JPH10266047A - 筒状編地の編成方法 - Google Patents
筒状編地の編成方法Info
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Abstract
に増し目を形成する際に、増し目箇所に生じる孔を目立
たなくすることのできる筒状編地の編成方法を開示す
る。 【解決手段】増し目形成箇所がその編成コースにおける
編成方向下手側の編地側端部となる第1の筒状編地の編
成コースにおいて編成する編地の前後と前後が一致する
側の給糸口を先行の給糸口として使用するとともに、第
1の筒状編地を編成する工程が以下の工程を含むことを
特徴とする;(1)先行の第1の給糸口により第1の編
地を編成するとともに、そのコースの編成方向下手側に
位置する第2の針ベッドの針、続いて第1の針ベッドの
針に編成方向に従って給糸する工程(2)後行の第2の
給糸口により第1の編地を編成するとともに、前記工程
1で第1の給糸口により新たに編糸を係止させた針の
内、何れか一方の針に再度給糸する工程。
Description
の針ベッドを有し、その前後何れか一方または双方の針
ベッドが左右摺動可能に構成される横編機を使用し、第
1、第2の給糸口を使用するダブルシステム編成による
筒状編地の編成方法、殊に増し目形成の方法に関する。
際に、前後両針ベッドでそれぞれ編地を編成するととも
に、前後の編地がその両端部で連続する筒状の編地とし
て編成し、編幅を増減して筒径を変化させ所望の形状と
することで、編成完了後の縫製作業を軽減する編成方法
が種々検討されており、これらの編成方法は無縫製編み
と呼ばれる。無縫製編みを行うための一つの技術として
編幅を増加させる増し目形成方法がある。従来の増し目
形成方法では増し目形成箇所に孔が生じるという問題が
あった。この問題を解決するため増し目形成箇所に生じ
る孔を目立ち難くする増し目形成方法が種々検討されて
おり、本出願人は先に特開平2−133637号公報に
開示される増し目形成方法を提案している。
んで左右両袖部を配置し、それぞれの部分を個別の給糸
口を使用して筒状編成する。裾ゴム部から衿首部に向か
って編成した身頃部と、袖口部から脇部分に向かって編
成した袖部を脇部分において身頃部側に移動させ、身頃
部の編成と並行して袖部のループを身頃部のループと重
ね合わせ、該重ね合わせたループに次コースのループを
形成することで身頃部と袖部を連結する。袖部は袖口部
分から脇部分に向かって徐々に筒径を拡げて編成され
る。その際、袖の身頃部側に隣接し着用時に隠れる側端
部で増し目を行い、外側に現れる身頃部側とは反対側の
編地側端部では増し目を形成せずに編成することで編地
の外観を損なわないようにしている。編地の編成を効率
よくするため、先行と後行の2つの給糸口と、該2つの
給糸口を使用して編成を行うための少なくとも2つの編
成システムを有する横編機を使用し、2つの給糸口を先
行または後行として針ベッドの長手方向に位相を異なら
せた状態で走行させ、先行の給糸口と後行の給糸口でそ
れぞれループを形成するダブルシステム編成を行う。し
かしながら、ダブルシステム編成により前後両針ベッド
の針に環状に給糸して筒状編地を編成した場合、給糸口
の進行方向の反転位置となる編地側端部の一方で先行の
給糸口の編糸と後行の給糸口の編糸が交差が生じ、この
交差により回りのループが引っ張られ編地端縁に孔が生
じるという問題があった。
す給糸口Bを使用してダブルシステム編成を行った場合
の給糸口の位置関係を示す図である。給糸口Aは編機前
面側から見て手前側(前側)に位置するガイドレール上
(図示なし)に設けられ、給糸口Bは奥側(後側)に位
置するガイドレール上に設けられる。図中の左右方向の
矢印は編成方向を示し、例えば前側編地FFを編成する
時は左方向に給糸口を移動させて編成を行い、先行の給
糸口として給糸口Bが、後行の給糸口として給糸口Aを
使用することが示されている。同様に右方向の矢印は後
側編地BFを右方向に向かって先行の給糸口に給糸口B
と、後行の給糸口に給糸口Aを使用して編成することを
示している。編地の両側にその編成コースの編成が完了
した時点での給糸口の位置を示す。図1において左方向
に向かって前側編地FFを編成した場合には給糸口Aお
よび給糸口Bは筒状編地の左側に位置しており、反対に
右方向に向かって後側編地BFを編成した場合には給糸
口A、Bは筒状編地の右側に位置する。右方向に向かっ
て後側編地BFの編成が完了した時点では、編地から給
糸口Bに延びる編糸の上方を給糸口Aに延びる編糸が通
過する状態となり、次のコースにおいて給糸口Bを先行
の給糸口として編成を行うことで給糸口Aの編糸と給糸
口Bの編糸が交差し、星印で示す編地の右側の端部で編
糸の交差が発生する。上記図8に示すように編糸同士の
交差が発生するのは、編成する側の編地の前後と先行の
給糸口として使用する給糸口の前後が一致した場合、つ
まり後側編地BFを右方向に向かって編成する場合に
は、後側のガイドレール上に位置する給糸口Bを先行の
給糸口として使用した場合編地の右側の編地側端部で編
糸の交差が発生する。
題に鑑み、ダブルシステム編成により第1の筒状編地と
第2の筒状編地を針ベッド上の異なる領域で編成する際
に、増し目形成箇所に発生する孔を目立ち難くすること
のできる筒状編地の編成方法、およびダブルシステム編
成時に一方の編地側端部において生じる孔を目立ち難く
することのできる筒状編地の編成方法に関する。
ため、本発明の筒状編地の編成方法は、少なくとも前後
一対の針ベッドを有し、その前後何れか一方または双方
の針ベッドが左右摺動可能に構成され、前後異なるガイ
ドレール上を往復動可能に構成され、第1、第2の給糸
口を有し、少なくとも2以上の編成システムを有する横
編機を使用し、第1および第2の給糸口を先行および後
行の給糸口として使用するダブルシステム編成により編
成される第1の編地と第2の編地がその両端において連
結されてなる第1の筒状編地と、第1の筒状編地が編成
される領域と異なる領域の針を使用して編成され、同じ
