JPH10268536A - 電子写真感光体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法及び製造装置

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JPH10268536A
JPH10268536A JP7194297A JP7194297A JPH10268536A JP H10268536 A JPH10268536 A JP H10268536A JP 7194297 A JP7194297 A JP 7194297A JP 7194297 A JP7194297 A JP 7194297A JP H10268536 A JPH10268536 A JP H10268536A
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JP
Japan
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conductive support
layer
coating liquid
pedestal
forming
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JP7194297A
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English (en)
Inventor
Ichiro Sekine
一郎 関根
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層形成用塗液が塗布された筒状の導電性支持
体を受け台上に載置させた後、この導電性支持体を受け
台から引き上げる場合に、導電性支持体と受け台との間
において糸引き状態になった層形成用塗液が形成された
層の表面に糸引き状態になって付着するのを抑制する。 【解決手段】 筒状になった導電性支持体10の表面に層
形成用塗液11を塗布した後、この筒状の導電性支持体を
液切り用部材13が突設された受け台上に液切り用部材が
内周側に位置するように載置させ、この導電性支持体を
受け台から引き上げるにあたり、導電性支持体と受け台
との少なくとも一方を回転させながら導電性支持体を受
け台から引き上げるようにし、またこのように層形成用
塗液が塗布された導電性支持体を乾燥させて電子写真感
光体を製造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体の製
造方法及びその製造装置に係り、特に、筒状になった導
電性支持体の表面に層形成用塗液を塗布し、このように
層形成用塗液が塗布された導電性支持体を受け台上に載
置させた後、この導電性支持体を受け台から引き上げ、
その後、この導電性支持体の表面に塗布された層形成用
塗液を乾燥させるようにした電子写真感光体の製造方法
及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター等の電子写真装置に
使用される電子写真感光体を製造するにあたっては、従
来より様々な方法が用いられていたが、近年において
は、成膜性が良く、製造が容易で製造コストも安価にな
るという点から、感光性材料とバインダー樹脂と適当な
溶剤等を加えた感光層用塗液等の各種の層形成用塗液を
筒状になった導電性支持体の表面に順々に塗布し、この
ように塗布された各層形成用塗液を乾燥させて、導電性
支持体の表面に単層型の感光層や、電荷発生層と電荷輸
送層とが積層された機能分離型の感光層や、更に下引層
や中間層や保護層等を形成するようにしていた。
【0003】ここで、上記のように導電性支持体の表面
に層形成用塗液を塗布し、これを乾燥させて感光層等を
形成するにあたり、このように層形成用塗液が塗布され
た導電性支持体をそのまま搬送させて乾燥装置等に導く
ようにした場合、導電性支持体に塗布された層形成用塗
液がその途中で液だれするため、一般には、図1に示す
ように、上記のように層形成用塗液11が塗布された導
電性支持体10を立てた状態で受け台12上に載置さ
せ、その後、この受け台12からこの導電性支持体10
を引き上げて搬送させるようにしていた。
【0004】しかし、上記のように層形成用塗液11が
塗布された導電性支持体10を受け台10上に載置させ
た場合、載置された導電性支持体10の下端における層
形成用塗液11が受け台12に付着し、導電性支持体1
0をこの受け台12から引き上げると、図2に示すよう
に、受け台12に付着した層形成用塗液11が導電性支
持体10と受け台12との間で糸を引いた状態になり、
さらにこの導電性支持体10を引き上げると、受け台1
2に付着していた層形成用塗液11が引き離されて跳ね
