JPH10271937A - 両軸受リール - Google Patents

両軸受リール

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JPH10271937A
JPH10271937A JP8114797A JP8114797A JPH10271937A JP H10271937 A JPH10271937 A JP H10271937A JP 8114797 A JP8114797 A JP 8114797A JP 8114797 A JP8114797 A JP 8114797A JP H10271937 A JPH10271937 A JP H10271937A
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pinion gear
spool shaft
spool
bearing
shaft
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Hirokazu Hirayama
広和 平山
Yasuhiro Hitomi
康弘 人見
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Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両軸受リールのスプール軸の回転効率の低下
を抑えかつ振動や音を増大させないようにする。 【解決手段】 両軸受リールは、リール本体と、スプー
ル軸16と、スプール12と、ピニオンギア32と、ピ
ニオンギア32を操作するためのクラッチヨーク40
と、ピニオンギア32を回転させるハンドルとを備えて
いる。スプール軸16は、リール本体に両端で回転自在
に支持されている。スプール12は、スプール軸16に
固定され外周に釣り糸が巻き付けられている。ピニオン
ギア32は、リール本体に回転自在かつ軸方向移動自在
に支持されることが可能な軸支部32iと、軸方向の移
動によりスプール軸に係合・離脱可能な噛み合い部32
bと、軸方向の移動によりスプール軸の外周面に接触・
離反可能な中径内面32g,小径内面32hとを有し、
内部をスプール軸16が貫通している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両軸受リール、特
に、スプール軸がリール本体に回転自在に支持された両
軸受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、両軸受リールは、リール本体
と、リール本体に回転自在に装着されたスプールと、ス
プールを回転させるためのハンドルとを備えている。リ
ール本体は、所定の間隔をあけて対向するように配置さ
れた1対の側板を有している。スプールにはスプール軸
が貫通しており、スプールはスプール軸に固定され、ス
プール軸がリール本体に回転自在に支持されている。ハ
ンドルとスプールとの間には、ハンドルからの回転力を
スプールに伝達するメインギアとピニオンギアとからな
る回転伝達機構と、ピニオンギアとスプール軸との間で
回転力を伝達・遮断するクラッチ機構とが設けられてい
る。
【0003】メインギアは、ハンドルの回転軸に設けら
れている。ピニオンギアは、メインギアに噛み合ってお
り、その中心を側板から外方に延びるスプール軸が貫通
している。ピニオンギアはスプール軸と同芯に配置され
スプール軸に軸方向に移動自在かつ回転自在に支持され
ている。このピニオンギアの一端とスプール軸の周部に
設けられた係合部とでクラッチ機構が構成されており、
ピニオンギアがスプール軸の軸方向に移動して係合部に
係合・離脱することで回転力が伝達・遮断される。
【0004】このような、両軸受リールでは、キャステ
ィングを行う際には、クラッチレバーによりピニオンギ
アをスプール軸から離脱させ、スプールが自由回転可能
な状態にする。そして、釣り竿を振り投げて、仕掛けの
自重により釣り糸をスプールから繰り出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
自由回転時にピニオンギアが傾いてこぜると、スプール
の自由回転を阻害するような抵抗が生じ、自由回転時の
回転効率が低下する。スプールの自由回転時の回転効率
が低下すると、キャスティングを行う際に飛距離が短く
なる。そこで、スプールを軸受によりスプール軸に回転
自在に支持することが従来行われている。このようなス
プールをスプール軸に回転自在に支持する構成では、ピ
ニオンギアが傾いてもスプールの自由回転を阻害する抵
抗は生じにくく、回転効率の低下を抑えることができ
る。
【0006】しかし、スプールをスプール軸に回転自在
に支持すると、スプール軸を回転自在を支持する構成に
比べて自由回転時の振動や音が増大する。これは、軸受
間の距離がスプール軸を回転自在に支持する構成に比べ
て短くなるので、軸受内や軸受とスプールやスプール軸
との間の微小な隙間が同じであっても、スプールの最大
振幅が大きくなるためであると思われる。このように音
や振動が増大すると、自由回転時のスプールの回転フィ
ーリングが低下する。
【0007】本発明の課題は、両軸受リールのスプール
軸の回転効率の低下を抑えかつ振動や音を増大させない
ようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルは、リール本体と、スプール軸と、スプールと、ピニ
オンギアと、クラッチ操作部材と、ハンドルとを備えて
いる。スプール軸は、リール本体に両端で回転自在に支
持されている。スプールは、スプール軸に固定され外周
に釣り糸が巻き付けられている。ピニオンギアは、リー
ル本体に回転自在かつ軸方向移動自在に支持されること
が可能な支持部と、軸方向の移動によりスプール軸に係
合・離脱可能な係合部と、軸方向の移動によりスプール
軸の外周面に接触・離反可能な接触部とを有し、内部を
スプール軸が貫通している。クラッチ操作部材は、ピニ
オンギアを軸方向に移動させるための部材である。ハン
ドルは、ピニオンギアを回転させるためのものである。
クラッチ操作部材によりピニオンギアを軸方向の一方に
移動させ係合部がスプール軸と係合すると接触部はスプ