く第1の編地と第2の編地が両端において連結されてな
る第2の筒状編地を編成し、第1の筒状編地の第2の筒
状編地側の編地側端部で増し目を形成し所望の筒径とし
た後、第1の筒状編地の第2の筒状編地側の側端のルー
プを第2の筒状編地のループを重ね合わせ、該重ね合わ
せたループに次コースのループを形成する編成を繰り返
すことで第1の筒状編地と第2の筒状編地を連結してな
る編地の編成過程において、増し目形成箇所がその編成
コースにおける編成方向下手側の編地側端部となる第1
の筒状編地の編成コースにおいて編成する編地の前後と
前後が一致する側の給糸口を先行の給糸口として使用す
るとともに、第1の筒状編地に増し目を形成する工程が
以下の工程を含むことを特徴とする; (1) 先行の第1の給糸口により第1の編地を編成す
るとともに、そのコースの編成方向下手側に位置する第
2の針ベッドの針、続いて第1の針ベッドの針に編成方
向に従って給糸する工程 (2) 後行の第2の給糸口により第1の編地を編成す
るとともに、前記工程1で第1の給糸口により新たに編
糸を係止させた針の内、何れか一方の針に再度給糸する
工程。
た編成工程に続き次の工程を含むことも特徴の一つであ
る; (1) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第2の
給糸口により第1の編地を編成する工程 (2) 後行の第1の給糸口により第1の編地を編成す
る工程 (3) 第1、第2の給糸口を反転させた後、先行の第
2の給糸口により第2の編地を編成するとともに、前記
新たに第1の針ベッドの針に係止させたループを保持し
ている針に給糸し、続けて編成方向下手側に隣接する第
2の針ベッドの針に給糸する工程 (4) 後行の第1の給糸口により第2の編地を編成す
るとともに、前記工程4で第1の針ベッドの編糸を供給
した針にタックする工程 (5) 先行の第1の給糸口により第2の編地を前記工
程3と反対方向に編成する工程 (6) 後行の第2の給糸口により第2の編地を前記工
程4と反対方向に編成する工程。
記した編成工程に続き次の工程を含むことも特徴の一つ
である; (1) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第1の
給糸口により第2の編地を編成する工程 (2) 後行の第2の給糸口により第2の編地を編成す
る工程 (3) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第1の
給糸口により第1の編地を編成する工程 (4) 第2の給糸口により第1の編地を編成する工程 (5) 再度第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第
1の給糸口により前記工程1で第1の針ベッドの針に新
たに編糸を係止させた編針に給糸してニットを行うとと
もに、第2の編地を編成する工程 (6) 後行の第2の給糸口により前記工程5でニット
した第1の針ベッドの針に給糸してタックするととも
に、第2の編地を編成する工程。
なくとも前後一対の針ベッドを有し、その前後何れか一
方または双方の針ベッドが左右摺動可能に構成され、前
後異なるガイドレール上を往復動可能に構成され、第
1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以上の編成シス
テムを有する横編機を使用し、第1および第2の給糸口
を先行および後行の給糸口として使用するダブルシステ
ム編成により編成される第1の編地と第2の編地がその
両端において連結されてなる第1の筒状編地と、第1の
筒状編地が編成される領域と異なる領域の針を使用して
編成され、同じく第1の編地と第2の編地が両端におい
て連結されてなる第2の筒状編地を編成し、第1の筒状
編地の第2の筒状編地側の編地側端部で増し目を形成し
所望の筒径とした後、第1の筒状編地の第2の筒状編地
側の側端のループを第2の筒状編地のループを重ね合わ
せ、該重ね合わせたループに次コースのループを形成す
る編成を繰り返すことで第1の筒状編地と第2の筒状編
地を連結してなる編地の編成過程において、増し目形成
箇所がその編成コースにおける編成方向下手側の編地側
端部となる第1の筒状編地の編成コースにおいて編成す
る編地の前後と前後が一致する側の給糸口を先行の給糸
口として使用するとともに、第1の筒状編地に増し目を
形成する工程が以下の工程を含むことも特徴の一つであ
る; (1) 先行の第1の給糸口により第1の編地の編成方
向下手側の側端のループを除く第1の編地のループを係
止している針に給糸してニットするとともに、第1の編
地の側端のループの編成方向下手側に位置する針に給糸
する工程 (2) 後行の第2の給糸口により第1の編地を編成す
る工程 (3) 第1、第2の給糸口を反転させるとともに、先
行の第1の給糸口により第2の編地を編成する工程 (4) 後行の第2の給糸口により前記工程1で新たに
編糸を係止させた第2の針ベッドの針の編成方向上手側
に位置する針に給糸するとともに、第2の編地を編成す
る工程。 上記した各発明の構成によれば、第1の筒状編地と第2
の筒状編地を針ベッド上の異なる領域を使用して編成
し、第1の筒状編地の第2の筒状編地側の編地側端部に
増し目を形成する際に、第1の筒状編地の増し目が形成
される第2の筒状編地側の編地側端部に向かって編成を
行うコースにおいて編成される編地の前後と一致する側
の給糸口を先行の給糸口として使用して増し目を形成し
た後、第1の筒状編地を第2の筒状編地側に移動させ、
第1の筒状編地の第2の筒状編地側のループから順に第
2の筒状編地のループと重ねあわせて第1の筒状編地と
第2の筒状編地を接続する。それにより、第1の筒状編
地の増し目が形成される側の編地側端部と、編糸の交差
が発生する側の編地側端部が同じ編地側端部となり、編
糸の交差および増し目形成箇所に生じる孔を目立ち難く
することができる。また、増し目形成箇所及び編糸が交
差が生じる側の編地側端部が第2の筒状編地により隠れ
目立ち難くすることができる。
