JP4593185B2 - 機能性微粒子によって表面被覆された表面被覆樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

機能性微粒子によって表面被覆された表面被覆樹脂微粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、数μm以下、好ましくはナノメートルオーダーの基材樹脂微粒子の表面を、該
基材樹脂微粒子よりも小さな粒子径の機能性微粒子で均一に被覆した表面被覆樹脂微粒子
の製造方法、及び、表面被覆樹脂微粒子に関する。
樹脂微粒子に種々の機能を付与した機能性樹脂微粒子の用途が拡大している。例えば、電
子機器の分野においては、超小型のICチップや基板等の導電接続に樹脂微粒子の表面に
金属層を形成して導電性を付与した導電性樹脂微粒子が用いられている。このような導電
性樹脂微粒子を用いれば、樹脂微粒子の優れた弾性と金属層の導電性とから極めて安定し
た導電接続を行うことができる。また、電子機器の分野においては、液晶表示素子用スペ
ーサとしての機能性樹脂微粒子の用途も拡大している。また、樹脂微粒子の表面を染料等
により着色した着色樹脂微粒子は、カラー用トナー等に用いられている。更に、樹脂微粒
子の表面に抗体や蛍光物質、放射性物質等を結合した微粒子は、診断薬等の検査用材料と
して有用である。
近年では、特に小型化、軽量化が急速に進んでいる電子機器の用途において数μm以下、
好ましくはナノメートルオーダーの粒子径の機能性樹脂微粒子が求められるようになって
きている。
このような機能性樹脂微粒子としては、例えば、懸濁重合等により樹脂微粒子を製造する
際に、モノマー混合物に機能を付与する成分を混ぜてから重合したもの等が考えられる。
しかし、このようにして得られた樹脂微粒子では、機能を付与する成分が必ずしも樹脂微
粒子の表面に偏在しておらず、充分に機能を発揮できなかったり、機能を制御することが
できなかったりするという問題があった。
そこで、基材となる樹脂微粒子の表面に、該樹脂微粒子よりも粒子径が小さい、目的とす
る機能を担う機能性微粒子を化学的又は物理的に結合させた表面被覆樹脂微粒子が注目さ
れている。このような表面被覆樹脂微粒子では、基材樹脂微粒子の優れた物性を維持した
まま、機能性微粒子が担う機能を確実に発揮させることができると考えられる。
基材樹脂微粒子の表面に化学的に機能性微粒子を結合させる方法としては、例えば、特許
文献1に、スチレンとエチレン性不飽和スルホン酸とを共重合させてなるラテックスを塩
基性染料で着色する方法が開示されている。しかし、化学的に結合させるためには、基材
樹脂微粒子や機能性微粒子の表面に官能基を結合する等の煩雑な操作が必要であることに
加え、機能性微粒子によっては化学結合させることにより変質してしまったり失活してし
まったりする等により所期の機能を付与することができなくなってしまうという問題があ
った。
一方、物理的に基材樹脂微粒子の表面に機能性微粒子を結合させる方法としては、ハイブ
リダイザーを用いて高速気流下で基材樹脂微粒子と機能性微粒子とを混合し、微粒子同士
を高速で衝突させることにより複合化する方法が挙げられる。しかし、微粒子は一般に粒
子径が小さくなるほど比表面積が大きくなり、凝集する傾向があるため、数μm以下、ナ
ノメートルオーダーの微粒子は、通常は複数の微粒子同士が凝集した塊状で存在している
。基材樹脂微粒子や機能性微粒子がこのような凝集体である場合には、ハイブリダイザー
を用いて複合化しようとしてもその制御は実際上不可能であり、基材樹脂微粒子が機能性
微粒子で均一に被覆された表面被覆樹脂微粒子を得ることはできなかった。また、ハイブ
リダイザーを用いた複合化では微粒子同士を激しく衝突させることから、基材樹脂微粒子
や機能性微粒子の形状が変形してしまい、真球度の高い表面被覆樹脂微粒子が得られない
という問題があった。更に、凝集体の状態で基材樹脂微粒子に結合した機能性微粒子は、
基材樹脂微粒子との結合力が弱く、混合等の通常の操作の際にかかる応力により容易に剥
離してしまうことがあるという問題もあった。
