JPH09222608A - 液晶表示素子用スペーサ及びその製造方法並びに液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用スペーサ及びその製造方法並びに液晶表示素子

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JPH09222608A
JPH09222608A JP30922396A JP30922396A JPH09222608A JP H09222608 A JPH09222608 A JP H09222608A JP 30922396 A JP30922396 A JP 30922396A JP 30922396 A JP30922396 A JP 30922396A JP H09222608 A JPH09222608 A JP H09222608A
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JP30922396A
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Inventor
Hiroko Minamino
裕子 南野
Toru Takahashi
徹 高橋
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示素子用スペーサの周りで液晶の異常
配向現象が起こらず、均質で良好な画像が得られる液晶
表示素子を製造することができる液晶表示素子用スペー
サ及びその製造方法、並びに、それを用いた液晶表示素
子を提供する。 【解決手段】 重合体微粒子からなる液晶表示素子用ス
ペーサであって、上記重合体微粒子の表面を構成する化
学組成は、直鎖状アルキル基を20重量%以上含有する
ものである液晶表示素子用スペーサ、並びに、配向膜及
び透明電極が配置された2枚のガラス基板が、この液晶
表示素子用スペーサを介して対向され、上記ガラス基板
間に液晶が封入されている液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子用ス
ペーサ及び液晶表示素子に関する。更に詳細には、初期
状態及び高電圧印加時におけるスペーサ周り及びスペー
サ間の液晶の異常配向を防止し、均一な表示を可能とす
る液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスペーサを用いたツイステッドネ
マチック(TN)モードの液晶表示素子は、図1に示さ
れるように、1対の基板8、10と、この基板8と10
の間に封入されたネマチック液晶11と、基板8、10
の周囲に充填されたシール部材1と基板8、10の表面
に被覆された偏光シート12、13を構成材料とし、上
記1対の基板8、10間のギャップを一定に保持するた
めに、基板8、10間にはスペーサ9が配置されてい
る。
【0003】上記基板8、10は、ガラス製透明基板
2、5の片面にITO膜等からなる透明電極3、6のパ
ターンを形成し、この透明電極3、6及び透明基板2、
5の表面にポリイミド膜等からなる配向制御膜4、7を
被覆することにより得られる。上記配向制御膜4、7に
はラビングによって配向制御処理が施される。
【0004】上記スペーサ9用材料としては、一般に、
有機又は無機材料が使用される。無機材料のスペーサと
しては、酸化アルミ、二酸化ケイ素等を含むものが挙げ
られる(特開昭63−73225号公報、特開平1−5
9974号公報等)。また、有機材料のスペーサは、液
晶層の熱膨張や熱収縮による厚みの変化に追随し易く、
更に、セル内でのスペーサ移動が少ない等の特性があ
り、主としてポリスチレン系やベンゾグアナミン系ポリ
マー等が用いられている(特開昭60−200228号
公報、特開平1−293316号公報等)。
【0005】しかしながら、このようなスペーサを使用
して作製された液晶表示素子は、セル作製直後(以下
「初期状態」という)及び高電圧の印加時に液晶スペー
サ周りで液晶の異常配向が発生する等の問題があった。
特に、スーパーツイステッドネマチック(STN)液晶
を使用した液晶表示素子では、その傾向が顕著となり均
質な画像を保持できない等の問題点があった。この異常
配向の原因は、液晶分子がスペーサ周りに配向するため
であり、更に、この異常配向の大小は、液晶分子の配向
の程度に依存するものと推定されている。
【0006】このような異常配向を解決するために、ス
ペーサの誘電率(特開平8−67182号公報)やスペ
ーサ表面組成(特開平6−118421号公報)を代え
る検討が行われている。しかし、これらの方法は、作成
工程が複雑であったり、後処理工程で均一処理が必要に
なる等の問題点があった。
【0007】また、上記いずれの方法においても、重合
段階での油滴同士の合着を防ぐための界面保護剤が添加
される。この界面保護剤としては、重合分散媒である水
及び重合する単量体の両者に親和性があり、強い水素結
合能を有する水溶性高分子が使用されるが、洗浄後も取
れずに微粒子表面上に多量に残存する。このような強い
水素結合能を有する水溶性高分子に覆われた微粒子を液
晶表示素子用スペーサとして用いると、親水基と液晶と
が強く水素結合して異常配向現象(ドメイン状及び光抜
け)が発生する等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、液晶表示素子用スペーサの周りで液晶の異常配向現
象が起こらず、均質で良好な画像が得られる液晶表示素
子を製造することができる液晶表示素子用スペーサ及び
その製造方法、並びに、それを用いた液晶表示素子を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子用
スペーサは、重合体微粒子からなり、上記重合体微粒子
の表面を構成する化学組成は、直鎖状アルキル基を20
重量%以上含有するものである。直鎖状アルキル基の含
有量が20重量%未満であると、液晶の異常配向を防止
するための充分な効果が得られないので、上記範囲に限
定される。本発明における直鎖状アルキル基は、下記式
で表される官能基である。
【0010】
【化2】
【0011】上記nは、2〜20の整数であることが好
ましい。2未満であると、異常配向を防止する効果が充
分でないことがあり、20を超えると、直鎖状アルキル
