工することが困難であ
る。
【0007】また、図10に示す方法においては、使用
中にボルト4が緩んでくるという問題点がある。また、
図11に示す方法では、鋼板1のネジ孔8の深さによっ
ては、結合強度が不十分であり、チタン板2の剥離が起
こる虞がある。このように、いずれの従来技術も難点が
ある。また、いずれの従来技術も、チタン材と鋼材との
双方に前加工を行う必要があり、工程が複雑であるとい
う欠点がある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、前加工が不要で工程が簡素であると共に、
強固にチタン材を鋼材に固定することができるチタン又
はチタン合金材の鋼材へのライニング方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のチタ
ン又はチタン合金材の鋼材へのライニング方法は、チタ
ン又はチタン合金材に孔を加工した後、これを鋼材に重
ね、鋼部にチタン又はチタン合金部がクラッドされたク
ラッド片を前記孔内に配置し、前記クラッド片の鋼部を
前記鋼材にアークスタッド溶接し、次いでクラッド片の
チタン又はチタン合金部を前記孔の縁部において前記チ
タン又はチタン合金材にアーク溶接することを特徴とす
る。
【0010】本第1発明においては、チタンクラッド鋼
からなるクラッド片を使用して、このクラッド片の鋼部
と鋼材とをアークスタッド溶接し、クラッド片のチタン
又はチタン合金部とチタン又はチタン合金材とをアーク
溶接するから、異種金属が溶融混合することがなく、脆
弱な金属間化合物の生成もない。
【0011】本発明に係る第2のチタン又はチタン合金
材の鋼材へのライニング方法は、チタン又はチタン合金
材に孔を加工した後、これを鋼材に重ね、チタン又はチ
タン合金からなる小片を前記孔内において前記鋼材の表
面に摩擦圧接により接合し、次いで前記チタン小片を前
記孔の縁部において前記チタン又はチタン合金材にアー
ク溶接することを特徴とする。
【0012】本発明に係る第3のチタン又はチタン合金
材の鋼材へのライニング方法は、チタン又はチタン合金
材に孔を加工した後、これを鋼材に重ね、チタン又はチ
タン合金からなる小片を前記孔内において前記鋼材の表
面と前記チタン又はチタン合金材の前記孔縁部に同時に
圧接することを特徴とする。
【0013】本第2発明及び第3発明においては、チタ
ン又はチタン合金の小片を使用して、この小片と鋼材と
を摩擦圧接により接合し、小片とチタン又はチタン合金
材とをアーク溶接又は摩擦圧接により接合しているの
で、同様にチタン又はチタン合金材と鋼材とが溶融混合
することがない。
【0014】本発明に係る第4のチタン又はチタン合金
材の鋼材へのライニング方法は、チタン又はチタン合金
材に孔を加工した後、これを鋼材に重ね、前記孔内にお
いて、MIGろう付法により、鋼材の表面と、チタン又
はチタン合金材の孔周辺部とを同時にプラグ接合するこ
とを特徴とする。
【0015】このチタン又はチタン合金材の鋼材へのラ
イニング方法において、前記MIGろう付に際し、固相
線温度が1050℃以下の銅合金からなる溶接ワイヤを
使用することができる。また、前記溶接ワイヤが、Si
を1乃至4重量%、Mnを0.3乃至3重量%含むSi
青銅系の溶接ワイヤであることが好ましい。
【0016】MIGろう付けの場合は、通常のアーク溶
接の場合に比して極めて低い電流条件で接合することが
できる。従って、鋼材及びチタン又はチタン合金材の双
方共、必要にして最少の溶融(希釈)状態で金属接合が
得られ、健全な接合部が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本第
1発明の実施例を示す断面図である。先ず、図1(a)
に示すように、チタン板12に孔13を穿設し、鋼板1
1にチタン板12を重ねる。この場合に、鋼板11には
孔は形成されておらず、従って孔位置を整合させる位置
合わせは不要である。
【0018】図1(b)はクラッド片14を示す。この
クラッド片14は、チタン材と鋼材とを爆着法又は圧延
法等によりクラッドしたチタンクラッド鋼から採取し、
所定形状に加工したものである。即ち、クラッド片14
は孔13より若干小径の鋼部16と、この鋼部16及び
孔13より大径のチタン部15とを有する。
【0019】そして、図1(c)に示すように、このク
ラッド片14をその鋼部16を孔13内に挿入し、鋼部
16とその下方に位置する鋼板11とをアークスタッド
