JPH10268319A - 液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子

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JPH10268319A
JPH10268319A JP9073798A JP7379897A JPH10268319A JP H10268319 A JPH10268319 A JP H10268319A JP 9073798 A JP9073798 A JP 9073798A JP 7379897 A JP7379897 A JP 7379897A JP H10268319 A JPH10268319 A JP H10268319A
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JP9073798A
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Inventor
Hiroko Minamino
裕子 南野
Toru Takahashi
徹 高橋
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペーサ周り及びスペーサ間に液晶の異常配
向が発生せず、液晶表示画面のコントラストが高く、基
板への散布性及び付着性が良好な液晶表示素子用スペー
サ、並びに、均質で良好な画像が得られる液晶表示素子
を提供する。 【解決手段】 重合体微粒子からなる液晶表示素子用ス
ペーサであって、上記重合体微粒子は、着色されたもの
であり、上記重合体微粒子の表面を構成する重合体に、
下記一般式(1)で表される非イオン性親水ユニット及
びフッ素が存在する液晶表示素子用スペーサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子用ス
ペーサ及び液晶表示素子に関する。更に詳細には、本発
明は、初期状態及び高電圧印加後におけるスペーサ周り
及びスペーサ間の液晶の異常配向を防止し、均一な表示
を可能とする液晶表示素子用スペーサ、並びに、液晶表
示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスペーサを用いたツイステッドネ
マチック(TN)モードの液晶表示素子は、図1に示さ
れるように、1対の基板8,10と、この基板8と10
との間に封入されたネマチック液晶11と、基板8,1
0の周囲に充填されたシール部材1と、基板8,10の
表面に被覆された偏光フィルム12,13とを構成材料
とし、上記1対の基板8,10間のギャップを一定に保
持するために、基板8,10間にはスペーサ9が配置さ
れているものである。
【0003】上記基板8,10は、ガラス製透明基板
2,5の片面にITO膜等からなる透明電極3,6のパ
ターンを形成し、この透明電極3,6及び透明基板2,
5の表面にポリイミド膜等からなる配向制御膜4,7を
被覆することにより得られる。上記配向制御膜4,7に
はラビングによって配向制御処理が施される。
【0004】上記スペーサ9用材料としては、一般に、
有機、無機材料が使用される。無機材料のスペーサとし
ては、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等を含むものが
挙げられる(特開昭63−73225号公報、特開平1
−599974号公報等)。しかし、従来の無機材料の
スペーサは、硬度が高いために配向膜を傷つけたり、熱
膨張、収縮による液晶層の厚み変化が基板に追随し難い
ため、ギャップむらの原因となっていた。
【0005】有機材料のスペーサは、配向膜を傷つけな
い適度の硬度を有し、熱膨張や熱収縮による液晶層の厚
みの変化に追随し易く、更にセル内でのスペーサ移動が
少ない等の特性があり、主としてポリスチレン系やべン
ゾグアナミン系のポリマーが用いられている(特開昭6
0−200228号公報、特開平1−293316号公
報等)。
【0006】しかしながら、このようなスペーサを使用
して作製された液晶表示素子は、セルの作製直後(以下
「初期状態」という)及び高電圧印加後にスペーサ周り
で液晶の異常配向が発生する問題があった。特に、スー
パーツイステッドネマチック(STN)液晶を使用した
液晶表示素子では、その傾向が顕著となり均質な画像を
保持できない問題があった。この異常配向の原因は、液
晶分子がスペーサ周りに配向するためであり、更に、こ
の異常配向の大小は、液晶分子の配向の程度に依存する
ものと推定されている。
【0007】このような異常配向を解決するための方法
が種々検討されている。例えば、特開平6−67182
号公報には、スペーサの誘電率を変える方法が、特開平
6−118421号公報には、スペーサの表面組成を変
える方法が、それぞれ開示されている。
【0008】しかしながら、上記いずれの方法において
も、重合段階で油滴同士の合着を防ぐために、ポリビニ
ルアルコール等の強い親水基を有する水溶性高分子が分
散安定剤として添加されるが、この水溶性高分子はほと
んど除去されずに微粒子表面上に残存する。このような
水溶性高分子に覆われた微粒子を液晶表示素子用スペー
サとして使用すると、親水基と液晶とが相互に強く作用
して異常配向現象(ドメイン状及び光抜け)が発生する
等の問題があった。
【0009】更に、これまでのスペーサは、液晶表示素
子作製工程における基板上への散布時に、スペーサ同士
の凝集を起こすことがあった。特に、最近では液晶表示
素子の基板面積が大型化し、乾式法による散布方法が採
用されているために、スペーサ散布工程での凝集が問題
となっている。このような凝集を防止するために、スペ
ーサにフッ素を含有させる方法が検討されている。例え
ば、特公平4−69645号公報には、種ポリマーにフ