基を含有する単量体の融点が高くなり、重合時の取り扱
いが難しくなることがある。より好ましくは4〜18の
整数である。本発明において、上記直鎖状アルキル基
は、液晶の異常配向を効果的に防止するために、重合体
微粒子の表面に対して垂直方向に伸びていることが好ま
しい。
【0012】上記直鎖状アルキル基の含有量は、例え
ば、飛行時間型二次イオン質量分析装置(Charle
s Evans社製、TOF−SIMS)によって微粒
子の表面を構成する化学組成を分析することにより測定
することができる。この装置を使用することによって、
0.2μm角の微小面積につき、厚さ方向0.001μ
m程度の表層部分のみを分析することができる。この装
置によって検出される質量スペクトルのカウント数か
ら、各成分の表面組成での割合を算出することができ
る。本発明における表面とは、上記厚さ方向の表層部分
の分析により求めたものをいうが、その分析方法は、上
述した方法に特に限定されない。
【0013】上記重合体微粒子の製造方法としては、例
えば、上記重合体微粒子の重合の過程で、直鎖状アルキ
ル基を含有する単量体を共重合する方法等が挙げられ
る。上記直鎖状アルキル基を含有する単量体(a)とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
スチレンのアルキル置換体等が挙げられる。
【0014】上記重合体微粒子は、例えば、上記直鎖状
アルキル基を含有する単量体(a)と、ラジカル重合性
単量体(b)と、架橋性単量体(c)とを、重合開始剤
の存在下、懸濁重合すること等により得られる。
【0015】上記ラジカル重合性単量体(b)として
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレ
ン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリ
ル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)ア
クリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸エステル誘導体;ブタジエン、イソプレン等の共役
ジエン類等が挙げられる。これらは単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。
【0016】上記架橋性単量体(c)としては、例え
ば、ジビニルベンゼン、エチレンオキシドジ(メタ)ア
クリレート、テトラエチレンオキシドジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメ
タントリアクリレート、テトラメチロールプロパンテト
ラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその
異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等
が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
【0017】上記重合体微粒子を懸濁重合により得る場
合には、得られる液晶表示素子用スペーサの強度を向上
させるために、架橋性単量体(c)の使用量を全単量体
(a+b+c)の10〜95重量%とすることが好まし
い。
【0018】上記直鎖状アルキル基を含有する単量体
(a)は、最初から上記ラジカル重合性単量体(b)及
び上記架橋性単量体(c)と共に添加して共重合させて
もよいし、懸濁重合の途中で添加して共重合させてもよ
い。
【0019】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソ
クロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾ
イル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカ
ルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルベレロニト
リル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
【0020】上記重合体微粒子のそのほかの製造方法と
しては、例えば、上記直鎖状アルキル基を含有する単量
体(a)をシード重合によりシード粒子に被覆させる方
法等が挙げられる。上記シード粒子としては特に限定さ
れず、例えば、上記ラジカル重合性単量体(b)等を、
乳化重合、ソープフリー重合、分散重合等により重合し
て得られる粒子や、懸濁重合により得られた粒子を分級
したもの等が用いられる。
【0021】上記直鎖状アルキル基を含有する単量体
(a)をシード重合によりシード粒子に被覆させるに
は、例えば、上記シード粒子を、水、アルコール、水と
アルコールとの混合液等の親水性有機液体に分散させた
後、上記直鎖状アルキル基を含有する単量体(a)を添
加してシード重合を行えばよい。この際、上記直鎖状ア
ルキル基を含有する単量体(a)に、上記ラジカル重合
性単量体(b)及び架橋性単量体(c)を混合してシー
ド重合を行ってもよい。
【0022】上記重合体微粒子を得る方法としては、そ
のほか、上記シード粒子に上記直鎖状アルキル基を含有
する単量体(a)を含浸後重合する方法;微粒子表面に
直鎖状アルキル基を有するポリマーをコーティングする
方法等が挙げられる。
【0023】本発明の液晶表示素子用スペーサの平均粒
径は1〜15μmが好ましく、粒径分布Cv値((標準
偏差/平均粒径)×100)は、10以下であることが
好ましい。Cv値が10を超えると、液晶表示素子のギ
ャップ間距離にばらつきを生じ、画像の低下を招くこと
がある。
【0024】本発明の液晶表示素子用スペーサの散布方
法としては特に限定されず、例えば、乾式散布方法、湿
式散布方法等が挙げられ、好ましくは、乾式散布方法で
ある。
【0025】本発明2は、重合体微粒子からなる液晶表
示素子用スペーサであって、上記重合体微粒子の表面を
構成する化学組成は、直鎖状アルキル基を0.5〜60
重量%含有するものであり、上記重合体微粒子の10%
K値は、250〜1000Kgf/mm2 である液晶表
示素子用スペーサである。
【0026】直鎖状アルキル基の含有量が0.5重量%