溶接により溶接する。この場合に、アークスタッド溶接
においては、チタン板12をアークによって溶融させる
ことがないため、溶接機のスタッドと鋼板11との間に
生成した溶融金属と、チタンとは溶融反応しない。この
ため、鉄とチタンとの極めて脆弱な金属間化合物は形成
せれず、鋼同士の強固な金属結合が生じる。
【0020】次いで、図1(d)に示すように、クラッ
ド片14のチタン部15とチタン板12の孔周辺部と
を、アーク溶接により接合し、接合部17を形成する。
このアーク溶接は、チタン板12の下方に位置する鋼板
11までは溶融させない条件で溶接する。これにより、
このアーク溶接は、通常のチタン同士の溶接になるた
め、冶金的問題を生じることなく溶接することが可能で
ある。以上の工程により、強固にチタン材を鋼材にライ
ニングすることができる。
【0021】なお、本実施例においては、鋼板には前加
工を施さなかったが、スタッド溶接時の溶融金属のスペ
ースを確保するという観点から、図3に示すように、鋼
板11にも浅い凹部18を加工しておくことができる。
【0022】次に、本願第2発明及び第3発明の実施例
について説明する。チタン又はチタン合金材と鋼材とを
直接溶融接合すると、極めて脆弱な金属間化合物が生成
し、溶接部に割れが生じてしまう。しかし、摩擦圧接に
おいては、基本的には接合界面は溶融混合せず、高温で
の短時間の拡散反応が生じるだけである。このため、摩
擦圧接においては、圧接条件を最適化することにより、
チタン又はチタン合金材と鋼材とを直接接合することが
可能である。
【0023】図4は本願第2発明の実施例を示す断面図
である。図4(a)に示すように、孔23が穿設された
チタン板22を鋼板21に重ねる。図4(b)は、チタ
ン又はチタン合金からなる小片24を示し、この小片2
4は孔23より大径の大径部25と孔23より若干小径
の小径部26とを有する形状に加工しておく。そして、
この小片24を、図4(c)に示すように、その小径部
26を孔23に嵌合し、この小径部26の下面と鋼板2
1とを摩擦圧接する。このときの、圧接の条件として
は、鉄とチタンとの反応を極力抑制し、強固に接合でき
るものとする。この条件として、例えば、摩擦圧力:7
乃至9kgf/mm2、アプセット圧力:15乃至25
kgf/mm2、摩擦代2乃至4mm、回転数2000
乃至6000rpmがある。
【0024】その後、図4(d)に示すように、チタン
小片25の上部大径部25とチタン板22の孔周辺部と
を、アーク溶接し、溶接部27を形成する。このアーク
溶接に際して、当然のことながら、チタン板23の下方
に位置する鋼板21まで溶融させない条件で溶接する。
このアーク溶接においては、通常のチタン同士の溶接に
なるため、チタン又はチタン合金と鋼との混合溶融の問
題がなく、脆化が生じない接合が可能である。以上の工
程により、強固にチタン板22を鋼板21にライニング
することができる。
【0025】図5は本願第3発明の実施例を示す断面図
である。本実施例においては、チタン小片28はチタン
板21に設けた孔23より大径の円柱状をなす。そし
て、図5(a)に示すように、孔23を設けたチタン板
22を鋼板21に重ね、孔23内にてチタン片28を鋼
板21の表面及びチタン板22の孔周辺部に対して同時
に摩擦圧接により接合する。
【0026】このときのチタン小片は28チタン板22
に設けられた孔23の径より大径のものとする。チタン
小片の径がチタン板22の孔径より小さい場合は、図6
に示すように、チタン同士の接合部29における圧接時
の圧力が不足し、健全な接合部を得ることができない。
【0027】図5に示した本実施例方法においては、使
用目的によっては圧接後のチタン小片28の頭部の手入
れが必要となるものの、図4に示す第2実施例に比し
て、その接合作業が極めて能率的である。
【0028】次に、本願第4発明の実施例について説明
する。チタン又はチタン合金と鋼とを直接溶融接合する
と、極めて脆弱な金属間化合物が生成し、割れの発生を
回避することは困難である。従って、溶接ワイヤを使用
する場合を含めて、チタン材と鋼材とを直接接合する際
に、如何にしてチタン材中のチタンと鋼材中の鉄とを溶
融混合させずに、溶接金属そのものの延性を確保するか
ということ、また如何にして、チタン材と鋼材との界面
近傍に脆い反応層を生成させないかということが重要で
ある。
【0029】本願第4発明においては、MIGろう付け
法によりチタン材と鋼材とを直接接合する。このMIG