し目の形成に先立ち、増し目を形成する側の編地側端部
において前後両針ベッドの針に係止されるループの内、
最外側に位置するループが係止されている側の針ベッド
の外側から2本分の針と、対向する針ベッド上の側端に
位置する針とに給糸口の進行方向に従って交互に給糸
し、次コースにおいては、前記対向する針ベッド上の前
記側端に位置する針を除くそれ以外の針に給糸する孔埋
め編成を行うことも特徴の一つである。上記した発明の
構成によれば、増し目形成箇所で前後の編地のループが
互いに引き寄せられ、ループ間が開くことがなく、増し
目箇所に生じる孔を更に一層目立ち難くすることができ
る。
なくとも前後一対の針ベッドを有し、その前後何れか一
方または双方の針ベッドが左右摺動可能に構成され、前
後異なるガイドレール上を往復動可能に構成され、第
1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以上の編成シス
テムを有する横編機を使用し、第1および第2の給糸口
を先行および後行の給糸口として使用するダブルシステ
ム編成により編成される第1の編地と第2の編地がその
両端において連結されてなる第1の筒状編地と、第1の
筒状編地が編成される領域と異なる領域の針を使用して
編成され、同じく第1の編地と第2の編地が両端におい
て連結されてなる第2の筒状編地を編成し、第1の筒状
編地の第2の筒状編地側の編地側端部で増し目を形成し
所望の筒径とした後、第1の筒状編地の第2の筒状編地
側の側端のループを第2の筒状編地のループを重ね合わ
せ、該重ね合わせたループに次コースのループを形成す
る編成を繰り返すことで第1の筒状編地と第2の筒状編
地を連結してなる編地の編成過程において、増し目形成
箇所がその編成コースにおける編成方向下手側の編地側
端部となる第1の筒状編地の編成コースにおいて編成す
る編地の前後と前後が一致する側の給糸口を先行の給糸
口として使用するとともに、第1の筒状編地に増し目を
形成する工程が以下の工程を含むことも特徴の一つであ
る;(1) 第1の編地の側端のループを係止している
針が第2の編地の側端のループを係止している針よりも
増し目を形成する側に位置するように第1または第2の
針ベッドをラッキングする工程(2) 先行の第1の給
糸口で第1の編地の編成方向下手側の側端に位置するル
ープを係止している針を除き、第1の編地のループを係
止している針に給糸するとともに、編成方向下手側に位
置する第2の針ベッドの針に給糸する工程(3) 後行
の第2の給糸口で第1の編地のループを係止している針
および編成方向下手側に位置する第2の針ベッドの針に
給糸する工程(4) 第1、第2の給糸口を反転させ、
先行の第1の給糸口により第2の編地の編成方向上手側
の側端に位置するループを係止している針を除く第2の
編地を係止している針に給糸してニットする工程(5)
後行の第2の給糸口により前記工程2および工程3で
新たに編糸を係止させた第2の針ベッドの針および第2
の編地のループを係止している針に給糸する工程(6)
前記工程3で第2の針ベッドの針に新たに係止させた
編糸に続いて形成されたループを対向する針ベッド上の
編針に目移しする工程。上記した発明の構成によれば、
第1の筒状編地の増し目が形成される第2の筒状編地側
の編地側端部に向かって編成を行うコースにおいて編成
される編地の前後と一致する側の給糸口を先行の給糸口
として使用して増し目を形成した後、第1の筒状編地を
第2の筒状編地側に移動させ、第1の筒状編地の第2の
筒状編地側のループから順に第2の筒状編地のループと
重ねあわせて第1の筒状編地と第2の筒状編地を接続す
る。それにより、第1の筒状編地の増し目が形成される
側の編地側端部と、編糸の交差が発生する側の編地側端
部が同じ編地側端部となり、編糸の交差および増し目形
成箇所に生じる孔を目立ち難くすることができる。また
増し目形成箇所及び編糸が交差が生じる側の編地側端部
が第2の筒状編地により隠れ目立ち難くすることができ
る。増し目を形成する際は、第1の編地の側端のループ
を係止した針が第2の編地の側端のループを係止した針
よりも増し目を形成する側に位置する状態に第1または
第2の針ベッドをラッキングした状態で増し目の形成が
行われる。
なくとも前後一対の針ベッドを有し、その前後何れか一
方または双方の針ベッドが左右摺動可能に構成され、前
後異なるガイドレール上を往復動可能に構成され、第
1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以上の編成シス
テムを有する横編機を使用し、第1および第2の給糸口
を先行および後行の給糸口として使用するダブルシステ
ム編成により編成される第1の編地と第2の編地がその
両端において連結されてなる筒状編地を編成する方法に
おいて、先行の給糸口と後行の給糸口の編糸の交差が発
生する側の編地側端部に向かって編成する際に、編糸の
交差が発生する側の側端に位置する前後一対の編針の
内、何れかの編針に対する給糸を第1の給糸口または第
2の給糸口の何れか一方の編糸で行うことも特徴の一つ
である。上記した発明の構成によれば、編糸の交差する
部分で編地のコース数が他のウエールの半分となりルー
プが伸ばされることで、先行と後行の給糸口の編糸の交
差により生じる孔が隠れ、編糸の交差を目立ち難くする
ことができる。
成方法を図面とともに詳細に説明する。図1Aは本発明
の筒状編地の編成方法により編成されるセーター1の完
成状態を示し、図1Bは図1Aに示すセーター1の編成
が左右両袖部2、3と身頃部の接続が開始される左右両
脇部分4、5までの編成が完了した時点の状態を示し、
図1Cはセーター1の右袖部2を示す図である。セータ
ー1は筒状に編成される身頃部6と、身頃部6を挟み身
頃部の左右の領域を使用して編成される筒状の左右両袖
部2、3が形成される。左右両袖部2、3は身頃部に隣
接する編地側端部で増し目の形成が行われ、左右両袖部
2、3は編成開始箇所となる袖口ゴム編部7、8と、前
側編地FFおよび後側編地BFをそれぞれ2コース編成