特開2001−66312号公報
本発明は、上記現状に鑑み、数μm以下、好ましくはナノメートルオーダーの基材樹脂微
粒子の表面を、該基材樹脂微粒子よりも小さな粒子径の機能性微粒子で均一に被覆した表
面被覆樹脂微粒子の製造方法、及び、表面被覆樹脂微粒子を提供することを目的とする。
本発明は、平均粒子径が100nm〜10μmである架橋樹脂からなる基材樹脂微粒子と、平均粒子径が10〜50nmである機能性微粒子との混合物を、5〜100MPaの圧力に加圧された二酸化炭素、窒素、有機溶媒及び水からなる群より選択される少なくとも1種の加圧流体中で加圧する機能性微粒子によって表面被覆された表面被覆樹脂微粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、驚くべきことに、原料として凝集体状の基材樹脂微粒子
や機能性微粒子を用いた場合であっても、基材樹脂微粒子と機能性微粒子との混合物を特
定の圧力に加圧された加圧流体中で加圧するだけで、機能性微粒子が基材樹脂微粒子を均
一に被覆した表面被覆樹脂微粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
しかも、本発明の表面被覆樹脂微粒子の製造方法で得られた表面被覆樹脂微粒子では、加
圧流体が機能性微粒子を溶媒和することで、通常では凝集している粒子を極端に小さな粒
子径を持つ一次粒子に解砕し、機能性微粒子を基材樹脂微粒子の表面で分子間力が支配的
な距離まで接近させることで、機能性微粒子を基材樹脂微粒子に極めて強固に結合させる
ことが可能である。このため、混合等の通常の操作の際にかかる外力や分散媒に分散させ
る際にかかる応力によっても基材樹脂微粒子から機能性微粒子が剥離することがない。
なお、本明細書において均一に被覆とは、表面被覆樹脂微粒子の断面を電子顕微鏡等を用
いて観察したときに、基材樹脂微粒子の表面を被覆している機能性微粒子同士が必ず接し
ており、基材樹脂微粒子の表面上に機能性微粒子に被覆されていない部分がほとんどない
ことを意味する。なお、本発明の表面被覆樹脂微粒子の製造方法により得られた表分被覆
樹脂微粒子は、機能性微粒子の層厚が一定であるので真球度が高い。
凝集体状の機能性微粒子や基材樹脂微粒子も、特定の条件の加圧流体で処理することで一
次粒子に解砕することができる。解砕された各一次粒子は、極めて運動エネルギーの高い
状態にあることから活発に動き回り、互いに衝突を繰り返す。このとき基材樹脂微粒子上
に機能性微粒子が付着すると、粒子間距離が極端に短いことから、粒子間には極めて強い
ファンデルワールス力が働き、容易には解離しなくなる。このような基材樹脂微粒子と機
能性微粒子との結合が繰り返される結果、基材樹脂微粒子の表面に均一に機能性微粒子が
被覆されるものと考えられる。
上記基材樹脂微粒子を構成する樹脂の組成としては特に限定されないが、架橋成分を含有
することが好ましい。架橋成分を含有することにより、加圧流体で処理しているプロセス
において基材樹脂微粒子の凝集・合一を防ぐことができる。また、特に粒子径の小さな基
材樹脂微粒子を用いた場合においては、未架橋では基材樹脂微粒子そのものが加圧流体に
溶解する可能性があるが、架橋することによりこのような溶解を防ぐことができ、基材樹
脂微粒子の形状、粒子径等を著しく変化させることなく、基材樹脂微粒子と機能性微粒子
とを複合化することができる。
上記架橋樹脂としては特に限定されないが、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェ
ニル、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリ
ルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等の架橋性単
量体等の重合体に架橋を施したもの等が挙げられる。これらの架橋性単量体は単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記基材樹脂微粒子は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)
アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル誘導体等を重合したものを含有してもよい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
上記基材樹脂微粒子は、平均粒子径の下限が100nm、上限が10μmである。100
nm未満であると、複合化する機能性微粒子の粒子径が極端に小さくなり、実質上表面被
覆樹脂微粒子を製造することができない。また、本発明の表面被覆樹脂微粒子の製造方法
は、基材樹脂微粒子の平均粒子径が10μmを超える場合でも用いることができる。しか
し、得られる表面被覆樹脂微粒子は、機能性微粒子を基材樹脂微粒子の表面に被覆するこ
とにより機能を発揮することから、単位体積に対する表面積が大きい方が機能性を高効率
で発揮できる。従って、用途的に実用性が高い範囲内では基材樹脂微粒子の平均粒子径が
10μm以下であるときに特に価値が高い。
なお、本明細書において平均粒子径とは、一次粒子の粒子径の平均を意味する。
上記樹脂微粒子を作製する方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合、シード重合
、乳化重合、分散重合等の一般的な重合方法により作製することができる。
上記機能性微粒子としては、上記基材樹脂微粒子と複合化することにより目的とする機能
を付与できるものであれば特に限定されないが、着色性微粒子、磁性微粒子、導電性微粒
子、発光性微粒子からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。この
ような機能を有する機能性微粒子を用いて得られる表面被覆樹脂微粒子は、導電性微粒子
や液晶表示素子用スペーサ等の電子機器用途、カラー用トナー、診断薬等の診断用微粒子
等の用途に好適に用いることができる。
これらの機能性微粒子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併
用することにより、異なった2種以上の機能を有する表面被覆樹脂微粒子を製造すること
ができる。
上記機能性微粒子は、平均粒子径の下限が10nm、上限が50nmである。10nm未
満であると、実質的に粒子径の制御が不可能である。50nmを超えると、機能性微粒子
と基材樹脂微粒子とが分子間力が支配的な領域まで近づくことができず、強固な構造を発
現することができない。
本発明の表面被覆粒子の製造方法では、上記基材樹脂微粒子と機能性微粒子との混合物を
加圧流体中で加圧する。
上記加圧流体としては、二酸化炭素、窒素、有機溶媒及び水からなる群より選択される少
なくとも1種を用いる。これらの加圧流体は、上記基材樹脂微粒子と機能性微粒子との混
合物の分散媒やモディファイヤーとしての役割を有する。上記加圧流体中で加圧すること
により基材樹脂微粒子と機能性微粒子とが均一に混ざり合い、高い効率で機能性微粒子を
基材樹脂微粒子の表面に結合させることができる。
上記有機溶媒としては、上記基材樹脂微粒子に対して貧溶媒であるものであれば特に限定
されず、例えば、アルコール等が挙げられる。貧溶媒である有機溶媒を用いれば、基材樹
脂微粒子を変形させたり変質させたりすることもない。
これらの加圧流体の中でも、下述する加圧時の温度、圧力範囲においてある程度の密度を
保持することができ、分散特性に優れることから二酸化炭素が特に好適である。
上記加圧流体は、分散安定剤を含有してもよい。分散安定剤を含有することにより加圧流
体中での機能性微粒子の分散性が向上し、より高い効率で基材樹脂微粒子と機能性微粒子
との複合化を行うことができる。
上記分散安定剤としては、例えば、上記媒体と親和性の高い官能基を有する化合物が挙げ
られる。このような官能基としては特に限定されず、媒体が二酸化炭素である場合には、
例えば、エステル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基等のカルボニル官能基;