上がり、図3に示すように、この層形成用塗液11が導
電性支持体10上に形成された層の表面に糸引き状にな
って付着し、この部分における層形成用塗液11の厚み
だけが厚くなり、これを乾燥させて電子写真感光体を作
製した場合、感光層等の膜厚にむらが生じ、均一な特性
の電子写真感光体が得られなくなるという問題があり、
特に、膜厚の大きな単層の感光層や、機能分離型の感光
層における電荷輸送層を形成する場合にこのような問題
が多く発生した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複写機や
プリンター等の電子写真装置に使用される電子写真感光
体を製造する場合における上記のような問題を解決する
ことを課題とするものである。
【0006】すなわち、この発明においては、上記のよ
うに筒状になった導電性支持体の表面に層形成用塗液を
塗布し、このように層形成用塗液が塗布された導電性支
持体を受け台上に載置させた後、この導電性支持体を受
け台から引き上げるようにした場合において、導電性支
持体と受け台との間において糸引き状態になった層形成
用塗液が受け台から引き離された際に、この層形成用塗
液が跳ね上がって形成された層の表面に糸引き状態にな
って付着するのを抑制することを課題とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける電子写真感光体の製造方法においては、上記のよう
な課題を解決するため、筒状になった導電性支持体の表
面に層形成用塗液を塗布する工程と、液切り用部材が突
設された受け台上に上記の層形成用塗液が塗布された導
電性支持体を液切り用部材が内周側に位置するように載
置させる工程と、上記の導電性支持体と受け台との少な
くとも一方を回転させながら導電性支持体を受け台上か
ら引き上げる工程とを行なうようにしたのである。
【0008】また、この発明の請求項2における電子写
真感光体の製造装置においては、上記のような課題を解
決するため、筒状になった導電性支持体の表面に層形成
用塗液を塗布する塗布手段と、液切り用部材が突設され
た受け台と、上記の層形成用塗液が塗布された導電性支
持体を液切り用部材が内周側に位置するようにして受け
台上に載置させる載置手段と、導電性支持体と受け台の
少なくとも一方を回転させながら導電性支持体を受け台
上から引き上げる引き上げ手段と、導電性支持体の表面
に塗布された層形成用塗液を乾燥させる乾燥手段とを設
けるようにしたのである。
【0009】そして、この発明の請求項1,2における
電子写真感光体の製造方法及びその製造装置において
は、筒状になった導電性支持体の表面に層形成用塗液を
塗布した後、この筒状の導電性支持体を液切り用部材が
突設された受け台上に液切り用部材が内周側に位置する
ように載置させ、この導電性支持体を受け台から引き上
げるにあたり、導電性支持体と受け台との少なくとも一
方を回転させながら、導電性支持体を受け台から引き上
げるようにする。
【0010】ここで、このように導電性支持体と受け台
との少なくとも一方を回転させながら、この導電性支持
体を受け台から引き上げるようにすると、導電性支持体
の表面に塗布された層形成用塗液が受け台に付着し、導
電性支持体を受け台から引き上げる際に、この層形成用
塗液が導電性支持体と受け台との間で糸引き状態になっ
ても、受け台に付着した層形成用塗液が受け台から速や
かに引き離されると共に、このように引き離されて糸状
になった層形成用塗液が受け台上に突設された液切り用
部材に巻き付き、引き離された糸状の層形成用塗液が跳
ね上がって層表面に付着するということがなくなる。
【0011】また、上記のように層形成用塗液が塗布さ
れた導電性支持体を受け台上に載置させた場合に、導電
性支持体に塗布された層形成用塗液が受け台に付着する
のを少なくするため、受け台と導電性支持体との接触部
分が少なくなるように、この受け台の表面を凹凸状に形
成することが好ましい。
【0012】ここで、この発明において使用する導電性
支持体としては、銅,アルミニウム,鉄,ニッケル等の
材料で筒状に形成されたものを用いるようにする。
【0013】また、この発明において製造する電子写真
感光体としては、例えば、導電性支持体上に、バインダ
ー樹脂中に電荷発生材料や電荷輸送材料からなる感光性
材料が含有された単層型の感光層を形成したものや、バ
インダー樹脂中に電荷発生材料が含有もしくは電荷発生
材料が蒸着された電荷発生層とバインダー樹脂中に電荷
輸送材料が含有された電荷輸送層とを積層させた機能分
離型の感光層を形成したものや、更にこれらの感光層の
表面に保護層を設けたものや、導電性支持体とこれらの
感光層との間に下引層を設けたもの、層と層の間に中間
層を設けたもの等が存在する。
【0014】そして、上記のような電子写真感光体を製