する間に1目づつの増し目が形成されるX部と、4コー
ス編成する間に1目づつの増し目が形成されるY部と、
6コース以上編成する間に1目づつの増し目が形成され
るZ部からなる。身頃部6及び左右両袖部2、3はそれ
ぞれ、編機前面側から見て前側(手前側)と後側(奥
側)の異なるガイドレール上に左右摺動可能に構成され
る二つの給糸口を使用するダブルシステム編成により並
行して編成される。左右両袖部分2、3は袖口部分7、
8から脇部分4、5までの編成が完了した時点で身頃部
側に移され、身頃部側に位置するループから順次身頃部
6のループと重ね合わされることで身頃部6と接続され
る。以下本筒状編地の編成方法の実施例について編成コ
ース図2〜図6とともに説明するが、左右両袖部2、3
で行われる編成は、左右反転した状態となる点を除けば
編成方法そのものは同一であるため、以下に示す実施の
形態では右袖部2の編成についてのみ説明する。
使用される本数よりも極少数の針のみを使用して説明す
る。図中左端の数字はコース番号を、その右側の1st
は先行の給糸口での編成を、2ndは後行の給糸口での
編成を示し、Fは前ベッドをBは後ベッドを示す。ま
た、そのコースにおいて右袖部2および身頃部6の編成
に使用する給糸口および編成方向を左右方向の矢印で示
す。右袖部2および身頃部6の編成に使用する給糸口は
先行で使用する給糸口を破線の下側に、後行で使用する
給糸口は破線の上側に示す。給糸口A、は給糸口Bより
も編機前面側に位置し、同様に給糸口Cは給糸口Dより
も編機前面側に位置する。
も前後一対の針ベッドを備え、その前後何れか一方また
は双方の針ベッドが左右摺動可能に構成されるととも
に、針ベッドの長手方向に移動可能に構成される少なく
とも2以上の給糸口を有し、先行と後行の各給糸口で編
成を行うための少なくとも2以上の編成システムを有す
る横編機で実施される。二枚ベッド横編機においては、
奇数番目の針を前側編地編成用の針とし、偶数番目の針
を後側編地編成用の針とし、ループの形成に使用する針
間に目移しに使用する針を配置して編成を行うことで、
裏目編組織を含む編地を筒状に編成することが可能とし
ている。前後一対の針ベッド上にそれぞれ目移し手段を
有する上部補助ベッドを備えた四枚ベッド横編機を使用
する場合には、上部補助ベッドの目移し手段を利用する
ことで、下部ベッドにおいては全針の状態で編成を行う
ことが可能である。説明の便宜上、以下に示す実施の形
態では前側編地FFおよび後側編地BFを平編み組織に
より編成する場合を例に増し目形成箇所での編成に限定
して説明を行う。
して説明する。図2のコース0は増し目の形成開始前の
状態を示し、前ベッドの一本置きの針A・C・Eに係止
されているのが右袖部2の前側編地FFのループであ
り、後ベッドの針B・D・Fに係止されているのが右袖
部3の後側編地BFのループである。また前ベッドの針
M・O・Qに係止されているのが身頃部6の前側編地F
Fのループであり、後ベッドの針N・P・Rに係止され
ているのが身頃部6の後側編地BFのループである。前
後の針Aより左側で行われる編成および前後の針Rより
右側で行われる編成については図示および説明を省略す
る。
D及び前ベッドの針Eと後ベッドの針Fに順に給糸して
右袖部2を編成するのと並行して給糸口Cで後ベッドの
針N・P・Rに給糸して身頃部6を編成する。コース2
では給糸口Aで前ベッドの針C・Aに給糸するととも
に、給糸口Cで前ベッドの針Q・O・Mに給糸する。こ
のコース1からコース2において右袖部2に対し行われ
る編成は、増し目形成開始箇所に生じる孔を目立ち難く
するための孔埋め編成である。この孔埋め編成を増し目
形成前に行うことで、増し目形成開始箇所で前側編地F
Fと後側編地BFのループが、増し目形成箇所でループ
間の間隔が広がるのを防止する。しかしながら、この孔
埋め編成は必ず必要なものではなく、編糸の材質や形成
するループの大きさ等により孔の塞がりが十分でない場
合に行えばよい。増し目を形成する編成が開始されるコ
ース3では、右袖部2において増し目が形成される右側
側端部9に向かって後側編地BFを編成する際に、給糸
口Aによりも編機後方側(奥側)に位置する給糸口Bを
先行の給糸口として使用して後側編地BFのループを係
止している後ベッドの一本置きの針B・D・Fおよび前
ベッドの針Gと後ベッドの針Hに給糸する。後行の給糸
口Bでは同じく後ベッドの一本置きの針B・D・Fに給
糸して後側編地BFを編成するとともに、前ベッドの針
Gに給糸して前側編地FFの構成する編糸を係止してい
る前ベッドの針Gに新たにループを形成する。並行して
身頃部6では先行の給糸口Cで後ベッドの針N・P・R
に給糸してニットし、後行の給糸口Dでは前ベッドの針
Mおよび後ベッドの針N・P・Rに給糸してニットを行
い身頃部6を編成する。上記コース3が編成された状態
では、右袖部で給糸口A、Bの編糸が交差し、身頃部の
給糸口C、Dは交差しない状態にある。コース4では右
袖部2では先行の給糸口Bで前ベッドの一本置きの針G
・E・C・Aに給糸し、後行の給糸口Aでも同じく前ベ
ッドの針G・E・C・Aに給糸してニットする。並行し
て身頃部6では先行の給糸口Cで前ベッドの針Q・Oに
給糸し、後行の給糸口Dでも前ベッドの針Q・Oに給糸
してニットする。以上、コース3からコース4で右袖部
2に対し行った編成を編幅を拡げる方向に向かい空針に
対し繰り返し行えば、右袖部2において前側編地FFお
よび後側編地BFを2コースづつ編成する間に1目ずつ
の増し目が形成され、図1Cに示す袖編地2のX部が形
成される。身頃部6においては、前側編地FFを編成す
る際に前側の給糸口を先行の給糸口として使用すること
で、編糸の交差は身頃部6の左側側端部10で生じる。
この編糸の交差を目立たなくするため、コース3〜4に
おいて前側編地FFの左側側端部のループである針Mの
ループを後側編地をBF編成するコースで形成する。こ
れにより、前ベッドの針Mで形成されるループが半回捻
られた状態のループとして形成されるとともに、針Mで
形成される編地のコース数が他のウエールの半分とな
