JPH10268719A - 像保持体、像保持体の再生方法・装置、および像保持体の後処理方法・装置 - Google Patents

像保持体、像保持体の再生方法・装置、および像保持体の後処理方法・装置

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JPH10268719A
JPH10268719A JP8888597A JP8888597A JPH10268719A JP H10268719 A JPH10268719 A JP H10268719A JP 8888597 A JP8888597 A JP 8888597A JP 8888597 A JP8888597 A JP 8888597A JP H10268719 A JPH10268719 A JP H10268719A
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residue
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JP8888597A
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English (en)
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Eriko Chiba
恵里子 千葉
Hidenori Tomono
英紀 友野
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Masatoshi Saito
正敏 斉藤
Shigeru Fujita
滋 藤田
Masaru Magai
勝 真貝
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生された像保持体を画像形成に再利用する
場合に、小型の装置で、かつ簡略に良好な疎水性画像を
形成することができ、かつ疎水性画像の良好な定着性を
得ることができる像保持体の再生装置を提供する。 【解決手段】 画像除去促進液付与ユニット2において
は、液塗布ローラ208・押さえローラ209間で転写
紙10に、界面活性剤を含有する画像除去促進液20を
塗布する。画像形成物質剥離ユニット3を構成する剥離
装置310では、転写紙に固着している画像形成物質3
0を加熱ローラ対301・302で軟化させ、これを剥
離ベルト303の表面に付着させることで剥離する。後
処理ユニット4では、転写紙表面に残留する、疎水性画
像の再形成に悪影響を及ぼす界面活性剤40を粘着ロー
ラ401により除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は像保持体、像保持体
の再生方法・装置、および像保持体の後処理方法・装置
に関し、詳しくは複写機、プリンタ、FAX、印刷機等
の画像形成装置によって熱可撓性または熱軟化性の画像
形成物質からなる画像を形成した像保持体から、該画像
を除去する方法・装置、該画像を除去した像保持体の表
面から、画像の再形成に悪影響を及ぼす残留物を除去す
る像保持体の後処理方法・装置および、上記各方法・装
置により得られた像保持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化により、像保持体であるプ
リンタ用紙や複写用紙が大量に使用されるようになっ
た。そのために、森林の伐採におる地球環境悪化の問題
まで引き起こすようになってしまった。また、オフィス
からは大量の破棄用紙が生じるようになり、その多くが
無駄に捨てられていた。
【0003】従来これらの問題に対しては、一度使用し
た用紙上のインキなどを除去し、浸して再びすいて、古
紙と言われる紙に再生するしか方法がなかった。しかし
最近、一度使用した紙の上の画像をクリーニングにより
取り去って再生し、複写あるいはプリンティングに再利
用する方法が開発された。
【0004】例えば、特開平6−289754号公報お
よび特開平7−13383号公報には、少なくとも一部
がセルロース繊維を主成分とした紙質層で構成され、か
つ該紙質層に熱可撓性の画像形成物質であるインキ(ト
ナー)よりなる画像を形成している像保持体に、水ある
いは界面活性剤及び/又は水溶性ポリマーの水溶液など
の画像除去促進液を含浸させ、画像を画像剥離部材に転
写させることにより、紙質層から画像を除去する像保持
体の再生方法が提案されている。
【0005】この再生方法は、像保持体を傷めることな
く画像を除去することができるため、きわめて有効な像
保持体の再生方法であるが、画像除去促進液が多く使用
される〔例えば、A4版の像保持体1枚(片面)当たり
0・4〜4g〕ため、再生された像保持体に伸び、シ
ワ、波打ち、あるいはカールなどが発生することがあっ
た。
【0006】このような不具合を解消する方法として、
本発明者らは現在、高濃度の界面活性剤を含む水溶液か
らなる画像除去促進液を用いるものを検討中である。こ
の方法では、上記画像除去促進液を画像が形成されてい
る像保持体に少量含浸させ、画像を画像剥離部材に転写
させることにより、像保持体から画像を十分に除去する
ことができ、また、再生された像保持体に伸び、シワ、
波打ち、カールなどが発生するのを防止できることが確
認されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
濃度の界面活性剤を含む水溶液からなる画像除去促進液
を使用すると、再生された像保持体の表面に界面活性剤
が多く付着して残留するため、再生された像保持体を再
び複写や記録に使用した場合、像保持体に形成された画
像の定着性が悪くなることがある。
【0008】また、上記画像除去促進液として、上記界
面活性剤に代えて、またはこれに加えて導電性物質、電
解性物質(イオン性物質)、水溶性の高沸点有機溶剤も
しくは水溶性高分子物質を含む液を用いる場合もある
が、このような物質が再生した像保持体の表面に残存し
てしまうと、像保持体の表面が画像の再形成に悪影響を
及ぼす導電性を有したり、像保持体の表面に再形成され
た画像の定着性が悪くなったりすることがある。
【0009】このような不具合を解消する技術として、
本発明者らは、特開平8−71483号公報において、
画像形成物質を剥離除去後、後処理液を付与して像保持
体の表面から画像の再形成に悪影響を及ぼす残留物を除
去することにより、像保持体への画像の再形成性を向上
させる方法及び装置を提案した。
【0010】これによれば、再生後の像保持体表面に後
処理液を付与することで、像保持体表面にある画像の再
形成に悪影響を及ぼす残留物を化学的に除去することが
できるので、像保持体の表面に再形成された画像の定着
性の低下を防止することができる。