ール軸と接触し、ピニオンギアを軸方向の他方に移動さ
せ係合部がスプール軸から離脱すると接触部はスプール
軸から離反する。
【0009】この両軸受リールでは、クラッチ操作部材
によりピニオンギアを軸方向の一方に移動させると、ピ
ニオンギアの係合部がスプール軸と係合する。このた
め、クラッチオン状態になり、ハンドルからの回転がピ
ニオンギアを介してスプール軸に伝達され、スプールが
回転する。このとき、ピニオンギアの接触部はスプール
軸の外周面と接触し、ピニオンギアがスプール軸により
支持される。また、クラッチ操作部材によりピニオンギ
アを軸方向の他方に移動させると、ピニオンギアの係合
部がスプール軸から離脱する。このため、クラッチオフ
状態になりスプールが自由回転可能な状態になる。この
クラッチオフ状態でキャスティングを行う。このとき、
ピニオンギアの接触部はスプール軸の外周面から離反
し、ピニオンギアはリール本体により支持される。ここ
では、クラッチオフ時には、ピニオンギアの接触部がス
プール軸の外周面から離反するので、ピニオンギアが傾
いてもスプール軸の自由回転が阻害されず回転に対する
抵抗が生じにくく、自由回転時の回転効率が低下しにく
い。しかも、ピニオンギアがスプール軸から離反しても
リール本体に支持されるので、ピニオンギアが傾きにく
い。クラッチオン時には、ピニオンギアの接触部がスプ
ール軸の外周面に接触するので、ピニオンギアがスプー
ル軸に支持される。また、スプール軸がリール本体に両
端で支持されているので、軸支の間隔が広くなり、振動
や音が増大しにくい。
【0010】発明2に係る両軸受リールは、発明1に記
載のリールにおいて、スプール軸は、一端外周面に大径
から小径となるように形成された外テーパ面を有し、ピ
ニオンギアの接触部は、内周面に大径から小径となりか
つ外テーパ面に接触可能に形成された内テーパ面であ
り、ピニオンギアが軸方向の一方へ移動して係合部がス
プール軸に係合するとスプール軸の外テーパ面の少なく
とも一部がピニオンギアの内テーパ面に接触し、ピニオ
ンギアが軸方向の他方に移動してピニオンギアがスプー
ル軸から離脱すると離反する。この場合には、この場合
にはクラッチオン時には、2つのテーパ面の接触により
ピニオンギアがスプール軸に支持される。このため、ク
ラッチオン時にピニオンギアが確実に支持される。ま
た、クラッチオフ時には、わずかにピニオンギアを軸方
向に移動させるだけで接触部がスプール軸から離反す
る。このため、ピニオンギアの移動ストロークを短くす
ることができる。
【0011】発明3に係る両軸受リールは、発明1に記
載のリールにおいて、スプール軸は、一端側外周面に大
径から小径となるように形成された段差部を有し、ピニ
オンギアは、内周面に大径から小径となりかつその小径
部がスプール軸の大径部に接触可能に形成された段差部
を有し、接触部は小径部であり、ピニオンギアが軸方向
の一方へ移動して係合部がスプール軸に係合すると、ス
プール軸の大径部の少なくとも一部がピニオンギアの小
径部に対向し、ピニオンギアが軸方向の他方に移動して
係合部がスプール軸から離脱すると、スプール軸の小径
部がピニオンギアの小径部に対向する。この場合には、
クラッチオン時には、ピニオンギアの小径部がスプール
軸の大径部に対向して接触しピニオンギアがスプール軸
に支持される。このため、クラッチオン時にピニオンギ
アが確実に支持される。クラッチオフ時には、スプール
軸の小径部にピニオンギアの小径部が対向してスプール
軸とピニオンギアとが離反する。このため、自由回転時
にスプール軸とピニオンギアとの隙間が一定になり、自
由回転時に回転効率の低下をより確実に抑えることがで
きる。
【0012】発明4に係る両軸受リールは、発明1から
3のいずれかに記載のリールにおいて、ピニオンギア
は、スプール軸から離脱したときのみリール本体に回転
自在かつ軸方向移動自在に支持される。この場合には、
クラッチオン時にピニオンギアがリール本体に支持され
ず、スプール軸によってのみ支持されるので、クラッチ
オン時にピニオンギアの回転効率が向上する。また、ク
ラッチオフ時には、リール本体に支持されるので、クラ
ッチオフ時にピニオンギアがスプール軸から離反しても
ピニオンギアが傾きにくい。
【0013】発明5に係る両軸受リールは、発明4に記
載のリールにおいて、スプールは、スプール軸に固定さ
れる糸巻胴部と、糸巻き胴部の両端に一体で形成された
皿状のフランジ部とを有し、リール本体は、スプールの
フランジ部の端面を所定の間隔を隔てて覆うフランジ収
納部を有し、ピニオンギアは、少なくともスプール軸か
ら離脱しているときにフランジ部近傍でリール本体に軸
受により回転自在かつ軸方向移動自在に支持され、かつ
スプール軸と係合しているときに軸受との間に所定の間
隔より小さい隙間が形成される。この場合には、糸噛み
防止のためにスプールのフランジ部とリール本体との間
の隙間を小さくしても、リールに径方向の力が作用して
スプール軸が撓んだときに、スプールのフランジ部の端
面とリール本体とが当接するスプールタッチ現象が発生
しにくい。これは、クラッチオン時にフランジ部近傍に
ある軸受とピニオンギアとの間にフランジ部とフランジ
収納部との所定の隙間より小さい隙間が形成されるから
である。
【0014】発明6に係る両軸受リールは、発明5に記
載のリールにおいて、軸受は転がり軸受である。この場
合には、自由回転時のピニオンギアの回転効率が向上
し、スプールの回転効率もさらに向上する。発明7に係
る両軸受リールは、発明3から6のいずれかに記載のリ
ールにおいて、スプール軸の段差部及びピニオンギアの
段差部はそれぞれ複数形成されており、係合時にスプー
ルの各段差部の大径部がピニオンギアの各段差部の小径
部に接触可能である。この場合には、クラッチオン時に
接触部が複数になるため、巻き上げ時等にピニオンギア
に荷重が作用してもピニオンギアが傾きにくくなり、た
とえばメインギアに対する歯当たりが悪くなりにくい。
【0015】発明8に係る両軸受リールは、発明7に記
載のリールにおいて、複数の段差部は階段状に形成され
ている。この場合には、スプール軸の外周部及びピニオ
ンギアの内周部に階段状の加工を施せば良いだけである
ので、凹所を形成する等の他の方法により段差部を形成
する場合に比べて加工が容易になり、精度管理も容易に