る。したがって針Mで形成されたループが伸び、ループ
が先行と後行の給糸口の編糸の交差により生じる孔を隠
すことができる。コース3〜コース4に示される編成
は、身頃部の編成の全体においてなされるため、編糸の
交差による側端部の孔の発生を抑えたダブルシステム編
成ができる。この編成は後述する左袖部のZ部での編成
においても実施される。なお以後の身頃部6の編成はコ
ース3〜4に示される編成の繰り返しであるため、以下
の説明においては身頃部6の編成についての説明を省略
する。
れぞれ4コースづつ編成する間に前側編地FFおよび後
側編地BFに1目づつ増し目を形成するY部での編成に
ついて説明する。コース5では右袖部2において先行の
給糸口Bで後ベッドの針B・D・F及び前ベッドの針G
と後ベッドの針Hに給糸してニットし、後行の給糸口A
で後ベッドの針B・D・Fに給糸してニットするととも
に、前ベッドの針Gに給糸してタックして右袖部2を編
成する。この時、先行の給糸口Bにより前ベッドの針G
および後ベッドの針Hに給糸した編糸は、コース3で給
糸した編糸が係止されているため通常のループが形成さ
れる。次にコース6ではコース5において後行の給糸口
として使用した給糸口Aを先行の給糸口として使用して
後ベッドの針F・D・Bに給糸し、後行の給糸口Bで同
じく針F・D・Bに給糸してニットする。このようにコ
ース5以降では、前側編地FFおよび後側編地BFに対
し、増し目形成箇所となる右袖部2の右側側端部9で給
糸口の進行方向を反転させ同じ編地を2コースづつ編成
するC編みを行う。この時、コース6で給糸口Aを先行
の給糸口、給糸口Bを後行の給糸口と切り替えて編成を
行うことで右袖部2の左側側端部11においては編糸の
交差はない。そしてコース7では先行の給糸口Aで前ベ
ッドの針A・C・E・G及び後ベッドの針Hと前ベッド
の針Iに給糸し、後行の給糸口Bで前ベッドの針A・C
・E・G及び後ベッドの針Hに給糸する。次に図4のコ
ース8では先行の給糸口Bで前ベッドの針G・E・C・
Aに給糸してニットし、後行の給糸口Aでも同じく前ベ
ッドの針G・E・C・Aに給糸してニットする。コース
9では先行の給糸口Bで後ベッドの針B・D・F・H及
び前ベッドの針Iにニットするとともに、後ベッドの針
Jに給糸し、後行の給糸口Aでは後ベッドの針B・D・
F・Hに給糸してニットする。以降コース6からコース
9に示される編成を編幅を拡げる方向に向かって繰り返
し行えば、前側編地FFおよび後側編地BFをそれぞれ
4コース編成する間に前側編地1目、後側編地1目の増
し目を形成するY部が形成される。
コースづつ編成する間に前側編地1目、後側編地1目の
増し目を形成するZ部での編成について説明する。コー
ス9〜コース12においてはコース5〜コース8と同様
の編成を行い、コース13では後側編地BFを編成する
ため、先行の給糸口Bで後ベッドの針B・D・F・H・
Jおよび前ベッドの針Kに給糸してニットし、後行の給
糸口Aでは後ベッドの針B・D・F・H・Jに給糸して
ニットする。そしてコース14では先行の給糸口Bで前
ベッドの針I・G・E・C・Aに給糸し、後行の給糸口
Aでは同じく前ベッドの針I・G・E・C・Aに給糸し
てニットする。このように6コース以上編成する毎に増
し目を形成する場合には、コース6からコースに9に示
される編成にコース13からコース14に示される編成
を適宜回数追加して編成を行うことにより、任意の比率
で増し目を形成することが可能となる。なお、コース1
3からコース14に示される編成は前記図2のコース3
〜4で身頃部6に対して行った編成と同様の編成であ
り、増し目の形成を行わないコース13とコース14で
の編成において、給糸口Aと給糸口Bの編糸の交差によ
り生じる孔を目立たなくするための編成である。上記し
たように第1の実施の形態では、増し目を形成するコー
スでは引き返し編により編成し、6コース毎に増し目を
形成する場合のように増し目を形成しないコースにおい
ては、前後の編地に対し環状に給糸して編成を行う。
は、コース5の先行の給糸口Bで後側編地BFのループ
を係止している後ベッドの針に給糸するとともに、前ベ
ッドの針Gにもループを形成し、後行の給糸口Aで後ベ
ッドの針に給糸するとともに、前ベッドの針Gにタック
を行っている。このように、例えば前側編地FFを編成
する際に編地側端部において後側編地BFのループを係
止した針に給糸し、また逆にコース7に示すように後側
編地BFを編成する際に前側編地FFのループを係止し
た針に給糸して引き返し編を行うようにしているので、
編地側端部において、前側編地FFを構成する編糸と後
側編地を構成する編糸が交絡した状態となり、前側編地
FFと後側編地BFが右側側端部9で連結される。
よび前後の編地を6コース以上編成する毎に増し目を形
成する場合の筒状編成に関しては、以下に示す各実施の
形態においても編成可能であるが、説明を簡略化するた
め以下の実施の形態においては説明を省略する。上記し
た増し目を形成するための編成により右袖部2を所望の
筒径となるまで増し目した後、右袖部2のループを右側
端側から順次身頃部6のループと重ね合わせることで右
袖部を身頃部6に接続する。右袖部と身頃部6を接続す
る方法については特開平2−229248号公報に開示
されているためここでの説明は省略する。
明する。第2の実施の形態においては、2コース編成す
る毎に増し目が形成されるX部の編成は第1の実施の形
態と同じであるため、コース3から説明を行う。コース
3では先行の給糸口Bで後ベッドの針B・D・F・H及
び前ベッドの針Iと後ベッドの針Jに給糸し、後行の給
糸口Aで後ベッドの針B・D・F・H及び前ベッドの針
Iに給糸してニットする。コース4では先行の給糸口B
で前ベッドの針I・G・E・C・Aに給糸し、後行の給
糸口Aでも同じく前ベッドの針I・G・E・C・Aに給
糸してニットする。コース5では先行の給糸口Bで後ベ
ッドの針B・D・F・Hに給糸してニットし、後行の給
糸口Aでも同じく後ベッドの針B・D・F・Hに給糸し
てニットする。コース6では先行の給糸口Bで後ベッド