未満であると、液晶の異常配向を防止するための充分な
効果が得られず、60重量%を超えると、液晶表示素子
用スペーサとしての充分な力学強度が得られないので、
上記範囲に限定される。好ましくは、10〜40重量%
である。本発明2における直鎖状アルキル基は、本発明
1で説明したものと同様のものである。上記直鎖状アル
キル基の含有量の測定は、本発明1と同様にして行うこ
とができる。
【0027】本発明2において、上記重合体微粒子の1
0%K値は、250〜1000Kgf/mm2 である。
10%K値が250Kgf/mm2 未満であると、強度
が不足して液晶セルを作製するときにスペーサが破壊さ
れ、1000Kgf/mm2を超えると、液晶セル内に
発泡が生じるので、上記範囲に限定される。
【0028】ここで、上記K値とは、特表平6−503
180号公報に準拠して微小圧縮試験機(島津製作所社
製、PCT−200型)を用いてダイヤモンド製の直径
50μmの円柱の平滑端面で得られた重合体微粒子を圧
縮速度0.27g/秒、最大試験荷重10gで圧縮し、
下記式よりK値を求めることができる。 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 式中、F、S、Rは、重合体微粒子の10%圧縮変形に
おける荷重値(Kg)、圧縮変位(mm)、重合体微粒
子の半径(mm)をそれぞれ表す。
【0029】上記重合体微粒子は、圧縮変形後の回復率
が30〜80%であることが好ましい。ここで、上記圧
縮変形後の回復率とは、特表平6−503180に準拠
し、上記圧縮試験機を用いて0.029gf/秒の速度
で1gまで圧縮した後、逆に荷重を0.1gまで重量を
減らしていく(荷重を減らし始める点を「反転の点」と
いう。)。回復率は反転の点までの変位L1と反転の点
から原点荷重値を取る点までの変位L2の比(L2/L
1)を百分率(%)で表した値で定義することができ
る。
【0030】本発明2における重合体微粒子の製造方法
としては、本発明1で説明したものと同様のもの等が挙
げられる。本発明2の液晶表示素子用スペーサの平均粒
径は、1〜15μmが好ましく、粒径分布Cv値((標
準偏差)/(平均粒径)×100)は、10以下が好ま
しい。Cv値が10を超えると、液晶表示素子のギャッ
プ間距離にバラツキを生じ画像低下の原因となることが
ある。本発明2の液晶表示素子用スペーサの散布方法と
しては、本発明1の液晶表示素子用スペーサの散布方法
と同様の散布方法が用いられる。
【0031】本発明2の液晶表示素子用スペーサは、該
重合体微粒子の表面を構成する化学組成が、直鎖状アル
キル基を0.5〜60重量%含有するものであり、該重
合体微粒子の10%K値が250〜1000Kgf/m
2 であるので、スペーサ表面での液晶分子の配向を阻
害し、スペーサ周り及びスペーサ間の配向異常を防止す
ることができ、また、スペーサとしての充分な力学強度
を有する。更に、本発明2の液晶表示素子用スペーサ
は、スペーサ作製工程においてスペーサ同士の凝集がな
く、基板上への良好な散布性を有する。
【0032】本発明3は、重合体微粒子からなる液晶表
示素子用スペーサであって、上記重合体微粒子の表面を
構成する化学組成は、直鎖状アルキル基及び下記式
(1)で表される非イオン性ユニットを含有するもので
ある液晶表示素子用スペーサである。
【0033】
【化3】
【0034】式中、R1 は、アルキレン基を表す。本発
明3における直鎖状アルキル基は、本発明1で説明した
ものと同様のものである。
【0035】上記直鎖状アルキル基の含有量は、上記表
面を構成する化学組成中、0.5〜60重量%であるこ
とが好ましい。直鎖状アルキル基の含有量が0.5重量
%未満であると、液晶の異常配向を防止するための充分
な効果が得られないことがあり、60重量%を越える
と、液晶表示素子用スペーサとしての充分な力学強度が
得られないことがある。より好ましくは10〜40重量
%である。
【0036】上記式(1)で表される非イオン性ユニッ
トの含有量は、上記表面を構成する化学組成中、10〜
60重量%であることが好ましい。10重量%未満であ
ると、付着性、湿式散布性が低下することがあり、60
重量%を超えると、スペーサの異常配向の防止に効果が
得られないことがある。
【0037】本発明3の液晶表示素子用スペーサは、懸
濁重合、シード重合等の通常の重合方法により得ること
ができるが、例えば、以下の2通りの方法等が挙げられ
る。一つは、直鎖状アルキル基を含有する単量体、重合
性単量体及び架橋性単量体を、重合開始剤の存在下、上
記式(1)で表される非イオン性ユニットを有する水溶
性高分子分散剤を用いて共重合する方法である。他方
は、直鎖状アルキル基を含有する単量体、上記式(1)
で表される非イオン性ユニットを有する単量体、重合性
単量体及び架橋性単量体を、重合開始剤の存在下、通常
の界面活性剤を用いて共重合する方法である。
【0038】上記直鎖状アルキル基を含有する単量体と
しては、本発明1で説明したものと同様のもの等が挙げ
られる。上記式(1)で表される非イオン性ユニットを
有する水溶性高分子分散剤としては、例えば、ポリエチ
レングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体、
ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
【0039】上記式(1)で表される非イオン性ユニッ
トを有する単量体又は架橋性単量体としては、例えば、
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート及びこれらのジ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】上記重合性単量体としては、ラジカル重合
性単量体が好ましく、本発明1で説明したものと同様の
もの等が挙げられる。上記架橋性単量体及び上記重合開
始剤としては、本発明1で説明したものと同様のもの等
が挙げられる。上記架橋性重合体の含有量は、スペーサ
の強度を向上させる観点から、全単量体量中、10〜9
5重量%であることが好ましい。
【0041】上記直鎖状アルキル基の含有量の測定は、
本発明1と同様にして行うことができる。本発明3の液
晶表示素子用スペーサの平均粒径は、1〜15μmであ