造するにあたって、導電性支持体の表面に塗布させる層
形成用塗液としては、例えば、バインダー樹脂と電荷発
生材料や電荷輸送材料からなる感光性材料と適当な溶媒
を加えた感光層用塗液や、バインダー樹脂と電荷発生材
料と適当な溶媒を加えた電荷発生層用塗液や、バインダ
ー樹脂と電荷輸送材料と適当な溶媒を加えた電荷輸送層
用塗液や、感光層の表面に設ける保護層用塗液や、中間
層用塗液や下引層用塗液等が使用されるが、特に、膜厚
の大きな層を形成する感光層用塗液や、電荷輸送層用塗
液を用いる場合において有効である。
【0015】また層形成用塗液を塗布する方法として
は、公知の塗布方法として、浸漬塗布方法、スプレー塗
布方法、スピナー塗布方法、ブレード塗布方法、ローラ
ー塗布方法、マイヤーバー塗布方法等が使用可能である
が、本件においては浸漬塗布方法にて行なった場合に非
常に有効である。
【0016】ここで、上記の電荷発生材料としては、例
えば、モノアゾ系顔料,ビスアゾ系顔料,トリスアゾ系
顔料,テトラキスアゾ顔料,トリアリールメタン系染
料,チアジン系染料,オキサジン系染料,キサンテン系
染料,シアニン系色素,スチリル系色素,ピリリウム系
染料,キナクリドン系顔料,インジゴ系顔料,ペリレン
系顔料,多環キノン系顔料,ビスベンズイミダゾール系
顔料,インダスロン系顔料,スクアリリウム系顔料,フ
タロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレ
ン,セレン−ヒ素,セレン−テルル,硫化カドミウム,
酸化亜鉛,酸化チタン,アモルファスシリコン等の無機
材料を使用することができる。
【0017】また、上記の電荷輸送材料としては、例え
ば、アントラセン誘導体,ピレン誘導体,カルバゾール
誘導体,テトラゾール誘導体,メタロセン誘導体,フェ
ノチアジン誘導体,ピラゾリン化合物,ヒドラゾン化合
物,スチリル化合物,スチリルヒドラゾン化合物,エナ
ミン化合物,ブタジエン化合物,ジスチリル化合物,オ
キサゾール化合物,オキサジアゾール化合物,チアゾー
ル化合物,イミダゾール化合物,トリフェニルアミン誘
導体,フェニレンジアミン誘導体,アミノスチルベン誘
導体,トリフェニルメタン誘導体等を使用することがで
きる。
【0018】また、上記のバインダー樹脂としては、電
気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂,熱硬化
性樹脂,光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用するこ
とができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化
ビニル,ポリ塩化ビニリデン,塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体,塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブ
チラール,ポリビニルアセタール,ポリエステル,フェ
ノキシ樹脂,(メタ)アクリル樹脂,ポリスチレン,ポ
リカーボネ−ト,ポリアリレート,ポリスルホン,ポリ
エーテルスルホン,ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェ
ノール樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,メラミン樹
脂,イソシアネート樹脂,アルキッド樹脂,シリコーン
樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビ
ニルカルバゾール,ポリビニルアントラセン,ポリビニ
ルピレン等の光導電性樹脂を挙げることができるが、特
に、これらのものに限定されるものではない。
【0019】また、上記の溶媒としては、例えば、メタ
ノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン
等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホ
キシド類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,エチレン
グリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メ
チル,酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム,塩化
メチレン,ジクロルエチレン,四塩化炭素,トリクロル
エチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン,
トルエン,キシレン,リグロイン,モノクロルベンゼ