の針J及び前ベッドの針I・G・E・C・Aに給糸して
ニットし、後行の給糸口Aで後ベッドの針Jにタックす
るとともに、前ベッドの針I・G・E・C・Aに給糸し
てニットする。以上、コース3からコース6に示される
編成を編幅を拡げる方向に繰り返し行えば前側編地FF
及び後側編地BFをそれぞれ4コース編成する間に前側
編地1目、後側編地1目の増し目を形成するY部が形成
される。
明する。第3の実施の形態では、コース1で増し目を形
成する右袖部2の右側側端部9に向かって後側編地BF
を編成するため、先行の給糸口Bで後ベッドの針B・D
に給糸してニットするとともに、前ベッドの針Gに編糸
を供給し、後行の給糸口Aでは後ベッドの針B・D・F
に給糸してニットする。コース2では先行の給糸口Bで
前ベッドの針E・C・Aに給糸してニットし、後行の給
糸口Aでは後ベッドの針Hに給糸するとともに、前ベッ
ドの針G・E・C・Aに給糸してニットする。以上コー
ス1〜コース2に示される編成を編幅を拡げる方向に繰
り返し行えば前側編地FF及び後側編地BFをそれぞれ
2コース編成する間に前側編地1目、後側編地1目の増
し目を形成するX部が形成される。
ドの針B・D・Fに給糸してニットするとともに、前ベ
ッドの針Iに給糸してニットし、後行の給糸口Aでは後
ベッドの針B・D・F・Hに給糸してニットする。そし
てコース4では先行の給糸口Bで前ベッドの針G・E・
C・Aに給糸してニットし、後行の給糸口Aでは後ベッ
ドの針Jに給糸するとともに前ベッドの針I・G・E・
C・Aに給糸してニットする。コース5では先行の給糸
口Bで後ベッドの針B・D・F・H・Jに給糸してニッ
トし、後行の給糸口Aで後ベッドの針B・D・F・Hに
給糸してニットする。そしてコース6では先行の給糸口
Bで前ベッドの針G・E・C・Aに給糸してニットし、
後行の給糸口Aでは、後ベッドの針Jに給糸してニット
するとともに、前ベッドの針I・G・E・C・Aに給糸
してニットする。上記コース3からコース6に示される
編成を編幅を拡げる方向に繰り返し行えば、前側編地F
Fと後側編地BFをそれぞれ4コース編成する間に前側
編地1目、後側編地1目の増し目を形成するY部が形成
される。なお、上記した実施の形態ではコース5で後ベ
ッドの針Jに給糸せずに、その次のコース6の後行の給
糸口Aで針Jに給糸するようにしているが、コース5で
針Jに給糸し、コース6では針Jに給糸しないようにす
る等の変更を行うことが可能である。
使用して説明する。コース0は増し目の形成が開始され
る前の状態を示す。第4の実施の形態では、ループの形
成に使用される針間に空針を配置しない全針の状態で編
成を行う。前ベッドの針A〜Cに係止されているのが右
袖部2の前側編地FFのループであり、後ベッドの針A
〜Cに係止されているのが右袖部2の後側編地BFのル
ープであり、前ベッドの針G〜Iに係止されているのが
身頃部6の前側編地FFのループであり、後ベッドの針
G〜Iに係止されているのが身頃部6の後側編地BFの
ループである。コース1では、コース0に示される状態
から後ベッドを左に針1本分ラッキングし、前ベッドの
針Cに係止される前側編地FFの側端のループが後側編
地BFの側端のループを係止している後ベッドの針Cよ
りも右側に位置する状態とする。次にコース2では増し
目の形成を行う右側側端部9に向かって前側編地FFを
編成する際に、給糸口Bを先行の給糸口として前ベッド
の針A・Bに給糸してニットするとともに後ベッドの針
Dに給糸し、後行の給糸口Aでは前ベッドの針A・B・
Cに給糸してニットするとともに後ベッドの針Eに給糸
する。次にコース3では先行の給糸口Bで後ベッドの針
C・B・Aに給糸してニットし、後行の給糸口Aで後ベ
ッドの針E・D・C・B・Aに給糸してニットする。コ
ース4では後ベッドの針Eのループを前ベッドの針Dに
目移しする。以上コース2からコース4に示される編成
を編幅を拡げる方向に繰り返し行えば、前側編地FFお
よび後側編地BFをそれぞれ2コース編成する間に前側
編地1目、後側編地1目の増し目を形成するX部が形成
される。
は先行の給糸口Bで前ベッドの針A・B・Cに給糸して
ニットするとともに後ベッドの針Eに給糸し、後行の給
糸口Aで前ベッドの針A・B・C・Dに給糸しニットす
るとともに後ベッドの針Fに給糸する。コース6では先
行の給糸口Bで後ベッドの針D・C・B・Aに給糸して
ニットし、後行の給糸口Aでは後ベッドの針E・D・C
・B・Aに給糸してニットする。そして図7のコース7
では先行の給糸口Bで前ベッドの針A・B・C及び後ベ
ッドの針Eに給糸してニットし、後行の給糸口Aで前ベ
ッドの針A・B・C・Dに給糸してニットする。そして
コース8では先行の給糸口Bで後ベッドの針E・D・C
・B・Aに給糸してニットし、後行の給糸口Aでは同じ
く後ベッドの針F・E・D・C・B・Aに給糸してニッ
トする。コース9では後ベッドの針Fのループを前ベッ
ドの針Eに目移しする。上記コース5からコース9に示
される編成を編幅を拡げる方向に繰り返し行えば、前側
編地FFおよび後側編地BFをそれぞれ4コース編成す
る間に前側編地FFで1目、後側編地BFで1目の増し
目を形成するY部が形成される。
幅で編成されるセーターの身頃部と一方の編地側端部で
増し目が形成される袖部とを編成する場合を例に説明し
たが、例えばタイツを編成する場合には双方の編地で増
し目の形成を行い所望の筒径とした後、編地同士を接続
することも可能である。この場合には増し目の形成は編
地が隣接する側の編地側端部で行う。また、上記した実
施の形態における編成システムとは、針ベッド上を左右
移動するキャリッジ上に設けたカムシステムにより編針
を進退動させて編成を行うタイプの横編機におけるカム
システムのみを意味するものではなく、個々の編針の進
退動をリニアモータ手段により駆動させて編成を行うタ
イプの横編機における針の編成ウエーブを含むものであ
る。
方法では、第1の筒状編地と第2の筒状編地を針ベッド
上の異なる領域を使用して編成し、第1の筒状編地の第