【0011】しかし、この方法・装置では、後処理液と
呼ばれる液体を使用するため、装置が複雑化し、場合に
よっては像保持体の乾燥が必要となり、装置の大型化を
招くという問題がある。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、第1の目的は、再生された像保持体を複写や記録な
どの画像形成に再利用する場合に、小型の装置で、かつ
簡略に良好な画像を形成することができるとともに、該
画像の良好な定着性を得ることができる、像保持体の再
生方法及びその装置を提供することにある(請求項1〜
4)。
【0013】本発明の第2の目的は、再生された像保持
体を複写や記録などの画像形成に再利用する場合に、良
好な画像を形成することができるとともに、該画像の良
好な定着性を得ることができるように、画像を除去した
像保持体を小型、かつ簡略な装置で後処理できる、像保
持体の後処理方法及びその装置を提供することである
(請求項5〜8)。
【0014】本発明の第3の目的は、像保持体を複写や
記録などの画像形成に再利用する場合に、良好な画像を
形成することができるとともに、該画像の良好な定着性
を得ることができる、再生された像保持体を提供するこ
とである(請求項9〜12)。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の像保持
体の再生方法は、熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成
物質からなる画像が形成されている像保持体に画像除去
促進液を付与し、該像保持体の表面から画像を除去し、
さらに該像保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及
ぼす残留物を除去する像保持体の再生方法であって、画
像を除去した像保持体の表面から、画像の再形成に悪影
響を及ぼす残留物を物理的に除去することを特徴とす
る。
【0016】請求項2に記載の像保持体の再生装置は、
熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像
が形成されている像保持体に画像除去促進液を付与する
液付与手段と、該画像除去促進液を付与した像保持体の
表面から画像を除去する画像除去手段と、画像除去後の
像保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及ぼす残留
物を除去する残留物除去手段とを備えた像保持体の再生
装置であって、前記残留物除去手段として、前記残留物
を物理的に除去するものを設けたことを特徴とする。
【0017】請求項3に記載の像保持体の再生装置は、
請求項2において前記残留物除去手段が、前記残留物を
ブレードにより掻き取るものであることを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の像保持体の再生装置は、
請求項2において前記残留物除去手段が、前記残留物を
粘着ローラにより除去するものであることを特徴とす
る。
【0019】請求項5に記載の像保持体の後処理方法
は、画像除去促進液を付与して熱可撓性あるいは熱軟化
性の画像形成物質からなる画像を除去した像保持体の表
面から、画像の再形成に悪影響を及ぼす残留物を除去す
る像保持体の後処理方法であって、像保持体に物理的処
理を施して前記残留物を除去することを特徴とする。
【0020】請求項6に記載の像保持体の後処理装置
は、画像除去促進液を付与して熱可撓性あるいは熱軟化
性の画像形成物質からなる画像を除去した像保持体の表
面から、画像の再形成に悪影響を及ぼす残留物を除去す
る像保持体の後処理装置であって、前記残留物の除去手
段として、像保持体に物理的処理を施して前記残留物を
除去するものを設けたことを特徴とする。
【0021】請求項7に記載の像保持体の後処理装置
は、請求項6において前記残留物除去手段が、前記残留
物をブレードにより掻き取るものであることを特徴とす
る。
【0022】請求項8に記載の像保持体の後処理装置
は、請求項6において前記残留物除去手段が、前記残留
物を粘着ローラにより除去するものであることを特徴と
する。
【0023】請求項9に記載の像保持体は、熱可撓性あ
るいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像が形成され
ている像保持体を、請求項1に記載の再生方法により再
生したことを特徴とする。
【0024】請求項10に記載の像保持体は、熱可撓性
あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像が形成さ
れている像保持体を、請求項2,3または4に記載の再
生装置により再生したことを特徴とする。
【0025】請求項11に記載の像保持体は、画像除去
促進液を付与して熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成
物質からなる画像を除去した像保持体を、請求項5に記
載の後処理方法により処理したことを特徴とする。
【0026】請求項12に記載の像保持体は、画像除去
促進液を付与して熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成
物質からなる画像を除去した像保持体を、請求項6,7
または8に記載の後処理装置により処理したことを特徴
とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、必
要により図面を参照しながら説明する。 実施の形態1 まず、熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からな
る画像が形成されている像保持体に画像除去促進液を付
与し、該像保持体の表面から画像を除去し、さらに該像
保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及ぼす残存物
質を物理的に除去する、像保持体の再生方法について説
明する。
【0028】本再生方法で再生することができる像保持
体としては、少なくとも画像形成面が水または水溶液に
より膨潤する層からなっている像保持体が好ましい。こ
のような像保持体としては、少なくとも画像形成面がセ
ルロース繊維を主成分とする紙質層からなる像保持体、
少なくとも画像形成面が水溶性高分子を主成分とする架
橋構造を有する層からなる像保持体等が挙げられる。さ
らに具体的には、セルロース繊維を主成分とする一般の
複写用紙や記録用紙などの市販の紙、プラスチックフィ
ルムの少なくとも画像形成面にセルロース繊維を主成分
とする紙質層を積層したものなどを挙げることができ
る。
