JPH10267895A - 排気ガスセンサ及びそれを用いた排気ガスセンサシステム - Google Patents

排気ガスセンサ及びそれを用いた排気ガスセンサシステム

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JPH10267895A
JPH10267895A JP9092928A JP9292897A JPH10267895A JP H10267895 A JPH10267895 A JP H10267895A JP 9092928 A JP9092928 A JP 9092928A JP 9292897 A JP9292897 A JP 9292897A JP H10267895 A JPH10267895 A JP H10267895A
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concentration
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oxygen
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exhaust gas
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JP9092928A
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English (en)
Inventor
Takaharu Inoue
隆治 井上
Shoji Kitanoya
昇治 北野谷
Toshihiro Fuma
智弘 夫馬
Yumi Kuroki
由美 黒木
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス中の酸素濃度が変動しても、該排気
ガス中の汚染物質の濃度を高精度で検出できる排気ガス
センサを提供する。 【解決手段】 排気ガスセンサ1は、被検出成分濃度検
出素子2と、酸素濃度検出素子3を備える。被検出成分
濃度検出素子2は、排気ガスとの接触に伴い該排気ガス
中の被検出成分濃度に応じて電気抵抗値を変化させる酸
化物半導体で構成された濃度検出部16を有し、該濃度
検出部16の電気抵抗値を反映した情報を、排気ガス中
の被検出成分濃度の検出情報として出力する。また、酸
素濃度検出素子3は排気ガス中の酸素濃度を検出し、そ
の酸素濃度の検出情報を、被検出成分濃度検出素子2に
よる被検出成分濃度の検出情報を補正するための情報と
して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガスセンサと
それを用いた排気ガスセンサシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の排気ガスに含有される炭化水
素(以下、HCという)やCO等の可燃性成分や、ある
いはNOX等の汚染物質を検出するためのセンサとし
て、抵抗型センサが知られている。例えば、HCやCO
等の可燃性成分検出用のものは、検出素子としてSnO
2等の酸化物半導体(n型)を使用し、以下の原理によ
り測定を行う。すなわち、雰囲気中の酸素は検出素子に
負電荷吸着するが、雰囲気中にHCやCO等の可燃性成
分が含有されていると、その吸着酸素との間で燃焼反応
を起こし、該吸着酸素を離脱させる。そして、この吸着
酸素の離脱に伴う検出素子の電気抵抗値変化が、雰囲気
中の可燃性成分の濃度に依存して増減することから、こ
れを測定することにより該可燃性成分の濃度を知ること
ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な抵抗型センサにおいては、酸化物半導体による検出素
子の出力が、排気ガス中に含有される酸素濃度により変
化する特性を有している。そのため、同じ汚染物質濃度
に対しても、排気ガス中の酸素濃度により検出出力値が
変動してしまう問題がある。そこで、例えば特開平5−
180794号、特開平8−122287号、ドイツ特
許公開DE4311849A1号、同じくDE4311
851A1号の各公報に開示されているように、固体電
解質を用いたポンプ素子により、検出空間内に導入され
た排気ガス中に対して酸素を送り込んでその濃度を高
め、ガス中の酸素濃度の相対的な変動を小さくすること
により検出精度を高める提案がなされている。しかしな
がら、排気ガス中の酸素の濃度が大きく変化した場合に
は、ポンプ素子からの酸素導入による相対濃度変動の抑
制効果が不十分となり、満足な検出精度が得られない欠
点がある。
【0004】また、上記従来のセンサ構成においては、
検出素子が検出空間に面して配置されているが、酸素ポ
ンプ素子はZrO2等の酸素イオン伝導性固体電解質セ
ラミックにより構成されて、その作動温度が一般に60
0℃以上と高いため、排気ガス中の被検出成分である炭
化水素(以下、HCと略記する)あるいは一酸化炭素
(CO)等の可燃成分の燃焼が起こりやすく、センサの
検出感度が低下してしまう問題もある。さらに、検出素
子を構成する酸化物半導体は温度によっても電気抵抗値
が変化するため、排気ガス中の被検出成分濃度が同一で
あっても、素子温度の変動により出力値が変動し、誤差
を生じやすい欠点がある。
【0005】本発明の課題は、排気ガス中の酸素濃度や
素子温度が変動しても、該排気ガス中の汚染物質の濃度
を高精度で検出できる排気ガスセンサと、それを用いた
排気ガスセンサシステムとを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述の課
題を解決するために、本発明の排気ガスセンサは下記の
要件を含んで構成されることを特徴とする。 被検出成分濃度検出素子:排気ガスとの接触に伴い該
排気ガス中の被検出成分濃度に応じて電気抵抗値を変化
させる酸化物半導体で構成された濃度検出部を有し、該
濃度検出部の電気抵抗値を反映した情報(濃度検出電気
抵抗情報)を、排気ガス中の被検出成分濃度の検出情報
として出力する。 酸素濃度検出素子:排気ガス中の酸素濃度を検出し、
その酸素濃度の検出情報を、被検出成分濃度検出素子に
よる被検出成分濃度の検出情報を補正するための、被検
出成分濃度補正情報として出力する。
【0007】上述のように構成された排気ガスセンサに
おいては、排気ガス中の酸素濃度を酸素濃度検出素子に
より測定し、その測定結果(すなわち酸素濃度の検出情
報)により被検出成分濃度検出素子による被検出成分濃
度の検出情報を補正するようにしたから、排気ガス中の
酸素濃度が変動しても、該排気ガス中の汚染物質の濃度
を高精度で検出できる。
【0008】半導体検出素子を構成する酸化物半導体の
種類は、被検出成分の種類によって異なり、例えばCO
又はHC検出用にはSnO2、ZnO、In23、Fe2
3等が好適に使用される。また、窒素酸化物(NOX
検出用にはWO3、In23、TiO2、あるいはLaを
含有するペロブスカイト型酸化物(例えばLaFe
3)等が好適に使用される。また、酸素ポンプ素子及
び酸素センサ素子に使用される固体電解質としては、Y
23等で部分安定化されたZrO2を主体とするものが
好適に使用される。
【0009】酸素検出素子は、下記の要件を備えた全領
域酸素センサとすることができる。 酸素ポンプ素子:酸素イオン伝導性を有する固体電解
質により形成され、電圧印加に伴い検出空間に対する酸
素の汲み込み又は汲み出しを行う。 濃淡電池素子:酸素イオン伝導性を有する固体電解質
により形成され、酸素ポンプ素子との間に検出空間が形
成されるように、該酸素ポンプ素子に対向して配置され
るともに、その検出空間に導入された排気ガス中の酸素
濃度と基準酸素濃度との差に応じた濃淡電池起電力を発
生する。 第一ヒータ:それら酸素ポンプ素子と濃淡電池素子と
を、所定の作動温度に加熱する。 これら要件を備えた全領域酸素センサは、濃淡電池素子
の濃淡電池起電力が予め定められた値に維持されるよう
に検出空間に対し酸素の汲み込み又は汲み出しが行なわ
れるときの、酸素ポンプ素子に流れる電流を反映した情