2の筒状編地側の編地側端部に増し目を形成する際に、
第1の筒状編地の増し目が形成される第2の筒状編地側
の編地側端部に向かって編成を行うコースにおいて編成
される編地の前後と一致する側の給糸口を先行の給糸口
として使用して増し目を形成し所望の筒径とした後、第
1の筒状編地を第2の筒状編地側に移動させ、第1の筒
状編地の第2の筒状編地側のループから順に第2の筒状
編地のループと重ねあわせて第1の筒状編地と第2の筒
状編地を接続する。それにより、第1の筒状編地の増し
目が形成される側の編地側端部と、編糸の交差が発生す
る側の編地側端部が同じ編地側端部となり、編糸の交差
および増し目形成箇所に生じる孔を目立ち難くすること
ができる。また、増し目形成箇所及び編糸が交差が生じ
る側の編地側端部が第2の筒状編地により隠れ目立ち難
くすることができる。
行った場合には、増し目形成箇所で前後の編地のループ
が互いに引き寄せられるため、ループ間が開くのを防止
し、増し目箇所に生じる孔を更に一層目立ち難くするこ
とができるという効果がある。
発生する側の編地側端部に向かって編成する際に、編糸
の交差が発生する側の側端に位置する前後一対の編針の
内、何れか一方の編針に対する給糸を先行または後行の
給糸口の何れか一方とした場合には、編糸の交差する部
分で編地のコース数が他のウエールの半分となりループ
が伸ばされることで、先行と後行の給糸口の編糸の交差
により生じる孔が隠れ、編糸の交差を目立ち難くするこ
とができる。
す図であり、図1Bは脇部分までの編成が完了した時点
のセーターを示す図であり、図1Cは図1Aに示すセー
ターの右袖部を示す図である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
交差の発生について説明する図である。
6・・・身頃部、9・・・右袖部の右側側端部、10・
・・身頃部の左側側端部、11・・・右袖部の左側側端
部
Claims (7)
- 【請求項1】少なくとも前後一対の針ベッドを有し、そ
の前後何れか一方または双方の針ベッドが左右摺動可能
に構成され、前後異なるガイドレール上を往復動可能に
構成され、第1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以
上の編成システムを有する横編機を使用し、第1および
第2の給糸口を先行および後行の給糸口として使用する
ダブルシステム編成により編成される第1の編地と第2
の編地がその両端において連結されてなる第1の筒状編
地と、第1の筒状編地が編成される領域と異なる領域の
針を使用して編成され、同じく第1の編地と第2の編地
が両端において連結されてなる第2の筒状編地を編成
し、第1の筒状編地の第2の筒状編地側の編地側端部で
増し目を形成し所望の筒径とした後、第1の筒状編地の
第2の筒状編地側の側端のループを第2の筒状編地のル
ープを重ね合わせ、該重ね合わせたループに次コースの
ループを形成する編成を繰り返すことで第1の筒状編地
と第2の筒状編地を連結してなる編地の編成過程におい
て、増し目形成箇所がその編成コースにおける編成方向
下手側の編地側端部となる第1の筒状編地の編成コース
において編成する編地の前後と前後が一致する側の給糸
口を先行の給糸口として使用するとともに、第1の筒状
編地に増し目を形成する工程が以下の工程を含むことを
特徴とする筒状編地の編成方法; (1) 先行の第1の給糸口により第1の編地を編成す
るとともに、そのコースの編成方向下手側に位置する第
2の針ベッドの針、続いて第1の針ベッドの針に編成方
向に従って給糸する工程 (2) 後行の第2の給糸口により第1の編地を編成す
るとともに、前記工程1で第1の給糸口により新たに編
糸を係止させた針の内、何れか一方の針に再度給糸する
工程。 - 【請求項2】請求項1に記載の筒状編地の編成方法であ
って、請求項1に記載の筒状編地の編成工程に続き次の
工程を含むことを特徴とする筒状編地の編成方法; (1) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第2の
給糸口により第1の編地を編成する工程 (2) 後行の第1の給糸口により第1の編地を編成す
る工程 (3) 第1、第2の給糸口を反転させた後、先行の第
2の給糸口により第2の編地を編成するとともに、前記
新たに第1の針ベッドの針に係止させたループを保持し
ている針に給糸し、続けて編成方向下手側に隣接する第
2の針ベッドの針に給糸する工程 (4) 後行の第1の給糸口により第2の編地を編成す
るとともに、前記工程4で第1の針ベッドの編糸を供給
した針にタックする工程 (5) 先行の第1の給糸口により第2の編地を前記工
程3と反対方向に編成する工程 (6) 後行の第2の給糸口により第2の編地を前記工
程4と反対方向に編成する工程。 - 【請求項3】請求項1に記載の筒状編地の編成方法であ
って、請求項1に記載の筒状編地の編成工程に続き次の
工程を含むことを特徴とする筒状編地の編成方法; (1) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第1の
給糸口により第2の編地を編成する工程 (2) 後行の第2の給糸口により第2の編地を編成す
る工程 (3) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第1の
給糸口により第1の編地を編成する工程 (4) 第2の給糸口により第1の編地を編成する工程 (5) 再度第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第
1の給糸口により前記工程1で第1の針ベッドの針に新
たに編糸を係止させた編針に給糸してニットを行うとと
もに、第2の編地を編成する工程 (6) 後行の第2の給糸口により前記工程5でニット
した第1の針ベッドの針に給糸してタックするととも
に、第2の編地を編成する工程。 - 【請求項4】少なくとも前後一対の針ベッドを有し、そ
の前後何れか一方または双方の針ベッドが左右摺動可能
に構成され、前後異なるガイドレール上を往復動可能に