【0029】ここで、上記水溶性高分子は水または水溶
液で膨潤することが必要であり、この水溶性高分子を架
橋させることにより、水または水溶液で流出しないで単
に膨潤させることができる。上記架橋に用いる官能基と
してはエポキシ基、イソシアネート基、二重結合などが
挙げられ、これらは架橋剤としても、樹脂分子中の官能
基としても用いることが可能である。この架橋剤として
はエポキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤、または放射
線架橋剤などが好適に用いられる。
【0030】上記水溶性高分子としては、例えば、極性
の官能基または親水鎖を有する樹脂が挙げられる。上記
極性の官能基または親水鎖の具体例としては、カルボン
酸、水酸基、スルホン酸基、アミド基、リン酸基または
それらの塩、ポリエチレングリコール鎖等が挙げられ
る。
【0031】また上記樹脂の具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ジヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N−アクリルグリシンアミド、N−イ
ソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド、ビニルピロリドン、N,N−ジ
メチルアミノエチルアリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、アリルアミンまたはこれらの
塩、アミノ基の四級化物、ポリエチレングリコールなど
の、単独重合物・共重合物・上記以外の物質との共重合
物などが挙げられる。これらの水溶性高分子を、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂上に
担持させることにより、上記像保持体を得ることができ
る。
【0032】また、本発明の再生方法により再生するの
に適した画像を有する像保持体としては通常の電子写真
法、熱転写法、ホットメルトインクを用いるインクジェ
ット法または印刷法などのように、熱可撓性あるいは熱
軟化性の画像形成物質(静電潜像現像用の乾式トナーや
湿式トナー、熱溶融性インクシート、ホットメルトイン
クなど)を用いて形成された画像を有する像保持体が挙
げられる。
【0033】また、本発明の再生方法で上記像保持体か
ら除去することができる画像を構成する熱可撓性あるい
は熱軟化性の画像形成物質としては、インクジェット方
式の画像形成装置で用いられるインキ、感熱リボン方式
の画像形成装置で用いられるインキ、インパクト方式の
画像形成装置で用いられるインキ、タイプライタで用い
られるリボンインキ、電子写真方式の複写機やレーザプ
リンタで用いられるトナーなどが挙げられる。これらの
画像形成物質のなかで、特にトナーは、オフィスの紙ゴ
ミ対策にとって非常に有効となる。
【0034】上記トナーは、従来公知のように主として
樹脂成分、着色剤、極性制御剤などから構成されてい
る。ここで、上記樹脂成分としては、例えば、スチレン
樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アク
リル系共重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱可塑性樹脂
や熱硬化性樹脂、あるいはこれらの樹脂の2種類以上の
混合体などが挙げられる。これらの樹脂は、ガラス転移
点が55〜70℃、軟化点が80〜140℃であり、一
般に水に不溶性を示すものである。
【0035】また、上記着色剤としては各種顔料や染料
が使用され、例えば、黒色着色剤としてはカーボンブラ
ック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活
性炭、フェライト、マグネタイトなどが挙げられる。黄
色着色剤としてはカドミウムイエロー、黄鉛、亜鉛黄、
ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、バンザ
ーイエローG等が用いられる。赤色着色剤としては赤色
黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、ベンガラな
どが用いられ、また青色着色剤としては紺青、コバルト
ブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレー
キ、フタロシアニンブルーなどが用いられる。
【0036】また、上記極性制御剤としては正荷電制御
剤および負荷電制御剤等があり、例えば、正荷電制御剤
としてはニグロシンベースEX、第4級アンモニウム
塩、ポリアミン化合物、イミダゾール化合物などが、負
荷電制御剤としてはクロム錯塩型アゾ顔料、銅フタロシ
アニン系染料、クロム錯塩、亜鉛錯塩、アルミニウム錯
塩、カリックスアレン化合物などが採用できる。
【0037】一般に紙は水で湿ると、いわゆる腰が弱く
なる。従って、紙質の像保持体の表面に形成されている
上記熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる
画像と、該像保持体との間の接着力は非常に弱いものと
なる。
【0038】また、セルロース繊維を主成分とした紙質
層を有する像保持体の場合、該繊維の絡み合いで、紙質
層の表面は無数の凹凸状になっており、さらに紙質層内
部にも無数の微小空隙が存在している。このような状態
の紙質層上に上記画像が担持された場合、セルロース繊
維の絡み合いによる凹凸や微小空隙よりも、上記熱可撓
性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像の方が
大きいため、セルロース繊維と該画像との接触部には多
数の空間が存在することになる。このような画像を担持
した紙質層を有する像保持体に、少なくとも水を含む画
像除去促進液を塗布、浸漬、吹き付けなどにより含浸さ
せると、該画像除去促進液はセルロース繊維およびその
空隙、空間部に毛細管現象で浸透し、熱可撓性あるいは
熱軟化性の画像形成物質からなる画像とセルロース繊維
との接触部まで、画像除去促進液が浸透する。
【0039】その結果、(1)熱可撓性あるいは熱軟化
性の画像形成物質とセルロース繊維との接着力を低下さ
せる作用と、(2)セルロース繊維が画像除去促進液を
吸収し、いわゆる膨潤現象によりセルロース繊維が変形
して熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質との接触
部の空間が増大し、セルロース繊維と熱可撓性あるいは
熱軟化性の画像形成物質との接触面積が減少して接着力
が低下する作用とにより、像保持体のセルロース繊維と
熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質との接着力は
非常に弱いものとなる。
【0040】ここで、上記毛細管現象を促進させて、熱
可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質を保持した像保
持体に上記水を含む画像除去促進液を速やかに浸透させ
るために、画像除去促進液に界面活性剤を添加しても良
い。この界面活性剤は一般に、親油基と親水基の組み合
わせによりその分子が構成されるものであるが、本実施
の形態で使用する界面活性剤の種類は特に制限されるも
のではなく、例えば、特開平7−191491号公報に
開示されているものを使用することができる。すなわち
例えば、以下に示すような界面活性剤が挙げられる。
【0041】フッ素系界面活性剤としてはフロロアルキ
ルカルボン酸塩、フロロアルキルスルホン酸塩、フロロ
アルキルリン酸エステル等のアニオン系、フロロアルキ
ル導入ベタイン等の両性系、フロロアルキルエチレンオ
キサイド付加物、フロロアルキルオリゴマー、フロロア
ルキルアミンオキサイド等のノニオン系、フロロアルキ
ルトリメチレンアンモニウム塩等のカチオン系等が挙げ
られる。
【0042】他の界面活性剤としては、水に対する分散
または溶解安定性の高いものを添加することが好まし
い。具体的には陰イオン界面活性剤としては石鹸、N−
アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、アシル化
ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩、スルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化
油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキ
ルアミド硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸
塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールリン
酸塩等のリン酸エステル塩が挙げられる。
【0043】陽イオン界面活性剤としては脂肪族アミン
塩、アルキル第4級アンモニウム塩、芳香族第4級アン
モニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等が挙げられ
る。両性界面活性剤としてはカルボキシベタイン、スル
ホベタイン等のベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミ
ダゾリン誘導体等が挙げられる。非イオン性界面活性剤
としてはポリオキシエチレンアルキルおよびアリールエ
ーテル、ポリオキシエチレンスチロールエーテル、ポリ
オキシエチレンラノリン誘導体、アルキルアリルホルム
アルデヒド縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等
のエーテル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等
のエーテルエステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等のエ
ステル系、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチ
レン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アルキルアミンオキサイド等の含窒素系等が挙げら
れる。シリコーン系界面活性剤としてはポリオキシアル
キレン変性シロキサン、カルボキシル化ポリオキシアル
キレン変性シロキサン等が挙げられる。
【0044】上記画像除去促進液を画像を有する像保持
体に付与すると、例えば、セルロース繊維を主成分とし
た紙質層に上記画像除去促進液が速やかに、かつ十分に
浸透する。その結果、画像除去促進液の付与量が少なく
ても、セルロース繊維が水によって速やかに膨潤して変
形し、セルロース繊維と画像の間との接触部や接触面積
が減少して画像と像保持体との接着力が低下するため、
画像が像保持体から除去されやすい状態となる。このよ
うに画像が除去されやすい状態になった像保持体上の画
像形成物質に画像剥離部材を接着させることにより、像
保持体に伸び、シワ、波打ち、カールなどを発生させる
ことなく、像保持体から画像を十分に除去することがで
きる。
【0045】上記画像剥離部材は、像保持体上の画像形
成物質と接着させて該像保持体から画像形成物質を転
写、剥離するための部材である。この画像剥離部材の画
像形成物質との接触部分を構成する材料では、画像形成
物質に対するある程度以上の接着性や、耐熱性を示すこ
とが必要である。
【0046】その具体例としてはイソプレンゴム、ネオ
プレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ブタ
ジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、天然のゴム、
ビスフェノール・エピクロルヒドリン縮合物などのエポ
キシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホ
ルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒ
ド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフェノール樹脂、フ
ェノールエーテル樹脂、フェノール樹脂などのフェノー
ル系熱硬化性樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、
ポリフッ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリプロピレン、ポリ
エチレンなどのビニル系重合体、ポリブチルアクリレー
ト、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレートなど
のアクリル樹脂、ポリイミド、6,6ナイロン、6ナイ
ロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族
ポリエステルなどのポリエステル、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、
アラミドなどの熱可塑性あるいは熱硬化性の合成樹脂、
ニッケル、ステンレススチール、アルミニウムなどの金
属およびその酸化物、セラミックス材料等がその例とし
て挙げられる。
【0047】最適な画像剥離部材の材料は、剥離しよう