なる。
【0016】発明9に係る両軸受リールは、発明7又は
8に記載のリールにおいて、複数の段差部は、ピニオン
ギアがリール本体に支持されている部分を挟んで、ピニ
オンギアとスプール軸との係合部と逆側に形成されてい
る。この場合には、段差部の両側でスプール軸と接触す
る接触部分が係合部から離れるので、係合時に衝撃が生
じても、その衝撃の影響を受けてピニオンギアの噛み合
いに支障をきたすことがない。また、衝撃による変形の
影響も受けにくくなり、それによる接触部分における精
度の悪化を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】実施形態1 図1は、本発明の一実施形態による両軸受リールの平面
図である。図に示す両軸受リールは、ベイトリールであ
り、リール本体1と、リール本体1の側方に配置された
スプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体
1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備
えている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アー
ム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有
するダブルハンドル形のものである。アーム部2aの外
側面はつなぎ目がない滑らかな面で構成されており、釣
り糸が絡みにくい構造となっている。
【0018】図2に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバ
ー6及び第2側カバー7とを有している。フレーム5
は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置され
た1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する
複数の連結部10とを有している。側板8,9の対向す
る内面には、円柱状のスプール格納空間14がそれぞれ
形成されている。第1側カバー6は、側板8の前端部に
配置された揺動軸11により側板8に揺動自在かつ軸方
向に所定距離移動可能に装着されている。これにより、
第1側カバー6は、側板8に対して開閉自在となってい
る。第1側カバー6は、コイルバネ4により側板8から
離れる方向に付勢されている。なお、第1側カバー6
は、後述する遠心ブレーキ機構23のブレーキケース6
5に設けられたバヨネット構造により側板8に対してロ
ック及びロック解除される。
【0019】1対のフレーム5内には、スプール12
と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベル
ワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当て
となる、クラッチレバーを兼ねたサムレスト17とが配
置されている。またフレーム5と第2カバー7との間に
は、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベル
ワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラ
ッチの係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、サム
レスト17の操作に応じてクラッチの係脱を制御するた
めの係脱制御機構20と、ドラグ機構21と、スプール
12の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティング
コントロール機構22とが配置されている。また、フレ
ーム5と第1カバー6との間には、キャスティング時の
バックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が
配置されている。
【0020】スプール12は、両側部に皿状のフランジ
部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状
の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12
は、糸巻き胴部の内周側に一体で形成された筒状のボス
部12cを有しており、ボス部12cを貫通するスプー
ル軸16にたとえばセレーション結合により回転不能に
固定されている。この固定方法はセレーション結合に限
定されず、キー結合やスプライン結合等の種々の結合方
法を用いることができる。このスプール12の糸巻き胴
部12bの表面及び側板8,9の内面には、たとえば、
イオンプレーティング法によりチタンコーティング膜が
形成されており、さらにその表面に透光性を有する紫外
線硬化樹脂により保護膜が形成されている。
【0021】フランジ部12aの周縁部は、図3に示す
ように、スプール格納空間14の内周部に隙間C1をあ
けて配置されている。この隙間C1は、たとえば0.2
mm程度であり、スプール格納空間14によってフラン
ジ部12aの周縁部を径方向外方から僅かな隙間C1を
あけて覆うことで、スプール12からスプール軸16側
に釣り糸が侵入ししにくくなり、スプール軸16に釣り
糸が絡むことが少なくなる。また、糸巻き胴部12bに
は軽量化のために複数の抜き孔12dが形成されてい
る。抜き孔12dは、たとえば円形の孔であり、糸巻き
胴部12bの軸方向に間隔の隔てた2つの円周上に周方
向に間隔を隔てて形成されている。このようにスプール
12を軽量化することで、自由回転時にスプールの回転
効率が向上する。
【0022】スプール軸16は、側板9を貫通して第2
側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第
2側カバー7に形成されたボス部29に軸受24aによ
り回転自在に支持されている。またスプール軸16の他
端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受35より回転自在
に支持されている。これらの軸受はシールドボールベア
リングである。スプール軸16は、スプール12が固定
される中央部の大径部分16aと、その両端に形成され