報(ポンプ電流情報)を、酸素濃度の検出情報として出
力する。
【0010】上記全領域酸素センサは、酸素濃度とポン
プ電流値との間の直線性が高く、広範囲の酸素濃度を精
度よく検出することができ、しかも急激な酸素濃度変化
にも対応できるので、排気ガスの検出精度をさらに高め
ることができる。
【0011】この場合、被検出成分濃度検出素子は、該
全領域酸素センサの検出空間の外側に設けることができ
る。全領域酸素センサは、通常600℃以上の高温で作
動するが、被検出成分濃度検出素子をその検出空間の外
側に配置することで、被検出成分濃度検出素子を低温で
作動させることが可能となり、排気ガス中の被検出成分
であるHCあるいはCO等の可燃成分の燃焼が抑制さ
れ、ひいてはそれらに対するセンサの検出感度を高める
ことができる。
【0012】被検出成分濃度検出素子は、濃度検出部を
所定の作動温度に加熱するための第二ヒータと、濃度検
出部の近傍に配置されて該濃度検出部の温度を検出し、
該温度の検出情報を、第二ヒータの発熱を制御するため
の発熱制御情報として出力する温度検出部とを含むもの
として構成することができる。被検出成分濃度検出素子
を専用のヒータで加熱するとともに、温度検出部により
濃度検出部の温度を検出し、これを制御情報として該ヒ
ータの発熱を制御することにより濃度検出部の温度変動
を抑制することができ、ひいてはセンサの検出精度を高
めることができる。
【0013】濃度検出部は、第二ヒータの表面に形成さ
れた層状の半導体検出部からなる濃度検出半導体層によ
り構成することができる。これにより、濃度検出部の加
熱を効率よく行うことができる。また、温度検出部は、
同じく第二ヒータの表面において、濃度検出半導体層に
近接して層状に形成され、温度に応じてその電気抵抗を
変化させるとともに、その電気抵抗値を反映した情報
(温度検出電気抵抗情報)を上記温度の検出情報として
出力するサーミスタとすることができる。サーミスタは
酸化物半導体により安価に構成でき、しかも温度検出の
感度が高い利点を有する。また、これを層状として濃度
検出半導体層に近接して配置することにより、濃度検出
部の温度変化を精度よくしかも迅速に検出することがで
き、温度変動抑制のための制御の精度およびその応答性
を高めることができる。
【0014】上記サーミスタの表面は、排気ガスとの接
触を遮断するガス遮断層で覆うことができる。該ガス遮
断層は、例えばSiO2−Al23−MO系ガラス(た
だし、Mはアルカリ土類金属元素)等のガラス層とする
ことができる。これによりサーミスタ表面と排気ガスと
が直接接触、ひいては該接触に伴うサーミスタの検出特
性の劣化が防止され、温度検出の精度を高めることがで
きる。
【0015】上記サーミスタは、濃度検出半導体層と同
一材質の酸化物半導体により構成することができる。こ
のようなサーミスタの表面を前述のガス遮断層で覆った
構成とすれば、該サーミスタによる温度検出電気抵抗情
報の出力と濃度検出半導体層による濃度検出電気抵抗情
報の出力との差を、温度補償された被検出成分の濃度検
出情報として取り出すことができるようになる。
【0016】次に、酸素ポンプ素子と濃淡電池素子と
は、検出空間を挟んで互いに対向する板状に形成するこ
とができ、第一ヒータは、それら対向配置された酸素ポ
ンプ素子と濃淡電池素子との組に対し、その酸素ポンプ
素子側に対向配置される板状に形成することができる。
この場合、第二ヒータは、酸素ポンプ素子と濃淡電池素
子との組に対し、その濃淡電池素子側(すなわち第一ヒ
ータと反対側)に対向配置される板状に形成することが
でき、濃度検出半導体層と層状のサーミスタとは、第二
ヒータの、濃淡電池素子側に面さない板面上に形成する
ことができる。このようにすれば、高温となる第一ヒー
タの発熱が、第二ヒータの温度、ひいては濃度検出半導
体層と層状のサーミスタとの温度に影響を及ぼしにくく
なるから、被検出成分濃度検出素子を低温で作動させる
上でさらに有利となる。
【0017】次に、本発明は、上記排気ガスセンサを使
用した排気ガスセンサシステムも提供する。すなわち、
該センサシステムは、上記排気ガスセンサと、酸素濃度
検出素子から出力される酸素濃度の検出情報に基づい
て、被検出成分濃度検出素子による排気ガス中の被検出
成分濃度の検出情報を補正するとともに、その補正結果
が反映された被検出成分の濃度情報を出力する補正出力
手段とを備えたことを特徴とする。すなわち、該システ
ムにおいては、酸素濃度検出素子による排気ガス中の酸
素濃度の検出情報で被検出成分濃度の検出情報を補正
し、その補正結果に基づいて被検出成分濃度の情報を出
力するようにしたから、排気ガス中の酸素濃度が変動し
ても、該排気ガス中の汚染物質の濃度を高精度で検出で
きる。
【0018】補正出力手段は、排気ガス中の被検出成分
の濃度と、排気ガス中の酸素濃度と、濃度検出部の電気
抵抗値との相互関係を示す補正参照情報を記憶する補正
参照情報記憶手段と、酸素濃度の検出情報と濃度検出電
気抵抗情報とに基づいて、上記補正参照情報を参照しつ
つ、出力すべき被検出成分濃度の情報を決定する被検出
成分濃度出力情報決定手段とを備えたものとして構成で
きる。すなわち、実験等により、排気ガス中の被検出成
分の濃度と、排気ガス中の酸素濃度と、濃度検出部の電
気抵抗値との相互関係を補正参照情報として予め決定
し、これを補正参照情報記憶手段に記憶しておけば、そ
の記憶された補正参照情報を参照することにより、セン
サの検出出力として得られる酸素濃度の検出情報と濃度
検出部の濃度検出電気抵抗情報とを用いて、出力すべき
被検出成分濃度の情報を合理的に決定することができ
る。
【0019】補正参照情報記憶手段には、補正参照情報
として、濃度検出部の出力抵抗値Rと排気ガス中の被検
出成分濃度CDとの関係を、排気ガス中の酸素濃度COの
各種値毎に示すR−CD−CO関係情報を記憶しておくこ
とができる。この場合、被検出成分濃度出力情報決定手
段は、酸素濃度の検出情報が示す酸素濃度COにおい
て、濃度検出電気抵抗情報が示す濃度検出部の抵抗値
(出力抵抗値)Rと排気ガス中の被検出成分濃度CDと
の関係を示すR−CD関係情報を、R−CD−CO関係情
報を参照して決定し、濃度検出部の出力抵抗値Rに対応
する被検出成分濃度CDの値を、決定されたR−CD関係
情報を参照して出力すべき被検出成分濃度の情報として
決定する。これにより、各種酸素濃度における排気ガス
中の被検出成分濃度を正確に決定できる利点が生ずる。
【0020】一方、濃度検出部に使用される酸化物半導
体の種類と、被検出成分の種類とによっては、濃度検出
部が示すベース抵抗値R0が、排気ガス中の酸素濃度CO
に応じて変化しても、濃度検出部の検出抵抗値をRとし
てRC=(R0−R)/Rにより表される換算抵抗値RC
が、排気ガス中の被検出成分濃度CDとの間で酸素濃度
COによらずほぼ一定の関係を示す場合がある。この場
合、補正参照情報としては、下記のようなものを補正参
照情報記憶手段に記憶しておくことができる。R0−
CO関係情報:排気ガス中に被検出成分が実質的に存在
しない場合に濃度検出部が示すベース抵抗値R0と、排
気ガス中の酸素濃度COとの関係を示す。RC−CD関
係情報:濃度検出部の出力抵抗値Rとベース抵抗値R0
とを用いてRC=(R0−R)/Rにより表される換算抵
抗値RCと、排気ガス中の被検出成分濃度CDとの関係を
示す。
【0021】この場合、被検出成分濃度出力情報決定手
段は、酸素濃度の検出情報が示す酸素濃度COでのベー
ス抵抗値R0を、R0−CO関係情報を参照して決定し、
濃度検出部の出力抵抗値Rと上記決定されたベース抵抗
値R0とにより、換算抵抗値RCを算出し、さらに、その
算出された換算抵抗値RCに対応する被検出成分濃度CD
の値を、RC−CD関係情報を参照して、出力すべき被検
出成分濃度の情報として決定するものとされる。これに
より、補正参照情報としては、各酸素濃度に共通のRC
−CD関係情報を一組のみ記憶しておけばよいから、情
報記憶量を減ずることができる。また、被検出成分濃度
出力情報決定手段が、被検出成分濃度を決定するに当た