構成され、第1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以
上の編成システムを有する横編機を使用し、第1および
第2の給糸口を先行および後行の給糸口として使用する
ダブルシステム編成により編成される第1の編地と第2
の編地がその両端において連結されてなる第1の筒状編
地と、第1の筒状編地が編成される領域と異なる領域の
針を使用して編成され、同じく第1の編地と第2の編地
が両端において連結されてなる第2の筒状編地を編成
し、第1の筒状編地の第2の筒状編地側の編地側端部で
増し目を形成し所望の筒径とした後、第1の筒状編地の
第2の筒状編地側の側端のループを第2の筒状編地のル
ープを重ね合わせ、該重ね合わせたループに次コースの
ループを形成する編成を繰り返すことで第1の筒状編地
と第2の筒状編地を連結してなる編地の編成過程におい
て、増し目形成箇所がその編成コースにおける編成方向
下手側の編地側端部となる第1の筒状編地の編成コース
において編成する編地の前後と前後が一致する側の給糸
口を先行の給糸口として使用するとともに、第1の筒状
編地に増し目を形成する工程が以下の工程を含むことを
特徴とする筒状編地の編成方法; (1) 先行の第1の給糸口により第1の編地の編成方
向下手側の側端のループを除く第1の編地のループを係
止している針に給糸してニットするとともに、第1の編
地の側端のループの編成方向下手側に位置する針に給糸
する工程 (2) 後行の第2の給糸口により第1の編地を編成す
る工程 (3) 第1、第2の給糸口を反転させるとともに、先
行の第1の給糸口により第2の編地を編成する工程 (4) 後行の第2の給糸口により前記工程1で新たに
編糸を係止させた第2の針ベッドの針の編成方向上手側
に位置する針に給糸するとともに、第2の編地を編成す
る工程。 - 【請求項5】増し目の形成に先立ち、増し目を形成する
側の編地側端部において前後両針ベッドの針に係止され
るループの内、最外側に位置するループが係止されてい
る側の針ベッドの外側から2本分の針と、対向する針ベ
ッド上の側端に位置する針とに給糸口の進行方向に従っ
て交互に給糸し、次コースにおいては、前記対向する針
ベッド上の前記側端に位置する針を除くそれ以外の針に
給糸する孔埋め編成を行うことを特徴とする請求項1乃
至請求項4の何れか一つの項に記載の筒状編地の編成方
法。 - 【請求項6】少なくとも前後一対の針ベッドを有し、そ
の前後何れか一方または双方の針ベッドが左右摺動可能
に構成され、前後異なるガイドレール上を往復動可能に
構成され、第1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以
上の編成システムを有する横編機を使用し、第1および
第2の給糸口を先行および後行の給糸口として使用する
ダブルシステム編成により編成される第1の編地と第2
の編地がその両端において連結されてなる第1の筒状編
地と、第1の筒状編地が編成される領域と異なる領域の
針を使用して編成され、同じく第1の編地と第2の編地
が両端において連結されてなる第2の筒状編地を編成
し、第1の筒状編地の第2の筒状編地側の編地側端部で
増し目を形成し所望の筒径とした後、第1の筒状編地の
第2の筒状編地側の側端のループを第2の筒状編地のル
ープを重ね合わせ、該重ね合わせたループに次コースの
ループを形成する編成を繰り返すことで第1の筒状編地
と第2の筒状編地を連結してなる編地の編成過程におい
て、増し目形成箇所がその編成コースにおける編成方向
下手側の編地側端部となる第1の筒状編地の編成コース
において編成する編地の前後と前後が一致する側の給糸
口を先行の給糸口として使用するとともに、第1の筒状
編地に増し目を形成する工程が以下の工程を含むことを
特徴とする筒状編地の編成方法; (1) 第1の編地の側端のループを係止している針が
第2の編地の側端のループを係止している針よりも増し
目を形成する側に位置するように第1または第2の針ベ
ッドをラッキングする工程 (2) 先行の第1の給糸口で第1の編地の編成方向下
手側の側端に位置するループを係止している針を除き、
第1の編地のループを係止している針に給糸するととも
に、編成方向下手側に位置する第2の針ベッドの針に給
糸する工程 (3) 後行の第2の給糸口で第1の編地のループを係
止している針および編成方向下手側に位置する第2の針
ベッドの針に給糸する工程 (4) 第1、第2の給糸口を反転させ、先行の第1の
給糸口により第2の編地の編成方向上手側の側端に位置
するループを係止している針を除く第2の編地を係止し
ている針に給糸してニットする工程 (5) 後行の第2の給糸口により前記工程2および工
程3で新たに編糸を係止させた第2の針ベッドの針およ
び第2の編地のループを係止している針に給糸する工程 (6) 前記工程3で第2の針ベッドの針に新たに係止
させた編糸に続いて形成されたループを対向する針ベッ
ド上の編針に目移しする工程。 - 【請求項7】少なくとも前後一対の針ベッドを有し、そ
の前後何れか一方または双方の針ベッドが左右摺動可能
に構成され、前後異なるガイドレール上を往復動可能に
構成され、第1、第2の給糸口を有し、少なくとも2以
上の編成システムを有する横編機を使用し、第1および
第2の給糸口を先行および後行の給糸口として使用する
ダブルシステム編成により編成される第1の編地と第2
の編地がその両端において連結されてなる筒状編地を編
成する方法において、先行の給糸口と後行の給糸口の編
糸の交差が発生する側の編地側端部に向かって編成する
際に、編糸の交差が発生する側の側端に位置する前後一
対の編針の内、何れかの編針に対する給糸を第1の給糸
口または第2の給糸口の何れか一方の編糸で行うことを
特徴とする筒状編地の編成方法。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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