た2つの小径部分16b,16cとを有している。
【0023】大径部分16aは、スプール12の糸巻き
胴部12bの内部の空間12e内に配置されており、そ
の中央部外周面にはスプール12を固定するためのセレ
ーション16dが形成されている。また、図3左端外周
面には、遠心ブレーキ機構23の回転部66を回転不能
に連結するためのセレーション16eが形成されてい
る。大径部分16aの図3右端は、スプール12のボス
部12cに近接して配置されており、そこにはクラッチ
機構を構成する係合ピン16fが固定されている。係合
ピン16fは、直径に沿って大径部分16aを貫通して
おり、その両端が径方向に突出している。
【0024】左側の小径部分16cは、軸受35により
ブレーキケース65に支持されている。右側の小径部分
16bには、階段状に2つの段差部16g,16hが形
成されている。各段差部16g,16hの段差はたとえ
ば、0.1mm〜0.3mmの範囲である。段差部16
gの左側は小径部分16bの大径部16iとなってお
り、右側は中径部16jとなっており、段差部16hの
右側は小径部16kとなっている。小径部16kの右側
は太径の軸支部16lとなっており,軸受24aにより
支持される。この軸支部16lの軸方向長さは軸受24
aの軸方向長さより短くなっており、回転抵抗を減少さ
せるようになっている。また、軸支部16lの右側は脱
落防止用の小径の溝部16m及びそれより大径の係止部
16nとなっている。溝部16mの周囲においてボス部
29の内周部には、リング状のバネ部材29aが配置さ
れている。バネ部材29aの内径は係止部16nより小
さく、スプール軸12が軸方向に移動すると、バネ部材
29aが係止部16nに係止するようになっている。こ
れにより、側カバー6を開けたときに、スプール12及
びスプール軸16が直ちに脱落しないようになってい
る。なお、スプール軸16の両端は回転抵抗の増加を抑
えるために球状面になっている。
【0025】レベルワインド機構15は、図2に示すよ
うに、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25
と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシ
ャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォ
ームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成する
ギア28aが固定されている。またウォームシャフト2
6には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイ
ド27の一部がこの螺旋状溝26aに噛み合っている。
このため、ギア機構18を介してウォームシャフト26
が回転させられることにより、ラインガイド27はガイ
ド筒25に沿って往復動する。このラインガイド27内
に釣り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻
き付けられる。
【0026】ギア機構18は、ハンドル軸30に固定さ
れたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状
のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端
部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不
能に固定され、ギア28aに噛み合うギア28bとを有
している。ピニオンギア32は、図3に示すように、側
板9の外方から内方に延び、中心にスプール軸16が貫
通する筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動
自在に装着されている。また、ピニオンギア32は、軸
受24bにより側板9に回転自在かつ軸方向移動自在に
支持されている。この軸受24bもシールドボールベア
リングである。
【0027】ピニオンギア32は、図3右端側外周部に
形成されメインギア31に噛合する歯部32aと、他端
側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み
合い部32bとの間に形成されたくびれ部32cとを有
している。噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端
面に直径に沿って形成された凹溝からなり、そこにスプ
ール軸16を貫通して固定された係合ピン16fが係止
される。ここではピニオンギア32が外方に移動してそ
の噛み合い部32bとスプール軸16の係合ピン16f
とが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプー
ル12に伝達されない。この噛み合い部32bと係合ピ
ン16fとによりクラッチ機構が構成される。ここで
は、クラッチ機構がスプール12のボス部12cの近傍
に配置されているので、ピニオンギア32からスプール
軸16を介してスプール12に回転力が伝達される際
に、スプール軸16のねじれが少なくなり、回転伝達効
率が向上し、回転フィーリングが向上する。
【0028】ピニオンギア32の軸受24bによる支持
部分を挟んで噛み合い部32bと逆側の内周面には2つ
の段差部32d,32eが形成されている。図4左側の
段差部32dの左側は大径内面32fとなっており、そ
の右側は中径内面32gとなっている。段差部32eの
右側は小径内面32hとなっている。ここで、ピニオン
ギア32の中径内面32gは、スプール軸16の小径部
分16bの大径部16iの外周面に接触可能であり、小
径内面32hは、中径部16jの外周面に接触可能であ
る。また、大径内面32fの長さは大径部16iより短
く、中径内面32gの長さは、中径部16jと実質的に
同じである。
【0029】一方、ピニオンギア32の噛み合い部32
b側の外周面には、図5に示すように、軸受24bに接
触可能な軸支部32iと、軸支部32iより僅かに小径
の離反部32jとが形成されている。離反部32jと、
軸支部32iとの間にはC2だけ段差が形成されてい