って最終的に参照すべき補正参照情報の量も減ずること
ができるから、その決定処理速度、ひいては被検出成分
濃度の出力応答性を高めることができる。
【0022】上記システムにおいては、温度検出部によ
る温度検出情報に基づいて、濃度検出部の温度が所定の
温度域に収まるように、第二ヒータの発熱を制御する発
熱制御手段を設けることができる。これにより、濃度検
出部の温度変動を抑制することができ、ひいてはセンサ
の検出精度を高めることができる。この場合、発熱制御
手段は、濃度検出部の温度を酸素濃度検出素子の作動温
度よりも低温となるように、第二ヒータの発熱を制御す
るものとして構成できる。こうすれば、排気ガス中の被
検出成分であるHCあるいはCO等の可燃成分の燃焼が
抑制され、ひいてはそれらに対するセンサの検出感度を
高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を参照して説明する。図1(a)は、本発
明の一実施例たる排気ガスセンサ1の構成を示す分解斜
視図である。すなわち、排気ガスセンサ1は、それぞれ
横長板状に形成された被検出成分濃度検出素子2と、酸
素検出素子としての全領域酸素センサ(以下、単に酸素
センサともいう)3とが積層され一体化されたものとし
て構成されている。
【0024】酸素センサ3は、図1(b)に示す検出空
間8を挟んで互いに対向する濃淡電池素子4及び酸素ポ
ンプ素子5と、第一ヒータ9とを有する。濃淡電池素子
4及び酸素ポンプ素子5は、酸素イオン伝導性固体電解
質により構成されている。そのような固体電解質として
は、Y23ないしCaOを固溶させたZrO2が代表的
なものであるが、それ以外のアルカリ土類金属ないし希
土類金属の酸化物とZrO2との固溶体を使用してもよ
い。また、ベースとなるZrO2にはHfO2が含有され
ていてもよい。一方、第一ヒータ9は公知のセラミック
ヒータで構成されている。
【0025】濃淡電池素子4と酸素ポンプ素子5とはそ
れぞれ横長板状に構成されており、検出空間8を形成す
るためのスペーサ部6を挟んで互いに一体化されてい
る。スペーサ部6も上述の固体電解質で構成されている
が、濃淡電池素子4と酸素ポンプ素子5との接合部に
は、Al23等で構成された図示しない絶縁層が介挿さ
れている。検出空間8はスペーサ部6の一方の端部寄り
に形成されるとともに、その幅方向両側には、多数の連
通気孔を有してAl23等により形成された多孔質セラ
ミック部材7が配置されており、この多孔質セラミック
部材7を介して検出空間8に対し排気ガスが導入される
ようになっている。
【0026】図2に示すように、濃淡電池素子4には検
出空間8に対応する位置において酸素濃度基準電極10
が埋設される一方、これに対応して検出空間8側の表面
には対向電極11が形成されている。一方、酸素ポンプ
素子5にも、検出空間8に対応する位置においてその両
面に電極12及び13が形成されている。これら電極は
いずれも、それら素子を構成する固体電解質へ酸素を注
入するための酸素分子の解離反応、及び該固体電解質か
ら酸素を放出させるための酸素の再結合反応に対する可
逆的な触媒機能(酸素解離触媒機能)を有する多孔質電
極、例えばPt多孔質電極として構成されており、いず
れも図示しない電極リード部を介して、素子の検出空間
8が形成されているのとは反対側に配置された対応する
電極端子10a〜13a(図1)にそれぞれ接続されて
いる。また、第一ヒータ9は、それら対向配置された濃
淡電池素子4と酸素ポンプ素子5との組に対し、その酸
素ポンプ素子5側に対向配置される板状に形成されてい
る。
【0027】酸素ポンプ素子5は、電圧印加に伴い検出
空間8に対する酸素の汲み込み又は汲み出しを行う。ま
た、濃淡電池素子4は、酸素濃度基準電極10側の酸素
濃度(基準酸素濃度:ほぼ100%に近い値となる)と
対向電極11側の酸素濃度(すなわち、検出空間8に導
入された排気ガス中の酸素濃度)との差に応じた濃淡電
池起電力を発生する。そして、全領域酸素センサ3は、
濃淡電池素子4の濃淡電池起電力が所定の値に維持され
るように検出空間8に対し酸素の汲み込み又は汲み出し
が行なわれるときの、酸素ポンプ素子5に流れる電流
を、酸素濃度の検出情報として出力する。また、第一ヒ
ータ9は、濃淡電池素子4及び酸素ポンプ素子5の組を
所定の作動温度(例えば700〜800℃)に加熱す
る。図23は、濃淡電池素子4及び酸素ポンプ素子5を
構成する酸素イオン伝導性固体電解質としてZrO2
セラミックス使用した上記全領域酸素センサ3による酸
素濃度の測定例を示している。酸素ポンプ電流は測定雰
囲気中の酸素の濃度に対して良好な直線性を示している
ことがわかる。
【0028】図1に戻り、被検出成分濃度検出素子2
は、濃淡電池素子4と酸素ポンプ素子5との組に対し、
上記第一ヒータ9とは反対側、すなわち濃淡電池素子4
側に対向配置される板状の第二ヒータ15と、その第二
ヒータ15の、酸素濃淡電池素子4に面さない板面上に
形成された濃度検出部としての濃度検出半導体層16
と、同じく同板面上において濃度検出半導体層16に対
し第二ヒータ15の長手方向に隣接配置された、温度検
出部としての層状のサーミスタ17とを含んで構成され
ている。ここで、第二ヒータ15は、濃度検出半導体層
16の温度を、濃淡電池素子4と酸素ポンプ素子5との
作動温度よりも低温(例えば650〜700℃)の、所
定の作動温度に加熱する役割を果たす。
【0029】濃度検出半導体層16とサーミスタ17と
は同一材質の酸化物半導体で構成され、排気ガス中の被
検出成分がCO又はHCである場合は、SnO2、Zn
O、In23、Fe23等が、また窒素酸化物(N
X)である場合にはWO3、In23、TiO2、ある
いはLaを含有するペロブスカイト型酸化物(例えばL
aFeO3)等で構成されている。図3(a)及び
(c)に示すように、第二ヒータ15の板面上には、P
tペースト等の印刷・焼き付けにより形成された電極1
8及び19と、それらに接続するリード部20〜22が
形成されており、濃度検出半導体層16とサーミスタ1
7とは、上記電極18及び19をそれぞれ覆うように形
成されている。また、サーミスタ17の表面はSiO2
−Al23−MO系ガラス(ただし、Mはアルカリ土類
金属元素)等のガラスで構成されたガス遮断層23によ
り覆われている。
【0030】ここで、図3(b)に示すように、電極1
8は、第二ヒータ15の幅方向にそれぞれ延びるととも
に、第二ヒータ15の長手方向に所定の間隔で並ぶ第一
の線状部群18aと、それら第一の線状部群18aを一
方の端部側で互いに接続する第一の接続部18bと、第
二ヒータ15の幅方向にそれぞれ延びるとともに第一の
線状部群18aと互い違いに配列する第二の線状部群1
8cと、それら第二の線状部群18cを、第一の接続部
18bとは反対側の端部側で互いに接続する第二の接続
部18dとを有し、第一の接続部18bにはリード部2
0が、第二の接続部18dにはリード部22がそれぞれ
接続されている。電極19も同様の形態で構成されてお
り、その第一の線状部群19aは第一の接続部19bに
より互いに接続され、さらにこれにリード部21がつな
がっている。一方、その第二の線状部群19cを互いに
接続する第二の接続部の役割はリード部22が果たして
おり、これによって濃度検出半導体層16とサーミスタ
17とは、リード部22を共有した形で互いに並列に接
続されることとなる(図5参照)。
【0031】濃度検出半導体層16は、排気ガスとの接
触に伴い該排気ガス中の被検出成分濃度に応じて電気抵
抗値を変化させる。そして、一定の抵抗検出用電圧を印
加したときに自身において電圧降下した後の電圧レベル
(以下、抵抗検出電圧という)が濃度検出電気抵抗情
報、すなわち排気ガス中の被検出成分濃度の検出情報と
して出力される。一方、サーミスタ17は、第二ヒータ
15の温度を検出し、濃度検出半導体層16と同様にそ
の抵抗検出電圧(温度検出電気抵抗情報)を第二ヒータ
15の発熱制御情報として出力する。また、該温度検出
電気抵抗情報は、後述する通り、濃度検出半導体層16