ることが好ましい。
【0042】本発明3の液晶表示素子用スペーサは、該
重合体微粒子の表面を構成する化学組成が、直鎖状アル
キル基及び上記式(1)で表される非イオン性ユニット
を含有するものであることにより、スペーサ周り及びス
ペーサ間の配向異常を防止することができる。更に、本
発明3の液晶表示素子用スペーサは、スペーサ作製工程
においてスペーサ同士の凝集がなく、基板上への良好な
散布性及び付着性を有する。
【0043】本発明4は、重合体微粒子からなる液晶表
示素子用スペーサであって、上記重合体微粒子は、コア
−シェル重合体微粒子であり、上記コアは、架橋性単量
体及び非架橋性単量体を重合してなる架橋性重合体から
なり、上記シェルは、アルキルの炭素数が1〜30であ
るアルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも1種
を重合してなる重合体からなる液晶表示素子用スペーサ
である。
【0044】上記シェルは、アルキルの炭素数が1〜3
0であるアルキル(メタ)アクリレートのうち少なくと
も1種を重合してなる重合体からなる。アルキルの炭素
数が30を超えると、直鎖状アルキル基を有する単量体
の融点が高くなり、重合時の取扱が難しくなるので、上
記範囲に限定される。
【0045】上記アルキルの炭素数が1〜30であるア
ルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステア
リル(メタ)アクリレート、べヘニル(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよ
く、2種類以上が併用されてもよい。
【0046】上記架橋性単量体としては、本発明1で説
明したものと同様のもの等が挙げられる。上記非架橋性
単量体としては、上記架橋性単量体と共重合可能なラジ
カル重合性単量体が好ましく、本発明1で説明したもの
と同様のもの等が挙げられる。
【0047】上記重合体微粒子は、シェルが、アルキル
の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレー
トのうち少なくとも1種を重合してなる重合体からなる
ので、その表面を構成する化学組成が、アルキルの炭素
数が1〜30であるアルキル基を含有している。
【0048】上記アルキルの炭素数が1〜30であるア
ルキル基の含有量は、表面を構成する化学組成中、20
重量%以上であることが好ましい。含有量が20重量%
未満であると、液晶の異常配向を防止するための充分な
効果が得られないことがある。上記被覆面積の測定は、
本発明1と同様にして行うことができる。本発明4の液
晶表示素子用スペーサの平均粒径は、1〜15μmが好
ましい。
【0049】本発明5は、本発明4のコア−シェル重合
体微粒子からなる液晶表示素子用スペーサの製造方法で
あって、上記コアを、架橋性単量体及び非架橋性単量体
の懸濁重合により形成するにあたって、同時にアルキル
の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレー
トのうち少なくとも1種を添加して重合させることによ
り、上記シェルを形成させる液晶表示素子用スペーサの
製造方法である。
【0050】本発明5の製造方法としては、例えば、上
記コアを、架橋性単量体及び上記非架橋性単量体の懸濁
重合により形成するにあたって、シェルを形成する成分
を別相で乳化した状態にしておき、これをコアの重合反
応途中の分散液に添加して、その後引き続き重合を行
い、コア−シェル粒子を形成させる方法等が挙げられ
る。このとき、シェルを形成する成分は、上記アルキル
(メタ)アクリレート単量体のみでもよいし、上記架橋
性単量体及び上記非架橋性単量体を含んでもよい。上記
コアの重合で用いられる懸濁重合開始剤としては、本発
明1で説明したものと同様のもの等が挙げられる。
【0051】上記シェルを形成する成分の添加の時期
は、コアの懸濁重合の重合率が50%以上になったとき
が好ましい。50%未満であると、シェル形成成分の単
量体がコアの内部に進入し表面に有効なシェルを形成し
にくくなることがある。
【0052】上記重合率の計算は、重合中の分散液をサ
ンプリングし、多量のメタノールで洗浄し、乾燥したも
のの重量を(A)とし、サンプリング液量×単量体濃度
を(B)とした場合、 重合率(%)=A/B×100 で表すことができる。
【0053】上記シェルを形成する成分の添加量は、コ
ア成分100重量部に対して5〜200重量部が好まし
い。添加量が5重量部未満であると、コアの表面を充分
にシェルが被覆できにくくなることがあり、200重量
部を超えると、シェル粒子自体の凝集等が発生すること
がある。上記シェルには、場合により重合開始剤を添加
してもよい。上記重合開始剤は、本発明1で説明したも
のと同様の油溶性の重合開始剤でもよいし、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性の重合開始剤でも
よい。
【0054】本発明6は、配向膜及び透明電極が配置さ
れた2枚のガラス基板が、本発明1、2、3及び4の液
晶表示素子用スペーサを介して対向され、上記ガラス基
板間に液晶が封入されている液晶表示素子である。上記
液晶表示素子としては、例えば、図1に示したものが挙
げられる。
【0055】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0056】実施例1 ポリビニルピロリドンの3重量%水溶液800重量部
に、ジビニルベンゼン60重量部、メタクリル酸n−ブ
チル40重量部及び過酸化ベンゾイル2重量部の混合液
を加えて微分散させ、攪拌しながら窒素気流下80℃で
15時間重合を行い、重合体微粒子(平均粒径=6.0
μm,Cv値=5)を得た。
【0057】上記重合体微粒子を、飛行時間型二次イオ
ン質量分析装置(CharlesEvans社製、TO
F−SIMS)を用いて、MSスペクトルにより表面の
組成分析を行った結果、ブチル基が35重量%含有され
ていた。
【0058】上記重合体微粒子をスペーサとして用い
て、基板サイズ50(mm)×50(mm)、セルギャ
ップ6.0μmのSTN型液晶表示素子を作製した後、
以下のようにしてセル評価を行った。まず、液晶表示素