ン,ジクロルベンゼン等の芳香族類等の有機溶媒を用い
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態に係
る電子写真感光体の製造方法及び製造装置を添付図面に
基づいて具体的に説明する。
【0021】この実施形態においては、図4に示すよう
に、円筒状になった導電性支持体10を洗浄して乾燥さ
せた後、この導電性支持体10を搬送装置20に設けら
れたチャッキング装置21により保持させ、この導電性
支持体10を電荷発生層用塗液11aが収容された第1
浸漬槽22a上に導き、この第1浸漬槽22a内に導電
性支持体10を浸漬させた後、この第1浸漬槽22aか
ら引き上げて、導電性支持体10の表面に電荷発生層用
塗液11aを塗布し、このように電荷発生層用塗液11
aが塗布された導電性支持体10を上記の搬送装置20
により受け台12上に導き、上記のチャッキング装置2
1による保持を解除して導電性支持体10をこの受け台
12上に載置させるようにする。
【0022】次いで、このように電荷発生層用塗液11
aが塗布されて受け台12上に載置された導電性支持体
10を、上記のチャッキング装置21により保持させて
受け台12から引き上げ、この導電性支持体10を搬送
装置20により電荷輸送層用塗液11bが収容された第
2浸漬槽22b上に導き、この第2浸漬槽22b内に導
電性支持体10を浸漬させた後、この第2浸漬槽22b
から引き上げて、導電性支持体10の表面に電荷輸送層
用塗液11bを塗布し、このように電荷輸送層用塗液1
1bが塗布された導電性支持体10を搬送装置20によ
り次の受け台12上に導き、チャッキング装置21によ
る保持を解除して導電性支持体10をこの受け台12上
に載置させるようにする。
【0023】次いで、このように電荷輸送層用塗液11
bが塗布されて受け台12上に載置された導電性支持体
10を、さらにチャッキング装置21により保持させて
受け台12から引き上げ、この導電性支持体10を搬送
装置20により剥離液23が収容された剥離槽24上に
導き、この剥離槽24内に導電性支持体10の下端部だ
けを浸漬させて、導電性支持体10の下端部における電
荷発生層用塗液11aや電荷輸送層用塗液11bを除去
した後、この導電性支持体10を次の受け台12上に載
置させ、その後、この導電性支持体10を乾燥装置30
に導いて導電性支持体10上に塗布された電荷輸送層用
塗液11を乾燥させ、導電性支持体10上に電荷発生層
と電荷輸送層とが積層された機能分離型の電子写真感光
体を製造するようにしている。
【0024】ここで、この実施形態においては、上記の
電荷輸送層用塗液11bが塗布された導電性支持体10
を載置させる受け台12にだけ液切り用部材13を設け
るようにし、図5に示すように、受け台12上に液切り
用部材13として、上方に突出した突出部13aの上に
導電性支持体10の内径よりも径の小さな円形状になっ
た板材13bを取り付けたものを設けるようにしてい
る。
【0025】そして、上記のように電荷輸送層用塗液1
1bが塗布された導電性支持体10を、このように液切
り用部材13が設けられた受け台12上に載置させるに
あたっては、液切り用部材13が導電性支持体10の内
周側に位置するようにして、導電性支持体10をこの受
け台12上に載置させるようにする。
【0026】また、このように液切り用部材13が設け
られた受け台12上に載置された導電性支持体10をこ
の受け台12から引き上げるにあたっては、上記のよう
にチャッキング装置21により導電性支持体10を保持
させ、この導電性支持体10を回転させながら受け台1
2から引き上げるようにする。
【0027】ここで、上記のように電荷輸送層用塗液1
1bが塗布された導電性支持体10を受け台12から引
き上げるにあたり、導電性支持体10の下端における層
形成用塗液11が受け台12に付着し、導電性支持体1
0をこの受け台12から引き上げた際に、この受け台1
2に付着した層形成用塗液11が導電性支持体10と受
け台12との間で糸引き状態になったとしても、上記の
ように導電性支持体10を回転させながら引き上げる
と、受け台12に付着して糸引き状態になった電荷輸送
層用塗液11bが受け台12から速やかに引き離される
と共に、この引き離された電荷輸送層用塗液11bが上
記の液切り用部材13における板材13bに巻き付いて
適当な位置で切断されるようになり、糸引き状態になっ
た電荷輸送層用塗液11bが跳ね上がって導電性支持体
10上に形成された層の表面に付着するということがな
い。
【0028】また、このように導電性支持体10を回転
させながら受け台12から引き上げるにあたっては、糸
引き状態になった電荷輸送層用塗液11bが受け台12
から速やかに引き離され、液切り用部材13の板材13