の濃度検出電気抵抗情報を温度補償するためにも使用さ
れる。
【0032】図4は、被検出成分濃度検出素子2の製造
方法の一例を示す分解斜視図である。すなわち、該素子
2は、基本的には第二ヒータ15の基体を形成すること
となる3枚のAl23シートを互いに積層し、これを焼
成することにより形成されるのであるが、その第一のA
23シート30上には、電極18,19及びリード部
20〜22を形成するためのパターン31がPtペース
ト等により印刷形成される。
【0033】一方、第二のAl23シート34上には、
一方の端部側にリード部20〜22の各取出部分となる
端子20a〜22a(図1)を形成するためのPt線3
7の一方の端部側が埋込配置されるとともに、濃度検出
半導体層16とサーミスタ17に対応する位置には、ヒ
ータパターン35がW等の高融点金属粉末あるいはその
他の抵抗発熱材料粉末のペーストを用いて印刷形成され
る。また、そのヒータパターン35に対するリード部パ
ターン36と、端子20a〜22aに対する導通確保用
のパターン38とがPtペースト等により印刷形成され
る。なお、第一のAl23シート30のリード部20〜
22の各末端に対応する位置には貫通孔39が孔設され
ており、リード部20〜22のパターンを形成する際に
ペーストがここに充填され、該ペーストを介して下側の
各Pt線37(すなわち端子20a〜22a)とリード
部20〜22のパターンとが導通するようになってい
る。
【0034】また、第三のAl23シート38の端部側
には、ヒータ通電用の端子15a(図1)となるべきP
t線39の一方の端部側が埋設される一方、一端側が第
二のAl23シート34上のリード部パターン36に接
続するとともに、他端側がPt線39に接続するリード
部パターン40が、Ptペースト等により印刷形成され
る。なお、両リード部パターン36及び40の接続位置
に対応して第二のAl23シート34には貫通孔41が
孔設されており、リード部パターン36を形成する際に
ペーストがここに充填され、該ペーストを介して両リー
ド部パターン36及び41が互いに導通するようになっ
ている。
【0035】この状態で上記3枚のAl23シート3
0,34,38を、図に示す位置関係で互いに積層し、
これを所定の温度(例えば1500〜1600℃)で焼
成することにより、それらが互いに一体化されて被検出
成分濃度検出素子2の原形ができあがる。次に、その焼
成体の電極18及び19に対応する部分に、酸化物半導
体粉末ペーストにより濃度検出半導体層16とサーミス
タ17を形成するためのパターン32を印刷形成し、こ
れを上記Al23シートの焼成温度よりも低温で二次焼
成することにより、濃度検出半導体層16とサーミスタ
17が形成される。この二次焼成の温度は酸化物半導体
の材質により異なるが、例えばSnO2の場合900〜
1200℃で設定される。二次焼成温度が1200℃を
超えると焼成中のSnO2の蒸発が著しく、良好な素子
の形成が不可能となる。一方、900℃未満の場合は素
子と酸素センサセルとの密着性(接合強度)が不足す
る。なお、二次焼成温度はSnO2の場合、900〜1
000℃の範囲内で設定することがより望ましい。
【0036】そして、最後にそのサーミスタ17に対応
する部分に、ガラス粉末を含有するペースト印刷により
ガス遮断層23のパターン33を形成し、これを900
〜1000℃で焼き付け処理を行うことにより、図3に
示す被検出成分濃度検出素子2が完成する。
【0037】次に、図5は、上記構成の排気ガスセンサ
1を用いた排気ガスセンサシステム(以下、単にセンサ
システムともいう)50の電気的構成を示すブロック図
である。センサシステム50は、CPU52、RAM5
3、ROM54及びクロック回路55と、それらが接続
される出入力インターフェースとしてのI/Oポート5
1aとを有するマイクロプロセッサ51を有し、排気ガ
スセンサ1の各素子あるいは検出部が周辺回路を介して
I/Oポート51aに接続された構造を有する。
【0038】まず、被検出成分濃度検出素子2の濃度検
出半導体層16とサーミスタ17の共通のリード部22
には、端子22aを介して抵抗測定用電源56(電圧V
1)が接続されている。また、これと反対側の濃度検出
半導体層16のリード部20と、同じくサーミスタ17
のリード部21とは、それぞれ端子20a及び21aと
を介して、周辺の抵抗器59a〜59dとともに差動増
幅器を構成するオペアンプ59に接続されるとともに、
それぞれオペアンプ59への入力分圧電圧を調整するた
めの抵抗器57及び58がつながれている。濃度検出半
導体層16及びサーミスタ17の電気抵抗値(すなわち
真のベース抵抗値)をそれぞれRd及びRthとすれば、
このときの濃度検出半導体層16と抵抗器57との分圧
電圧VdはVd=V1・R1/(Rd +R1)であり、また
サーミスタ17と抵抗器58との分圧電圧VthはV1・
R2/(Rth +R2)である。そして、V1、R1及びR2
はそれぞれ既知であるから、Vd及びVthはそれぞれRd
ないしRthのみの関数となり、濃度検出半導体層16と
サーミスタ17との各電気抵抗値を反映した情報、すな
わち濃度検出電気抵抗情報及び温度検出電気抵抗情報と
しての意味を持つこととなる。
【0039】なお、濃度検出半導体層16とサーミスタ
17の電気抵抗値は、一般には温度に対して非線形的
(例えば指数関数的)に変化するが、上述のようにその
出力を分圧電圧として取り出すことでこれを線形出力に
近付けることができる。すなわち、抵抗器57及び58
は線形化補償抵抗としての意味も持つ。
【0040】ここで、抵抗器57及び58の電気抵抗値
R1及びR2は、濃度検出半導体層16とサーミスタ17
とを、被検出成分が実質的に含まれていない雰囲気中
(以下、ベース雰囲気という)においた場合の、それら
濃度検出半導体層16及びサーミスタ17からオペアン
プ59への入力電圧が互いに等しくなるように、すなわ
ち見掛け上のベース抵抗値が互いに等しくなるように設
定される。すなわち、ベース雰囲気での濃度検出半導体
層16及びサーミスタ17の各電気抵抗値(すなわち真
のベース抵抗値)をそれぞれRd0及びRth0とすれば、
このときの濃度検出半導体層16と抵抗器57との分圧
電圧Vdは、オームの法則により、 Vd=V1・R1/(Rd0 +R1)‥‥‥(1) であり、またサーミスタ17と抵抗器58との分圧電圧
Vthは、 Vth=V1・R2/(Rth 0+R2)‥‥‥(2) である。そして、上記前提からVd=Vthであるから、
(1)、(2)より、 R1/(Rd0 +R1)=R2/(Rth 0+R2)‥‥‥(3) の関係を満足するように、R1及びR2の値を設定すれば
よい。
【0041】そして、上記分圧VdとVthとの差がオペ
アンプ59により増幅され、A/D変換器62によりデ
ジタル化されてマイクロプロセッサ51に入力される。
ここで、VdとVthとの差は濃度検出半導体層16及び
サーミスタ17の電気抵抗値の差に対応しているわけで
あるが、これは温度補償された被検出成分の濃度検出情
報としての意味を持つ。以下に、その理由を説明する
(図9(a)参照)。すなわち、濃度検出半導体層16
の電気抵抗値Rは、近似的には、被検出成分が存在しな
い場合の電気抵抗、すなわちベース抵抗R0(T)と、
排気ガス中の被検出成分との接触に伴う抵抗の減少RS
との差により、 R=R0(T)−RS ‥‥‥(4) で表すことができる。ここで、このベース抵抗R0
(T)は、半導体特有の大きな温度依存性を有している
ため、結果として濃度検出半導体層16の電気抵抗値R
1は温度変動の影響を受けやすくなる(図24は、濃度
検出半導体層16をSnO2で構成した場合の、各種酸
素濃度におけるその電気抵抗値Rの温度依存性の例を示
している)。一方、被検出成分との接触に伴う抵抗の減
少R1Sは、R10(T)に比べれば温度依存性は比較的小
さい。
【0042】次に、サーミスタ17は、ガス遮断層23
で覆われて被検出成分と接触しないので、その電気抵抗
値Rthはベース抵抗Rth0(T)のみを含む形となり、 Rth=Rth0(T) ‥‥‥(5) で表すことができる。ここで、該サーミスタ17は濃度