ろう付による方法では、通常のアーク溶接によるものに
比して、極めて低い電流条件を適用することができる。
これは、MIG溶接においては、ワイヤに融点の低い銅
合金を使用することができること、及び細径ワイヤを使
用することによる効果である。
【0030】図9は本第4発明の実施例を示す断面図で
ある。鋼板31上に、孔33が穿設されたチタン板32
を重ね、この孔33内において、MIGスポットろう付
けにより孔周辺部のチタン板32と孔下部の鋼板31と
を接合する。これにより、孔33内を充填した溶接金属
34がプラグ状に孔33から盛り上がって形成される。
【0031】本実施例においては、MIGろう付けによ
り鋼板31とチタン板32とを孔33内で接合するか
ら、融点が低い銅合金系の溶接ワイヤを使用し、低電流
条件で溶接することができる。
【0032】このため、本実施例においては、チタン板
32中のチタンと鋼板31中の鉄との溶融混合を防止で
き、チタン板と鋼板との界面近傍における脆い反応層の
生成を抑制しつつ、チタン板と鋼板とを直接接合するこ
とができる。
【0033】而して、溶接ワイヤとしてSi青銅系のワ
イヤを使用すれば、チタン材側及び鋼材側の双方に対し
て溶接金属の濡れ性が優れたものとなり、これにより良
好かつ密着性が優れたビードが得られる。このような溶
接ワイヤにより、適正範囲でのアーク条件で、チタン又
はチタン合金材の孔内で、このチタン又はチタン合金材
とその下方の鋼材とをMIGスポットろう付することに
より、前記孔内が溶接金属で充填され、プラグ状の溶接
部が得られる。これにより、チタン材側及び鋼材側と
も、必要にして最小の溶融(希釈)状態で、金属接合状
態が得られる。また、MIGろう付時には、Arを代表
とする不活性ガスでシールドし、直流のアークにより電
極(ワイヤ)側を正極として施工する。これにより、ア
ーク発生時に母材側でクリーニングアクションが起こる
ため、チタン材側及び鋼材側とも接合部の清浄度が向上
し、より健全な接合部が得られる。
【0034】施工能率の面においても、本実施例は、溶
接ビードの手入れ作業は別として、1工程で施工が完了
するため、極めて能率的である。
【0035】なお、本実施例方法で使用される溶接ワイ
ヤの径については、前述のように、基本的には低電流の
条件で、安定したアークを発生させる必要があるため、
0.8乃至1.2mmであることが好ましい。ワイヤ径
が1.2mmを超えると、安定したアークを得るための
電流が過大となり、母材を過剰に溶融させてしまい、前
述の脆弱な化合物の生成につながる。一方、ワイヤ径が
0.8mm未満になると、ワイヤそのものの製造コスト
が極めて高くなると共に、ワイヤの送給性が劣るという
不利がある。このため、ワイヤ径は0.8乃至1.2m
mにすることが好ましい。
【0036】
【実施例】次に、本発明の第1実施例方法により、鋼板
にチタン板をライニングし、その品質を試験した結果に
ついて説明する。JISH4600、TP270の板厚
1mmのチタン板を、板厚12mmの軟鋼板に固定し
た。試験板の平面サイズは双方とも50mm×100m
mとし、チタン板材の中央に直径が4乃至12mmの種
々の孔を加工した後、これを軟鋼板上に重ねた。
【0037】図2はクラッド片の形状及び寸法を示す。
このクラッド片は爆着法により製作したチタンクラッド
鋼から数種の孔部直径のものを採取し、試験に供した。
クラッド片のスタッド溶接は、市販のアークスタッド溶
接機を用い、それぞれの直径により電流及びアークタイ
ム条件を変化させて溶接した。その後、クラッド片とチ
タン板との溶接は、TIG溶接法により、電流条件:1
50〜180A、電圧条件:12〜14Vで溶接した。
下記表1はスタッド溶接条件を示す。
【0038】溶接完了後、チタン板を鋼板から剥がす試
験を行った。下記表2は各試験条件と引き剥がし試験で
の評価結果を示す。TIG溶接部の周りのチタン板母材
が破れ、所謂ボタン破断したものを合格(○)とし、T
IG溶接部で破断した場合を不合格(×)とした。
【0039】この表1及び2から、適切な条件を選定す
ることにより、強固なライニングが可能であることがわ
かる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】次に、本願第2発明の実施例方法により、
鋼板にチタン板をライニングし、その品質を試験した結
果について説明する。材質がJISH4600、TP2