bにうまく巻き付いて切断されるようにするため、その
回転速度を一般に1〜100rpm、好ましくは10〜
50rpm、より好ましくは30〜40rpmになるよ
うにする。
【0029】なお、この実施形態においては、上記のよ
うに導電性支持体10を回転させながら受け台12上か
ら引き上げるようにしたが、逆に受け台12を回転させ
るようにして導電性支持体10を引き上げるようにする
ことも可能であり、また導電性支持体10と受け台12
とを逆方向に回転させながら、導電性支持体10を引き
上げるようにすることも可能である。
【0030】また、この実施形態においては、電荷輸送
層用塗液11bが塗布された導電性支持体10を載置さ
せる受け台12にだけ液切り用部材13を設けると共
に、この受け台12から導電性支持体10を引き上げる
場合にだけ導電性支持体10を回転させながら受け台1
2から引き上げるようにしたが、電荷発生層用塗液11
aが塗布された導電性支持体10を載置させる受け台1
2にも上記の液切り用部材13を設け、この受け台12
から導電性支持体10を引き上げる場合においても、導
電性支持体10を回転させながら受け台12から引き上
げるようにしてもよい。但し、導電性支持体10に塗布
される電荷発生層用塗液11aは一般に厚みが薄く、こ
の電荷発生層用塗液11aは早く乾燥するため、特に上
記のような操作を行なう必要はない。
【0031】さらに、上記の実施形態においては、電荷
輸送層用塗液11bが塗布された導電性支持体10を載
置させる受け台12として、その上面が平坦なものを用
いるようにしたが、この受け台12上に電荷輸送層用塗
液11bが塗布された導電性支持体10を載置させた場
合に、導電性支持体10と受け台12との接触面積が少
なくなるようにして、電荷輸送層用塗液11bが受け台
12に付着するのを抑制することが好ましい。
【0032】ここで、このような受け台12としては、
例えば、図7(A),(B)に示すように、受け台12
上面の中央部分に上記の液切り用部材13を設けると共
に、この液切り用部材13より外周側に向かって複数の
凸条12aを放射状に設けたものや、図8(A),
(B)に示すように、受け台12上面の中央部分に上記
の液切り用部材13を設けると共に、複数の凸条12a
を所要間隔を介して並設させたもの等を用いることがで
きる。
【0033】次に、上記の実施形態に示すようにして電
子写真感光体を製造する場合における具体的な実施例に
ついて説明すると共に、比較例をあげ、この発明の実施
例によって電子写真感光体を製造すると、糸引きによる
不良品の発生のない良好な電子写真感光体が得られるこ
とを明らかにする。
【0034】(実施例1)この実施例においては、外径
が80mm、長さが350mmの円筒状になったアルミ
ニウム製の導電性支持体10を用い、この導電性支持体
10を洗浄して乾燥させた。
【0035】そして、この導電性支持体10を、τ型フ
タロシアニン顔料(東洋インキ社製:Liophoto
n TPH−278)を1重量部、ブチラール樹脂(積
水化学社製:エスレックBX−1)を1重量部、テトラ
ヒドロフランを90重量部の割合で加えて調整した電荷
発生層用塗液11aを収容させた第1浸漬槽22a内に
前記のようにして浸漬させた後、これを引き上げて導電
性支持体10上にこの電荷発生層用塗液11を塗布し、
これを前記のように受け台12上に載置させて乾燥さ
せ、導電性支持体10上に膜厚が約0.3μmになった
電荷発生層を形成した。
【0036】そして、このように電荷発生層が形成され
た導電性支持体10を、下記の化1に示すスチリル系化
合物を10重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネー
ト樹脂(帝人化成社製:パンライトTS−2050)を
10重量部、塩化メチレンを90重量部の割合で加えて
調整した電荷輸送層用塗液11bを収容させた第2浸漬
槽22b中に浸漬させた後、これを引き上げて電荷輸送
層用塗液11bを塗布し、このように電荷輸送層用塗液
11bが塗布された導電性支持体10を、液切り用部材
13が設けられた受け台12上に液切り用部材13が内
周側に位置するようにして載置させた。
【0037】
【化1】
【0038】そして、このように載置された導電性支持
体10を10rpmで回転させながら受け台12から上
方に20〜30mm引き上げるようにした。このように
すると、受け台12に付着して糸引き状態になった電荷
輸送層用塗液11bが前記のように受け台12から速や
かに引き離され、この引き離された電荷輸送層用塗液1
1bが上記の液切り用部材13における板材13bに巻
き付いて適当な位置で切断され、糸引き状態になった電
荷輸送層用塗液11bが跳ね上がって導電性支持体10
の表面に付着するということがなかった。