子にAC3Vの電圧を印加して初期状態のセル表示特性
を評価し、ついで、液晶表示素子に400Hz、20〜
50Vの電圧を印加した後、更に3Vの電圧を印加して
電圧印加状態でのセル表示特性を評価した。その結果、
セル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサ周りに異常
配向は認められなかった。
【0059】実施例2 メタクリル酸n−ブチルに代えてメタクリル酸オクチル
を使用したこと以外は実施例1と同様に重合して、重合
体微粒子を得た。上記重合体微粒子について、実施例1
と同様にして表面の組成分析を行った結果、オクチル基
が33重量%含有されていた。上記重合体微粒子をスペ
ーサとする液晶表示素子を実施例1と同様にして作製し
た後、実施例1と同様にしてセル表示特性を評価したと
ころ、セル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサ周り
に異常配向は認められなかった。
【0060】実施例3 メタクリル酸n−ブチルに代えてメタクリル酸ステアリ
ルを使用したこと以外は実施例1と同様に重合して、重
合体微粒子を得た。上記重合体微粒子について、実施例
1と同様にして表面の組成分析を行った結果、ステアリ
ル基が33重量%含有されていた。上記重合体微粒子を
スペーサとする液晶表示素子を実施例1と同様にして作
製した後、実施例1と同様にしてセル表示特性を評価し
たところ、セル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサ
周りに異常配向は認められなかった。
【0061】実施例4 ポリビニルピロリドンの3重量%水溶液800重量部
に、ジビニルベンゼン100重量部及び過酸化ベンゾイ
ル4重量部の混合液を加えて微分散させ、攪拌しながら
窒素気流下80℃で2時間重合を行った。この重合系
に、メタクリル酸ブチル30重量部、ジビニルベンゼン
10重量部、ラウリル硫酸ナトリウム2重量部及びイオ
ン交換水150重量部からなる混合液を、ホモジナイザ
ー処理して乳化させた後添加した。この両方の混合液か
らなる重合液を攪拌しながら窒素気流下80℃で12時
間重合を行った。重合により得られた粒子を、イオン交
換水及びメタノールにて洗浄後分級操作を行い、重合体
微粒子(平均粒径=6.0μm、Cv値=5)を得た。
【0062】上記重合体微粒子について、実施例1と同
様にして表面の組成分析を行った結果、ブチル基が70
重量%含有されていた。上記重合体微粒子をスペーサと
する液晶表示素子を実施例1と同様にして作製した後、
実施例1と同様にしてセル表示特性を評価したところ、
セル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサ周りに異常
配向は認められなかった。
【0063】実施例5 ポリビニルピロリドン1.2重量部、アニオン系界面活
性剤(和光純薬社製、エアロゾルOT)0.57重量部
及びアゾビスイソブチロニトリル1.43重量部を、エ
タノール83.8重量部に溶解させた溶液を攪拌しなが
ら窒素気流下でスチレン10重量部を加えた後70℃に
昇温して24時間重合反応を行い、シード粒子(平均粒
径=2.2μm,Cv値=3)を得た。
【0064】上記シード粒子2重量部に、イオン交換水
200重量部及びラウリル硫酸ナトリウム0.13重量
部を加えて均一に分散させ、シード粒子の分散液を得
た。別途、ジビニルベンゼン22重量部、メタクリル酸
ラウリル7重量部及び過酸化ベンゾイル1.5重量部を
混合してホモジナイザーで微分散させ、微分散乳化液を
得た。
【0065】上記微分散乳化液を、シード粒子の分散液
に加え、25℃、200rpmの回転数で3時間攪拌し
てシード粒子に吸収させた後、更にポリビニルピロリド
ンの5重量%水溶液100重量部を加え、200rpm
の回転数で攪拌しながら窒素気流下70℃で12時間重
合を行った。重合により得られた粒子を、イオン交換水
及びメタノールにて洗浄後乾燥して、重合体微粒子(平
均粒径=6.1um、Cv値=3)を得た。
【0066】上記重合体微粒子について、実施例1と同
様にして表面の組成分析を行った結果、ラウリル基が2
5重量%含有されていた。上記重合体微粒子をスペーサ
とする液晶表示素子を実施例1と同様にして作製した
後、実施例1と同様にしてセル表示特性を評価したとこ
ろ、セル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサ周りに
異常配向は認められなかった。
【0067】比較例1 ポリビニルピロリドンに代えてポリビニルアルコールを
使用し、ジビニルベンゼンの使用量を100重量部と
し、メタクリル酸n−ブチルを使用しなかったこと以外
は実施例1と同様に重合して、重合体微粒子(平均粒径
=6.0μm、Cv値=5)を得た。上記重合体微粒子
について、実施例1と同様にして表面の組成分析を行っ
た結果、ポリビニルアルコールが95重量%含有されて
おり、ジビニルベンゼンが5重量%含有されていた。上
記重合体微粒子をスペーサとする液晶表示素子を実施例
1と同様にして作製した後、実施例1と同様にしてセル
表示特性を評価したところ、セル作製直後ではすべての
スペーサ周辺に暗いドメイン状の異常配向が認められ、
電荷印加後にはすべてが光抜けへと変わる現象が認めら
れた。
【0068】比較例2 メタクリル酸n−ブチルに代えてメタクリル酸メチルを
用いたこと以外は実施例1と同様に重合して、重合体微
粒子(平均粒径=6.0μm、Cv値=5)を得た。上
記重合体微粒子について、実施例1と同様にして表面の
組成分析を行った結果、メチル基が35重量%含有され
ていた。上記重合体微粒子をスペーサとする液晶表示素
子を実施例1と同様にして作製した後、実施例1と同様
にしてセル表示特性を評価したところ、セル作製直後で
は一部のスペーサ周辺に暗いドメイン状の異常配向が認
められ、電荷印加後にはドメイン部分が光抜けへと変わ
る現象が認められた。
【0069】比較例3 ジビニルベンゼンを95重量部、メタクリル酸n−ブチ
ルを5重量部使用したこと以外は実施例1と同様に重合
して、重合体微粒子(平均粒径=6.0μm、Cv値=
5)を得た。上記重合体微粒子について、実施例1と同
様にして表面の組成分析を行った結果、ブチル基が4重
量%含有されていた。上記重合体微粒子をスペーサとす