る。このため、軸受24bと離反部32jとの間には隙
間C2が形成されている。この隙間C2は、たとえば、
0.1mm程度であり、スプール12のフランジ部12
aの隙間C1より小さい。この離反部32jは、クラッ
チオンのときに軸受24bに対向する外周面に形成され
ている。
【0030】これにより、噛み合い部32bが係合ピン
16fに係合したクラッチオン状態では、図4(A)に
示すように、中径内面32gが大径部16iの外周面に
接触し、小径内面32hが中径部16jの外周面に接触
する。また、図5(A)に示すように、ピニオンギア3
2と軸受24bとの間には隙間C2が形成されるので、
ピニオンギア32はスプール軸16により回転自在かつ
軸方向移動自在に支持される。ここでは、スプール軸1
6に対して2箇所でピニオンギア32が支持されている
ので、巻き上げ回転時等に力が作用してもピニオンギア
32が傾くことがなくなり、メインギア31との歯当た
り不良が生じにくい。
【0031】一方、ピニオンギア32が図4右方に移動
し噛み合い部32bが係合ピン16fから離脱したクラ
ッチオフ状態では、図4(B)に示すように、中径内面
32gが大径部16iの外周面から離反し、小径内面3
2hが中径部16jの外周面から離反する。このため、
ピニオンギア32はスプール軸16から離反しスプール
軸16によって支持されない。しかし、このときには、
図5(B)に示すように、外周面の軸支部32iが軸受
24bに接触し、軸受24bによりピニオンギア32が
回転自在かつ軸方向移動自在に支持される。このため、
自由回転時にピニオンギア32が傾いてこぜることがな
く、スプール軸16に接触することもない。従って自由
回転時にピニオンギア32とスプール軸16とが接触し
て回転抵抗が増加することがない。
【0032】また、巻き上げ時にスプール12に力が作
用してスプール軸16が撓んでも、軸受24bにピニオ
ンギア32が接触するとそれにより支持され、隙間C2
以上にスプール軸16が撓むことはない。この隙間C2
は隙間C1より小さいので、スプール12に力が作用し
てもフランジ部12aがフランジ収納部14の端面に接
触するスプールタッチ現象は生じにくい。
【0033】サムレスト17は、図2に示すように、1
対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置され
ている。フレーム5の側板8,9には長孔(図示せず)
が形成されており、サムレスト17の回転軸17aがこ
の長孔に回転自在に支持されている。このため、サムレ
スト17は長孔に沿って上下方向にスライドすることも
可能である。
【0034】クラッチ係脱機構19は、図3に示すよう
に、クラッチヨーク40を有している。クラッチヨーク
40は、スプール軸16の外周側に配置されており、2
本のピン41(一方のみ図示)によってスプール軸16
の軸心と平行に移動可能に支持されている。なお、スプ
ール軸16はクラッチヨーク40に対して相対回転が可
能である。すなわち、スプール軸16が回転してもクラ
ッチヨーク40は回転しないようになっている。またク
ラッチヨーク40はその中央部にピニオンギア32のく
びれ部32cに係合する係合部40aを有している。ま
たクラッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、
クラッチヨーク40と第2カバー7との間にはスプリン
グ42が配置されており、クラッチヨーク40はスプリ
ング42によって常に内方に付勢されている。
【0035】このような構成で、通常状態では、ピニオ
ンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、
その噛み合い部32bとスプール軸16の係合ピン16
fとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、
クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に
移動した場合には、噛み合い部32bと係合ピン16f
との係合が外れクラッチオフ状態となる。
【0036】ドラグ機構21は、図2に示すように、メ
インギア31に押圧される摩擦プレート45と、スター
ドラグ3の回転操作によって摩擦プレート45をメイン
ギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート46
とを有している。キャスティングコントロール機構22
は、図3に示すように、スプール軸16の両端を挟むよ
うに配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プレー
ト51によるスプール軸16の挟持力を調節するための
キャップ52とを有している。左側の摩擦プレート51
は、ブレーキケース65内に装着されている。
【0037】遠心ブレーキ機構23は、図3に示すよう
に、ブレーキケース65と、ブレーキケース65内に設
けられた回転部66と、回転部66に周方向に間隔を隔
てて配置され径方向に移動自在に装着された摺動子67
とを有している。ブレーキケース65は、側板8に形成
された円形の開口8aにバヨネット構造により着脱自在
に装着されている。また、ブレーキケース65は、図2
に示すように、円錐コイルバネ4bにより第1側カバー
6の外方側に付勢されている。ブレーキケース65は、
第1側カバー6の外側に露出する着脱把手69に固定さ
れ、着脱把手69を回転させることで側板8から外れ
て、第1側カバー6とともに図2左側に飛び出す。この
状態で第1側カバー8を揺動させると、スプール12を
スプール軸16とともに取り出し可能になる。
【0038】ブレーキケース65の中心部には、軸受3
5を装着するための筒状の軸受装着部65aが形成され
ている。また、その中心部にキャスティングコントロー
ル機構22の摩擦プレート51が配置されている。ブレ
ーキケース65の周縁部内周には制動用のライナー68
が設けられている。回転部66は、セレーション結合に
よりスプール軸16に回転不能に連結されており、スプ
ール軸16と一体で回転する。摺動子67は、遠心力に
よりブレーキケース65内のライナー68に摺接する。
【0039】次に動作について説明する。通常の状態で