70、板厚が1mmのチタン板を、板厚が12mmの軟
鋼板にライニングする試験を行った。試験板の平面サイ
ズは双方とも50mm×100mmとし、チタン板の中
央に直径9mmの孔を加工したうえで、軟鋼板に重ね
た。チタン小片として、図7に示す形状及び寸法のもの
を使用した。このチタン小片の摩擦圧接は、市販の摩擦
圧接機を用い、種々の条件で圧接した。チタン小片とチ
タン板との間は、TIG溶接法により、電流:150〜
180A、電圧:12〜14Vの範囲の条件で溶接し
た。
【0043】溶接完了後、チタン板を鋼板から剥がす試
験を行った。下記表3はチタン小片の鋼板に対する摩擦
圧接条件及び引き剥がし試験での評価結果を示す。TI
G溶接部の周りのチタン板母材が破れ、所謂ボタン破断
したものを合格(○)、溶接部から破断したものを不合
格(×)とした。
【0044】この表3に示すように、適切な条件を選定
することにより、強固なライニングが可能であった。
【0045】
【表3】 次に、本願第3発明の実施例方法により、鋼板にチタン
板をライニングし、その品質を試験した結果について説
明する。上記第2発明の実施例と同様に、JISH46
00、TP270の板厚1mmのチタン板を、板厚12
mmの軟鋼板に固定してライニングする試験を行った。
試験板の平面サイズは双方とも50mm×100mmと
し、チタン板の中央に直径6mmの孔を加工したうえ
で、軟鋼板を重ねた。チタン小片として、図8に示す形
状及び寸法のものを製作し、接合試験に供した。即ち、
このチタン小片とチタン板及び鋼板の双方とを同時に摩
擦圧接した。この摩擦圧接は、市販の摩擦圧接機を使用
し、回転数を3000rpmと一定とし、下記表4に示
す種々の条件で圧接した。
【0046】溶接完了後、チタン板材を鋼板から引き剥
がす試験を行った。下記表4の評価結果欄において、圧
接部の界面から破断したものは不合格(×)、チタン板
母材が破れる所謂ボタン破断したものを合格(○)とし
た。
【0047】下記表4に示すように、適切な条件を選定
することにより、チタン板を1工程で鋼板に強固にライ
ニングすることが可能である。
【0048】
【表4】
【0049】次に、本願第4発明の実施例方法により、
鋼板とチタン板とをスポット接合し、その接合部の品質
を調査した結果について説明する。JISH4600、
TP270の板厚1mmのチタン板を、板厚12mmの
軟鋼板に固定した。試験板の平面サイズは双方とも50
mm×100mmとし、チタン板材の中央に直径8mm
の孔を加工したうえで、軟鋼板に重ね、種々の溶接ワイ
ヤを使用したアーク溶接方法(MIG及びMIGろう付
け)で両者を溶接した。
【0050】溶接完了後、目視及び浸透探傷検査によ
り、溶接部の割れの有無を調べ、施工条件の適否を判定
した。
【0051】下記表5は溶接方法及び溶接条件とその判
定結果を示す。表5に示すように、MIG溶接によるも
のは割れの発生を回避できなかったが、比較的低い電流
条件による溶接が可能なMIGろう付けによる本実施例
方法では、割れの発生が認められず、良好な溶接品質が
得られた。
【0052】
【表5】
【0053】次に、本願第4発明の実施例方法におい
て、チタン板に設けた孔の直径を種々変更してその溶接
品質を調査した結果について説明する。表5に示す実施
例と同様にJISH4600、TP270の板厚1mm
のチタン板材と、板厚12mmの軟鋼板とを使用した。
試験板の平面サイズは双方とも50mm×100mmと
し、チタン板の中央に種々の径の孔を加工した上で、軟
鋼板に重ね、直径が0.8mmの3%Si−Cu青銅系
ワイヤを使用して、MIGスポット溶接を行った。
【0054】溶接完了後、目視及び浸透探傷検査によ
り、溶接部の割れの有無を調べると共に、割れが認めら
れなかったものについては、チタン板材を鋼板から引き
剥がす試験を行い、溶接部の界面から破断したものは不
合格(×)、チタン板母材が破れ、所謂ボタン破断した
ものを合格(○)とした。
【0055】下記表6はその試験条件及び評価結果を示
す。この表6に示すように、適切な条件を選定すること
により、チタン板を1工程で鋼板に強固にライニングす
ることが可能である。
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チタン又はチタン合金材と鋼材とを、チタン部と鋼部と
からなるクラッド片を使用し、チタン又はチタン合金材
及び鋼材とクラッド片との同種材料同士を溶接するか、