シラノール基等のケイ素含有官能基;ハロゲン化された原子団を有する官能基;炭素数が
9以下の直鎖アルキル基等が挙げられる。上記ハロゲン化された原子団を有する官能基の
なかでは、パーフルオロアルキル基等のフッ素含有官能基が好ましい。
これらの分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加圧における圧力の下限は5MPa、上限は100MPaである。5MPa未満であ
ると、凝集している基材樹脂微粒子や機能性微粒子を充分に一次粒子に解砕することがで
きず、均一な粒子径分布を有する表面被覆樹脂微粒子を得ることができない。
100MPaをこえると得られる表面被覆樹脂微粒子の形がいびつになったりする恐れが
ある。好ましい下限は6MPa、好ましい上限は50MPaである。
上記加圧時の温度の好ましい上限は300℃である。300℃を超えると、基材樹脂微粒
子が分解してしまうことがある。より好ましい上限は250℃である。加圧時の温度の下
限は加圧流体の種類によって適宜選択され特に限定されないが、三重点より高いことが好
ましく、具体的には好ましい下限は30℃である。
本発明の表面被覆樹脂微粒子の製造方法においては、基材樹脂微粒子、機能性微粒子及び
流体を混合してから加圧してもよいし、基材樹脂微粒子と機能性微粒子との混合物に対し
て予め加圧した加圧流体を加えてもよい。
このように基材樹脂微粒子と機能性微粒子とを加圧して複合化した後、常温常圧に戻して
取り出せば、表面被覆樹脂微粒子が得られる。
本発明の表面被覆樹脂微粒子の製造方法によれば、10μm以下、ナノメートルオーダー
の基材樹脂微粒子であっても、その表面が機能性微粒子で均一に被覆された表面被覆樹脂
微粒子を製造することができる。このようにして得られた表面被覆樹脂微粒子では、機能
微粒子の機能が発現して種々の機能を発揮する。また、基材樹脂微粒子と機能性微粒子と
は極めて強固に結合しており、混合等の通常の操作の際にかかる応力程度では剥離するこ
とがない。このような10μm以下の基材樹脂微粒子の表面が機能性微粒子で均一に被覆
された表面被覆樹脂微粒子は、本発明の表面被覆樹脂微粒子の製造方法により初めて得ら
れるものである。
平均粒子径が100nm〜10μmである基材樹脂微粒子と、前記基材樹脂微粒子の表面
を均一に被覆する平均粒子径が10〜50nmの非凝集性の一次粒子からなる機能性微粒
子層とからなる表面被覆樹脂微粒子もまた、本発明の1つである。
本発明の表面被覆樹脂微粒子において、上記機能性微粒子層は、厚さが10〜200nm
であることが好ましい。10nm未満であると、機能性微粒子が有する機能が充分に発揮
されないことがあり、200nmを超えると、機能性微粒子が基材樹脂微粒子から脱落し
てしまうことがある。
本発明の表面被覆樹脂微粒子を、例えば遮光用途に用いる場合には、輝度が1以上である
ことが好ましい。このような遮光用途としては、例えば、各種マスキング用途を有するス
ペーサ等が挙げられる。
本発明の表面被覆樹脂微粒子の輝度は、例えば、以下の方法により測定することができる

まず、本発明の表面被覆樹脂微粒子を銀電極が印刷されているプレパラート上に展開する
。表面被覆樹脂微粒子が凝集している場合は、テトラヒドロフランを数滴垂らして解砕し
た後、CCD顕微鏡(例えば、オムロン社製「VC4500」等)を用いて透過光により
観察する。オムロン社製「VC4500」を用いた場合には、倍率3で微粒子画像を取り
込んだ後、Image Pro(Proven Solution)で解析することが好
ましい。このとき、画像の取り込みは、必ず画面に銀電極部(遮光部)が入るように行う
。このような方法により輝度を定量化するためには、完全黒色と完全白色を規定しなけれ
ばならないが、それぞれ取り込んだ画像中において銀の電極部は光が抜けないので完全黒
色(0)、微粒子も電極も存在しないところは完全透過(255)と規定し、256階調
で輝度を規定すればよい。最終的には関数に従い輝度に変換し、完全黒色が2、完全白色
が0になるように規定して、本発明の表面被覆樹脂微粒子の中心部の輝度を測定できる。