とする画像を構成する画像形成物質の種類、画像形成物
質除去プロセスにより選定されるべきであるが、画像剥
離部材を繰り返し使用することが再生コストを下げるな
ど種々の点で有利であり、その場合には、比較的高い耐
熱性や表面の安定性が要求される。画像の除去特性およ
び耐久性から好ましい画像剥離部材の例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニトリル、アラ
ミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ステンレスス
チール、ニッケル、アルマイトが挙げられる。また、上
記材料は単独でも用いられるが、積層したり、アロイ化
したり、グラスファイバー、ウィスカー、カーボン、シ
リカ、酸化チタンなどの他の添加剤を加えるなどにより
複合して用いることもできる。
【0048】また、本実施の形態の再生方法では、上記
画像剥離部材を用いて画像を除去した像保持体の表面か
ら、熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる
画像の再形成に悪影響を及ぼす残存物質を物理的に除去
するようにしている。以下、この処理を後処理と呼ぶ。
【0049】この熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成
物質からなる画像の再形成に悪影響を及ぼす残存物質の
除去に関しては、紙質層内部に入り込んでいる該残存物
質までをも除去する必要はなく、表面からのみ除去すれ
ばよい。また、残存物質の全量を除去する必要はないの
で、物理的方法で可能である。
【0050】このように、液体を使用せず処理すること
で、液体を使用することによる処理の複雑さ、後処理後
の像保持体の乾燥などの必要性が無く、再び複写や記録
などにより画像を形成した場合に、画像の定着性が良
く、新しい未使用の像保持体を用いた場合と同様な品質
の画像が得られる像保持体を簡単に得ることができる。
さらに、後処理液による化学的処理に比較して像保持体
の伸び、シワ、波打ちなどの発生を抑えるとともに、再
画像形成時におけるジャムの発生も抑えることができ
る。
【0051】上記後処理方法としては、熱可撓性あるい
は熱軟化性の画像形成物質からなる画像の再形成に悪影
響を及ぼす残存物質を粘着ローラに転写することにより
除去してもよいし、ブレード、ブラシ、またはウエス、
不織布などを表面に備えたローラ、などにより像保持体
の表面を擦ることで除去しても良い。
【0052】上記粘着ローラの場合は、該ローラの粘着
材が熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる
画像の再形成に悪影響を及ぼす残存物質に接触すること
で、像保持体に弱く付着している該残存物質を除去する
ことができる。粘着材料としては、ブチルゴム等からな
る清掃用粘着ローラなど一般に用いられるものでもよい
が、像保持体表面の繊維を剥ぎ取らない程度の粘着力の
ものが良い。
【0053】上記ブレードは、弱い付着力で像保持体に
付着している熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質
からなる画像の再形成に悪影響を及ぼす残存物質を除去
するだけなので、像保持体表面の繊維を剥ぎ取ったり、
傷つけたりするほど強く加圧接触させない方がよい。ま
た、ブレードは金属、プラスチック、ガラス、ゴム等の
材料で良い。
【0054】上記実施の形態で説明した後処理方法は、
熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像
を有する像保持体に、少なくとも高濃度の界面活性剤を
画像除去促進液を付与し、加熱・加圧下で該画像を像保
持体から画像剥離部材へ転写することにより除去する再
生方法およびその装置に適用することが好ましい。
【0055】このような再生方法およびその装置におけ
る画像除去促進液の界面活性剤濃度の好適範囲は、10
〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%であ
る。また、画像除去促進液の像保持体への付与は、高濃
度の画像除去促進液の塗布に続いて直ちに低濃度の画像
除去促進液を塗布する正二段塗布法、逆に低濃度の画像
除去促進液の塗布に続いて直ちに高濃度の画像除去促進
液を塗布する逆二段塗布法、あるいは高濃度の画像除去
促進液のみを塗布する一段塗布法などにより行うことが
できる。
【0056】実施の形態2 図1に、上記再生方法を実現することができる像保持体
再生装置の概略構成の一例を示す。この再生装置は、前
段に画像形成物質の除去処理装置を、後段に後処理装置
をそれぞれ備えている。より具体的に例示した装置はユ
ニット1,2,3,4および5からなり、電子写真複写
機等で画像を形成された紙(転写紙)等を再生する装置
である。
【0057】この像保持体の再生装置は、積載状態で収
容されている、画像形成物質像が形成された転写紙10
を一枚ずつ分離給紙する給紙ユニット1と、給紙ユニッ
ト1から送られてきた転写紙10に画像除去促進液20
を供給する供液部としての画像除去促進液付与ユニット
2と、該液が供給された転写紙10から画像形成物質3
0を剥離する剥離部としての画像形成物質剥離ユニット
3と、画像形成物質が除去された転写紙10表面から画
像の再形成に悪影響を及ぼす界面活性剤40などの残存
物質を除去する後処理部(後処理装置)としての後処理
ユニット4と、後処理ユニット4から排出される転写紙
10を受ける紙受けユニット5とを備えている。
【0058】給紙ユニット1は、給紙トレー101内に
集積された転写紙10を最上部のものから給紙ローラ1
02で給紙し、図示しない分離機構で重送紙を分離して
一枚の転写紙10のみを、タイミング調整およびスキュ
ー補正のためのレジストローラ対104で送り出すもの
である。その具体的な構成および動作は、電子写真複写
機における給紙機構と同様であるので、詳細な説明は省
略する。
【0059】画像除去促進液付与ユニット2は、液容器
201、液容器201中の液残量検出手段および液容器
201の液自動補給手段202、液汲み上げローラ20
7、液塗布ローラ208、押さえローラ209よりな
り、液容器201中から汲み上げローラ207によって
汲み上げられた画像除去促進液20は、液塗布ローラ2
08から加圧により搾られ、少量の画像除去促進液20
を転写紙10に塗布することが可能である。また、この
塗布ローラ単位を2つ組み合わせたものや、非接触型液
付与手段と組み合わせることにより、2段階の塗布が可
能となる。また、目的に応じて段数を任意に設定するこ
とができる。このように、給紙ユニット1から給送され