は、クラッチヨーク40はスプリング42によって内方
(図3左方)に押されており、これによりピニオンギア
32は係合位置に移動させられている。この状態ではピ
ニオンギア32の噛み合い部32bとスプール軸16の
係合ピン16fとが噛み合ってクラッチオン状態となっ
ており、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、
メインギア31、ピニオンギア32及びスプール軸16
を介してスプール12に伝達される。このときキャステ
ィングコントロール機構22のキャップ52の締め付け
量を調整することにより、スプール軸16の回転時の抵
抗力を調整することが可能である。
【0040】このクラッチオン状態では、図4(A)に
示すように、中径内面32gが大径部16iの外周面に
接触し、小径内面32hが中径部16jの外周面に接触
する。また、図5(A)に示すように、ピニオンギア3
2と軸受24bとの間には隙間C2が形成されるので、
ピニオンギア32はスプール軸16により回転自在かつ
軸方向移動自在に支持される。ここでは、スプール軸1
6に対して2箇所でピニオンギア32が支持されている
ので、巻き上げ回転時等に力が作用してもピニオンギア
32が傾くことがなくなり、メインギア31との歯当た
り不良が生じにくい。また、クラッチオン状態での巻き
上げ時にスプール12に力が作用してスプール軸16が
撓んでも、ピニオンギア32が軸受24bに接触すると
それによりピニオンギア32が支持され、スプール軸1
6が隙間C2以上に撓みにくくなる。この隙間C2は隙
間C1より小さいので、スプール12に力が作用しても
フランジ部12aがフランジ収納部14の端面に接触す
るスプールタッチ現象は生じにくい。
【0041】キャスティングを行う場合には、バックラ
ッシュを抑えるためにキャップ52により制動力を調整
する。そして、サムレスト17を下方に押す。ここで
は、サムレスト17は、側板8,9の長孔に沿って下方
の離脱位置に移動する。そしてサムレスト17の移動に
より、クラッチヨーク40が外方に移動し、クラッチヨ
ーク40に係合したピニオンギア32も同方向に移動さ
せられる。この状態では、ピニオンギア32の噛み合い
部32bとスプール軸16の係合ピン16fとのかみあ
いが外れ、クラッチオフ状態となる。この状態では、ハ
ンドル軸30からの回転はスプール12及びスプール軸
16に伝達されず、スプール12は自由回転状態にな
る。クラッチをオフ状態として、サムレスト17におい
た親指でスプールをサミングしながらスプール軸16が
鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾けて釣り竿を振
ると、ルアーが投げられスプール12が糸繰り出し方向
に勢いよく回転する。
【0042】このような状態では、図4(B)に示すよ
うに、中径内面32gが大径部16iの外周面から離反
し、小径内面32hが中径部16jの外周面から離反す
る。このため、ピニオンギア32はスプール軸16から
離反しスプール軸16によって支持されない。しかし、
このときには、図5(B)に示すように、外周面の軸支
部32iが軸受24bに接触し、軸受24bによりピニ
オンギア32が回転自在かつ軸方向移動自在に支持され
る。このため、自由回転時にピニオンギア32が傾いて
こぜることがなく、スプール軸16に接触することもな
い。したがって自由回転時にピニオンギア32とスプー
ル軸16とが接触して回転抵抗が増加することがない。
【0043】実施形態2 前記実施形態では、クラッチ機構をスプール12に近接
させたが、図6に示すように、側板9の外方に配置して
もよい。この実施形態2は実施形態1とスプール軸16
及びピニオンギア32の構成が異なるだけで他の構成及
び動作はほぼ同様であるので、その部分の説明は省略す
る。
【0044】スプール軸16は、図6に示すように、側
板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。そ
の延びた一端は、第2側カバー7に形成されたボス部2
9に軸受24aにより回転自在に支持されている。また
スプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸
受35より回転自在に支持されている。これらの軸受は
シールドボールベアリングである。スプール軸16は、
スプール12が固定される中央部の大径部分16aと、
その両端に形成された2つの小径部分16b,16cと
を有している。
【0045】大径部分16aは、右端が側板9まで延び
ており、その中央部外周面にはスプール12を固定する
ためのセレーション16dが形成されている。また、図
6左端外周面には、遠心ブレーキ機構23の回転部66
を回転不能に連結するためのセレーション16eが形成
されている。大径部分16aの図6右端は、側板9の近
傍に配置されており、そこにはクラッチ機構を構成する
係合ピン16fが固定されている。係合ピン16fは、
直径に沿って大径部分16aを貫通しており、その両端
が径方向に突出している。
【0046】左側の小径部分16cは、軸受35により
ブレーキケース65に支持されている。右側の小径部分
16bには、階段状に2つの段差部16g,16hが形
成されている。各段差部16g,16gの段差はたとえ
ば、0.1mm〜0.3mmの範囲である。段差部16
gの左側は小径部分16bの大径部16iとなってお
り、右側は中径部16jとなっており、段差部16hの
右側は小径部16kとなっている。小径部16kの右側
は太径の軸支部16lとなっており,軸受24aにより
支持される。この軸支部16lの軸方向長さは軸受24
aの軸方向長さより短くなっており、回転抵抗を減少さ
せるようになっている。また、軸支部16lの右側は脱
落防止用の小径の溝部16m及びそれより大径の係止部
16nとなっている。なお、スプール軸16の両端は回
転抵抗の増加を抑えるために球状面になっている。
【0047】また、スプール軸16の大径部分16a
は、図7に示すように、側板9に装着された軸受24b
に隙間C3を隔てて回転自在に支持されている。この隙
間C3も、たとえば、0.1mm程度であり、スプール
12のフランジ部12aの隙間C1より小さい。この軸