なお、輝度の測定にあたっては、最低10箇所で行いその平均値と分散とを求めることが
好ましい。
本発明の表面被覆樹脂微粒子は、真球度が0.8以上であることが好ましい。0.8未満
であると、導電性微粒子や液晶表示素子用スペーサ等の用途には用いることができないこ
とがある。
なお、直接真球度を測定するのが困難である場合には、透過型CCD等を用いて投影像を
撮影し、該投影像の真円度を測定して、得られた真円度をもって真球度としてもよい。
本発明の表面被覆樹脂微粒子は、機能性微粒子層の更に外側に樹脂層を有していてもよい
。このような樹脂層を有することにより、機能性微粒子と基材樹脂微粒子との結合性を更
に向上させることができる。また、樹脂層を設けることにより、本発明の表面被覆樹脂微
粒子の溶媒分散性等を制御することもできる。
このような樹脂層を形成する方法としては特に限定されず、表面被覆樹脂微粒子の表面に
ビニル基等の重合性官能基を有する単量体を共有結合させたり物理的に吸着させたりした
後、重合させる方法;樹脂溶液中に表面被覆樹脂微粒子を分散させて吸着させる方法等が
挙げられる。
本発明の表面被覆樹脂微粒子は、とりわけ診断用微粒子や液晶表示素子用スペーサに好適
である。
本発明の表面被覆樹脂微粒子からなる診断用微粒子、本発明の表面被覆樹脂微粒子からな
る液晶表示素子用スペーサもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、数μm以下、好ましくはナノメートルオーダーの基材樹脂微粒子の表面
を、該基材樹脂微粒子よりも小さな粒子径の機能性微粒子で均一に被覆した表面被覆樹脂
微粒子の製造方法、及び、表面被覆樹脂微粒子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
ジビニルベンゼンを主成分とする平均粒子径4μmの基材樹脂微粒子(積水化学工業社製
ミクロパールEX)25gと、一次粒径が10nm(ただし、平均粒子径が300〜50
0nmの凝集体で存在)のカーボンブラック水分散液(大日本精化社製、EP−564ブラ
ック)40gとの混合物を1時間超音波処理した後、内容積100mLのオートクレーブ
容器にスターラーと共に入れた。密閉後、オートクレーブ容器中に流体ポンプを用いて、
室温での内圧が12MPaになるまで二酸化炭素を導入した。その後、オートクレーブ容
器を120℃の油浴中に浸漬し、圧力を15MPaに保ちつつ1時間処理を行った。
オートクレーブ容器を水冷後、解圧を行い、得られた分散液を遠心分離、上澄みの除去、
純水の追加、超音波分散からなる一連の操作を3回行った後、乾燥を行い、黒色の表面被
覆樹脂微粒子を得た。
(実施例2)
ジビニルベンゼンを主成分とする平均粒子径4μmの基材樹脂微粒子(積水化学工業社製
ミクロパールEX)25gと、一次粒径が10nmのカーボンブラック含水粒子(東海カ
ーボン社製 HA−3)25gとの混合物に更に水を25g添加し、超音波で分散した後
、ない容積100mLのオートクレーブ容器にスターラーと共に入れた。密閉後、オート
クレーブ容器中に流体ポンプを用いて、室温での重量が48gの二酸化炭素を導入した。
その後、オートクレーブ容器を120℃の油浴中に浸漬し、圧力を15MPaに保ちつつ
1時間処理を行った。オートクレーブ容器を水冷後、解圧を行い、得られた分散液を遠心
分離、上澄みの除去、純水の追加、超音波分散からなる一連の操作を3回行った後、乾燥
を行い、黒色の表面被覆樹脂微粒子を得た。
(比較例1)
ハイブリダイザー(NHS−0型;奈良機械製作所社製)に平均粒子径4μmの基材樹脂
微粒子(積水化学社製ミクロパールEX)25gと、一次粒径が10nm(ただし、平均
粒子径が300〜500nmの凝集体で存在)のカーボンブラック水分散液(大日本精化
社製)40gとの混合物を1時間超音波処理した後、内容積100mLのオートクレーブ
容器にスターラーと共に入れた。密閉後、オートクレーブ容器中に流体ポンプを用いて、
室温での内圧が12MPaになるまで二酸化炭素を導入した。その後、オートクレーブ容