【0039】そして、このように電荷輸送層用塗液11
bが塗布された導電性支持体10を受け台12からさら
に引き上げた後、前記のようにこの導電性支持体10の
下端部を剥離液23が収容された剥離槽24に浸漬さ
せ、導電性支持体10の下端部における電荷発生層や電
荷輸送層用塗液11bを除去した後、この導電性支持体
10を次の受け台12上に載置させ、その後、この導電
性支持体10を乾燥装置30において110℃で30分
間乾燥させ、膜厚が約25μmになった電荷輸送層を形
成し、導電性支持体10上に電荷発生層と電荷輸送層と
が積層された機能分離型の電子写真感光体を製造した。
【0040】(実施例2)この実施例においては、上記
の実施例1のようにして電荷輸送層用塗液11bが塗布
された導電性支持体10を受け台12から回転させなが
ら引き上げるにあたり、その回転速度を35rpmに
し、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様
にして積層型の電子写真感光体を作製した。
【0041】(実施例3)この実施例においても、上記
の実施例1のようにして電荷輸送層用塗液11bが塗布
された導電性支持体10を受け台12から回転させなが
ら引き上げるにあたり、その回転速度を50rpmに
し、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様
にして積層型の電子写真感光体を作製した。
【0042】(実施例4)この実施例においては、上記
の実施例1のようにして電荷輸送層用塗液11bが塗布
された導電性支持体10を受け台12に載置させるにあ
たり、この受け台12として、前記の図7(A),
(B)に示したように、その上面の中央部分における液
切り用部材13より外周側に向かって複数の凸条12a
が放射状に設けられたものを用い、電荷輸送層用塗液1
1bが塗布された導電性支持体1をこの受け台12から
回転させながら引き上げるにあたり、その回転速度を上
記実施例2と同じ35rpmにし、それ以外について
は、上記の実施例1の場合と同様にして積層型の電子写
真感光体を作製した。
【0043】(実施例5)この実施例においては、電荷
輸送層用塗液11bが塗布された導電性支持体10を載
置させる受け台12として、上記の実施例4と同じ図7
(A),(B)に示した受け台12を用い、電荷輸送層
用塗液11bが塗布された導電性支持体10をこの受け
台12から回転させながら引き上げるにあたり、その回
転速度を100rpmにし、それ以外については、上記
の実施例1の場合と同様にして積層型の電子写真感光体
を作製した。
【0044】(比較例1)この比較例においては、電荷
輸送層用塗液11bが塗布された導電性支持体10を載
置させる受け台12として、図1に示したように液切り
用部材13が設けられていないものを用い、電荷輸送層
用塗液11bが塗布された導電性支持体10をこの受け
台12から上記の実施例2と同様に35rpmで回転さ
せながら引き上げるようにし、それ以外については、上
記の実施例1の場合と同様にして積層型の電子写真感光
体を作製した。
【0045】(比較例2)この比較例においては、上記
の比較例1と同様に電荷輸送層用塗液11bが塗布され
た導電性支持体10を載置させる受け台12に液切り用
部材13が設けられていないものを用い、電荷輸送層用
塗液11bが塗布された導電性支持体10を、この受け
台12から回転させないで引き上げるようにし、それ以
外については、上記の実施例1の場合と同様にして積層
型の電子写真感光体を作製した。
【0046】(比較例3)この比較例においては、電荷
輸送層用塗液11bが塗布された導電性支持体10を載
置させる受け台12として、上記の実施例4と同じ図7
(A),(B)に示した受け台12を用い、電荷輸送層
用塗液11bが塗布された導電性支持体10をこの受け
台12から回転させないで引き上げるようにし、それ以
外については、上記の実施例1の場合と同様にして積層
型の電子写真感光体を作製した。
【0047】次に、上記の実施例1〜5及び比較例1〜
3に示すようにして、それぞれ50本の電子写真感光体
を作製し、作製された各電子写真感光体の表面を目視に
より観察し、それぞれ糸引き状態になった不良品の本数
を調べ、その結果を下記の表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】この結果から明らかなように、受け台12
上に液切り用部材13を設けると共に、この受け台12
から電荷輸送層用塗液11bが塗布された導電性支持体
10を引き上げる際に、導電性支持体10を回転させな
がら引き上げるようにした実施例1〜5のものにおいて
は、いずれも糸引き状態になった不良品が発生しなかっ
た。
【0050】これに対し、受け台12上に液切り用部材