る液晶表示素子を実施例1と同様にして作製した後、実
施例1と同様にしてセル表示特性を評価したところ、セ
ル作製直後では一部のスペーサ周辺に暗いドメイン状の
異常配向が認められ、電荷印加後にはドメイン部分が光
抜けへと変わる現象が認められた。
【0070】実施例6 シード粒子の製造 ポリビニルピロリドン(重量平均分子量3万)1.2重
量部、エアロゾルOT(和光純薬社製、アニオン界面活
性剤)0.57重量部及びアゾビスイソブチロニトリル
1.43重量部をエタノール83.8重量部に溶解させ
た溶液を攪拌しながら窒素気流下でスチレン20.0重
量部を投入し70℃に昇温し24時間重合反応を行い、
粒子を得た。この粒子は重量平均分子量(Mw)900
0、平均粒径3.2μmであった(シード粒子A)。
【0071】スペーサの合成 上記シード粒子A5.0重量部にイオン交換水200重
量部及び界面活性剤としてハイテノールN08(第一工
業製薬社製)2.0重量部を加え均一に分散させた。ジ
ビニルベンゼン26.0重量部、n−ブチルアクリレー
ト6.0重量部及び過酸化べンゾイル3.0重量部を混
合してホモジナイザーで分散させ0.2μmに微分散乳
化した。得られた乳化液をシード粒子の分散液に加え、
25℃、200rpmで3時間攪拌しシード粒子に吸収
させ、窒素気流下、70℃で12時間重合を行った。得
られた分散液を遠心分離にかけてポリマー粒子を取り出
し、80℃以上に熱したイオン交換水及びメタノールで
分散剤を完全に洗浄して、平均粒径6μmの微粒子(液
晶表示素子用スペーサ)を得た。この液晶表示素子用ス
ペーサについて、10%K値を上記式より求め、表面官
能基含有量を実施例1と同様にして分析し、これらの結
果を表1に示した。
【0072】得られた液晶表示素子用スペーサを用いて
実施例1と同様に液晶表示素子を作製し、その評価を行
ったところ、基板への散布性は良好であり、セル評価の
結果、セル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサまわ
りに配向異常は認められなかった。
【0073】実施例7 セパラブルフラスコにて、ジビニルベンゼン30.0重
量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート35.
0重量部、アクリロニトリル25.0重量部、n−ブチ
ルアクリレート10.0重量部及びベンゾイルパーオキ
サイド10重量部を、ハイテノールN08(第一工業製
薬社製)の1重量%溶液2000重量部に添加し、これ
を攪拌し80℃に昇温した後12時間重合した。得られ
た分散液を遠心分離にかけてポリマー粒子を取り出し、
80℃以上に熱したイオン交換水及びメタノールで分散
剤を完全に洗浄した後、分級により平均粒径3μmの粒
子(液晶表示素子用スペーサ)を得た。この液晶表示素
子用スペーサについて、10%K値を上記式より求め、
表面官能基含有量を実施例1と同様にして分析し、これ
らの結果を表1に示した。この液晶表示素子用スペーサ
を用いて実施例1と同様にしてセル評価を行い、その結
果を表1に示した。
【0074】実施例8 モノマー組成を、ジビニルベンゼン35.0重量部、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート45.0重量部
及びラウリルアクリレート20.0重量部に変えたこと
以外は実施例7と同様に行い、液晶表示素子用スペーサ
を得た。この液晶表示素子用スペーサについて、10%
K値を上記式より求め、表面官能基含有量を実施例1と
同様にして分析し、これらの結果を表1に示した。この
液晶表示素子用スペーサを用いて実施例1と同様にして
セル評価を行い、その結果を表1に示した。
【0075】実施例9 モノマー組成を、ジビニルベンゼン35.0重量部、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート45.0重量部
及びステアリルメタクリレート20.0重量部に変えた
こと以外は実施例7と同様に行い、液晶表示素子用スペ
ーサを得た。この液晶表示素子用スペーサについて、1
0%K値を上記式より求め、表面官能基含有量を実施例
1と同様にして分析し、これらの結果を表1に示した。
この液晶表示素子用スペーサを用いて実施例1と同様に
してセル評価を行い、その結果を表1に示した。
【0076】実施例10 モノマー組成を、ジビニルベンゼン10.0重量部、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート50.0重量部
及びラウリルアクリレート40.0重量部に変えたこと
以外は実施例7と同様に行い、液晶表示素子用スペーサ
を得た。この液晶表示素子用スペーサについて、10%
K値を上記式より求め、表面官能基含有量を実施例1と
同様にして分析し、これらの結果を表1に示した。この
液晶表示素子用スペーサを用いて実施例1と同様にして
セル評価を行い、その結果を表1に示した。
【0077】比較例4 モノマー組成を、ジビニルベンゼン80.0重量部及び
スチレン20.0重量部に変えたこと以外は実施例7と
同様に行い、液晶表示素子用スペーサを得た。この液晶
表示素子用スペーサについて、10%K値を上記式より
求め、表面官能基含有量を実施例1と同様にして分析
し、これらの結果を表1に示した。この液晶表示素子用
スペーサを用いて実施例1と同様にしてセル評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0078】比較例5 モノマー組成を、ジビニルベンゼン700.0重量部及
びn−ブチルメタクリレート30.0重量部に変えて、
ハイテノールN08の代わりにポリビニルアルコールを
使用したこと以外は実施例7と同様に行い、液晶表示素
子用スペーサを得た。この液晶表示素子用スペーサにつ
いて、10%K値を上記式より求め、表面官能基含有量
を実施例1と同様にして分析し、これらの結果を表1に
示した。この液晶表示素子用スペーサを用いて実施例1
と同様にしてセル評価を行い、その結果を表1に示し
た。
【0079】比較例6 モノマー組成を、ジビニルベンゼン10.0重量部、ラ
ウリルアクリレート90.0重量部に変えたこと以外は
実施例7と同様に行い、液晶表示素子用スペーサを得
た。この液晶表示素子用スペーサについて、10%K値