た転写紙10はユニット2において、再生処理に必要な
画像除去促進液20を付与され、次の画像形成物質剥離
ユニット(画像除去ユニット)3へと搬送される。
【0060】上記画像除去促進液20には、画像形成物
質30と転写紙10との付着力を弱めるために、転写紙
10に該画像除去促進液を十分に浸透させること、一旦
転写紙から剥離された画像形成物質が転写紙10に再度
付着するのを防ぐこと、あるいは画像形成物質と画像除
去促進液との親和性を高めることを目的として、例え
ば、先に示したような界面活性剤が添加されている。
【0061】画像形成物質剥離ユニット3は剥離装置3
10と、クリーニング装置320とからなる。剥離装置
310では、画像形成物質の軟化手段としての加熱ラン
プ301を内蔵する剥離ローラ302を複数組み合わ
せ、その外周に剥離部材からなる2本の剥離ベルト30
3をはいまわした構成を採用している。剥離ベルト30
3・303間に転写紙10が導入されると、その搬送経
路が波打つために、上記剥離部材と転写紙10との間に
剪断力が生じる。この力により転写紙10の表面を損傷
させずに画像形成物質を除去することが可能となる。
【0062】上記剥離ローラ302が内蔵する加熱ラン
プ301は、転写紙10に密着して転写紙に固着してい
る画像形成物質を加熱して軟化させ、これにより、画像
形成物質を転写紙10の繊維から剥がれやすくするもの
である。この加熱は圧接部において転写紙10上の画像
形成物質が溶融しない程度に行うことが望ましい。画像
形成物質が溶融してしまうと転写紙10上の画像形成物
質を、紙側と剥離ベルト303側とに分断することなく
剥離ベルト側へ転写させるのが困難になるためである。
また、加熱しすぎると、画像除去ユニット3を通過中に
転写紙10が乾燥しすぎて、転写紙10が画像形成物質
を介して剥離ベルト303に貼り付いてしまい、分離で
きなくなる恐れがある。したがって、加熱部(剥離装置
310)通過後の転写紙10に多少の湿り気が残ってい
て上記画像形成物質の再付着を防止できる程度に加熱す
ることが望ましい。上記剥離ベルト303の少なくとも
表面は、軟化した画像形成物質に対して、転写紙10の
表面と該画像形成物質との付着力より大きい付着力を有
する材料で構成されている。
【0063】クリーニング装置320は、剥離ベルト3
03表面上の画像形成物質30を除去するスパイラルロ
ーラ304の使用を表している。該ローラ304の下部
には、掻き落とした画像形成物質30を収容する画像形
成物質受け(画像形成物質容器)305を備えている。
剥離ベルト303のクリーニング時の表面温度は、画像
形成物質の凝固点以下であることが望ましい。表面温度
がこの範囲を超えると、熱可塑性である画像形成物質の
粘着性が増加し、効果的な画像形成物質の除去が行われ
に難くなる。
【0064】後処理ユニット4は、転写紙10の表面を
物理的に処理することで、例えば転写紙10の表面に残
存している界面活性剤量を、A4版の転写紙一枚(片
面)当たり0.2g以下になるように界面活性剤を除去
するものであり、例えばブチルゴムからなる粘着ローラ
401と、粘着ローラ401に転写された界面活性剤4
0を粘着ローラ401の表面から除去する拭き取りロー
ラ402とにより構成されている。上記拭き取りローラ
402としては、例えば少量の水分を含ませたウエスな
どを用いることができる。
【0065】紙受けユニット5は、後処理ユニット4か
ら排出された転写紙10を受けるための排紙トレー50
1を備えている。また、この像保持体再生装置(画像除
去装置+後処理装置)には、図示は省略したが、給紙ト
レー101内に転写紙10があるか否かを検出する検出
手段、給紙ユニット1による転写紙10の重送検出手
段、転写紙10の装置内ジャム検出手段、各加熱ランプ
301の点灯制御手段、画像形成物質受け容器305内
満杯検知手段などが設けられている。
【0066】以上の構成において、給紙ユニット1から
送られてきた転写紙10は、液付与ユニット2でその画
像形成面に画像除去促進液20が均一に付与され、画像
形成物質剥離ユニット3に送られる。この画像形成物質
剥離ユニット3で、転写紙10に固着している画像形成
物質30が加熱ローラ対(301・302)からの加熱
で軟化し、剥離ベルト303表面に付着することによ
り、転写紙10から画像形成物質30が除去される。画
像形成物質が除去された転写紙10は、後処理ユニット
4で画像形成物質を除去した転写紙10の表面から、画
像の再形成に悪影響を及ぼす界面活性剤、導電性物質な
どの残存物質が除去され、紙受けユニット5に排出され
る。
【0067】以上の構成によれば、画像形成物質を剥離
除去後、物理的処理を用いて像保持体の表面から画像の
再形成に悪影響を及ぼす界面活性剤、導電性物質などの
残存物質を除去することにより、再生された像保持体を
複写や記録などの画像形成に再利用する場合に、小型か
つ簡略な装置で、良好な画像を形成することができると
ともに、該画像の良好な定着性を得ることができる。
【0068】実施の形態3 図2に、像保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及
ぼす残存物質の除去手段としてブレード403を用いた
場合の後処理装置の一例を示す。404は転写紙10の
搬送用コロである。ブレード403は、弱い付着力で像
保持体(転写紙10)に付着している界面活性剤を除去
だけなので、紙表面の繊維を傷つけるほど強く加圧接触
させる必要はない。またブレード403は金属、プラス
チック、ガラス等の材料で良い。
【0069】実施の形態4 図3に、像保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及
ぼす残存物質の除去手段として粘着ローラ401を用い
た場合の後処理装置の一例を示す。粘着ローラ401の
粘着材が界面活性剤等に接触することで、像保持体に弱
く付着している該界面活性剤などを除去することができ
る。図示していないが、粘着ローラ401は、像保持体
を挟んで対向する位置にバックアップ部材を設けて加圧
しても良い。
【0070】また、粘着ローラ401には、界面活性剤
などの除去性能を低下させないようにクリーニング機構
を付設しても良い。その一例として図3に示すように、
ブレード403などにより粘着ローラ401上の界面活
性剤40を拭き取っても良い。粘着ローラ401は、ブ
チルゴム等からなる清掃用粘着ローラなど、一般に用い
られているものでも良いが、転写紙表面の繊維を剥ぎ取
らない程度の粘着力のものが良い。
【0071】実施の形態5 図4に、像保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及
ぼす残存物質の除去手段として粘着ローラ401を用い