13を設けなかった比較例1,2のものにおいては、比
較例1に示すように導電性支持体10を回転させながら
引き上げるようにした場合であっても不良品が発生し、
導電性支持体10を回転させないで引き上げるようにし
た比較例2のものにおいてはさらに不良品の発生が多く
なり、また受け台12上に液切り用部材13を設けた場
合であっても、比較例3のように導電性支持体10を回
転させないで引き上げるようにすると不良品が発生し
た。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
電子写真感光体の製造方法及びその製造装置において
は、筒状になった導電性支持体の表面に層形成用塗液を
塗布した後、この筒状の導電性支持体を液切り用部材が
突設された受け台上に液切り用部材が内周側に位置する
ように載置させ、この導電性支持体を受け台から引き上
げるにあたり、導電性支持体と受け台との少なくとも一
方を回転させながら、導電性支持体を受け台から引き上
げるようにしたため、導電性支持体の表面に塗布された
層形成用塗液が受け台に付着して、導電性支持体を受け
台から引き上げる際に、この層形成用塗液が導電性支持
体と受け台との間で糸引き状態になったとしても、この
糸引き状態になった層形成用塗液が受け台から速やかに
引き離されると共に、このように引き離された糸状の層
形成用塗液が受け台上に突設された液切り用部材に巻き
付き、引き離された糸状の層形成用塗液が跳ね上がって
表面に付着するということがなかった。
【0052】この結果、この発明における電子写真感光
体の製造方法及びその製造装置を用いて電子写真感光体
を製造すると、層形成用塗液が導電性支持体の表面に糸
状になって付着するということがなく、導電性支持体の
表面に形成される感光層等の厚みにむらが生じるという
がなく、均一な特性をもつ良好な電子写真感光体が得ら
れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来において、層形成用塗液が塗布された導電
性支持体を受け台上に載置させた状態を示した断面説明
図である。
【図2】従来において、層形成用塗液が塗布された導電
性支持体を受け台から引き上げる状態を示した断面説明
図である。
【図3】従来において、層形成用塗液が塗布された導電
性支持体の表面に層形成用塗液が糸引き状なって付着し
た状態を示した正面図である。
【図4】この発明の一実施形態において、電子写真感光
体を製造する工程を示した概略説明図である。
【図5】上記の実施形態において、層形成用塗液が塗布
された導電性支持体を受け台上に載置させた状態を示し
た断面説明図である。
【図6】上記の実施形態において、層形成用塗液が塗布
された導電性支持体を回転させながら受け台から引き上
げる状態を示した概略説明図である。
【図7】上記の実施形態において、層形成用塗液が塗布
された導電性支持体を載置させる受け台の第1の変更例
を示した正面図及び平面図である。
【図8】上記の実施形態において、層形成用塗液が塗布
された導電性支持体を載置させる受け台の第2の変更例
を示した正面図及び平面図である。
【符号の説明】
10 導電性支持体 11 層形成用塗液 11a 電荷発生層用塗液 11b 電荷輸送層用塗液 12 受け台 13 液切り用部材 20 搬送装置 21 チャッキング装置 22a 第1浸漬槽 22b 第2浸漬槽 30 乾燥装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状になった導電性支持体の表面に層形
    成用塗液を塗布する工程と、液切り用部材が突設された
    受け台上に層形成用塗液が塗布された導電性支持体を液
    切り用部材が内周側に位置するように載置させる工程
    と、上記の導電性支持体と受け台との少なくとも一方を
    回転させながら導電性支持体を受け台から引き上げる工
    程とを有することを特徴とする電子写真感光体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 筒状になった導電性支持体の表面に層形
    成用塗液を塗布する塗布手段と、液切り用部材が突設さ
    れた受け台と、層形成用塗液が塗布された導電性支持体
    を液切り用部材が内周側に位置するようにして受け台上
    に載置させる載置手段と、導電性支持体と受け台の少な
    くとも一方を回転させながら導電性支持体を受け台から
    引き上げる引き上げ手段と、導電性支持体の表面に塗布
    された層形成用塗液を乾燥させる乾燥手段とを有するこ
    とを特徴とする電子写真感光体の製造装置。
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