を上記式より求め、表面官能基含有量を実施例1と同様
にして分析し、これらの結果を表1に示した。この液晶
表示素子用スペーサを用いて実施例1と同様にしてセル
評価を行い、その結果を表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】実施例11 ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共
重合体(メルポールHA−2200、三洋化成工業社
製)の3重量%溶液800重量部に、ジビニルベンゼン
30重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
40重量部、n−ブチルメタクリレート30重量部及び
過酸化ベンゾイル4重量部の混合液を加えて微分散さ
せ、攪拌しながら窒素気流下80℃で15時間反応を行
った。得られた粒子をイオン交換水及びメタノールで分
散剤を完全に洗浄した後、分級して平均粒径6μmの粒
子(液晶表示素子用スペーサ)を得た。この液晶表示素
子用スペーサについて、実施例1と同様にして表面の組
成分析を行った結果、アルキル基が25重量%含有され
ており、メルポールが35重量%含有されていた。この
スペーサを用いて以下の評価を行い、その結果を表2に
示した。
【0082】(1)液晶表示素子の評価 上記で合成したスペーサを用いて、実施例1と同様にし
て液晶表示素子を作製し、セル表示特性の評価を行っ
た。 (2)湿式敢布性の評価 散布液を、水/イソプロピルアルコール(容積比7:
3)溶液50mlに、上記で合成したスペーサ2gを均
一分散させ、これをガラス基板上に散布して凝集状態を
評価した。 (3)付着性の評価 ポリイミド配向膜付きガラス基板上にスペーサを散布
し、95℃×1時間熱処理後エアブロー試験(2Kg/
cm2 ×5sec)を行った。
【0083】実施例12 モノマー組成を、ジビニルベンゼン35重量部、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート45重量部及びラウ
リルメタクリレート20重量部に変えたこと以外は実施
例11と同様に行い、粒子(液晶表示素子用スペーサ)
を得た。この液晶表示素子用スペーサについて、実施例
1と同様にして表面の組成分析を行った結果、アルキル
基が18重量%含有されており、メルポールが48重量
%含有されていた。このスペーサを用いて実施例11と
同様にして評価を行い、その結果を表2に示した。
【0084】実施例13 分散剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルサルフェートアンモニウム(ハイテノールN08、
第一工業製薬社製)の3%溶液800部を用い、モノマ
ー組成を、ジビニルベンゼン35重量部、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート45重量部、n−ブチルメ
タクリレート10重量部及びエチレングリコールジメタ
クリレート10重量部に変えたこと以外は実施例11と
同様に行い、粒子(液晶表示素子用スペーサ)を得た。
この液晶表示素子用スペーサについて、実施例1と同様
にして表面の組成分析を行った結果、アルキル基が17
重量%含有されており、メルポールが22重量%含有さ
れていた。このスペーサを用いて実施例11と同様にし
て評価を行い、その結果を表2に示した。
【0085】実施例14 分散剤としてポリエチレングリコール/ポリプロピレン
グリコール共重合体(F−320、三洋化成工業社製)
を用いたこと以外は実施例11と同様に行い、液晶表示
素子用スペーサを得た。この液晶表示素子用スペーサに
ついて、実施例1と同様にして表面の組成分析を行った
結果、アルキル基が23重量%含有されており、メルポ
ールが52重量%含有されていた。このスペーサを用い
て実施例11と同様にして評価を行い、その結果を表2
に示した。
【0086】比較例7 分散剤としてポリビニルアルコール3重量%の水溶液8
00重量部を用いたこと以外は実施例11と同様に行
い、液晶表示素子用スペーサを得た。この液晶表示素子
用スペーサについて、実施例1と同様にして表面の組成
分析を行った結果、ポリビニルアルコールが95重量%
含有されていた。このスペーサを用いて実施例11と同
様にして評価を行い、その結果を表2に示した。
【0087】比較例8 分散剤としてラウリル硫酸ナトリウム3重量%の水溶液
800重量部を用いたこと以外は実施例11と同様に行
い、液晶表示素子用スペーサを得た。この液晶表示素子
用スペーサについて、実施例1と同様にして表面の組成
分析を行った結果、アルキル基が40重量%含有されて
いた。このスペーサを用いて実施例11と同様にして評
価を行い、その結果を表2に示した。
【0088】
【表2】
【0089】実施例15 ポリオキシエチレンアルキルフェニルフェニルエーテル
サルフェートアンモニウム(第一工業製薬社製、ハイテ
ノールN08)の3%水溶液800重量部に、ジビニル
ベンゼン40重量部、ペンタエリストールテトラアクリ
レート(共栄化学社製、ライトアクリレートPE−4
A)60重量部及び過酸化ベンゾイル4重量部の混合液
を加えて微分散させ、攪拌しながら窒素気流下80℃で
重合を開始した。
【0090】別途、n−ラウリルメタアクリレート25
重量部及びジビニルベンゼン10重量部をハイテノール
N08の3%水溶液70重量部に添加してシェル形成成
分の乳化液を調製し、上記反応系に、この乳化液を30
分かけて添加し、15時間反応を行ってコア−シェル粒
子を合成した。シェル形成成分を添加したときのコアの
重合率は65%であった。得られた微粒子をイオン交換
水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を行い、平均粒
径6.1μmの液晶表示素子用スペーサを得た。
【0091】得られた液晶表示素子用スペーサについて
実施例1と同様にして表面の組成分析を行った結果、n
−ラウリル基が35重量%含有されていた。上記で合成
した液晶表示素子用スペーサを用いて、実施例1と同様
にして液晶表示素子を作製し、セル表示特性の評価を行
ったところ、セル作製直後及び電荷印加後ともにスペー
サ周りに異常配向は認められなかった。