受24bの外周側と側板9との間には、ポリアセタール
樹脂(商品名:ジュラコン)製の軸受39が装着されて
いる。軸受39は、ピニオンギア32を回転自在に支持
するための部材である。軸受39は、図6右側が小径の
薄肉筒状の部材であり、その右端にやや厚肉の軸支部3
9aが形成されている。
【0048】ピニオンギア32は、中心にスプール軸1
6が貫通する筒状部材であり、側板9の外方でスプール
軸16に軸方向に移動自在に装着されている。ピニオン
ギア32は、図6右端側外周部に形成されメインギア3
1に噛合する歯部32aと、他端側に形成された噛み合
い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に
形成されたくびれ部32cとを有している。噛み合い部
32bは、ピニオンギア32の端面に直径に沿って形成
された凹溝からなり、そこにスプール軸16を貫通して
固定された係合ピン16fが係止される。ここではピニ
オンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bと
スプール軸16の係合ピン16fとが離脱すると、ハン
ドル軸30からの回転力はスプール12に伝達されな
い。この噛み合い部32bと係合ピン16fとによりク
ラッチ機構が構成される。
【0049】ピニオンギア32の内周面には2つの段差
部32d,32eが形成されている。図7左側の段差部
32dの左側は大径内面32fとなっており、その右側
は中径内面32gとなっている。段差部32eの右側は
小径内面32hとなっている。ここで、ピニオンギア3
2の中径内面32gは、スプール軸16の小径部分16
bの大径部16iの外周面に接触可能であり、小径内面
32hは、中径部16jの外周面に接触可能であること
は実施形態1と同様である。また、大径内面32fの長
さは大径部16iより短く、中径内面32gの長さは、
中径部16jと実質的に同じである。一方、ピニオンギ
ア32の噛み合い部32b側の外周面には、図7に示す
ように、クラッチオフ時に軸受39の軸支部39aに接
触可能な軸支部32kと、軸支部32kより僅かに小径
の離反部32lとが形成されている。
【0050】これにより、噛み合い部32bが係合ピン
16fに係合したクラッチオン状態では、図7(A)に
示すように、中径内面32gが大径部16iの外周面に
接触し、小径内面32hが中径部16jの外周面に接触
する。また、ピニオンギア32と軸受39との間には隙
間が形成されるので、ピニオンギア32はスプール軸1
6により回転自在かつ軸方向移動自在に支持される。こ
こでは、スプール軸16に対して2箇所でピニオンギア
32が支持されているので、巻き上げ回転時等に力が作
用してもピニオンギア32が傾くことがなくなり、メイ
ンギア31との歯当たり不良が生じにくい。
【0051】一方、ピニオンギア32が図6右方に移動
し噛み合い部32bが係合ピン16fから離脱したクラ
ッチオフ状態では、図7(B)に示すように、中径内面
32gが大径部16iの外周面から離反し、小径内面3
2hが中径部16jの外周面から離反する。このため、
ピニオンギア32はスプール軸16から離反しスプール
軸16によって支持されない。しかし、このときには、
外周面の軸支部32kが軸受39の軸支部39aに接触
し、軸受39によりピニオンギア32が回転自在かつ軸
方向移動自在に支持される。このため、自由回転時にピ
ニオンギア32が傾いてこぜることがなく、スプール軸
16に接触することもない。したがって自由回転時にピ
ニオンギア32とスプール軸16とが接触して回転抵抗
が増加することがない。
【0052】また、巻き上げ時にスプール12に力が作
用してスプール軸16が撓んでも、軸受24bに接触す
るとそれにより支持され、隙間C3以上に撓むことはな
い。この隙間C3も隙間C1より小さいので、スプール
12に力が作用してもフランジ部12aがフランジ収納
部14の端面に接触するスプールタッチ現象は生じにく
い。
【0053】実施形態3 前記2つの実施形態では段差を設けてピニオンギアをス
プール軸に接触・離反させてたが、傾斜面(テーパ面)
によりピニオンギアとスプール軸とを接触・離反させて
もよい。実施形態3では、図8に示すように、スプール
軸16の小径部分16bの大径部16iと小径部16k
との間に外テーパ部16pが形成されている。また、ピ
ニオンギア32の内面の大径内面32fと小径内面32
hとの間に外テーパ部16pと接触可能な内テーパ面3
2mが形成されている。他の構成は、実施形態1と同様
であるので説明を省略する。
【0054】ここでは、噛み合い部32bが係合ピン1
6fに係合したクラッチオン状態では、図8(A)に示
すように、内テーパ面32mが外テーパ部16pに接触
する。また、ピニオンギア32と軸受24bとの間には
隙間が形成されるので、ピニオンギア32はスプール軸
16により回転自在かつ軸方向移動自在に支持される。
ここでは、スプール軸16に対してテーパ面でピニオン
ギア32が支持されているので、巻き上げ回転時等に力
が作用してもピニオンギア32が傾くことがなくなり、
メインギア31との歯当たり不良が生じにくい。
【0055】一方、ピニオンギア32が図8右方に移動
し噛み合い部32bが係合ピン16fから離脱したクラ
ッチオフ状態では、図8(B)に示すように、内テーパ
面32mが外テーパ部16pから離反する。このため、
ピニオンギア32はスプール軸16から離反しスプール
軸16によって支持されない。しかし、このときには、
外周面の軸支部32iが軸受24bに接触し、軸受24
bによりピニオンギア32が回転自在かつ軸方向移動自
在に支持される。このため、自由回転時にピニオンギア
32が傾いてこぜることがなく、スプール軸16に接触
することもない。したがって自由回転時にピニオンギア
32とスプール軸16とが接触して回転抵抗が増加する
ことがない。
【0056】〔他の実施形態〕 (a) スプール軸16の段差部は2つに限定されず、
少なくとも1つあればよく、ピニオンギアの段差部もそ
れに応じて設けられていればよい。 (b) スプール軸16とピニオンギア32との接触・
離反の構成は段差やテーパに限定されるものではなく、
接触時に回転自在に支持する構成であればどのような構
成でもよい。
【0057】(c) ピニオンギアを回転自在に支持す