検出半導体層16と同一の酸化物半導体で構成されてい
てその電気抵抗の温度係数が同一であるから、各温度に
おいてそのベース抵抗は互いに等しくなる。すなわち、 R0(T)=Rth0(T) ‥‥‥(6) である。従って、(2)と(3)から、 Rth=R0(T) ‥‥‥(7) であり、該(7)式から(4)式を辺々減ずれば、 Rth−R=RS ‥‥‥(8) となって温度依存性の大きいベース抵抗R0(T)の項
が消え、被検出成分との接触に伴う抵抗増分の項RS の
みが残る。すなわち、Rth−Rは、温度補償された被検
出成分の濃度検出情報としての意味を持つ。
【0043】次に、上記サーミスタ17の上記出力分圧
Vthは、濃度検出半導体層16の温度を前述の作動温度
に維持するための、第二ヒータ15の発熱制御にも用い
られる。図6は、そのヒータ15の発熱制御回路の一例
を示すものである。すなわち、発熱制御回路150にお
いては、出力分圧Vthは、ボルテージホロワとして機能
するオペアンプ63を介して、周辺の抵抗器64a〜6
4dとともに差動増幅器を構成するオペアンプ64の一
方の端子へ入力される。一方、オペアンプ64の他方の
端子には、上記作動温度の設定値に対応して定められた
基準電圧V2を与えるための電源65が接続されてい
る。なお、抵抗器68は出力分圧Vthの入力調整用抵抗
器(抵抗値R7)である。オペアンプ64の出力はヒー
タ制御電圧として使用され、その出力電流はトランジス
タ69で増幅されて第二ヒータ15に流れ込む。なお、
オペアンプ64は、出力分圧Vthが基準電圧V2を上回
ったときの出力電流の極性が、トランジスタ69をオフ
とさせるものとなる接続形態で使用される。本実施例で
は、オペアンプ64は反転増幅接続とされ、出力分圧V
thはその負端子に、基準電圧V2は正端子にそれぞれ入
力され、トランジスタ69はNPN型のものが使用され
ている。
【0044】例えば、第二ヒータ15の温度が下がると
サーミスタ17の温度が下り、その電気抵抗値が減少し
てVthは低下する。そして、サーミスタ17の検出温度
(濃度検出半導体層16の温度に対応する)が上記作動
温度よりも低くなると、オペアンプ64への入力電圧V
thが基準電圧V2よりも小さくなり、オペアンプ64か
らはその差に比例した正の電圧が出力される。これによ
り、トランジスタ69はオンとなって第二ヒータ15が
通電され、濃度検出半導体層16の温度は上記作動温度
に近づくように上昇する。一方、入力電圧Vthが基準電
圧V2よりも大きくなると、オペアンプ64の出力は負
となり、トランジスタ69がオフとなるので通電が遮断
される。これにより、サーミスタ17の検出温度は上記
作動温度に近づくように低下する。このようにして、濃
度検出半導体層16の温度は前述の作動温度付近に維持
されることとなる。
【0045】一方、図28(a)は、PWM(pulse wi
sth moduration)制御方式を採用した発熱制御回路の例
を示すものである。この回路150の主体をなすのはP
WM制御回路であり、三角波(あるいはのこぎり波)発
生回路87と、前述のオペアンプ64からのヒータ制御
出力電圧と三角波発生回路87からの出力電圧とがそれ
ぞれ入力される単電源オペアンプ88とを含んで構成さ
れている。単電源オペアンプ88は、ヒータ制御電圧と
三角波入力値との大小関係に応じてゼロ及びゼロでない
一定電圧Vのいずれかを出力するコンパレータとして作
動する(本実施例では、三角波入力値が大きい場合に+
V、ヒータ制御電圧が大きい場合にゼロが出力されるも
のとする)。以下、オペアンプ88をコンパレータ88
とよぶ。
【0046】また、図28(b)は、三角波発生回路8
7の一例を示すものであり、その要部はコンパレータと
して機能するオペアンプ89と、オペアンプ98と抵抗
器97及びコンデンサ99とからなる積分回路100と
からなる。オペアンプ89は、図中A点とB点の電圧加
算値が正であるか負であるかに応じて、それぞれ正負の
最大電圧を出力する。そして、このオペアンプ89の出
力電圧は、ダイオード群92〜95とツェナーダイオー
ド96により、0Vに対する正負の電圧が一定値VZDの
方形波となり、これが積分回路100によって0Vに対
する正負の最大振幅がVZDの三角波に変換される。な
お、三角波の周期λ(図29)は、積分回路100の抵
抗器97の抵抗値とコンデンサ99の容量に応じて調整
できる。発生した三角波は、オペアンプ101により所
定の振幅に増幅されて図28(a)のコンパレータ88
に出力される。
【0047】図29は、PWM制御回路の作動説明図で
あり、コンパレータ88の入力において、ヒータ制御電
圧値Viが三角波入力Vtよりも小さくなっている期間に
おいてはコンパレータ88の出力は+Vとなり、そうで
ない場合はゼロとなる。これにより、コンパレータ88
はデューティ比が{(Vi+Vmax)/2Vmax}×λ
(ただし、−Vmax≦Vi≦+Vmax、Vmaxは三角波入力
の最大振幅)のPWM波を出力することとなる。このP
WM波出力により図28(a)のトランジスタ82が高
速でスイッチングされ、ヒータ15は上記デューティ比
により断続的に通電される。そして、このデューティ比
がヒータ制御電圧値Viに応じて変化することにより、
ヒータ15の発熱が調整される。
【0048】図5に戻り、全領域酸素センサ3は、その
酸素ポンプ素子5の出力電流値(以下、ポンプ電流とい
う)Iが電流検出用抵抗器70(抵抗値RJ)とオペア
ンプ71により電圧変換され、さらにA/D変換器72
でデジタル化されて、マイクロプロセッサ51に入力さ
れる。なお、71a〜71dは、オペアンプ71を差動
増幅器として機能させるための抵抗器である。図7は、
全領域酸素センサ3の作動制御回路の一例を示してい
る。すなわち、濃淡電池素子4の起電力がオペアンプ7
5(76,77は、それぞれ抵抗値R10、R11のゲイン
調整用抵抗器)で増幅される。該オペアンプ75の出力
は、周辺の抵抗器78a〜78dとともに差動増幅器を
構成するオペアンプ78において基準電圧V3(電源8
1で与えられる)と比較され、該オペアンプ78による
その差動増幅出力が酸素ポンプ素子5に入力される。そ
して、検出空間8に排気ガスが導入されると、濃淡電池
素子4には対応する濃淡電池起電力が発生し、その濃淡
電池起電力に応じたポンプ電流Iがオペアンプ78から
出力され、酸素ポンプ素子5は検出空間8への酸素を汲
み込み又は汲み出しを行う。そして、検出空間8内の酸
素濃度が、基準電圧V3に対応して定まる値に到達した
ときのポンプ電流Iは、排気ガス中の酸素濃度を反映し
た値となる。そして、図5において、電流検出用抵抗器
70の両端電圧の差(すなわちポンプ電流Iによる電流
検出用抵抗器70での電圧降下)を増幅するオペアンプ
71の出力電圧は、該ポンプ電流Iに対応した値とな
る。
【0049】次に、マイクロプロセッサ51のRAM5
3にはCPU52のワークエリア53aが形成されてい
る。また、ROM54には、センサシステム50の被検
出成分の検出出力制御を司る制御プログラム54aと、
下記の各マップデータが記憶されている。 酸素センサ出力−酸素濃度マップ54b:図10に示
すように、全領域酸素センサ3のポンプ電流Iの値を、
各ポンプ電流Iが示す排気ガス中の酸素濃度Cの値と対
応付けて記憶する。該マップ54bは、例えば図23に
示す実験データに基づいて作成することができる。 HC濃度−電気抵抗値マップ54c:図11に示すよ
うに、濃度検出半導体層16の電気抵抗値R(ただし、
Rは前述の温度補償された値R1−R2とする)と、各電
気抵抗値Rの示す排気ガス中のHC濃度(被検出成分濃
度)CHCとの関係を、酸素濃度Cの各種値毎に示す。
【0050】以下、センサシステム50の作動について
フローチャートを用いて説明する。まず、排気ガスセン
サ1を排気管に取り付け、その各部を図5〜図7に示す
ように回路接続する。次いで、全領域酸素センサ3の第
一ヒータ9に通電して、濃淡電池素子4と酸素ポンプ素
子5とを作動温度に加熱するとともに、図7の回路によ