器を120℃の油浴中に浸漬し、圧力を15MPaに保ちつつ1時間処理を行った。
オートクレーブ容器を水冷後、解圧を行い、得られた分散液を遠心分離、上澄みの除去
、純水の追加、超音波分散からなる一連の操作を3回行った後、乾燥を行い、黒色の表面
被覆樹脂微粒子を得た。
実施例1、2及び比較例1で得られた表面被覆樹脂微粒子について、以下の方法により評
価を行った。
(1)透過型電子顕微鏡による観察
表面被覆粒子をミクロトームを用いて切削し、透過型電子顕微鏡を用いて表面の電子顕微
鏡写真を撮影した。
図1に実施例1で得られた表面被覆樹脂微粒子の断面の、図2に実施例2で得られた表面
被覆樹脂微粒子の断面の、図3に比較例1で得られた表面被覆樹脂微粒子の断面の電子顕
微鏡写真を示した。
図1、2より、実施例1、2で得られた表面被覆樹脂微粒子では、基材樹脂微粒子の表面
を粒子径約50nmの一次粒子に解砕されたカーボンブラック微粒子が、一層の層状に均
一に被覆していることが確認できた。これに対して、図3より、比較例1で得られた表面
被覆樹脂微粒子では、カーボンブラック微粒子による被覆が不均一で、基材樹脂微粒子の
表面の一部にカーボンブラック微粒子が結合していない部分が認められ、また、一部には
解砕されていないカーボンブラック微粒子凝集体が結合していた。
(2)真円度の測定
透過型CCDを用いて投影像を撮影した画像を用い、ソフトウェアImage Pro.
(Proven Solution社製)を用いて画像処理を行うことにより真円度を求
めた。投影像で真円度は0.9であった。
(3)輝度の測定
部分的に銀箔をエッチングしたプレパラート上に表面被覆樹脂微粒子を展開し、透過型C
CDを用いて画像を撮影した。得られた画像を、ソフトウェアImage Pro.(P
roven Solution社製)を用いて画像処理を行い、銀箔部分を全遮光、微粒
子も銀箔もないところを全透過とし、256階調の標準をとった。その後、微粒子の中央
部に焦点をあわせ、表面被覆樹脂微粒子の中央部の輝度を算出した。
(4)機能微粒子と基材樹脂微粒子との結合性の評価
ガラスプレートの間に表面被覆樹脂微粒子を挟み込み、指圧で数回ガラスプレートをこす
り合わせた。この操作後のガラスプレートの表面を透過型電子顕微鏡を用いて観察したと
ころ、実施例1で得られた表面被覆樹脂微粒子では、脱離してガラスプレートに付着した
カーボンブラック微粒子は全く認められなかった。一方、比較例1で得られた表面被覆樹
脂微粒子では、一部のカーボンブラック微粒子が脱離してガラスプレートに付着している
のが認められた。
本発明によれば、数μm以下、好ましくはナノメートルオーダーの基材樹脂微粒子の表面
を、該基材樹脂微粒子よりも小さな粒子径の機能性微粒子で均一に被覆した表面被覆樹脂
微粒子の製造方法、及び、表面被覆樹脂微粒子を提供することができる。
実施例1で得られた表面被覆樹脂微粒子の断面の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた表面被覆樹脂微粒子の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた表面被覆樹脂微粒子の断面の電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

  1. 平均粒子径が100nm〜10μmである架橋樹脂からなる基材樹脂微粒子と、平均粒子径が10〜50nmである機能性微粒子との混合物を、5〜100MPaの圧力に加圧された二酸化炭素、窒素、有機溶媒及び水からなる群より選択される少なくとも1種の加圧流体中で加圧することを特徴とする機能性微粒子によって表面被覆された表面被覆樹脂微粒子の製造方法。
  2. 機能性微粒子は、着色性微粒子、磁性微粒子、導電性微粒子、発光性微粒子からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の機能性微粒子によって表面被覆された表面被覆樹脂微粒子の製造方法。
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