るリール本体の支持部は、ピニオンギアの歯部の先端側
(スプールと反対側)にあってもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、クラッチオフ時には、
ピニオンギアの接触部がスプール軸の外周面から離反す
るので、ピニオンギアが傾いてもスプール軸の自由回転
が阻害されず回転に対する抵抗が生じにくく、自由回転
時の回転効率が低下しにくい。しかも、ピニオンギアが
スプール軸から離反してもリール本体に支持されるの
で、ピニオンギアが傾きにくい。クラッチオン時には、
ピニオンギアの接触部がスプール軸の外周面に接触する
ので、ピニオンギアがスプール軸に支持される。また、
スプール軸がリール本体に両端で支持されているので、
軸支の間隔が広くなり、振動や音が増大しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による両軸受リールの平面
図。
【図2】その横断面図。
【図3】そのスプール軸部分の断面拡大図。
【図4】クラッチ動作時のスプール軸端部の断面部分
図。
【図5】クラッチ動作時の軸受との隙間を説明する断面
部分図。
【図6】実施形態2の図3に相当する図。
【図7】実施形態2の図4に相当する図。
【図8】実施形態3の図4に相当する図。
【符号の説明】
1 リール本体 2 ハンドル 12 スプール 12a フランジ部 12b 糸巻き胴部 14 スプール格納空間 16 スプール軸 16g,16h 段差部 16i 大径部 16j 中径部 16k 小径部 16p 外テーパ部 17 サムレスト 24a,24b,35,39 軸受 32 ピニオンギア 32d,32e 段差部 32g 中径内面 32h 小径内面 32m 内テーパ面 40 クラッチヨーク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体と、 前記リール本体に両端で回転自在に支持されたスプール
    軸と、 前記スプール軸に固定され外周に釣り糸が巻き付けられ
    るスプールと、 前記リール本体に回転自在かつ軸方向移動自在に支持さ
    れることが可能な支持部と、軸方向の移動により前記ス
    プール軸に係合・離脱可能な係合部と、軸方向の移動に
    より前記スプール軸の外周面に接触・離反可能な接触部
    とを有し、内部を前記スプール軸が貫通するピニオンギ
    アと、 前記ピニオンギアを前記軸方向に移動させるためのクラ
    ッチ操作部材と、 前記ピニオンギアを回転させるためのハンドルとを備
    え、 前記クラッチ操作部材によりピニオンギアを軸方向の一
    方に移動させ前記係合部が前記スプール軸と係合すると
    前記接触部は前記スプール軸と接触し、前記ピニオンギ
    アを軸方向の他方に移動させ前記係合部が前記スプール
    軸から離脱すると前記接触部は前記スプール軸から離反
    する、両軸受リール。
  2. 【請求項2】前記スプール軸は、一端外周面に大径から
    小径となるように形成された外テーパ面を有し、 前記ピニオンギアの接触部は、内周面に大径から小径と
    なりかつ前記外テーパ面に接触可能に形成された内テー
    パ面であり、 前記ピニオンギアが前記軸方向の一方へ移動して前記係
    合部が前記スプール軸に係合すると前記スプール軸の外
    テーパ面の少なくとも一部が前記ピニオンギアの内テー
    パ面に接触し、前記ピニオンギアが前記軸方向の他方に
    移動して前記ピニオンギアがスプール軸から離脱すると
    離反する、請求項1に記載の両軸受リール。
  3. 【請求項3】前記スプール軸は、一端側外周面に大径か
    ら小径となるように形成された段差部を有し、 前記ピニオンギアは、内周面に大径から小径となりかつ
    その小径部が前記スプール軸の大径部に接触可能に形成
    された段差部を有し、前記接触部は前記小径部であり、 前記ピニオンギアが前記軸方向の一方へ移動して前記係
    合部が前記スプール軸に係合すると、前記スプール軸の
    大径部の少なくとも一部が前記ピニオンギアの小径部に
    対向し、前記ピニオンギアが前記軸方向の他方に移動し
    て前記係合部がスプール軸から離脱すると、前記スプー
    ル軸の小径部が前記ピニオンギアの小径部に対向する、
    請求項1に記載の両軸受リール。
  4. 【請求項4】前記ピニオンギアは、前記スプール軸から
    離脱したときのみ前記リール本体に回転自在かつ軸方向
    移動自在に支持される、請求項1から3のいずれかに記
    載の両軸受リール。
  5. 【請求項5】前記スプールは、前記スプール軸に固定さ
    れる糸巻胴部と、前記糸巻き胴部の両端に一体で形成さ
    れた皿状のフランジ部とを有し、 前記リール本体は、前記スプールのフランジ部の端面を
    所定の間隔を隔てて覆うフランジ収納部を有し、 前記ピニオンギアは、少なくとも前記スプール軸から離
    脱しているときに前記フランジ部近傍で前記リール本体
    に軸受により回転自在かつ軸方向移動自在に支持され、
    かつ前記スプール軸と係合しているときに前記軸受との
    間に前記所定の間隔より小さい隙間が形成される、請求
    項1から4のいずれかに記載の両軸受リール。
  6. 【請求項6】前記軸受は転がり軸受である、請求項5に
    記載の両軸受リール。
  7. 【請求項7】前記スプール軸の段差部及び前記ピニオン
    ギアの段差部はそれぞれ複数形成されており、係合時に
    前記スプールの各段差部の大径部が前記ピニオンギアの
    各段差部の小径部に接触可能である、請求項3から6の
    いずれかに記載の両軸受リール。
  8. 【請求項8】前記複数の段差部は階段状に形成されてい
    る、請求項7に記載の両軸受リール。
  9. 【請求項9】前記複数の段差部は、前記ピニオンギアが
    前記リール本体に支持されている部分を挟んで、前記ピ
    ニオンギアとスプール軸との係合部と逆側に形成されて
    いる、請求項7又は8に記載の両軸受リール。
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