り酸素ポンプ素子5を作動させる。また、図6の回路に
より第二ヒータ15を作動させて濃度検出半導体層16
(図1)を作動温度に加熱する。
【0051】この状態で排気ガスを導入すると、その排
気ガス中の酸素濃度を全領域酸素センサ3が、被検出成
分としてのHCの濃度を被検出成分濃度検出素子2がそ
れぞれ検出して、それぞれ対応する出力がマイクロプロ
セッサ51に入力される。図17に示すようにマイクロ
プロセッサ51では、クロック回路55からのクロック
パルスを参照して検出タイミングの計測を行い、S1で
検出タイミングが到来したら、S2でポンプ電流Iの情
報(すなわち、オペアンプ59の出力)のサンプリング
を行い、S3で酸素センサ出力−酸素濃度マップ54b
を参照してポンプ電流Iに対応する酸素濃度COを補間
法により決定する。なお、図10に示すように、マップ
54bに代えてポンプ電流Iと酸素濃度COとの関係を
示す関数式(CO=f(I))を記憶しておき、該式に
基づいてCOを計算するようにしてもよい(以下の各マ
ップについても同様)。
【0052】次に、S4において、決定された酸素濃度
COにおけるHC濃度CHCと電気抵抗値Rとの関係示す
マップを、HC濃度−電気抵抗値Rマップ54cを用い
て作成し、S5においてこれをRAM53内のマップ格
納エリア53bに格納する。マップ作成方法の概念を図
15に示している。すなわち、決定された酸素濃度COx
が、マップ54c上のCOmとCOnとの間の値(ただし、
COm>COnとする)であったとすれば、各電気抵抗値R
p(p=1,2,3,‥‥)に対応するHC濃度CHCpx
(p=1,2,3,‥‥)は、酸素濃度COm、COx及び
COnの各値と、酸素濃度COm及びCOnにおいて電気抵抗
値Rpに対応するHC濃度CHCpm及びCHCpn(p=1,
2,3,‥‥)の値とを用いて、図15(b)に示す直
線補間の原理により、図15(a)の(9)式を用いて算
出することができる。
【0053】次に、S6において、濃度検出半導体層1
6の電気抵抗値Rの情報(すなわち、オペアンプ59の
出力)のサンプリングを行い、S7において、上記サン
プリングされた電気抵抗値Rに対応するHC濃度を、R
AM53に格納されたマップ54を参照して補間法によ
り決定し、決定された値をHC濃度の最終的な検出値と
して出力する。以下、検出タイミングが到来する毎に、
S1以下の処理が繰り返される。
【0054】なお、図3(d)に示すように、濃度検出
半導体層16とサーミスタ17とを互いに異なる材質の
酸化物半導体で構成することもできる。この場合、図9
(b)に示すように、両者のベース抵抗値は各温度にお
いて互いに異なるものとなるので、濃度検出半導体層1
6側の分圧電圧Vdとサーミスタ17側の分圧電圧Vth
とは差分を取らずに、図8(a)に示すように、それぞ
れ独立にA/D変換器62a及び62bを介してマイク
ロプロセッサ51に入力するようにする。そして、図5
のROM54には、図16に示すように、各温度毎及び
各酸素濃度毎のHC濃度−電気抵抗値Rマップ54dを
記憶する一方、サーミスタ17からの入力を用いて濃度
検出半導体層16の温度Txを決定し、該Txを挟んで隣
接する温度Tm,Tnのマップ間で補間を行って、温度T
xにおけるマップを作成し、さらにその作成された温度
Txのマップ上で前述と同様の方法により、決定された
酸素濃度COxに対応するHC濃度−電気抵抗値Rマップ
を作成して、そのマップに基きHC濃度CHCを決定する
ようにすればよい。
【0055】なお、第二ヒータ15の発熱制御を精密に
行うことで、濃度検出半導体層16の温度変動を十分小
さくできる場合には、温度変化に起因した測定中のベー
ス抵抗値R0の変動も小さくなるから、図8(b)に示
すように、オペアンプ59により濃度検出半導体層16
側の電圧とサーミスタ17側の電圧との差分を取らず
に、濃度検出半導体層16側の電圧のみをマイクロプロ
セッサ51に入力するようにしてもよい。
【0056】また、濃度検出半導体層16に使用される
酸化物半導体の種類と、被検出成分との種類によって
は、濃度検出半導体層16が示すベース抵抗値R0が、
排気ガス中の酸素濃度COに応じて変化しても、濃度検
出半導体層16の検出抵抗値をRとしてRC=(R0−
R)/Rにより表される換算抵抗値RCがCH濃度CCH
との間で、酸素濃度COによらずほぼ一定の関係を示す
ことがある。例えば、図25は、HCがプロピレンであ
り、酸化物半導体がSnO2である場合について、濃度
検出半導体層16の抵抗値R1とHC濃度CDとを各酸素
濃度毎に測定した例を示している。このように、R1と
CDとは酸素濃度毎に異なった依存性を示すが、図26
に示すベース抵抗値R0を用いてRCを計算し、このRC
の値をHC濃度CDに対してプロットすれば、図27に
示すように、酸素濃度CによらずRCはほぼ一定のHC
濃度依存性を示していることがわかる。これを利用すれ
ば、HC濃度を決定するためのマップデータの量を減ず
ることができ、ひいてはより効率的なHC濃度の決定処
理が可能となる。以下、その例について説明する。
【0057】まず、回路構成は、図8(b)に示す形態
とする。また、図5のROM54には、前述の酸素セン
サ出力−酸素濃度マップ54bの他に、以下のマップを
格納しておく。 酸素濃度−ベース抵抗マップ54e(R0−CO関係情
報):図12に示すように、排気ガス中の酸素濃度CO
の値と、各酸素濃度COにおける濃度検出半導体層16
のベース抵抗R0の値と対応付けて記憶する。なお、本
実施例の場合は、ベース抵抗値R0に対応する端子20
aの分圧電圧の値で代用してもよい。図26は、濃度検
出半導体層16のベース抵抗値R0と酸素濃度Cとの関
係を測定した実験データ(酸化物半導体としてSnO2
を使用)を示しており、これに基づいて該マップ54e
を作成することができる。 HC濃度−RCマップ54f(RC−CD関係情報):
図14に示すように、濃度検出半導体層16の電気抵抗
値R(ただし、Rは前述の温度補償された値R1−R2と
する)と、ベース抵抗値R0とを用いてRC=(R0−
R)/Rにより表される換算抵抗値RCと、各換算抵抗
値RCが示す排気ガス中のHC濃度(被検出成分濃度)
CDとの関係を示す。
【0058】その場合の処理の流れを図18に示してい
る。S11〜S13までは、図17のS1〜S3と同じ
である。次に、S14において、決定された酸素濃度C
Oに対応するベース抵抗値R0を、酸素濃度−ベース抵抗
マップ54eを参照して補間法により決定する。また、
S15において、濃度検出半導体層16の電気抵抗値R
の情報(すなわち、オペアンプ59の出力)のサンプリ
ングを行い、S16において、上記決定されたベース抵
抗値R0とサンプリングされた電気抵抗値Rとを用い
て、前述の換算抵抗RCを計算する。そして、S17に
おいて、計算されたRCに対応するHC濃度をHC濃度
−RCマップ54fを参照して補間法により決定し、決定
された値をHC濃度の最終的な検出値として出力する。
以下、検出タイミングが到来する毎に、S11以下の処
理が繰り返される。
【0059】なお、全領域酸素センサ3の出力を、上述
のようにHC濃度の補正処理にのみ使用する場合は、酸
素センサ出力−酸素濃度マップ54bと酸素濃度−ベー
ス抵抗マップ54eとに代えて、図13に示すように、
酸素センサ出力としてのポンプ電流値Iにベース抵抗値
R0を対応させたマップ54gを用い、Iの値から直接
R0を決定するようにしてもよい。
【0060】図19(a)に示すように、濃度検出半導
体層16及びサーミスタ17は、第一ヒータ9の、酸素
ポンプ素子5に面さない側の板面上に形成することもで
きる。この場合、同図(b)に示すように、ヒータ9の
発熱部9aが検出空間8に対応して位置している場合、
濃度検出半導体層16とサーミスタ17とは、酸素ポン
プ素子5よりも低温となるように、該発熱部9aから所
定の距離だけ離間した位置に形成しておくことが望まし
い。なお、該構成において第一ヒータ9は、被検出成分
濃度検出素子2を加熱するヒータにも兼用されており、