又はチタン小片を使用し、このチタン小片と鋼材又は鋼
材及びチタン又はチタン合金材とを摩擦圧接により接合
するか、又はチタン又はチタン合金材の孔内でチタン又
はチタン合金材と鋼材とをMIG溶接により接合するの
で、チタンと鉄とが溶融混合することなく、チタン又は
チタン合金材と鋼材とを固定し、チタン又はチタン合金
材を鋼材にライニングすることができる。従って、脆弱
な金属間化合物を形成することなく、高強度の接合部を
得ることができる。また、本発明によれば、チタン又は
チタン合金材と鋼材に対する前加工が不要であり、両者
の位置合わせも不要であって、工程が簡素であり、製造
コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す断面図である。
【図2】同じくその試験に使用したクラッド片を示す図
である。
【図3】同じくその変形例を示す断面図である。
【図4】第2実施例を示す断面図である。
【図5】第3実施例を示す断面図である。
【図6】その比較例を示す断面図である。
【図7】同じくその試験に使用するチタン小片を示す図
である。
【図8】同じくその試験に使用するチタン小片を示す図
である。
【図9】第4実施例を示す断面図である。
【図10】従来の機械的結合方法を示す断面図である。
【図11】従来の他の機械的結合方法を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11、21、31:鋼板 2,12、22、32:チタン板 3、13、23、33:孔 4:ボルト 5:ナット 6:溶接部 7:ビス 8:ネジ孔 14:クラッド片 15:チタン部 16:鋼部 17、27、29:接合部 18:凹部 24、28:チタン小片 25:大径部 26:小径部 34:溶接金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 20/00 350 B23K 20/00 350 20/12 20/12 G 35/30 320 35/30 320R C22C 9/10 C22C 9/10 // B23K 103:24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン又はチタン合金材に孔を加工した
    後、これを鋼材に重ね、鋼部にチタン又はチタン合金部
    がクラッドされたクラッド片を前記孔内に配置し、クラ
    ッド片の鋼部を前記鋼材にアークスタッド溶接し、次い
    で前記クラッド片のチタン又はチタン合金部を前記孔の
    縁部において前記チタン又はチタン合金材にアーク溶接
    することを特徴とするチタン又はチタン合金材の鋼材へ
    のライニング方法。
  2. 【請求項2】 チタン又はチタン合金材に孔を加工した
    後、これを鋼材に重ね、チタン又はチタン合金からなる
    小片を前記孔内において前記鋼材の表面に摩擦圧接によ
    り接合し、次いで前記チタン小片を前記孔の縁部におい
    て前記チタン又はチタン合金材にアーク溶接することを
    特徴とするチタン又はチタン合金材の鋼材へのライニン
    グ方法。
  3. 【請求項3】 チタン又はチタン合金材に孔を加工した
    後、これを鋼材に重ね、チタン又はチタン合金からなる
    小片を前記孔内において前記鋼材の表面と前記チタン又
    はチタン合金材の前記孔縁部に同時に圧接することを特
    徴とするチタン又はチタン合金材の鋼材へのライニング
    方法。
  4. 【請求項4】 チタン又はチタン合金材に孔を加工した
    後、これを鋼材に重ね、前記孔内において、MIGろう
    付法により、鋼材の表面と、チタン又はチタン合金材の
    孔周辺部とを同時にプラグ接合することを特徴とするチ
    タン又はチタン合金材の鋼材へのライニング方法。
  5. 【請求項5】 前記MIGろう付に際し、固相線温度が
    1050℃以下の銅合金からなる溶接ワイヤを使用する
    ことを特徴とする請求項4に記載のチタン又はチタン合
    金材の鋼材へのライニング方法。
  6. 【請求項6】 前記溶接ワイヤが、Siを1乃至4重量
    %、Mnを0.3乃至3重量%含むSi青銅系の溶接ワ
    イヤであることを特徴とする請求項5に記載のチタン又
    はチタン合金材の鋼材へのライニング方法。
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