JPH10264853A - 車両フロントエンドモジュール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡素な車両フロントエンドモジュール構
造を提供すること。 【解決手段】 車両のラジエータ本体２の周辺を覆うよ
うにしてラジエータ本体２が保持される第１保持部分１
２及び第１保持部分１２に連続し且つ車両のラジエータ
ファン３の周辺を覆うようにしてラジエータファン３が
保持される第２保持部分１４を一体に有する樹脂製のフ
ロントエンドパネル１と、第１保持部分１２と第２保持
部分１４との間の上部段差部位に溶着されて配置され底
壁２６ａを有する樹脂製の箱形状を呈するラジエータリ
ザーバタンク２６とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも車両の
ラジエータを保持する樹脂製のフロントエンドパネルを
備えた車両フロントエンドモジュール構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の車両フロントエンドモジ
ュール構造としては、特開平５−１０５１１５号公報に
示されるものが知られている。

【０００３】これは、車両のフロントサイドメンバに取
付けられ車両のラジエータ本体が保持される第１保持部
分及びラジエータファンが保持される第２保持部分を一
体に有する樹脂製のフロントエンドパネルを備えた構造
である。

【０００４】この従来構造では、ラジエータの周囲を第
１保持部分が覆うようにしてラジエータをフロントエン
ドパネルに保持し、又、ラジエータファンの周囲を第２
保持部分が覆うようにしてラジエータファンをラジエー
タより車両後方に配置してフロントエンドパネルに保持
しており、第１保持部分と第２保持部分とは、車両前後
方向において連続して一体となっている。

【０００５】ところで、車両のラジエータの一例とし
て、昭和６０年２月１日にトヨタ自動車株式会社より発
行された「自動車の構造」に開示されたものが知られて
いる。これは、ラジエータ本体、ラジエータファン及び
ラジエータリザーバタンクとからなり、ラジエータ本体
及びラジエータファンは、上記の従来構造のように、フ
ロントエンドパネルに保持され、ラジエータリザーバタ
ンクは、ラジエータ本体から離れた位置で車両のエンジ
ンルーム内の車両ボデーパネルやフェンダーリインフォ
ース等に保持されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
構造では、ラジエータリザーバタンクは、フロントエン
ドパネル以外で保持されているので、リザーバタンクを
取付けるブラケット等の部材及び取付作業が必要とな
り、部品点数が増えて、モジュール構造としては、非常
に繁雑な構造となる。

【０００７】故に、本発明は、より簡素な車両フロント
エンドモジュール構造を提供することを、その技術的課
題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために本発明において講じた技術的手段は、車両のラ
ジエータ本体の周辺を覆うようにして前記ラジエータ本
体が保持される第１保持部分及び該第１保持部分に連続
し且つ車両のラジエータファンの周辺を覆うようにして
前記ラジエータファンが保持される第２保持部分を一体
に有する樹脂製のフロントエンドパネルと、前記第１保
持部分と前記第２保持部分との間の上部段差部位に溶着
されて配置され底壁を有する樹脂製の箱形状を呈するラ
ジエータリザーバタンクとを備えた、ことである。

【０００９】より好ましくは、前記ラジエータリザーバ
タンクを、第２保持部分の上壁から前記第１保持部分の
後壁に向かって円弧状に延在する形状を呈するものとす
る、と良い。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１ないし図５に示されるよう
に、樹脂材料よりなるフロントエンドパネル１は、車両
のエンジンの冷却水を冷やすためのラジエータ本体２、
ラジエータファン３、ラジエータリザーバタンク２６
（図６示）、エアコンの冷媒を冷却するためのコンデン
サ４、コンデンサファン５及び左右一対のヘッドランプ
６を保持するものであって、車両の左右一対のフロント
サイドメンバ７間に配置され、ブラケット８を介してフ
ロントサイドメンバ７に取付けられており、又、その車
両幅方向両端で車両の左右一対のフロントフェンダーリ
インフォース９に固定されている。