ッ素含有単量体を吸収させ重合する方法により得られる
液晶表示素子用スペーサが開示されている。
【0010】しかし、この液晶表示素子用スペーサは、
フッ素を含有することにより、凝集性や異常配向は低減
するが、基板への付着性が著しく低下したり、湿式によ
る散布ができない等の問題があった。このように、従来
の液晶表示素子用スペーサにおいては、異常配向防止性
能を有すると同時に散布性及び付着性に優れたものはな
かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、スペーサ周り及びスペーサ間に液晶の異常配向が発
生せず、液晶表示画面のコントラストが高く、基板への
散布性及び付着性が良好な液晶表示素子用スペーサ、並
びに、均質で良好な画像が得られる液晶表示素子を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合体微粒子
からなる液晶表示素子用スペーサであって、上記重合体
微粒子は、着色されたものであり、上記重合体微粒子の
表面を構成する重合体に、下記一般式(1)で表される
非イオン性親水ユニット及びフッ素が存在する液晶表示
素子用スペーサである。
【0013】
【化2】
【0014】式中、Rは、アルキレン基を表す。以下に
本発明を詳述する。
【0015】本発明の液晶表示素子用スペーサは、重合
体微粒子からなり、上記重合体微粒子の表面を構成する
重合体に、上記一般式(1)で表される非イオン性親水
ユニット及びフッ素が存在する。
【0016】上記重合体微粒子は、通常の懸濁重合によ
り合成することができるが、例えば、以下の2通りの方
法を用いることにより、目的の構成を有する重合体微粒
子を得ることができる。一つは、フッ素含有単量体、架
橋性単量体及びその他の単量体を、重合開始剤の存在下
で上記一般式(1)で表される非イオン性親水ユニット
を有する水溶性高分子分散剤を用いて共重合する方法で
ある。他方は、フッ素含有単量体、架橋性単量体、その
他の単量体、及び、上記一般式(1)で表される非イオ
ン性親水ユニットを有する単量体又は架橋性単量体を、
通常の界面活性剤を用いて共重合する方法である。
【0017】上記フッ素含有単量体としては特に限定さ
れず、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペ
ンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフ
ルオロアミル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオ
ロデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエ
チル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルパーフル
オロオクタスルホアミド)エチル(メタ)アクリレー
ト、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パ
ーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−
メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチ
ル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−(N−エチル
パーフルオロオクタスルホアミド)エチルアクリレー
ト、2−(N−エチルパーフルオロオクタスルホアミ
ド)エチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル誘導体;フッ化ビニリデン、トリフルオロクロロエ
チレン、3フッ化エチレン、4フッ化エチレン、トリフ
ルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等が挙げ
られる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を
併用してもよい。
【0018】上記重合体微粒子の表面を構成する重合体
中のフッ素含有量は、2〜50重量%であることが好ま
しい。2重量%未満であると、スペーサの異常配向防止
効果が充分ではないことがあり、50重量%を超える
と、付着性及び散布性が低下することがある。より好ま
しくは、4〜30重量%である。
【0019】上記一般式(1)で表される非イオン性親
水ユニットを有する水溶性高分子としては、例えば、エ
チレンオキサイドの開環重合によって得られ、RがCH
2 CH2 であるもの等が挙げられる。そのうち、低重合
度のものは、ポリエチレングリコールであり、高重合度
のものはポリエチレンオキサイドである。
【0020】上記一般式(1)で表される非イオン性親
水ユニットを有する水溶性高分子は、RがCH2 CH2
であるエチレンオキサイド構造単独のものでもよいし、
RがCH2 CH2 CH2 であるプロピレンオキサイド構
造を有するもの等との共重合体であってもよい。上記水
溶性高分子の分子量は、1万〜20万が好ましい。1万
未満であると、洗浄によって容易に洗われて、表面に残
りにくいことがある。
【0021】上記一般式(1)で表される非イオン性親
水ユニットを有する単量体又は架橋性単量体としては、
例えば、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びこ
れらのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】上記重合体微粒子の表面を構成する重合体
において、上記一般式(1)で表される非イオン性親水
ユニットの含有量は、10〜60重量%が好ましい。1
0重量%未満であると、付着性及び散布性が低下するこ
とがあり、60重量%を超えると、スペーサの異常配向