【0092】実施例16 n−ブチルメタアクリレート15重量部、メチルメタア
クリレート10重量部及びジビニルベンゼン10重量部
をポリオキシエチレンオレイン酸エステル(第一工業製
薬社製、ノイゲンES169)の3%水溶液70重量部
に添加してシェル形成成分の乳化液を調製したこと以外
は実施例15と同様にコア−シェル粒子の懸濁重合を行
い、平均粒径6.1μmの液晶表示素子用スペーサを得
た。この液晶表示素子用スペーサについて実施例1と同
様にして表面の組成分析を行った結果、n−ブチル基が
45重量%含有されていた。上記で合成した液晶表示素
子用スペーサを用いて、実施例1と同様にして液晶表示
素子を作製し、セル表示特性の評価を行ったところ、セ
ル作製直後及び電荷印加後ともにスペーサ周りに異常配
向は認められなかった。
【0093】比較例9 ポリオキシエチレンアルキルフェニルフェニルエーテル
サルフェートアンモニウム(第一工業製薬社製、ハイテ
ノールN08)の3%水溶液800重量部に、ジビニル
ベンゼン40重量部及びペンタエリストールテトラアク
リレート(共栄化学社製、ライトアクリレートPE−4
A)60重量部及び過酸化ベンゾイル4重量部の混合液
を加えて微分散させ、攪拌しながら窒素気流下80℃1
5時間懸濁重合を行い、微粒子を得た。得られた微粒子
をイオン交換水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を
行い、平均粒径6.1μmの液晶表示素子用スペーサを
得た。この液晶表示素子用スペーサについて実施例1と
同様にして表面の組成分析を行った結果、上記モノマー
由来成分のみが含有されていた。上記で合成した液晶表
示素子用スペーサを用いて、実施例1と同様にして液晶
表示素子を作製し、セル表示特性の評価を行ったとこ
ろ、セル作製直後ではすべてのスペーサ周辺に暗いドメ
イン状の異常配向が認められ、電荷印加後にはすべてが
光抜けへと変わる現象が認められた。
【0094】比較例10 ポリビニルアルコールの3%水溶液800重量部を分散
剤として用い、モノマー組成を、n−ラウリルメタアク
リレート35重量部、ジビニルベンゼン30重量部及び
ペンタエリストールテトラアクリレート35重量部に変
えたこと以外は比較例9と同様にして懸濁重合を行い、
平均粒径6.0μmの液晶表示素子用スペーサを得た。
この液晶表示素子用スペーサについて実施例1と同様に
して表面の組成分析を行った結果、アルキル基は1重量
%以下で、ほとんど存在しておらず、ポリビニルアルコ
ールが95重量%含有されていた。上記で合成した液晶
表示素子用スペーサを用いて、実施例1と同様にして液
晶表示素子を作製し、セル表示特性の評価を行ったとこ
ろ、セル作製直後では、一部のスペーサ周辺に暗いドメ
イン状の異常配向が認められ、電荷印加後にはドメイン
部分が光抜けへと変わる現象が認められた。
【0095】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用スペーサは、上
述の構成であるので、液晶表示素子用スペーサの周りで
液晶の異常配向現象が起こらず、均質で良好な画像が得
られる液晶表示素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シール部材 2 透明基板 3 透明電極 4 配向制御膜 5 透明基板 6 透明電極 7 配向制御膜 8 基板 9 スペーサ 10 基板 11 ネマティック液晶 12 偏光シート 13 偏光シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体微粒子からなる液晶表示素子用ス
    ペーサであって、前記重合体微粒子の表面を構成する化
    学組成は、直鎖状アルキル基を20重量%以上含有する
    ものであることを特徴とする液晶表示素子用スペーサ。
  2. 【請求項2】 重合体微粒子からなる液晶表示素子用ス
    ペーサであって、前記重合体微粒子の表面を構成する化
    学組成は、直鎖状アルキル基を0.5〜60重量%含有
    するものであり、前記重合体微粒子の10%K値は、2
    50〜1000Kgf/mm2 であることを特徴とする
    液晶表示素子用スペーサ。
  3. 【請求項3】 重合体微粒子からなる液晶表示素子用ス
    ペーサであって、前記重合体微粒子の表面を構成する化
    学組成は、直鎖状アルキル基及び下記式(1)で表され
    る非イオン性ユニットを含有するものであることを特徴
    とする液晶表示素子用スペーサ。 【化1】 式中、R1 は、アルキレン基を表す。
  4. 【請求項4】 重合体微粒子からなる液晶表示用スペー
    サであって、前記重合体微粒子は、コア−シェル重合体
    微粒子であり、前記コアは、架橋性単量体及び非架橋性
    単量体を重合してなる架橋性重合体からなり、前記シェ
    ルは、アルキルの炭素数が1〜30であるアルキル(メ
    タ)アクリレートのうち少なくとも1種を重合してなる
    重合体からなることを特徴とする液晶表示素子用スペー
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のコア−シェル重合体微粒
    子からなる液晶表示素子用スペーサの製造方法であっ
    て、前記コアを、架橋性単量体及び非架橋性単量体の懸
    濁重合により形成するにあたって、同時にアルキルの炭
    素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレートの
    うち少なくとも1種を添加して重合させることにより、
    前記シェルを形成させることを特徴とする液晶表示素子
    用スペーサの製造方法。
  6. 【請求項6】 配向膜及び透明電極が配置された2枚の
    ガラス基板が、請求項1、2、3及び4記載の液晶表示
    素子用スペーサを介して対向され、前記ガラス基板間に
    液晶が封入されていることを特徴とする液晶表示素子。
JP30922396A 1995-12-13 1996-11-20 液晶表示素子用スペーサ及びその製造方法並びに液晶表示素子 Pending JPH09222608A (ja)

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