た場合の後処理装置の別例を示す。この例では、粘着ロ
ーラ401のクリーニング機構として、水を含んだ不織
布を巻き付けた拭き取りローラ402を設けてある。粘
着ローラのクリーニング手段として図3,4に二つの例
を示したが、これらに限られるものではない。
【0072】
【実施例】
実施例1 通常の普通紙複写機〔株式会社リコー製:FT6500
(商品名)〕にて、熱可撓性の画像形成物質からなる画
像を片面に形成した像保持体としての用紙の複写画像面
に、低濃度の界面活性剤を含んだ画像除去促進液(低濃
度液)として、3重量%のエアロゾルOT−100界面
活性剤(三井サイテック社製)、6重量%のグリシン塩
酸塩、4重量%のエチレングリコール、および2重量%
の2−メチル2,4ペンタンジオールを含んだ水溶液を
0.2g/A4(A4版用紙1枚当たりに含まれる液
量)付与し、次いで高濃度の界面活性剤を含んだ画像除
去促進液(高濃度)として、35重量%のエアロゾルO
T−100界面活性剤、13.6重量%の等モル混合体
であるパーフルオロオクタノイック酸とグリシンの混合
体、8.8重量%のエチレングリコール、8.8重量%
の2−メチル2,4ペンタンジオールおよび2重量%の
等モル混合体であるパーフルオロオクタノイック酸とジ
エチルアミンの混合体を含んだ水溶液を0.2g/A4
付与した。
【0073】その後、該用紙をポリエーテルエーテルケ
トンからなる画像剥離部材としての剥離ベルトで密着挟
持した一体化物を千鳥状に連続接触状態にして100℃
に加熱してある複数個のローラおよび複数個の回転体に
前記剥離ベルトを掛け渡した状態で搬送することによ
り、該用紙から疎水性の複写画像の除去を行った(図1
のユニット3を参照)。後処理工程では、上記複写画像
除去を行った再生用紙の複写画像が存在していた面上
で、粘着ローラを接触回転させた。
【0074】その結果、該後処理を行った再生用紙は乾
燥する必要が無く、かつ複写画像が目視で認められない
程度となり、紙伸び、シワ、波打ち、カールも発生せず
に再複写・記録が可能な用紙となった。さらに、以上の
画像除去処理、後処理および再複写・記録を5回繰り返
したが、複写画像の用紙への定着性は優れたものであ
り、繰り返し使用を行わなかった用紙(新しい未処理の
用紙)と殆ど同等の複写品質である複写画像が得られ
た。
【0075】比較例1 実施例1に対する比較例として、画像除去処理を施した
再生用紙を後処理しなかった以外は実施例1と全く同じ
画像除去処理および複写・記録を行ったところ、複写画
像の用紙への定着性は悪く、界面活性剤の付着・残存の
ため複写画像面はザラザラした状態で、使用に耐えられ
なかった。
【0076】実施例2 後処理として粘着ローラではなく、ゴム硬度70度のク
ロロプレン製のブレードで再生用紙表面を擦った以外
は、実施例1と全く同じ画像除去処理および複写・記録
を行った。その結果、該後処理を行った再生用紙は乾燥
する必要が無く、かつ複写画像が目視で認められない程
度となり、紙伸び、シワ、波打ち、カールも発生せずに
再複写・記録が可能な用紙となった。さらに、以上の画
像除去処理、後処理および再複写・記録を5回繰り返し
たが、複写画像の用紙への定着性は優れたものであり、
繰り返し使用を行わなかった用紙(新しい未処理の用
紙)と殆ど同等の複写品質である複写画像が得られた。
【0077】実施例3 上記実施例1における複写用紙の代わりに、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上にアクリル酸およびアクリ
ル酸塩、架橋剤などを主成分とした樹脂層からなる親水
性の膨潤層を形成したOHPシートを使用するととも
に、上記高濃度液のみを0.2g/A4付与した以外は
実施例1と全く同じ画像除去処理および複写・記録を行
った。
【0078】その結果、OHPシートはわずかに乾燥さ
せるだけで、複写画像の全く無い、再複写・記録が可能
なOHPシートとなった。さらに、以上の画像除去処
理、後処理および再複写・記録を5回繰り返したが、複
写画像のOHPシートへの定着性は優れたものであり、
繰り返し使用を行わなかったOHPシート(新しい未処
理のOHPシート)と殆ど同等の複写品質である複写画
像が得られた。
【0079】比較例2 実施例3に対する比較例として、OHPシートを後処理
しなかった以外は実施例3と全く同じ画像除去処理およ
び複写・記録を行ったところ、複写画像の除去は十分に
行われ、画像の無いOHPシートが得られたが、該シー
トの表面には界面活性剤の付着・残存が多く、再複写・
記録は困難であった。
【0080】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば下記の顕著な作用効果が得られる。 (1)請求項1〜請求項4の像保持体の再生方法・装
置:画像を除去した像保持体に物理的処理を施して、該
像保持体の表面から、画像の再形成に悪影響を及ぼす界
面活性剤や導電性物質の残留物を除去することにより、
小型かつ簡単な装置で、再生された像保持体を複写や記
録などの画像形成に再利用する場合に、良好な画像を形
成することができるとともに、該画像の良好な定着性を
得ることができる。
【0081】(2)請求項5〜請求項8の像保持体の後
処理方法・装置:画像除去促進液を付与して熱可撓性あ
るいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像を除去した
像保持体に物理的処理を施して、該像保持体の表面か
ら、画像の再形成に悪影響を及ぼす界面活性剤や導電性
物質の残留物を除去することにより、小型かつ簡単な装
置で、再生された像保持体を複写や記録などの画像形成
に再利用する場合に、良好な画像を形成することができ
るとともに、該画像の良好な定着性を得ることができ
る。
【0082】(3)請求項3の再生装置、請求項7の後
処理装置:画像を除去した像保持体の表面をブレードで
擦るだけで、該像保持体の表面から、画像の再形成に悪
影響を及ぼす界面活性剤や導電性物質の残留物を除去す
るようにしているので、小型かつ簡単な装置で、再生さ
れた像保持体を複写や記録などの画像形成に再利用する
場合に、良好な画像を形成することができるとともに、
該画像の良好な定着性を得ることができる。
【0083】(4)請求項4の再生装置、請求項8の後
処理装置:画像を除去した像保持体の表面に粘着ローラ
を接触させ、該像保持体の表面から、画像の再形成に悪
影響を及ぼす界面活性剤や導電性物質の残留物を物理的
に除去するようにしているので、小型かつ簡単な装置
で、再生された像保持体を複写や記録などの画像形成に
再利用する場合に、良好な画像を形成することができる
とともに、該画像の良好な定着性を得ることができる。
また、粘着ローラは、表面がある程度の弾力性を持って