【００１１】このフロントエンドパネル１は、矩形形状
を呈した板状の本体１０を主としている。この板状の本
体１０の車両幅方向両側縁及び車両下方縁には、車両前
後方向に延在突出した互いに連続するフランジ１１、１
２が一体に形成されている。本体１０の車両上方縁に
は、車両後方に開口したコ字断面形状のアッパリインフ
ォース部分１３が一体に形成されている。又、本体１０
には、夫々、周縁に車両後方に突出したフランジ１４
ａ、１５ａを備えた円形の対の開口１４、１５が車両幅
方向において隣合って形成されている。更に、本体１０
の裏面（車両後方面）の隣合う開口１４、１５間には、
車両後方に延在するリブ１６が車両上下方向に渡り形成
されており、フランジ１１、１２、アッパリインフォー
ス部分１３及びリブ１６により本体１０の剛性を確保し
ている。ラジエータ本体２及びコンデンサ４は、本体１
０の表面（車両前方面）フランジ１１、１２の車両前方
部位の内面により囲まれた空間に夫々が開口１４、１５
を塞ぐ形で車両幅方向に並列で配置されており、ラジエ
ータ本体２はフランジ１２及びフランジ１２の車両前方
部位と対向するように本体１０の車両上方縁から延在す
るフランジ１７に係合固定され、又、コンデンサ４はボ
ルト等により本体１０に締結固定されている。ラジエー
タファン３は、ラジエータ本体２により塞がれる図１示
右側の開口１４内に収容されてフランジ１４ａから一体
に延在した支持部１４ｂに回転自在に支持されており、
又、コンデンサファン５は、コンデンサ４により塞がれ
る図１示左側の開口１５内に収容されてフランジ１５ａ
から一体に延在した支持部１５ｂに回転自在に支持され
ている。

【００１２】本体１０の両側縁の両フランジ１１の外側
面には、外方に突出するリブ１８が一体に形成されてい
る。このリブ１８は、車両上下方向に厚みがあり且つ車
両前後方向に渡る幅を持つもので、全体として先端にい
くにつれこの幅及び厚みが徐々に細くなっていく形状で
且つ車両後方に開口したコ字断面形状を呈している。こ
のリブ１８は、その上壁がアッパリインフォース部分１
３の上壁と面一となるようにアッパリインフォース部分
１３から連続しており、先端で車両のフロントフェンダ
ーリインフォース９にボルト等で締結固定されている。

【００１３】本体１０の両側縁の両フランジ１１の外側
面には、リブ１８と車両上下方向において所定の間隔を
もって互いに平行に配置されたリブ１９が一体に形成さ
れている。このリブ１９は、車両上下方向に厚みがあり
且つ車両前後方向に渡る幅を持つ閉断面形状を呈してい
る。又、このリブ１９の幅は、リブ１８の幅より大き
く、リブ１９は、リブ１８より車両前方に突出したもの
となっており且つ全体として先端にいくにつれこの幅が
徐々に細くなっていく形状を呈している。リブ１８の下
壁の車両後方縁とリブ１９の後壁とは、フランジ１１か
ら連続した壁２０により一体に連結されている。ヘッド
ランプ６は、リブ１８の下壁、リブ１９の上壁、フラン
ジ１１及び壁２０により囲まれた空間内に収容されてお
り、壁２０にボルト等で締結固定されている。