防止に効果がなくなることがある。
【0023】本発明の液晶表示素子用スペーサは、異常
配向防止効果はあるが、付着性、湿式散布性に難のある
フッ素基と、付着性、湿式散布性に効果のある弱い非イ
オン性親水ユニットとが、重合体微粒子の表面を構成す
る重合体にバランスよく存在することによって、要求さ
れる特性を満足することができる。
【0024】本発明の液晶表示素子用スペーサにおいて
は、上記重合体微粒子の表面を構成する上記二つの成分
がバランスよく存在することが必要である。上記重合体
微粒子を構成する重合体の組成は、飛行時間型二次イオ
ン質量分析装置(TOF−SIMS)により分析するこ
とができる。この装置を用いることによって、0.2μ
m角の面積部において、厚さ方向0.01μm程度の極
表面だけを分析することができる。この装置によって検
出される質量スペクトルのカウント数から、各組成の表
面を構成する重合体における割合を算出することができ
る。本発明における表面とは、このような極表面の分析
により求められるものを意味するが、その分析方法は上
述した方法に特に限定されない。
【0025】上記重合体微粒子で用いられる架橋性単量
体としては、エチレン性不飽和基を2つ以上有するもの
が好ましく、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンオキ
シドジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンオキシド
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロ
ールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフ
タレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート
及びその誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0026】上記重合体微粒子で用いられるその他の単
量体としては、上記架橋性単量体と共重合可能なエチレ
ン性不飽和基を有する単量体が好ましく、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−
クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘
導体;塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニト
リル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
エステル誘導体;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエ
ン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、
2種類以上を併用してもよい。
【0027】本発明の液晶表示素子用スペーサは、特に
スペーサの強度を向上させる観点から、上記架橋性単量
体を含有することが好ましく、上記架橋性単量体の含有
量が、全単量体量(フッ素含有単量体、架橋性単量体及
びその他の単量体を合わせた量)中、20〜96重量%
であることが好ましい。20重量%未満であると、スペ
ーサの力学強度が低下することがあり、96重量%を超
えると、異常配向及び付着性に対する充分な効果が得ら
れないことがある。
【0028】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソ
クロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾ
イル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカ
ルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
【0029】本発明において、上記重合体微粒子は、着
色されたものである。上記着色された重合体微粒子とし
ては、例えば、上記重合体微粒子が、顔料;分散染料、
酸性染料、塩基性染料等の染料;金属酸化物等により着
色されたもの等が挙げられる。なお、微粒子を形成する
材質自体が色を有している場合には着色せずにそのまま
用いてもよい。
【0030】上記着色された重合体微粒子の製造方法と
しては、例えば、上記重合体微粒子となる単量体に顔料
を分散させることにより得られる組成物を、重合開始剤
の存在下に水性媒体中で懸濁重合させる方法等が挙げら
れる。
【0031】上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、クロム緑、コバル
ト緑、酸化クロム等の無機着色顔料;ブリリアントカー
ミンBS、レーキカーミンFB、ブリリアントファース
トスカーレット、レーキレッド4R、パーマネントレッ
ドR、ファーストレッドFGR、トルイジンマロン、ビ
スアゾイエロー、ファーストイエローG、ビスアゾオレ
ンジ、バルカンオレンジ、ピラゾロンレッド等のアゾ系
有機着色顔料又は縮合アゾ系有機着色顔料;フタロシア
ニンブルー、ファーストスカイブルー、フタロシアニン
グリーン等のフタロシアニン系有機着色顔料;イエロー
レーキ、ローズレーキ、バイオレットレーキ、ブルーレ
ーキ、グリーンレーキ等の染料レーキ有機着色顔料;キ
ノフタロン系有機着色顔料等が挙げられる。これらは、
単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0032】上記顔料の配合量は、重合体微粒子となる
単量体100重量部に対して1〜180重量部が好まし
い。1重量部未満であると、濃色に着色しにくいことが