いるため、像保持体表面への接触性が良いので、像保持
体の表面から確実に、画像の再形成に悪影響を及ぼす残
留物を除去することができる。
【0084】(5)請求項9、請求項10の像保持体:
熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像
が形成された像保持体を請求項1の再生方法または、請
求項2,3,4の再生装置により再生したものであるか
ら、この像保持体を複写や記録などの画像形成に再利用
する場合に、良好な画像を形成することができるととも
に、該画像の良好な定着性を得ることができる。
【0085】(6)請求項11、請求項12の像保持
体:画像除去促進液を付与して熱可撓性あるいは熱軟化
性の画像形成物質からなる画像を除去した像保持体を、
請求項5の後処理方法または、請求項6,7,8の後処
理装置により再生したものであるから、この像保持体を
複写や記録などの画像形成に再利用する場合に、良好な
画像を形成することができるとともに、該画像の良好な
定着性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態2に係る再生装置(後処理
装置を含む)の概略構成を示す正面図である。
【図2】実施の形態3に係る後処理装置の概略構成を示
す正面図である。
【図3】実施の形態4に係る後処理装置の概略構成を示
す正面図である。
【図4】実施の形態5に係る後処理装置の概略構成を示
す正面図である。
【符号の説明】
1 給紙ユニット 2 画像除去促進液付与ユニット 3 画像形成物質剥離ユニット 4 後処理ユニット 5 紙受けユニット 10 転写紙(像保持体) 20 画像除去促進液 30 画像形成物質 40 界面活性剤(残留物) 101 給紙トレー 102 給紙ローラ 104 レジストローラ対 201 画像除去促進液容器 202 液残量検出手段および液自動補給手段 207 液汲み上げローラ 208 液塗布ローラ 209 押さえローラ 301 加熱ランプ 302 剥離ローラ 303 剥離ベルト 304 スパイラルローラ 305 画像形成物質受け(画像形成物質容器) 310 剥離装置 320 クリーニング装置 401 粘着ローラ 402 拭き取りローラ 403 ブレード 404 搬送用コロ 501 排紙トレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 正敏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 藤田 滋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 真貝 勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物
    質からなる画像が形成されている像保持体に画像除去促
    進液を付与し、該像保持体の表面から画像を除去し、さ
    らに該像保持体の表面から画像の再形成に悪影響を及ぼ
    す残留物を除去する像保持体の再生方法であって、画像
    を除去した像保持体の表面から、画像の再形成に悪影響
    を及ぼす残留物を物理的に除去することを特徴とする像
    保持体の再生方法。
  2. 【請求項2】 熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物
    質からなる画像が形成されている像保持体に画像除去促
    進液を付与する液付与手段と、該画像除去促進液を付与
    した像保持体の表面から画像を除去する画像除去手段
    と、画像除去後の像保持体の表面から画像の再形成に悪
    影響を及ぼす残留物を除去する残留物除去手段とを備え
    た像保持体の再生装置であって、前記残留物除去手段と
    して、前記残留物を物理的に除去するものを設けたこと
    を特徴とする像保持体の再生装置。
  3. 【請求項3】 前記残留物除去手段が、前記残留物をブ
    レードにより掻き取るものであることを特徴とする請求
    項2に記載の像保持体の再生装置。
  4. 【請求項4】 前記残留物除去手段が、前記残留物を粘
    着ローラにより除去するものであることを特徴とする請
    求項2に記載の像保持体の再生装置。
  5. 【請求項5】 画像除去促進液を付与して熱可撓性ある
    いは熱軟化性の画像形成物質からなる画像を除去した像
    保持体の表面から、画像の再形成に悪影響を及ぼす残留
    物を除去する像保持体の後処理方法であって、像保持体
    に物理的処理を施して前記残留物を除去することを特徴
    とする像保持体の後処理方法。
  6. 【請求項6】 画像除去促進液を付与して熱可撓性ある
    いは熱軟化性の画像形成物質からなる画像を除去した像
    保持体の表面から、画像の再形成に悪影響を及ぼす残留
    物を除去する像保持体の後処理装置であって、前記残留
    物の除去手段として、像保持体に物理的処理を施して前
    記残留物を除去するものを設けたことを特徴とする像保
    持体の後処理装置。
  7. 【請求項7】 前記残留物除去手段が、前記残留物をブ
    レードにより掻き取るものであることを特徴とする請求
    項6に記載の像保持体の後処理装置。
  8. 【請求項8】 前記残留物除去手段が、前記残留物を粘
    着ローラにより除去するものであることを特徴とする請
    求項6に記載の像保持体の後処理装置。
  9. 【請求項9】 熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成物
    質からなる画像が形成されている像保持体を、請求項1
    に記載の再生方法により再生したことを特徴とする像保
    持体。
  10. 【請求項10】 熱可撓性あるいは熱軟化性の画像形成
    物質からなる画像が形成されている像保持体を、請求項
    2,3または4に記載の再生装置により再生したことを
    特徴とする像保持体。
  11. 【請求項11】 画像除去促進液を付与して熱可撓性あ
    るいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像を除去した
    像保持体を、請求項5に記載の後処理方法により処理し
    たことを特徴とする像保持体。
  12. 【請求項12】 画像除去促進液を付与して熱可撓性あ
    るいは熱軟化性の画像形成物質からなる画像を除去した
    像保持体を、請求項6,7または8に記載の後処理装置
    により処理したことを特徴とする像保持体。
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