濃度検出半導体層16及びサーミスタ17とともに被検
出成分濃度検出素子2を構成していると見ることができ
る。一方、図20に示すように、濃度検出半導体層16
及びサーミスタ17は、濃淡電池素子4の検出空間8に
面さない側の板面上に形成することもできる。この場合
は、濃度検出半導体層16は、第一ヒータ9の発熱によ
り濃淡電池素子4を介して間接的に加熱されることとな
る。これらにおいて、第一ヒータ9の温度制御が図示し
ない別の制御系により精密に行われ、濃度検出半導体層
16の温度変動を比較的小さく抑さえることができる場
合には、サーミスタ17を省略してもよい。
【0061】以下、上記排気ガスセンサ1あるいはセン
サシステム50の応用例について説明する。まず、図2
1はガソリンエンジンの排気ガス浄化システムを模式的
に示しており、排気管に対しエンジンに近い側から、エ
ンジンの空燃比制御のための酸素センサと、排気ガス
中のHCの酸化とNOXの還元とを同時に行ってこれを
浄化する三元触媒コンバータとが配置されており、そし
てそのさらに下流側に本発明の排気ガスセンサ1が取り
付けられている。該排気ガスセンサ1は、触媒の劣化判
別のために浄化後の排気ガス中のHC濃度を測定すると
ともに、全領域酸素センサの出力(ポンプ電流I)をH
C濃度検出値の補正用だけでなく、酸素センサの劣化
状態監視用の酸素濃度検出出力としても使用している。
【0062】一方、図22は、ディーゼルエンジンの排
気ガス中の排気ガス浄化システムを模式的に示してお
り、排気管に対しエンジンに近い側から、HC源として
の軽油を排気ガス中に噴射するための軽油噴射弁と、N
X浄化触媒とがこの順序で配置されており、該NOX
化触媒は軽油噴射により添加されたHCを還元剤として
NOXを窒素と酸素とに分解することによりこれを浄化
する働きをなす。そして、本発明の排気ガスセンサ1は
上記NOX浄化触媒の上流側に配置され、排気ガス中に
噴射すべき軽油の量をフィードバック制御するために、
軽油噴射後の排気ガス中のHC濃度をモニタする役割を
果たすとともに、その全領域酸素センサの出力をエンジ
ン空燃比制御のための酸素濃度検出出力として使用して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガスセンサの一例を示す分解斜視
図及びその内部構造を示す一部切欠き斜視図。
【図2】図1の排気ガスセンサの断面模式図。
【図3】被検出成分濃度検出素子の平面図と、その細部
の説明図。
【図4】被検出成分濃度検出素子の製造工程を示す分解
斜視図。
【図5】本発明のセンサシステムの一例におけるその電
気的構成を示すブロック図。
【図6】第二ヒータの発熱制御部の一例を示す回路図。
【図7】全領域酸素センサの作動制御部の一例を示す回
路図。
【図8】センサシステムのいくつかの変形例の電気的構
成を示すブロック図。
【図9】サーミスタと濃度検出半導体層の電気抵抗値と
HC濃度との関係を模式的に示す図。
【図10】補正参照情報を構成する第一のデータマップ
の説明図。
【図11】同じく第二のデータマップの説明図。
【図12】同じく第三のデータマップの説明図。
【図13】同じく第四のデータマップの説明図。
【図14】同じく第五のデータマップの説明図。
【図15】上記第五のデータマップを用いた補間演算の
説明図。
【図16】補正参照情報を構成する第六のデータマップ
の説明図。
【図17】図5のマイクロプロセッサの行う処理の流れ
を示すフローチャート。
【図18】同じく別のフローチャート。
【図19】本発明の排気ガスセンサの変形例を示す断面
模式図。
【図20】同じく別の変形例を示す断面模式図。
【図21】本発明の排気ガスセンサの応用例を示す模式
図。
【図22】同じく別の応用例を示す模式図。
【図23】酸素ポンプ電流と酸素濃度との関係の一例を
示すグラフ。
【図24】各種酸素濃度における濃度検出半導体層の電
気抵抗値の温度依存性の一例を示すグラフ。
【図25】各種酸素濃度における濃度検出半導体層の電
気抵抗値のHC濃度依存性の一例を示すグラフ。
【図26】濃度検出半導体層のベース電気抵抗値の酸素
濃度依存性の一例を示すグラフ。
【図27】各種酸素濃度における濃度検出半導体層の換
算抵抗のHC濃度依存性の一例を示すグラフ。
【図28】発熱制御回路の変形例を示すブロック図。
【図29】ヒータのPWM制御の説明図。
【符号の説明】
1 排気ガスセンサ 2 被検出成分濃度検出素子 3 全領域酸素センサ(酸素濃度検出素子) 4 濃淡電池素子 5 酸素ポンプ素子 8 検出空間 9 第一ヒータ 15 第二ヒータ 16 濃度検出半導体層(濃度検出部) 17 サーミスタ(温度検出部) 23 ガス遮断層 50 排気ガスセンサシステム 51 マイクロプロセッサ 51a I/Oポート(補正出力手段) 52 CPU(被検出成分濃度出力情報決定手段、補正
出力手段) 54 ROM(補正参照情報記憶手段) 150 発熱制御回路(発熱制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 由美 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 大島 崇文 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスとの接触に伴い該排気ガス中の
    被検出成分濃度に応じて電気抵抗値を変化させる酸化物
    半導体で構成された濃度検出部を有し、該濃度検出部の
    電気抵抗値を反映した情報(以下、濃度検出電気抵抗情
    報という)を、前記排気ガス中の被検出成分濃度の検出
    情報として出力する被検出成分濃度検出素子と、 前記排気ガス中の酸素濃度を検出し、その酸素濃度の検
    出情報を、前記被検出成分濃度検出素子による前記被検
    出成分濃度の検出情報を補正するための、被検出成分濃
    度補正情報として出力する酸素濃度検出素子と、 を備えたことを特徴とする排気ガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記酸素濃度検出素子は、 酸素イオン伝導性を有する固体電解質により形成され、
    電圧印加に伴い検出空間に対する酸素の汲み込み又は汲
    み出しを行う酸素ポンプ素子と、 酸素イオン伝導性を有する固体電解質により形成され、
    前記酸素ポンプ素子との間に前記検出空間が形成される
    ように、該酸素ポンプ素子に対向して配置されるとも
    に、その検出空間に導入された前記排気ガス中の酸素濃
    度と基準酸素濃度との差に応じた濃淡電池起電力を発生
    する濃淡電池素子と、 それら酸素ポンプ素子と濃淡電池素子とを、所定の作動
    温度に加熱する第一ヒータとを備えるとともに、 前記濃淡電池素子の濃淡電池起電力が予め定められた値
    に維持されるように前記検出空間に対し前記酸素の汲み
    込み又は汲み出しが行なわれるときの、前記酸素ポンプ
    素子に流れる電流を反映した情報(以下、ポンプ電流情
    報という)を、前記酸素濃度の検出情報として出力する
    全領域酸素センサとされ、 前記被検出成分濃度検出素子は、該全領域酸素センサの
    前記検出空間の外側に設けられている請求項1記載の排
    気ガスセンサ。
  3. 【請求項3】 酸素イオン伝導性を有する固体電解質に
    より形成され、電圧印加に伴い検出空間に対する酸素の
    汲み込み又は汲み出しを行う酸素ポンプ素子と、 酸素イオン伝導性を有する固体電解質により形成され、
    前記酸素ポンプ素子との間に前記検出空間が形成される
    ように、該酸素ポンプ素子に対向して配置されるとも
    に、その検出空間に導入された排気ガス中の酸素濃度と
    基準酸素濃度との差に応じた濃淡電池起電力を発生する
    濃淡電池素子と、 それら酸素ポンプ素子と濃淡電池素子とを、所定の作動
    温度に加熱する第一ヒータとを備えるとともに、 前記濃淡電池素子の濃淡電池起電力が予め定められた値
    に維持されるように前記検出空間に対し酸素の汲み込み