あり、180重量部を超えると、得られる液晶表示素子
用スペーサの機械的強度が低下することがある。より好
ましくは3〜160重量部である。
【0033】上記重合体微粒子となる単量体に上記顔料
を均一に分散させるには、例えば、ボールミル、ビーズ
ミル、サンドミル、アトライター、サンドグラインダ
ー、ナノマイザー等を使用することができる。
【0034】上記重合体微粒子となる単量体に上記顔料
を分散させるときに上記顔料の分散性を向上させるため
に分散剤を添加してもよい。上記分散剤としては特に限
定されず、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリメタクリル酸ナトリウム
等の水溶性高分子;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫
酸アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、
タルク、粘土、ケイソウ土、金属酸化物粉末等が挙げら
れる。上記分散剤の添加量は、全単量体100重量部に
対して0.01〜20重量部が好ましい。
【0035】本発明の液晶表示素子用スペーサは、着色
スペーサであるので、表示画面のコントラストを大幅に
向上させることができる。本発明の液晶表示素子用スペ
ーサの平均粒径は、1〜15μmが好ましい。また、粒
径分布Cv値(標準偏差/平均粒径×100)が10以
下であることが好ましい。Cv値が10を超えると、液
晶表示素子のギャップ間距離にバラツキを生じ画像低下
の原因となることがある。
【0036】本発明2は、配向膜及び透明電極を配置し
た2枚のガラス基板が、本発明1の液晶表示素子用スペ
ーサを介して対向され、上記ガラス基板間に液晶が封入
されている液晶表示素子である。本発明2の液晶表示素
子としては、例えば、図1に示されるもの等が挙げられ
る。
【0037】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0038】実施例1液晶表示素子用スペーサの作製 ペンタエリスリトールテトラアクリレート36重量部
(共栄化学社製、ライトアクリレートPE−4A)、ジ
ビニルベンゼン24重量部、アクリロニトリル20重量
部及びペンタフルオロプロピルメタクリレート20重量
部を均一に混合し、更にカーボンブラック11重量部を
添加し、ビーズミルを用いて48時間かけてカーボンブ
ラックを均一に分散させた。
【0039】この着色重合性単量体組成物に、過酸化ベ
ンゾイル4重量部を均一に混合し、これをポリエチレン
グリコール/ポリプロピレングリコールの共重合体(三
洋化成工業社製、メルポールHA−2200、分子量=
7万)の3%水溶液850重量部に投入しよく攪拌した
後、ホモジナイザーで着色重合性単量体液滴の粒径が3
〜10μmになるように微分散させ、攪拌しながら窒素
気流下80℃で15時間反応を行った。得られた微粒子
をイオン交換水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を
行い、平均粒径6.0μmのスペーサを得た。飛行時間
型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)によっ
て得られたスペーサの表面を分析した結果、フッ素が2
9重量%、メルポールが59重量%存在していた。
【0040】液晶表示素子の評価 上記方法で合成したスペーサを用いて基板サイズ50
(mm)×50(mm)、セルギャップ6.0μmのS
TN型液晶表示素子を作製した。セル評価は、以下のよ
うにして行った。まず、液晶表示素子にAC3Vの電圧
を印加して初期状態のセル表示特性を評価し、ついで、
液晶表示素子に400Hz、20〜50Vの電圧を印加
した後、更に3Vの電圧を印加して電圧印加状態でのセ
ル表示特性を評価した。その結果、基板への散布性は良
好であり、セル評価の結果は初期状態及び電圧印加後と
もにスペーサ周りに配向異常は認められなかった。
【0041】湿式散布性の評価 水/イソプロピルアルコール(容積比7:3)溶液50
mLに、スペーサ2gを均一に分散して散布溶液を調製
し、圧力3Kg/cm3 、距離700mmでガラス基板
上に散布して凝集状態を評価した結果、スペーサの凝集
は発生しなかった。
【0042】付着性の評価 ポリイミド配向膜付きガラス基板上にスペーサを散布
し、95℃×1時間熱処理後、エアブロー試験(3.0
Kg/cm2 ×5sec)を行った結果、残留率は62
%と良好であった。
【0043】実施例2 モノマー組成を、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート48重量部、ジビニルベンゼン32重量部、アクリ
ロニトリル10重量部及びペンタフルオロプロピルテト
ラアクリレート10重量部に変えたこと以外は実施例1
と同様に行い、平均粒径6.0μmのスペーサを得た。
実施例1と同様に表面を分析した結果、フッ素が16重
量%、メルポールが54重量%存在していた。このスペ
ーサについて、実施例1と同様に性能評価を行い、その
結果を表1に示した。
【0044】実施例3 分散剤として、ポリエチレングリコール/ポリプロピレ
ングリコールの共重合体において、ポリプロピレングリ
コール成分が、メルポールHA−2200より多いメル
ポールF−320(三洋化成工業社製、分子量=8万)
を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、平均粒径
6.0μmのスペーサを得た。実施例1と同様に表面を
分析した結果、フッ素が39重量%、メルポールが47
重量%が存在していた。このスペーサについて、実施例
1と同様に性能評価を行い、その結果を表1に示した。