【００１４】図６に示されるように、アッパリインフォ
ース部分１３の下壁１３ａは、リブ１８の近傍において
切欠かれており、上壁１３ｂと開口１４のフランジ１４
ａとが対向して所定の空間Ａを形成している。この空間
Ａには、ラジエータリザーバタンク２６が配設されてい
る。ラジエータリザーバタンク２６は、インジェクショ
ン成形等により一体に成形された筒形状を呈したもので
あって、フランジ１４ａと同形状の底壁２６ａ及び底壁
２６ａから円弧状に延在する側壁２６ｂとを一体に有し
てタンク内部空間２６ｃを形成している。このラジエー
タリザーバタンク２６の側壁２６ｂには、上方鉛直方向
に延在しタンク内部空間２６ｃに通ずる給水口２６ｄが
形成されている。このように構成されたラジエータリザ
ーバタンク２６は、側壁２６ｂの先端が本体１０と連続
するアッパリインフォース１３の前壁１３ｃの裏面（車
両後方面）と接触するように底壁２６ａでフランジ１４
ａの上面に溶着され，前壁１３ｃの裏面との接触により
タンク内部空間２６ｃを閉じている。

【００１５】このように、側壁２６ｂと連続して一体の
底壁２６ａによりフランジ１４ａに溶着しているので、
溶着強度が確保され、しかも、溶着具合に影響されず、
タンク内部空間２６ｃの水密性を確実に確保することが
できる。

【００１６】図１に示されるように、フロントエンドパ
ネル１より車両前方には、車両幅方向に延在するように
フロントサイドメンバ７間に位置するバンパリインフォ
ースメント２３が配設されている。又、このバンパリイ
ンフォースメント２３は、バンパリインフォースメント
２３は、バンパシェル２４により覆われている。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、フロントエンドパネル
にラジエータリザーバタンクを溶着したので、従来の如
きラジエータリザーバタンク用の取付けブラケット等を
不要として、部品点数を低減することができる。これに
より、従来に比べて簡素な車両フロントモジュール構造
とすることができ、取付作業の簡素化や工数及びコスト
低減を図ることができる。

【００１８】又、ラジエータリザーバタンクは、ラジエ
ータ本体を保持する第１保持部分とラジエータファンを
保持する第２保持部分との間の段差部分に配置している
ので、フロントエンドパネルのデッドスペースを利用で
き、スペース的にも有利なものとすることができる。

【００１９】又、本発明によれば、ラジエータリザーバ
タンクを円弧形状としたので、その容量をフロントエン
ドパネルのデッドスペース内で有効に確保することがで
きる。更に、その成形型構造も簡素化され、インジェク
ション成形等の一体成形も容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車両フロントエンドモジュール構
造の分解斜視図である。

【図２】本発明に係る車両フロントエンドモジュール構
造のフロントエンドパネルの中央縦断面図である。

【図３】本発明に係る車両フロントエンドモジュール構
造のフロントエンドパネルのラジエータ本体を保持する
保持部分の縦断面図である。

【図４】本発明に係る車両フロントエンドモジュール構
造のフロントエンドパネルの中央横断面図である。

【図５】本発明に係る車両フロントエンドモジュール構
造のフロントエンドパネルのヘッドランプ保持部位を示
す縦断面図である。

【図６】本発明に係る車両フロントエンドモジュール構
造のラジエータリザーバタンクを示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ フロントエンドパネル ２ ラジエータ本体 ３ ラジエータファン ７ フロントサイドメンバ １２ フランジ（第１保持部分） １４ 開口（第２保持部分） ２６ リザーバタンク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両のラジエータ本体の周辺を覆うよう
   にして前記ラジエータ本体が保持される第１保持部分及
   び該第１保持部分に連続し且つ車両のラジエータファン
   の周辺を覆うようにして前記ラジエータファンが保持さ
   れる第２保持部分を一体に有する樹脂製のフロントエン
   ドパネルと、前記第１保持部分と前記第２保持部分との
   間の上部段差部位に溶着されて配置され底壁を有する樹
   脂製の箱形状を呈するラジエータリザーバタンクとを備
   える車両フロントエンドモジュール構造。
2. 【請求項２】 前記ラジエータリザーバタンクは、第２
   保持部分の上壁から前記第１保持部分の後壁に向かって
   円弧状に延在する形状を呈する、請求項１記載の車両フ
   ロントエンドモジュール構造。