    又は汲み出しが行なわれるときの、前記酸素ポンプ素子
    に流れる電流を反映した情報(以下、ポンプ電流情報と
    いう)を、前記排気ガス中の酸素濃度の検出情報として
    出力する全領域酸素センサと、 該全領域酸素センサの前記検出空間の外側に設けられる
    とともに、前記排気ガスとの接触に伴い、その被検出成
    分濃度に応じて電気抵抗値を変化させる酸化物半導体で
    構成された濃度検出部を有し、該濃度検出部の電気抵抗
    値を反映した情報(以下、濃度検出電気抵抗情報とい
    う)を、前記排気ガス中の被検出成分濃度の検出情報と
    して出力する被検出成分濃度検出素子と、 を備えたことを特徴とする排気ガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記被検出成分濃度検出素子は、 前記濃度検出部を所定の作動温度に加熱するための第二
    ヒータと、 前記濃度検出部の近傍に配置されて該濃度検出部の温度
    を検出し、該温度の検出情報を、前記第二ヒータの発熱
    を制御するための発熱制御情報として出力する温度検出
    部と、 を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の排気ガスセ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 前記濃度検出部は、前記第二ヒータの表
    面に形成された層状の半導体検出部からなる濃度検出半
    導体層とされており、 前記温度検出部は、同じく前記第二ヒータの表面におい
    て、前記濃度検出半導体層に近接して層状に形成され、
    温度に応じてその電気抵抗を変化させるとともに、その
    電気抵抗値を反映した情報(以下、温度検出電気抵抗情
    報という)を前記温度の検出情報として出力するサーミ
    スタである請求項4記載の排気ガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記サーミスタの表面が、前記排気ガス
    との接触を遮断するガス遮断層で覆われている請求項5
    記載の排気ガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記サーミスタは、前記濃度検出半導体
    層と同一材質の酸化物半導体により構成されて、その表
    面が前記ガス遮断層で覆われており、 該サーミスタによる前記温度検出電気抵抗情報の出力と
    前記濃度検出半導体層による濃度検出電気抵抗情報の出
    力との差が、温度補償された前記被検出成分の濃度検出
    情報として取り出される請求項6記載の排気ガスセン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記酸素ポンプ素子と前記濃淡電池素子
    とは、前記検出空間を挟んで互いに対向する板状に形成
    され、また、前記第一ヒータは、それら対向配置された
    酸素ポンプ素子と前記濃淡電池素子との組に対し、その
    酸素ポンプ素子側に対向配置される板状に形成される一
    方、 前記第二ヒータは、前記酸素ポンプ素子と前記濃淡電池
    素子との組に対し、その前記濃淡電池素子側に対向配置
    される板状に形成され、 前記濃度検出半導体層と前記層状のサーミスタとは、前
    記第二ヒータの、前記濃淡電池素子側に面さない板面上
    に形成されている請求項5ないし7のいずれかに記載の
    排気ガスセンサ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の排
    気ガスセンサと、 前記酸素濃度検出素子から出力される前記酸素濃度の検
    出情報に基づいて、前記被検出成分濃度検出素子による
    前記排気ガス中の被検出成分濃度の検出情報を補正する
    とともに、その補正結果が反映された前記被検出成分の
    濃度情報を出力する補正出力手段と、 を備えたことを特徴とする排気ガスセンサシステム。
  10. 【請求項10】 前記補正出力手段は、 前記排気ガス中の被検出成分の濃度と、前記排気ガス中
    の酸素濃度と、前記濃度検出部の電気抵抗値との相互関
    係を示す補正参照情報を記憶する補正参照情報記憶手段
    と、 前記酸素濃度の検出情報と前記濃度検出電気抵抗情報と
    に基づいて、前記補正参照情報を参照しつつ、出力すべ
    き被検出成分濃度の情報を決定する被検出成分濃度出力
    情報決定手段とを備える請求項9記載の排気ガスセンサ
    システム。
  11. 【請求項11】 前記補正参照情報記憶手段は前記補正
    参照情報として、前記濃度検出部の出力抵抗値Rと前記
    排気ガス中の被検出成分濃度CDとの関係を、前記排気
    ガス中の酸素濃度COの各種値毎に示すR−CD−CO関
    係情報を記憶しており、 前記被検出成分濃度出力情報決定手段は、 前記酸素濃度の検出情報が示す酸素濃度COにおいて、
    前記濃度検出電気抵抗情報が示す前記濃度検出部の抵抗
    値(以下、出力抵抗値という)Rと前記排気ガス中の被
    検出成分濃度CDとの関係を示すR−CD関係情報を、前
    記R−CD−CO関係情報を参照して決定し、 前記濃度検出部の出力抵抗値Rに対応する前記被検出成
    分濃度CDの値を、前記決定されたR−CD関係情報を参
    照して、前記出力すべき被検出成分濃度の情報として決
    定するものである請求項10記載の排気ガスセンサシス
    テム。
  12. 【請求項12】 前記補正参照情報記憶手段は前記補正
    参照情報として、 前記排気ガス中に前記被検出成分が実質的に存在しない
    場合に前記濃度検出部が示すベース抵抗値R0と、前記
    排気ガス中の酸素濃度COとの関係を示すR0−CO関係
    情報と、 前記濃度検出部の出力抵抗値Rと前記ベース抵抗値R0
    とを用いてRC=(R0−R)/Rにより表される換算抵
    抗値RCと、前記排気ガス中の被検出成分濃度CDとの関
    係を示すRC−CD関係情報とを記憶しており、 前記被検出成分濃度出力情報決定手段は、 前記酸素濃度の検出情報が示す酸素濃度COでの前記ベ
    ース抵抗値R0を、前記R0−CO関係情報を参照して決
    定し、 前記濃度検出電気抵抗情報が示す前記濃度検出部の抵抗
    値Rと前記決定されたベース抵抗値R0とにより、前記
    換算抵抗値RCを算出し、 さらに、その算出された換算抵抗値RCに対応する被検
    出成分濃度CDの値を、前記RC−CD関係情報を参照し
    て、前記出力すべき被検出成分濃度の情報として決定す
    るものである請求項10記載の排気ガスセンサシステ
    ム。
  13. 【請求項13】 前記温度検出部による温度検出情報に
    基づいて、前記濃度検出部の温度が所定の温度域に収ま
    るように、前記第二ヒータの発熱を制御する発熱制御手
    段を備える請求項9ないし12のいずれかに記載の排気
    ガスセンサシステム。
  14. 【請求項14】 前記発熱制御手段は、前記濃度検出部
    の温度を前記酸素濃度検出素子の作動温度よりも低温と
    なるように、前記第二ヒータの発熱を制御するものであ
    る請求項13記載の排気ガスセンサシステム。
  15. 【請求項15】 前記サーミスタは、前記濃度検出半導
    体層と同一材質の酸化物半導体により構成されて、その
    表面が前記ガス遮断層で覆われており、 該サーミスタによる前記温度検出電気抵抗情報の出力と
    前記濃度検出半導体層による濃度検出電気抵抗情報の出
    力との差が、温度補償された前記被検出成分の濃度検出
    情報として取り出される請求項9ないし14のいずれか
    に記載の排気ガスセンサシステム。
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