【0045】実施例4 モノマー組成を、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート48重量部、ジビニルベンゼン32重量部、アクリ
ロニトリル10重量部及び2−(N−エチルパーフルオ
ロオクタスルホアミド)エチルアクリレート(3M社
製、FX−13)10重量部に変えたこと以外は実施例
1と同様に行い、平均粒径6.0μmのスペーサを得
た。実施例1と同様に表面を分析した結果、フッ素が1
2重量%、メルポールが58重量%存在していた。この
スペーサについて、実施例1と同様に性能評価を行い、
その結果を表1に示した。
【0046】実施例5 モノマー組成を、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート48重量部、ジビニルベンゼン32重量部、アクリ
ロニトリル10重量部及び3−パーフルオロブチル−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート(ダイキン化成品社
製、R−1433)10重量部に変えたこと以外は実施
例1と同様に行い、平均粒径6.0μmのスペーサを得
た。実施例1と同様に表面を分析した結果、フッ素が1
8重量%、メルポールが51重量%存在していた。この
スペーサについて、実施例1と同様に性能評価を行い、
その結果を表1に示した。
【0047】実施例6 モノマー組成を、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート46重量部、ジビニルベンゼン30重量部、アクリ
ロニトリル20重量部及びペンタフルオロプロピルテト
ラアクリレート4重量部に変えて、分散剤として、HA
−2200の1%水溶液850重量部を用いたこと以外
は実施例1と同様に行い、平均粒径6.0μmのスペー
サを得た。実施例1と同様に表面を分析した結果、フッ
素が5重量%、メルポールが18重量%存在していた。
このスペーサについて、実施例1と同様に性能評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0048】比較例1 モノマー組成を、ジビニルベンゼン40重量部及びペン
タエリスリトールテトラアクリレート60重量部のみに
変えたこと以外は実施例1と同様に行い、平均粒径6.
0μmのスペーサを得た。実施例1と同様に表面を分析
した結果、メルポールが55重量%存在していた。この
スペーサについて、実施例1と同様に性能評価を行い、
その結果を表1に示した。
【0049】比較例2 分散剤として、ポリビニルアルコールの3%水溶液85
0重量部を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、平
均粒径6.0μmのスペーサを得た。実施例1と同様に
表面を分析した結果、フッ素が1重量%、ポリビニルア
ルコールが95重量%存在していた。このスペーサにつ
いて、実施例1と同様に性能評価を行い、その結果を表
1に示した。
【0050】比較例3 分散剤として、ラウリル硫酸ナトリウムの3%水溶液8
50重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行
い、平均粒径6.0μmのスペーサを得た。実施例1と
同様に表面を分析した結果、フッ素が40重量%存在し
ていた。このスペーサについて、実施例1と同様に性能
評価を行い、その結果を表1に示した。
【0051】比較例4 分散剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルフ
ェニルエーテルサルフェートアンモニウム(第一工業製
薬社製、ハイテノールN08)の3%水溶液500重量
部及びメルポールHA−2200の3%水溶液350重
量部を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、平均粒
径6.0μmのスペーサを得た。実施例1と同様に表面
を分析した結果、フッ素が25重量%、メルポールが4
重量%存在していた。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用スペーサは、上
述の通りであるので、スペーサ周り及びスペーサ間の液
晶の配向異常を防止することができ、液晶表示素子作製
工程においてスペーサ同士の凝集がなく良好な散布性を
有し、基板への付着性にも優れ、更に、着色スペーサで
あるので、表示画面のコントラストを大幅に向上させる
ことができる。この液晶表示素子用スペーサを用いた液
晶表示素子は、均質で良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示素子を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 シール部材 2 透明基板 3 透明電極 4 配向制御膜 5 透明基板 6 透明電極 7 配向制御膜 8 基板 9 スペーサ 10 基板 11 ネマチック液晶 12 偏光フィルム 13 偏光フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体微粒子からなる液晶表示素子用ス
    ペーサであって、前記重合体微粒子は、着色されたもの
    であり、前記重合体微粒子の表面を構成する重合体に、
    下記一般式(1)で表される非イオン性親水ユニット及
    びフッ素が存在することを特徴とする液晶表示素子用ス
    ペーサ。 【化1】 式中、Rは、アルキレン基を表す。
  2. 【請求項2】 配向膜及び透明電極を配置した2枚のガ
    ラス基板が、請求項1記載の液晶表示素子用スペーサを
    介して対向され、前記ガラス基板間に液晶が封入されて
    いることを特徴とする液晶表示素子。
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